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【発明の名称】 セルラシステム及びその周波数キャリア割当方法並びにそれに用いる基地局制御装置及び基地局
【発明者】 【氏名】濱辺 孝二郎

【氏名】古谷 之綱

【要約】 【課題】セルラシステムにおいてパケット送信を行うに際して、周波数キャリアを効率的に利用できるようにしたキャリア割当方法を得る。

【構成】基地局が受信する上り回線キャリアの干渉電力が所定の閾値を超える時間率を測定し、その時間率が第一の閾値以上の場合に当該キャリアを利用不可状態とし、その時間率が第二の閾値未満の場合に当該キャリアを利用可能状態とする。そして、基地局は、利用可能状態にあるキャリアを用いて移動局との間の通信を行う。このため、周囲のセルにおける各キャリアの時間使用率を推定でき、他セルにおいて使用時間率が高いキャリアを避け、使用時間率が低いキャリアを優先的に利用することができる。よって、パケット送信を行った場合に、他セルとの干渉が発生する確率が小さくなり、キャリアの利用効率を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムであって、
1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する第一の手段と、
前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする第二の手段と、
前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記基地局と前記移動局との間の通信をなす第三の手段と、
を含むことを特徴とするセルラシステム。
【請求項2】
前記第一の手段は、前記周波数キャリアを用いて通信を行っていない間に前記干渉電力の測定を行うことを特徴とする請求項1記載のセルラシステム。
【請求項3】
前記周波数キャリアを用いて通信を行っている間に、その通信品質を測定する第四の手段と、
前記通信品質が所定閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用不可状態とする第五の手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1または2記載のセルラシステム。
【請求項4】
前記通信はデータブロックの送受信であり、このデータブロックの受信側はデータブロックの送信側に送達確認を送信し、前記送信側は前記データブロックの受信に失敗するとそのデータブロックを再送するよう構成されており、前記通信品質は、前記データブロックの再送の発生確率に対応したものであることを特徴とする請求項3記載のセルラシステム。
【請求項5】
前記周波数キャリアは、第一のグループとこの第一のグループよりも優先度が低い第二のグループとに予め分けられており、前記第二のグループの周波数キャリアについて利用可能状態や不可能状態を決定することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のセルラシステム。
【請求項6】
基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムにおける周波数キャリア割当方法であって、
1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する第一のステップと、
前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする第二のステップと、
前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記基地局と前記移動局との間の通信をなす第三のステップと、
を含むことを特徴とする周波数キャリア割当方法。
【請求項7】
前記第一のステップは、前記周波数キャリアを用いて通信を行っていない間に前記干渉電力の測定を行うことを特徴とする請求項6記載の周波数キャリア割当方法。
【請求項8】
前記周波数キャリアを用いて通信を行っている間に、その通信品質を測定する第四のステップと、
前記通信品質が所定閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用不可状態とする第五のステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項6または7記載の周波数キャリア割当方法。
【請求項9】
前記通信はデータブロックの送受信であり、このデータブロックの受信側はデータブロックの送信側に送達確認を送信し、前記送信側は前記データブロックの受信に失敗するとそのデータブロックを再送するよう構成されており、前記通信品質は、前記データブロックの再送の発生確率に対応したものであることを特徴とする請求項8記載の周波数キャリア割当方法。
【請求項10】
前記周波数キャリアは、第一のグループとこの第一のグループよりも優先度が低い第二のグループとに予め分けられており、前記第二のグループの周波数キャリアについて利用可能状態や不可能状態を決定することを特徴とする請求項6〜9いずれか記載の周波数キャリア割当方法。
【請求項11】
基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムにおける基地局制御装置であって、
前記基地局から、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率の報告を受けて、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする手段を含むことを特徴とする基地局制御装置。
【請求項12】
前記基地局が前記周波数キャリアを用いて通信を行っている間におけるその通信品質の測定結果の報告を受けて、前記通信品質が所定閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用不可状態とする手段を、更に含むことを特徴とする請求項11記載の基地局制御装置。
【請求項13】
前記通信はデータブロックの送受信であり、このデータブロックの受信側はデータブロックの送信側に送達確認を送信し、前記送信側は前記データブロックの受信に失敗するとそのデータブロックを再送するよう構成されており、前記通信品質は、前記データブロックの再送の発生確率に対応したものであることを特徴とする請求項12記載の基地局制御装置。
【請求項14】
前記周波数キャリアは、第一のグループとこの第一のグループよりも優先度が低い第二のグループとに予め分けられており、前記第二のグループの周波数キャリアについて利用可能状態や不可能状態を決定することを特徴とする請求項11〜13いずれか記載の基地局制御装置。
【請求項15】
移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能な基地局であって、
1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する第一の手段と、
前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする第二の手段と、
前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記移動局との間の通信をなす第三の手段と、
を含むことを特徴とする基地局。
【請求項16】
前記第一の手段は、前記周波数キャリアを用いて通信を行っていない間に前記干渉電力の測定を行うことを特徴とする請求項15記載の基地局。
【請求項17】
前記周波数キャリアを用いて通信を行っている間に、その通信品質を測定する第四の手段と、
前記通信品質が所定閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用不可状態とする第五の手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項15または16記載の基地局。
【請求項18】
前記通信はデータブロックの送受信であり、このデータブロックの受信側はデータブロックの送信側に送達確認を送信し、前記送信側は前記データブロックの受信に失敗するとそのデータブロックを再送するよう構成されており、前記通信品質は、前記データブロックの再送の発生確率に対応したものであることを特徴とする請求項17記載の基地局。
【請求項19】
前記周波数キャリアは、第一のグループとこの第一のグループよりも優先度が低い第二のグループとに予め分けられており、前記第二のグループの周波数キャリアについて利用可能状態や不可能状態を決定することを特徴とする請求項15〜18いずれか記載の基地局。
【請求項20】
基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムにおける基地局制御装置の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記基地局から、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率の報告を受けて、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする処理を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項21】
移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能な基地局の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する処理と、
前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする処理と、
前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記移動局との間の通信をなす処理と、
を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はセルラシステム及びその周波数キャリア割当方法並びにそれに用いる基地局制御装置及び基地局に関し、特に上り回線でパケット送信を行う場合に適したセルラシステムの上り回線キャリアの動的割当方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セルラシステムにおいては、少なくとも複数の基地局から構成される無線ネットワークと、各々の基地局が形成する1つまたは複数のセルに存在する多数の移動局との間において、多量のユーザ情報の通信ができるようにするために、同一の周波数キャリア(以下、キャリアと略記する)を複数のセルにおいて同時に利用している。
【0003】
このようなセルラシステムにおいて、図9に示すように、セルラシステム全体で利用可能なキャリアを、例えば3つのグループ(f1,f2,f3)に分けて、各グループのキャリアに関しては、互いに隣接するセルでは同時に利用しないように3セル毎に1つのセルのみにおいて配置して、利用する方法がある。こうすることにより、隣接するセルでは、同一のキャリアを同時に利用しないことになるために、相互の干渉を避けることができる。
【0004】
更に、各キャリアの干渉電力を測定し、セルラシステム全体で利用可能なキャリアの各々について、基地局において干渉電力を測定し、その測定値に基づいて利用可能なキャリアを判定して動的に利用する方法がある。この方法は、ダイナミックチャネル割当方法と称され、例えば、特許文献1に記載されている。このダイナミックチャネル割当方法によれば、予め配置されたキャリアのみ利用可能な場合と比べて、周囲のセルで利用されていないキャリアが多ければ、より多くのキャリアを利用できるため、特にトラヒックがセルによって大きく異なる場合に、キャリアを一層有効に利用できるという利点がある。
【0005】
このように、セルラシステムでは、隣接するセル間の干渉を避けながら、同一のキャリアを多くのセルで繰り返して利用することにより、高いトラヒックの収容能力を実現しているのである。
【0006】
【特許文献1】特許第2794980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上り回線においてデータをブロックに分けて送信するパケット送信を行う場合には、パケットの送信時間が短いために、パケットの送信時間よりも長い測定時間で干渉電力の平均値を測定すると、その測定値は、測定時間のなかでパケットが送信されている時間の割合にある程度比例するが、干渉電力は、干渉を及ぼす移動局の場所によって大きく異なるため、干渉電力の平均値だけでは、干渉が受信されている時間の割合が余り正確に推定できない。
【0008】
このことは、基地局と移動局との間の伝搬損失は大きく変動し、その伝搬損失が小さい瞬間には干渉電力が非常に大きくなり、たとえ、その時間の全体の測定時間に対する割合が小さくても、全体の測定時間における干渉電力の平均値は大きな値となってしまうという結果を招来する。このために、このような測定値では、周囲のセルにおける各キャリアの時間使用率を推定できず、他セルにおいて使用時間率が高いキャリアを避け、使用時間率が低いキャリアを優先的に利用することが困難である。その結果、他セルとの干渉が頻繁に発生し、送信効率が低下するという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、パケット送信を行うに際して、キャリアを効率的に利用できるようにしたセルラシステム及びその周波数キャリア割当方法並びにそれに用いる基地局制御装置及び基地局を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、各セルにおいて利用するキャリアを動的に変更しつつセル間の干渉によりパケット送信に失敗する確率を低減し、キャリアの利用効率を高めるようにしたセルラシステム及びその周波数キャリア割当方法並びにそれに用いる基地局制御装置及び基地局を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるセルラシステムは、基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムであって、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する第一の手段と、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする第二の手段と、前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記基地局と前記移動局との間の通信をなす第三の手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によるキャリア割当方法は、基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムにおける周波数キャリア割当方法であって、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する第一のステップと、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする第二のステップと、前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記基地局と前記移動局との間の通信をなす第三のステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による基地局制御装置は、基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムにおける基地局制御装置であって、前記基地局から、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率の報告を受けて、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする手段を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明による基地局は、移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能な基地局であって、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する第一の手段と、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする第二の手段と、前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記移動局との間の通信をなす第三の手段とを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明によるプログラムは、基地局と移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能なセルラシステムにおける基地局制御装置の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記基地局から、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率の報告を受けて、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする処理を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明による他のプログラムは、移動局との間における通信に複数の周波数キャリアが利用可能な基地局の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、1つの上り回線の周波数キャリアの干渉電力が所定閾値を超える時間率を測定する処理と、前記時間率が第一の閾値を超える場合に、前記周波数キャリアを利用不可能状態とし、前記時間率が第二の閾値未満の場合に、前記周波数キャリアを利用可能状態とする処理と、前記利用可能状態にある周波数キャリアを用いて前記移動局との間の通信をなす処理とを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の作用を述べる。基地局が受信する上り回線キャリアの干渉電力が所定の閾値を超える時間率を測定し、その時間率が第一の閾値を超える場合に当該キャリアを利用不可状態とし、その時間率が第二の閾値未満の場合に当該キャリアを利用可能状態とする。そして、基地局は、利用可能状態にあるキャリアを用いて移動局との間の通信を行う。このため、周囲のセルにおける各キャリアの時間使用率を推定でき、他セルにおいて使用時間率が高いキャリアを避け、使用時間率が低いキャリアを優先的に利用することができる。よって、パケット送信を行った場合に、他セルとの干渉が発生する確率が小さくなり、キャリアの利用効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パケット送信を行うに際して、他セルとの干渉が発生する確率が小さくなって、パケット送信に失敗する確率を低減して、キャリアを効率的に利用できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例が適用されるセルラシステムの概略構成図である。このセルラシステムは無線ネットワーク及び移動局6〜8から構成される。このうち無線ネットワークは、基地局1〜2、各基地局1〜2がカバーするセル3〜4及びこれら各基地局1〜2に接続された基地局制御装置5(BSC:Base Station Controller )から構成されている。このセルラシステムは、この他に多数の基地局と移動局とを含むが、簡単化のために図示は省略している。
【0020】
このセルラシステムには、基地局と移動局との間で通信を行うために複数のキャリアが利用できるようになっている。各々のキャリアは、上り回線用のキャリアと下り回線用のキャリアとがそれぞれ存在し、上り回線と下り回線とでは、周波数分割複信(Frequency Division Duplexing)方式で互いに異なるキャリアが用いられる。変調方式としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が用いられるものとする。
【0021】
各キャリアは、送信時間単位に区切られ、移動局から基地局にパケットを送信するときには、キャリアが選択され、更に、送信時間単位で送信時間が割り当てられて、その送信時間にデータブロックの送信が行われるようになっている。選択されたキャリアと送信時間の制御情報は、基地局と移動局の間に設定されている制御回線を用いて、基地局が移動局に通知される。
【0022】
各データブロックには、誤り検出符号が付加されており、それによって受信側では、データブロックの受信誤りの有無が判定され、誤りがある場合には送信側にNACK(Non-Acknowledgement )信号を送信すると共に、受信したデータブロックを保持する。一方、誤りがない場合にはACK(Acknowledgement :送達確認)信号を送信する。送信側では、NACK信号を受信した場合には、同じデータブロックを再送し、受信側では、再送されたデータブロックと保持しておいたデータブロックを合成して、そのデータブロックを受信する。これにより、より少ない再送回数で各データブロックを正しく受信できるようになっている。
【0023】
基地局1,2の各々は、このセルラシステムで利用できるキャリアの各々の干渉電力を所定の測定時間間隔で測定する。そして、測定時間間隔よりも長い時間に定めた所定の通知時間間隔の間に、干渉電力を測定した回数のうち、干渉電力が所定の干渉電力閾値Tintfを超えた回数の割合を時間率Rintfとして計算し、この時間率を通知時間間隔で基地局制御装置に通知する。各キャリアの干渉電力の測定は、そのキャリアにおいてデータブロックを送信している間に行ってもよいが、ここでは、そのキャリアにおいてデータブロックを送信していない間に行うものとする。
【0024】
更に、基地局1,2の各々は、上記の通知時間間隔で、上りのデータブロックの送信に用いているキャリアの各々におけるデータブロックの再送確率Rretxを計算し、この再送確率も時間率Rintfも基地局制御装置に通知する。ここで、データブロックの再送確率は、基地局が移動局にNACK信号を送信した回数をACK信号またはNACK信号を送信した回数で除した値として計算する(通信品質とも称される)。なお、この再送制御では、同一のデータブロックを複数回も再送することもあるので、新たなデータブロックを送信するときのみを再送確率の計算対象としてもよい。
【0025】
基地局は、時間率Rintfと再送確率Rretxとをセル毎に、かつキャリア毎に計算して通知するが、ここでは、各基地局が1つのセルに対応しているため、以下では、各セルを対象とした計算は、そのセルに対応した基地局における計算として説明する。
【0026】
以下に、本発明の第1の実施例について具体的に説明する。この第1の実施例では、基地局制御装置5が全てのキャリアに関して利用可能状態と利用不可状態の変更を決定するものである。図2(A)は本実施例の基地局の機能ブロック図であり、(B)は基地局制御装置(BSC)の機能ブロック図である。
【0027】
図2(A)を参照すると、基地局は、移動局との通信をなす無線通信部11と、BSCとの通信をなす通信部2と、Rintfの測定をなすRintf測定部13と、Rretxの測定をなすRretx測定部14と、これら各部を制御する制御部(CPU)15と、この制御部15の制御手順を予めプログラムとして格納したメモリ16とを有している。
【0028】
図2(B)を参照すると、基地局制御装置は、基地局との通信をなす通信部21と、キャリアの利用可/不可を決定するキャリア利用可/不可決定部22と、これら各部を制御する制御部(CPU)23と、この制御部15の制御手順を予めプログラムとして格納したメモリ24とを有している。
【0029】
セルラシステムを起動したときの初期状態としては、全てのキャリアが利用可能状態になっているものとする。図3及び図4は本実施例において、それぞれ、キャリアを利用不可状態に変更するフロー図及びキャリアを利用可能状態に変更するフロー図である。この処理は、基地局制御装置がセル毎に実施する。
【0030】
図3を参照すると、基地局制御装置は、まず、利用可能状態にあるキャリアを1つ選択する(ステップS31)。そして、基地局からそのキャリアの時間率Rintfと再送確率Rretxの通知を受信する(ステップS32,S33)。そして、Rintfが第一の時間率閾値Rintf_High を超えている場合、または、Rretxが再送確率閾値Rretx_High を超えている場合には、選択したキャリアを利用不可状態に変更する(ステップS34,S35,S36)。
【0031】
次に、図4を参照すると、基地局制御装置は、利用不可状態にあるキャリアを1つ選択する(ステップS41)。そして、基地局からそのキャリアの時間率Rintfの通知を受信する(ステップS42)。そして、Rintfが第二の時間率閾値Rintf_Low未満の場合には、選択したキャリアを利用可能状態に変更する(ステップS43,S44)。ここで、第二の時間率閾値Rintf_Lowは、第一の時間率閾値Rintf_High よりも小さい値に設定しておく。
【0032】
このようにして、基地局制御装置は、各キャリアの利用可能または利用不可の状態を変更すると、その変更情報を基地局に通知し、基地局では、その通知に基づいて各キャリアの利用可能または不可の状態を更新して、利用可能状態にあるキャリアを用いて通信を行う。
【0033】
の第1の実施例の動作例を図1により説明する。図1において、セル3に存在する移動局6,7は基地局1にデータブロックの送信を行う。基地局1はキャリアc1の干渉電力を測定するが、隣接するセル4では、キャリアc1が使用されていないため、その時間率RintfはRintf_Lowよりも低く、キャリアc1はセル3で利用可能であり、移動局6,7はキャリアc1を用いることができ、図1では、移動局6はキャリアc1を用いている。
【0034】
一方、基地局1がキャリアc2の干渉電力を測定すると、キャリアc2はセル4において移動局8によって利用されているため、その時間率RintfがRintf_High より高いときには、移動局6,7はキャリアc2を利用できないが、RintfがRintf_Lowよりも低いときには、移動局6,7はキャリアc2も利用可能となる。図1では、RintfがRintf_Lowよりも低く、移動局7はキャリアc2を用いている状態を示している。
【0035】
次に、本発明の第2の実施例を説明する。この第2の実施例では、各セルに高優先度キャリアと低優先度キャリアが定められており、基地局制御装置は、低優先度キャリアに関してのみ利用可能状態と利用不可状態の変更を決定する。それ以外は、図1に示すセルラシステムの構成図、図2の機能ブロック図、図3,4の動作フロー図を含めて、第1の実施例と同じである。
【0036】
この第2の実施例では、セルラシステム全体で利用できる複数のキャリアが、キャリアグループf1,f2,f3に分けられており、キャリアグループf1はセル3において高優先度となっており、キャリアグループf2はセル4において高優先度となっている。キャリアグループf3は、図示されていないセルで高優先度となっており、図示されていないセルにおいては、例えば図1に示したように、互いに隣接するセルでは異なるキャリアグループが高優先度となるように、高優先度のキャリアグループが配置されている。そして、各セルにおいては、高優先度のキャリアグループに含まれるキャリアを高優先度のキャリアとし、高優先度のキャリアグループに含まれないキャリアを低優先度のキャリアとする。
【0037】
そして、第2の実施例では、各セルにおいて、高優先度のキャリアに関しては、基地局における干渉電力測定や再送確率に関係なく、常に利用可能状態とする。一方、低優先度のキャリアに関しては、第1の実施例と同じ手順で利用可能または利用不可の状態を決定する。
【0038】
第2の実施例の動作例を図1により説明する。図1において、キャリアc1はキャリアグループf1に属し、キャリアc2はキャリアグループf2に属しているものとする。キャリアc1はセル3において高優先度キャリアであるため、基地局1がキャリアc1の干渉電力を測定することなく、移動局6,7はキャリアc1を用いることができ、図1では、移動局6はキャリアc1を用いている。
【0039】
一方、キャリアc2はセル3において低優先度キャリアであるため、基地局1はキャリアc2の干渉電力を測定する。このとき、キャリアc2はセル4において移動局8によって利用されているため、その時間率RintfがRintf_High より高いときには、移動局6,7はキャリアc2を利用できないが、RintfがRintf_Lowよりも低いときには、移動局6,7はキャリアc2も利用可能となる。図1では、RintfがRintf_Lowよりも低く、移動局7はキャリアc2を用いている状態を示している。
【0040】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。の第3の実施例では、図5のセルラシステム構成図に示すように、第1の実施例の基地局制御装置の代わりに、基地局1,2はゲートウェー装置9に接続されており、各基地局は第1の実施例の基地局制御装置の機能を有している。このセルラシステムの無線ネットワークは、基地局1,2と基地局がカバーするセル3,4とから構成されることになる。
【0041】
先の第1の実施例では、基地局制御装置が各キャリアの利用可能と利用不可の状態を決定していたが、この第3の実施例では、これを基地局が行う。その他の部分は第1の実施例と同じである。
【0042】
図6はこの第3の実施例の基地局の機能ブロック図であり、図2(A)と同等部分は同一符号により示している。基地局は、無線通信部11、Rintf測定部13、Rretx測定部14、制御部15、メモリ16の他に、ゲートウェー(GW)装置9との通信をなすGW通信部17と、キャリアが利用可能か不可能かを決定するキャリア利用可/不可決定部18と有している。
【0043】
図7及び図8は、第3の実施例において、それぞれキャリアを利用不可状態に変更するフロー図及びキャリアを利用可能状態に変更するフロー図である。この処理は、基地局がセル毎に実施する。この実施例では、各基地局は1つのセルを有しているため、その1つのセルに対してのみ実施する。
【0044】
図7を参照すると、基地局は、先ず、利用可能状態にあるキャリアを1つ選択する(ステップS61)。そして、そのキャリアの時間率Rintfと再送確率Rretxを計算する(ステップS62,S63)。そして、Rintfが第一の時間率閾値Rintf_High を超えている場合、または、Rretxが再送確率閾値Rretx_High を超えている場合には、選択したキャリアを利用不可状態に変更する(ステップS64,S65,S66)。
【0045】
次に、図8を参照すると、基地局は利用不可状態にあるキャリアを1つ選択する(ステップS71)。そして、そのキャリアの時間率Rintfを計算する(ステップS72)。そして、Rintfが第二の時間率閾値Rintf_Low未満の場合には、選択したキャリアを利用可能状態に変更する(ステップS73,S74)。ここで、第二の時間率しきい値Rintf_Lowは、第一の時間率閾値Rintf_High よりも小さい値に設定しておく。このようにして、基地局は各キャリアの利用可能または利用不可の状態を変更し、利用可能状態にあるキャリアを用いて通信を行う。
【0046】
第3の実施例の動作例は図5を用いて説明できるが、図1と図5との違いは、基地局制御装置5とゲートウェー装置9の部分だけであり、第3の実施例の動作例は、第1の実施例の動作例と同じとなる。
【0047】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。の第4の実施例では、図5のセルラシステム構成図に示すように、先の第2の実施例の基地局制御装置の代わりに、基地局は、ゲートウェー装置に接続されており、各基地局は、第2の実施例の基地局制御装置の機能を有している。このセルラシステムの無線ネットワークは、基地局と基地局がカバーするセルとから構成されることになる。
【0048】
この第2の実施例では、基地局制御装置が低優先度キャリアの利用可能と利用不可の状態を決定していたが、第4の実施例では、これを基地局が行う。その他の部分は第2の実施例と同じである。低優先度キャリアの利用可能と利用不可の状態の変更は、図7及び図8のフロー図に示されている第3の実施例と同様に行う。
【0049】
第4の実施例の動作例は図5を用いて説明できるが、図1と図5の違いは、基地局制御装置とゲートウェー装置の部分だけであり、第4の実施例の動作例は、第2の実施例の動作例と同じとなる。
【0050】
以上の各実施例における動作は、その動作手順を予めプログラムとしてROMなどの記録媒体に格納しておき、これをコンピュータ(CPU)により読み取らせて実行するように構成できることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1及び第2の実施例におけるセルラシステムの構成図である。
【図2】(A)は第1及び第2の実施例における基地局の機能ブロック図であり、(B)は第1及び第2の実施例における基地局制御装置の機能ブロック図である。
【図3】第1及び第2の実施例において、キャリアを利用不可状態に変更するフロー図である。
【図4】第1及び第2の実施例において、キャリアを利用可能状態に変更するフロー図である。
【図5】第3及び第4の実施例におけるセルラシステムの構成図である。
【図6】第3の実施例における基地局の機能ブロック図である。
【図7】第3及び第4の実施例において、キャリアを利用不可状態に変更するフロー図である。
【図8】第3及び第4の実施例において、キャリアを利用可能状態に変更するフロー図である。
【図9】セルラシステムにおけるキャリアの割り当て例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1,2 基地局
3,4 セル
5 基地局制御装置
6〜8 移動局
9 ゲートウェー装置
11 無線通信部
12 BSCとの通信部
13 Rintf測定部
14 Rretx測定部
15,23 制御部
16,24 メモリ
17 GWとの通信部
18,22 キャリア利用可/不可決定部
21 基地局との通信部
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100088812
【弁理士】
【氏名又は名称】▲柳▼川 信


【公開番号】 特開2008−17074(P2008−17074A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185054(P2006−185054)