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【発明の名称】 車両用通信装置
【発明者】 【氏名】寺前 雄史

【要約】 【課題】災害発生時において、車両から離れた場所にいるユーザーが、当該車両を運転しようとする人物を把握することが可能な車両用通信装置を提供すること。

【構成】ECU15は、動作モードを防災モードに設定した後に車両のドアが開閉されると、救助隊員や第三者が車両に搭乗して運転しようとしていると判断し、通信機10に対して携帯機器19との通信動作を行わせる。これにより、災害発生時において、ユーザーの車両に搭乗して運転しようとする人物がいる場合には、通信機10と携帯機器19とが通信を行うこととなる。そのため、ユーザーが車両から離れた場所にいる場合でも、ユーザーは携帯機器19から当該車両を運転しようとしている人物を把握することができる。すなわち、ユーザーは車両が救助隊員によって運転されようとしているのか、それとも車両が盗難に遭っているのかを確認できるのである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、車両のユーザーが所持する携帯機器と通信を行う車両用通信装置であって、
前記車両用通信装置の動作モードを防災モードに設定する設定手段と、
前記車両への乗員の搭乗を検出する搭乗検出手段と、
車外の機器と通信を行う通信手段と、
前記設定手段によって動作モードが防災モードに設定され、かつ、前記搭乗検出手段が前記車両への乗員の搭乗を検出したことに基づいて、前記通信手段に前記携帯機器との通信を行わせる制御手段とを備えることを特徴とする車両用通信装置。
【請求項2】
前記車両が走行可能か否かを検出する走行検出手段を設け、
前記制御手段は、前記走行検出手段の検出結果から、前記車両が走行不可である場合には、前記通信手段に前記携帯機器との通信を行わせないことを特徴とする請求項1記載の車両用通信装置。
【請求項3】
前記設定手段が前記動作モードを防災モードに設定した時点からの経過時間をカウントする計時手段を設け、
前記制御手段は、前記計時手段の示す経過時間が所定時間に達する前に、前記搭乗検出手段が前記車両への乗員の搭乗を検出した場合には、前記通信手段に前記通信動作を行わせないことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記計時手段の示す経過時間が前記所定時間に達する前に、前記搭乗検出手段が前記車両への乗員の搭乗を検出した場合には、前記計時手段をリセットし、当該時点からの経過時間のカウントを行うことを特徴とする請求項3記載の車両用通信装置。
【請求項5】
前記車両の走行速度を検出する速度検出手段を設け、
前記制御手段は、前記計時手段の示す経過時間が前記所定時間に達する前に、前記速度検出手段の検出結果から、前記車両が走行を開始したと判断される場合には、前記通信手段に前記通信動作を行わせることを特徴とする請求項3または請求項4記載の車両用通信装置。
【請求項6】
前記搭乗検出手段は、前記車両のドアの開閉を検出することにより、前記車両への乗員の搭乗を検出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用通信装置。
【請求項7】
前記携帯機器は、音声入出力機能を有するものであり、
音声の入力および出力を行うための音声入出力手段を設け、
前記制御手段は、前記通信手段に対し、前記通信動作として前記音声入出力手段に入力された音声を前記携帯機器へ送信させるとともに、前記携帯機器から送信される音声を受信させて前記音声入出力手段から出力させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の車両用通信装置。
【請求項8】
表示画像を表示する表示手段を設け、
前記制御手段は、前記通信動作が開始されたことを示す表示画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両用通信装置。
【請求項9】
前記携帯機器は、画像表示機能および撮影機能を有するものであり、
前記車両の乗員を撮影する撮影手段を設け、
前記制御手段は、前記通信手段に対し、前記通信動作として前記撮影手段が撮影した画像を前記携帯機器へ送信させるとともに、前記携帯機器から送信される画像を受信させて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項8記載の車両用通信装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時において、車両から離れた場所にいるユーザーが、当該車両を運転しようとする人物を把握することが可能な車両用通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車中の車両が移動させられたことをユーザーに通知する装置が公知である。例えば、特許文献1の装置では、車両に携帯端末の子機が設置され、ユーザーは携帯端末の親機を所持する。車両に設置された携帯端末の子機は、GPS信号を所定時間毎に受信するとともに、取得したGPS信号から車両の現在位置を算出して順次記憶する。そして、GPS信号から算出された現在位置と車両が駐車された位置との差分値が、予め設定された値を超えた場合には、ユーザーが所持する携帯端末の親機へ向けて、警報信号と最新の車両位置を示すデータとを、公衆回線を介して送信する。
【特許文献1】特開2004−227384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来装置は、地震や洪水等の災害発生時における動作についてまでは考慮していない。災害発生時においては、警察や消防、自衛隊等の救助隊員が救助活動の妨げとなる車両を速やかに移動させる必要があるため、ユーザーは車両が運転できる状態(車両が走行可能な状態)にした後に避難することが推奨される。このような場合、車両は誰でも運転できる状態にあるが、避難したユーザーは車両を運転しようとする人物について把握することはできない。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、災害発生時において、車両から離れた場所にいるユーザーが、当該車両を運転しようとする人物を把握することが可能な車両用通信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用通信システムは、車両に搭載され、車両のユーザーが所持する携帯機器と通信を行う車両用通信装置であって、車両用通信装置の動作モードを防災モードに設定する設定手段と、車両への乗員の搭乗を検出する搭乗検出手段と、車外の機器と通信を行う通信手段と、設定手段によって動作モードが防災モードに設定され、かつ、搭乗検出手段が車両への乗員の搭乗を検出したことに基づいて、通信手段に携帯機器との通信を行わせる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
このように、本発明の車両用通信装置では、制御手段は、設定手段によって動作モードが防災モードに設定され、かつ、搭乗検出手段が車両への乗員の搭乗を検出したことに基づいて、車外の機器と通信を行う通信手段に対し、携帯機器との通信を行わせる。これにより、災害発生時において、ユーザーの車両に搭乗して運転しようとする人物がいる場合には、通信手段とユーザーの所持する携帯機器とが通信を行うこととなる。この通信から、ユーザーは車両から離れた場所にいる場合であっても、当該車両を運転しようとしている人物を把握できる。その結果として、ユーザーは車両が救助隊員によって運転されようとしているのか、それとも車両が盗難に遭っているのかを確認できる。
【0007】
請求項2に記載のように、車両が走行可能か否かを検出する走行検出手段を設け、制御手段は、走行検出手段の検出結果から、車両が走行不可である場合には、通信手段に携帯機器との通信を行わせないことが望ましい。走行検出手段の検出結果から車両が走行不可である場合、動作モードが防災モードであるか否かに関わらず、当該車両は救助隊員や第三者によって運転される可能性はない。このような場合には、通信手段に携帯機器との通信を行わせないようにするのが好ましいのである。
【0008】
請求項3に記載のように、設定手段が動作モードを防災モードに設定した時点からの経過時間をカウントする計時手段を設け、制御手段は、計時手段の示す経過時間が所定時間に達する前に、搭乗検出手段が車両への乗員の搭乗を検出した場合には、通信手段に通信動作を行わせないことが望ましい。動作モードを防災モードに設定した後であっても、しばらくの間は、ユーザーが忘れ物等のために車両に戻って来ることも多い。本発明のようにすることで、ユーザーが忘れ物等のために車両に戻って来た場合に、無駄な通信が行われるのを防止できる。
【0009】
請求項4に記載のように、制御手段は、計時手段の示す経過時間が所定時間に達する前に、搭乗検出手段が車両への乗員の搭乗を検出した場合には、計時手段をリセットし、当該時点からの経過時間のカウントを行うことが望ましい。ユーザーが再度車両に戻って来る場合を考慮するためである。
【0010】
請求項5に記載のように、車両の走行速度を検出する速度検出手段を設け、制御手段は、計時手段の示す経過時間が所定時間に達する前に、速度検出手段の検出結果から、車両が走行を開始したと判断される場合には、通信手段に通信動作を行わせることが望ましい。計時手段の示す経過時間が所定時間に達する前であっても、速度検出手段の検出結果から車両が走行を開始したと判断される場合には、救助隊員や第三者が車両を運転しようとしていると考えられるためである。
【0011】
請求項6に記載のように、搭乗検出手段は、車両のドアの開閉を検出することにより、車両への乗員の搭乗を検出することが望ましい。車両のドアの開閉を検出することで、車両への乗員の搭乗を確実に検出することができる。
【0012】
請求項7に記載のように、携帯機器は、音声入出力機能を有するものであり、音声の入力および出力を行うための音声入出力手段を設け、制御手段は、通信手段に対し、通信動作として音声入出力手段に入力された音声を携帯機器へ送信させるとともに、携帯機器から送信される音声を受信させて音声入出力手段から出力させることが望ましい。これにより、ユーザーは携帯機器を利用して、車両を運転しようとしている救助隊員と通話することができる。また、車両を運転しようとする第三者に対しては、ユーザーとの通話が可能となることに起因する、車両の盗難に対する抑止力を働かせることができる。
【0013】
請求項8に記載のように、表示画像を表示する表示手段を設け、制御手段は、通信動作が開始されたことを示す表示画像を表示手段に表示させることが望ましい。これにより、車両を運転しようとする救助隊員に対しては、ユーザーの所持する携帯機器との通信が開始されたことを把握させることができる。また、車両を運転しようとする第三者に対しては、ユーザーの所持する携帯機器との通信開始を把握させることに起因する、車両の盗難に対する抑止力をより働かせることができる。
【0014】
請求項9に記載のように、携帯機器は、画像表示機能および撮影機能を有するものであり、車両の乗員を撮影する撮影手段を設け、制御手段は、通信手段に対し、通信動作として撮影手段が撮影した画像を携帯機器へ送信させるとともに、携帯機器から送信される画像を受信させて表示手段に表示させることが望ましい。これにより、ユーザーは携帯機器を利用して、車両を運転しようとしている救助隊員を画像から確認できる。また、車両を運転しようとする第三者に対しては、当該第三者の画像が撮影されるとともに、ユーザーの画像が表示手段に表示されることに起因する、車両の盗難に対する抑止力をさらに働かせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施形態における車両用通信装置の全体構成を示すブロック図である。本実施形態の車両用通信装置は、車両に搭載された車両用ナビゲーション装置1に組み込まれて動作し、車両のユーザーが所持する携帯機器19と通信を行うものである。
【0016】
図1において、位置検出器2は、GPS受信機3を備え、GPS受信機3によって受信される位置測定用のGPS信号や、図示しない地磁気センサ、加速度センサ、距離センサ等のセンサ出力から、車両の現在位置および進行方向を検出する。車両の現在位置および進行方向に関しては、ステアリングセンサ等、他のセンサによる検出信号に基づいて検出することとしてもよい。
【0017】
地図データ記憶器4は、例えば記憶媒体としてハードディスクを有し、道路情報、交通規制情報、建造物情報、各地域の住所情報や郵便番号情報等を含む地図データと、地図画像を表示するための地図画像データとを記憶する。地図データおよび地図画像データに関しては、CD−ROMやDVD−ROM等に記憶することとしても良い。
【0018】
ディスプレイ5は、車載用の小型ディスプレイであり、地図画像の表示を含む各種ナビゲーション表示を行う。さらに、ディスプレイ3は、車両用ナビゲーション装置1と携帯機器19とが通信を開始したことを示す通信開始画像を表示したり、前述の通信が終了したことを示す通信終了画像の表示を行う。また、携帯機器19から送信される画像データの示す画像を表示することも行う。前述した各種表示に関しては、車載用のヘッドアップディスプレイ等を用いることとしても良い。なお、ディスプレイ3は表示手段と対応するものである。
【0019】
操作スイッチ6は、複数のメカニカルなスイッチから構成され、車両用ナビゲーション装置1に対して、各種ナビゲーション動作の開始や終了を指示する。前述の各種ナビゲーション指示に関しては、操作キーを表示する表示パネルと、当該表示パネルに表示された操作キーを押したことを検出するタッチパネルを備えたタッチスイッチによって構成しても良い。また、音声認識を利用して行うこととしても良い。
【0020】
リモコン7は、例えば各種機能スイッチを備えた多機能リモコンであり、リモコンセンサ8を介して、前述した操作スイッチ6とほぼ同様の操作を行うことができる。
【0021】
カメラ9は、例えばCMOSカメラであり、車両に搭乗した乗員を撮影して画像データを生成する。前述の撮影に関しては、CCDカメラ等を用いることとしても良い。なお、カメラ9は撮影手段に対応するものである。
【0022】
通信機10は、車載用の小型通信機であり、携帯機器19との間で音声信号や画像データの送受信を行う。前述した音声信号や画像データの送受信に関しては、公衆回線を利用して行うこととしても良い。なお、通信機10は通信手段に対応するものである。
【0023】
キー検出器11は、図示しない車両のキーシリンダに取り付けられたセンサのセンサ出力から、車両のキーがキーシリンダに挿入されているか否か、すなわち、車両が走行可能か否かを検出し、検出信号を出力する。車両が走行可能か否かについての検出に関しては、これに限定されるものではなく、例えばスマートキーを用いて車両を起動するようなシステムが車両に搭載されている場合には、当該スマートキーから発信される信号に基づいて車両が走行可能か否かを検出することとしても良い。なお、キー検出機11は走行検出手段と対応するものである。
【0024】
ドア開閉検出器12は、車両のドアに取り付けられた図示しないドア開閉センサのセンサ出力から、車両のドアのいずれかが開閉されたことを検出し、開閉信号を出力する。なお、ドア開閉検出器12は搭乗検出手段に対応するものである。
【0025】
車速算出器13は、図示しない車両の車輪や車軸の回転数を検出し、検出結果に基づいて車両の走行速度を算出する。車両の走行速度に関しては、距離センサ等の出力に基づいて算出することとしても良い。なお、車速算出器13は速度検出手段に対応するものである。
【0026】
防災モード設定スイッチ14は、前述した操作スイッチ6と同様、メカニカルなスイッチから構成され、後述するECU15の動作モードを防災モードに設定するよう指示する設定信号を出力する。なお、防災モード設定スイッチ14は、設定手段に対応するものである。
【0027】
ECU15は、公知のコンピュータから構成され、地図画像表示を含む各種ナビゲーション動作を実行する。具体的には、ECU15は、位置検出器2が検出した車両の現在位置および進行方向に基づいて、地図データ記憶器4から車両の現在位置周辺の地図画像データを読み出し、車両の現在位置を示すマークを重畳した地図画像をディスプレイ5に表示させるとともに、スピーカ16から各種音声案内を行わせる。この各種ナビゲーション動作は、ECU15の動作モードが通常モードである場合に実行される。
【0028】
さらに、ECU15は、前述の通常モードと、災害発生時において設定される防災モードの2つの動作モードを有し、動作モードが防災モードに設定されると、防災時動作を実行する。
【0029】
具体的には、ECU15は、防災モード設定スイッチ14から設定信号が出力されると、動作モードを防災モードに設定し、キー検出器11から出力される検出信号を取得する。取得した検出信号から、車両のキーがキーシリンダに挿入されていることが確認された場合、ECU15は、内部タイマA(計時手段に対応する)を起動して経過時間のカウントを開始する。車両のキーがキーシリンダに挿入されていないことが確認された場合には、ECU15は、設定された防災モードのモード解除を行い、動作モードを通常モードに設定する。
【0030】
内部タイマAを起動して経過時間のカウントを開始した後、当該タイマの示す経過時間が所定時間に達する前に、ドア開閉検出器12から開閉信号が出力された場合、ECU15は、ユーザーが車両に戻って来たものと判断し、内部タイマAをリセットして経過時間のカウントを再度初めから行う。一方、内部タイマAの示す経過時間が所定時間に達する前に、車速算出器13が算出した車両の走行速度から、車両が走行を開始したと判断される場合や、内部タイマAの示す経過時間が所定時間を経過した後に、ドア開閉検出器12から開閉信号が出力された場合、ECU15は、救助隊員や第三者が車両に搭乗して当該車両を運転しようとしていると判断し、通信機10に対して携帯機器19との通信動作を開始させる。その際には、ディスプレイ5に通信開始画像を表示させることも行う。
【0031】
前述の通信動作として、ECU15は、通信機10が携帯機器19から受信した音声信号の音声をスピーカ16から出力させるとともに、マイク17に入力された音声の音声信号を通信機10から携帯機器19へと送信させる。また、カメラ9を起動して車両に搭乗した乗員を撮影し、撮影画像の画像データを通信機10から携帯機器19へと送信させるとともに、携帯機器19から受信した画像データの画像をディスプレイ5に表示させる。
【0032】
その後、操作スイッチ6またはリモコン7から、通信動作の終了が指示されると、ECU15は上述した通信動作を終了し、動作モードを通常モードに設定して、防災時動作を終了する。なお、ECU15は制御手段に対応するものであり、スピーカ16およびマイク17は音声入出力手段に対応するものである。
【0033】
メモリ18は、ECU15が各種動作を行う際の一時的な記憶領域として利用される。前述の記憶領域に関しては、例えばメモリカード等を利用することとしても良い。
【0034】
携帯機器19は、通話機能および画像表示機能を備えた携帯型の通信機器であり、車両用ナビゲーション装置1から送信される音声信号および画像データを受信する。そして、図示しないスピーカから受信した音声信号の示す音声を出力するとともに、図示しない表示機器に受信した画像データの示す画像を表示する。また、携帯機器19は、図示しないマイクから入力されたユーザーの音声を示す音声信号を生成し、図示しないカメラによってユーザーを撮影して撮影画像の画像データを生成するとともに、生成した音声信号および画像データを車両用ナビゲーション装置1へ送信する。
【0035】
図2は、本実施形態の車両用通信装置において、ECU15が防災時動作を行う処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、防災モード設定スイッチ14から設定信号が出力されると、実行が開始される。
【0036】
ステップ201では、ECU15は、動作モードを防災モードに設定する。ステップ202では、キー検出器11から出力される検出信号を取得し、車両のキーがキーシリンダに挿入されているか否かを判定する。車両のキーがキーシリンダに挿入されていない場合は、ステップ203へ進む。車両のキーがキーシリンダに挿入されている場合は、ステップ204へ進む。車両のキーがキーシリンダに挿入されているか否かによって、車両が走行可能であるか否かを判断するのである。
【0037】
ステップ203では、防災モードのモード解除を行い、動作モードを通常モードに設定して、処理を終了する。車両のキーがキーシリンダに挿入されていない場合、すなわち車両が走行不可な場合は、動作モードが防災モードであるか否かに関わらず、当該車両が救助隊員や第三者によって運転される可能性はない。このような場合には、動作モードを通常モードに設定し、通信機10に通信を行わせないようにするのが好ましいのである。
【0038】
ステップ204では、内部タイマAをリセットして、経過時間のカウントを開始する。ステップ205では、車速算出器13が算出した車両の走行速度から、車両が走行を開始したか否かを判定する。車両が走行を開始した場合は、ステップ209へ進む。そうでない場合は、ステップ206へ進む。車両が走行を開始したと判断される場合には、救助隊員や第三者が車両を運転しようとしていると考えられ、内部タイマAの示す経過時間に関わらず、通信動作を開始する必要があるためである。
【0039】
ステップ206では、ドア開閉検出器12から開閉信号が出力されたか、すなわち、車両のドアが開閉されたか否かを判定する。ドア開閉検出器12から開閉信号が出力された、すなわち、車両のドアが開閉された場合は、ステップ204へ戻り、ユーザーが再び車両に戻って来る場合を考慮して内部タイマAをリセットし、経過時間のカウントを再度初めから行う。ドア開閉検出器12から開閉信号が出力されなかった、すなわち、車両のドアが開閉されなかった場合は、ステップ207へ進む。内部タイマAの示す経過時間が所定時間に達する前に、車両のドアが開閉された場合、ユーザーが忘れ物等のために車両に戻って来た可能性が高いためである。
【0040】
ステップ207では、内部タイマAの示す経過時間が所定時間に達したか否かを判定する。所定時間に達した場合は、ステップ208へ進む。未だ所定時間に達していない場合は、ステップ205へ戻り、上述の処理を繰り返す。
【0041】
ステップ208では、ドア開閉検出器12から開閉信号が出力されたか、すなわち、車両のドアが開閉されたか否かを判定する。ドア開閉検出器12から開閉信号が出力された、すなわち、車両のドアが開閉された場合は、ステップ209へ進む。そうでない場合は、ドア開閉検出器12から開閉信号が出力される、すなわち、車両のドアが開閉されるまで、上述の判定を繰り返す。車両のドアの開閉から、車両への乗員の搭乗を確実に検出できるのである。
【0042】
ステップ209では、ディスプレイ5に通信開始画像を表示させる(図3参照)。これにより、車両を運転しようとする救助隊員に対しては、ユーザーの所持する携帯機器19との通信が開始されたことを把握させることができる。また、車両を運転しようとする第三者に対しては、ユーザーの所持する携帯機器19との通信が開始されたことに起因する、車両の盗難に対する抑止力を働かせることができる。
【0043】
ステップ210では、通信機10と携帯機器19との通信動作を開始させる。これにより、ユーザーは携帯機器19を利用して、車両を運転しようとしている救助隊員を画像で確認し、通話することができる。また、車両を運転しようとする第三者に対しては、ユーザーとの通話が可能となること、ユーザーの画像がディスプレイ5に表示されること、カメラ10が第三者を撮影して撮影画像が携帯機器19に送信されることに起因する、車両の盗難に対する抑止力を働かせることができる。
【0044】
ステップ211では、操作スイッチ6またはリモコン7から通信動作の終了が指示されたか、すなわち、前述の通信動作が終了したか否かを判定する。操作スイッチ6またはリモコン7から通信動作の終了が指示された、すなわち、前述の通信動作が終了した場合は、ステップ212へ進む。そうでない場合は、操作スイッチ6またはリモコン7から通信動作の終了が指示される、すなわち、前述の通信動作が終了するまで、上述の判定を繰り返す。
【0045】
ステップ212では、ディスプレイ5に通信終了画像を表示させる(図4参照)。ステップ213では、動作モードを通常モードに設定して、処理を終了する。
【0046】
このように、本実施形態の車両用通信装置では、ECU15は、動作モードを防災モードに設定した後に車両のドアが開閉されると、救助隊員や第三者が車両に搭乗して運転しようとしていると判断し、通信機10に対して携帯機器19との通信動作を行わせる。これにより、災害発生時において、ユーザーの車両に搭乗して運転しようとする人物がいる場合には、通信機10と携帯機器19とが通信を行うこととなる。そのため、ユーザーが車両から離れた場所にいる場合でも、ユーザーは携帯機器19から当該車両を運転しようとしている人物を把握することができる。すなわち、ユーザーは車両が救助隊員によって運転されようとしているのか、それとも車両が盗難に遭っているのかを確認できるのである。
【0047】
本実施形態の車両用通信装置では、ECU15の動作モードが防災モードに設定されている場合において、車両のドアが開閉されると、通信機10はカメラ9が撮影した車両に搭乗した乗員の撮影画像の画像データを携帯機器19へ送信する。しかしながら、これに限定されるものではなく、ECU15の動作モードが通常モードに設定されている場合でも、カメラ9によって車室内を所定時間毎に撮影し、撮影画像の画像データを携帯機器19へ送信することとしても良い。これにより、ユーザーは災害発生時以外でも車両を厳重に監視でき、防犯上も好ましい、また、位置検出器2によって車両の現在位置を所定時間毎に検出し、携帯機器19へと送信することとしても良い。これにより、ユーザーは車両をさらに厳重に監視でき、より防犯上も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態における車両用通信装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の車両用通信装置において、ECUが防災時動作を行う処理に関するフローチャートである。
【図3】本実施形態の車両用通信装置において、ディスプレイに表示される通信開始画像の一例を示す図である。
【図4】本実施形態の車両用通信装置において、ディスプレイに表示される通信終了画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1…車両用ナビゲーション装置、 2…位置検出器、 3…GPS受信機、 4…地図データ記憶器、 5…ディスプレイ、 6…操作スイッチ、 7…リモコン 8…リモコンセンサ、 9…カメラ、 10…通信機、 11…キー検出器、 12…ドア開閉検出器、 13…車速算出器、 14…防災モード設定スイッチ、 15…ECU、 16…スピーカ、 17…マイク、 18…メモリ、 19…携帯機器、 A…内部メモリ
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行

【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平


【公開番号】 特開2008−17156(P2008−17156A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186022(P2006−186022)