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【発明の名称】 通信装置
【発明者】 【氏名】本多 勝敏

【要約】 【課題】複数の通信機器と接続可能であって、電気信号の出力に際して無駄な電力が消費されることを抑制した通信装置を提供する。

【構成】リモコン50a,50bは、信号線100及び共通線101間に抵抗成分83を介して接続され、抵抗成分83に流れる電流のレベルに応じて電気信号を受信する受信回路82を有する。給湯器1は、信号線100及び共通線101間に抵抗成分33を介して接続され、信号線100及び共通線101間に抵抗成分33を介して接続された通信機器の台数を把握する接続台数把握手段11と、該通信機器の接続台数に応じて、送信出力変更回路20により送信回路31の電気信号の出力レベルを制御する送信出力制御手段12とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗成分に生じる電圧又は該抵抗成分に流れる電流のレベルに応じて第1の電気信号を受信する第1の受信手段を備えた通信機器と、該抵抗成分を介して信号線及び共通線により接続される通信装置において、
前記信号線及び共通線間に前記第1の電気信号を出力する第1の送信手段と、
該第1の送信手段から出力される前記第1の電気信号の出力レベルを変更する送信出力変更手段と、
前記信号線及び共通線間に並列に接続された前記通信機器の台数を把握する接続台数把握手段と、
該接続台数把握手段により把握された前記通信機器の台数に応じて、前記第1の送信手段から出力される前記第1の電気信号の出力レベルを、前記送信出力変更手段により変更する送信出力制御手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記送信出力制御手段は、前記接続台数把握手段により把握された第1の台数に応じて前記第1の電気信号の出力レベルを変更したときに、その後、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第1の台数よりも少ない第2の台数になったときには、前記第1の電気信号の出力レベルを変更することなく、所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第2の台数に維持されるか否かを確認し、
前記所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第2の台数に維持されたときは、前記第1の電気信号の出力レベルを該第2の台数に応じて変更し、前記所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が前記第2の台数に維持されずに前記第1の台数に戻ったときには、前記第1の電気信号の出力レベルを前記第1の台数に応じた出力レベルに維持することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信出力制御手段は、前記接続台数把握手段により把握された前記第1の台数に応じて、前記第1の電気信号の出力レベルを変更したときに、その後、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第1の台数よりも多い第3の台数となったときには、前記所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第3の台数に維持されるか否かを確認することなく、前記第1の電気信号の出力レベルを該第3の台数に応じて変更することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信機器は、固有の識別子を有して、前記信号線及び共通線間に該識別子を含む第2の電気信号を出力する第2の送信手段を備えて、所定のフレーム周期内で、他の前記通信機器から出力される該第2の電気信号との衝突が生じないように設定された送信タイミングで該第2の電気信号を出力し、
前記信号線及び共通線間に出力された前記第2の電気信号を受信する第2の受信手段を備えて、
前記接続台数把握手段は、前記フレーム周期内で受信した前記第2の電気信号に含まれる異なる前記識別子の個数により、前記信号線及び共通線に接続された前記通信機器の台数を把握することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載の通信装置。
【請求項5】
前記送信出力制御手段は、前記第1の電気信号の出力レベルを、前記接続台数把握手段により把握された前記通信機器の台数+1台の前記通信機器において、前記第1の受信手段により前記第1の電信信号を受信するために必要となる最小の出力レベルに、所定の余裕分を加えた出力レベルに変更することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、通信線及び共通線を介して並列に接続された複数の通信機器に対して電気信号を出力する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、給湯器と該給湯器を遠隔操作するための複数のリモコンからなる給湯システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。図5は、給湯器とリモコンの一般的な接続形態を示したものであり、信号線210及び共通線211を介して、給湯器200と4台のリモコン220a〜220dが並列に接続されている。
【0003】
給湯器200において、信号線210と共通線211間には、リモコン220a〜220dに電源供給するために直流電圧Vdが出力され、共通線211は電源のGNDと接続されている。また、信号線210と共通線211間には抵抗成分202が接続され、通信回路201は信号線210に電気信号を重畳出力して送信を行うと共に、リモコン220a〜220dから信号線210に重畳して出力される電気信号により抵抗成分202を流れる電流分を検知して該電気信号を受信する。
【0004】
また、各リモコン220a〜220dにおいても、信号線210及び共通線211間に抵抗成分222が接続され、通信回路221は信号線210に電気信号を重畳出力して送信を行うと共に、給湯器200及び他のリモコンから信号線210に重畳して出力される電気信号により抵抗成分202を流れる電流分を検知して該電気信号を受信する。
【0005】
図5に示した接続形態において、給湯器200の通信回路201から一定の出力レベルの電気信号を出力した場合、給湯器200の抵抗成分202と各リモコン220a〜220dの抵抗成分222が、信号線210と共通線211間に並列に接続されているため、各リモコン220a〜220dの抵抗成分222に流れる電流は、リモコンの接続台数が多いほど小さくなる。リモコン220a〜220dのうちのいずれかから一定の出力レベルの電気信号を出力する場合も同様である。
【0006】
そこで、給湯器200の通信回路201及び各リモコン220a〜220dの通信回路221においては、給湯器200に接続可能な最大台数(例えば7台)の通信機器(リモコン、ソーラーユニット、洗濯注水ユニット等)を接続して電気信号を出力したときに、給湯器200及び全ての通信機器において該電気信号の受信に必要なレベルの通電量が確保されるように、電気信号の出力レベルを設定していた。
【0007】
しかし、この場合には、例えば給湯器200と2台のリモコン220a,220bのみにより構成された給湯システムのように、最大台数の通信機器が接続されていないときには、必要以上のレベルの電気信号が出力されることになって、給湯器及び通信機器において無駄な電力が消費されるという不都合があった。
【特許文献1】特開平7-250385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、複数の通信機器と接続可能であって、電気信号の出力に際して無駄な電力が消費されることを抑制した通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、抵抗成分に生じる電圧又は該抵抗成分に流れる電流のレベルに応じて第1の電気信号を受信する第1の受信手段を備えた通信機器と、該抵抗成分を介して信号線及び共通線により接続される通信装置の改良に関する。
【0010】
そして、前記信号線及び共通線間に前記第1の電気信号を出力する第1の送信手段と、
該第1の送信手段から出力される前記第1の電気信号の出力レベルを変更する送信出力変更手段と、前記信号線及び共通線間に並列に接続された前記通信機器の台数を把握する接続台数把握手段と、該接続台数把握手段により把握された前記通信機器の台数に応じて、前記第1の送信手段から出力される前記第1の電気信号の出力レベルを、前記送信出力変更手段により変更する送信出力制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、前記信号線及び前記共通線間に並列に接続される前記通信機器の台数が多いほど、前記通信機器の前記抵抗成分に前記第1の電気信号の受信に必要なレベル以上の電圧または電流を生じさせるために必要となる前記第1の電気信号の出力レベルが大きくなる。そこで、前記送信出力制御手段は、前記接続台数把握手段により把握された前記通信機器の接続台数に応じて、前記第1の電気信号の出力レベルを変更する。これにより、前記第1の電気信号の出力レベルが必要以上に大きくなって、無駄な電力が消費されることを抑制することができる。
【0012】
また、前記送信出力制御手段は、前記接続台数把握手段により把握された第1の台数に応じて前記第1の電気信号の出力レベルを変更したときに、その後、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第1の台数よりも少ない第2の台数になったときには、前記第1の電気信号の出力レベルを変更することなく、所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第2の台数に維持されるか否かを確認し、前記所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第2の台数に維持されたときは、前記第1の電気信号の出力レベルを該第2の台数に応じて変更し、前記所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が前記第2の台数に維持されずに前記第1の台数に戻ったときには、前記第1の電気信号の出力レベルを前記第1の台数に応じた出力レベルに維持することを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、前記送信出力制御手段は、前記送信出力制御手段は、前記接続台数把握手段により把握される前記通信機器の台数が前記第1の台数から前記第2の台数に減少したときに、前記所定時間が経過するまで前記接続台数把握手段により把握される前記通信機器の台数が前記第2の台数に維持されたことを確認した上で、前記第1の電気信号の出力を前記第2の台数に応じて減少させる。これにより、電気的ノイズ等によって前記接続台数把握手段により前記通信機器の台数が実際よりも少なく把握されたときに、直ちに前記第1の電気信号の出力レベルが減少して、前記通信機器側で前記第1の電気信号の受信が不能となることを回避することができる。
【0014】
また、前記送信出力制御手段は、前記接続台数把握手段により把握された前記第1の台数に応じて、前記第1の電気信号の出力レベルを変更したときに、その後、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第1の台数よりも多い第3の台数となったときには、前記所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第3の台数に維持されるか否かを確認することなく、前記第1の電気信号の出力レベルを該第3の台数に応じて変更することを特徴とする。
【0015】
かかる本発明によれば、前記送信出力制御手段は、前記接続台数把握手段により把握される前記通信機器の接続台数が前記第1の台数から前記第3の台数に増加したときは、前記所定時間が経過するまで、前記接続台数把握手段により把握される台数が該第3の台数に維持されるか否かを確認することなく、直ちに前記第1の電気信号の出力レベルを該第3の台数に応じて変更する。そのため、前記通信機器の接続台数を増加させたときに、前記所定時間の経過中に前記第1の電気信号の出力レベルが不足する状況となって、前記通信機器側で前記第1の電気信号の受信が不能となることを回避することができる。
【0016】
また、前記通信機器は、固有の識別子を有して、前記信号線及び共通線間に該識別子を含む第2の電気信号を出力する第2の送信手段を備えて、所定のフレーム周期内で、他の前記通信機器から出力される該第2の電気信号との衝突が生じないように設定された送信タイミングで該第2の電気信号を出力し、前記信号線及び共通線間に出力された前記第2の電気信号を受信する第2の受信手段を備えて、前記接続台数把握手段は、前記フレーム周期内で受信した前記第2の電気信号に含まれる異なる前記識別子の個数により、前記信号線及び共通線に接続された前記通信機器の台数を把握することを特徴とする。
【0017】
かかる本発明によれば、前記接続台数把握手段は、前記フレーム周期内で受信した前記第2の電気信号に含まれる異なる前記識別子の個数から、前記通信機器の台数を把握する。そのため、前記通信機器や通信装置の設置時に、設置作業者は前記通信機器の接続台数を設定するための作業をする必要がない。これにより、設置作業者の負担を軽減することができると共に、設置作業者により前記通信機器の台数が誤って設定されることを防止することができる。
【0018】
また、前記送信出力制御手段は、前記第1の電気信号の出力レベルを、前記接続台数把握手段により把握された前記通信機器の台数+1台の前記通信機器において、前記第1の受信手段により前記第1の電信信号を受信するために必要となる最小の出力レベルに、所定の余裕分を加えた出力レベルに変更することを特徴とする。
【0019】
かかる本発明によれば、前記信号線及び共通線間に接続された前記通信機器の台数が1台増加したときに、前記第1の電気信号の出力レベルの不足により、前記通信機器において前記第1の受信手段による前記第1の電気信号の受信が不能となることを防止した上で、前記第1の電気信号の出力レベルが極端に大きく設定されて、無駄な電力が消費されることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の通信装置である給湯器と本発明の通信機器であるリモコンの構成図、図2は給湯器とリモコンの通信仕様の説明図、図3,図4は給湯器における電気信号の出力レベルの設定処理のフローチャートである。
【0021】
図1を参照して、給湯器1(本発明の通信装置に相当する)は信号線100及び共通線101を介して浴室リモコン50(本発明の通信機器に相当する)及びメインリモコン90(本発明の通信機器に相当する)と接続されている。浴室リモコン50及びメインリモコン90には、給湯温度を設定するためのスイッチ(図示しない)等が設けられ、浴室リモコン50及びメインリモコン90から給湯器1に対して、給湯温度の設定データ等の電気信号が送信される。また、給湯器1から浴室リモコン50及びメインリモコン90に対しては、給湯器1の作動状態(ガスバーナの燃焼/停止、給湯温度の検出値等)を示すデータ等の電気信号が送信される。なお、信号線100及び共通線101間には、給湯器1と最大で7台の通信機器が並列に接続可能な仕様となっている。
【0022】
給湯器1は、給湯器1の全体的な作動を制御するマイコン10、信号線100及び共通線101を介して電気信号の送受信を行う通信回路30、通信回路30から出力される電気信号の出力レベルを変更する送信出力変更回路20(本発明の送信出力変更回路に相当する)、及び商用電源(図示しない)から直流電源(12Vと5V)を生成する電源回路25を備えている。
【0023】
ここで、信号線100は電源回路25の12Vの出力と接続され、共通線101は電源回路25の12VのGNDと接続されている。そして、信号線100及び共通線101間に供給される電力により、浴室リモコン50とメインリモコン90が作動する。
【0024】
また、通信回路30において、信号線100と共通線101は抵抗成分33を介して接続され、通信回路30は、信号線100の12Vの電圧に交流の電気信号(本発明の第1の電気信号に相当する)を重畳して出力する送信回路31(本発明の第1の送信手段に相当する)と、信号線100及び共通線101間に接続された機器(本実施の形態では浴室リモコン50a及びメインリモコン50b)から、信号線100に重畳して出力される交流の電気信号(本発明の第2の電気信号に相当する)により、抵抗成分33を流れる所定レベル以上の電流を検知して該電気信号を受信する受信回路32(本発明の第2の受信手段に相当する)とを備えている。
【0025】
また、マイコン10は、信号線100及び共通線101間に並列に接続された通信機器の台数を把握する接続台数把握手段11と、接続台数把握手段11により把握された通信機器の台数に応じて、送信回路31から出力される電気信号のレベルを通信出力変更回路20により変更する送信出力制御手段12とを備えている。
【0026】
次に、浴室リモコン50aは、浴室リモコン50aの全体的な作動を制御するマイコン60、信号線100及び共通線101を介して電気信号の送受信を行う通信回路80、及び通信回路80から出力される電気信号の出力レベルを変更する送信出力変更回路70(本発明の送信出力変更手段に相当する)を備えている。
【0027】
通信回路80において、信号線100と共通線101は抵抗成分83を介して接続され、通信回路80は、信号線100の12Vの電圧に交流の電気信号(本発明の第2の電気信号に相当する)を重畳して出力する送信回路81(本発明の第2の送信手段に相当する)と、給湯器1及び他の通信機器(本実施の形態ではメインリモコン50b)から信号線100に重畳して出力される電気信号(本発明の第1の電気信号と第2の電気信号に相当する)により、抵抗成分83を流れる所定レベル以上の電流を検知して該電気信号を受信する受信回路82(本発明の第1の受信手段に相当する)とを備えている。
【0028】
また、マイコン60は、信号線100及び共通線101間に並列に接続された通信機器の台数を把握する接続台数把握手段61と、接続台数把握手段61により把握された通信機器の台数に応じて、送信回路81から出力される電気信号のレベルを送信出力変更回路70により変更する送信出力制御手段62とを備えている。なお、メインリモコン50bの構成は浴室リモコン50aと同様であるため、同一の構成について同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
次に、図2を参照して、信号線100と共通線101間に接続される給湯器1と通信機器間の通信仕様について説明する。図2(a)に示したように、信号線100と共通線101間には、給湯器1からDC12Vの電圧が印加されている。そして、信号線100には、給湯器1の送信回路31、浴室リモコン50aの送信回路81、及びメインリモコン50bの送信回路81から、異なるタイミングで数100kHz程度の搬送波の電気信号が重畳して出力される。そして、給湯器1の受信回路32、浴室リモコン50aの受信回路82、及びメインリモコン50bの受信回路82で、該搬送波の検知の有無により電気信号が受信される。
【0030】
また、図2(b)を参照して、Tf(t1〜t17)は給湯器1と他の通信機器(最大7台)間の通信処理のフレーム周期であり、Tf中に、給湯器1がパケットデータP1を送信するための第1の送信タイミング(t1〜t2)、浴室リモコン50aがパケットデータP2を送信するための第2の送信タイミング(t3〜t4)、メインリモコン50bがパケットデータP31を送信するための第3の送信タイミング(t5〜t6)、及び他の通信機器(増設リモコン、ソーラユニット、洗濯注水ユニット等)がパケットデータP4〜P8を送信するための第4の送信タイミング(t7〜t8)〜第8の送信タイミング(t15〜t16)が設定されている。
【0031】
このように、信号線100と共通線101間に並列に接続された給湯器1と最大7台の通信機器に対して、異なるパケットデータの送信タイミングを設定することにより、パケットデータの衝突を回避している。
【0032】
次に、信号線100及び共通線101間に接続された給湯器1は、電源供給の開始により作動を開始するときに、信号線100及び共通線101間に接続された通信機器の台数を把握して、送信回路による電気信号の出力レベルを変更する処理を実行する。以下、給湯器1における送信回路による電気信号の出力レベルを変更する処理について、図3を参照して説明する。
【0033】
給湯器1に電源が投入されてマイコン10が作動を開始すると、図3のフローチャートが実行され、送信出力制御手段12は、STEP1で送信出力変更回路20により送信回路32から出力される電気信号のレベルを「大」に設定し、STEP2でカウンタ変数CTをリセット(CT=0)する。
【0034】
続くSTEP3は接続台数把握手段11による処理であり、接続台数把握手段11は、図2(b)に示した1フレームTfの間にパケットをいくつ受信したかにより、信号線100と共通線101間に並列に接続された通信機器の台数を把握する。本実施の形態では、浴室リモコン50aとメインリモコン50bが接続されているため、パケットP21とパケットP22が受信される。そのため、接続台数把握手段11は、信号線100と共通線101間の接続台数は、給湯器1と浴室リモコン50aとメインリモコン50bの3台であると把握する。
【0035】
次のSTEP4で、送信出力制御手段12は、接続台数把握手段11により把握された接続台数が4台を超えているか否かを判断する。そして、接続台数が4台を超えているときはSTEP5に進み、送信出力制御手段12は、カウンタ変数CTをリセット(CT←0)し、STEP6で送信出力変更回路20による送信出力の設定を「大」としてSTEP3に戻る。
【0036】
一方、STEP4で、接続台数把握手段11により把握された接続台数が4台を超えていなかったときにはSTEP10に分岐し、送信出力制御手段12はカウンタ変数CTをインクリメント(CT←CT+1)する。そして、続くSTEP11で、送信出力制御手段12は、カウンタ変数CTが4以上となったか否かを判断する。
【0037】
STEP11でカウンタ変数CTが4以上となったとき、すなわち、STEP3→STEP4→STEP10〜STEP13のループが4回連続して実行されたときにSTEP12に進む。そして、送信出力制御手段12は、送信出力変更回路20による送信出力の設定を「小」とし、次のSTEP13でカウンタ変数CTに4をセット(CT←4)してSTEP3に戻る。
【0038】
図3のフローチャートによれば、STEP4で、接続台数把握手段11により把握された接続台数が4台を超えたときは、STEP6で直ちに送信出力を「大」に設定する。そして、これにより、接続台数が増加したときに送信出力が不足することを防止している。
【0039】
それに対して、STEP4で、接続台数把握手段11により把握された接続台数が4台以下となったときには、カウンタ変数CTが4以上となるのを待ってからSTEP12で送信出力を「小」に設定する。この場合、STEP3で接続台数把握手段11により接続台数が把握される際に1フレームが経過するため、4フレームが経過する間(この間が本発明の所定時間に相当する)に接続台数が4台以下に維持されたときに、送信出力が「小」に設定される。
【0040】
そして、これにより、電気ノイズ等の影響によってパケットデータの受信が不良となり、実際には接続台数が4台を越えているにも拘らず、瞬間的に接続台数把握手段11により誤った接続台数が把握されたときに、送信出力が「小」に設定されて給湯器1及び各通信機器における電気信号の受信が不良となることを防止することができる。また、このように、送信出力を「小」とすることで、送信出力を「大」に固定した場合に比べて消費電力を低減することができる。
【0041】
なお、図3の処理では、接続台数把握手段11は給湯器1を含めて信号線100と共通線101間の接続台数を把握したが、給湯器1を含めずに信号線100と共通線101間の通信機器の接続台数を把握するようにしてもよい。いずれによる場合にも、接続台数把握手段11により把握される信号線100と共通線101間の通信機器の接続台数に応じて、送信回路31による電気信号の出力レベルが変更されることになる。
【0042】
また、浴室リモコン50aとメインリモコン50bも、図3のフローチャートによる処理を実行し、接続台数把握手段61により把握される信号線100及び共通線101間の機器の接続台数に応じて、送信出力変更回路70により、送信回路81による電気信号の出力レベルを「大」と「小」に切替える。これにより、給湯器1と浴室リモコン50a及びメインリモコン50bにおいて、必要以上の電力が消費されることを防止することができる。
【0043】
なお、浴室リモコン50aが図3のフローチャートを実行して、送信回路81から出力される電気信号の出力レベルを変更する場合は、浴室リモコン50aが本発明の通信装置に相当し、送信回路81が本発明の第1の通信手段に相当し、受信回路82が本発明の第2の受信手段に相当する。また、給湯器1及びメインリモコン50bが本発明の通信機器に相当し、給湯器1の送信回路31及びメインリモコン50bの送信回路81が本発明の第2の送信手段に相当し、給湯器1の受信回路32及びメインリモコン50bの受信回路82が本発明の第1の受信手段に相当する。
【0044】
同様に、メインリモコン50bが図3のフローチャートを実行して、送信回路81から出力される電気信号の出力レベルを変更する場合は、浴室リモコン50aが本発明の通信装置に相当し、給湯器1及びメインリモコン50bが本発明の通信機器に相当する。
【0045】
なお、信号線100と共通線101間に、給湯器1と浴室リモコン50a及びメインリモコン50bの他にも通信機器が接続されているときには、該通信機器においても図3のフローチャートによる処理が実行されて、送信回路から出力される電気信号の出力レベルが変更される。
【0046】
なお、本実施の形態においては、本発明の通信装置が給湯器であり、本発明の通信機器が該給湯器のリモコンである構成を例示したが、本発明の通信装置及び通信機器はこれらに限られず、通信線及び共通線間に抵抗を介して並列に接続されて電気信号を送受信する構成であれば、他の種類の通信装置及び通信機器であっても本発明の適用が可能である。
【0047】
また、本実施の形態では、通信線と共通線間に並列に接続された通信装置と通信機器間で双方向の通信を行い、通信装置と各通信機器において通線線と共通線間に接続された通信機器の台数に応じて送信回路による電気信号の出力レベルを設定したが、通信装置のみ、或いは通信装置と一部の通信機器においてのみ、通線線と共通線間に接続された通信機器の台数に応じて送信回路による電気信号の出力レベルを設定する場合にも、本発明の効果を得ることができる。
【0048】
また、通信装置から各通信機器に対して電気信号を送信する片方向の通信を行う場合に、通信装置において、通線線と共通線間に接続された通信機器の台数に応じて送信回路による電気信号の出力レベルを設定する場合にも、本発明の効果を得ることができる。
【0049】
また、本実施の形態の接続台数把握手段11及び接続台数把握手段61は、1フレーム(Tf)中に受信したパケットの数から通信線100及び共通線101間に接続された機器の台数を把握したが、他の方法により把握するものであってもよい。例えば、電気送信時の電圧降下や通電量に応じて、通信線100及び共通線101間に接続された機器の台数を把握するようにしてもよい。また、使用者や設置作業者により操作される台数切り替え用のスイッチを設け、該スイッチの操作状況からに応じて、通信線100及び共通線101間に接続された機器の台数を把握するようにしてもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、図3のフローチャートにより、4フレームが経過する時間を本発明の所定時間としたが、電気ノイズ等による誤検知を防止し得る時間であれば、他の時間に設定してもよい。また、該所定時間の経過を設定しない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【0051】
また、図1に示した抵抗成分33,83は、信号線100に重畳される搬送波信号による電力を消費する回路部分を模式的に示したものであり、搬送波信号を電源ラインから分離するためのトランスや、整流回路における抵抗分等が含まれる。
【0052】
また、本実施の形態では、図2(b)に示したように、各通信機器は1フレームTf中に各通信機器に対して予め固有に設定された送信タイミングで、パケットデータを送信したが、各通信機器が送信するパケットデータに各通信機器に対して固有に設定されたアドレス(本発明の識別子に相当する)のデータを含むようにして、各通信機器の送信タイミングを動的に設定するようにしてもよい。
【0053】
この場合、給湯器1は、受信したパケットデータに含まれるアドレスから、該パケットデータを送信した通信機器を認識することができる。そのため、接続台数把握手段11は、各通信機器から受信したパケットデータに含まれるアドレスを抽出して、異なるアドレスの個数を認識することにより、信号線100と共通線101間に接続された通信機器の台数を把握することができる。
【0054】
また、給湯器1と各通信機器との通信仕様として、給湯器1側から各通信機器に対して順次送信データの有無を問い合わせて通信を開始するポーリング方式を採用する場合であっても本発明の適用が可能である。
【0055】
また、本実施の形態では、図3のフローチャートのSTEP6,STEP12で、送信回路の送信出力を「大」/「小」の2段階に切換えて設定したが、通信機器の接続台数毎に送信回路の送信出力を切換えるようにしてもよい。以下、図1を参照しつつ、図4に示したフローチャートに従って、給湯器1おいて通信機器の接続台数毎に送信回路の送信出力を切換える処理について説明する。
【0056】
給湯器1に電源が投入されてマイコン10が作動を開始すると、図4のフローチャートが実行され、送信出力制御手段12は、STEP20で送信出力変更回路20により送信回路32から出力される電気信号のレベルを「最大」に設定し、STEP21で接続台数の設定値Cn_setを最大値Cn_maxとする。
【0057】
続くSTEP22は接続台数把握手段11による処理であり、接続台数把握手段11は、図3のSTEP3と同様の処理により信号線100と共通線101間に並列に接続された通信機器の台数を把握し、把握した台数を接続台数カウンタのカウント値Cn_cntとする。
【0058】
次のSTEP23で、送信出力制御手段12は、接続台数の設定値Cn_setがカウント値Cn_cntと等しいか否かを判断する。そして、接続台数の設定値Cn_setがカウント値Cn_cntと等しい(接続台数に変化がない)ときはSTEP24に進んで減少確認タイマをリセットし、STEP22に戻る。この場合は、送信回路32から出力される電気信号のレベルは変更されない。
【0059】
なお、減少確認タイマは、ノイズ等の影響により誤って接続台数のカウント値Cn_cntが減少したときに、送信回路32から出力される電気信号のレベルが変更されないようにするためのものである。
【0060】
また、STEP23で接続台数の設定値Cn_setがカウント値Cn_cntと等しくなかったたときはSTEP30に分岐し、送信出力制御手段12は、接続台数のカウント値Cn_cntが設定値Cn_setよりも大きいか否かを判断する。そして、接続台数のカウント値Cn_cntが設定値Cn_setよりも大きいとき(接続台数が増加したとき)はSTEP31に進み、送信出力制御手段12は接続台数の設定値Cn_setに1を加え、STEP32で減少確認タイマをリセットする。なお、このように、接続台数のカウント値Cn_cntが設定値Cn_setよりも大きくなったときの該カウント値Cn_cntが本発明の第3の台数に相当する。
【0061】
続くSTEP33で、送信出力制御手段12は、接続台数の設定値Cn_setがCn_maxを越えているか否かを判断する。そして、接続台数の設定値Cn_setがCn_maxを越えていないときはSTEP34に進み、送信出力制御手段12は、送信出力変更回路20により送信回路32から出力される電気信号の出力レベルを、設定値Cn_setに対応した出力レベルに変更する。なお、このように、送信回路32から出力される電気信号の出力レベルを設定値Cn_setに対応した出力レベルに変更したときの該設定値Cn_setが本発明の第1の台数に相当する。
【0062】
ここで、設定値Cn_setに対応した出力レベルは、Cn_set+1台の各通信機器において、給湯器1の送信回路31から送信された電気信号を受信回路82により受信するために必要となる最小の出力レベルに、信号線100及び共通線101の長さ等を考慮して設定した余裕分を加えて設定される。
【0063】
そして、これにより、信号線100と共通線101間に接続された通信機器の台数が1台増加したときに、給湯器1の送信回路31から送信される電気信号の出力レベルが不足する状況となって、通信機器の受信回路で82で該電気信号の受信が不能となることを防止している。なお、設定値Cn_setによる各接続台数に対応した出力レベルを設定するためのデータは、予めメモリ(図示しない)に記憶されている。
【0064】
一方、STEP33で接続台数の設定値Cn_setが最大値Cn_maxを超えたときにはSTEP22に分岐し、この場合は送信回路32から出力される電気信号のレベルは変更されない。
【0065】
また、STEP30で接続台数の設定値Cn_setがカウント値Cn_cntよりも小さくなかったとき(接続台数が減少した場合となる)はSTEP40に分岐し、送信出力制御手段12は減少確認タイマが既にスタートしているか否かを判断する。そして、減少確認タイマがスタートしていなければSTEP41に進んで減少確認タイマをスタートした後にSTEP42に進み、減少確認タイマがスタートしていればSTEP42に分岐する。なお、このように、接続台数のカウント値Cn_cntが設定値Cn_setよりも小さくなったときの該カウント値Cn_cntが本発明の第2の台数に相当する。
【0066】
STEP42で、送信出力制御手段12は、減少確認タイマのタイムアップの有無を判断し、減少確認タイマがタイムアップしていたときにはSTEP43に進む。そして、送信出力制御手段12は、STEP43で接続台数の設定値Cn_cntから1を減じ、STEP44で上述したSTEP34と同様に、送信回路32から出力される電気信号のレベルを設定値Cn_setに対応した出力レベルに変更する。なお、このように、送信回路32から出力される電気信号の出力レベルを設定値Cn_setに対応した出力レベルに変更したときの該設定値Cn_setが本発明の第1の台数に相当する。
【0067】
この場合、STEP43で送信出力制御手段12が接続台数の設定値Cn_setを減少させるのは、Cn_setがカウント値Cn_cntよりも大きい(Cn_cnt<Cn_set)状態が、STEP42で減少確認タイマがタイムアップするまで継続したときとなる。そのため、ノイズ等の影響により、STEP22で瞬間的に接続台数のカウント値Cn_cntが実際の通信機器の接続台数よりも少ない値となったときに、送信回路31から出力される電気信号の出力レベルを減少する処理が実行されて、通信機器の受信回路82で該電気信号の受信が不能となることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の通信装置である給湯器と本発明の通信機器であるリモコンの構成図。
【図2】給湯器とリモコンの通信仕様の説明図。
【図3】給湯器における電気信号の出力レベルの設定処理のフローチャート。
【図4】給湯器における電信信号の出力レベルの設定処理のフローチャート。
【図5】従来の給湯システムにおける給湯器とリモコンの接続態様の説明図。
【符号の説明】
【0069】
1…給湯器、11…(給湯器の)接続台数把握手段、12…(給湯器の)送信出力制御手段、20…(給湯器の)送信出力変更回路、25…電源回路、31…(給湯器の)送信回路、32…(給湯器の)受信回路、33…(給湯器の)抵抗成分、50a…浴室リモコン、61…(浴室リモコン及びメインリモコンの)接続台数把握手段、62…(浴室リモコン及びメインリモコンの)送信出力制御手段、70…(浴室リモコン及びメインリモコンの)送信出力変更回路、81…(浴室リモコン及びメインリモコンの)送信回路、82…(浴室リモコン及びメインリモコンの)受信回路、83…(浴室リモコン及びメインリモコンの)抵抗成分、100…信号線、101…共通線
【出願人】 【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100077805
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦

【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志

【識別番号】100109232
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 賢一

【識別番号】100125210
【弁理士】
【氏名又は名称】加賀谷 剛


【公開番号】 特開2008−35454(P2008−35454A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−209441(P2006−209441)