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【発明の名称】 通信装置及びタイムスロット割当方法
【発明者】 【氏名】関口 正浩

【要約】 【課題】TDMA方式でのマルチスロット通信において、タイムスロット連結の実現可能性を高める。

【構成】複数のタイムスロットのうち、移動局装置ごとにいずれか1つ以上を使用して時分割多重通信を行う基地局装置10であって、注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する選択部15と、選択部15により選択されたタイムスロットを、前記注目タイムスロットを使用する注目移動局装置に割り当てるタイムスロット割当部16と、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイムスロットのうち、通信相手装置ごとにいずれか1つ以上を使用して時分割多重通信を行う通信装置であって、
注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する選択部と、
前記選択部により選択されたタイムスロットを、前記注目タイムスロットを使用する注目通信相手装置に割り当てるタイムスロット割当部と、
を含むことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記選択部により選択されたタイムスロットが他の通信相手装置により使用されているか否かを判定する使用状態判定部、
をさらに含み、
前記タイムスロット割当部は、前記使用状態判定部により、前記選択部により選択されたタイムスロットが他の通信相手装置により使用されていると判定された場合、他のタイムスロットを該他の通信相手装置に割り当てるとともに、前記選択部により選択されたタイムスロットを前記注目通信相手装置に割り当てる、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信装置において、
前記タイムスロット割当部は、前記使用状態判定部により、前記選択部により選択されたタイムスロットが他の通信相手装置により使用されていると判定された場合、それまで前記注目通信相手装置により使用されている1以上のタイムスロットのうちのひとつを、該他の通信相手装置に割り当てる、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記選択部は、前記注目通信相手装置により前記注目タイムスロットと時間的に隣接する少なくとも1つのタイムスロット以外のタイムスロットも使用されている場合に、前記注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置において、
当該通信装置は複数の無線部を有し、該各無線部がそれぞれ時分割多重により多重化された複数の通信を行い、
前記選択部は、前記注目タイムスロットが属する無線部に属するタイムスロットの中から、前記注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記各タイムスロットでは、複数の周波数のうちからタイムスロットごとに選択された1の周波数を使用して通信が行われ、
当該通信装置は、
前記注目タイムスロットにおいて使用される周波数と、前記選択部により選択されたタイムスロットにおいて使用される周波数と、が異なっているか否かを判定する周波数判定部と、
前記周波数判定部の判定結果に応じて、前記注目タイムスロット又は前記選択部により選択されたタイムスロットの少なくとも一方について、使用周波数を変更する周波数変更部と、
をさらに含む、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項7】
複数のタイムスロットのうち、通信相手装置ごとにいずれか1つ以上を使用して時分割多重通信を行う際のタイムスロット割当方法であって、
注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択されたタイムスロットを、前記注目タイムスロットを使用する注目通信相手装置に割り当てるタイムスロット割当ステップと、
を含むことを特徴とするタイムスロット割当方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置及びタイムスロット割当方法に関し、特に、タイムスロットの連結技術に関する。
【背景技術】
【0002】
TDMA(Time Division Multiple Access,時分割多元接続)方式を採用する通信システム(例えば、特許文献1乃至4)では、接続要求が発生する都度、接続要求によって要求される通信に対し、順次空いているタイムスロットを割り当てていく。
【0003】
従来、ひとつの通信相手装置に設定されるタイムスロットはひとつであったが、近年、映像通信など大量のデータの送受信が行われる通信が増えてきたことに対応して、ひとつの通信相手装置に複数のタイムスロットを割り当てるマルチスロット通信が行われるようになっている。
【0004】
通信システムの中には、例えば特許文献3に記載のもののように、上記マルチスロット通信においてさらに、ひとつの通信相手装置に割り当てられた複数のタイムスロットが時間的に隣接している場合、これらのタイムスロットを連結するようにしているものがある。連結されたタイムスロット間では通信制御情報が共有され、タイムスロットごとの細かい通信制御はできなくなるものの、通信制御情報が共有されている分、効率的に通信データを送受信できるようになる。
【特許文献1】特開平6−61937号公報
【特許文献2】特表平9−512151号公報
【特許文献3】特表平10−510111号公報
【特許文献4】特表2003−529284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のマルチスロット通信では、必ずしも1つの通信相手装置に割り当てられた複数のタイムスロットが時間的に隣接しているとは限らない。隣接していない場合にはタイムスロット連結を行えず、効率的な通信データの送受信が行えなかった。
【0006】
従って、本発明の課題の一つは、TDMA方式でのマルチスロット通信において、タイムスロット連結の実現可能性を高められる通信装置及びタイムスロット割当方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明にかかる通信装置は、複数のタイムスロットのうち、通信相手装置ごとにいずれか1つ以上を使用して時分割多重通信を行う通信装置であって、注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する選択部と、前記選択部により選択されたタイムスロットを、前記注目タイムスロットを使用する注目通信相手装置に割り当てるタイムスロット割当部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
これによれば、TDMA方式でのマルチスロット通信において、1つの通信相手装置が時間的に隣接する複数のタイムスロットを使用するようにすることができるので、タイムスロット連結の実現可能性を高められる。
【0009】
また、上記通信装置において、前記選択部により選択されたタイムスロットが他の通信相手装置により使用されているか否かを判定する使用状態判定部、をさらに含み、前記タイムスロット割当部は、前記使用状態判定部により、前記選択部により選択されたタイムスロットが他の通信相手装置により使用されていると判定された場合、他のタイムスロットを該他の通信相手装置に割り当てるとともに、前記選択部により選択されたタイムスロットを前記注目通信相手装置に割り当てる、こととしてもよい。
【0010】
これによれば、選択部により選択されたタイムスロットが他の通信相手装置により使用中であったとしても、該他の通信相手装置を他のタイムスロットに移動させられるので、タイムスロット連結の実現可能性をより高められる。
【0011】
また、この通信装置において、前記タイムスロット割当部は、前記使用状態判定部により、前記選択部により選択されたタイムスロットが他の通信相手装置により使用されていると判定された場合、それまで前記注目通信相手装置により使用されている1以上のタイムスロットのうちのひとつを、該他の通信相手装置に割り当てる、こととしてもよい。
【0012】
これによれば、タイムスロットの交換により、他の通信相手装置を他のタイムスロットに移動させられる。
【0013】
また、上記各通信装置において、前記選択部は、前記注目通信相手装置により前記注目タイムスロットと時間的に隣接する少なくとも1つのタイムスロット以外のタイムスロットも使用されている場合に、前記注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する、こととしてもよい。
【0014】
これによれば、通信中において必要な場合に、タイムスロット連結の実現可能性を高められる。
【0015】
また、当該通信装置は複数の無線部を有し、該各無線部がそれぞれ時分割多重により多重化された複数の通信を行い、前記選択部は、前記注目タイムスロットが属する無線部に属するタイムスロットの中から、前記注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する、こととしてもよい。
【0016】
これによれば、通信装置が複数の無線部を有しているとしても、同じ無線部内で、1つの通信相手装置が時間的に隣接する複数のタイムスロットを使用するようにすることができるので、タイムスロット連結の実現可能性を高められる。
【0017】
また、上記各通信装置において、前記各タイムスロットでは、複数の周波数のうちからタイムスロットごとに選択された1の周波数を使用して通信が行われ、当該通信装置は、前記注目タイムスロットにおいて使用される周波数と、前記選択部により選択されたタイムスロットにおいて使用される周波数と、が異なっているか否かを判定する周波数判定部と、前記周波数判定部の判定結果に応じて、前記注目タイムスロット又は前記選択部により選択されたタイムスロットの少なくとも一方について、使用周波数を変更する周波数変更部と、をさらに含む、こととしてもよい。
【0018】
タイムスロット連結を行うためには、連結対象のタイムスロットの周波数が同一である必要がある。上記通信装置によれば、連結対象のタイムスロットの周波数を揃えられるので、タイムスロット連結の実現可能性がより高められる。
【0019】
また、本発明にかかるタイムスロット割当方法は、複数のタイムスロットのうち、通信相手装置ごとにいずれか1つ以上を使用して時分割多重通信を行う際のタイムスロット割当方法であって、注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する選択ステップと、前記選択ステップにおいて選択されたタイムスロットを、前記注目タイムスロットを使用する注目通信相手装置に割り当てるタイムスロット割当ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態にかかる移動体通信システム1のシステム構成を示す図である。移動体通信システム1は、図1に示すように、基地局装置10と複数の移動局装置20とを含んで構成される。
【0022】
基地局装置10及び移動局装置20は、いずれもCPU及びメモリを備えるコンピュータである。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行するための処理ユニットであり、各装置の各部を制御する処理を行うとともに、後述する各機能部を実現する。メモリは本実施の形態を実施するためのプログラムやデータを記憶している。また、CPUのワークメモリとしても動作する。
【0023】
基地局装置10は、複数の移動局装置20との間で、TDMA方式による多重化通信を行う。すなわち、複数のタイムスロットセット(上りタイムスロットと下りタイムスロットのセット。以下、上り又は下りをつけずに単にタイムスロットという場合、タイムスロットセットを指す。)のうち、移動局装置20ごとにいずれか1つ以上を使用して通信を行う。各タイムスロットでは、複数の周波数のうちからタイムスロットごとに選択された1の周波数を使用して通信が行われる。なお、ここでは、タイムスロットごとに1の周波数が選択されるものとして説明するが、上りタイムスロットと下りタイムスロットとで別々に周波数が選択されることとしてもよい。
【0024】
また、基地局装置10は、複数の移動局装置20との間で、上記通信とは別に制御信号の送受信を行う。制御信号の送受信には、上記タイムスロットのうちの一部(制御信号用タイムスロットと称する。)が用いられる。
【0025】
図2は、各移動局装置20に対するタイムスロットの割り当ての具体的な例を示す図である。同図に示すように、本実施の形態では、後述する4つの無線部11のそれぞれに4つのタイムスロットが属している。すなわち、16個のタイムスロットが割り当て可能であり、各移動局装置20にはこのうちのいずれか1つ以上が割り当てられる。基地局装置10と移動局装置20とは、こうして割り当てられたタイムスロットを使用して通信を行う。
【0026】
また、本実施の形態では4つの周波数が使用可能である。各無線部11が同時に同じ周波数を使用することはできないため、図2に示すように、同時に送信される4つのタイムスロットでは、互いに異なる周波数が使用される。
【0027】
以下、基地局装置10の機能の詳細について説明する。
【0028】
図3は、基地局装置10の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、基地局装置10は機能的に、無線部11−1乃至4、周波数制御部12−1乃至4、通信処理部13、割当状態記憶部14、選択部15、タイムスロット割当部16、周波数割当部17を含んで構成される。また、タイムスロット割当部16は使用状態判定部161を、周波数割当部17は周波数判定部171を、それぞれその内部に含んで構成される。
【0029】
各無線部11は、それぞれがアンテナを備え、移動局装置20との間でタイムスロットの送受信を行う。具体的には、各無線部11は、通信処理部13から順次入力される下りタイムスロットを変調し、入力された順序で無線送信する。また、各無線部11は、アンテナに順次到来する無線信号を復調して上りタイムスロットを取得し、順次通信処理部13に出力する。
【0030】
割当状態記憶部14は、各移動局装置20に対するタイムスロット及び周波数の割り当てを記憶するための割当テーブルを記憶する。この割当テーブルの詳細については後述する。
【0031】
通信処理部13は、割当テーブルを参照することにより、各移動局装置20に割り当てられたタイムスロットを取得する。そして、各移動局装置20に対して送信すべき通信データを取得し、各移動局装置20に割り当てられた下りタイムスロットに含めて、各無線部11に順次出力する。なお、通信処理部13は、原則として下りタイムスロットごとに、上記通信データに加え、変調方式を示す変調方式情報などの所定の通信制御データも含める。
【0032】
また、通信処理部13は、各無線部11から順次入力される上りタイムスロットを、取得したタイムスロット割り当てに基づき、移動局装置20ごとに分類する。そして、この分類に基づき、各上りタイムスロットから各移動局装置20が送信した通信データを取得する。なお、移動局装置20も、基地局装置10同様、原則として上りタイムスロットごとに、通信データに加え、変調方式を示す変調方式情報などの所定の通信制御データも含めており、通信処理部13は、上りタイムスロットから通信データを取得する際、該上りタイムスロットに含まれる通信制御データも取得する。
【0033】
さらに、通信処理部13は、各移動局装置20に対して送信すべき制御信号を取得し、制御信号用タイムスロットに含めて、各無線部11に順次出力する。また、通信処理部13は、各無線部11から順次入力される上りタイムスロットの中から制御信号用タイムスロットを取り出し、そこから各移動局装置20が送信した制御信号を取得する。
【0034】
各周波数制御部12は、割当テーブルに基づき、対応する無線部11が下りタイムスロットを無線送信する際の周波数を制御する。また、割当テーブルに基づき、対応する無線部11が上りタイムスロットを受信するために受信すべき周波数を制御する。具体的には、各周波数制御部12は、所定周波数の信号の発振器を有しており、この発振器の発振する信号は、対応する無線部11において無線信号に乗算される。各周波数制御部12は、発振器の発振する信号の周波数を割当テーブルに基づいて制御することにより、対応する無線部11が下りタイムスロットを無線送信する際の周波数及び上りタイムスロットを受信するために受信すべき周波数を制御する。
【0035】
移動局装置20が送信する制御信号には、タイムスロット割当要求(通信開始時には発呼要求。通信中には割り当てタイムスロットを増やしてほしい旨の要求。)が含まれることがある。移動局装置20が送信したタイムスロット割当要求を通信処理部13が取得した場合、タイムスロット割当部16は、該移動局装置20にタイムスロットを割り当て、その結果を割当テーブルに記憶させるとともに、移動局装置20に対し、制御信号に含めて送信する。具体的には、割当テーブルを参照し、未だ他の移動局装置20に割り当てられていないタイムスロットを、上記移動局装置20に割り当てる。
【0036】
また、移動局装置20が送信したタイムスロット割当要求を通信処理部13が取得した場合、周波数割当部17は、タイムスロット割当部16により該移動局装置20に新たに割り当てられたタイムスロットに周波数を割り当て、その結果を割当テーブルに記憶させるとともに、移動局装置20に対し、制御信号に含めて送信する。具体的には、上記4つの周波数のうち、タイムスロット割当部16により該移動局装置20に割り当てられたタイムスロットと同時に送受信される1以上のタイムスロットのいずれにもまだ割り当てられていない周波数を割り当てる。
【0037】
移動局装置20は、上記各制御信号を受信すると、割り当てられたタイムスロットに、他の通信装置の送信電波等、移動局装置20が行う通信を妨害することとなる通信妨害要因が存在していないことを確認するための処理(キャリアセンス)を行う。具体的には、割り当てられたタイムスロットにおいて、該タイムスロットに割り当てられた周波数及びその近傍の周波数の電波が存在しているか否かをサーチする。移動局装置20は、このサーチの結果所定電力以上の電波が検出されなかった場合に、割り当てられたタイムスロットでの通信を開始する。一方、所定電力以上の電波が検出された場合には、通信妨害要因が存在していると判定し、基地局装置10に対して再割り当てを要求する。この要求を受けた基地局装置10は、上記割り当て処理を再度実行する。
【0038】
ここで、タイムスロットの連結について説明する。上述したように、通信処理部13は、原則として下りタイムスロットごとに、上記通信データに加え、上記所定の通信制御データも含める。しかし、1つの移動局装置20に割り当てられた複数のタイムスロットが時間的に隣接しており、かつその周波数が同じである場合、通信処理部13は、これら隣接するタイムスロットごとに上記所定の通信制御データを含めるようにする。この処理を、タイムスロットを連結するという。
【0039】
なお、通信処理部13は、タイムスロット内での周波数エラーや位相エラーを所定時間にわたって測定し、測定結果に基づいてタイムスロット連結の有効性を評価するための有効性評価値を算出することとしてもよい。そして、この有効性評価値が所定値以上である場合に、タイムスロットを連結するようにすることが好適である。
【0040】
移動局装置20でも同様にタイムスロットを連結する処理が行われ、そのような場合、通信処理部13は、複数の上りタイムスロットから1の通信制御データを取得する。
【0041】
上記タイムスロット連結処理は、1つの移動局装置20に割り当てられた複数のタイムスロットが時間的に隣接しており、しかも同じ無線部11に属し、かつその使用周波数が同じである場合のみ行われるものであるので、基地局装置10は、タイムスロットが連結できるよう、1つの移動局装置20に割り当てられた複数のタイムスロットが時間的に隣接し、しかも同じ無線部11に属し、かつその使用周波数が同じとなるように、タイムスロット及び周波数の割り当てを行う。以下、このための処理について、詳細に説明する。
【0042】
選択部15は、特定のタイムスロットに注目する。以下、こうして注目したタイムスロットを注目タイムスロット、注目タイムスロットを使用している移動局装置20を注目移動局装置20ということにする。選択部15は、注目移動局装置20が、注目タイムスロットと時間的に隣接し、かつ同じ無線部11に属している少なくとも1つのタイムスロット以外のタイムスロットも使用しているか否かを判定する。そして、使用していると判定した場合に、注目タイムスロットが属する無線部11に属するタイムスロットの中から、該注目タイムスロットと時間的に隣接するタイムスロットを選択する。以下、こうして選択したタイムスロットを選択タイムスロットということにする。
【0043】
図2の例では、選択部15は、例えば無線部11−1のTS2に注目する。この場合、注目移動局装置20は移動局装置20−1となる。移動局装置20−1により、無線部11−1のTS2と、無線部11−1のTS1とTS3以外のタイムスロットである無線部11−1のTS4と、が使用されているので、選択部15は、無線部11−1のTS2と隣接する無線部11−1のTS1及びTS3のいずれか一方を選択する。以下の説明では、無線部11−1のTS1を選択したものとして説明する。
【0044】
選択部15は、以上のようにして選択した選択タイムスロットを注目移動局装置20に割り当てるよう、タイムスロット割当部16に指示する。また、選択タイムスロットで使用される周波数と、注目タイムスロットで使用される周波数と、を揃えるよう、周波数割当部17に指示する。
【0045】
タイムスロット割当部16は、選択部15からの指示に従い、選択タイムスロットを注目移動局装置20に割り当てる。具体的には、使用状態判定部161は、選択タイムスロットが他の移動局装置20に割り当てられているか否かを判定する。そして、タイムスロット割当部16は、使用状態判定部161により選択タイムスロットが他の移動局装置20に割り当てられていると判定された場合、他のタイムスロットを該他の移動局装置20に割り当てるとともに、選択タイムスロットを注目移動局装置20に割り当てる。より具体的な例では、タイムスロット割当部16は、それまで注目移動局装置20により使用されている1以上のタイムスロットのうちのひとつを、上記他の移動局装置20に割り当てる。すなわち、注目移動局装置20と上記他の移動局装置20との間で、タイムスロットの割り当てを交換する。
【0046】
図2の例では、タイムスロット割当部16は、無線部11−1のTS1を移動局装置20−1に割り当てるとともに、それまでに移動局装置20−1に割り当てられているタイムスロットのうちのひとつであるTS4を選択し、無線部11−1のTS1に割り当てられていた移動局装置20−4に割り当てる。
【0047】
なお、タイムスロット割当部16により上記のようにしてタイムスロットが割り当てられる場合、周波数については維持されるようにすることが好適である。例えば図2の例では、上述のように割り当てを変更した後、無線部11−1のTS1で使用される周波数はf1に、無線部11−1のTS4の周波数はf4に、それぞれ維持される。
【0048】
タイムスロットの割り当てを交換するにあたっては、タイムスロット割当部16は、注目移動局装置20及び上記他の移動局装置20それぞれに対し、タイムスロットの割り当て変更を予告するための制御信号の送信を行うようにすることが好適である。この場合、制御信号を受信した各移動局装置20は上記キャリアセンスを行う。具体的には、注目移動局装置20は選択タイムスロットにおいて、上記他の移動局装置20は上記他のタイムスロットにおいて、それぞれキャリアセンスを行う。そして、各移動局装置20は、基地局装置10に対してキャリアセンス結果を通知するための制御信号を送信する。基地局装置10は、このキャリアセンス結果により所定電力以上の電波が検出されなかったことが示される場合に限り、タイムスロット割り当ての交換を実行する。
【0049】
周波数割当部17は、選択部15からの指示に従い、選択タイムスロットで使用される周波数と、注目タイムスロットで使用される周波数と、を揃えるための処理を行う。具体的には、周波数判定部171は、注目タイムスロットにおいて使用される周波数と、選択タイムスロットにおいて使用される周波数と、が異なっているか否かを判定する。そして、周波数割当部17は、周波数判定部171の判定結果に応じて、注目タイムスロット又は選択タイムスロットの少なくとも一方について、使用周波数を変更する。より具体的な例では、周波数割当部17は、選択タイムスロットと同じタイミングで送受信される他のタイムスロットであって、注目タイムスロットと同じ周波数が使用されているタイムスロットを取得し、取得したタイムスロットと選択タイムスロットとの間で、周波数の割り当てを交換する。
【0050】
図2の例では、周波数割当部17は、無線部11−1のTS1に割り当てられている周波数f1を、無線部11−4のTS1に割り当てられている周波数f2に変更するため、無線部11−1のTS1と無線部11−4のTS1との間で、周波数の割り当てを交換する。
【0051】
周波数の割り当てを交換するにあたっては、周波数割当部17は、選択タイムスロットを割り当てられている移動局装置20及び上記取得したタイムスロットを割り当てられている移動局装置20それぞれに対し、周波数の割り当て変更を予告するための制御信号の送信を行うようにすることが好適である。この場合、制御信号を受信した各移動局装置20は、変更後の周波数についての上記キャリアセンスを行う。そして、各移動局装置20は、基地局装置10に対してキャリアセンス結果を通知するための制御信号を送信する。基地局装置10は、このキャリアセンス結果により所定電力以上の電波が検出されなかったことが示される場合に限り、周波数割り当ての交換を実行する。
【0052】
選択部15は、注目タイムスロットを変更しつつ、1つの移動局装置20に割り当てられた複数のタイムスロットが時間的に隣接しており、しかも同じ無線部11に属し、かつその使用周波数が同じであるようになるまでの間、タイムスロットの選択を繰り返す。その結果、一例として、図4のように各移動局装置20にタイムスロット及び周波数が割り当てられることになる。すなわち、移動局装置20ごとに、割り当てられている複数のタイムスロットが時間的に隣接し、しかも同じ無線部11に属し、かつその使用周波数が等しいという状態が作られる。このようにして、上記処理により、各タイムスロットが連結できるようになる。図5は、タイムスロットが実際に連結された状態を示している。
【0053】
以上説明した処理について、基地局装置10の処理フローを参照しながら、より詳細に説明する。
【0054】
図6乃至図11は、基地局装置10の処理フローを示す図である。
【0055】
図6に示すように、基地局装置10は通常のタイムスロット・周波数割当処理を行っているが(S1)、例えば定期的に、周波数再割当処理(S2)及びタイムスロット再割当処理(S3)を行い、その後タイムスロット連結処理(S4)を行う。なお、ここでは基地局装置10は定期的にS2乃至S4の処理を行うものとするが、例えば、移動局装置20にタイムスロットを割り当てたタイミングや、基地局装置10の処理リソースが所定量以上空きとなった場合などに行うこととしてもよい。
【0056】
図7には、周波数再割当処理(S2)の詳細フローが示されている。基地局装置10はまず、無線部11−i(U0とする。)のタイムスロットTSj(S0とする。)に注目し(S201)、この注目タイムスロットで使用される周波数をf(U0S0)とする(S202)。基地局装置10はさらに、無線部11−iの4つのタイムスロットのうち、タイムスロットTSjと隣接する1つ又は2つのタイムスロットの中から、タイムスロットTSk(S1とする。)を選択し(S203)、この選択タイムスロットで使用される周波数をf(U0S1)とする(S204)。S204までの処理を終了すると、基地局装置10は周波数交換処理を行う(S205)。
【0057】
図8には、周波数交換処理(S205)の詳細フローが示されている。基地局装置10はまず、無線部11−l(l≠i。U1とする。)のタイムスロットTSkを比較対象とし(S221)、その使用周波数をf(U1S1)とする(S222)。そして、f(U0S0)とf(U1S1)とを比較し(S223)、これらが等しければ、無線部11−iと無線部11−lの間で、タイムスロットTSkの使用周波数を交換する(S226)。基地局装置10は、S226の処理が完了するか、或いは全lについて処理済となるまで(S224,S225)、S221からの処理を繰り返す。
【0058】
周波数交換処理において、周波数の交換が成功する(S226の処理が行われる)と(S206の肯定判定)、基地局装置10は、その処理をS211に進める。一方、失敗する(S226の処理が行われない)と(S206の否定判定)、基地局装置10は空き周波数確認処理を行う(S207)。
【0059】
図9には、空き周波数確認処理(S207)の詳細フローが示されている。基地局装置10はまず、タイムスロットTSkにおいて使われていない周波数(空き周波数)を取得する(S231)。そして、空き周波数の中にf(U0S0)が含まれていれば、無線部11−iのタイムスロットTSkの使用周波数をf(U0S0)に変更する(S232,S233)。
【0060】
空き周波数確認処理において周波数の変更が成功する(S233の処理が行われる)と(S208の肯定判定)、基地局装置10は、その処理を211に進める。一方、失敗する(S233の処理が行われない)と(S208の否定判定)、基地局装置10は、全kについて処理済となるまで(S209,S210)、S203からの処理を繰り返す。すなわち、基地局装置10は、隣接する2つのタイムスロットの両方について、周波数をf(U0S0)とすることが可能か、確認する。
【0061】
無線部11−iのタイムスロットTSkの使用周波数がf(U0S0)となるか、或いは全kについて処理済となると、基地局装置10は、注目タイムスロットを変更し、S201からの処理を繰り返す(S211,S212)。基地局装置10は、以上の処理を全タイムスロットについて処理済みとなるまで繰り返す。
【0062】
図10には、タイムスロット再割当処理(S3)の詳細フローが示されている。基地局装置10はまず、無線部11−i(U0とする。)のタイムスロットTSj(S0とする。)に注目し(S301)、この注目タイムスロットを使用中の移動局装置20をP(U0S0)とする(S302)。基地局装置10はさらに、無線部11−iの4つのタイムスロットのうち、タイムスロットTSjと隣接する1つ又は2つのタイムスロットの中から、タイムスロットTSk(S1とする。)を選択し(S303)、この選択タイムスロットを使用中の移動局装置20をP(U0S1)とする(S304)。S304までの処理を終了すると、基地局装置10は移動局装置交換処理を行う(S305)。
【0063】
図11には、移動局装置交換処理(S305)の詳細フローが示されている。基地局装置10はまず、無線部11−m(U2とする。)のタイムスロットTSn(S2とする。)を比較対象とし(S321)、そのタイムスロットを使用中の移動局装置20をP(U2S2)とする(S322)。なお、基地局装置10は、S321の処理において、mとnの組み合わせ(m,n)が(i,j),(i,j−1),(i,j+1)のいずれかとなるものについては選択しない。
【0064】
基地局装置10は次に、P(U0S0)とP(U2S2)とを比較し(S323)、これらが等しければ、無線部11−iのタイムスロットTSjと無線部11−mのタイムスロットTSnの間で、割り当てる移動局装置20を交換する(S326)。基地局装置10は、S326の処理が完了するか、或いはm,nの全組み合わせについて処理済となるまで(S324,S325)、S321からの処理を繰り返す。
【0065】
移動局装置交換処理において、移動局装置20の交換が成功する(S326の処理が行われる)と(S306の肯定判定)、基地局装置10は、その処理をS309に進める。一方、失敗する(S326の処理が行われない)と(S306の否定判定)、基地局装置10は、全kについて処理済となるまで(S307,S308)、S303からの処理を繰り返す。すなわち、基地局装置10は、隣接する2つのタイムスロットの両方について、移動局装置20を交換することが可能か、確認する。
【0066】
無線部11−iのタイムスロットTSkに割り当てられた移動局装置20がP(U0S0)となるか、或いは全kについて処理済となると、基地局装置10は、注目タイムスロットを変更し、S301からの処理を繰り返す(S309,S310)。基地局装置10は、以上の処理を全タイムスロットについて処理済みとなるまで繰り返す。
【0067】
以上のようにして周波数再割当処理(S2)及びタイムスロット再割当処理(S3)が完了すると、基地局装置10は、タイムスロット連結処理(S4)を行う。
【0068】
以上説明したように、基地局装置10によれば、TDMA方式でのマルチスロット通信において、1つの移動局装置20が時間的に隣接する複数のタイムスロットを使用するようにすることができるので、タイムスロット連結の実現可能性を高められる。
【0069】
また、選択部15により選択されたタイムスロットが他の移動局装置20により使用中であったとしても、該他の移動局装置20を他のタイムスロットに移動させられるので、タイムスロット連結の実現可能性をより高められる。
【0070】
さらに、タイムスロットの交換により、他の移動局装置20を他のタイムスロットに移動させられる。
【0071】
また、移動局装置20との通信中において必要な場合に、タイムスロット連結の実現可能性を高められる。
【0072】
また、基地局装置10は複数の無線部11を有しているが、同じ無線部11内で、1つの移動局装置20が時間的に隣接する複数のタイムスロットを使用するようにすることができるので、タイムスロット連結の実現可能性を高められる。
【0073】
さらに、タイムスロット連結を行うためには、連結対象のタイムスロットの周波数が同一である必要があるが、基地局装置10によれば、連結対象のタイムスロットの周波数を揃えられるので、タイムスロット連結の実現可能性がより高められる。
【0074】
他にも、タイムスロット間で周波数の切り替えを行う際には、EVM(変調精度)の劣化が起こりやすい。この点、基地局装置10によれば、隣接するタイムスロット間での周波数が揃うので、タイムスロット間で周波数の切り替えを行う機会が減り、結果としてEVMの劣化を防止することができる。
【0075】
また、基地局装置10は、複数の移動局装置20との間で、空間分割多重による多重化通信を行うこととしてもよい。この場合、基地局装置10は、各移動局装置20から受信される無線信号を用いて、重み付けパラメータを算出する。この算出においては、無線信号の連続受信時間が長いほど、精度良く重み付けパラメータを算出することができることが知られているが、タイムスロットを連結すると、無線信号の連続受信時間が長くなるので、精度良く重み付けパラメータを算出することができるようになる。この点、基地局装置10によれば、タイムスロット連結の実現可能性が高まるので、精度良く重み付けパラメータを算出することができる可能性も高まる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態にかかる移動体通信システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる各移動局装置に対するタイムスロットの割り当ての具体的な例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる基地局装置の機能ブロックを示す図である。
【図4】図2に示す状態において、本発明の実施の形態にかかる処理を行った後の、各移動局装置に対するタイムスロットの割り当ての具体的な例を示す図である。
【図5】図4に示す各タイムスロットが連結された状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる基地局装置の処理フローを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる周波数再割当処理の詳細フローを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる周波数交換処理の詳細フローを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる空き周波数確認処理の詳細フローを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかるタイムスロット再割当処理の詳細フローを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる移動局装置交換処理の詳細フローを示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 移動体通信システム、10 基地局装置、11 無線部、12 周波数制御部、13 通信処理部、14 割当状態記憶部、15 選択部、16 タイムスロット割当部、17 周波数割当部、20 移動局装置、161 使用状態判定部、171 周波数判定部。
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−47996(P2008−47996A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−219190(P2006−219190)