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【発明の名称】 無線基地局装置及びその逆拡散処理装置
【発明者】 【氏名】吉田 正臣

【要約】 【課題】HSDPA処理時又はHSUPA処理時においても、効率的に逆拡散処理回路を使用して逆拡散処理を行う無線基地局装置を提供する。

【構成】無線基地局装置は、第1の制御チャネル(DPCCH)の信号を逆拡散処理する第1の逆拡散処理回路と、第2の制御チャネルの信号(HS−DPCCH)又は第3の制御チャネル(E−DPCCH)の信号を逆拡散処理する第2の逆拡散処理回路と、第1の制御チャネルの信号及び第2の制御チャネルの信号及び第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することができる第3の逆拡散処理回路と、第1の逆拡散処理回路及び第2の逆拡散処理回路に共通のスクランブリングコードを供給する第1のスクランブリングコード生成回路と、第3の逆拡散処理回路に第1のスクランブリングコード生成回路が生成するスクランブリングコードと異なるスクランブリングコードを供給する第2のスクランブリングコード生成回路とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号を逆拡散処理して復調する無線基地局装置において、
第1の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第1の逆拡散処理回路と、
第2の制御チャネルの信号又は第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第2の逆拡散処理回路と、
前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することができる第3の逆拡散処理回路と、
前記第1の逆拡散処理回路及び前記第2の逆拡散処理回路に共通のスクランブリングコードを供給する第1のスクランブリングコード生成回路と、
前記第3の逆拡散処理回路に前記第1のスクランブリングコード生成回路が生成するスクランブリングコードと異なるスクランブリングコードを供給する第2のスクランブリングコード生成回路とを備えることを特徴とする無線基地局装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のチャネルの信号及び前記第2のチャネルの信号を受信する場合、前記第2の逆拡散処理回路は、前記第2の制御チャネルの信号を逆拡散処理し、
前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号を逆拡散処理することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号を時分割で処理し、前記第3の逆拡散処理回路が前記第1の制御チャネルの信号を処理している間、前記第1の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給され、前記第2の制御チャネルの信号を処理している間、前記第2の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給されることを特徴とする無線基地局装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を受信する場合、前記第2の逆拡散処理回路は、前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理し、
前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を時分割で処理し、前記第3の逆拡散処理回路が前記第1の制御チャネルの信号を処理している間、前記第1の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給され、前記第3の制御チャネルの信号を処理している間、前記第3の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給されることを特徴とする無線基地局装置。
【請求項6】
請求項4において、
前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を受信する場合、前記第2の逆拡散処理回路は、前記第2の制御チャネルの信号を逆拡散処理し、
前記第3の逆拡散処理回路は、前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第2のスクランブリングコード生成回路は、前記第1のスクランブリングコード生成回路が供給するスクランブリングコードと同一のスクランブリングコードを前記第3の逆拡散回路に供給することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1の制御チャネルはDPCCHであり、前記第2の制御チャネルは、HS−DPCCHであり、前記第3の制御チャネルはE−DPCCHであり、HSDPA処理の場合、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号を受信し、HSUPA処理の場合、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を受信し、HSDPA及びHSUPAの両方を処理する場合、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネル及び前記第3の制御チャネルの信号を受信することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項9】
受信された無線信号を逆拡散処理する逆拡散処理装置において、
第1の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第1の逆拡散処理回路と、
第2の制御チャネルの信号又は第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第2の逆拡散処理回路と、
前記第1の制御チャネルの信号、前記第2の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することができる第3の逆拡散処理回路と、
前記第1の逆拡散処理回路及び前記第2の逆拡散処理回路に共通のスクランブリングコードを供給する第1のスクランブリングコード生成回路と、
前記第3の逆拡散処理回路に前記第1のスクランブリングコード生成回路が生成するスクランブリングコードと異なるスクランブリングコードを供給する第2のスクランブリングコード生成回路とを備えることを特徴とする逆拡散処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、HSDPA (High Speed Downlink Packet Access)及びHSUPA (High Speed Uplink Packet Access)方式を採用した無線通信システムにおける無線基地局装置及びその逆拡散処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)におけるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)は、下り(downlink)のピーク伝送速度の高速化、低伝送遅延などを目的として、例えば、W-CDMAのような第三世代(3G)の無線通信システムのデータ通信をさらに高速化した規格であり、3G方式の標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)の発行した「Release 5」規格で標準化されている。
【0003】
HSDPAは、(1)一つの物理チャネルを複数の移動機(UE)で時間分割により共有して使用する、(2)電波の状態に応じてより高速な変調方式や符号化方式を自動的に選択する、(3)再送制御(ARQ)と訂正符号化処理を組み合わせたハイブリッドARQを採用するなどの特徴を有する。
【0004】
一方、HSUPA (High Speed Uplink Packet Access)は、W-CDMAの上り(Uplink)のデータ通信速度を高速化する規格であり、下りの通信速度を高速化するHSDPAを補完する技術となる。3G方式の標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)の発行した「Release6」規格で標準化されている。
【0005】
3GPPの「Release6」によれば、下記表1に示すように、HSDPAを処理するのに必要な制御チャネルは、DPCCH (Dedicated Physical Control Channel)とHS-DPCCH (High-Speed Dedicated Physical Control Channel)であり、HSUPAを処理するのに必要な制御チャネルは、DPCCHとE-DPCCH (Enhanced Dedicated Physical Control Channel)であり、HSDPAとHSUPAの両方を処理するのに必要な制御チャネルは、DPCCH、HS-DPCCH及びE-DPCCHである。
【0006】
【表1】


図1は、無線基地局装置における従来の制御チャネルの逆拡散処理部の構成を示す図である。W-CDMAでは、送信情報データ系列を情報データのシンボルレートに比較して高速レートの拡散符号で広帯域の信号に拡散して伝送する。受信側では、送信側で拡散に用いた拡散符号と同じ拡散符号を用いて相関検出を行うことにより(この過程は逆拡散と呼ばれる)、送信情報データ系列を再生する。UE毎に固有の拡散符号が割り当てられ、UEの識別はこの拡散符号によって行われる。拡散符号は、物理チャネルを識別するためのチャネライゼイションコード (Channelization Code)と各UEを識別するためのスクランブリングコード (Scrambling Code)の2種類を組み合わせて構成される。
【0007】
図1において、無線基地局装置の逆拡散処理部10は複数(図1では3個)の逆拡散処理回路14A、14B及び14Cを備え、インプットバッファ12から各逆拡散処理回路14A、14B及び14Cに受信データが供給される。各逆拡散処理回路14A、14B及び14Cにより逆拡散処理された信号は、それぞれ各逆拡散処理回路14A、14B及び14Cに対応する複数のアウトプットバッファ16A、16B及び16Cに一時格納されて、出力される。スクランブリングコード生成回路18は、後述するように、各逆拡散処理回路14A、14B及び14Cに共通のスクランブリングコードを供給する。
【0008】
チップレート3.84Mbpsの場合、例えば、各逆拡散処理回路14は、3.84Mbps×64=245.76MHzで動作し、64のリソース数を時分割処理することができる。ここで、リソース数は、逆拡散処理回路の処理単位であって、フィンガを考慮したチャネル数である。フィンガは、マルチパスにおける各パス毎の信号を時間と位相をそろえて複数のパスを合成するレイク(RAKE)受信する場合のその合成するパスの数であって、1つのチャネルに対して3フィンガの場合は、3リソース数となる。1つのチャネルに対して1フィンガの場合は、1リソース数となる。
【0009】
各逆拡散処理回路14A、14B及び14Cで処理するリソース数の合計が、逆換算処理部10全体での処理可能リソース数Nとなる。図1の例では、処理可能リソース数Nは64×3=192となる。
【0010】
図2は、従来の逆拡散処理回路におけるチャネル割当を説明する図である。逆拡散処理回路14A、14B及び14Cは、制御チャネルの種類毎に設けられ、図示されるように、逆拡散処理回路14AはDPCCH専用に使用され、逆拡散処理回路14BはHS-DPCCH処理に使用され、逆拡散処理回路14CはE-DPCCH専用に使用される。
【0011】
逆拡散処理回路14AにDPCCHに対応するチャネライゼイションコードのみを供給する(実際は、スクランブリングコードと多重されて供給される)ことで、逆拡散処理回路14AをDPCCH処理専用回路とすることができる。同様に、逆拡散処理回路14BにHS-DPCCHに対応するチャネライゼイションコードのみを供給し、逆拡散処理回路14CにE-DPCCHに対応するチャネライゼイションコードのみを供給することによって、それぞれHS-DPCCH処理専用回路及びE-DPCCH処理専用回路とすることができる。
【0012】
また、逆拡散処理部10の処理可能リソース数がNの場合、リソース数Nは制御チャネル毎の逆拡散処理回路14A、14B及び14Cに均等に割り当てられ、それぞれのリソース数はN/3である。
【0013】
HSDPAを処理する場合、DPCCH用逆拡散処理回路14AとHS-DPCCH用逆拡散処理回路14Bとが用いられる。このとき、一つのUEに固有のスクランブリングコードが与えられているため、一つの移動機UE(すなわちユーザ)に対して、DPCCH用逆拡散処理回路14AとHS-DPCCH用逆拡散処理回路14Bは共通のスクランブリングコードを使用する。
【0014】
また、HSUPAを処理する場合、DPCCH用逆拡散処理回路14AとE-DPCCH用逆拡散処理回路14Cとが用いられる。上述したように、一つのUEに対して一つのスクランブリングコードが与えられているため、DPCCH用逆拡散処理回路14AとE-DPCCH用逆拡散処理回路14Cは、一つの移動機UE(すなわちユーザ)に対して共通のスクランブリングコードを使用する。
【0015】
さらに、HSDPAとHSUPAの両方を処理する場合、DPCCH用逆拡散処理回路14AとHS-DPCCH用逆拡散処理回路14BとE-DPCCH用逆拡散処理回路14Cの全てが用いられる。そして、DPCCH用逆拡散処理回路14AとHS-DPCCH用逆拡散処理回路14BとE-DPCCH用逆拡散処理回路14Cは、一つの移動機UE(すなわちユーザ)に対して共通のスクランブリングコードを使用する。
【0016】
すなわち、N/3リソース数分処理する各逆拡散処理回路14A、14B及び14Cに対して、N/3個の共通のスクランブリングコードを生成する一つのスクランブリングコード生成回路18を設ければよく、図1に例示するように、スクランブリング生成回路18は、各逆拡散処理回路14の処理に同期して、各逆拡散処理回路14のリソース数(N/3=64)と同じ数のスクランブリングコードを時分割で出力する。
【0017】
なお、チャネライゼイションコード生成回路の図示は省略されているが、実際は、チャネライゼイションコードとスクランブリングコードが多重されて各逆拡散処理回路に供給される。チャネライゼイションコード生成回路は、制御チャネルの種類毎に設けられている。
【0018】
下記特許文献1は、レイク合成におけるフィンガ割当用パステーブルを各チャネルの特性に合わせて別々に設定し、各チャネルで独立にフィンガ割当を行って、レイク合成を行い、受信された無線信号を復調する無線受信装置について開示している。
【特許文献1】特開2005−130246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記図1の構成において、HSDPAとHSUPAの両方を処理する場合は、すべての逆拡散処理回路14A、14B、14Cが用いられるが、HSDPA処理時は、E-DPCCH用逆拡散処理回路14Cが用いられず、HSUPA処理時は、HS-DPCCH用逆拡散処理回路14Bが用いられないこととなり、用いられない逆拡散処理回路のリソース数分の処理能力が無駄となり、逆拡散処理回路の使用効率が低くなる。
【0020】
そこで、本発明の目的は、HSDPA処理時又はHSUPA処理時においても、効率的に逆拡散処理回路を使用して逆拡散処理を行う無線基地局装置及びその逆拡散処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するための本発明の無線基地局装置の第1の構成は、受信信号を逆拡散処理して復調する無線基地局装置において、第1の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第1の逆拡散処理回路と、第2の制御チャネルの信号又は第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第2の逆拡散処理回路と、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することができる第3の逆拡散処理回路と、前記第1の逆拡散処理回路及び前記第2の逆拡散処理回路に共通のスクランブリングコードを供給する第1のスクランブリングコード生成回路と、前記第3の逆拡散処理回路に前記第1のスクランブリングコード生成回路が生成するスクランブリングコードと異なるスクランブリングコードを供給する第2のスクランブリングコード生成回路とを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の無線基地局装置の第2の構成は、上記第1の構成において、前記第1のチャネルの信号及び前記第2のチャネルの信号を受信する場合、前記第2の逆拡散処理回路は、前記第2の制御チャネルの信号を逆拡散処理し、前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号を逆拡散処理することを特徴とする。
【0023】
本発明の無線基地局装置の第3の構成は、上記第2の構成において、前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号を時分割で処理し、前記第3の逆拡散処理回路が前記第1の制御チャネルの信号を処理している間、前記第1の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給され、前記第2の制御チャネルの信号を処理している間、前記第2の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給されることを特徴とする。
【0024】
本発明の無線基地局装置の第4の構成は、上記第2の構成において、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を受信する場合、前記第2の逆拡散処理回路は、前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理し、前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することを特徴とする。
【0025】
本発明の無線基地局装置の第5の構成は、上記第4の構成において、前記第3の逆拡散処理回路は、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を時分割で処理し、前記第3の逆拡散処理回路が前記第1の制御チャネルの信号を処理している間、前記第1の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給され、前記第3の制御チャネルの信号を処理している間、前記第3の制御チャネルに対応するチャネライゼイションコードが前記第3の逆拡散処理回路に供給されることを特徴とする。
【0026】
本発明の無線基地局装置の第6の構成は、上記第4の構成において、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を受信する場合、前記第2の逆拡散処理回路は、前記第2の制御チャネルの信号を逆拡散処理し、前記第3の逆拡散処理回路は、前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することを特徴とする。
【0027】
本発明の無線基地局装置の第7の構成は、上記第6の構成において、前記第2のスクランブリングコード生成回路は、前記第1のスクランブリングコード生成回路が供給するスクランブリングコードと同一のスクランブリングコードを前記第3の逆拡散回路に供給することを特徴とする。
【0028】
本発明の無線基地局装置の第8の構成は、上記第1乃至第7の構成のいずれかにおいて、前記第1の制御チャネルはDPCCHであり、前記第2の制御チャネルは、HS−DPCCHであり、前記第3の制御チャネルはE−DPCCHであり、HSDPA処理の場合、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネルの信号を受信し、HSUPA処理の場合、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を受信し、HSDPA及びHSUPAの両方を処理する場合、前記第1の制御チャネルの信号及び前記第2の制御チャネル及び前記第3の制御チャネルの信号を受信することを特徴とする。
【0029】
本発明の逆拡散処理装置は、受信された無線信号を逆拡散処理する逆拡散処理装置において、第1の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第1の逆拡散処理回路と、第2の制御チャネルの信号又は第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理する第2の逆拡散処理回路と、 前記第1の制御チャネルの信号、前記第2の制御チャネルの信号及び前記第3の制御チャネルの信号を逆拡散処理することができる第3の逆拡散処理回路と、前記第1の逆拡散処理回路及び前記第2の逆拡散処理回路に共通のスクランブリングコードを供給する第1のスクランブリングコード生成回路と、前記第3の逆拡散処理回路に前記第1のスクランブリングコード生成回路が生成するスクランブリングコードと異なるスクランブリングコードを供給する第2のスクランブリングコード生成回路とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、第3の逆拡散処理回路に別のスクランブリングコード生成回路からスクランブリングコードを供給可能に構成することで、第1乃至第3の逆拡散処理回路すべてを制御チャネルの逆拡散処理のために動作させることができ、処理効率が向上する。
【0031】
特に、(1)第1の制御チャネル(DPCCH)及び第2の制御チャネル(HS−DPCCH)の信号を受信し、第3の制御チャネル(E−DPCCH)の信号を受信しない場合、又は(2)第1の制御チャネル(DPCCH)及び第3の制御チャネル(E−DPCCH)の信号を受信し、第2の制御チャネル(HS−DPCCH)の信号を受信しない場合であっても、第1乃至第3の逆拡散処理回路すべてのリソース数が使用されるので、処理効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0033】
図3は、本発明の実施の形態における無線基地局装置の逆拡散処理部10の構成を示す図である。図1と同様に、無線基地局装置の逆拡散処理部10は複数(図3では3個)の逆拡散処理回路14A、14B、14Cを備え、インプットバッファ12から各逆拡散処理回路14に受信データが供給される。各逆拡散処理回路14により逆拡散処理された信号は、それぞれ各逆拡散処理回路14に対応する複数のアウトプットバッファ16に一時格納されて、出力される。
【0034】
図1と比較して、本発明に特徴的な構成は、スクランブリングコード生成回路18は、逆拡散処理回路14A及び14Bに共通のスクランブリングコードを供給し、逆拡散回路14Cには、別のスクランブリングコード生成回路19がスクランブリングコードを供給する。後述するように、別のスクランブリングコード生成回路19が供給するスクランブリングコードは、スクランブリングコード生成回路18が供給するスクランブリングコードと同一の場合もあるし、別の場合もある。
【0035】
スクランブリングコード生成回路18の出力するスクランブリングコードと別のスクランブリングコードを出力することができる別のスクランブリングコード生成回路19を新たに設けることで、以下に説明するように、HSDPA単独処理時又はHSUPA単独処理時においても、効率的に逆拡散処理回路を使用することができるようになる。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態における逆拡散処理回路のチャネル割当を説明する図である。本発明の実施の形態では、逆拡散処理回路14Aは、DPCCH処理専用に使用され、逆拡散処理回路14BはHS-DPCCH又はE-DPCCH処理用に使用され、逆拡散処理回路14CはDPCCH又はHS-DPCCH又はE-DPCCH用(すなわち全チャネル)処理用に使用される。
【0037】
逆拡散処理回路14Aには、DPCCHに対応するチャネライゼイションコードのみが供給され(実際は、スクランブリングコードと多重されて供給される、以下同じ)、これにより、逆拡散処理回路14AをDPCCH処理専用回路とすることができる。
【0038】
逆拡散処理回路14Bには、HS-DPCCHに対応するチャネライゼイションコード又はE-DPCCHに対応するチャネライゼイションコードが供給され、これにより、逆拡散処理回路14BをHS-DPCCH処理回路又はE-DPCCH処理回路とすることができる。
【0039】
逆拡散処理回路14Cには、DPCCHに対応するチャネライゼイションコード又はHS-DPCCHに対応するチャネライゼイションコード又はE-DPCCHに対応するチャネライゼイションコードが供給され、これにより、逆拡散処理回路14CをDPCCH処理回路又はHS-DPCCH処理回路又はE-DPCCH処理回路のいずれにもすることができる。すなわち、全制御チャネル用の逆拡散処理回路となる。
【0040】
また、逆拡散処理部10の処理可能リソース数がNの場合、リソース数Nは制御チャネル毎の逆拡散処理回路14A、14B及び14Cに均等に割り当てられ、それぞれのリソース数はN/3である。
【0041】
図5は、HSDPA単独処理時における制御チャネル割当を示す図である。HSDPA単独処理時においては、各逆拡散処理回路14A、14B及び14Cは、以下のように使用される。逆拡散処理回路14AはDPCCH処理専用なので、HSDPAに必要な制御チャネルであるDPCCHを処理する。逆拡散処理回路14Bは、HSDPAに必要なもう一つの制御チャネルHS-DPCCHを処理する。このとき、逆拡散処理回路14Aと14Bには、スクランブリングコード生成回路18から共通のスクランブリングコードが供給される。
【0042】
一方、逆拡散処理回路14Cは、DPCCHとHS-DPCCHの両方を処理するように動作する。具体的には、時分割処理される64(N/3)リソース数のうち、32(N/6)リソース数をDPCCH処理、残りの32(N/6)リソース数をHS-DPCCH処理に用いる。そのために、64リソース処理中に、チャネライゼイションコードが切り替えられる。また、このとき、逆拡散処理回路14Cには、別のスクランブリングコード生成回路19からスクランブリングコードが供給される。別のスクランブリングコード生成回路19から供給されるスクランブリングコードは、スクランブリングコード生成回路18が生成するスクランブリングコードとは別のコードである。言い換えると、スクランブリングコード生成回路18の生成するスクランブリングコードと別のコードを生成するために、別のスクランブリングコード生成回路19が設けられる。
【0043】
従来では、HSDPA単独処理時において、逆拡散処理回路14Cが用いられず、そのリソース数が無駄となっていたが、本発明の実施の形態では、逆拡散処理回路14Cが、別のスクランブリングコード生成回路19からスクランブリングコード生成回路18の生成するスクランブリングコードと異なるスクランブリングコードが供給され、そのスクランブリングコードに基づいた拡散符号により、DPCCHとHS-DPCCHを逆拡散処理するように動作するので、逆拡散処理回路14Cのリソース数が有効利用され、処理効率が向上する。
【0044】
具体的には、従来、HSDPA処理時の処理リソース数は、逆拡散処理回路14Aと14BによるN/3であったが、本発明の実施の形態では、逆拡散処理回路14Cがリソース数N/3のうちの半分をDPCCH用に使用し、残りの半分をHS-DPCCH用に使用することにより、HSDPAの処理のためにさらにN/6リソース数が用いられることとなり、HSDPA処理時の最大処理リソース数は、以下の表2に示すように、合計でN/2に増大する。
【0045】
【表2】


図6は、HSUPA単独処理時における制御チャネル割当を示す図である。HSUPA単独処理時においては、上述のHSDPA単独処理時におけるHS-DPCCHをE-DPCCHとすることで、HSDPA単独処理とほぼ同様の動作となる。すなわち、HSUPA単独処理時において、逆拡散処理回路14AはDPCCH処理専用なので、HSUPAに必要な制御チャネルであるDPCCHを処理する。逆拡散処理回路14Bは、HSUPAに必要なもう一つの制御チャネルE-DPCCHを処理する。このとき、逆拡散処理回路14Aと14Bには、スクランブリングコード生成回路18から共通のスクランブリングコードが供給される。
【0046】
一方、逆拡散処理回路14Cは、DPCCHとE-DPCCHの両方を処理するように動作する。具体的には、時分割処理される64(N/3)リソース数のうち、32(N/6)リソース数をDPCCH処理、残りの32(N/6)リソース数をE-DPCCH処理に用いる。そのために、64リソース処理中に、チャネライゼイションコードが切り替えられる。また、このとき、逆拡散処理回路14Cには、別のスクランブリングコード生成回路19からスクランブリングコードが供給される。
【0047】
従来では、HSUPA単独処理時において、逆拡散処理回路14Bが用いられず、そのリソース数が無駄となっていたが、本発明の実施の形態では、逆拡散処理回路14BがE-DPCCHを処理し、逆拡散処理回路14Cが、別のスクランブリングコード生成回路19からスクランブリングコード生成回路18の生成するスクランブリングコードと異なるスクランブリングコードが供給され、そのスクランブリングコードに基づいた拡散符号により、DPCCHとE-DPCCHを処理するように動作するので、すべての逆拡散処理回路のリソース数が有効利用され、処理効率が向上する。
【0048】
従来、HSUPA処理時の処理リソース数は、逆拡散処理回路14Aと14CによるN/3であったが、本発明の実施の形態では、逆拡散処理回路14Bのリソース数N/3をE-DPCCHに使用し、逆拡散処理回路14Cがリソース数N/3のうちの半分をDPCCH用に使用し、残りの半分をHS-DPCCH用に使用することにより、HSUPAの処理のためにさらにN/6リソース数が用いられることとなり、上記表2に示すように、HSUPA処理時の最大処理リソース数は、合計でN/2に増大する。
【0049】
図7は、HSDPA及びHSUPAの両方処理時における制御チャネル割当を示す図である。HSDPA及びHSUPAの両方を処理する場合は、従来と同様である。すなわち、逆拡散処理回路14Bは、HSDPAのためのHS-DPCCHを処理し、逆拡散処理回路14Cは、HSUPAのためのE-DPCCHを処理する。別のスクランブリングコード生成回路19は、スクランブリングコード生成回路18の生成するスクランブリングコードと同一のスクランブリングコードを生成し、逆拡散処理回路14Cに供給する。この場合、すべての逆拡散処理回路のリソース数が利用されており、上記表2に示すように、最大処理リソース数はN/3のままである。
【0050】
上記本発明の実施の形態では、W-CDMAにおけるHSDPA及びHSUPAに用いられる制御チャネルを処理する逆拡散処理回路及びそれを有する無線基地局装置について説明したが、他の通信方式における別の制御チャネルを処理する回路及び無線基地局装置に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】無線基地局装置における従来の制御チャネルの逆拡散処理部の構成を示す図である。
【図2】従来の逆拡散処理回路におけるチャネル割当を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態における無線基地局装置の逆拡散処理部の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における逆拡散処理回路のチャネル割当を説明する図である。
【図5】HSDPA単独処理時における制御チャネル割当を示す図である。
【図6】HSUPA単独処理時における制御チャネル割当を示す図である。
【図7】HSDPAとHSUPAの両方処理時における制御チャネル割当を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10:逆拡散処理部、12:インプットバッファ、14A、14B、14C:逆拡散処理回路、16A、16B、16C:アウトプットバッファ、18:スクランブリングコード生成回路、19:別のスクランブリングコード生成回路
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳

【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二

【識別番号】100106356
【弁理士】
【氏名又は名称】松枝 浩一郎


【公開番号】 特開2008−35139(P2008−35139A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205513(P2006−205513)