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【発明の名称】 MAC層リセット後にノードBバッファデータを効率的に回復するためのシステム
【発明者】 【氏名】スティーブン イー.テリー

【氏名】イ−ジュ チャオ

【要約】 【課題】ノードBバッファデータを効率的に回復すること。

【構成】伝送待ち時間を削減し、MAC層リセット時のPDUの損失を潜在的に防ぐための方法およびシステムに関する。状況PDUのUE生成は、MAC層リセットと結合される。RNCは、MACリセットインジケーションを備えたメッセージを生成する(16)。MAC層リセットに続いて、UEのMAC層再順序付けバッファに格納されたすべてのPDUがRLCエンティティにフラッシュされ(22)、その後、PDU状況報告の生成(26)に先立ってRLCエンティティによって処理される(24)。PDU状況報告は、首尾良く受信されたすべてのPDUの状況をRNCに提供する。RNCでPDU状況報告が受信されると(28)、欠落したPDUが認識され、UEに再送される(30)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノードBバッファデータを効率的に回復するためのシステムであって、少なくとも1つのノードBに関連付けられた無線ネットワークコントローラ(RNC)を含み、さらに少なくとも前記ノードBは、無線ネットワークコントローラ(RNC)から送信されたパケットデータユニット(PDU)をバッファリングするための少なくとも1つの再順序付けバッファを有する少なくとも1つのユーザ機器(UE)に関連付けられており、
MAC層リセット通知を生成するための無線ネットワークコントローラ(RNC)と、
前記通知を受信するため、および前記少なくとも1つの再順序付けバッファをフラッシュするための、前記ユーザ機器(UE)内のコントロールユニットと、
前記再順序付けバッファのフラッシュに続いて前記ユーザ機器(UE)によって受信されたパケットデータユニット(PDU)の状況を決定するため、および前記決定に基づいて状況報告を生成するための、前記ユーザ機器(UE)内の状況手段と、
前記状況報告を前記無線ネットワークコントローラ(RNC)に伝送するための伝送手段と
を具えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記状況手段は、再順序付けバッファがすべてのパケットデータユニット(PDU)をフラッシュしたことを示すコントロール信号に応答して、前記決定を実行することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記コントロール信号は、バッファ内のすべてのパケットデータユニット(PDU)がフラッシュされたときに生成されるパケットデータユニット(PDU)の終わりのインジケーションであることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関し、より詳細には、データ伝送の配布元である中間ノードのMAC層リセット後に、1対のレイヤ2自動反復要求(ARQ)ピアエンティティ間でのデータ伝送を効率的に回復することに関する。ハンドオーバシナリオの一例として、ハイブリッドARQ(H−ARQ)および適応変調および符号化(AM&C)技法を採用するシステムがある。
【背景技術】
【0002】
第3世代(3G)のUniversal Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)はいくつかの無線ネットワークコントローラ(RNC)を備え、そのそれぞれが1つまたは複数のノードBに関連付けられ、各ノードBは1つまたは複数のセルに関連付けられる。
【0003】
3GのFDDおよびTDDシステムは、通常、RNCを使用してUEへのデータ伝送を配布(すなわち、バッファおよびスケジュール)する。しかしながら、3Gセルラ式システムの高速チャネルの場合、データはノードBによって配布される。これら高速チャネルの1つが、たとえば高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)である。データはノードBによって配布されるため、伝送のためにデータをノードBにバッファリングする必要がある。ユーザ機器(UE)が接続されている配布エンティティ(ノードB)が変更された場合、配布エンティティにバッファリングされているデータが損失する恐れがある。データが中間点(ノードB)によって配布されるため、RNCで伝送されるパケットデータユニット(PDU)は最新状態ではない。UEにとっては、データ損失を検出し、失われたPDUを状況PDUなどと共に再送するようRNCに要求することが必要である。状況PDUの生成が遅れた場合、結果としてデータ再送の待ち時間が長くなり、QoS要件を満たせなくなる可能性がある。
【0004】
この問題は、各RNCに関連付けられたノードBがいくつかあり、移動UEは、UEセルのハンドオーバの結果としてRNCの変更よりもノードBの変更を必要とする可能性の方がはるかに大きいため、HS−DSCHの場合さらに悪化する。
【0005】
HS−DSCHは、AMCを利用してデータの高速伝送を可能にし、H−ARQを利用してデータ送達が成功する可能性を上げる。サービス(serving)HS−DSCHセルを変更するのは、UEがサービスHS−DSCH無線リンクの送信および受信を実行しているUTRANアクセスポイントに関連付けられたセルを変更しなければならない場合である。サービスHS−DSCHセル変更が呼び出されるのは、改善された物理チャネル状況および/または改善された物理容量が代替セル内で実現された場合である。
【0006】
サービスHS−DSCHセル変更には2つのタイプがある。ノードB内のサービスHS−DSCHセル変更は、同じノードBに関連付けられた2つのセル間でUEが換わる場合である。ノードB間のサービスHS−DSCHセル変更は、異なるノードBに関連付けられた2つのセル間でUEが換わる場合である。ノードB間のセル変更では、サービスHS−DSCHセル変更前のノードBをソースノードBと呼び、サービスHS−DSCHセル変更後のノードBをターゲットノードBと呼ぶ。
【0007】
RNCおよびUEのどちらにも、ピア無線リンクコントロール(RLC)エンティティがある。送信側RLCエンティティはPDUヘッダ内のシーケンス番号(SN)を発信し、受信側RLCエンティティはこれを使用して伝送中にPDUが欠落しないことを保証する。PDUの順不同送達によって現実化された、伝送中に欠落したPDUがある場合、受信側RLCエンティティは状況報告PDUを送信して、あるPDUが欠落した旨を送信側RLCエンティティに通知する。状況報告PDUは、データ伝送の成功および/または失敗を記述するものである。これは、欠落または受信したPDUのSNを識別する。PDUが欠落した場合、送信側RLCエンティティは欠落したPDUの複製を受信側RLCに再送することになる。
【0008】
送信側RLCエンティティは、受信側RLCエンティティからの状況報告PDUをポーリングすることも可能である。このポーリング機能は、送信側RLCエンティティにPDU伝送の状況を要求するための機能を提供する。H−ARQオペレーションは何らかの失敗した伝送を除去し、データの送達が成功する確率を上げるが、最終的に送達の成功を保証するのはRLCプロトコル層である。
【0009】
伝播状態が動的に変化するため、HS−DSCHセル変更は、サービスの品質を維持するために迅速に実行しなければならない。サービスHS−DSCHセルの変更中、UEは、現在ソースノードBに格納されているすべてのPDUが首尾良く伝送されるまで、ソースセル内での送信および受信を停止することが可能である。ソースノードBがデータのスケジューリングおよびバッファリングを実行するため、またデータ速度が非常に速いために(たとえば10Mb/秒またはそれ以上)、UEがサービスHS−DSCHセル変更を(特にノードB間のハンドオーバのために)実行すると、ソースノードB内にバッファリングされたかなりの量のデータが失われることになる可能性がある。このデータ損失の理由の1つが、ソースノードBでバッファリングされたデータをターゲットノードBに転送するための機構がUTRANアーキテクチャ内に存在しないことである。RNCにはソースノードB内に何のデータがバッファリングされているかを知る手段がないため、サービスHS−DSCHセルの変更時に、RNCはデータがどの程度失われたかに関する情報をもたない。
【0010】
現在、従来技術のシステムがソースノードBでバッファリングされたデータの回復を処理するには2つの方法がある。HS−DSCHセルの変更に続いて、1)RNCが状況PDUをUEから明示的にポーリングすることができるか、または2)RNCがターゲットセル内での伝送を開始し、UEによって実現される順不同の送達によって状況PDUを生成することになる。
【0011】
RNCが状況PDUを明示的にポーリングする第1のケースでは、RNCは第1に、新しいセル内に物理チャネルが確立されるまで待機しなければならない。その後、状況PDU要求が送信され、UEによって受信および処理される。UEは状況PDUを生成してこれをRNCに返送し、RNCはこの状況PDUを処理して、どのPDUを再送する必要があるかを決定する。
【0012】
RNCがソースセル内で停止された場所からPDUの伝送を開始するだけの第2のケースでは、UEは順不同のデータ送達を認識し、RNCに返送する状況PDUを生成する。RNCは状況PDUを処理して、どのPDUを再送する必要があるかを習得する。
【0013】
これら2つのいずれのケースでも、ソースノードBにバッファリングされたデータを回復する必要がある場合は状況PDUを処理することになるが、UEによって再送されたデータを正しく受信するのはかなり遅れることになる。これは、UEによる状況PDUの生成およびRNCでの状況PDUの受信の遅延が原因である。RLC肯定応答モードで伝送が実行されている場合、順序どおりのデータ送達が実行できるまでデータは高位層へは渡されない。したがってUEは、欠落したPDUが再送できるまで、順不同データのバッファリングが必要となる。その結果、伝送の遅延が発生するだけではなく、欠落したデータを首尾よく再送できるまでデータを継続して受信するために、UEはデータのバッファリングが可能なメモリを備える必要がある。そうでない場合、有効データ伝送速度が低下し、それによってサービスの品質に影響を与える。メモリは非常に高額であるため、望ましくない設計上の制約である。
【0014】
ハンドオーバが直面する他の問題は、UE内にバッファリングされるデータである。MAC層には、通常、H−ARQ処理を実行するいくつかのH−ARQプロセッサがある。図1に示されるように、H−ARQ処理は、送信側(P1B〜P5B)に複数の並列H−ARQプロセッサを備え、受信側(P1UE〜P5UE)に対応する複数の並列H−ARQプロセッサを備えるスキームのことである。それぞれのプロセッサペア(たとえばP1BとP1UE)は、伝送が成功するまで反復的および逐次的にデータブロックの伝送を試行して、各ブロックのデータがエラーなしで確実に受信されるようにする。各データブロックについて、H−ARQ伝送の成功を達成するのに必要な時間は異なる。いくつかのデータブロックが並行して処理されるため、伝送順序が維持されない可能性がある。したがって、受信側H−ARQプロセッサによっていったんデータブロックが首尾よく受信されると、RLC層への順序どおりの送達を提供するために、そのデータブロックは再順序付け(reordering)バッファに転送される。再順序付けバッファは、それらの伝送シーケンス番号に基づいてデータブロックを再順序付けした後に、それらをRLC層に転送することになる。
【0015】
ノードB間またはノードB内のハンドオーバ中、RRCメッセージがMAC層リセットインジケータをUEへ搬送することが多い。UEはMAC層リセットインジケータを受信すると、構成済みのすべてのH−ARQプロセスについてバッファをフラッシュする(すなわち、再順序付けバッファ内のすべてのMAC−hs層PDUをMAC−d層PDUに逆アセンブル(disassembling)し、すべてのMAC−d層PDUをMAC−d層に送達した後、関連するRLCエンティティに送達することによって、再順序付けバッファをフラッシュする)ことを含むが、これに限定されることのない、一連の機能を実行する。ノードB間のハンドオーバ(および何らかのノードB内ハンドオーバ)時には、すべてのH−ARQプロセスおよびすべての再順序付けバッファが、ターゲットノードBの新しいMAC−hsエンティティからのデータの受信に対して、UE内のMAC−hs層をリセットする必要がある。
【0016】
サービスHS−DSCHセルの変更後、MAC層リセット手順が完了し、データブロックがRLCによって処理されるまで、PDU受信の成功または不成功の正しい状況を取得することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ユーザのサービス品質要件を適切に維持するために、UE内にバッファリングされたデータについて説明可能なシステムおよび方法を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、伝送待ち時間を削減し、MAC層リセット時のPDUの損失を潜在的に防ぐために、UEおよびRNCが一連の動作を実行するための方法およびシステムである。状況PDUのUE生成はMAC層リセットと結合される。RNCは、MACリセットインジケーションを備えた信号メッセージを生成する。MAC層リセット要求の受信によるMAC層リセットに続いて、UEのMAC層再順序付けバッファに格納されたすべてのPDUがRLCエンティティにフラッシュされ、その後、PDU状況報告の生成に先立ってRLCエンティティによって処理される。PDU状況報告は、首尾良く受信されたすべてのPDUの状況をRNCに提供する。これによって、PDU状況報告の迅速な生成が提供される。RNCでPDU状況報告が受信されると、欠落したPDUが認識され、UEに再送される。
【0019】
本発明の好ましい実施形態については、全体を通じて同じ番号が同じ要素を表す図表を参照しながら説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図2の流れ図を参照すると、MAC層リセット状態に続く、遅延が最小のUEへのPDU伝送状況を決定する方法10を備える、本発明の第1の実施形態が示される。この手順は、RNCがUE MAC層をリセットする必要性を認識することで開始される(ステップ12)。
【0021】
UE MAC層リセットの起こり得る原因の1つが、サービスHS−DSCHセルを変更する場合にある。RNCは、ノードB間のサービスHS−DSCHセル変更の場合、および、ソースノードBがターゲットノードBと同じであるが、伝送待ち行列はソースセルからターゲットセルへルート変更できない、ノードB内のサービスHS−DSCHセル変更の場合にも、HS−DSCHセル変更をノードBに通知する(ステップ14)。どちらの場合にも、MACのリセットが必要である。UEには、HS−DSCHセル変更インジケーションと共に、図に示されるように無線リソースコントロール(RRC)メッセージを介して、RNCによってMAC層リセット要件が通知される(ステップ16)。不都合な結果を招くことなしに、ステップ14に先立ってステップ16を呼び出すことも可能であることに留意されたい。
【0022】
当業者であれば、MAC層リセットにはHS−DSCHセル変更以外に、MACリセットに続いてRNCがPDU伝送状況を決定するための方法10が適用される、多くの原因があることを理解されよう。たとえば、ノードBのH−ARQプロセスを再初期化する必要がある場合にはいつでも、MAC層リセットを正当化することができる。
【0023】
RRCメッセージには、リセットを実行するためのMAC層に関する識別子がある。この識別子は、サービスHS−DSCHセル変更手順の一部とするか、または、結果としてノードB間のセル変更またはノードB内のセル変更のいずれかでノードBおよびUEでのMAC層のリセットが生じる、任意の他の手順の一部とすることができる。当業者であれば、MAC層にはMAC−hs層およびMAC−d層を含む多くの態様があることを理解されよう。本発明の説明をわかりやすくするために、以下では一般にMAC層を参照するものとする。
【0024】
HS−DSCHはデータ移送チャネルである。各データ移送チャネルには複数のRLCインスタンスが存在する可能性がある。RLCインスタンスは、本来、同じ移送チャネルにマッピングすることが可能な論理チャネルであり、たとえばいくつかのRLCエンティティを単一の移送チャネルHS−DSCHにマッピングすることが可能である。ピアRLCインスタンス間での適切な伝送を保証するためにARQを使用する場合、RLCインスタンスは肯定応答モード(AM)と呼ばれる。1対のAM RLCエンティティは、受信者に関する状況PDUを使用して、PDUの伝送成功状況を送信者に示す。HS−DSCHセル変更およびMAC層リセットの発生に続いて、特定のHS−DSCHに関連付けられたそれぞれのAM RLCインスタンスが状況PDUを生成する。
【0025】
MAC層リセットインジケータと共にRRCメッセージが受信され、UE内のRRCによって処理される(ステップ18)。UE RRCはMAC層リセットインジケータが設定されているかどうかをチェックし、設定されている場合、RRCはMAC層リセット要求をMAC層に通知する(ステップ20)。MAC層リセット要求を受信すると、MAC層はリセットし、さらに他のタスクに加えて、再順序付けバッファに格納されたすべてのPDUをHS−DSCHにマッピングされたRLCエンティティにフラッシュする(ステップ22)。その後、フラッシュされたすべてのPDUがHS−DSCHにマッピングされたRLCインスタンスによって処理され(ステップ24)、続いてPDU状況報告が生成される(ステップ26)。
【0026】
正確で完全な伝送状況をRNCに提供するためには、PDU状況報告を生成する前に、再順序付けバッファ内でのRLCのPDU処理を停止する必要がある。PDU状況報告が早期に(すなわち、MAC再順序付け待ち行列内にバッファリングされたすべてのPDUがRLCインスタンスによって処理される前に)生成された場合、一部のPDUが受信されていないものとして不適切に示される可能性があり、結果として、RNCによって不必要なPDU再送が生成される可能性がある。
【0027】
すべてのPDUがRLCによって処理されたことを保証するにはいくつかの方法があり、結果としてAM RLCエンティティは、首尾良く受信されたすべてのPDUの正しい状況を取得することができる。第1に、MAC層は各再順序付け待ち行列からPDUを順序どおりに転送し、その後、各再順序付け待ち行列に対して「PDUの終わり」インジケーションを生成する。
【0028】
第2の代替例では、各再順序付け待ち行列からの最後のPDUが特別なインジケータを有する。これらは、UEで受信されたRLC PDUの状況の報告である。
【0029】
第3の代替例では、RLCはPDUがいつ処理されたかをMAC層に確認し、すべてのPDU処理が終わると、MAC層はRLCに対してPDU状況要求を生成する。PDU状況メッセージを生成する前にすべてのPDUがRLCによって処理されることを保証するために、MAC層とRLCとの間の処理を調整するには、多数の方法があることを理解されたい。
【0030】
PDUの受信および処理の後、AM RLCは、すべてのPDU受信の成功または不成功を示すPDU状況報告を生成する(ステップ26)。PDU状況報告は、HS−DSCHにマッピングされたそれぞれのAM RLCインスタンスについて生成される。たとえそのAM RLCインスタンスについてMAC層から何のPDUも転送されなかった場合であっても、PDU状況報告を生成することができる。その後UEは、HS−DSCHに関連付けられた各AM RLCインスタンスに関するPDU状況報告を、自律的にRNCに送信する。
【0031】
RNCではAM RLCおよびMACエンティティがMAC層リセットによるPDU伝送停止を通知されていないものと想定し、RNCはMAC層リセットに関係なくPDUの伝送を続行する。HS−DSCHに関連付けられたそれぞれのAM RLCインスタンスについてPDU状況報告を受信すると、RNC内のRLCインスタンスは状況報告を処理し(ステップ28)、失われたPDUを決定して、送達の成功を保証するために必要な場合にはPDU再送を生成する(ステップ30)。サービス品質要件を達成するために、この再送は現在の伝送処理よりも優先して行うことができる。
【0032】
MAC層リセットの必要性は、一般にPDU状況報告生成の必要性を伴うものであることを理解されたい。いずれかの要件のインジケーション、または何らかの共通のインジケーションをUEに発信して、MAC層のリセットおよびPDU状況報告の生成の両方を呼び出すことができる。その後UEは、説明した順序で各機能を実行することになる。
【0033】
図2に示されたような本発明のこの第1の実施形態では、データ経路が1つの無線リンクから他の無線リンクへ切り替えられる間、RNCはUEへの伝送を維持することができる。しかしながら、図3および4に示された本発明の2つの代替実施形態によれば、HS−DSCHセル変更、または、後続のイベントが発生するまでMAC層リセットにとって必要となる他のイベント時に、データ伝送は中止される。図2に示されたステップと同じ要素番号を有する図3および4に示されたステップは、同一であることに留意されたい。したがって、図3および4を参照する際にこれらのステップの説明は繰り返さないものとする。
【0034】
本発明の第2の実施形態は、MAC層リセット状態に続いて、最小遅延でPDUの状況をUEに伝送することを決定するための方法40を備え、図3に示されている。RNCがMAC層リセットの必要性を認識し(ステップ12)、ノードBおよびUEに通知した(ステップ14および16)後、RNCはすべてのダウンリンクHS−DSCH伝送を中止する(ステップ17)。ステップ17は、不都合な結果を招くことなしに、ステップ14または16に先立って実行可能であることに留意されたい。その後RNCはPDU状況報告を受信する(ステップ32)。PDU状況報告は、MACリセットの結果としてのPDUの損失と、HS−DSCHセル変更の場合にソースノードBで追加のPDUが失われる可能性とを示す。その後、PDU状況報告が処理され(ステップ34)、欠落したPDUがUEに再送される(ステップ36)。RNCは、最初に再送を必要とする失われたPDUの伝送をスケジューリングすることによって、新しいセル内で伝送を開始する。その後RNCは、ステップ17で以前に伝送が停止された時点からPDUの伝送を再開する(ステップ38)。ステップ36および38は同時に実行してもよいことに留意されたい。
【0035】
図4を参照すると、本発明に従った第3の実施形態の方法50が示されている。この方法50は、図3に示された方法40と同様である。しかしながら、図3に示されたようにステップ32でPDU状況報告の受信に応答してUEへのダウンリンクHS−DSCH伝送を再開する代わりに、本発明のこの実施形態の方法50は、「トリガ」の受信または所定のイベント時に伝送を再開する(ステップ19)。第1の例では、トリガは、当業者であれば理解されるように、新しい「ターゲット」ノードBが手順を発信してRNCによって達成されるUTRAN内での移送チャネルの確立を含むことができる。ノードBによって生成された確認をRNCで受信することが、トリガとして使用される。
【0036】
第2の例では、トリガは「同期(in−sync)」インジケーションの受信または検出を含むことができる。ターゲットノードB内に専用リソースを確立すると、割り当てられた物理チャネルがノードB内での伝送に使用可能であると決定された場合に、ノードBで「同期」インジケーションを決定することができる。このイベントのインジケーションはRNCに中継し、その後トリガとして使用することができる。
【0037】
第3の例では、トリガはRRC手順の完了(すなわち、RNCのUE RRCメッセージ受信の確認)を含むことができる。ステップ16でRRCメッセージが発信されると、結果として、UEによって生成されRNCに送信されるRRC確認メッセージを生じる。このメッセージがRNCで受信された場合、トリガとして使用することができる。
【0038】
UEとRNCとの間で送信される信号には多くの異なる信号があり、ユーザは本発明に従ったトリガとして動作するために望ましいものとしてこれらのいずれかを選択できることに留意されたい。したがって前述の3つの例は、制限的なものではなく啓発的なものである。トリガの形式に関わらず、RNCはトリガが受信された後にHS−DSCH伝送を再開する(ステップ21)。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術のH−ARQプロセスを示すブロック図である。
【図2】HS−DSCHセルの変更に続いてUEのバッファリングデータを効率的に回復するための、本発明に従った効率的な手順を示す流れ図である。
【図3】ターゲットセル内での新しいデータの伝送開始に先立って、RNCが状況PDUを待つ場合に使用する、第1の代替方法を示す流れ図である。
【図4】ターゲットセル内での新しいデータの伝送開始に先立って、RNCがトリガを待つ場合に使用する、第2の代替方法を示す流れ図である。
【出願人】 【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
【出願日】 平成19年10月4日(2007.10.4)
【代理人】 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一

【識別番号】100088915
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 和夫


【公開番号】 特開2008−35557(P2008−35557A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−261214(P2007−261214)