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【発明の名称】 移動局装置、無線基地局装置及び無線通信システム
【発明者】 【氏名】宇式 一雅

【氏名】深沢 光規

【要約】 【課題】広域インフラ通信エリア内に在圏する移動局に干渉を発生させないように狭域アドホック通信リソースが確保することを目的とする。

【構成】広域インフラ通信リソースを用いて複数の移動局装置と広域インフラ無線通信を行う無線基地局装置、及び無線基地局装置と通信しない場合は複数の移動局装置によって共有された狭域アドホック通信リソースを用いて他の移動局装置と狭域アドホック無線通信を行う移動局装置で構成され、無線基地局装置は自無線基地局装置と通信可能な移動局装置に対して狭域アドホック通信リソースを割り当て、移動局装置は無線基地局装置から割り当てられた狭域アドホック通信リソースを用いて他の移動局装置と狭域アドホック通信を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信する移動局装置において、
他の移動局装置と直接通信可能となる第1のリソースと無線基地局装置と通信可能となる第2のリソースとを示すリソース情報に基づいて、他の移動局装置と通信する第1のリソースを設定し、無線基地局装置と通信可能となる第2のリソースも設定する無線部を有する移動局装置。
【請求項2】
移動局装置と通信できるエリアを有する無線基地局装置において、
移動局装置が該エリア内に入ると無線基地局装置との通信可能となる第1のリソースを割り当てると同時に、他の移動局と直接通信可能な第2のリソースを割り当てる割り当て管理部と、
該移動局装置に割り当てるべき該第1のリソースと第2のリソースとのリソース情報を通知する通知部とを有することを特徴とする無線基地局装置。
【請求項3】
広域インフラ通信リソースを用いて複数の移動局装置と広域インフラ無線通信を行う無線基地局装置、および前記の無線基地局装置と通信しない場合は複数の移動局装置によって共有された狭域アドホック通信リソースを用いて他の移動局装置と狭域アドホック無線通信を行う移動局装置で構成され、当該無線基地局装置は自無線基地局装置と通信可能な移動局装置に対して狭域アドホック通信リソースを割り当て、前記の移動局装置は当該無線基地局装置から割り当てられた狭域アドホック通信リソースを用いて他の移動局装置と狭域アドホック通信を行うことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の無線基地局装置は、移動局装置が自無線基地局装置との通信を開始する際に空き状態にある狭域アドホック通信リソースを割り当てると共に、移動局装置が自無線基地局装置との通信を終了する際にそれまで割り当てていた狭域アドホック通信リソースを解放することを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
請求項3に記載の無線基地局装置は、自無線基地局装置の広域インフラ通信エリアをいくつかの小エリアに分割し、当該小エリア毎に前記の狭域アドホック通信リソースを管理することを特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の小エリアは、移動局装置の狭域アドホック無線通信の通信距離、あるいはエリアに収容する移動局装置の台数、あるいは狭域アドホック通信リソース容量に基づいて決められることを特徴とする無線通信システム。
【請求項7】
請求項3に記載の無線基地局装置は、自無線基地局装置の広域通信エリアに在圏する移動局装置から定期的に各移動局装置の位置情報を収集し、収集された各移動局装置の位置、各移動局装置に割り当てた狭域アドホック無線通信リソース、狭域アドホック無線通信の通信距離に鑑みて、複数の移動局装置が行う狭域アドホック無線通信が干渉を発生する恐れがあるか否かを判定し、干渉を発生する恐れがあると判断された場合には干渉が発生しないように狭域アドホック無線通信リソースを再度割り当てることを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
請求項3に記載の無線基地局装置は、自無線基地局装置の広域通信エリアに在圏する移動局装置から狭域アドホック無線通信において干渉が発生した旨を示す通知を受けたとき、その干渉をなくすように狭域アドホック無線通信リソースを再度割り当てることを特徴とする無線通信システム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局装置、および無線基地局装置に関し、より詳しくは無線基地局を介して広域な通信を行うと共に複数の移動局装置が直接通信を行う移動局装置、移動局装置同士の通信に使用するリソースを管理する無線基地局、移動局装置及び無線基地局からなる無線通信システムに関する。
【0002】
なお、以下の説明では、移動局装置および無線基地局装置を簡明化のために単に移動局および基地局と記す。
【背景技術】
【0003】
一般的な無線LAN (Local Area Network)技術をベースとした移動局同士が基地局などの中央制御装置を介さず直接通信を行う狭域アドホック通信では、移動局が使用する通信リソースを管理し、各移動局に対してそれら通信リソースを割り当てる基地局が存在しないため、共有された通信リソースを移動局同士で自律分散的に競合しながら通信を行う。このような狭域アドホック通信システムについては、下記の非特許文献1に記載されている。
【0004】
また、各移動局が周囲に存在する移動局の通信タイミング情報を交換し、各移動局の通信タイミングを自律分散的にずらす(使用する通信リソースを自律分散的に選択することに等しい)ことによって干渉を避けるような狭域アドホック通信システムについて、下記の非特許文献2に記載されている。
【非特許文献1】ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition
【非特許文献2】F. Borgonovo他、"ADHOC MAC: New MAC Architecture for Ad Hoc Networks Providing Efficient and Reliable Point-to-Point and Broadcast Services", Wireless Networks 10, 359-366, 2004, Kluwer Academic Publishers, Netherlands
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の狭域アドホック通信システムでは、複数の移動局によって共有された通信リソースにアクセスする際に競合が発生するため、各移動局が占有可能な通信リソースの確保が保証されない。このため、複数の移動局が意図せず同時に通信を行ってしまうことによる干渉が発生し、狭域アドホック通信の通信品質が低くなっていた。さらに、この問題は狭域アドホック通信を行う移動局の数が増えるにつれて、顕著となっていた。
また、狭域アドホック通信の通信リソースを管理するための専用の基地局を配備しようとすると、狭域アドホック通信の通信距離が短いため、膨大な数の基地局を配備する必要が生じ、大きなコストがかかってしまう。
【0006】
さらに、移動局が周囲の移動局の通信タイミング情報を交換し、各移動局が自律分散的に使用する通信タイミングをずらすことによって干渉を低減させる技術も考案されているが、多くの移動局が高速に移動する環境下での干渉の低減効果については十分な検証がなされていない。
【0007】
本発明は、広域インフラ通信エリア内に在圏する移動局に干渉を発生させないように狭域アドホック通信リソースが確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記の課題を解決するために、第1の発明として、無線通信する移動局装置において、他の移動局装置と直接通信可能となる第1のリソースと無線基地局装置と通信可能となる第2のリソースと示すリソース情報に基づいて、他の移動局装置と通信する第1のリソースを設定し、無線基地局装置と通信可能となる第2のリソースも設定する無線部を有することを特徴とする。
【0009】
第2の発明として、移動局装置と通信できるエリアを有する無線基地局装置において、
移動局装置が該エリア内に入ると無線基地局装置との通信可能となる第1のリソースを割り当てると同時に、他の移動局と直接通信可能な第2のリソースを割り当てる割り当て管理部と、該移動局装置に割り当てるべき該第1のリソースと第2のリソースとのリソース情報を通知する通知部とを有することを特徴とする。
【0010】
第3の発明として、広域インフラ通信リソースを用いて複数の移動局装置と広域インフラ無線通信を行う無線基地局装置、および前記の無線基地局装置と通信しない場合は複数の移動局装置によって共有された狭域アドホック通信リソースを用いて他の移動局装置と狭域アドホック無線通信を行う移動局装置で構成され、当該無線基地局装置は自無線基地局装置と通信可能な移動局装置に対して狭域アドホック通信リソースを割り当て、前記の移動局装置は当該無線基地局装置から割り当てられた狭域アドホック通信リソースを用いて他の移動局装置と狭域アドホック通信を行うことを特徴とする。
【0011】
第4の発明として、第3の発明に記載の無線基地局装置は、移動局装置が自無線基地局装置との通信を開始する際に空き状態にある狭域アドホック通信リソースを割り当てると共に、移動局装置が自無線基地局装置との通信を終了する際にそれまで割り当てていた狭域アドホック通信リソースを解放することを特徴とする。
【0012】
第5の発明として、第3の発明に記載の無線基地局装置は、自無線基地局装置の広域インフラ通信エリアをいくつかの小エリアに分割し、当該小エリア毎に前記の狭域アドホック通信リソースを管理することを特徴とする。
【0013】
第6の発明として、第5の発明に記載の小エリアは、移動局装置の狭域アドホック無線通信の通信距離、あるいはエリアに収容する移動局装置の台数、あるいは狭域アドホック通信リソース容量に基づいて決められることを特徴とする。
【0014】
第7の発明として、第3の発明に記載の無線基地局装置は、自無線基地局装置の広域通信エリアに在圏する移動局装置から定期的に各移動局装置の位置情報を収集し、収集された各移動局装置の位置、各移動局装置に割り当てた狭域アドホック無線通信リソース、狭域アドホック無線通信の通信距離に鑑みて、複数の移動局装置が行う狭域アドホック無線通信が干渉を発生する恐れがあるか否かを判定し、干渉を発生する恐れがあると判断された場合には干渉が発生しないように狭域アドホック無線通信リソースを再度割り当てることを特徴とする。
【0015】
第8の発明として、第3の発明に記載の無線基地局装置は、自無線基地局装置の広域通信エリアに在圏する移動局装置から狭域アドホック無線通信において干渉が発生した旨を示す通知を受けたとき、その干渉をなくすように狭域アドホック無線通信リソースを再度割り当てることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、広域インフラ通信エリア内に在圏する移動局に干渉を発生させないように狭域アドホック通信リソースが確保されるため、無線リソースの有効利用が図られると同時に高信頼な狭域アドホック通信が可能となる。
また、広域インフラ通信用基地局で狭域アドホック通信リソースの割当制御を行うことで、広域にわたって狭域アドホック通信を制御することができる。このため、狭域アドホック通信を制御するために専用の基地局を配置する方法と比較すると、大幅なコスト削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の基本構成および動作概要を示す。
基地局1-1は移動局と通信可能な広域通信エリア1-2を持つ。広域通信エリア1-2に在圏しない移動局1-3および1-4は移動局間で共有された狭域通信リソースを競合しつつ、狭域アドホック通信1-31および1-41を行う。
移動局1-3および1-4が広域通信エリア1-2内のそれぞれ1-5および1-6の位置に移動すると、移動局1-5および1-6は基地局1-1と広域インフラ通信1-52および1-62を開始し、広域インフラ通信に使用されるリソースである広域通信リソースを割り当ててもらう。このとき基地局1-1は同時に、広域通信エリア内で干渉せず、移動局が占有可能な狭域通信リソースを移動局1-5および1-6に割り当てる。移動局1-5および1-6は、広域インフラ通信1-52および1-62を行いつつ、基地局1-1から割り当てられた狭域通信リソースを用いて狭域アドホック通信1-51および1-61を行う。
基地局は図2に示されるように、通信処理部2-1、狭域通信リソース管理部2-2、広域通信リソース管理部2-3、アンテナ2-4を備える。通信処理部2-1は、アンテナ2-4を経由して移動局から受信した信号を分析し、移動局との通信に必要な処理を行った後、アンテナ2-4を経由して移動局に情報を送信する。狭域通信リソース管理部2-2は、狭域アドホック通信を行うためのリソースである狭域通信リソースの空塞管理を行い、通信処理部2-1からの要求にしたがい、狭域通信リソースの割当および解放処理を行う。広域通信リソース管理部2-3は、広域インフラ通信を行うためのリソースである広域通信リソースの空塞管理を行い、通信処理部2-1からの要求にしたがい、広域通信リソースの割当および解放処理を行う。アンテナ2-4は移動局との間の無線信号の送受機能を持つ。図2には記載していないが、通信処理部2-1は他の基地局の通信処理部、様々な情報を保有するサーバ装置などと接続されても良い。
【0018】
移動局は、図3に示されるように、広域通信処理部3-1、広域通信アンテナ3-2、狭域通信処理部3-3、狭域通信アンテナ3-4、測位処理部3-5を備える。広域通信処理部3-1は、基地局と広域通信アンテナ3-2を介して広域インフラ通信を行い、基地局から割り当てられた狭域通信リソースに関わる情報を狭域通信処理部3-3に通知する。狭域通信処理部3-3は狭域通信アンテナ3-4を介して他の移動局と狭域アドホック通信を行う。狭域通信処理部3-3は、自移動局が広域通信エリアに在圏しないときは他の移動局と狭域通信リソースを競合しながら自律的に狭域アドホック通信を行い、自移動局が広域通信エリアに在圏するときは広域通信処理部3-1から通知された狭域通信リソースを用いて狭域アドホック通信を行う。測位処理部3-5は、GPS (Global Positioning System)等の測位機能を持ち、自移動局の位置を測定する。なお、図3においては、広域通信アンテナ3-2および狭域通信アンテナ3-3を個別に記載しているが、広域通信と狭域通信で同じ無線周波数帯を使用して通信している等の理由により両者のアンテナを1つにできる場合には、広域通信処理部3-1および狭域通信処理部3-3が1つのアンテナを共有しても良い。
【0019】
図4は基地局が移動局から接続要求を受信したときの処理手順を示す。基地局の通信処理部が移動局から接続要求を受信する(ステップ4-2)。広域通信リソース管理部に広域通信リソースの割り当てを要求する(ステップ4-3)。狭域通信リソース管理部に狭域通信リソースの割り当てを要求する(ステップ4-4)。前記の処理が完了すると、通信処理部は移動局に接続応答を送信する(ステップ4-5)。
【0020】
図5は基地局が移動局から切断要求を受信したときの処理手順を示す。基地局の通信処理部が移動局から切断要求を受信する(ステップ5-2)。広域通信リソース管理部に広域通信リソースの解放を要求する(ステップ5-3)。狭域通信リソース管理部に狭域通信リソースの解放を要求する(ステップ5-4)。前記の処理が完了すると、通信処理部は移動局に切断応答を送信する(ステップ5-5)。
【0021】
図6は基地局が移動局から位置情報通知を受信したときの処理手順を示す。基地局の通信処理部が移動局から位置情報通知を受信する(ステップ6-2)。通信処理部は狭域通信リソース管理部に狭域通信リソースの再割当が必要であるか否かを問い合わせる(ステップ6-3)。狭域通信リソース管理部は、移動局に狭域通信リソースの再割当が必要であるか否かを判断し、再割当が必要である場合には、新たな狭域通信リソースを割り当てる(ステップ6-4)。再割当が不要である場合には、ステップ6-5に移る。ステップ6-3において、狭域通信リソースの再割当が必要となる場合としては、後述の図8のように基地局の広域通信エリアが複数の狭域通信リソース管理エリアに区切られており、移動局が異なる狭域通信リソース管理エリアに移動した場合、あるいは後述の図10のように同じ狭域通信リソースが割り当てられていた複数の移動局が移動により接近し、両者の距離が狭域アドホック通信の通信距離に基づいて決められる移動局間距離の閾値を下回り、狭域アドホック通信で干渉が発生する恐れがある場合等がある。通信処理部2-1は位置情報通知応答を送信する(ステップ6-5)。このとき、狭域通信リソースの再割当が必要となった場合には、割り当てられた狭域通信リソースに関する情報が併せて送信される。
【0022】
図7は基地局が移動局から干渉通知を受信したときの処理手順を示す。図2を参照して、図7の処理手順を以下に説明する。
【0023】
基地局の通信処理部2-1が移動局から干渉通知を受信する(ステップ7-2)。通信処理部2-1は狭域通信リソース管理部2-2に狭域通信リソースの再割当を要求し、狭域通信リソース管理部2-2は干渉が発生していた移動局に新たな狭域通信リソースを割り当てる(ステップ7-3)。通信処理部2-1は干渉が発生していた移動局に狭域通信リソース再割当通知を送信する(ステップ7-4)。通信処理部2-1は狭域通信リソース再割当応答を受信する(ステップ7-5)。通信処理部2-1は干渉通知応答を送信する(ステップ7-6)。
【0024】
図8は移動局の処理手順を示す。図3を参照して、図8の処理手順を以下に説明する。
【0025】
移動局が広域通信エリア外に在圏する場合、狭域通信処理部3-3は自律分散的な狭域通信リソースの競合による狭域アドホック通信を行う(ステップ8-2)。広域通信処理部3-1は基地局から送信される電波を監視しており、広域通信エリアに進入したか否かを判断する(ステップ8-3)。この判断は、基地局から受信した電波のレベルがある一定の閾値を超えたか否か、あるいは広域エリアの地図情報と自移動局の位置との関係等に基づいて行われる。広域通信エリアに進入したと判断された場合はステップ8-4に、そうでない場合はステップ8-2に移る。移動局が広域通信エリアに進入すると、広域通信処理部3-1は基地局に接続要求を送信する(ステップ8-4)。広域通信処理部3-1は基地局から接続応答を受信する(ステップ8-5)。広域通信処理部3-1は基地局から割り当てられた広域通信リソースを用いて広域インフラ通信を行うと共に、同じく基地局から割り当てられた狭域通信リソースを狭域通信処理部3-3に通知する。狭域通信処理部は3-3、自律分散的な狭域通信リソースの競合による狭域アドホック通信を止め、基地局から割り当てられた狭域通信リソースを用いて狭域アドホック通信を継続する(ステップ8-6)。狭域通信処理部3-3は狭域アドホック通信において干渉が発生したか否かを判定する(ステップ8-7)。この判断は、基地局が受信した電波信号が正しく復号されたか否か等に基づいて行われる。干渉が発生した場合はステップ8-8、そうでない場合はステップ8-10に移る。広域通信処理部3-1は狭域通信処理部から干渉が発生した旨の通知を受けると、基地局に対して干渉の発生を通知する(ステップ8-8)。広域通信処理部3-1は基地局から干渉通知応答を受信する(ステップ8-9)。広域通信処理部は測位処理部から取得した自移動局の位置情報を定期的に基地局に対して通知する(ステップ8-10)。広域通信処理部3-1は基地局から位置情報通知応答を受信する(ステップ8-11)。広域通信処理部3-1は前ステップで受信した位置情報通知応答を分析し、新たな狭域通信リソースが割り当てられているか否かを判断する(ステップ8-12)。新たな狭域通信リソースが割り当てられていた場合はステップ8-13、そうでない場合はステップ8-14に移る。広域通信処理部3-1は新たに割り当てられた狭域通信リソースに関する情報を狭域通信処理部3-3に通知し、狭域通信処理部3-3はそれまで使用していた狭域通信リソースの使用を止め、新たに割り当てられた狭域通信リソースを用いて狭域通信リソースを継続する(ステップ8-13)。広域通信処理部3-1は基地局から狭域通信リソース再割当通知を受信したか否かを判断する(ステップ8-14)。狭域通信リソース再割当通知を受信した場合にはステップ8-15に、そうでない場合はステップ8-17に移る。広域通信処理部は3-1新たに割り当てられた狭域通信リソースに関する情報を狭域通信処理部3-3に通知し、狭域通信処理部はそれまで使用していた狭域通信リソースの使用を止め、新たに割り当てられた狭域通信リソースを用いて狭域通信リソースを継続する(ステップ8-15)。広域通信処理部3-1は基地局に対して狭域通信リソース再割当応答を送信する(ステップ8-16)。広域通信処理部3-1は広域通信エリアから離脱したか否かを判断する(ステップ8-17)。この判断は、基地局から受信した電波のレベルがある一定の閾値未満に下がったか否か、あるいは広域エリアの地図情報と自移動局の位置との関係等に基づいて行われる。広域通信エリアから離脱したと判断された場合はステップ7-12に、そうでない場合はステップ7-7に移る。広域通信処理部3-1は基地局に対して切断要求を送信する(ステップ8-18)。広域通信処理部3-1は基地局から切断応答を受信したらステップ7-2に移る(ステップ8-19)。
【0026】
図9および図10は本発明の第1の実施形態を示す。
図9は基地局9-1が形成する広域通信エリア8-2、および広域通信エリア9-2の内外に在圏する移動局を示し、図10は基地局9-1が管理している狭域通信リソース管理テーブルを示している。広域通信エリア9-2は、4つの狭域通信リソースの管理エリア、エリア1 (9-3)、エリア2 (9-4)、エリア3 (9-5)、エリア4 (9-6)に分割されており、個々の狭域通信リソースの管理エリアに対して、狭域通信リソース管理テーブル、テーブル1 (10-3)、テーブル2 (10-4)、テーブル3 (10-5)、テーブル4 (10-6)が定義されている。
狭域通信用に無線周波数帯fが使用できるとき、当該無線周波数帯はあるフレーム時間を単位とした狭域通信リソース10-1として管理される。狭域通信リソース10-1はさらに細かいタイムスロット10-2に分割されて管理される。当該タイムスロット10-2が移動局に対する狭域通信リソースの割当単位となる。すなわち、エリア1に在圏する移動局にタイムスロットTS1が割り当てられると、当該移動局は毎フレーム時間においてTS1に該当する時間において狭域アドホック通信を行うことができる。
エリア1、エリア2、エリア3では、フレーム時間の異なる時間帯で狭域アドホック通信が行われるように狭域通信リソース管理テーブルが定義されている。これは狭域アドホック通信の通信距離から鑑みて各エリア間距離が短いため、これらのエリア内で同じタイムスロットを使用して同時に狭域アドホック通信が行われると干渉を発生してしまうためである。
【0027】
これに対してエリア4では、エリア1と同じ時間帯に狭域アドホック通信が行えるように狭域通信リソース管理テーブルが定義されているが、これは狭域アドホック通信の通信距離から鑑みてエリア1とエリア4が十分離れており、それぞれのエリアに在圏する異なる移動局が同時に狭域アドホック通信を行った場合でも干渉が発生しないと判断できるためである。このように狭域通信リソースの管理方法は、基地局9-1を設置する際に運用者によって事前に決められるが、運用状況に応じてその管理方法を適宜変えても良い。
以下、移動局Aが9-7、9-11、9-12、9-13の位置に順次移動した場合の動作について示す。
移動局Aが基地局9-1の広域通信エリア外の9-7にいるとき、移動局A以外には、広域通信エリア外に移動局B (9-8)、エリア2 (9-4)に移動局C (9-9)、エリア4に移動局D (9-10)が在圏する。このとき、移動局Aおよび移動局BはCSMA/CA (Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)等のアクセス方式に基づいて自律分散的に狭域通信リソースを競合しながら狭域アドホック通信9-71および9-81を行う。
【0028】
移動局Cおよび移動局Dは、それぞれ広域インフラ通信9-92および9-102、狭域アドホック通信9-91および9-101を行っており、そのときの狭域通信リソースの割当状態は図10に示す狭域通信リソース管理テーブルによって管理され、移動局CにはタイムスロットTSi、移動局DにはタイムスロットTS1が割り当てられている。
【0029】
移動局Aが9-11の位置に移動すると、移動局Aは基地局の広域通信エリアに進入したこと検知し、広域インフラ通信9-112にて基地局と接続する。このとき、基地局はエリア1において空き状態にあるタイムスロットからTS1を選択し、移動局Aに割り当てる。TS1はエリア4において移動局Dによって既に使用されているが、前記のようにエリア1とエリア4は十分離れているため、同じタイムスロットで狭域アドホック通信を行っても干渉が発生することはない。移動局AはTS1を使って狭域アドホック通信9-111を行う。
移動局Aが9-12の位置に移動すると、基地局9-1は移動局Aから広域インフラ通信9-122を介して通知された位置情報により移動局Aがエリア1からエリア2にエリアを跨って移動してきたことを検出する。このとき基地局9-1はエリア2で空き状態にあるタイムスロットからTSi+1を選択し、移動局Aに再割当を行う。これと同時に移動局Aがエリア1で使用していたタイムスロットTS1を解放する。移動局Aは再度割り当てられたタイムスロットTSi+1を使用して狭域アドホック通信9-121を継続して行う。なお、移動局Aが9-12の位置に移動しても広域インフラ通信9-122を継続して行うが、広域通信リソースの再割当は基本的に不要である。
【0030】
さらに移動局Aが9-13の位置に移動しようとすると、移動局Aが広域通信エリアから離脱することを検出し、広域インフラ通信9-122を介して基地局に切断要求を送信する。すると基地局はそれまで割り当てていた広域通信リソースおよび狭域通信リソースであるタイムスロットTSi+1を解放する。移動局Aは広域通信エリアを離脱すると、再度自律分散的に狭域アドホック通信9-131のみを行う。
【0031】
図11および図12は本発明の第2の実施形態を示す。
図11は基地局11-1が形成する広域通信エリア11-2、および広域通信エリア11-2の内外に在圏する移動局を示し、図12は基地局11-1が管理している狭域通信リソースの管理テーブルを示している。
【0032】
第2の実施形態は、狭域通信リソースの管理エリアが狭域アドホック通信距離を鑑みて定義されていない点で第1の実施形態と異なる。すなわち、基地局はエリア1(11-3)とエリア2(11-4)に在圏する異なる移動局に対して同じタイムスロットを割り当てることが可能であるが、異なる移動局に対して同一のタイムスロットを割り当てた場合、それら移動局間の距離が狭域アドホック通信距離を鑑みて短くなったとき干渉が発生する。
【0033】
移動局Aが11-5、移動局Bが11-6、移動局Cが11-8の位置に在圏したとき、基地局は、移動局Aおよび移動局B間の距離、および狭域アドホック通信距離を鑑みて、両移動局が同時に狭域アドホック通信を行った場合でも干渉は発生しないと判断し、双方の移動局に対して同じタイムスロットTS1を割り当てているものとする。また、移動局CにはタイムスロットTS3を割り当てているものとする。
【0034】
移動局Aが11-7の位置に移動したとき、基地局は移動局Aの位置情報を広域インフラ通信11-72経由で受信すると、移動局Bとの間に干渉が発生する恐れがあると判断し、移動局Aに対して新たなタイムスロットとしてTS2を割り当てる。あるいは、移動局Cが移動局Aおよび移動局Bの間の干渉を検出すると、広域インフラ通信11-82を介して干渉の発生を基地局に通知する。この通知には、干渉が検出されたタイムスロット番号などの情報が含まれる。基地局は干渉が発生した旨の通知を受けると、通知されたタイムスロット番号および狭域通信リソース管理テーブルから干渉が発生している移動局Aおよび移動局Bを特定し、移動局Aに対して新たなタイムスロットTS2を割り当てる。こうすることにより、移動局Aと移動局Bの間の干渉の発生を最小限に抑えることができる。本実施形態では干渉対策として移動局による位置情報通知および干渉検出通知の双方を行うようにしているが、干渉の許容度、ならびに移動局および基地局の処理負荷等を考慮して、いずれか一方の通知のみを行うようにしても良い。なお、その後移動局Aがエリア1からエリア2にエリアを跨って移動した場合でも、エリア2でタイムスロットTS2を割り当てることが可能であり、かつエリア2で当該タイムスロットTS2を使用して狭域アドホック通信を行っている移動局が存在しない場合には、移動局Aは当該タイムスロットTS2を継続して使用することができる。第2の実施形態のようにタイムスロットの管理を行うことで、各エリアで割り当て可能なタイムスロットに柔軟性が増し、各エリアに在圏する移動局の数に偏りが生じた等の場合にも柔軟に対応することができる。さらに、第1の実施形態と同様に干渉を発生させることなく各エリアで優先的に使用できるタイムスロット(以下、優先スロットと記す)を決めておき、通常時はこれら優先タイムスロットから移動局に割り当て、あるエリアに在圏する移動局がこれら優先タイムスロットの数を超えた場合には、第2の実施形態のように干渉を避けつつ他のエリアの優先スロットからタイムスロットを割り当てるようにしても良い。また、基地局は移動局の位置情報のみを収集するようにしていたが、移動局の移動方向、移動速度等の情報も併せて収集し、これらを用いることで干渉が発生する恐れがあるか否かの判断をより確度高く行うようにしても良い。
【0035】
なお、前記の第1および第2の実施形態では、移動局に狭域アドホック通信用のタイムスロットが割り当てられると、当該移動局は毎フレーム時間において当該タイムスロットで狭域アドホック通信を行うようにしていたが、基地局に収容される移動局数が増加した場合には、複数の移動局で同一のタイムスロットを共有し、基地局の制御の下でそれらの移動局の通信タイミングが重ならないようにフレーム時間をずらして狭域アドホック通信を行うようにして、当該基地局に収容される移動局を増やすようにしても良い。また、その反対に広域通信エリアに在圏する移動局数が少ない場合には、移動局に対して1フレーム時間内の複数のタイムスロットを割り当てるようにして、狭域アドホック通信を短い周期で行うようにしても良い。
【0036】
また、前記の実施形態では、狭域アドホック通信に用いる周波数をタイムスロットに分割し、移動局が割り当てられた時間で狭域アドホック通信を行うようにしていたが(時間分割多重方式)、周波数分割多重方式を適用して移動局に異なる周波数を割り当てたり、符号分割多重方式を適用して移動局に異なる符号を割り当てたりしても良い。
【0037】
さらに、広域通信エリアをより小さなエリアに分割して狭域アドホック通信用リソースの管理を行うようにしたが、狭域アドホック通信用リソースが広域通信エリアに収容される移動局数に対して十分に確保できる等の場合には、広域通信エリアを分割せず、ただ1つの狭域通信リソース管理テーブルに基づいて狭域通信リソースを管理しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の基本構成および動作概要を示す図である。
【図2】基地局の構成を示す図である。
【図3】移動局の構成を示す図である。
【図4】基地局の接続処理手順を示す図である。
【図5】基地局の切断処理手順を示す図である。
【図6】基地局の位置情報通知処理手順を示す図である。
【図7】基地局の干渉通知処理手順を示す図である。
【図8】移動局の処理手順を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態における狭域アドホック通信リソース管理テーブ ルを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における狭域アドホック通信リソース管理テー ブルを示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1−1 基地局
1−2 広域通信エリア
1−3 、1−4、1−5、1−6 移動局


【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100108187
【弁理士】
【氏名又は名称】横山 淳一


【公開番号】 特開2008−17318(P2008−17318A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188271(P2006−188271)