| 【発明の名称】 |
基地局装置及び基地局装置の輻輳回避方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】巣山 武彦
|
| 【要約】 |
【課題】地震などの災害時には、緊急の連絡や安否確保のために多くのユーザーが一斉に電話をかけるため、回線容量を上回る通信が要求されその結果、輻輳と呼ばれる通信ができない状態が発生する。特に、データ通信においてスロット連結通信を行っている状態では通信に割り当てられるユーザーが最大数を下回った状態であるため特に、音声通信などの回線交換方式の通信に輻輳が発生しやすくなる。
【構成】基地局は常時、加速度センサにより揺れが発生しているかを監視する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 時分割多重通信にて複数のユーザーと通信を行い、前記複数のユーザーに割り当てられる複数のスロットの少なくとも一部を連続して一のユーザーに割り当てるスロット連結通信を行う通信基地局において、 前記通信基地局の環境情報を取得する環境情報取得手段と、 前記通信基地局にかかわる通信の輻輳を回避する輻輳回避手段と、 取得した前記環境情報に応じて前記輻輳回避手段を制御する輻輳回避制御手段と、 を備えたことを特徴とする通信基地局装置。 【請求項2】 前記輻輳回避手段は、取得した前記環境情報に応じて、前記スロット連結通信を解除すること、を特徴とする請求項1に記載の通信基地局装置。 【請求項3】 前記輻輳回避手段は、取得した前記環境情報に応じて、前記スロット連結通信における連続するスロット数を変更すること、を特徴とする請求項1に記載の通信基地局装置。 【請求項4】 前記環境情報取得手段は振動情報を検知する振動センサであることを特徴とする請求項1〜3に記載の通信基地局装置。 【請求項5】 前記輻輳回避手段は、取得した前記振動情報に応じて連続する前記スロット数を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の通信基地局装置。 【請求項6】 時分割多重通信にて複数のユーザーと通信を行い、前記複数のユーザーに割り当てられる複数のスロットの少なくとも一部を連続して一のユーザーに割り当てるスロット連結通信を行う通信基地局における通信の輻輳回避方法であって、 前記通信基地局の環境情報を取得するステップと、 前記通信基地局にかかわる通信の輻輳を回避するステップと、 取得した前記環境情報に応じて前記輻輳を回避するステップを制御する輻輳回避制御ステップと、 を含むことを特徴とする輻輳回避方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、基地局装置及び基地局装置の輻輳を回避する輻輳回避方法に関する。 【背景技術】 【0002】 PHSにおけるデータ通信においては基地局に接続しているユーザーに対し高速通信サービスを提供するためにスロット連結と呼ばれる通信方式を採用している。 【0003】 以下、図を用いてスロット連結通信について説明する。 【0004】 図2はスロット連結をしていない一般的な通信時のスロットを表した図である。通常TDMA方式の通信では時間軸を分割して、回線を割り当てる制御を行っている。 【0005】 この例では時間軸を8スロットに分割して、フレーム毎に繰り返し時分割制御を行っている。この場合、送信スロットと受信スロットの対で、A、B、C、Dの4回線を利用可能である。この状態が基本方式であり、最大回線利用可能な状態である。 【0006】 上記のとおり、近年ではユーザーがより多くの情報伝送するニーズが高まり、スロットを連結することで、より多くの情報を伝送する方式が存在する。図3はスロット連結を行っている通信時のスロットを表した図である。この場合、1ユーザーあたりに割り当てられるスロット数が多くなる代わりに、全体としては利用できる回線数は減少することになる。この例では、回線Aは基本方式と同一の伝送容量であるが、回線Bは基本方式の約3倍の伝送容量で通信を行うことができる。しかしながら、基本方式では4回線(4ユーザー)を利用可能であるのに対し、2回線(2ユーザー)しか利用することができない。 【0007】 このようにスロット連結状態では、より多くの回線数を確保できない。 【0008】 また、地震などの災害時には、緊急の連絡や安否確保のために多くのユーザーが一斉に電話をかけるため、回線容量を上回る通信が要求されその結果、輻輳と呼ばれる、通信ができない状態が発生する。 【0009】 また、小型軽量で出力の小さいPHS(Personal Handy-phone System)等の基地局装置は、電柱やビルの屋上等に設置されることが多い。そのため、屋内に設置される装置等に比べて、強風や地震等の外的影響を受けやすい状態にあり、障害発生率も高い。 【0010】 従来の基地局装置は、保守診断部を備えている。保守診断部は、基地局装置の内部状態を監視し、障害の発生を検知すると自律復旧を試みる。また、保守診断部は、上位装置である基地局管理装置に障害の発生又は復旧に係る情報を通知する。 【0011】 なお、下記特許文献1には、インターネット接続機能及び電子メール送受信機能を備えた携帯電話機であって、異常事態又は緊急事態を検知する1種類以上の手段を内蔵し、検知した異常事態又は緊急事態の情報を受発信する携帯電話機に係る技術が開示されている。また、下記特許文献2には、基地局が移動局に対して、報知チャネルを介し選択的に発信を禁止する通信規制メッセージを送信することにより、移動局は発信を禁止し、「位置登録」を行わずに規制待ち受けモードに遷移する技術が開示されている。 【特許文献1】特開2005−311995号公報 【特許文献2】特開平8−317471号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 上記のとおり、地震などの災害時には、緊急の連絡や安否確保のために多くのユーザーが一斉に電話をかけるため、回線容量を上回る通信が要求されその結果、輻輳と呼ばれる、通信ができない状態が発生する。特に、データ通信においてスロット連結通信を行っている状態では通信に割り当てられるユーザーが最大数を下回った状態であるため、特に音声通信などの回線交換方式の通信に輻輳が発生しやすくなる。また、データ通信であるパケット通信においても割当可能なスロット数が減っている状態なため送信待ちが多く発生し全体のスループットが大幅に低下する。 【0013】 また、基地局が輻輳回避制御を行う機能を備えておらず自律的にきめ細かな輻輳回避制御をすることはできない。つまり基地局は上位通信網からの輻輳回避制御に関する指示や指令に従い輻輳回避制御を行う。さらに、何らかの通信障害などにより上位通信網から輻輳回避制御指示が来ない場合は、輻輳回避制御に移行できない。 【0014】 本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、基地局自体が収集した地震の揺れ情報を基に、その基地局に合った輻輳回避通信制御を行うことができる基地局装置及び基地局装置の輻輳回避方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0015】 上記目的を達成するために、本発明に係る基地局装置は、時分割多重通信にて複数のユーザーと通信を行い、前記複数のユーザーに割り当てられる複数のスロットの少なくとも一部を連続して一のユーザーに割り当てるスロット連結通信を行う場合において、通信基地局の環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記通信基地局にかかわる通信の輻輳を回避する輻輳回避手段と、取得した前記環境情報に応じて前記輻輳回避手段を制御する輻輳回避制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0016】 また、本発明の一態様では、前記輻輳回避手段は、取得した前記環境情報に応じて、前記スロット連結通信を解除することを特徴とする。 【0017】 また、本発明の一態様では、前記輻輳回避手段は、取得した前記環境情報に応じて、前記スロット連結通信における連続するスロット数を変更することを特徴とする。 【0018】 さらに、本発明の一態様では、前記環境情報取得手段は振動情報を検知する振動センサであることを特徴とする。 【0019】 また、本発明の一態様では、前記輻輳回避手段は、取得した前記振動情報に応じて連続する前記スロット数を変更することを特徴とする。 【0020】 また、本発明は、時分割多重通信にて複数のユーザーと通信を行い、前記複数のユーザーに割り当てられる複数のスロットの少なくとも一部を連続して一のユーザーに割り当てるスロット連結通信を行う通信基地局における通信の輻輳回避方法であって、通信基地局の環境情報を取得するステップと、前記通信基地局にかかわる通信の輻輳を回避するステップと、取得した前記環境情報に応じて前記輻輳を回避するステップを制御する輻輳回避制御ステップとを含むことを特徴とする輻輳回避方法である。 【発明の効果】 【0021】 本発明における基地局装置及び基地局装置の輻輳回避方法によれば、基地局自身が収集した揺れ情報を基に、その基地局に合った輻輳回避通信制御を行うことができる。また、輻輳が始まる前に、予測的に輻輳回避制御を行うことができる。さらに、上位管理装置からの輻輳回避制御に関する指示が、何らかの通信障害などにより来なくとも、基地局が揺れを観測した場合は自律的に輻輳回避通信制御を行うことができ、回線数確保を行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、基地局装置1の機能ブロック図である。基地局装置1は、外部インターフェース部11、信号処理部12、スロット連結部13、無線部14、回避制御部16、加速度算出部17および加速度センサ18を含んで構成されている。 【0023】 また、図示しない制御部は、運転管理部、無線制御部及び回線制御部を含み、CPU及びメモリ等から構成され基地局装置1全体の運転に係る制御を行う。 【0024】 無線通信部14は、アンテナ15を備え、スロット連結部13と接続され信号処理部12を介して外部インターフェース11と接続されている。無線部14は、アンテナ15で受信される各通信装置2からの信号を受信しスロット連結部13、信号処理部12が処理できる信号に変換する。スロット連結部13は無線部14が受信したスロット連結された信号のスロットを分離し信号処理部12に送り。信号処理部12はスロットを分離された受信信号を復調し、パケットを抽出等した後に、当該パケットを外部インターフェース11に出力する。また、外部インターフェース11から入力される複数のパケットを変調処理し、スロット連結部13に送る。スロット連結部は図示しない制御部に従い通信スロットを適宜連結し無線部14に送る。無線部14はスロット連結部13から受け取った信号をアンテナ15を介して各通信装置2に対して送信する。 【0025】 外部インターフェース11は、ISDN(Integrated Service Digital Network)回線やEthernet(登録商標)等を介して通信ネットワークと接続され、基地局装置1と通信ネットワークを相互に連結している。インターフェース11は、制御部の指示に従って、通信ネットワークから入力されるパケットを信号処理部13に出力する。また、信号処理部13から入力される複数のパケットを通信ネットワークに出力する。 【0026】 保守診断部50は、障害監視部(傾斜通知部)52、アンテナ診断部54、回線診断部56及び傾斜診断部60を含んで構成される。保守診断部50は、基地局装置10の各機能ブロックの動作状態を監視しており、障害の発生を検知すると自律復旧を試みる。また、必要に応じて上位装置である基地局管理装置や基地局管理装置を含むオンラインセンタ等に対して障害の発生又は復旧に係る情報を通知する。障害監視部52は、アンテナ診断部54、回線診断部56及び傾斜診断部60と接続され、各診断部から入力される診断結果を監視し、必要に応じて基地局管理装置等に障害等に係る情報を通知する。アンテナ診断部54は、障害監視部52と接続されるとともに、無線制御部24を介して無線通信部30及びアンテナ32と接続されている。そして、無線通信部30及びアンテナ32の状態を診断するとともに、診断結果を障害監視部52に出力する。回線診断部56は、障害監視部52と接続されるとともに、回線制御部26を介して回線インターフェース40と接続されている。そして、基地局装置10に接続される回線の状態を診断するとともに、診断結果を障害監視部52に出力する。 【0027】 加速度センサ18は、振動情報を検知する振動センサである。加速度算出部17は、加速度センサ18により測定される基地局装置1に加わる重力加速度ベクトルを算出するとともに、算出した重力加速度ベクトルの時間軸との対応を取得する。つまり重力加速度ベクトルの時間方向に変化を取得する。また、取得した重力加速度ベクトルの時間方向の変化のデータは図示しない記憶部に記憶される。加速度センサ18は、基地局装置1に固定されており、基地局装置1に加わる加速度を測定する。加速度センサ18は、取り付けられた物体に加わる加速度の大きさを測定するセンサであり、具体的には、重力加速度の大きさ及び方向(重力加速度ベクトル)を測定し、加速度センサ18を基準とした座標系における重力加速度ベクトルのx,y,z方向成分を取得する。本実施の形態では、加速度センサ18により測定される重力加速度ベクトルの各成分を、基地局装置1に加わる加速度として用いている。ここで、基地局装置が地震等で揺れた場合、加速度算出部17が取得する加速度は、加速度センサ18が所定サンプリング周期で測定する値の平均値であってもよい。こうすれば、加速度センサ18による重力加速度ベクトルに係る測定値のばらつきが軽減され、測定精度が向上するようになる。 【0028】 回避制御部16は、加速度算出部17が算出した重力加速度ベクトルに基づいて輻輳回避に関する制御を行う。図4を用いて回避制御部16の動作を説明する。 【0029】 加速度センサ18が取得し加速度算出部17が算出した重力加速度ベクトルの情報は下記の2つの情報に整理される。aは震度情報であり、bは揺れ時間である。 【0030】 a震度:揺れの最大加速度を示す。任意の震度を超えた場合にフラグを立てる。 【0031】 b揺れ時間:任意の加速度以上の加速度を、検出し続けていた時間を示す。任意の揺れ時間を超えた場合フラグを立てる。 【0032】 図4は回避通信制御の対処レベルを示し、この図において黒い丸で示した部分はフラグが立っていることを示している。 【0033】 さらに、図示しない制御部は重力加速度ベクトルに基づき基地局が備える非常電源の自己診断処理を行う。この自己診断結果は図示しない記憶部に記憶され、回避制御部16が参照することができる。回避制御部16は、図4に記載されている震度、揺れ時間および自己診断結果の関係に基づき基地局に最適な輻輳回避通信制御を行う。たとえば、少人数大容量通信制御から多人数小容量通信優先(回線数確保優先)制御に変更することで地震などの災害時に回線確保を行う。たとえば、震度が所定震度より大きく、かつ揺れ時間が所定より長かった場合には非常電源の自己診断結果にかかわらずスロット連結は不可である。また、震度が所定震度より大きく、かつ揺れ時間が所定より短かった場合には非常電源の自己診断結果が「電圧低下」時にはスロット連結は不可であるが、非常電源の自己診断結果が「正常」であるならスロット連結は2連結までなら許可される。 【0034】 また、輻輳回避通信制御の解除については、所定の時間経過後に、回線の利用状況や、上位装置である基地局管理装置からの指示によって解除しても良い。 【0035】 次に、基地局装置1の輻輳回避動作を、図5のフローチャートに基づいて説明する。 まず、基地局は設置されて通常運用が行われる(S10)。地震などの揺れが発生すると加速度算出部17が算出している基地局にかかる重力加速度ベクトルを規定の値以上かどうか判断する(S20)。規定以上でなければ通常運用に戻る。規定以上の場合は回避制御部16が輻輳回避制御を開始する(S30)。このさい、震度、揺れ時間に応じてフラグを立てる。さらに基地局の非常用電源の自己診断を実行し、正常か電圧が低下しているか記憶部に記憶する(S40)。続いて図4をもちいて回避通信制御の対処レベルを決定する(S50)。そして、決定した対処レベルに応じてスロット連結数を変更する(S60)。続いてスロット連結数の変更が完了したか確認する(S70)。完了していなければS60に戻る。完了していれば輻輳回避制御を維持する動作を行う。(S80)。そして、あらかじめ決められた輻輳回避制御時間が経過したかどうか確認する。経過していれば通常の運用モードに復帰する(S110)。時間が経過していない場合でも上位の管理装置から輻輳回避制御を解除する指示があれば同様に動揺に通常の運用モードに復帰する(S110)。解除指示がなければ輻輳回避制御を維持する動作を行う。 【0036】 以上に述べた基地局装置及び基地局装置の輻輳回避方法によれば、基地局自身が収集した揺れ情報を基に、その基地局に合った輻輳回避通信制御を行うことができる。また、輻輳が始まる前に、予測的に輻輳回避制御を行うことができる。さらに、上位管理装置からの輻輳回避制御に関する指示が、何らかの通信障害などにより来なくとも、基地局が揺れを観測した場合は自律的に輻輳回避通信制御を行うことができ、回線数確保を行うことができる。 【0037】 なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、輻輳回避制御を維持する時間は回避通信制御の対処レベルに応じて決めてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0038】 【図1】本発明の実施の形態に係る基地局装置の機能ブロック図である。 【図2】スロット連結をしていない一般的な通信時のスロットを表した図である。 【図3】スロット連結を行っている通信時のスロットを表した図である。 【図4】回避通信制御の対処レベルを示した図である。 【図5】基地局装置の輻輳回避制御にかかる動作を示すフローチャートである。 【符号の説明】 【0039】 1 基地局装置、2 外部の通信装置、11 外部I/F部、12 信号処理部、13 スロット連結部、14 無線部、15 アンテナ、 16 回避制御部、17 加速度算出部、18 加速度センサ。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年7月27日(2006.7.27) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2008−35093(P2008−35093A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−205045(P2006−205045) |
|