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【発明の名称】 無線通信方法及び基地局制御装置
【発明者】 【氏名】柏瀬 薦

【氏名】守田 空悟

【要約】 【課題】所定の周波数間隔を有して隣接する隣接キャリア間の干渉を抑制しつつ、マルチキャリアによる通信を継続することができる無線通信方法及び基地局制御装置を提供する。

【構成】第1のキャリアの送信電力値と、第2のキャリアの送信電力値との送信電力差を算出するステップと、送信電力差が、第1のキャリアと第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を示す閾値を超えるか否かを判定するステップと、送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、第1のキャリア及び第2のキャリアのうち、送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を送信するステップとを無線通信方法が含むことを要旨とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向での無線通信方法であって、
前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得するステップと、
前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出するステップと、
前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定するステップと、
前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するステップと
を備える無線通信方法。
【請求項2】
前記送信電力差を算出するステップでは、前記送信電力差を所定の周期で算出し、
前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定するステップを無線通信方法がさらに備え、
前記ハンドオフ指示を送信するステップでは、前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信する請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向での無線通信方法であって、
前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得するステップと、
前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出するステップと、
前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定するステップと、
前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するステップと
を備える無線通信方法。
【請求項4】
前記送信電力差を算出するステップでは、前記送信電力差を所定の周期で算出し、
前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定するステップをさらに備え、
前記ハンドオフ指示を送信するステップでは、前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信する請求項3に記載の無線通信方法。
【請求項5】
第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向の通信を制御する基地局制御装置であって、
前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得する送信電力値取得部と、
前記送信電力値取得部によって取得された前記第1のキャリアの送信電力値と前記第2のキャリアの送信電力値とに基づいて、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出する送信電力差算出部と、
前記送信電力差算出部によって算出された前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定する送信電力差判定部と、
前記送信電力差判定部によって前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するハンドオフ指示送信部と
を備える基地局制御装置。
【請求項6】
前記送信電力差算出部は、前記送信電力差を所定の周期で算出し、
前記送信電力差算出部によって前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定する電力差判定部をさらに備え、
前記ハンドオフ指示送信部は、前記電力差判定部によって前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信する請求項5に記載の基地局制御装置。
【請求項7】
第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向の通信を制御する基地局制御装置であって、
前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得する送信電力値取得部と、
前記送信電力値取得部によって取得された前記第1のキャリアの送信電力値と前記第2のキャリアの送信電力値とに基づいて、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出する送信電力差算出部と、
前記送信電力差算出部によって算出された前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定する送信電力差判定部と、
前記送信電力差判定部によって前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するハンドオフ指示送信部と
を備える基地局制御装置。
【請求項8】
前記送信電力差算出部は、前記送信電力差を所定の周期で算出し、
前記送信電力差算出部によって前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定する電力差判定部をさらに備え、
前記ハンドオフ指示送信部は、前記電力差判定部によって前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信する請求項7に記載の基地局制御装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキャリアを用いたマルチキャリアによる上り方向での無線通信方法、及びマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向の通信を制御する基地局制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画像やゲームなど、取り扱うアプリケーションの多様化及び高度化に伴って、移動体通信システムにおいてもデータ伝送速度の高速化が強く求められている。このような背景を踏まえ、例えば、3GPP2では、複数のキャリアを上位レイヤで束ねて用いることによって高速なデータ伝送を実現する方法(いわゆるマルチキャリア)が規定されている。
【0003】
マルチキャリアの場合、無線通信端末(Access Terminal)では、小型化や製造コスト削減などの観点から、一般的に同一の無線通信回路を用いて複数のキャリアを送信する構成が採用される。そこで、所定の周波数間隔(1.25MHz間隔)を有して隣接する隣接キャリア間の干渉を低減するため、隣接キャリア間の送信電力差を所定の閾値(MaxRLTxPwrDiff、例えば、15dB)以内に抑えることが規定されている(例えば、非特許文献1)。
【非特許文献1】“cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface 3GPP2 C.S0024-B Version 1.0”、3GPP2、2006年6月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、3GPP2では、隣接キャリア間の送信電力差を所定の閾値(MaxRLTxPwrDiff)以内に抑えることが規定されているが、無線通信端末と無線基地局(Access Network)との通信の状態によっては、送信電力差を所定の閾値以内に維持することができない場合がある。
【0005】
例えば、無線通信端末が、第1のキャリアを用いて通信を実行している第1の無線基地局から遠ざかるとともに、第1のキャリアから所定の周波数間隔を有して隣接する第2のキャリアを用いて通信を実行している第2の無線基地局に近付いている場合、当該無線通信端末は、第1のキャリアを用いた第1の無線基地局との通信を維持するため、第1のキャリアの送信電力を増大する必要がある。さらに、無線通信端末は、第2の無線基地局に近付いたことに伴って、第2のキャリアの送信電力を低減する。
【0006】
このように、無線通信端末は、第1の無線基地局及び第2の無線基地局との実行中の通信を継続するためには、送信電力差を所定の閾値以内に維持することができない場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所定の周波数間隔を有して隣接する隣接キャリア間の干渉を抑制しつつ、マルチキャリアによる通信を継続することができる無線通信方法及び基地局制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の特徴は、第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向での無線通信方法が、前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得するステップと、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出するステップと、前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定するステップと、前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するステップとを備えることを要旨とする。
【0009】
かかる特徴によれば、送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が高いキャリアを介して無線通信端末と接続している無線基地局に送信することにより、送信電力差を最大送信電力差以内に維持することができる。
【0010】
従って、所定の周波数間隔を有して隣接する隣接キャリア間の干渉を抑制しつつ、マルチキャリアによる通信を継続することができる。
【0011】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記送信電力差を算出するステップでは、前記送信電力差を所定の周期で算出し、前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定するステップを無線通信方法がさらに備え、前記ハンドオフ指示を送信するステップでは、前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信することを特徴とする。
【0012】
本発明の一の特徴は、第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向での無線通信方法が、前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得するステップと、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出するステップと、前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定するステップと、前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するステップとを備えることを要旨とする。
【0013】
かかる特徴によれば、送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して無線通信端末と接続している無線基地局に送信することにより、送信電力差を最大送信電力差以内に維持することができる。
【0014】
従って、所定の周波数間隔を有して隣接する隣接キャリア間の干渉を抑制しつつ、マルチキャリアによる通信を継続することができる。
【0015】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記送信電力差を算出するステップでは、前記送信電力差を所定の周期で算出し、前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定するステップを無線通信方法がさらに備え、前記ハンドオフ指示を送信するステップでは、前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信することを要旨とする。
【0016】
本発明の一の特徴は、第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向の通信を制御する基地局制御装置が、前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得する送信電力値取得部(送信電力情報受信部210)と、前記送信電力値取得部によって取得された前記第1のキャリアの送信電力値と前記第2のキャリアの送信電力値とに基づいて、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出する送信電力差算出部(送信電力差算出部220)と、前記送信電力差算出部によって算出された前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定する送信電力差判定部(送信電力差算出部220)と、前記送信電力差判定部によって前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するハンドオフ指示送信部(ハンドオフ指示送信部230)とを備えることを要旨とする。
【0017】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記送信電力差算出部が、前記送信電力差を所定の周期で算出し、前記送信電力差算出部によって前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定する電力差判定部(送信電力差判定部240)を基地局制御装置がさらに備え、前記ハンドオフ指示送信部が、前記電力差判定部によって前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が高いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信することを要旨とする。
【0018】
本発明の一の特徴は、第1のキャリアと、所定の周波数間隔を有して前記第1のキャリアに隣接する第2のキャリアとを少なくとも用いたマルチキャリアによる無線通信端末から無線基地局への上り方向の通信を制御する基地局制御装置が、前記第1のキャリアの送信電力値及び前記第2のキャリアの送信電力値を前記無線基地局から取得する送信電力値取得部(送信電力情報受信部210)と、前記送信電力値取得部によって取得された前記第1のキャリアの送信電力値と前記第2のキャリアの送信電力値とに基づいて、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの送信電力差を算出する送信電力差算出部(送信電力差算出部220)と、前記送信電力差算出部によって算出された前記送信電力差が、前記第1のキャリアと前記第2のキャリアとの間において許容される最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定する送信電力差判定部(送信電力差算出部220)と、前記送信電力差判定部によって前記送信電力差が前記最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信するハンドオフ指示送信部(ハンドオフ指示送信部230)とを備えることを要旨とする。
【0019】
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記送信電力差算出部が、前記送信電力差を所定の周期で算出し、前記送信電力差算出部によって前記所定の周期ごとに算出された前記送信電力差に基づいて、前記送信電力差が増大しているか否かを判定する電力差判定部(送信電力差判定部240)を基地局制御装置がさらに備え、前記ハンドオフ指示送信部が、前記電力差判定部によって前記送信電力差が増大していると判定された場合、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうち、前記送信電力値が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力値が低いキャリアを介して前記無線通信端末と接続している前記無線基地局に送信することを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の特徴によれば、所定の周波数間隔を有して隣接する隣接キャリア間の干渉を抑制しつつ、マルチキャリアによる通信を継続することができる無線通信方法及び基地局制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0022】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0023】
[第1実施形態]
(通信システムの全体概略構成)
以下において、本実施形態の第1実施形態に係る通信システムの全体概略構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の第1実施形態に係る通信システム300の全体概略構成を示す図である。
【0024】
図1に示すように、通信システム300は、複数の無線通信端末10(無線通信端末10a〜無線通信端末10c)と、複数の無線基地局100(無線基地局100a及び無線基地局100b)と、基地局制御装置200とを有する。
【0025】
無線通信端末10は、上り方向データの送信に割り当てられた上り方向周波数帯域を用いて、無線基地局100に上り方向データを送信する。具体的には、上り方向周波数帯域は、複数のキャリアに分割されており、無線通信端末10は、複数のキャリアを上位レイヤで束ねて用いることによって上り方向データを無線基地局100に送信する(マルチキャリア)。
【0026】
また、無線通信端末10は、下り方向データの送信に割り当てられた下り方向周波数帯域を用いて、無線基地局100から下り方向データを受信する。具体的には、下り方向周波数帯域は、複数のキャリアに分割されており、無線通信端末10は、複数のキャリアを上位レイヤで束ねて用いることによって下り方向データを無線基地局100から受信する(マルチキャリア)。
【0027】
なお、無線通信端末10は、無線通信端末10aや無線通信端末10cのように、単数の無線基地局100と通信を行ってもよく、無線通信端末10bのように、複数の無線基地局100と通信を行ってもよい。
【0028】
無線基地局100は、上り方向データの受信に割り当てられた上り方向周波数帯域を用いて、無線通信端末10から上り方向データを受信する。また、無線基地局100は、下り方向データの送信に割り当てられた下り方向周波数帯域を用いて、無線通信端末10に下り方向データを送信する。
【0029】
基地局制御装置200は、無線通信端末10と無線基地局100との間で行われる通信を管理しており、無線通信端末10が通信を行う無線基地局100を切り替えるハンドオフ処理などを行う。
【0030】
なお、通信システム300において、無線通信端末10は、無線基地局100から受信した下り方向データの受信電力に基づいて上り方向データの送信電力を制御するオープンループ制御を行う。また、無線通信端末10は、無線基地局100から受信した電力制御情報に基づいて上り方向データの送信電力を制御するクローズドループ制御を行う。ここで、電力制御情報は、無線基地局100が無線通信端末10から受信した上り方向データの受信品質(例えば、SIR;signal to interference ratio)に基づいて生成する情報である。
【0031】
(上り方向周波数帯域)
以下において、本発明の第1実施形態に係る上り方向周波数帯域について、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る上り方向周波数帯域を示す図である。
【0032】
図2に示すように、上り方向周波数帯域は、複数のキャリア(キャリア#1〜キャリア#n)に分割されている。また、各キャリアの中心周波数は、それぞれ、f(1)〜f(n)である。また、各キャリアの中心周波数は、所定の周波数間隔(例えば、1.25MHz)を空けて隣接している。なお、以下においては、中心周波数が隣接する2つのキャリアを隣接キャリアと称する。
【0033】
(無線通信端末の構成)
以下において、本発明の第1実施形態に係る無線通信端末の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係る無線通信端末10を示すブロック構成図である。なお、無線通信端末10a〜無線通信端末10cは同様の構成を有しているため、以下においては、これらを無線通信端末10と総称して説明する。
【0034】
図3に示すように、無線通信端末10は、アンテナ11と、RF/IF変換器12と、パワーアンプ13と、音声入出力部14と、映像入出力部15と、コーデック処理部16と、ベースバンド処理部17と、操作部18と、メモリ19と、制御部20とを有する。
【0035】
アンテナ11は、無線基地局100によって送信される信号(受信信号)を受信する。また、アンテナ11は、無線基地局100に対して信号(送信信号)を送信する。
【0036】
RF/IF変換器12は、アンテナ11によって受信された受信信号の周波数(無線周波数(Radio Frequency))をベースバンド処理部17で扱われる周波数(中間周波数(Intermediate Frequency))に変換する。また、RF/IF変換器12は、ベースバンド処理部17から取得した送信信号の周波数(中間周波数(IF))を無線通信で用いられる周波数(無線周波数(RF))に変換する。なお、RF/IF変換器12は、無線周波数(RF)に変換された送信信号をパワーアンプ13に入力する。
【0037】
パワーアンプ13は、RF/IF変換器12から取得した送信信号を増幅して、増幅された送信信号をアンテナ11に入力する。
【0038】
音声入出力部14は、音声を集音するマイク14aと、音声を出力するスピーカ14bとを有する。マイク14aは、集音された音声に基づいて音声信号をコーデック処理部16に入力し、スピーカ14bは、コーデック処理部16から取得した音声信号に基づいて音声を出力する。
【0039】
映像入出力部15は、被写体を撮像するカメラ15aと、文字や映像などを表示する表示部15bとを有する。カメラ15aは、撮像された映像(静止画像や動画像)に基づいて映像信号をコーデック処理部16に入力し、表示部15bは、コーデック処理部16から取得した映像信号に基づいて映像を表示する。なお、表示部15bは、操作部18を用いて入力される文字なども表示する。
【0040】
コーデック処理部16は、所定の符号化方式(例えば、EVRC(Enhanced Variable Rate Codec)、AMRやITU−Tで規定されたG.729)に従って音声信号の符号化及び復号を行う音声コーデック処理部16aと、所定の符号化方式(例えば、MPEG(Moving Picture coding Experts Group)−4など)に従って映像信号の符号化及び復号を行う映像コーデック処理部16bとを有する。
【0041】
音声コーデック処理部16aは、音声入出力部14から取得した音声信号を符号化し、ベースバンド処理部17から取得した音声信号を復号する。映像コーデック処理部16bは、映像入出力部15から取得した映像信号を符号化し、ベースバンド処理部17から取得した映像信号を復号する。
【0042】
ベースバンド処理部17は、所定の変調方式(QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16QAM(Quadrature Amplitude Moduration))などに従って送信信号の変調や受信信号の復調を行う。具体的には、ベースバンド処理部17は、コーデック処理部16から取得した音声信号や映像信号などのベースバンド信号を変調して、変調されたベースバンド信号(送信信号)をRF/IF変換器12に入力する。また、ベースバンド処理部17は、RF/IF変換器12から取得した受信信号を復調して、復調された受信信号(ベースバンド信号)をコーデック処理部16に入力する。
【0043】
ベースバンド処理部17は、制御部20によって生成された情報を変調して、変調された情報(送信信号)をRF/IF変換器12に入力する。また、ベースバンド処理部17は、RF/IF変換器12から取得した受信信号を復調して、復調された受信信号を制御部20に入力する。
【0044】
操作部18は、文字や数字などを入力する入力キー、着信(呼び出し)に応答するための応答キーや発信(発呼)のための発信キーなどによって構成されたキー群である。また、操作部18は、各キーが押下されると、押下されたキーに対応する入力信号を制御部20に入力する。
【0045】
メモリ19は、無線通信端末10の動作を制御するためのプログラム、発着信履歴やアドレス帳のような各種データなどを記憶する。なお、メモリ19は、例えば、不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリや揮発性の半導体メモリであるSRAM(Static Random Access Memory)などによって構成される。
【0046】
制御部20は、メモリ19に記憶されたプログラムに従って、無線通信端末10(映像入出力部15、コーデック処理部16、ベースバンド処理部17など)の動作を制御する。
【0047】
例えば、制御部20は、上り方向データの送信電力をキャリア毎に制御する。具体的には、制御部20は、上り方向データの送信先である無線基地局100から受信した下り方向データの受信品質(例えば、SIR)に基づいて、上り方向データの送信電力を制御する(オープンループ制御)。
【0048】
また、制御部20は、上り方向データの送信先である無線基地局100から受信した電力制御情報に基づいて、上り方向データの送信電力を制御する(クローズドループ制御)。なお、電力制御情報は、上述したように、上り方向データの受信品質(例えば、SIR)に基づいて無線基地局100が生成する情報であり、上り方向データの低減や増大を要求する情報である。
【0049】
さらに、制御部20は、オープンループ制御及びクローズドループ制御で決定した上り方向データの送信電力値を含む送信電力情報を生成する。なお、送信電力情報は、無線基地局100を介して基地局制御装置200に送信される。
【0050】
ここで、送信電力情報は、無線通信端末10が現在接続している全てのキャリアの送信電力値を含む情報であって、一の無線基地局100を介して基地局制御装置200に送信されてもよい。また、送信電力情報は、無線通信端末10が各無線基地局100と現在接続しているキャリアの送信電力値を含む情報であって、各無線基地局100を介して個別に基地局制御装置200に送信されてもよい。
【0051】
なお、送信電力情報は、隣接キャリアの送信電力値を含む情報のみであってもよい。
【0052】
(基地局制御装置の構成)
以下において、本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置200を示す機能ブロック構成図である。
【0053】
図4に示すように、基地局制御装置200は、送信電力情報受信部210と、送信電力差算出部220と、ハンドオフ指示送信部230とを有する。
【0054】
送信電力情報受信部210は、隣接キャリア(上り方向データ)の送信電力値を値を含む送信電力情報を無線基地局100から受信する。
【0055】
例えば、キャリア#1について無線通信端末10が無線基地局100aと接続しており、キャリア#2について無線通信端末10が無線基地局100bと接続している場合を例に挙げると、送信電力情報受信部210は、キャリア#1の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100aから受信し、キャリア#2の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100bから受信する。
【0056】
なお、送信電力情報受信部210は、キャリア#1及びキャリア#2の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100aからまとめて受信してもよい。同様に、送信電力情報受信部210は、キャリア#1及びキャリア#2の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100bからまとめて受信してもよい。
【0057】
送信電力差算出部220は、送信電力情報受信部210が受信した送信電力情報に基づいて、隣接キャリアの送信電力の差(以下、送信電力差)を算出する。また、送信電力差算出部220は、隣接キャリア間において許容される最大送信電力差(MaxRLTxPwrDiff)に基づいて設定される閾値を隣接キャリア間の送信電力差が超えるか否かを判定する。なお、送信電力差算出部220は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合には、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えた旨をハンドオフ指示送信部230に通知する。
【0058】
また、最大送信電力差に基づいて設定される閾値とは、最大送信電力差そのものであってもよく、最大送信電力差よりも小さい値(例えば、所定比率(0.9)を最大送信電力差に乗算した値)であってもよい。
【0059】
ハンドオフ指示送信部230は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えた旨が通知された場合には、隣接キャリアのうち、送信電力が高いキャリアのハンドオフを指示するハンドオフ指示を、該送信電力が高いキャリアを介して無線通信端末10と接続している無線基地局100に送信する。
【0060】
一方、ハンドオフ指示送信部230は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えた旨が通知された場合には、隣接キャリアのうち、送信電力が低いキャリアのハンドオフを指示するハンドオフ指示を、該送信電力が低いキャリアを介して無線通信端末10と接続している無線基地局100に送信してもよい。
【0061】
また、ハンドオフ指示送信部230は、ハンドオフ先とすべき無線基地局100及びハンドオフ先とすべきキャリアを選択して、ハンドオフ先とすべきキャリアを含むハンドオフ指示をハンドオフ先とすべき無線基地局100に送信してもよい。
【0062】
この場合に、ハンドオフ指示送信部230は、無線通信端末10が測定する下り方向データの受信品質(例えば、BLER;Block Error Rate)を無線通信端末10から取得して、取得した下り方向データの受信品質に基づいて、ハンドオフ先とすべき無線基地局100を選択することが好ましい。
【0063】
(無線通信端末の動作)
以下において、本発明の第1実施形態に係る無線通信端末の動作について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る無線通信端末10の動作を示すフロー図である。なお、送信電力制御のメイン処理は、所定の周期で繰り返して実行される処理である。
【0064】
なお、以下においては、隣接キャリアがキャリア#1及びキャリア#2である場合を例に挙げて説明する。また、無線通信端末10は、キャリア#1を用いて上り方向データを無線基地局100aに送信しており、キャリア#2を用いて上り方向データを無線基地局100bに送信しているものとする。
【0065】
図5に示すように、ステップ10において、無線通信端末10は、キャリア#1を対象として、下り方向データの受信品質を測定する。具体的には、無線通信端末10は、キャリア#1を用いて送信する上り方向データの送信先である無線基地局100aから受信した下り方向データの受信品質を測定する。
【0066】
ステップ11において、無線通信端末10は、キャリア#2を対象として、下り方向データの受信品質を測定する。具体的には、無線通信端末10は、キャリア#2を用いて送信する上り方向データの送信先である無線基地局100bから受信した下り方向データの受信品質を測定する。
【0067】
ステップ12において、無線通信端末10は、キャリア#1を用いて送信する上り方向データの送信電力をオープンループ制御によって決定する。具体的には、無線通信端末10は、ステップ10で測定した受信品質に基づいて、キャリア#1を用いて送信する上り方向データの送信電力を決定する。
【0068】
ステップ13において、無線通信端末10は、キャリア#2を用いて送信する上り方向データの送信電力をオープンループ制御によって決定する。具体的には、無線通信端末10は、ステップ11で測定した受信品質に基づいて、キャリア#2を用いて送信する上り方向データの送信電力を決定する。
【0069】
ステップ14において、無線通信端末10は、キャリア#1について電力制御情報を受信する。具体的には、無線通信端末10は、キャリア#1を用いて送信する上り方向データの送信先である無線基地局100aから電力制御情報を受信する。なお、電力制御情報は、キャリア#1を用いて送信する上り方向データの受信品質に基づいて無線基地局100aが生成する情報である。
【0070】
ステップ15において、無線通信端末10は、キャリア#1を用いて送信する上り方向データの送信電力をクローズドループ制御によって調整する。具体的には、無線通信端末10は、ステップ14で受信した電力制御情報に基づいて、ステップ12で決定した上り方向データの送信電力を調整する。
【0071】
すなわち、無線通信端末10は、オープンループ制御及びクローズドループ制御によって定められた送信電力で、キャリア#1を用いて上り方向データを送信する。
【0072】
ステップ16において、無線通信端末10は、キャリア#2について電力制御情報を受信する。具体的には、無線通信端末10は、キャリア#2を用いて送信する上り方向データの送信先である無線基地局100bから電力制御情報を受信する。なお、電力制御情報は、キャリア#2を用いて送信する上り方向データの受信品質に基づいて無線基地局100bが生成する情報である。
【0073】
ステップ17において、無線通信端末10は、キャリア#2を用いて送信する上り方向データの送信電力をクローズドループ制御によって調整する。具体的には、無線通信端末10は、ステップ16で受信した電力制御情報に基づいて、ステップ13で決定した上り方向データの送信電力を調整する。
【0074】
すなわち、無線通信端末10は、オープンループ制御及びクローズドループ制御によって定められた送信電力で、キャリア#2を用いて上り方向データを送信する。
【0075】
ステップ18において、無線通信端末10は、キャリア#1の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100aを介して基地局制御装置200に送信する。また、無線通信端末10は、キャリア#2の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100bを介して基地局制御装置200に送信する。
【0076】
(基地局制御装置の動作)
以下において、本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置の動作について、図面を参照しながら説明する。図6及び図7は、本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置200の動作を示すフロー図である。具体的には、図6及び図7は、無線通信端末10が上り方向データの送信に用いるキャリアを基地局制御装置200が制御する処理(キャリア制御処理)を示すフロー図である。
【0077】
最初に、キャリア制御処理(1)について、図6を参照しながら説明する。図6に示すように、ステップ20において、基地局制御装置200は、隣接キャリア(キャリア#1及びキャリア#2)の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100から受信する。続いて、基地局制御装置200は、隣接キャリア(キャリア#1及びキャリア#2)について、上り方向データの送信電力の差(送信電力差)を算出する。
【0078】
ステップ21において、基地局制御装置200は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差(MaxRLTxPwrDiff)に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定する。また、基地局制御装置200は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合には、ステップ22の処理に移り、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えない場合には、キャリア制御処理を終了する。
【0079】
また、最大送信電力差に基づいて設定される閾値とは、上述したように、最大送信電力差そのものであってもよく、最大送信電力差よりも小さい値(例えば、所定比率(0.9)を最大送信電力差に乗算した値)であってもよい。
【0080】
ステップ22において、基地局制御装置200は、隣接キャリアのうち、送信電力が高いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力が高いキャリアを介して無線通信端末10と接続している無線基地局100に送信する。
【0081】
次に、キャリア制御処理(2)について、図7を参照しながら説明する。なお、キャリア制御処理(2)は、上述したキャリア制御処理(1)に代えて実行される処理である。
【0082】
図7に示すように、ステップ30において、基地局制御装置200は、隣接キャリア(キャリア#1及びキャリア#2)の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100から受信する。続いて、基地局制御装置200は、隣接キャリア(キャリア#1及びキャリア#2)について、上り方向データの送信電力の差(送信電力差)を算出する。
【0083】
ステップ31において、基地局制御装置200は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差(MaxRLTxPwrDiff)に基づいて設定される閾値を超えるか否かを判定する。また、基地局制御装置200は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合には、ステップ32の処理に移り、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えない場合には、送信電力制御のサブ処理を終了する。
【0084】
また、最大送信電力差に基づいて設定される閾値とは、上述したように、最大送信電力差そのものであってもよく、最大送信電力差よりも小さい値(例えば、所定比率(0.9)を最大送信電力差に乗算した値)であってもよい。
【0085】
ステップ32において、基地局制御装置200は、隣接キャリアのうち、送信電力が低いキャリアのハンドオフ指示を、該送信電力が低いキャリアを介して無線通信端末10と接続している無線基地局100に送信する。
【0086】
(作用・効果)
本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置200によれば、ハンドオフ指示送信部230が、送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合、隣接キャリアのうちいずれか一方のキャリアを介して無線通信端末10と接続している無線基地局100に対して、当該キャリアのハンドオフ指示を送信することにより、隣接キャリア間の送信電力差を最大送信電力差以内に維持することができる。
【0087】
従って、所定の周波数間隔を有して隣接する隣接キャリア間の干渉を抑制しつつ、マルチキャリアによる通信を継続することができる。
【0088】
[第2実施形態]
以下において、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下においては、上述した第1実施形態と第2実施形態との差異について主として説明する。
【0089】
具体的には、上述した第1実施形態では、基地局制御装置200は、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合に、隣接キャリアのいずれか一方のキャリアについてハンドオフ指示を送信する。
【0090】
これに対して、第2実施形態では、基地局制御装置200は、隣接キャリア間の送信電力差が増大しているか否かを判定するとともに、隣接キャリア間の送信電力差が増大しており、かつ、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超える場合に、隣接キャリアのうちいずれか一方のキャリアについてハンドオフ指示を送信する。
【0091】
(基地局制御装置の構成)
以下において、本発明の第2実施形態に係る基地局制御装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る基地局制御装置200を示す機能ブロック構成図である。なお、図8では、図4と同様の構成については同様の符号を付している点に留意すべきである。
【0092】
図8に示すように、基地局制御装置200は、送信電力情報受信部210、送信電力差算出部220及びハンドオフ指示送信部230に加えて、送信電力差判定部240を有する。
【0093】
送信電力差算出部220は、所定の周期(例えば、送信電力情報受信部210が送信電力情報を受信する周期)毎に隣接キャリア間の送信電力差を算出する。
【0094】
送信電力差判定部240は、送信電力差算出部220によって所定の周期毎に算出された隣接キャリア間の送信電力差が増大しているか否かを判定する。具体的には、送信電力差判定部240は、上り方向データの送信電力に基づいて、時間軸上において上り方向データの送信電力が変化する状況を示す推定曲線を隣接キャリア毎に算出する。続いて、送信電力差判定部240は、各隣接キャリア間の推定曲線の差(以下、推定曲線差)が所定期間に亘って推定曲線差閾値を超えているか否かを判定する。なお、送信電力差判定部240は、隣接キャリア間の推定曲線差が所定期間に亘って推定曲線閾値を超えている場合には、隣接キャリア間の推定曲線差が所定期間に亘って推定曲線閾値を超えている旨をハンドオフ指示送信部230に通知する。
【0095】
例えば、隣接キャリアがキャリア#1及びキャリア#2である場合を例に挙げて、図9を参照しながら、キャリア#1及びキャリア#2の推定曲線差を算出する手順について説明する。なお、以下においては、キャリア#1の送信電力はキャリア#2の送信電力よりも大きい場合について考える。
【0096】
なお、ノッチ期間は、受信強度や受信品質(SIR)に基づいて算出されるノッチ間隔によって定められる。具体的には、ノッチ期間は、送信電力推定曲線のピークポイント前のノッチ間隔及びピークポイント後のノッチ間隔を含む。ここで、無線基地局100は、ノッチ期間において、隣接キャリア間の推定曲線差が所定期間に亘って推定曲線閾値を超えている場合に、隣接キャリアのうちいずれか一方のキャリアについてハンドオフ指示を送信する。
【0097】
具体的には、キャリア#1の送信電力を“P#1(t)”とした場合に、キャリア#1の推定曲線“M#1(t)”が以下の式(1)によって算出される。なお、αは、キャリア#1に対応する係数である。
【0098】
【数1】


一方、キャリア#2の送信電力を“P#2(t)”とした場合に、キャリア#2の推定曲線“M#2(t)”が以下の式(2)によって算出される。なお、βは、キャリア#2に対応する係数である。
【0099】
【数2】


さらに、送信電力が低いキャリア#2については、キャリア#2の下方推定曲線“M’#2(t)”が以下の式(3)によって算出される。
【0100】
【数3】


また、キャリア#1の推定曲線とキャリア#2の下方推定曲線との差(推定曲線差“Pdiff”)が以下の式(4)によって算出される。
【0101】
【数4】


続いて、送信電力差判定部240は、式(1)〜式(4)によって算出された推定曲線差“Pdiff”が所定期間に亘って推定曲線差閾値(Pthresh)を超えるか否かを判定する。
【0102】
なお、推定曲線差“Pdiff”は、推定曲線“M#1(t)”と下方推定曲線“M’#2(t)”との差ではなくて、単に、推定曲線“M#1(t)”と推定曲線“M#2(t)”との差であってもよいことは勿論である。
【0103】
なお、送信電力差判定部240は、ノッチ期間において推定曲線差“Pdiff”が推定曲線差閾値(Pthresh)を超えるか否かを判定してもよい。
【0104】
ハンドオフ指示送信部230は、隣接キャリア間の推定曲線差が所定期間に亘って推定曲線閾値を超えている旨及び隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えた旨が通知された場合には、隣接キャリアのうちいずれか一方のキャリアについてハンドオフ指示を送信する。
【0105】
(基地局制御装置の動作)
以下において、本発明の第2実施形態に係る基地局制御装置の動作について、図面を参照しながら説明する。図10は、本発明の第2実施形態に係る基地局制御装置200の動作を示すフロー図である。なお、図10に示すキャリア制御処理は、上述した図6及び図7に示したキャリア制御処理に代えて実行される処理である。
【0106】
なお、以下においては、上述した第1実施形態と同様に、隣接キャリアがキャリア#1及びキャリア#2である場合を例に挙げて説明する。また、無線通信端末10は、キャリア#1を用いて上り方向データを無線基地局100aに送信しており、キャリア#2を用いて上り方向データを無線基地局100bに送信しているものとする。さらに、キャリア#1の送信電力はキャリア#2の送信電力よりも大きいものとする。
【0107】
図10に示すように、ステップ40において、基地局制御装置200は、キャリア#1の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100aから受信する。続いて、基地局制御装置200は、送信電力が高いキャリア#1を介して送信される上り方向データの送信電力に基づいて、キャリア#1の推定曲線を算出する。
【0108】
ステップ41において、基地局制御装置200は、キャリア#2の送信電力値を含む送信電力情報を無線基地局100bから受信する。続いて、基地局制御装置200は、送信電力が低いキャリア#2を介して送信される上り方向データの送信電力に基づいて、キャリア#2の推定曲線(又は、下方推定曲線)を算出する。
【0109】
ステップ42において、基地局制御装置200は、キャリア#1及びキャリア#2の送信電力差が推定曲線差閾値を超えているか否かを判定する。具体的には、基地局制御装置200は、ステップ40で算出されたキャリア#1の推定曲線とステップ41で算出されたキャリア#2の推定曲線(又は、下方推定曲線)との差(推定曲線差)を算出する。続いて、基地局制御装置200は、推定曲線差が所定期間に亘って推定曲線差閾値を超えているか否かを判定する。
【0110】
また、基地局制御装置200は、推定曲線差が所定期間に亘って推定曲線差閾値を超えている場合には、ステップ43の処理に移る。一方、基地局制御装置200は、推定曲線差が所定期間に亘って推定曲線差閾値を超えていない場合には、キャリア制御処理を終了する。
【0111】
ステップ43において、基地局制御装置200は、キャリア#1及びキャリア#2の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えているか否かを判定する。また、基地局制御装置200は、送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えている場合には、ステップ44の処理に移り、送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えていない場合には、キャリア制御処理を終了する。
【0112】
ステップ44において、基地局制御装置200は、隣接キャリアのいずれか一方のキャリアの接続先である無線基地局100に対して、当該キャリアのハンドオフ指示を送信する。
【0113】
(作用及び効果)
本発明の第2実施形態に係る基地局制御装置200によれば、ハンドオフ指示送信部230が、単に隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えた場合ではなくて、隣接キャリア間の送信電力差が推定曲線差閾値を所定期間に亘って超えおり、かつ、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えた場合に、隣接キャリアのうちいずれか一方のキャリアのハンドオフ指示を送信する。
【0114】
ここで、例えば、フェージングなどの影響による受信品質の劣化に伴って、オープンループ制御やクローズドループ制御によってキャリアの送信電力が一時的に増大する場合が考えられる。このような場合には、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を一時的に超えたとしても、フェージングなどの影響が解消すれば、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差内に収まる可能性が高い。
【0115】
本発明の第2実施形態では、このように、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を一時的に超えるような場合に、不必要なハンドオフ指示の送信が行われることを抑制できる。
【0116】
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
【0117】
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、隣接キャリア間の送信電力差が最大送信電力差に基づいて設定される閾値を超えているか否かに基づいて、隣接キャリアのいずれか一方のキャリアについてハンドオフ指示が送信されるが、これに限定されるものではない。
【0118】
具体的には、互いに隣接していない2つのキャリアの送信電力差が所定の閾値を超えているか否かに基づいて、2つのキャリアのいずれか一方のキャリアについてハンドオフ指示が送信されてもよい。
【0119】
この場合には、所定の閾値は、2つのキャリアの中心周波数がどの程度離れているかに応じて定められる。具体的には、2つのキャリアの中心周波数が離れていれば離れているほど、2つのキャリアが干渉する程度も低くなるため、所定の閾値は低い値として定められる。
【0120】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態に係る基地局制御装置200の動作は、コンピュータにおいて実行可能なプログラムとしても提供することができる。
【0121】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本実施形態の第1実施形態に係る通信システム300の全体概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る上り方向周波数帯域を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る無線通信端末10のブロック構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置200の機能ブロック構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る無線通信端末10の動作を示すフロー図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置200の動作を示すフロー図である(その1)。
【図7】本発明の第1実施形態に係る基地局制御装置200の動作を示すフロー図である(その2)。
【図8】本発明の第2実施形態に係る基地局制御装置200の機能ブロック構成図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る推定曲線差の算出を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る基地局制御装置200の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0123】
10・・・無線通信端末、11・・・アンテナ、12・・・RF/IF変換器、13・・・パワーアンプ、14・・・音声入出力部、14a・・・マイク、14b・・・スピーカ、15・・・映像入出力部、15a・・・カメラ、15b・・・表示部、16・・・コーデック処理部、16a・・・音声コーデック処理部、16b・・・映像コーデック処理部、17・・・ベースバンド処理部、18・・・操作部、19・・・メモリ、20・・・制御部、210・・・送信電力制御部、220・・・送信電力差算出部、230・・・ハンドオフ指示送信部、240・・・送信電力差判定部、100・・・無線基地局、200・・・基地局制御装置、300・・・通信システム
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100149102
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 習


【公開番号】 特開2008−35292(P2008−35292A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−207253(P2006−207253)