| 【発明の名称】 |
通信システム、通信方法、基地局装置、及び端末装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐原 徹
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| 【要約】 |
【課題】通信相手との接続の切断等を極力防止することができる通信システム、通信方法、基地局装置、及び端末装置を提供する。
【構成】基地局1及び端末2は、通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して通信を行う。これら基地局1及び端末2は、無線信号の受信エラー(フレームエラー)が所定回数連続した場合に、通信相手に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する変調方式決定部(18a、38a)を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して端末装置と基地局装置との間で通信を行う通信システムにおいて、 前記端末装置及び前記基地局装置は、無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、通信相手に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する変調方式決定部を備えることを特徴とする通信システム。 【請求項2】 前記変調方式決定部は、無線信号の前記受信エラーが前記所定回数以上の一定回数連続した場合に、通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式を、前回用いた変調方式よりも変調の低い変調方式に決定することを特徴とする請求項1記載の通信システム。 【請求項3】 前記変調方式決定部が通信相手に対して要求する変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数と、前記変調方式決定部が通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数とは異なることを特徴とする請求項2記載の通信システム。 【請求項4】 前記端末装置及び前記基地局装置は、接続開始時に予め通信相手の応答時間をお互いに交換しておき、交換した通信相手の応答時間と自身の応答時間とから得られる時間間隔を前記変調方式の切替周期とすることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の通信システム。 【請求項5】 前記端末装置及び前記基地局装置は、前記切替周期毎に、通信相手に対して要求する変調方式を切り替えることを特徴とする請求項4記載の通信システム。 【請求項6】 通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して端末装置と基地局装置との間で通信を行う通信方法において、 無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、通信相手に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する第1ステップを含むことを特徴とする通信方法。 【請求項7】 無線信号の前記受信エラーが前記所定回数以上の一定回数連続した場合に、通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式を、前回用いた変調方式よりも変調の低い変調方式に決定する第2ステップを含むことを特徴とする請求項6記載の通信方法。 【請求項8】 前記第1ステップで通信相手に対して要求する変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数と、前記第2ステップで通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数とは異なることを特徴とする請求項7記載の通信方法。 【請求項9】 接続開始時に予め通信相手の応答時間をお互いに交換しておき、交換した通信相手の応答時間と自身の応答時間とから得られる時間間隔を前記変調方式の切替周期とする第3ステップを含むことを特徴とする請求項6から請求項8の何れか一項に記載の通信方法。 【請求項10】 前記切替周期毎に、通信相手に対して要求する変調方式を切り替える第4ステップを含むことを特徴とする請求項9記載の通信方法。 【請求項11】 通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して端末装置との間で通信を行う基地局装置において、 前記端末装置から送信された無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、前記端末装置に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する変調方式決定部を備えることを特徴とする基地局装置。 【請求項12】 通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して基地局装置との間で通信を行う端末装置において、 前記基地局装置から送信された無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、前記基地局装置に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する変調方式決定部を備えることを特徴とする端末装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、端末装置と基地局装置との間で無線信号を送受信して通信を行う通信システム、通信方法、基地局装置、及び端末装置に関する。 【背景技術】 【0002】 無線信号を送受信して通信を行う通信システムにおいては、基地局装置又は端末装置が通信相手の瞬時的な通信品質を監視し、通信品質の変動に応じて最良の変調方式を自動的に選択してデータ送信する適応変調方式が用いられている。具体的には、通信品質が良い場合には高速通信が可能な変調方式(例えば、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調))で変調が行われ、通信品質が悪い場合には低速の変調方式(例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)やBPSK(Binary Phase Shift Keying:二位相偏移変調))で変調が行われる。 【0003】 適応変調方式が用いられている通信システムでは、使用する変調方式を変える度に変更した、或いは、更新しようとする変調方式を通信相手に通知し、データの送信側で用いる変調方式と受信側で用いる受信方式を一致させることにより通信が行われる。また、通信相手から送信されたデータの受信エラーが生じた場合には、正常に通信が行われた直近の通信時に用いていた変調方式を通信相手に通知し、その変調方式を用いて通信を行うようにしている。 【0004】 以下の特許文献1には、時分割多重接続(TDMA:Time Division Multiple Access)方式が採用された通信システムにおいて、1フレーム内の各タイムスロットにそれぞれ個別に変調方式を関連付け、各通信チャネルの送信データを、その通信チャネルが割り当てられたタイムスロットに関連付けられた変調方式で変調処理する技術が開示されている。かかる技術により、変調方式を変える度に通信相手に送信されていた制御信号のデータ量の低減が図られている。 【特許文献1】特開2002−290362号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、従来の適応変調システムを用いた通信システムにおいては、上述した通り、通信相手から送信されたデータの受信エラーが生じた場合には、正常に通信が行われた直近の通信時に用いていた変調方式が通信相手に通知される。しかしながら、通信品質が急激に劣化した場合には、通信相手から通知されたであろう変調方式を受信することができない。このため、通信品質が改善されるまで現状の変調方式(例えば、64QAM)が維持されて変調方式が変更されない。そのため、必要な通信データが相手に届かず、この結果として、通信相手が基地局装置の場合には接続が切断され、通信相手が端末装置の場合にはハンドオーバーが生じ、或いは接続が切断されてしまうという問題がある。 【0006】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通信相手との接続の切断等を極力防止することができる通信システム、通信方法、基地局装置、及び端末装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題を解決するために、本発明の通信システムは、通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して端末装置と基地局装置との間で通信を行う通信システムにおいて、前記端末装置及び前記基地局装置は、無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、通信相手に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する変調方式決定部を備えることを特徴としている。 また、本発明の通信システムは、前記変調方式決定部が、無線信号の前記受信エラーが前記所定回数以上の一定回数連続した場合に、通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式を、前回用いた変調方式よりも変調の低い変調方式に決定することを特徴としている。 ここで、本発明の通信システムは、前記変調方式決定部が通信相手に対して要求する変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数と、前記変調方式決定部が通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数とは異なることを特徴としている。 また、本発明の通信システムは、前記端末装置及び前記基地局装置が、接続開始時に予め通信相手の応答時間をお互いに交換しておき、交換した通信相手の応答時間と自身の応答時間とから得られる時間間隔を前記変調方式の切替周期とすることを特徴としている。 更に、本発明の通信システムは、前記端末装置及び前記基地局装置が、前記切替周期毎に、通信相手に対して要求する変調方式を切り替えることを特徴としている。 上記課題を解決するために、本発明の通信方法は、通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して端末装置と基地局装置との間で通信を行う通信方法において、無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、通信相手に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する第1ステップを含むことを特徴としている。 また、本発明の通信方法は、無線信号の前記受信エラーが前記所定回数以上の一定回数連続した場合に、通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式を、前回用いた変調方式よりも変調の低い変調方式に決定する第2ステップを含むことを特徴としている。 ここで、本発明の通信方法は、前記第1ステップで通信相手に対して要求する変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数と、前記第2ステップで通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式の決定を行うための前記受信エラーの連続回数とは異なることを特徴としている。 また、本発明の通信方法は、接続開始時に予め通信相手の応答時間をお互いに交換しておき、交換した通信相手の応答時間と自身の応答時間とから得られる時間間隔を前記変調方式の切替周期とする第3ステップを含むことを特徴としている。 更に、本発明の通信方法は、前記切替周期毎に、通信相手に対して要求する変調方式を切り替える第4ステップを含むことを特徴としている。 上記課題を解決するために、本発明の基地局装置は、通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して端末装置との間で通信を行う基地局装置において、前記端末装置から送信された無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、前記端末装置に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する変調方式決定部を備えることを特徴としている。 上記課題を解決するために、本発明の端末装置は、通信品質に応じて変調方式を切り替えつつ無線信号を送受信して基地局装置との間で通信を行う端末装置において、前記基地局装置から送信された無線信号の受信エラーが所定回数連続した場合に、前記基地局装置に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定する変調方式決定部を備えることを特徴としている。 【発明の効果】 【0008】 本発明によれば、受信エラーが所定回数連続した場合に、通信相手に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定しているため、通信相手との接続の切断等を極力防止することができるという効果がある。 また、通信相手に要求する変調方式のみならず、通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式(自らが用いる変調方式)を、前回用いた変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定しているため、更に通信相手との接続の切断等を防止することができる。 更に、変調方式を切り替える周期は、通信相手の応答時間と自身の応答時間とから得られる時間間隔に設定されているため、基地局と端末との間の変調方式の設定に食い違いが生ずるを防止することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、図面を参照して本発明の一実施形態による通信システム、通信方法、基地局装置、及び端末装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による通信システム、基地局装置、及び端末装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の通信システムは、基地局装置(以下、基地局という)1と端末装置(以下、端末という)2とを備えている。 【0010】 尚、基地局1は、例えば一定の距離間隔で複数設けられているが、図1では図示の簡略化のために1つの基地局1のみを図示している。また、以下の説明では、本実施形態の通信システムがPHSである場合を例に挙げて説明する。また、説明の便宜のため、基地局1から端末2に向かう無線信号の流れを「下り」とし、端末2から基地局1に向かう無線信号の流れを「上り」とする。 【0011】 基地局1は、アンテナ11、無線通信部12、復調部13、復号部14、通信品質計測部15、要求変調方式判定部16、フレームエラー算出部17、制御部18、フレーム形成部19、符号部20、及び変調部21を備えており、ネットワークNに接続されている。アンテナ11は、端末2から送信される無線信号を受信するとともに、端末2に向けて無線信号を送信する。無線通信部12は、アンテナ11で受信される信号の検波、周波数変換等の処理を行って受信信号を復調部13に出力するとともに、変調部21から出力される変調信号の周波数変換等の処理を行ってアンテナ11に出力する。 【0012】 復調部13は無線通信部12から出力される受信信号を復調し、復調信号を復号部14及び通信品質計測部15に出力する。復号部14は、復調部13からの復調信号を復号化する。通信品質計測部15は、復調部13から出力される復調信号を用いて端末2との間の通信品質を計測する。具体的に、通信品質計測部15は、例えばSINR(信号対干渉波・雑音比(Signal to Interference and Noise Ratio))値を用いて回線品質を計測する。 【0013】 要求変調方式判定部16は、復号部14から出力される復調信号に基づいて、端末2が要求している変調方式を判定する。図2は、基地局1と端末2との間で送受信されるフレームのフォーマットを示す図である。尚、基地局1と端末2との間の通信は図2に示すフレームを単位として行われる。図2に示す通り、フレームはヘッダ部f1とデータ部f2とに大別される。 【0014】 ヘッダ部f1には、例えば基地局1と端末2との間の通信信号の同期用のトレーニングシンボル等が含まれている。また、データ部f2は、通信相手に対して要求する変調方式が格納されるサブフィールドf21、通信相手に送信すべきデータが格納されるサブフィールドf22、及びフレームエラーをチェックするためのCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)情報が格納されるサブフィールドf23が設けられている。要求変調方式判定部16は、サブフィールドf21に格納されている情報に基づいて、端末2が要求している変調方式を判定する。フレームエラー算出部17は、図2に示すサブフィールドf23に格納されたCRC情報を用いて端末2から送信されたフレームの受信エラー(フレームエラー)を算出する。 【0015】 制御部18は、基地局18の動作を統括的に制御する。具体的には、端末2から受信したデータのネットワークNへの送出制御、ネットワークNを介して送信されてきたデータの端末2への送信制御を行う。また、制御部18は、変調方式決定部18aを備えており、この変調方式決定部18aで決定された変調方式で変調するように変調部21を制御する。 【0016】 フレーム形成部19は、制御部18から出力されるデータから、図2に示すフレームを形成する。尚、基地局1が端末2に対して所定の変調方式を要求する場合には、変調方式決定部18aで決定された変調方式を示す情報がフレーム形成部19に出力され、フレーム形成部19は、上記変調方式を示す情報をサブフィールドf21に格納したフレームを形成する。符号部20は、端末2に対して送信すべきデータを符号化して変調部21に出力する。変調部21は入力されるデータの変調等の処理を行って無線通信部12に出力する。変調部21は、例えば64QAM、16QAM、QPSK、BPSK等の変調方式による変調が可能であり、制御部18から出力される制御信号に基づいた変調方式で変調を行う。 【0017】 端末2は、基地局1と同様に、アンテナ31、無線通信部32、復調部33、復号部34、通信品質計測部35、要求変調方式判定部36、フレームエラー算出部37、制御部38、フレーム形成部39、符号部40、及び変調部41を備えており、更に操作部42及び表示部43を備える。アンテナ31は、基地局1から送信される無線信号を受信するとともに、基地局1に向けて無線信号を送信する。無線通信部32は、アンテナ31で受信される信号の検波、周波数変換等の処理を行って受信信号を復調部33に出力するとともに、変調部41から出力される変調信号の周波数変換等の処理を行ってアンテナ31に出力する。 【0018】 復調部33は無線通信部32から出力される受信信号を復調し、復調信号を復号部34及び通信品質計測部35に出力する。復号部34は、復調部33からの復調信号を復号化する。通信品質計測部35は、復調部33から出力される復調信号を用いて端末2との間の通信品質を計測する。具体的に、通信品質計測部35は、例えばSINR(信号対干渉波・雑音比(Signal to Interference and Noise Ratio))値を用いて回線品質を計測する。 【0019】 要求変調方式判定部36は、復号部34から出力される復調信号に基づいて、基地局1が要求している変調方式を判定する。具体的には、基地局1から送信されるフレームのサブフィールドf21(図2参照)に格納されている情報に基づいて、基地局1が要求している変調方式を判定する。フレームエラー算出部37は、図2に示すサブフィールドf23に格納されたCRC情報を用いて基地局1から送信されたフレームのフレームエラーを算出する。 【0020】 制御部38は、端末2の動作を統括的に制御する。具体的には、端末2のユーザが操作部42を介して操作した内容に応じて、表示部43への表示制御、発信・着信制御等の各種制御を行う。また、制御部38は、変調方式決定部38aを備えており、この変調方式決定部38aで決定された変調方式で変調されるよう変調部41を制御する。 【0021】 フレーム形成部39は、制御部38から出力されるデータから、図2に示すフレームを形成する。尚、端末2が基地局1に対して所定の変調方式を要求する場合には、変調方式決定部38aで決定された変調方式を示す情報がフレーム形成部39に出力され、フレーム形成部39は、この情報がサブフィールドf21に格納されたフレームを形成する。符号部40は、基地局1に対して送信すべきデータを符号化して変調部41に出力する。変調部41は入力されるデータの変調等の処理を行って無線通信部32に出力する。変調部41は、例えば64QAM、16QAM、QPSK、BPSK等の変調方式による変調が可能であり、制御部38から出力される制御信号に基づいた変調方式で変調を行う。 【0022】 次に、以上説明した本実施形態の通信システムの動作について説明する。図3は、本発明の一実施形態による通信方法を示すフローチャートである。尚、図3のフローチャートで示される処理は基地局1及び端末2の双方で行われる処理であるが、以下の説明では、基地局1の処理を例に挙げて説明する。 【0023】 まず、基地局1と端末2との間の接続時において、基地局1の制御部18は、通信相手である端末2の応答時間を取得し、取得した端末2の応答時間と基地局1の応答時間とから更新周期を算出する(ステップS11)。ここで、端末2の応答時間とは、基地局1が端末2に対して何等かの応答要求を送信してから端末2からの応答を受信するまでに要する時間であり、基地局1の応答時間とは、基地局1が端末2からの信号を受けてから端末2に対する次の処理が可能になるまでの時間である。 【0024】 図4は、端末2の応答時間を説明するための図であり、送信されるスロットを四角で表している。基地局1が下り回線を用いて端末2に対して時刻t11に応答要求を送信したとする。この応答要求を受信すると、端末2は基地局1に対して上り回線を用いて返信を行う訳であるが、端末2の性能に応じてそのその返信に要する時間が異なる。例えば、端末2の性能が高くて応答時間が短ければ、時刻t11から上り回線の4つ分のスロットに相当する時間T11が経過する前に返信の準備ができ、次の上りフレームで送信が可能である。これに対し、端末2の性能が低くて応答時間が長ければ、時刻t11から上り回線の4つ分のスロットと下り回線の4つ分のスロットとを加算した時間以降であって、この時間に上り回線の4つ分のスロットに相当する時間を加算した時間T12が経過する前に返信が可能になる。つまり、返信できるのは応答要求を受け取った下りフレームの次の次の上りフレームである。 【0025】 基地局1の制御部18は、通信相手の端末2の応答時間を取得し、この応答時間と自己の応答時間とを加算した時間である更新周期を予め求めておき、この更新周期を基準として端末2との間の通信制御を行うことで、端末2との間の変調方式の設定に食い違いが生ずるのを防止している。更新周期の算出が終了すると、基地局1の制御部18は、更新周期の値を第1カウンタに代入するとともに、更新周期の値をn倍した値から1を減算した値を第2カウンタに代入する(ステップS12)。 【0026】 ここで、第1カウンタは更新周期が経過するまでに連続して生ずるフレームエラーの数を計数するためのカウンタであり、第2カウンタは連続して生ずるフレームエラーの数を計数するためのカウンタである。尚、更新周期は、フレーム時間(図4中の時間T0(例えば、5msec))を単位とした時間であり、第1カウンタ及び第2カウンタには1以上の整数が代入される。また、上記の変数nは1以上の整数である。尚、ここでは、説明を簡単にするために、更新周期を「3」とし変数nの値を「2」とする。よって、第1カウンタには値「3」が代入され、第2カウンタには値「5」が代入される。 【0027】 以上の初期設定が終了した後で端末2から無線信号が送信されると、その無線信号は基地局1のアンテナ11で受信される(ステップS13)。アンテナ11で受信された信号は、無線通信部12に出力されて検波、周波数変換等の処理が行われ、受信信号として復調部13に出力される。復調部13は無線通信部12から出力される受信信号を復調し、復調信号を復号部14及び通信品質計測部15に出力する。通信品質計測部15は、復調部13から出力される復調信号を用いて端末2との間の通信品質を計測し、その計測結果を制御部18に出力する(ステップS14)。 【0028】 一方、復号部14は、復調部13からの復調信号を復号化して制御部18、要求変調方式判定部16、及びフレームエラー算出部17に出力する。フレームエラー算出部17は、復号部14から出力される信号からフレームエラーを算出する(ステップS15)。具体的には、図2に示すサブフィールドf23に格納されたCRC情報を用いて端末2から送信されたフレームのフレームエラーを算出する。この算出結果は、制御部18に出力される。制御部18は、フレームエラー算出部17の算出結果からフレームエラーの有無を判断する(ステップS16)。 【0029】 フレームエラーが生じていないと制御部18が判断した場合(ステップS16の判断結果が「NO」である場合)には、制御部18は、更新周期の値(値「3」)を第1カウンタに代入するとともに、更新周期の値をn倍した値(値「6」)を第2カウンタに代入して、第1カウンタ,第2カウンタの値を再設定する(ステップS17)。次いで、制御部18の変調方式決定部18は、通信品質計測部15の計測結果に応じて端末2に要求する変調方式を決定する(ステップS18)。例えば、変調方式決定部18は、端末2に要求する変調方式として16QAMを決定する。 【0030】 変調方式決定部18で変調方式が決定されると、制御部18は変調部21に制御信号を出力して決定された変調方式で変調されるよう制御する。端末2に対して送信されるべきデータが制御部18から出力されると、フレーム形成部19は図2に示すフレームを形成し符号部20に出力する。符号部20は端末2に対して送信すべきデータを符号化して変調部21に出力する。調部21は入力されるデータを変調方式決定部18aで決定された変調方式(例えば、16QAM)で変調し無線通信部12に出力する。変調部21から出力された変調信号は無線通信部12において周波数変換等の処理が行われてアンテナ11から端末2に向けて送信される(ステップS19)。以上の処理が終了し、端末2から無線信号が送信されると、再度ステップS13以降の処理が行われる。 【0031】 一方、ステップS16でフレームエラーが生じていると制御部18が判断した場合(ステップS16の判断結果が「YES」である場合)には、制御部18は、まず受信したデータを破棄する(ステップS20)。次いで、制御部18は、第1カウンタの値が更新周期の値(値「3」)と等しいか否かを判断する(ステップS21)。尚、ここでは、説明を簡単にするために、ステップS12の処理を終了した後で最初に受信した無線信号にフレームエラーが生じた場合を考える。 【0032】 かかる場合には、第1カウンタの値として更新周期の値(値「3」)が格納されているため、ステップS21の判断結果は「YES」になり、制御部18の変調方式決定部18aは、端末2に対して前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式を要求する(ステップS22)。次いで、制御部18は、第2カウンタの値が更新周期の値をn倍した値(値「6」)と等しいか否かを判断する(ステップS23)。ここでは、第2カウンタの値として更新周期の値をn倍した値から1を減算した値(値「5」)が格納されているため、ステップS23の判断結果は「NO」になり、制御部18の変調方式決定部18aは、基地局1で用いる変調方式として、前回用いていた変調方式と同じ変調方式を用いることを決定する(ステップS24)。 【0033】 次に、制御部18は、第1カウンタ及び第2カウンタの値をデクリメントする(ステップS25)。これにより、第1カウンタの値は更新周期の値から1を減算した値(値「2」)になり、第2カウンタの値は更新周期の値をn倍した値から2を減算した値(値「4」)になる。次に、制御部18は、第1カウンタの値が「0」以下であるか否かを判断する(ステップS26)。ここで、第1カウンタには値「2」が格納されているため、ステップS26の判断結果は「NO」となる。次いで、制御部18は、第2カウンタの値が「0」以下であるか否かを判断する(ステップS27)。ここで、第2カウンタには値「4」が格納されているため、ステップS27の判断結果は「NO」となる。 【0034】 以上の処理が終了すると、制御部18はステップS24で決定した変調方式で変調するように変調部21を制御する。次いで、制御部18は、ステップS22で要求した変調方式(即ち、端末2に対して要求する変調方式)を示す信号をフレーム形成部19に出力する。フレーム形成部19は、図2に示すサブフレームf21に端末2に対する要求する変調方式が格納されたフレームを形成して符号部20に出力する。符号部20は端末2に対して送信すべきデータを符号化して変調部21に出力する。調部21は入力されるデータを変調方式決定部18aで決定された変調方式(例えば、16QAM)で変調し無線通信部12に出力する。変調部21から出力された変調信号は無線通信部12において周波数変換等の処理が行われてアンテナ11から端末2に向けて送信される(ステップS19)。以上の処理が終了し、端末2から無線信号が送信されると、再度ステップS13以降の処理が行われる。 【0035】 ここで、基地局1が端末2からの無線信号を再度受信した場合に、フレームエラーが生じていると制御部18が判断した場合(ステップS16の判断結果が「YES」である場合)には、制御部18は、受信したデータを破棄し(ステップS20)、第1カウンタの値が更新周期の値と等しいか否かを判断する(ステップS21)。ここでは、第1カウンタの値として更新周期の値から1を減算した値(値「2」)が格納されているため、ステップS21の判断結果は「NO」になり、端末2に対して前回要求した変調方式と同じ変調方式を要求する(ステップS28)。 【0036】 次いで、制御部18は、第2カウンタの値が更新周期の値をn倍した値(値「6」)と等しいか否かを判断する(ステップS23)。ここでは、第2カウンタに値「4」が格納されているため、ステップS23の判断結果は「NO」になり、制御部18の変調方式決定部18aは、前回用いていた変調方式と同じ変調方式を用いることを決定する(ステップS24)。 【0037】 次に、制御部18は、第1カウンタ及び第2カウンタの値をデクリメントし(ステップS25)、第1カウンタの値を更新周期の値から2を減算した値(値「1」)とし、第2カウンタの値を更新周期の値をn倍した値から3を減算した値(値「3」)にする。次いで、第1カウンタ,第2カウンタの値が「0」以下であるか否かを順に判断し(ステップ(S26,S27)、先と同様に、ステップS22で要求した変調方式(即ち、端末2に対して要求する変調方式)を示す信号が含まれるフレームを作成させ、ステップS24で決定した変調方式で変調させて端末2に送信する(ステップS19)。 【0038】 端末2から送信された無線信号にフレームエラーが生じており、ステップS16の判断結果が「YES」である場合には、ステップS20からステップS19まで処理が繰り返される度に第1カウンタ及び第2カウンタの値がデクリメントされる。第1カウンタの値が「0」になると、ステップS26の判断結果が「YES」になり、第1カウンタに更新周期の値(値「3」)が代入されて初期化される(ステップS29)。第1カウンタが初期化された後に、再度端末2からの無線信号にフレームエラーが生じた場合(ステップS16の判断結果が「YES」の場合)には、ステップS21の判断結果が「YES」となって、制御部18の変調方式決定部18aは、端末2に対して前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式を要求する(ステップS22)。 【0039】 また、第2カウンタの値が「0」になると、ステップS27の判断結果が「YES」になり、第2カウンタに更新周期の値をn倍した値(値「6」)が代入されて初期化される(ステップS30)。第2カウンタが初期化された後に、再度端末2からの無線信号にフレームエラーが生じた場合(ステップS16の判断結果が「YES」の場合)には、ステップS23の判断結果が「YES」となって、制御部18の変調方式決定部18aは、基地局1で用いる変調方式として、前回用いていた変調方式よりも低い変調効率の変調方式を用いることを決定する(ステップS31)。 【0040】 図5は、基地局1が端末2に対して要求する変調方式、及び基地局1が用いる変調方式の変更方法を説明するための図である。図5(a)に示す通り、基地局1は、端末2に対して更新周期毎に段階的に変調効率が低くなるような変調方式を要求する。尚、更新周期内では、端末2に対して前回と同じ変調方式を要求する。基地局1が端末2に対して段階的に変調効率が低くなるような変調方式を要求しているのは、フレームエラーが生じていて通信品質が悪いため、端末2に対して低速の変調方式で変調させるためである。また、更新周期毎に変調効率が低くなるような変調方式を要求しているのは、端末2との間の変調方式の設定に食い違いが生ずるのを防止するためである。 【0041】 また、図5(b)に示す通り、基地局1は、更新周期のn倍の周期毎に段階的に変調効率が低くなるような変調方式を使用している。尚、更新周期のn倍の周期内では、前回と同じ変調方式を要求する。基地局1が段階的に変調効率が低くなるような変調方式を用いているのは、端末2に対して低速の変調方式で変調させているため、自らも低速の変調方式を用いる必要があるからである。また、更新周期のn倍の周期毎に変調効率が低くなるような変調方式を用いているのは、先ずは通信相手に対して変調効率が低い変調方式への変更を要求するが、フレームエラーが所定回(更新周期のn倍)連続する場合には通信相手に対する要求が通信相手に届かないと判断し、自らが使用する変調方式を変調効率が低いものに変更することで、上記の要求が通信相手に届くようにするためである。また端末2との間の変調方式の設定に食い違いが生ずるのを防止するためである。 【0042】 以上説明した通り、本実施形態では、フレームエラーが所定回数連続した場合に、通信相手に対して要求する変調方式を、前回要求した変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定しているため、通信相手との接続の切断等を極力防止することができる。また、通信相手に要求する変調方式のみならず、通信相手に対して無線信号を送信するために用いる変調方式(自らが用いる変調方式)を、前回用いた変調方式よりも変調効率の低い変調方式に決定しているため、更に通信相手との接続の切断等を防止することができる。また、変調方式を切り替える周期は、通信相手の応答時間と自身の応答時間とを加算した更新周期、又はこの更新周期の整数倍の周期に設定されているため、基地局1と端末2との間の変調方式の設定に食い違いが生ずるを防止することができる。 【0043】 以上、本発明の一実施形態による通信システム及び方法並びに基地局装置及び端末装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、主に基地局1で行われる処理について説明したが、端末2においても同様の処理により、基地局1に対する変調方式の要求、及び自らが使用する変調方式の変更を行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0044】 【図1】本発明の一実施形態による通信システム、基地局装置、及び端末装置の要部構成を示すブロック図である。 【図2】基地局1と端末2との間で送受信されるフレームのフォーマットを示す図である。 【図3】本発明の一実施形態による通信方法を示すフローチャートである。 【図4】端末2の応答時間を説明するための図である。 【図5】基地局1が端末2に対して要求する変調方式、及び基地局1が用いる変調方式の変更方法を説明するための図である。 【符号の説明】 【0045】 1 基地局 2 端末 18a 変調方式決定部 38a 変調方式決定部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月28日(2006.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100101465 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 正和
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| 【公開番号】 |
特開2008−35211(P2008−35211A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−206357(P2006−206357) |
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