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【発明の名称】 呼制御方法、コンピュータプログラム及び構内交換機
【発明者】 【氏名】毛内 信博

【要約】 【課題】IP電話機を内線端末として収容可能な構内交換機を提供する。

【構成】発呼元のIP電話機から発呼要求を受信すると、構内交換機が発呼先端末の種別を判定する。非IP電話機の場合、構内交換機と発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、呼確立による音声パスとを接続することにより音声パスを確立する。IP電話機の場合、第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先IP電話機との間にパケット回線を介した第2の音声セッションを確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、第2の音声セッションによる音声パスとを接続することにより音声パスを確立する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機にて行う呼制御方法において、
構内交換機が発呼元のIP電話機から発呼要求を受信する段階と、
前記構内交換機が発呼先端末の種別を判定する段階と、
前記判定の結果前記発呼先端末が非IP電話機の場合、前記構内交換機と前記発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記呼確立による音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する段階と、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先IP電話機との間にパケット回線を介した第2の音声セッションを確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記第2の音声セッションによる音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先IP電話機との間に音声パスを確立する段階と
を含むことを特徴とする呼制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の呼制御方法において、
前記構内交換機は、内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を備え、
前記構内交換機は、前記発呼要求及び前記テーブルに基づいて、前記発呼先端末の種別判定を行う
ことを特徴とする呼制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の呼制御方法において、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記構内交換機は、前記発呼元IP電話機から受信した発呼要求の内容を少なくとも一部変更し、変更した発呼要求に基づいて、前記構内交換機と前記発呼先IP電話機との間でピアツーピアに前記第2の音声セッションを確立する
ことを特徴とする呼制御方法。
【請求項4】
パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機の制御装置にて呼制御処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する処理と、
前記判定の結果前記発呼先端末が非IP電話機の場合、前記構内交換機と前記発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記呼確立による音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する処理と、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先IP電話機との間にパケット回線を介した第2の音声セッションを確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記第2の音声セッションによる音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先IP電話機との間に音声パスを確立する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記構内交換機は、内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を備え、
前記発呼要求及び前記テーブルに基づいて、前記発呼先端末の種別判定を前記制御装置に実行させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項4に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記構内交換機は、前記発呼元IP電話機から受信した発呼要求の内容を少なくとも一部変更し、変更した発呼要求に基づいて、前記構内交換機と前記発呼先IP電話機との間でピアツーピアに前記第2の音声セッションを確立する処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかに記載のコンピュータプログラムを記録した記録媒体を備え、前記コンピュータプログラムに従って呼制御を行う構内交換機。
【請求項8】
構内交換機において、
パケット回線インタフェースと、
回線交換回線インタフェースと、
前記パケット回線インタフェースを介して接続されたIP電話の通信プロトコルに従って呼制御メッセージの送受信を行う通信プロトコル処理部と、
前記通信プロトコル処理部にて受信した呼制御メッセージを呼制御部にて解釈可能な信号に変換すると共に、呼制御部から受信した信号を前記通信プロトコルでの呼制御メッセージに変換するIP変換対応部と、
IP電話機から受信した音声の符号化及び復号化を行うコーデックと、
発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する呼制御部とを備え、
前記呼制御部は、
前記判定の結果前記発呼先端末が非IP電話機の場合、前記構内交換機と前記発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記呼確立による音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立し、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先IP電話機との間にパケット回線を介した第2の音声セッションを確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記第2の音声セッションによる音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先IP電話機との間に音声パスを確立する
ことを特徴とする構内交換機。
【請求項9】
請求項8に記載の構内交換機において、
内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を更に備え、
前記呼制御部は、前記発呼要求及び前記テーブルに基づいて、前記発呼先端末の種別判定を行う
ことを特徴とする構内交換機。
【請求項10】
請求項8に記載の構内交換機において、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記発呼元IP電話機から受信した発呼要求の内容を少なくとも一部変更し、変更した発呼要求に基づいて、前記発呼先IP電話機との間でピアツーピアに前記第2の音声セッションを確立する
ことを特徴とする構内交換機。
【請求項11】
パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機にて行う呼制御方法において、
構内交換機が発呼元のIP電話機から発呼要求を受信する段階と、
前記構内交換機が発呼先端末の種別を判定する段階と、
前記判定の結果前記発呼先端末が非IP電話機の場合、前記構内交換機と前記発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記呼確立による音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する段階と、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記発呼元IP電話機及び発呼先IP電話機の間に、パケット回線を介した第3の音声セッションをピアツーピアに確立することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する段階と
を含むことを特徴とする呼制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の呼制御方法において、前記第3の音声セッションの確立は、
前記発呼元IP電話機が前記構内交換機に対して、発呼要求を通知する第1のメッセージを送信する段階と、
前記第1のメッセージに応じて、前記構内交換機から前記発呼先IP電話機に対して、前記第1のメッセージと同時に通知された或いは予め前記構内交換機の記憶装置に記憶された前記発呼元IP電話機のRTP(Real−time Transport Protocol)の受信能力、及び、発呼要求を通知する第2のメッセージを送信する段階と、
前記第2のメッセージに応じて、前記発呼先IP電話機から前記構内交換機に対して、前記発呼要求の肯定を通知する第3のメッセージを送信する段階と、
前記第3のメッセージに応じて、前記構内交換機から前記発呼元IP電話機に対して、前記第3のメッセージと同時に通知された或いは予め前記記憶装置に記憶された前記発呼元IP電話機のRTP受信能力、前記発呼元IP電話機のIPアドレス、及び、発呼要求応答を通知する第4のメッセージを送信する段階と、
前記第4のメッセージに応じて、前記発呼元IP電話機と前記発呼先IP電話機の間でピアツーピアにRTP通信を行うことにより音声パスを確立する段階と
を含むことを特徴とする呼制御方法。
【請求項13】
請求項11に記載の呼制御方法において、
前記構内交換機は、内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を備え、
前記構内交換機は、前記発呼要求及び前記テーブルに基づいて、前記発呼先端末の種別判定を行う
ことを特徴とする呼制御方法。
【請求項14】
パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機の制御装置にて呼制御処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する処理と、
前記判定の結果前記発呼先端末が非IP電話機の場合、前記構内交換機と前記発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記呼確立による音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する処理と、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記発呼元IP電話機及び発呼先IP電話機のいずれか一方のIP電話機に対し、他方のIP電話機との間に、パケット回線を介した第3の音声セッションをピアツーピアに確立することを求める処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記第3の音声セッションの確立を求める処理は、
発呼要求を通知する第1のメッセージを前記発呼元IP電話機から受信する処理と、
前記第1のメッセージと同時に通知された或いは予め前記構内交換機の記憶装置に記憶された前記発呼元IP電話機のRTP(Real−time Transport Protocol)の受信能力、及び、発呼要求を通知する第2のメッセージを、前記第1のメッセージに応じて前記発呼先IP電話機に送信する処理と、
前記第2のメッセージに応じて前記発呼先IP電話機が送信した、前記発呼要求の肯定を通知する第3のメッセージを受信する処理と、
前記第3のメッセージと同時に通知された或いは予め前記記憶装置に記憶された前記発呼元IP電話機のRTP受信能力、前記発呼元IP電話機のIPアドレス、及び、発呼要求応答を通知する第4のメッセージを、前記第3のメッセージに応じて前記発呼元IP電話機に送信する処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項14に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記構内交換機は、内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を備え、
前記発呼要求及び前記テーブルに基づいて、前記発呼先端末の種別判定を前記制御装置に実行させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項14乃至16のいずれかに記載のコンピュータプログラムを記録した記録媒体を備え、前記コンピュータプログラムに従って呼制御を行う構内交換機。
【請求項18】
構内交換機において、
パケット回線インタフェースと、
回線交換回線インタフェースと、
前記パケット回線インタフェースを介して接続されたIP電話の通信プロトコルに従って呼制御メッセージの送受信を行う通信プロトコル処理部と、
前記通信プロトコル処理部にて受信した呼制御メッセージを呼制御部にて解釈可能な信号に変換すると共に、呼制御部から受信した信号を前記通信プロトコルでの呼制御メッセージに変換するIP変換対応部と、
IP電話機から受信した音声の符号化及び復号化を行うコーデックと、
発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する呼制御部とを備え、
前記呼制御部は、
前記判定の結果前記発呼先端末が非IP電話機の場合、前記構内交換機と前記発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、前記構内交換機と前記発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、前記第1の音声セッションによる音声パスと、前記呼確立による音声パスとを接続することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立し、
前記判定の結果前記発呼先端末がIP電話機の場合、前記発呼元IP電話機及び発呼先IP電話機の間に、パケット回線を介した第3の音声セッションをピアツーピアに確立することにより、前記発呼元IP電話機と前記発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する
ことを特徴とする構内交換機。
【請求項19】
請求項18に記載の構内交換機において、
発呼要求を通知する第1のメッセージを前記発呼元IP電話機から受信し、
前記第1のメッセージと同時に通知された或いは予め前記構内交換機の記憶装置に記憶された前記発呼元IP電話機のRTP(Real−time Transport Protocol)の受信能力、及び、発呼要求を通知する第2のメッセージを、前記第1のメッセージに応じて前記発呼先IP電話機に送信し、
前記第2のメッセージに応じて前記発呼先IP電話機が送信した、前記発呼要求の肯定を通知する第3のメッセージを受信し
前記第3のメッセージと同時に通知された或いは予め前記記憶装置に記憶された前記発呼元IP電話機のRTP受信能力、前記発呼元IP電話機のIPアドレス、及び、発呼要求応答を通知する第4のメッセージを、前記第3のメッセージに応じて前記発呼元IP電話機に送信する
ことを特徴とする構内交換機。
【請求項20】
請求項18に記載の構内交換機において、
内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を更に備え、
前記呼制御部は、前記発呼要求及び前記テーブルに基づいて、前記発呼先端末の種別判定を行う
ことを特徴とする構内交換機。
【請求項21】
IP電話機の処理装置にて実行されるコンピュータプログラムにおいて、
当該他のIP電話機に対する発呼要求を通知するのに先立って、或いは、前記通知と同時に、当該IP電話機のRTPの受信能力を構内交換機に通知する処理と、
前記発呼要求に応答して前記当該他のIP電話機から前記構内交換機を介して発呼要求応答を受信する処理と、
発呼要求応答に応じて、前記発呼要求応答と同時に通知された或いは前記発呼要求応答に先立って前記構内交換機の記憶装置に記憶された、前記当該他のIP電話機のRTP受信能力及び当該他のIP電話機のIPアドレスに基づいて、当該IP電話機と当該他のIP電話機との間にピアツーピアに音声セッションを確立する処理と
を前記処理装置に実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体と前記処理装置とを備えるIP電話機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は電話通信の構内交換機に関し、特に、IP電話機と非IP電話機の両方を収容する構内交換機に関する。
【背景技術】
【0002】
回線交換方式の構内交換システムでは、一般に、構内交換機が電話端末の個々の状態を集中的に管理する。構内交換機が各電話端末での呼状態を管理して呼制御を行う。
【0003】
一方、IP(Internet Protocol)ネットワーク上にIP電話端末とシステムを管理するIP電話サーバとを配置してなるIP電話システムでは、呼制御、呼状態の管理、RTP(Real−time Transport Protocol)のやりとりに関する判断は、IP電話端末が行う。
【0004】
IP電話端末を回線交換方式の構内交換機に収容する従来の技術としては、例えば特許文献1がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−273899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
回線交換方式の構内交換網にIP電話端末を収容するとき、従来はIP電話サーバを介して構内交換機に収容していた。このような方式では、上述のような電話端末の呼制御等の管理方式の相違から、IP電話端末を構内交換機の内線電話端末として取り扱うことができなかった。その結果、所謂キーテレフォンシステムの構内交換機であっても、その機能をIP電話端末から利用することができなかった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、IP電話機を内線端末として収容可能な構内交換機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため本発明は次のような呼制御方法、コンピュータプログラム及び構内交換機を提供する。
【0009】
即ち、パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機にて行う呼制御方法において、構内交換機が発呼元のIP電話機から発呼要求を受信する段階と、構内交換機が発呼先端末の種別を判定する段階と、判定の結果発呼先端末が非IP電話機の場合、構内交換機と発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、呼確立による音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する段階と、判定の結果発呼先端末がIP電話機の場合、第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先IP電話機との間にパケット回線を介した第2の音声セッションを確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、第2の音声セッションによる音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先IP電話機との間に音声パスを確立する段階とを含むことを特徴とする呼制御方法を提供する。
【0010】
構内交換機は、内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を備え、構内交換機は、発呼要求及びテーブルに基づいて、発呼先端末の種別判定を行うこととしてもよい。
【0011】
判定の結果発呼先端末がIP電話機の場合、構内交換機は、発呼元IP電話機から受信した発呼要求の内容を少なくとも一部変更し、変更した発呼要求に基づいて、構内交換機と発呼先IP電話機との間でピアツーピアに第2の音声セッションを確立することとしてもよい。
【0012】
また、本発明は、パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機の制御装置にて呼制御処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する処理と、判定の結果発呼先端末が非IP電話機の場合、構内交換機と発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、呼確立による音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する処理と、判定の結果発呼先端末がIP電話機の場合、第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先IP電話機との間にパケット回線を介した第2の音声セッションを確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、第2の音声セッションによる音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先IP電話機との間に音声パスを確立する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
【0013】
また、こうしたコンピュータプログラムを記録した記録媒体を備え、コンピュータプログラムに従って呼制御を行う構内交換機を提供する。
【0014】
更に、構内交換機において、パケット回線インタフェースと、回線交換回線インタフェースと、パケット回線インタフェースを介して接続されたIP電話の通信プロトコルに従って呼制御メッセージの送受信を行う通信プロトコル処理部と、通信プロトコル処理部にて受信した呼制御メッセージを呼制御部にて解釈可能な信号に変換すると共に、呼制御部から受信した信号を通信プロトコルでの呼制御メッセージに変換するIP変換対応部と、IP電話機から受信した音声の符号化及び復号化を行うコーデックと、発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する呼制御部とを備え、呼制御部は、判定の結果発呼先端末が非IP電話機の場合、構内交換機と発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、呼確立による音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立し、判定の結果発呼先端末がIP電話機の場合、第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先IP電話機との間にパケット回線を介した第2の音声セッションを確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、第2の音声セッションによる音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先IP電話機との間に音声パスを確立することを特徴とする構内交換機を提供する。
【0015】
また、本発明は、パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機にて行う呼制御方法において、構内交換機が発呼元のIP電話機から発呼要求を受信する段階と、構内交換機が発呼先端末の種別を判定する段階と、判定の結果発呼先端末が非IP電話機の場合、構内交換機と発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、呼確立による音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する段階と、判定の結果発呼先端末がIP電話機の場合、発呼元IP電話機及び発呼先IP電話機の間に、パケット回線を介した第3の音声セッションをピアツーピアに確立することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する段階とを含むことを特徴とする呼制御方法を提供する。
【0016】
第3の音声セッションの確立は、発呼元IP電話機が構内交換機に対して、発呼要求を通知する第1のメッセージを送信する段階(ステップS81)と、第1のメッセージに応じて、構内交換機から発呼先IP電話機に対して、第1のメッセージと同時に通知された或いは予め構内交換機の記憶装置に記憶された発呼元IP電話機のRTP(Real−time Transport Protocol)の受信能力、及び、発呼要求を通知する第2のメッセージを送信する段階(ステップS93)と、第2のメッセージに応じて、発呼先IP電話機から構内交換機に対して、発呼要求の肯定を通知する第3のメッセージを送信する段階(ステップS94)と、第3のメッセージに応じて、構内交換機から発呼元IP電話機に対して、第3のメッセージと同時に通知された或いは予め記憶装置に記憶された発呼元IP電話機のRTP受信能力、発呼元IP電話機のIPアドレス、及び、発呼要求応答を通知する第4のメッセージを送信する段階(ステップS106)と、第4のメッセージに応じて、発呼元IP電話機と発呼先IP電話機の間でピアツーピアにRTP通信を行うことにより音声パスを確立する段階(ステップS107)とにより行うことが考えられる。
【0017】
構内交換機は、内線端末として収容するIP電話機及び非IP電話機の両方の登録情報を管理するテーブルを記憶する記憶装置を備え、構内交換機は、発呼要求及びテーブルに基づいて、発呼先端末の種別判定を行うこととしてもよい。
【0018】
また、本発明は、パケット回線インタフェース及び回線交換回線インタフェースの両方を備える構内交換機の制御装置にて呼制御処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する処理と、判定の結果発呼先端末が非IP電話機の場合、構内交換機と発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、呼確立による音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立する処理と、判定の結果発呼先端末がIP電話機の場合、発呼元IP電話機及び発呼先IP電話機のいずれか一方のIP電話機に対し、他方のIP電話機との間に、パケット回線を介した第3の音声セッションをピアツーピアに確立することを求める処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
【0019】
更に、本発明は、構内交換機において、パケット回線インタフェースと、回線交換回線インタフェースと、パケット回線インタフェースを介して接続されたIP電話の通信プロトコルに従って呼制御メッセージの送受信を行う通信プロトコル処理部と、通信プロトコル処理部にて受信した呼制御メッセージを呼制御部にて解釈可能な信号に変換すると共に、呼制御部から受信した信号を通信プロトコルでの呼制御メッセージに変換するIP変換対応部と、IP電話機から受信した音声の符号化及び復号化を行うコーデックと、発呼元のIP電話機から受信した発呼要求に基づいて、発呼先端末の種別を判定する呼制御部とを備え、呼制御部は、判定の結果発呼先端末が非IP電話機の場合、構内交換機と発呼元IP電話機との間にパケット回線を介した第1の音声セッションを確立する一方、構内交換機と発呼先非IP電話機との間に回線交換回線を介した呼を確立し、第1の音声セッションによる音声パスと、呼確立による音声パスとを接続することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立し、判定の結果発呼先端末がIP電話機の場合、発呼元IP電話機及び発呼先IP電話機の間に、パケット回線を介した第3の音声セッションをピアツーピアに確立することにより、発呼元IP電話機と発呼先非IP電話機との間に音声パスを確立することを特徴とする構内交換機を提供する。
【0020】
更に、本発明は、IP電話機の処理装置にて実行されるコンピュータプログラムにおいて、当該他のIP電話機に対する発呼要求を通知するのに先立って、或いは、通知と同時に、当該IP電話機のRTPの受信能力を構内交換機に通知する処理と、発呼要求に応答して当該他のIP電話機から構内交換機を介して発呼要求応答を受信する処理と、発呼要求応答に応じて、発呼要求応答と同時に通知された或いは発呼要求応答に先立って構内交換機の記憶装置に記憶された、当該他のIP電話機のRTP受信能力及び当該他のIP電話機のIPアドレスに基づいて、当該IP電話機と当該他のIP電話機との間にピアツーピアに音声セッションを確立する処理とを処理装置に実行させることを特徴とするコンピュータプログラム、及び、このコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体と処理装置とを備えるIP電話機を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、IP電話機を構内交換機に内線電話端末として収容し、収容している他のIP電話機及び非IP電話機とその構内交換機の管理下で内線通話を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施例1を以下に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1に示すように、本発明のキーテレフォンシステム1は、構内交換機2、ハブ3、IP電話機4、5、ボタン電話機6、7からなる。ボタン電話機6、7は回線交換方式の電話端末である。ここでは説明を簡略にするためIP電話機及びボタン電話機をそれぞれ2台ずつとしたが、同様のシステムでIP電話機を少なくとも1台以上含む電話機2台以上のものであれば本実施例の説明はあてはまる。
【0024】
図2を参照して構内交換機2について説明する。
【0025】
構内交換機2はメインボード21を備える。メインボード21は、LANインタフェース部22、通信プロトコル処理部23、IP変換対応部24、呼制御部25、記憶部26、ボタン電話機対応部27、回線交換網インタフェース部28を備える。LANインタフェース部22はデータをIP(Internet Protocol)で送受信する。通信プロトコル処理部23は、IP電話機に対応した通信プロトコルのクライアントとして働き、IP電話機からの呼制御メッセージを解釈・応答する。SIP(Session Initiation Protocol)ネットワークにおけるユーザーエージェントに相当する。IP変換対応部24はIP電話機の通信プロトコルに則った呼制御メッセージと、呼制御部25の制御信号とを双方向に変換する。呼制御部25は、内蔵する或いは記憶部26に予め格納したプログラムに従って、IP電話機4及び5を含むキーテレフォンシステム1全体の呼処理その他の処理を行う。記憶部26はIP電話機及びボタン電話機の両方を含むキーテレフォンシステム1内の全ての電話端末の呼状態その他の状態を格納する管理テーブルを記憶する。具体的には、管理テーブルは、内線電話番号、呼状態、端末種別、端末種別がIP電話機の場合は更にIPアドレスを、収容する全端末について格納する。内線電話番号はキーテレフォンシステム1内でユニークな番号である。呼状態には待ち受け、発呼中、通話中等がある。端末種別には、ボタン電話機、IP電話機、単独電話機等がある。ボタン電話機対応部27はボタン電話機6、7の制御を行う。回線交換網インタフェース部28はボタン電話機6、7への信号線を接続する。
【0026】
また、構内交換機2はVoIP(Voice over Internet Protocol)対応ボード29を備える。VoIP対応ボード29はRTP送受信部30、LANインタフェース部31を備える。RTP送受信部30はRTP(Real−time Transport Protocol)の送受信を行う。音声情報の標本化、量子化、符号化、パケット化を行う。更に、パケットの復号化を行う。LANインタフェース部31はデータをIPで送受信する。
【0027】
IP電話機4及び5を内線電話端末として使用するためには、構内交換機1に登録する必要がある。次に図3を参照してIP電話機4を内線電話端末として登録するときの構内交換機2の動作について説明する。
【0028】
IP電話機4は、ハブ3を介して構内交換機2に対し、登録要求を呼制御メッセージとして送信する(ステップS1)。この呼制御メッセージはIP電話機4が使用する通信プロトコルにおける発呼元アドレスやIPアドレス等を格納している。
【0029】
この呼制御メッセージはLANインタフェース部22を介して通信プロトコル処理部23にて受信される。通信プロトコル処理部23は呼制御メッセージを解析し、登録要求と発呼元アドレス等を抽出して、IP変換対応部24に渡す(ステップS2)。
【0030】
登録要求に応じて、IP変換対応部24は、IP電話機4の発呼元アドレスに対応する内線電話番号、IPアドレス、端末種別を管理テーブルに登録する(ステップS3、S4)。発呼元アドレスに対応する内線電話番号は、発呼元アドレスを元に算出したユニークな番号であってもよいし、或いは、予め記憶部26に登録しておいた発呼元アドレスと内線電話番号との対応関係を参照して求めてもよいし、或いは、IP電話機4から入力を求めることとしてもよい。
【0031】
次に、上述の登録動作の後で、IP電話機4からボタン電話機6に発呼するときのキーテレフォンシステム1の動作について、図4を参照して説明する。
【0032】
IP電話機4から構内交換機2に呼制御メッセージとして発呼要求を発信する(ステップS10)。発呼要求は、通信プロトコル上でのボタン電話機6の発呼先アドレス、IP電話機4の発呼先アドレス、IP電話機4が音声のRTPを受信可能であること等の情報を含む。
【0033】
LANインタフェース部22を介して呼制御メッセージを受信した通信プロトコル処理部23は、呼制御メッセージを解析して発呼要求を抽出し、IP変換対応部24に渡す(ステップS11)。
【0034】
発呼要求を受けたIP変換対応部24は、発呼要求を呼制御部25が解釈可能な信号に変換して呼制御部25に渡す(ステップS12)。
【0035】
これに応じて、呼制御部25は発呼処理を実行する。まず、記憶部26に格納されている管理テーブルにて、発呼要求に含まれている発呼先アドレスに対応する端末種別を確認する(ステップS13、S14)。ここでは端末種別は非IP電話機である。この場合、呼制御部25は更に通話可能な状態であるか否かを判定する(ステップS15、S16)。
【0036】
ここで通話可能と判定した場合、呼制御部25は発呼要求応答をIP変換対応部24に送信する(ステップS17)。IP変換対応部24は発呼要求応答を通信プロトコル処理部23に渡し(ステップS18)、通信プロトコル処理部23は所定の通信プロトコルに従って発呼要求応答をパケット化してIP電話機4に送信する(ステップS19)。また、IP変換対応部24は、RTP送受信部30に対してRTPの送受信処理の開始を指示する(ステップS20)。
【0037】
また、通話可能と判定した場合、呼制御部25はボタン電話機対応部27に対し、発呼先端末であるボタン電話機6に対して呼出信号を送出するように指示する(ステップS21)。この指示に応じてボタン電話機対応部27は回線交換網インタフェース部28を介してボタン電話機6に呼出信号を送出する(ステップS22)。
【0038】
呼出信号を受信したボタン電話機6は、呼出音の鳴動等により被呼者を呼び出す。これに応じて被呼者がオフフックするとボタン電話機6は呼出応答を構内交換機2に送出する(ステップS23)。
【0039】
回線交換網インタフェース部28が呼出応答を受信するとボタン電話機対応部28を介して呼制御部25に通知される(ステップS24)。これにより、呼制御部25はIP電話機4とボタン電話機6の間に呼を確立する(ステップS25)。IP電話機4から見ると、キーテレフォンシステム1内での通話は、対向のIP電話機とピアツーピアで通信することと同様となっている。尚、呼の確立と共に、呼制御部25は、記憶部26の管理テーブルにおけるIP電話機4及びボタン電話機6の呼状態を通話中に更新し、通話の終了に応じて待ち受けに更新する。
【0040】
このような動作により、IP電話機と、ボタン電話機等の非IP電話機との間の内線通話を、構内交換機の管理下で行うことが出来る。
【0041】
次に、IP電話機4から他のIP電話機5に対して内線電話をかけるときのキーテレフォンシステム1の動作について図5を参照して説明する。尚、IP電話機4及び5はどちらも図3の登録処理を済ませてあるものとする。
【0042】
IP電話機4が呼制御メッセージとして発呼要求を構内交換機2へと送信する(ステップS30)と、発呼要求はLANインタフェース部22及び通信プロトコル処理部23を介してIP変換対応部24に渡される(ステップS31)。これを受けてIP変換対応部24は、この発呼要求と、この呼に対して発行されたIDとを関連づけて記憶し、呼制御部25に発呼要求を通知する(ステップS32)。このIDは呼毎に発行される識別子である。
【0043】
発呼要求に応じて、呼制御部25は記憶部26にアクセスし、発呼要求にて指定された発呼先端末であるIP電話機5の端末情報を参照し、IP電話機5の端末種別を確認する(ステップS33、S34)。ここでは端末種別はIP電話機である。この場合、呼制御部25は、発呼要求を再びIP変換対応部24に送信する(ステップS35)。
【0044】
発呼要求を受けると、IP変換対応部24は、予め記憶しておいた発呼要求の一部を更新する(ステップS36)。発呼要求には、発呼元であるIP電話機4のIPアドレス、及び、音声のRTP受信機能の有無を示す情報が含まれている。IP変換対応部24は、これらIP電話機4に関する情報を構内交換機2に関する情報に置き換える。即ち、発呼要求内の発呼元IPアドレスは構内交換機2のIPアドレスに書き換え、音声RTPの受信機能の有無についてはRTP送受信部30が備える機能に応じた値に書き換える。更新後の発呼要求は通信プロトコル処理部23、LANインタフェース部22、ハブ3を介してIP電話機5に送信される(ステップS37、S38)。
【0045】
IP電話機5は一般的なIP電話機による呼制御(ステップS39)を行い、ハブ3、LANインタフェース部31を介してRTP送受信部30との間に呼を確立する。呼制御部25はIP電話機4とIP電話機5とを接続し、IP電話機4とIP電話機5の間に呼が確立される(ステップS40)。
【0046】
このようにして、構内交換機2に内線電話端末として収容された2つのIP電話機4、5は、構内交換機2を介して内線通話を行う。ここではIP電話機4及び5はピアツーピアで呼制御メッセージや音声RTPを直接やりとりしていない。このため、構内交換機2はIP電話機の呼状態及び音声通話状態を把握可能となり、その管理下で内線通話を行わせることができる。
【実施例2】
【0047】
実施例1では、IP電話機からの音声パスを構内交換機が備えるVoIP対応ボードで終端する。このため、内線端末として登録されたIP電話機から、内線登録された他のIP電話機宛てに内線通話する場合、それぞれのIP電話機と通信すると共に、これらを接続するためのRTP処理をVoIP対応ボードにて実行する必要がある。つまり、VoIP対応ボードは、同時に内線通話を確立するIP電話機と同数のRTPをハンドルする必要がある。同時に内線通話を確立するIP電話機の数が多数になればなるほど、RTP処理を実行するため、VoIP対応ボードに多くのリソースが必要となる。
【0048】
本実施例では、呼制御の際、IP電話機からの発信時に、発信先の電話機の種別によって音声パスの接続を判断し、通話先相手の音声受信能力によって動的にVoIP対応ボードとの通話に切り替える制御を行う。これにより、構内交換機内においてVoIP対応ボードのリソースを消費することなく、内線通話を確立することを可能とする。
【0049】
以下に本実施例について説明する。実施例1と同様、本実施例も図1に示したキーテレフォンシステム1及び図2に示した構内交換機2に基づいて説明する。尚、図3に示した要領に従って、IP電話機4及び5は内線電話機として予め登録されているものとする。実施例1と比較すると、実施例2は、内線電話機として登録したIP電話機から他の内線電話機を呼ぶ際の動作が異なる。
【0050】
まず、発呼先の内線電話機がボタン電話機である場合の動作について図6を参照して説明する。
【0051】
IP電話機4はIPによる発呼要求メッセージである呼制御メッセージを構内交換機2へ送信する(ステップS61)。発呼要求メッセージは、送信先(宛先ダイヤル)、IP電話機4自身の音声パス(RTP)受信能力を示したメッセージを含む。ここでは送信先はボタン電話機6の内線電話番号である。RTP受信能力は例えば優先コーデック、ペイロードサイズ、受信IPアドレスである。
【0052】
IP電話機4からの呼制御求メッセージはLANインターフェース部22にて受信され、通信プロトコル処理部23に渡される。通信プロトコル処理部23は、受信した呼制御メッセージの解釈を行い、発呼要求メッセージであると判断すると、IP電話機4のRTP受信能力を内線電話番号と共に記憶部26へ記憶(ステップS62)させ、IP変換対応部24を介して呼制御部25に発呼要求を通知する(ステップS63、S64)。
【0053】
これに応じて、呼制御部25はダイヤル解析処理を行う。ダイヤル解析処理はステップS65及びS66に対応する。図5を参照して説明すると、呼制御部25は、発呼要求から宛先ダイヤルを抽出し、記憶部26に登録されている管理テーブルに基づいて抽出した宛先ダイヤルについての判定を行う。具体的には、宛先ダイヤルが内線電話番号であるか、それとも外線番号、その他の構内交換機2が所定の番号のダイヤルに応じて内線端末に所定のサービス処理を提供する特番処理かを判断(ステップT1)し、宛先ダイヤルが内線電話番号である場合、その内線電話番号を有する端末はIP電話機か否かを判定する(ステップT2)。今、宛先ダイヤルは内線電話機であるボタン電話機6の内線電話番号である。この場合、呼制御部25は、VoIP対応ボード通話処理発信に移行する(ステップT3)。尚、ダイヤル解析処理の結果、宛先ダイヤルが外線番号の場合や特番の場合、それぞれに対応した発信処理を行う。
【0054】
VoIP対応ボード通話処理発信では、呼制御部25は、記憶部26の管理テーブルを参照してボタン電話機6の呼状態を確認し、ボタン電話機6が待ち受け状態であれば、ボタン電話機対応部27を介してボタン電話機6の呼出を行う(ステップS67〜S70)。
【0055】
ボタン電話機6の受話器がオフフックされると、ボタン電話機6は、構内交換機2に対して呼出応答を送信する(ステップS71)。呼出応答はボタン電話機対応部27を介して呼制御部25に通知される(ステップS72)。
【0056】
ボタン電話機6からの呼出応答に応じて、呼制御部25は、IP変換対応部24への応答として、VoIP対応ボード29を介してIP電話機4と構内交換機2が通信する処理を行わせるメッセージを発呼要求応答として送信する(ステップS73)。
【0057】
IP変換対応部24を介して発呼要求応答を受信(ステップS74)した通信プロトコル処理部23は、VoIP対応ボード29のRTP受信能力を記録部26から取得する(ステップS75、S76)。通信プロトコル処理部23は、取得したRTP受信能力を発呼要求応答に含めたメッセージを生成し、LANインタフェース部22を介してIP電話機4に送信する(ステップS77)。
【0058】
これを受けたIP電話機4は、発呼要求応答に含まれているRTP受信能力に基づき、VoIP対応ボード29を介して構内交換機2との間で音声パスを接続する。呼制御部25は、ステップS72で受信した呼出応答とこの音声パスを接続して呼を確立する(ステップS78)。
【0059】
次に、発呼先の内線電話機がIP電話機である場合の動作について図8を参照して説明する。
【0060】
ステップS81からステップS84まではそれぞれステップS61からステップS64までと同様である。ステップS84にて発呼要求を受けた呼制御部25は、ダイヤル解析処理により、宛先ダイヤルが内線電話機であるIP電話機5の電話番号と判定することになる(ステップS85〜S88)。
【0061】
この場合、呼制御部25は、IP変換対応部24に対し、IP電話機5宛の発呼要求を送る(ステップS89)。その際、呼制御部25は、発呼元であるIP電話機4と発呼先であるIP電話機5の間で、RTPをピアツーピアに行う旨の要求を発呼要求に含めて送出する。以下、このRTPをピアツーピアに行う旨の要求をピアツーピア要求と呼ぶものとする。
【0062】
IP変換対応部24を経由してこのメッセージを受信(ステップS90)した通信プロトコル処理部23は、発呼要求に含まれるピアツーピア要求を判別すると、ステップS82にて記憶部26に記憶させたIP電話機4のRTP受信能力を取得(ステップS91、S92)し、IP電話機5宛に送信する呼制御メッセージの中にこの情報を含めてIP電話機5へ送信する(ステップS93)。
【0063】
IP電話機4からの発呼要求の呼制御メッセージを受信したIP電話機5は、RTPの送信先はIP電話機4宛であること、及び、IP電話機4のRTP受信能力についての情報を取得することとなる。取得した情報を元に、IP電話機5は送信する際に用いるRTPのコーデックを選択すると共に、送信先のIPアドレスやポート番号を取得する。これら情報に基づいて、IP電話機5は、IP電話機4のRTP受信能力に適したRTPの送信を行う。
【0064】
IP電話機5がRTP送信可能である場合、IP電話機5は、肯定応答を示す発呼要求応答メッセージを構内交換機2に送信する(ステップS94)このとき、IP電話機5は、自身のRTP受信能力に関する情報を発呼要求応答メッセージに含めて送信する。
【0065】
構内交換機2において、LANインターフェース部22を介して発呼要求応答メッセージを受信すると、通信プロトコル処理部23は、この発呼要求応答メッセージからIP電話機5のRTP受信能力とIPアドレスとを抽出し、記憶部26に記憶させる処理を行う(ステップS95)。また、発呼要求応答メッセージはIP変換対応部24を経由して呼制御部25に通知される(ステップS95〜97)。
【0066】
発呼要求応答メッセージの受信により、IP電話機5からの発呼要求に対する応答を認識すると、呼制御部25は、IP電話機4に対してRTPをピアツーピアさせる旨の指示を行うメッセージを含む発呼要求応答を生成し、IP変換対応部24、通信プロトコル処理部23宛てに送信する(ステップS102、S103)。
【0067】
この発呼要求応答メッセージを受信すると、通信プロトコル処理部23は、記憶部26からIP電話機5のRTP受信能力及びIPアドレスを取得する(ステップS104、S105)。図3を参照して説明したように、IP電話機4及び5は構内交換機2の内線端末として予め登録されており、IP電話機4及び5の内線電話番号と、端末種別がIP電話機であることとが関連付けられて記憶部26に格納されている。この関連付け、及び、ステップS81及びS94にて発呼側端末及び着呼側端末から受信したメッセージに基づいて、呼制御部25は端末種別を判定する。ここでは、発呼側端末及び着呼側端末の両方がIP電話機である。このとき、通信プロトコル処理部23は、IP電話機4宛の発呼要求応答の呼制御メッセージに含めて送信する(ステップS106)。
【0068】
構内交換機2から肯定応答を受信したIP電話機4は、呼制御メッセージからRTP送信先であるIP電話機5のRTP受信能力とIPアドレスを取得し、IP電話機5宛にRTPを送信し、IP電話機4との間にピアツーピアにて呼を確立する(ステップS107)。以上により、IP電話機4とIP電話機5の間に、構内交換機2を経由せずにRTPをピアツーピアにて送受信することが可能となる。
【0069】
本実施例によれば、内線電話機としてのIP電話機を判別し、そのRTP受信能力に応じて、RTPの受信処理と送信先とを構内交換機からIP電話機に切り替える。このため、本実施例によれば、IP電話機同士の内線電話に必要なVoIP対応ボードのリソースを削減することができる。また、全ての内線IP電話機がRTP受信能力を備えるのであれば、構内交換機はVoIP対応ボードを備える必要がない。どちらの場合であっても、実施例1と同様に、内線IP電話機の呼状態を構内交換機にて管理することができる。
【0070】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者の通常の知識の範囲内でその変更や改良が可能であることは勿論である。
【0071】
例えば、実施例2では、あらかじめIP電話機同士をピアツーピアでRTP送受信する/しないを定める設定を設け、記憶部26にて記憶することとしてもよい。上述のステップS86では、呼制御部25は記憶部26から端末種別を取得するが、RTP送受信をしない設定を記憶部26に記憶した場合、この設定も同時に記憶部26から取得する。この設定取得に応じて、呼制御部25は、ステップS89において、ピアツーピア通信を行わない旨の指示を含む発呼要求をIP変換対応部24に送信する。
【0072】
また、実施例2では通常の発呼動作に基づいて説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、保留や転送の動作に対して適用することとしてもよい。例えば、転送動作では、呼制御部25は、転送先の端末の種別等を判断し、転送先の端末がIP電話機の場合、発呼端末と転送先端末の間でピアツーピアにてRTPの送受信を行う旨のメッセージを、発呼端末及び転送先端末に送出する。他方、転送先端末がボタン電話機の場合、呼制御部25は、VoIP対応ボード29経由の通信に切り替える旨のメッセージを発呼端末及び転送先端末に送出する。
【0073】
更に、実施例2では、ステップS94において、IP電話機5がIP電話機4からのRTP受信能力を受け入れ可能であり、肯定応答を返信することを前提として説明しているが、逆に、IP電話機5がIP電話機4からのRTP受信能力を受け入れ不可能であり、否定応答を返信する場合も考えられる。この場合は次のような動作が考えられる。
【0074】
否定応答を受信した呼制御部25は、VoIP対応ボード29のRTP受信能力及びIPアドレスを含む発呼要求を、IP電話機5に送信すると共に、記憶部26にIP電話機4からIP電話機5への発呼がVoIP対応ボード29経由であることを記憶させる。この要求がIP電話機5に受け入れられ、肯定応答が構内交換機2に返信されると、呼制御部25は、記憶部26を参照して、VoIP対応ボード29経由の通信を開始する肯定応答であると判断し、VoIP対応ボード29のRTP受信能力及びIPアドレスを含めた肯定応答メッセージをIP電話機4に送信する。
【0075】
このようにして、ステップS93の段階で予定していたIP電話機間のピアツーピアのRTP送受信から、構内交換機2を経由したRTP送受信へと動的にRTPの送受信経路を切り替えることとしてもよい。
【0076】
また、内線IP電話機間で呼制御を行う際、実施例1では図5に示すように常にVoIP対応ボード29を介して呼を確立する一方、実施例2では図8に示すように常にピアツーピアにて呼を確立するものとして説明しているが、同一の構内交換機にてどちらの呼制御も実行することとしてもよい。例えば、ステップS34及びステップS86において、発呼元端末及び発呼先端末の端末種別を取得したとき、発呼元及び発呼先のIP電話機のうち少なくとも一方に応じて、実施例1と同様にVoIP対応ボード29を介して呼を確立するか、或いは、実施例2と同様にピアツーピアに呼を確立するかを呼制御部25が判定することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施の形態であるキーテレフォンシステム1の機能ブロック図である。
【図2】キーテレフォンシステム1が備える構内交換機2の機能ブロック図である。
【図3】IP電話機4を構内交換機2に内線端末として登録する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】実施例1において発呼先端末がボタン電話機であるときの構内交換機2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施例1において発呼先端末がIP電話機であるときの構内交換機2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施例2において発呼先端末がボタン電話機であるときの構内交換機2の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施例2のダイヤル解析処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施例2において発呼先端末がIP電話機であるときの構内交換機2の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 キーテレフォンシステム
2 構内交換機
3 ハブ
4、5 IP電話機
6、7 ボタン電話機
21 メインボード
22、31 LANインタフェース部
23 通信プロトコル処理部
24 IP変換対応部
25 呼制御部
26 記憶部
27 ボタン電話機対応部
28 回線交換網インタフェース部
29 VoIP対応ボード
30 RTP送受信部
【出願人】 【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECインフロンティア株式会社
【出願日】 平成19年4月24日(2007.4.24)
【代理人】 【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保

【識別番号】100082924
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 修一

【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬


【公開番号】 特開2008−35476(P2008−35476A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−113666(P2007−113666)