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【発明の名称】 無線通信方法、無線基地局、無線通信端末及び基地局制御装置
【発明者】 【氏名】上甲 信悟

【氏名】戸田 健

【氏名】中山 琢

【要約】 【課題】小セル基地局が大セル基地局に隣接して配置される無線通信システムにおいて、無線通信端末が高速に移動する場合であっても、適切にハンドオーバを実行し、さらには、ハンドオーバを行う頻度を下げ、通信品質を向上させることを可能とする。

【構成】本発明は、第1の無線基地局が、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末の移動速度を取得するステップと、前記移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル周辺の前記第2の無線基地局に対して、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射を要求するステップと、前記要求に応じて、前記指向性ビームを照射した前記第2の無線基地局が、前記無線通信端末を収容するステップとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線基地局が、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末の移動速度を取得するステップと、
前記移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル周辺の前記第2の無線基地局に対して、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射を要求するステップと、
前記要求に応じて、前記指向性ビームを送信した前記第2の無線基地局が、前記無線通信端末を収容するステップとを有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
前記第1の無線基地局のセル周辺に複数の前記第2の無線基地局が存在する場合、前記移動速度が所定の閾値以上であるときには、複数の前記第2の無線基地局に対して、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射を要求し、
前記要求に応じて、前記指向性ビームを照射した複数の前記第2の無線基地局のうちの一つの前記第2の無線基地局が、前記無線通信端末を収容する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記第1の無線基地局のセル周辺に複数の前記第2の無線基地局が存在する場合、複数の前記第2の無線基地局から前記指向性ビームによって送信された該第2の無線基地局の基地局参照信号は、各々周波数領域又は時間領域が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信方法。
【請求項4】
前記指向性ビームを送信した前記第2の無線基地局の識別情報と、該第2の無線基地局のセル半径、又は該第2の無線基地局の周波数帯、又は該第2の無線基地局の配置されたエリアを示すエリア区分とを含むリストを取得するステップと、
前記リストに基づいて、前記無線通信端末が収容される前記第2の無線基地局を選択するステップとを更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の無線通信方法。
【請求項5】
前記第1の無線基地局は小セルを形成し、前記第2の無線基地局は前記小セルよりも大きい大セルを形成するものである、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項6】
第1の無線基地局が隣接して配置され、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する無線基地局であって、
前記第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末の移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射要求を受信する受信部と、
前記照射要求に応じて、前記指向性ビームを照射することにより、自局に前記無線通信端末を収容するようにする指向性ビーム制御部とを具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項7】
第1の無線基地局が、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおいて、前記第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末であって、
自端末の移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームを照射した前記第2の無線基地局の識別情報と、該第2の無線基地局のセル半径、又は該第2の無線基地局の周波数帯、又は該第2の無線基地局の配置されたエリアを示すエリア区分とを含むリストを取得する取得部と、
前記リストに基づいて、収容される前記第2の無線基地局を選択する選択部とを具備することを特徴とする無線通信端末。
【請求項8】
前記受信部は、前記第2の無線基地局の識別情報に関連付けられた周波数領域と時間領域とに基づいて、複数の前記第2の無線基地局から前記指向性ビームによって送信された該第2の無線基地局の基地局参照信号を受信し、
前記選択部は、前記基地局参照信号の受信電力に基づいて、収容される前記第2の無線基地局を選択することを特徴とする請求項7に記載の無線通信端末。
【請求項9】
第1の無線基地局が、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおける基地局制御装置であって、
第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末の移動速度を取得する移動速度取得部と、
前記移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル周辺の前記第2の無線基地局に対して、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射を要求する要求部とを具備することを特徴とする基地局制御装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信方法、無線基地局、無線通信端末及び基地局制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信システムでは、無線通信端末(例えば、携帯電話端末)は、複数の無線基地局からの基地局参照信号(例えば、パイロット信号等)を受信し、当該基地局参照信号の受信電力が最も強い無線基地局に収容されるように構成されている。また、無線通信端末は、移動に応じて、接続中の無線基地局から取得した周辺の無線基地局情報に基づいて、周辺の無線基地局のうち、基地局参照信号の受信電力が最も強い無線基地局にハンドオーバするように構成されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
かかる従来の無線通信システムでは、小さいセル(以下、小セル)を形成する無線基地局(以下、小セル基地局)が、小セルよりも大きいセル(以下、大セル)を形成する無線基地局(以下、大セル基地局)に隣接して配置されることにより、カバー漏れのないサービスエリアを実現している。
【0004】
図15を参照し、かかる従来の無線通信システムにおいて、無線通信端末が高速に移動する場合の例について説明する。
【0005】
図15に示すように、小セルSC1内の地点P01に位置する無線通信端末10は、基地局参照信号の受信電力が最も強い小セル基地局21aに収容される。そして、無線通信端末10は、方向Aへの移動に応じて、大セル基地局22aからの基地局参照信号の受信電力が最も強くなった地点P02で、小セル基地局21aから大セル基地局22aにハンドオーバする。同様に、無線通信端末10は、方向Aへの移動に応じて、地点P03で大セル基地局22aから小セル基地局21bに、地点P04で小セル基地局21bから大セル基地局22b、地点P05で大セル基地局22bから小セル基地局21cに順次ハンドオーバする。
【0006】
なお、小セル基地局21a、21b、21c、大セル基地局22a、22bの各々には、空間多重技術(SDMA:Spacial Division Multiple Access)を実現するために、動的に指向性が変化する指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナ技術が適用されている。アダプティブアレイアンテナ技術では、小セル基地局21a〜21c、大セル基地局22a〜22bの各々から照射された指向性ビームは、無線通信端末10の移動に追従して移動する。
【0007】
このように、従来の無線通信システムでは、無線通信端末は、移動に応じて、最も基地局参照信号の受信電力の強い無線基地局へのハンドオーバや、無線基地局から照射される指向性ビームの追従により、通信品質を安定化させている。
【特許文献1】特開2005−347906
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の無線通信システムでは、無線通信端末が基地局参照信号を受信できた無線基地局の中から、当該基地局参照信号の受信電力が最も強い無線基地局に収容されるように構成されている。このため、図15に示すように無線通信端末が高速に移動する場合、基地局参照信号の受信電力の強い無線基地局へのハンドオーバが頻繁に繰り返されることになり、頻繁なハンドオーバによるオーバヘッドが、ネットワークの処理負荷の増大や伝送速度の低下を招き易いという問題点があった。
【0009】
そして、ハンドオーバ処理は、無線通信端末が、現在収容されている無線基地局のセルエッジに移動した場合に開始されるため、無線通信端末が高速に移動する場合、ハンドオーバ先となる無線基地局に適切に接続できず、通信断が生じる場合があるという問題点もあった。
【0010】
また、無線通信端末の移動速度が同一であっても、例えば、小セル基地局からの指向性ビームの追従速度は、大セル基地局からの指向性ビームの追従速度よりも速くなるため、無線通信端末が高速に移動する場合、小セル基地局からの指向性ビームの追従誤差による信号の劣化を招き易いという問題点もあった。
【0011】
そこで、本発明は、例えば、小セル基地局が、アダプティブアレイアンテナを具備する大セル基地局に隣接して配置されるような無線通信システムにおいて、無線通信端末が高速に移動する場合であっても、適切にハンドオーバを実行し、さらには、ハンドオーバを行う頻度を下げ、通信品質を向上させることを可能とする無線通信方法、無線基地局、無線通信端末及び基地局制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、第1の無線基地局が、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末の移動速度を取得するステップと、前記移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル周辺の前記第2の無線基地局に対して、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射を要求するステップと、前記要求に応じて、前記指向性ビームを照射した前記第2の無線基地局が、前記無線通信端末を収容するステップとを有する無線通信方法であることを要旨とする。
【0013】
かかる特徴によれば、第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末が高速に移動する場合には、第2の無線基地局が該無線通信端末を収容することによって、ハンドオーバを行う頻度を下げることができ、頻繁なハンドオーバによるネットワークの処理負荷の増大や伝送速度の低下を防止することができる。
【0014】
また、第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末が高速に移動する場合には、第1の無線基地局に収容されず、第2の無線基地局に収容されることによって、第1の無線基地局から照射される指向性ビームの追従誤差による信号の劣化を防止することができ、通信品質を向上させることができる。
【0015】
本発明の第1の特徴において、前記第1の無線基地局のセル周辺に複数の前記第2の無線基地局が存在する場合、前記移動速度が所定の閾値以上であるときには、複数の前記第2の無線基地局に対して、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射を要求し、前記要求に応じて、前記指向性ビームを照射した複数の前記第2の無線基地局のうちの一つの前記第2の無線基地局が、前記無線通信端末を収容してもよい。
【0016】
本発明の第1の特徴において、前記第1の無線基地局のセル周辺に複数の前記第2の無線基地局が存在する場合、複数の前記第2の無線基地局から前記指向性ビームによって送信された該第2の無線基地局の基地局参照信号は、各々周波数領域又は時間領域が異なってもよい。
【0017】
かかる特徴によれば、第1の無線基地局のセル周辺の複数の第2の無線基地局から指向性ビームによって送信される該第2の無線基地局の基地局参照信号は、各々周波数領域又は時間領域が異なるため、互いに干渉するのを防止することができる。このため、無線通信端末は、指向性ビームによって送信される大セル基地局の基地局参照信号を良い受信品質で受信でき、各々の基地局参照信号に基づいて、接続するのに最適な第2の無線基地局を容易に選択することができる。
【0018】
本発明の第1の特徴において、前記指向性ビームを照射した前記第2の無線基地局の識別情報と、該第2の無線基地局のセル半径、又は該第2の無線基地局の周波数帯、又は該第2の無線基地局の配置されたエリアを示すエリア区分とを含むリストを取得するステップと、前記リストに基づいて、前記無線通信端末が収容される前記第2の無線基地局を選択するステップとを更に有してもよい。
【0019】
かかる特徴によれば、無線通信端末が、指向性ビームを照射した第2の無線基地局のセル半径又は第2の無線基地局の周波数帯又は第2の無線基地局のエリア区分に基づいて、接続するのに最適な第2の無線基地局を容易に選択することができる。
【0020】
本発明の第1の特徴において、前記第1の無線基地局は小セルを形成し、前記第2の無線基地局は前記小セルよりも大きい大セルを形成するものであってもよい。
【0021】
本発明の第2の特徴は、第1の無線基地局が隣接して配置され、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する無線基地局であって、前記第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末の移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射要求を受信する受信部と、前記照射要求に応じて、前記指向性ビームを照射することにより、自局に前記無線通信端末を収容するようにする指向性ビーム制御部とを具備する無線基地局であることを要旨とする。
【0022】
本発明の第3の特徴は、第1の無線基地局が、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおいて、前記第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末であって、自端末の移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームを照射した前記第2の無線基地局の識別情報と、該第2の無線基地局のセル半径、又は該第2の無線基地局の周波数帯、又は該第2の無線基地局の配置されたエリアを示すエリア区分とを含むリストを取得する取得部と、前記リストに基づいて、収容される前記第2の無線基地局を選択する選択部とを具備する無線通信端末であることを要旨とする。
【0023】
本発明の第3の特徴において、前記受信部は、前記第2の無線基地局の識別情報に関連付けられた周波数領域と時間領域とに基づいて、複数の前記第2の無線基地局から前記指向性ビームによって送信された該第2の無線基地局の基地局参照信号を受信し、前記選択部は、前記基地局参照信号の受信電力に基づいて、収容される前記第2の無線基地局を選択してもよい。
【0024】
本発明の第4の特徴は、第1の無線基地局が、動的な指向性ビームを照射するアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおける基地局制御装置であって、第1の無線基地局のセル内に位置する無線通信端末の移動速度を取得する移動速度取得部と、前記移動速度が所定の閾値以上である場合、前記第1の無線基地局のセル周辺の前記第2の無線基地局に対して、前記第1の無線基地局のセル方向への前記指向性ビームの照射を要求する要求部とを具備することを特徴とする基地局制御装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第1の無線基地局がアダプティブアレイアンテナを具備する第2の無線基地局に隣接して配置される無線通信システムにおいて、無線通信端末が高速に移動する場合であっても、適切にハンドオーバを実行し、さらには、ハンドオーバを行う頻度を下げ、通信品質を向上させることを可能とする無線通信方法、無線基地局、無線通信端末及び基地局制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(本実施形態に係る無線通信システムの概略構成)
図1を参照し、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る無線通信システムでは、小セルSC1、SC2、SC3を形成する小セル基地局(第1の無線基地局)21a、21b、21cが、大セルLC1、LC2を形成する大セル基地局(第2の無線基地局)22a、22bに隣接して配置される。
【0028】
なお、図示しないが、小セル基地局21a〜21c、大セル基地局22a〜22bは、無線回線制御局(RNC:Radio Network Controller)に接続され、互いにネットワークを介して接続されている。
【0029】
ここで、小セル基地局21a、21b、21cとは、例えば、サービスエリアの小さいセル(小セル)を形成する無線基地局であり、大セル基地局22a、22bとは、小セルよりもサービスエリアの大きいセル(大セル)を形成する無線基地局である。
【0030】
なお、セルの大小は、無線基地局のセル半径や、無線基地局の周波数帯、又は無線基地局の配置されたエリアを示すエリア区分に基づいて決定される。
【0031】
例えば、セル半径が所定の閾値(例えば、1000m)以下のセルを形成する場合、小セル基地局21a…とし、セル半径が所定の閾値(例えば、1000m)よりも大きい場合、大セル基地局22a…としてもよい。
【0032】
また、一般的に低い周波数で送信される信号の方が遠くまで届く。このため、所定の周波数よりも高い周波数帯で信号が送信される場合、小セル基地局21a…とし、所定の周波数よりも低い周波数帯で信号が送信される場合、大セル基地局22a…としてもよい。
【0033】
また、一般的にユーザ数の多い都市部ほどセル半径が小さく設定される。このため、配置されたエリアを示すエリア区分が「過密都市部(セル半径が500m未満に相当)」や「都市部(セル半径が500m以上1000m未満に相当)」に設定される場合、小セル基地局21a…とし、エリア区分が「郊外部(セル半径が1000m以上2000m未満に相当)」や「田園部(セル半径が2000m以上に相当)」に設定される場合、大セル基地局22a…としてもよい。
【0034】
本実施形態に係る無線通信システムでは、図1に示すように、無線通信端末10が、方向Aに向かって小セルSC1、大セルLC1、小セルSC2、大セルLC2、小セルSC3内を高速に移動する場合、小セル基地局21a、21b、21cに収容されることなく、大セル基地局22a、22bにのみ収容される点で従来技術に係る無線通信システムと異なる。
【0035】
具体的には、図1に示す無線通信システムでは、小セルSC1内の地点P1に位置する無線通信端末10が、小セル基地局21aからの要求に基づいて指向性ビームを小セルSC1方向に照射した大セル基地局22aに接続することによって、大セル基地局22aは無線通信端末10を収容する。また、大セルLC1と小セルSC2とが重複する地点P2に位置する無線通信端末10が、大セル基地局22aからの要求に基づいて指向性ビームを小セルSC2方向に照射した大セル基地局22bにハンドオーバすることによって、大セル基地局22bは無線通信端末10を収容する。
【0036】
なお、大セル基地局22a及び大セル基地局22bから照射される指向性ビームは、無線通信端末10の方向Aへの移動に追従して移動する。
【0037】
このように、本実施形態に係る無線通信システムでは、無線通信端末10の位置する小セル方向への指向性ビームの照射要求に応じて、周辺の大セル基地局22a・・・が指向性ビームを照射することによって、高速に移動する無線通信端末10が小セル基地局21a…に収容される頻度を軽減させている。
【0038】
以下、本実施形態において、指向性ビームの照射を要求する小セル基地局21a…及び大セル基地局22a…を「要求側基地局」とする。また、要求側基地局からの要求に応じて指向性ビームを照射する大セル基地局22a…を「被要求側基地局」とする。
【0039】
また、小セル基地局21a、21b、21c…を総称して小セル基地局21、大セル基地局22a、22b…を総称して大セル基地局22とする。
【0040】
(要求側基地局の機能ブロック構成)
図2乃至図3を参照し、本実施形態に係る無線通信システムにおいて用いられる要求側基地局のブロック構成について具体的に説明する。なお、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、要求側基地局は、当該装置としての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した機能ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
【0041】
要求側基地局として動作する小セル基地局21及び大セル基地局22は、アンテナ211と、無線通信部212と、制御部213とを具備する。
【0042】
アンテナ211は、複数のアンテナ素子によって構成されるアダプティブアレイアンテナである。アンテナ211は、制御部213によって、動的に指向性が変化する指向性ビームを照射するように制御される。
【0043】
無線通信部212は、アンテナ211を介して無線通信端末10との間で空間多重技術(SDMA:Spacial Division Multiple Access)による無線通信を行う。
【0044】
また、無線通信部212は、無線回線制御局やネットワークを介して被要求側基地局である大セル基地局22との通信を行う。特に、無線通信部212は、制御部213の指向性ビーム照射要求部2132の指示に基づいて、周辺の大セル基地局22に対する指向性ビームの照射要求を送信する。
【0045】
制御部213は、移動速度取得部2131と、指向性ビーム照射要求部2132と、指向性ビーム検知部2133と、ネイバーリスト提供部2134とを具備する。
【0046】
移動速度取得部2131は、無線通信端末10の移動速度を取得する。具体的には、移動速度取得部2131は、ネットワークエントリー時には無線通信端末10からの接続要求処理において、移動速度を示す情報を無線通信端末10から取得する。
【0047】
また、移動速度取得部2131は、無線通信端末10から所定の時間間隔で取得される該無線通信端末10の位置情報に基づいて、移動速度を推定してもよい。
【0048】
指向性ビーム照射要求部2132は、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上である場合、無線通信端末10の位置する小セル周辺の大セル基地局22に対して、該小セル方向への指向性ビームの照射を要求する。
【0049】
ここで、無線通信端末10の位置する小セルとは、無線通信端末10が接続中の小セル基地局21の形成する小セルでなくともよく、無線通信端末10の接続要求先やハンドオーバ先の小セル基地局21の形成する小セルを含むものとする。
【0050】
なお、上述の照射要求には、無線通信端末10の位置する小セルを示す情報が含まれる。さらに、上述の照射要求には、移動速度取得部2131によって取得された無線通信端末10の移動速度や、無線通信端末10の位置情報等が含まれてもよい。
【0051】
また、指向性ビーム照射要求部2132は、後述するネイバーリストに基づいて、生成した照射要求を周辺の大セル基地局22に送信するように制御する。なお、ネイバーリストは、図3に示すように、周辺の大セル基地局22に関する情報を含み、上位のネットワークを介して取得されるものである。
【0052】
例えば、指向性ビーム照射要求部2132は、ネイバーリストに記載された大セル基地局22のうちセル半径が最大の大セル基地局22から所定数の大セル基地局22に対して、セル半径が大きい順又は同時に、生成した照射要求を送信するよう制御する。
【0053】
同様に、指向性ビーム照射要求部2132は、ネイバーリストに記載された大セル基地局22のうち最も低い周波数帯で信号が送信される大セル基地局22から所定数の大セル基地局22に対して、周波数帯が低い順又は同時に、生成した照射要求を送信するよう制御してもよい。
【0054】
また、指向性ビーム照射要求部2132は、ネイバーリストに記載された大セル基地局22のうち、エリア区分が「郊外部」又は「田園部」(例えば、セル半径が1000m以上に相当)の所定数の大セル基地局22に対して、「郊外部」から順又は同時に、生成した照射要求を送信するよう制御してもよい。
【0055】
指向性ビーム検知部2133は、指向性ビームの照射要求に応じて、周辺の大セル基地局22から、無線通信端末の位置する小セル方向に照射された指向性ビームを検知する。例えば、指向性ビーム検知部2133は、周辺の大セル基地局22からの基地局参照信号の受信電力を測定することによって、指向性ビームの照射要求に応じて指向性ビームが照射されたことを検知する。
【0056】
ネイバーリスト提供部2134は、指向性ビーム検知部2133によって指向性ビームの照射を検知された大セル基地局22に関する情報を含むネイバーリストを無線通信端末10に提供する。
【0057】
かかるネイバーリストには、図3に示すように、照射要求に応じて指向性ビームを照射した大セル基地局22の識別情報と、該大セル基地局22のセル半径、又は該大セル基地局22の周波数帯、又は該大セル基地局22の配置されたエリアを示すエリア区分とが含まれる。また、大セル基地局22の位置情報が含まれていてもよい。
【0058】
なお、かかるネイバーリストには、上述の大セル基地局22に関する情報と同様に、周辺の小セル基地局21に関する情報が含まれている。また、かかるネイバーリストには、指向性ビームの照射要求先の大セル基地局22全てに関する情報が含まれてもよい。
【0059】
また、ネイバーリストは、小セル基地局21及び大セル基地局22のセル半径又は周波数帯又はエリア区分に基づいて、分類されていてもよい。例えば、セル半径が1000m以下の小セル基地局21のみを含むネイバーリスト、セル半径が1000m〜2000mの大セル基地局22のみを含むネイバーリスト、セル半径が2000m以上の大セル基地局22のみを含むネイバーリストのように分類される。このように、所定のセル半径毎のネイバーリスト、所定の周波数帯毎のネイバーリスト、エリア区分毎のネイバーリストが提供することにより、無線通信端末10におけるセルサーチ処理を簡略化することができる。
【0060】
(被要求側基地局の機能ブロック構成)
図4を参照し、本実施形態に係る無線通信システムにおいて用いられる被要求側基地局のブロック構成について具体的に説明する。なお、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、被要求側基地局は、当該装置としての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した機能ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
【0061】
被要求側基地局として動作する大セル基地局22は、アンテナ221と、無線通信部222と、制御部223とを具備する。
【0062】
アンテナ221は、複数のアンテナ素子によって構成されるアダプティブアレイアンテナである。アンテナ221は、制御部213の指向性ビーム制御部2232によって複数のアンテナ素子の位相や振幅が適応的に制御され、動的に指向性が変化する指向性ビームを照射する。
【0063】
無線通信部222は、アンテナ221を介して無線通信端末10との間で空間多重技術(SDMA:Spacial Division Multiple Access)による無線通信を行う。
【0064】
また、無線通信部222は、無線回線制御局やネットワークを介して被要求側基地局である大セル基地局22との通信を行う。
【0065】
制御部223は、照射要求取得部2231と、指向性ビーム制御部2232と、接続処理部2233とを具備する。
【0066】
照射要求取得部2231は、無線通信端末10が位置する小セル方向への指向性ビームの照射要求を上述の要求側基地局から取得する。
【0067】
指向性ビーム制御部2232は、要求側基地局からの照射要求に応じて、無線通信端末10が位置する小セル方向への指向性ビームの照射制御を行う。
【0068】
具体的には、指向性ビーム制御部2232は、照射要求取得部2231によって指向性ビームの照射要求が取得された場合、該照射要求に含まれる小セルを示す情報に基づいて、小セル方向に指向性ビームを照射するようアンテナ221を制御する。
【0069】
また、指向性ビーム制御部2232は、上述の照射要求に含まれる無線通信端末10の移動速度に基づいて、小セル方向への指向性ビームのビーム幅を制御してもよい。例えば、指向性ビーム制御部2232は、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上である場合、小セル全体にビームを照射するよう制御する(図7参照)。
【0070】
なお、指向性ビーム制御部2232は、上述の照射要求に含まれる無線通信端末10の位置情報(無線通信端末10の移動方向を示す情報を含んでもよい)に基づいて、小セル方向への指向性ビームのビーム幅を制御してもよい。例えば、指向性ビーム制御部2232は、無線通信端末10の位置情報に基づいて、小セル内の無線通信端末10の位置に向けた狭ビームを照射するよう制御する。
【0071】
接続処理部2233は、無線通信端末10との間で接続処理を行うことにより、無線通信端末10を自局に収容する。具体的には、接続処理部2233は、ネットワークエントリー時の無線通信端末10からの自局への接続要求や、無線通信端末10からの自局へのハンドオーバの要求に応じて、無線通信端末10との間で接続処理を行う。
【0072】
(無線通信端末のブロック構成)
図5乃至図6を参照し、本実施形態に係る無線通信システムにおいて用いられる無線通信端末10のブロック構成について具体的に説明する。なお、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、無線通信端末10は、当該装置としての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した機能ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
【0073】
無線通信端末10は、アンテナ101と、無線通信部102と、記憶部103と、制御部104とを具備する。
【0074】
アンテナ101は、複数のアンテナ素子によって構成されるアダプティブアレイアンテナである。アンテナ101は、上述のネイバーリストに含まれる大セル基地局22の位置情報に基づいて、大セル方向への利得を上昇させるように制御される。
【0075】
無線通信部102は、アンテナ101を介して小セル基地局21及び大セル基地局22との間で空間多重技術(SDMA:Spacial Division Multiple Access)による無線通信を行う。
【0076】
記憶部103は、図6に示すように、小セル基地局21及び大セル基地局22を識別する基地局IDと、該小セル基地局21及び大セル基地局22からの基地局参照信号(例えば、パイロット信号など)が送信される周波数領域及び時間領域とを関連付けて記憶する。ここで、周波数領域とは、基地局参照信号が送信される周波数を示す。また、時間領域とは、基地局参照信号が送信されるタイムスロットを示す。
【0077】
制御部104は、ネイバーリスト取得部1041と、セルサーチ処理部1042と、接続処理部1043とを具備する。
【0078】
ネイバーリスト取得部1041は、要求側基地局による照射要求に応じて、指向性ビームを照射した大セル基地局22に関する情報を含むネイバーリストを要求側基地局から取得する。
【0079】
上述のように、かかるネイバーリストには、要求側基地局による照射要求に応じて、指向性ビームを照射した大セル基地局22の識別情報と、該大セル基地局22のセル半径、又は該大セル基地局22の周波数帯、又は該大セル基地局22の配置されたエリアを示すエリア区分とが含まれる。
【0080】
セルサーチ処理部1042は、取得したネイバーリストに基づいてセルサーチ処理を行い、接続すべき大セル基地局22を選択する。
【0081】
具体的には、セルサーチ処理部1042は、記憶部103を参照し、ネイバーリストに記載された小セル基地局21及び大セル基地局22の識別情報に関連付けられている周波数領域と時間領域とを取得する。セルサーチ処理部1042は、取得した周波数領域と時間領域とに基づいて、小セル基地局21及び大セル基地局22各々からの基地局参照信号を取得する。
【0082】
セルサーチ処理部1042は、取得した基地局参照信号の受信電力が所定の閾値以上、すなわち接続可能な小セル基地局21及び大セル基地局22のうち、ネイバーリストに記載されたセル半径が最も大きい大セル基地局22を選択する。
【0083】
また、セルサーチ処理部1042は、ネイバーリストに記載されたセル半径の最も大きい大セル基地局22から順に基地局参照信号の受信電力を測定し、最初に基地局参照信号の受信電力が所定の閾値を越えた大セル基地局22を選択してもよい。
【0084】
また、セルサーチ処理部1042は、ネイバーリストに記載されたセル半径が所定の閾値以上の大セル基地局22のうち、最も基地局参照信号の受信電力が大きい大セル基地局22を選択してもよい。
【0085】
上述のセル半径の大きさと同様に、セルサーチ処理部1042は、ネイバーリストに記載された周波数帯の高低又はエリア区分に基づいて、接続先の大セル基地局22を選択してもよい。
【0086】
接続処理部1043は、小セル基地局21及び大セル基地局22との接続処理を行う。具体的には、無線通信端末10がネットワークエントリーする際に、基地局参照信号の受信電力が最も強い小セル基地局21又は大セル基地局22への接続要求し、接続処理を行う。また、無線通信端末10がハンドオーバする際に、ハンドオーバ元やハンドオーバ先に対するハンドオーバを要求し、ハンドオーバ処理を行う。
【0087】
また、接続処理部1043は、ネットワークエントリー時の接続要求処理やハンドオーバ要求処理において、無線通信端末10の位置情報に基づいて測定した移動速度を要求先の小セル基地局21又は大セル基地局22に通知してもよい。
【0088】
(本実施形態に係る無線通信システムの通信方法)
以下、図7乃至図14を参照し、本実施形態に係る無線通信システムにおける通信方法について説明する。
【0089】
(1)ネットワークエントリー
図7乃至図8を参照し、小セル内を高速に移動する無線通信端末10がネットワークエントリーする際の動作について説明する。ここで、無線通信端末10は、図7に示すように、小セルSC1内を方向Aに向かって(小セル基地局21aから小セル基地局21b(図7には図示せず)に向かって)高速に移動するものとする。
【0090】
図8に示すように、ステップS101において、小セルSC1内を高速に移動する無線通信端末10がネットワークエントリーする場合、セルサーチを行い、周辺の小セル基地局21a…及び大セル基地局22a…からの基地局参照信号を受信する。例えば、図7において、無線通信端末10は、小セル基地局21a及び大セル基地局22a、22c、22dからの基地局参照信号を受信する。
【0091】
ステップS102において、無線通信端末10は、基地局参照信号の受信電力が最も強い小セル基地局21aに接続要求を送信する。
【0092】
ステップS103において、無線通信端末10からの接続要求を受信した小セル基地局21aは、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値(例えば、80km/hを閾値とする)以上であるか否かを判定する。無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上である場合、小セル基地局21aは上述の要求側基地局として動作し、本動作はステップS104に進む。一方、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値未満である場合、本動作はステップS107に進み、無線通信端末10は小セル基地局21aに接続する。
【0093】
ステップS104において、小セル基地局21aは、上位のネットワークから取得したネイバーリストに基づいて、周辺の大セル基地局22a…に対して、小セルSC1方向への指向性ビームの照射要求を送信する。例えば、図7においては、小セル基地局21aが、周辺の大セル基地局22a、22c、22dに指向性ビームの照射要求を送信する。
【0094】
ステップS105において、小セル基地局21aは、1以上の大セル基地局22a…から小セルSC1方向に指向性ビームが照射されたか否かを検知する。1以上の大セル基地局22a…から小セルSC1方向への指向性ビームを検知した場合、本動作はステップS106に進む。一方、いずれの大セル基地局22a…からも小セルSC1方向への指向性ビームを検知できない場合(例えば、各大セル基地局22a…での負荷状態や、伝搬路状況が原因でこのような場合が起こることもある)、本動作はステップS107に進み、無線通信端末10は小セル基地局21aに接続する。
【0095】
ステップS106において、小セル基地局21aは、小セルSC1方向に指向性ビームを照射した大セル基地局22a…に関する情報を含むネイバーリストを無線通信端末10に提供し、セルサーチを行うことを要求する。例えば、図7において、小セル基地局21aは、小セルSC1方向に指向性ビームを照射した大セル基地局22a、22cに関する情報を含むネイバーリストを無線通信端末10に提供する。
【0096】
ステップS108において、ステップS106で提供されたネイバーリストに基づくセルサーチにおいて、無線通信端末10は、基地局参照信号の受信電力が所定の閾値以上の大セル基地局22a…、すなわち小セルSC1に位置する無線通信端末10が接続可能な周辺の大セル基地局22a…が存在するか否かを判定する。
【0097】
無線通信端末10が接続可能な周辺の大セル基地局22a…が存在する場合、ステップS109において、無線通信端末10は、ステップS106で提供されたネイバーリストに基づいて、いずれかの大セル基地局22a…に接続する。例えば、図7において、無線通信端末10は、接続可能な周辺の大セル基地局22a、22cのうち、最もセル半径の大きい大セル基地局22aに接続する。
【0098】
一方、小セルSC1に位置する無線通信端末10が接続可能な周辺の大セル基地局22a…が存在しない場合、ステップS110において、無線通信端末10は、小セル基地局21aに接続する。
【0099】
(2)小セル基地局から大セル基地局へのハンドオーバ
次に、図9乃至図10を参照し、移動速度が速くなった無線通信端末10が接続中の小セル基地局21から大セル基地局22にハンドオーバする動作について説明する。ここで、図9に示すように、小セル基地局21aに接続中の無線通信端末10は、小セルSC1内を移動する速度が速くなったものとする。
【0100】
図10に示すように、ステップS201において、無線通信端末10は、小セルSC1内に位置し、小セル基地局21aに接続中である。
【0101】
ステップS202において、無線通信端末10が接続中の小セル基地局21aは、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上である場合、小セル基地局21aは上述の要求側基地局として動作し、本動作はステップS203に進む。一方、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値未満である場合、本動作はステップS208に進む。
【0102】
ステップS203〜S205については、図8のステップS104〜S106と同様のため説明を省略する。
【0103】
ステップS206において、ステップS205で提供されたネイバーリストに基づくセルサーチにおいて、無線通信端末10は、基地局参照信号の受信電力が所定の閾値以上の大セル基地局22a…、すなわち無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22a…が存在するか否かを判定する。
【0104】
無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22a…が存在する場合、ステップS207において、無線通信端末10は、ステップS205で提供されたネイバーリストに基づいて、いずれかの大セル基地局22a…にハンドオーバする。例えば、図9において、無線通信端末10は、ハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22a、22cのうち、最もセル半径の大きい大セル基地局22aにハンドオーバする。
【0105】
一方、無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22a…が存在しない場合、本動作は、ステップS208で所定の時間間隔をおいて、ステップS202に戻る。
【0106】
(3)大セル基地局から大セル基地局へのハンドオーバ
次に、図11乃至図12を参照し、大セル基地局22に接続中の無線通信端末10が小セル基地局21へのハンドオーバを要求する際の動作について説明する。ここで、図11に示すように、大セル基地局22aに接続中の無線通信端末10は、小セルSC2内に移動したため、小セル基地局21bへのハンドオーバを要求するものとする。
【0107】
図12に示すように、ステップS301において、無線通信端末10は、大セル基地局22aに接続中である。
【0108】
ステップS302において、無線通信端末10は、小セルSC2内に移動したため、小セル基地局21bへのハンドオーバを要求する。
【0109】
ステップS303において、無線通信端末10の小セル基地局21bへのハンドオーバ要求を検知した大セル基地局22aは、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上である場合、大セル基地局22aは上述の要求側基地局として動作し、本動作はステップS304に進む。一方、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値未満である場合、本動作はステップS309に進み、無線通信端末10は小セル基地局21bにハンドオーバする。
【0110】
ステップS305において、無線通信端末10の小セル基地局21bへのハンドオーバ要求を検知した大セル基地局22aは、上位のネットワークから取得したネイバーリストに基づいて、周辺の大セル基地局22b…に対して、小セルSC2方向への指向性ビームの照射要求を送信する。例えば、図11においては、大セル基地局22aが、周辺の大セル基地局22b〜22dに指向性ビームの照射要求を送信する。
【0111】
ステップS306については、図8のステップS106と同様のため説明を省略する。
【0112】
ステップS307において、ステップS306で提供されたネイバーリストに基づくセルサーチにおいて、無線通信端末10は、基地局参照信号の受信電力が所定の閾値以上の大セル基地局22b…、すなわち無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22b…が存在するか否かを判定する。
【0113】
無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22b…が存在する場合、ステップS308において、無線通信端末10は、ステップS307で提供されたネイバーリストに基づいて、いずれかの大セル基地局22b…にハンドオーバする。例えば、図11において、無線通信端末10は、ハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22b、22cのうち、セル半径が最も大きい大セル基地局22bにハンドオーバする。
【0114】
一方、無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の大セル基地局22b…が存在しない場合、ステップS309において、無線通信端末10は、ステップS302におけるハンドオーバ要求先の小セル基地局21bにハンドオーバする。
【0115】
(4)大セル基地局から小セル基地局へのハンドオーバ
次に、図13乃至図14を参照し、移動速度が遅くなった無線通信端末10が接続中の大セル基地局22から小セル基地局21にハンドオーバする動作について説明する。ここで、図13に示すように、大セル基地局22aに接続中の無線通信端末10は、移動速度が遅くなったため、小セル基地局21bへのハンドオーバを要求するものとする。
【0116】
図14に示すように、ステップS401において、無線通信端末10は、大セル基地局22aに接続中である。
【0117】
ステップS402において、無線通信端末10が接続中の大セル基地局22aは、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。無線通信端末10の移動速度が所定の閾値未満である場合、本動作はステップS403に進む。一方、無線通信端末10の移動速度が所定の閾値以上である場合、本動作はステップS406に進む。
【0118】
ステップS403において、大セル基地局22aは、上位のネットワークから取得した周辺の小セル基地局21a…を含むネイバーリストを無線通信端末10に提供し、セルサーチを行うことを要求する。例えば、図13において、大セル基地局22aは、周辺の小セル基地局21a〜21eに関する情報を含むネイバーリストを無線通信端末10に提供する。
【0119】
ステップS404において、ステップS403で提供されたネイバーリストに基づくセルサーチにおいて、無線通信端末10は、基地局参照信号の受信電力が所定の閾値以上の小セル基地局21a…、すなわち無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の小セル基地局21a…が存在するか否かを判定する。
【0120】
無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の小セル基地局21a…が存在する場合、ステップS405において、無線通信端末10は、ステップS403で提供されたネイバーリストに基づいて、いずれかの小セル基地局21a…にハンドオーバする。例えば、図13において、無線通信端末10は、ハンドオーバ可能な周辺の小セル基地局21b〜21dのうち、小セル基地局21bにハンドオーバする。
【0121】
一方、無線通信端末10がハンドオーバ可能な周辺の小セル基地局21a…が存在しない場合、本動作は、ステップS406で所定の時間間隔をおいて、ステップS402に戻る。
【0122】
(本実施形態に係る通信システム及び通信方法の作用・効果)
本実施形態に係る通信システム及び通信方法によれば、小セル内に位置する無線通信端末10が高速に移動する場合には、大セル基地局22が無線通信端末10を収容することによって、適切にハンドオーバを実行し、さらには、ハンドオーバを行う頻度を下げることができ、頻繁なハンドオーバによるネットワークの処理負荷の増大や伝送速度の低下を防止することができる。
【0123】
また、小セル内に位置する無線通信端末10が高速に移動する場合には、小セル基地局21に収容されず、大セル基地局22に収容されることによって、小セル基地局21から送信される指向性ビームの追従誤差による信号の劣化を防止することができ、通信品質を向上させることができる。
【0124】
本実施形態に係る通信システム及び通信方法によれば、無線通信端末10の移動速度に応じて指向性ビームのビーム幅が変更されることによって、無線通信端末10は、移動速度に応じて最適な指向性ビームを受信することができる。
【0125】
本実施形態に係る通信システム及び通信方法によれば、小セル周辺の複数の大セル基地局22から指向性ビームによって送信される大セル基地局22の基地局参照信号は、各々周波数領域又は時間領域が異なるため、互いに干渉するのを防止することができる。このため、無線通信端末10は、指向性ビームによって送信される大セル基地局22の基地局参照信号を良い受信品質で受信でき、各々の基地局参照信号に基づいて、接続するのに最適な大セル基地局22を容易に選択することができる。
【0126】
本実施形態に係る通信システム及び通信方法によれば、無線通信端末10が、指向性ビームを照射した大セル基地局22のセル半径又は大セル基地局の周波数帯又は大セル基地局のエリア区分に基づいて、接続するのに最適な大セル基地局22を容易に選択することができる。
【0127】
(変更例)
なお、上述の実施形態に係る無線通信システム及び無線通信方法においては、要求側基地局として動作する小セル基地局21及び大セル基地局22が、移動速度取得部2131と指向性ビーム照射要求部2132とを構成する制御部213を具備するものとして説明した。しかしながら、本発明によれば、このような構成に限らず、例えば、要求側基地局として動作する小セル基地局21及び大セル基地局22とは別個に、移動速度取得部2131と指向性ビーム照射要求部2132とを構成する通信制御装置(基地局制御装置)をネットワーク上に設けてもよい。また、かかる通信制御装置(基地局制御装置)は、ネットワーク上の他の装置(例えば、無線回線制御局(RNC))内に設けられてもよい。
【0128】
(その他の実施形態)
以上、本発明の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。
【0129】
例えば、上述の実施形態では、指向性ビームの照射要求は、無線回線制御局及びネットワークを介して、周辺の大セル基地局22に送信されるものとして説明したが、周辺の大セル基地局22に直接送信されてもよく、他の上位ネットワークを介して送信されてもよい。
【0130】
また、各実施形態の構成及び各変更例の構成もそれぞれ組み合わせることが可能である。また、各実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、各実施形態及び各変更例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る要求側移動局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るネイバーリストの一例を示すである。
【図4】本発明の実施形態に係る被要求側移動局の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る無線通信端末の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線通信端末の記憶部の一例を示すである。
【図7】本発明の実施形態に係る無線通信端末がネットワークエントリーする一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る無線通信端末がネットワークエントリーする際の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る無線通信端末が小セル基地局から大セル基地局にハンドオーバする一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る無線通信端末が小セル基地局から大セル基地局にハンドオーバする動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係る無線通信端末が大セル基地局から大セル基地局にハンドオーバする一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る無線通信端末が大セル基地局から大セル基地局にハンドオーバする動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態に係る無線通信端末が大セル基地局から小セル基地局にハンドオーバする一例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る無線通信端末が大セル基地局から小セル基地局にハンドオーバする動作を示すフローチャートである。
【図15】従来の無線通信システムの全体概略構成図である。
【符号の説明】
【0132】
10…無線通信端末、101…アンテナ、102…無線通信部、103…記憶部、104…制御部、1041…ネイバーリスト取得部、1042…セルサーチ処理部、1043…接続処理部、21a〜21e…小セル基地局、22a〜22c…大セル基地局、211…アンテナ、212…無線通信部、213…制御部、2131…移動速度取得部、2132…指向性ビーム照射要求部、2133…指向性ビーム検知部、2134…ネイバーリスト提供部、221…アンテナ、222…無線通信部、223…制御部、2231…照射要求取得部、2232…指向性ビーム制御部、2233…接続処理部
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100149102
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 習


【公開番号】 特開2008−35287(P2008−35287A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−207242(P2006−207242)