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【発明の名称】 位置推定装置及び位置推定方法
【発明者】 【氏名】田中 希世子

【氏名】加藤 剛志

【氏名】鈴木 偉元

【要約】 【課題】予め位置の分かっている基準局の数が少ない、端末間距離の誤差が大きい等といった位置推定の精度が良くない状況において、各端末の位置測位の精度を向上させる位置推定装置を提供する。

【構成】位置推定装置100は、通信範囲内にいる複数の端末の位置情報を管理する端末間距離管理部13と、端末間距離管理部13によって管理された情報を用いて、複数の端末の位置を推定する位置推定部14と、複数の端末のうち、特定の端末への測位指示に基づき、特定の端末への実測位結果を取得する測位部15とを備える。端末間距離管理部13は、測位部15によって取得された実測位結果をもとに、特定の端末の位置情報を補正し、位置推定部14は、端末間距離管理部13によって補正された位置情報に基づいて、再度、複数の端末の位置を推定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信範囲内にいる複数の端末の位置情報を管理する端末間距離管理部と、
該端末間距離管理部によって管理された情報を用いて、前記複数の端末の位置を推定する位置推定部と、
前記複数の端末のうち、特定の端末への測位指示に基づき、前記特定の端末への実測位結果を取得する測位部とを備え、
前記端末間距離管理部は、前記測位部によって取得された実測位結果をもとに、前記特定の端末の位置情報を補正し、
前記位置推定部は、前記端末間距離管理部によって補正された位置情報に基づいて、再度、前記複数の端末の位置を推定することを特徴とする位置推定装置。
【請求項2】
再度、前記特定の端末の位置を推定した場合、前記特定の端末の位置を表示する出力部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項3】
再度、前記特定の端末の位置を推定した場合、前記端末間距離管理部は、前記特定の端末を位置の分かっている基準局として用い、前記複数の端末の位置情報を管理することを特徴とする請求項1又は2に記載の位置推定装置。
【請求項4】
通信範囲内にいる複数の端末の位置情報を管理するステップと、
該管理された情報を用いて、前記複数の端末の位置を推定するステップと、
前記複数の端末のうち、特定の端末への測位指示に基づき、前記特定の端末への実測位結果を取得するステップと、
前記測位部によって取得された実測位結果をもとに、前記特定の端末の位置情報を補正するステップと、
前記補正された位置情報に基づいて、再度、前記複数の端末の位置を推定するステップと
を含むことを特徴とする位置推定方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、位置推定装置及び位置推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測位に対するニーズは大きく、屋外ではGPSによる測位がカーナビゲーション、航空、船舶などで広く用いられ、不可欠なインストラクチャとなっている。
【0003】
又、インターネットの普及や短距離無線技術の進展、デバイスの高機能化等によって、従来のようなPCだけではなく、様々なデバイスを接続し、通信を行うことが期待される。そのような環境においても、機器の場所を特定する測位技術に対するニーズが高い。
【0004】
GPSなどによる屋外での測位技術に比べると、屋内での高精度な測位システムは普及していないことが現状であるが、いくつかの研究や実用化されたものも存在する。
【0005】
例えば、無線基地局(基準局)で無線端末の出す電波の受信電界強度を測定し、事前に学習していた位置と受信電界強度との関係式を用いて位置を導出する技術が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。具体的には、図1(a)に示すように、基準局は、自身の位置情報を保持する。又、基準局は、特定の位置に置いた無線端末の出す電波を受信し、その受信電界強度と無線端末の位置から、距離と受信電界強度の関係式を事前に学習する(キャリブレーション)。そして、図1(b)に示すように、基準局は、位置が不明な無線端末の出す電波を受信し、受信電界強度を取得すると、学習した距離と受信電界強度の関係式を利用して、基準局と無線端末間の距離を計算し、三辺測量によって位置を推定する。
【0006】
又、すべての無線端末間のホップ数を把握し、位置とホップ数の関係から1ホップあたりの距離を算出して位置を導出する技術も開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。具体的には、図10(a)に示すように、基準局は自身の位置情報を保持する。そして、1ホップで接続される無線端末の数を利用して、各基準局及び無線端末間すべての距離を導出する。すべての端末間の距離を取得すると、図10(b)に示すように、基準局の位置情報を利用して、最適化アルゴリズムを用いて各無線端末の位置を推定する。
【非特許文献1】”RADAR:An In-Building RF-based User Location and Tracking System”, Paramvir Bahl and Venkata N. Padmanabhan, In Proceedings of the IEEE Infocom 2000, Tel-Aviv, Israel, vol.2, Mar. 2000, pp.775-784
【非特許文献2】「アドホックネットワークにおけるばねモデルを適応した端末位置決定手法」佐藤雅幸、松尾啓志、情報処理学会研究会モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会、MBL-32, pp.155-162 (2005/3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来では、基準局と無線端末間の電波の受信電界強度や通信のホップ数を利用して、各端末間の距離を計算し、それら個別の距離情報を利用して、全端末間での位置関係を推定している。このような位置推定の処理の中で、基準局の位置情報は、計算のキーとなる重要なものであるが、偏在する様々な機器同士が接続される環境において、必ずしも十分な数の基準局が設置されているとは限らず、基準局の数が少ない場合には位置推定の結果について、十分な精度が得られないという問題があった。
【0008】
又、電界強度やホップ数を利用した端末間距離の算出においても、例えば、電波強度を用いた方法では、壁に反射した電波の影響を受けやすいなど、環境に応じて距離計算のためのパラメータが大きく変動するため、端末間距離の誤差が大きくなってしまう。更に、ある程度の精度を出すためには、キャリブレーション等のパラメータの細かな調整が必要になり、手間が非常にかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、予め位置の分かっている基準局の数が少ない、端末間距離の誤差が大きい等といった位置推定の精度が良くない状況において、各端末の位置測位の精度を向上させる位置推定装置及び位置推定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、(a)通信範囲内にいる複数の端末の位置情報を管理する端末間距離管理部と、(b)端末間距離管理部によって管理された情報を用いて、複数の端末の位置を推定する位置推定部と、(c)複数の端末のうち、特定の端末への測位指示に基づき、特定の端末への実測位結果を取得する測位部とを備え、(d)端末間距離管理部は、測位部によって取得された実測位結果をもとに、特定の端末の位置情報を補正し、(e)位置推定部は、端末間距離管理部によって補正された位置情報に基づいて、再度、複数の端末の位置を推定する位置推定装置であることを要旨とする。
【0011】
第1の特徴に係る位置推定装置によると、予め位置の分かっている基準局の数が少ない、端末間距離の誤差が大きい等といった位置推定の精度が良くない状況において、各端末の位置測位の精度を向上させることができる。
【0012】
又、第1の特徴に係る位置推定装置は、再度、特定の端末の位置を推定した場合、特定の端末の位置を表示する出力部を更に備えてもよい。
【0013】
この位置推定装置によると、例えば、ユーザが表示を望む特定の端末を、位置推定装置に表示することができる。
【0014】
又、第1の特徴に係る位置推定装置において、再度、特定の端末の位置を推定した場合、端末間距離管理部は、特定の端末を位置の分かっている基準局として用い、複数の端末の位置情報を管理してもよい。
【0015】
この位置推定装置によると、基準局を増やすことができるため、全体の位置推定の精度を向上させることができる。
【0016】
本発明の第2の特徴は、(a)通信範囲内にいる複数の端末の位置情報を管理するステップと、(b)管理された情報を用いて、複数の端末の位置を推定するステップと、(c)複数の端末のうち、特定の端末への測位指示に基づき、特定の端末への実測位結果を取得するステップと、(d)測位部によって取得された実測位結果をもとに、特定の端末の位置情報を補正するステップと、(e)補正された位置情報に基づいて、再度、複数の端末の位置を推定するステップとを含む位置推定方法であることを要旨とする。
【0017】
第2の特徴に係る位置推定方法によると、予め位置の分かっている基準局の数が少ない、端末間距離の誤差が大きい等といった位置推定の精度が良くない状況において、各端末の位置測位の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、予め位置の分かっている基準局の数が少ない、端末間距離の誤差が大きい等といった位置推定の精度が良くない状況において、各端末の位置測位の精度を向上させる位置推定装置及び位置推定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0020】
(位置推定システム)
本実施形態に係る位置推定システムの概要について、図1を用いて説明する。位置推定システムは、位置が予め分かっている複数の基準局と、位置が不明な装置である複数の無線端末とを備える。基準局や無線端末間は、無線LANやBluetoothなどの短距離無線通信を介して接続される。基準局としては、例えば、基地局が用いられ、無線端末としては、例えば、携帯電話やノートPCなどが用いられる。
【0021】
無線端末は、図1(a)に示すように、電波と距離の関係やホップ数と距離の関係を用いて、図1(b)に示すように、基準局A,B,C,無線端末Aの距離を管理する。ここで、例えば、図1(c)に示すように、無線端末を有するユーザが、基準局Aや無線端末Aに対して、無線端末を介して測位指示を行うと、超音波などを利用した測位装置は、基準局Aや無線端末Aに対して実測位測定を行う。尚、測位装置は、無線端末内に備えられてもよく、外部の装置を用いてもよい。そして、実測位結果を取得した無線端末は、基準局Aや無線端末Aに対して、距離補正を行う。そして、図1(d)に示すように、無線端末は、補正された位置情報に基づいて、位置を把握することができた無線端末Aを、位置が予め分かっている基準局Dとし、以後の位置推定において、基準局として用いる。又、位置を推定した無線端末Aを無線端末の出力部に表示する。
【0022】
次に、本実施形態に係る位置推定装置について、図2を用いて説明する。尚、本位置推定装置は、図1に示すネットワーク内の1つの装置(基準局あるいは無線端末)であり、他の装置もすべて同じ構成を有している。
【0023】
位置推定装置100は、図2に示すように、送受信部11と、管理制御部12と、端末間距離管理部13と、位置推定部14と、測位部15とを備える。送受信部11、管理制御部12、端末間距離管理部13、位置推定部14、測位部15は、CPU10内に配置されたモジュールとして実現でき、CPU10には、入力部20、出力部21、位置情報保持部22、プログラム保持部23が接続されている。
【0024】
送受信部11は、外部の端末との通信を行う。
【0025】
管理制御部12は、装置全体の処理を管理し、外部とのやりとりや他の各部への処理の割り振りなどを管理する。
【0026】
端末間距離管理部13は、通信範囲内にいる複数の端末の位置情報を管理する。具体的には、端末間距離管理部13は、他の装置から取得される位置情報あるいは電波強度やホップ数といった情報をもとに、端末間距離を計算し、保持する。又、端末間距離管理部13は、後述する測位部15によって取得された実測位結果をもとに、特定の端末の位置情報を補正する。更に、端末間距離管理部13は、再度、複数の端末の位置を推定した場合、特定の端末を位置の分かっている基準局として用い、複数の端末の位置情報を管理する。
【0027】
位置推定部14は、端末間距離管理部13によって管理された情報を用いて、複数の端末の位置を推定する。具体的には、位置推定部14は、端末間距離管理部13が保持する各端末間の距離及び基準局の位置情報をもとに、全端末間の相互関係を考慮して、三辺測量や各種アルゴリズムを利用して、位置を推定する。又、位置推定部14は、端末間距離管理部13によって補正された位置情報に基づいて、再度、複数の端末の位置を推定する。
【0028】
測位部15は、複数の端末のうち、特定の端末への測位指示に基づき、特定の端末への実測位結果を取得する。具体的には、測位部15は、ユーザからの測位指示に基づいて、超音波や地磁気等のセンサを用いて無線端末と他の装置との間の距離を測定し、端末間距離管理部13へ通知する。測位機能自体を外部装置とする構成もあり、その際には、測位部15は、外部装置が測定した距離を入力値として受け付け、端末間距離管理部13へ通知を行う。
【0029】
入力部20は、キーボード、マウス等の機器を指す。入力部20から入力操作が行われると対応するキー情報がCPU10に伝達される。ユーザは、入力部20を用いて、測位指示を入力することができる。
【0030】
出力部21は、モニタなどの画面を指し、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)パネル、エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等が使用可能である。出力部21は、通信範囲内にある複数の端末を表示する。又、再度、特定の端末の位置を推定した場合、特定の端末の位置を表示することができる。
【0031】
位置情報保持部22は、端末間距離管理部13が管理する位置情報や、補正された位置情報、位置推定部14によって推定された各端末の位置情報などを保持する。位置情報保持部22は、RAM等の内部記憶装置を用いても良く、ハードディスクやフレキシブルディスク等の外部記憶装置を用いても良い。
【0032】
プログラム保持部23は、端末間距離管理処理や位置推定処理、測位処理などをCPU10に実行させるための制御プログラムを保存する記憶媒体である。記録媒体は、例えば、RAM、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどが挙げられる。このようなプログラムを保持した記録媒体によれば、プログラムの保存、運搬、販売などを容易に行うことができる。
【0033】
(位置推定方法)
次に、本実施形態に係る位置推定方法について、図3〜8を用いて説明する。
【0034】
まず、図3に示すように、ユーザからの指示などをきっかけに、管理制御部12が位置推定の実行命令を受信すると(S101)、端末間距離管理部13は、他の無線端末や基準局に対して、位置情報取得要求を送信する(S102)。
【0035】
位置情報取得要求を受信した他の無線端末や基準局が通知してきた要求送信元との通信ホップ数や電波強度等の距離を算出するために必要となる情報を受信すると(S103)、端末間距離管理部13は、端末間距離の計算を行い(S104)、基準局の位置情報とともに位置情報保持部22に格納する(S105)。
【0036】
次に、位置推定部14は、端末間距離管理部13から取得した端末間距離や基準局の位置情報をもとに、三辺測量や最適化アルゴリズム等の手法を用いて、全端末間の相互関係を考慮した位置の推定を行い(S106)、各端末の推定位置情報を位置情報保持部22に格納する(S107)。そして、各端末へ、推定位置情報を送信する(S108)。
【0037】
その後、図4に示すように、ユーザからの指示などをきっかけに、管理制御部12が測位指示を受信すると(S201)、測位部15は、超音波や地磁気センサ等を用いて、他の無線端末や基準局との距離を測定し(S202)、測定結果を端末間距離管理部13へ通知する。
【0038】
端末間距離管理部13は、取得した実測位に基づく無線端末との距離によって、距離情報を補正し(S203)、位置情報保持部22へ格納する(S204)。
【0039】
次に、位置推定部14は、端末間距離管理部13から取得した補正された端末間距離や基準局の位置情報をもとに、三辺測量や最適化アルゴリズム等の手法を用いて、再度、全端末間の相互関係を考慮した位置の推定を行い(S205)、各端末の推定位置情報を位置情報保持部22に格納する(S206)。そして、各端末へ、推定位置情報を送信する(S207)。このように、再度、特定の端末の位置を推定した場合、端末間距離管理部13は、特定の端末を位置の分かっている基準局として用いて、複数の端末の位置情報を管理する。
【0040】
又、本実施形態に係る位置推定方法において、測位機能自体が外部に配置された場合について、図5を用いて説明する。
【0041】
測位部15が、外部の測位装置から他の端末との距離情報を受信した場合(S301)、端末間距離管理部13は、取得した実測位に基づく無線端末との距離によって、距離情報を補正し(S302)、位置情報保持部22へ格納する(S303)。ステップS304〜306は、ステップS205〜207と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0042】
次に、位置情報取得要求を受信した場合の位置測位装置の動作について、図6を用いて説明する。
【0043】
まず、管理制御部12が他の装置からの位置情報取得要求を受信した場合(S401)、端末間距離管理部13は、自身の位置情報あるいは位置情報取得要求の送信元との通信ホップ数や電波強度等の距離を案出するために必要となる情報を要求送信元へ送信する(S402)。
【0044】
一方、位置情報要求を送信した側の位置測位装置は、受信した情報の中に、送信元の位置情報あるいは電波強度等の距離を算出するために必要なる情報が含まれていた場合(S403)、端末間距離管理部13は、端末間距離の計算に用い得る情報を取得する(S404)。ステップS405〜408については、図3のステップS104〜107と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0045】
次に、無線端末が基準局A及び無線端末Aに対して、位置情報取得要求を送信する場合について、図7及図8を用いて説明する。
【0046】
まず、図7に示すように、無線端末に対して、ユーザが位置推定の実行指示を行うと(S501)、無線端末は無線によって接続された周辺の無線端末Aや基準局Aに対して位置情報取得要求を送信する(S502)。位置情報取得要求を受信した無線端末Aや基準局Aは、要求送信元の無線端末の電波強度や通信ホップ数等の情報を、又、事前に把握している場合には、自身の位置情報も併せて、要求送信元の無線端末へ通知する(S503)。
【0047】
位置情報等を受信した無線端末は、その情報を基に計算式等を用いて端末間の距離を取得する(S504)。距離の算出方法として、例えば、電波の受信電界強度と距離の関係をモデル化した式を利用する方法(非特許文献1参照)や、端末存在確率の理論値と実測値の対応から計算する方法(非特許文献2参照)などがある。
【0048】
そして、無線端末は、取得した端末間の距離と基準局の位置情報を利用して、各端末の相対的な位置関係を考慮した位置の推定を行う(S505)。位置推定の方法として、例えば、端末を中心に各端末との端末間距離を半径とした円を描き、それら円の重なり部分を端末の推定位置とする方法(「ごましお:アドホックセンサネットワークにおけるノード位置決定方式」岩谷晶子、西尾信彦、村瀬正名、徳田英幸、情報処理学会、モバイルコンピューティングとワイヤレス通信研究会、Vol.2001(108)、2001年11月、pp.23-30参照)や、三辺測量を利用する方法、端末間をばねで接続したものと仮定し、ばねエネルギーを最小にする値から算出する方法(非特許文献2参照)などがある。
【0049】
無線端末が位置推定を行った後、ユーザからの測位指示を受信すると(S506)、測位装置によって、ユーザに指示された無線端末Aや基準局Aとの間の距離を実測位する(S507)。測位装置として、例えば、超音波のはねかえり時間によって距離を測定するセンサや、地磁気センサ、加速度センサによる向きや移動距離の把握などの組み合わせによる方法がある。
【0050】
次に、無線端末は、実測位によって得られた無線端末Aや基準局Aとの距離によって端末間距離を補正し(S508)、位置の推定を再度行う(S509)。この際、実測位によって、無線端末Aと基準局Aとの距離や位置関係が明確になった場合、無線端末Aに対して位置情報を通知し、基準局へと役割を変更し(S510)、位置推定の処理を行う場合もある。
【0051】
尚、無線端末に測位機能が無く、外部の測位装置(外部装置)を利用する場合には、図8に示すように、外部装置が無線端末Aや基準局Aの実測位を行い(S606)、無線端末が外部装置から測位結果の通知を受信する(S607)。ステップS601〜605、ステップS608〜610については、図7と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0052】
(作用及び効果)
本実施形態に係る位置推定装置及び位置推定方法において、端末間距離管理部13が、測位部15によって取得された実測位結果をもとに、特定の端末の位置情報を補正し、位置推定部14が、端末間距離管理部13によって補正された位置情報に基づいて、再度、複数の端末の位置を推定することができる。このように、ユーザの指示などを受信してその場で実測位を行い、装置間の距離を補正して、補正された誤差の少ない距離をもとに、他の装置の位置の推定を行うことができる。
【0053】
このため、ユーザが各種パラメータの設定のための事前測定や調整といった手順を必要とせずに、誤差の大きい場合など必要なときに、実測位によって距離の補正を行い、高い精度での位置測定を行うことができる。
【0054】
即ち、本実施形態に係る位置推定装置及び位置推定方法によると、予め位置の分かっている基準局の数が少ない、端末間距離の誤差が大きい等といった位置推定の精度が良くない状況において、各端末の位置測位の精度を向上させることができる。
【0055】
又、本実施形態に係る位置推定装置は、再度、特定の端末の位置を推定した場合、特定の端末の位置を表示する出力部21を更に備える。
【0056】
この位置推定装置によると、例えば、ユーザが表示を望む特定の端末を、位置推定装置に表示することができる。具体的には、例えば、ユーザが駅の構内やショッピングモールなどで自分が行きたい場所がどちらの方向なのかを知りたい場合、周辺にある案内板や標識など目に付くもの(装置)を、無線端末を用いて指定し、実測位を行うと、その位置を出力部21に正確に表示することができる。このように、ユーザの位置と周辺の装置との位置関係の把握ができ、目的までの経路の目安とすることができ、案内システムと連携することにより、より正確にユーザを目的地まで導くことができる。
【0057】
又、本実施形態に係る位置推定装置において、再度、特定の端末の位置を推定した場合、端末間距離管理部13は、特定の端末を位置の分かっている基準局として用い、複数の端末の位置情報を管理する。このため、本実施形態に係る位置推定装置によると、位置情報の不明な端末に対して位置情報を通知することで、位置の明らかな基準局を増やすことができる。このように、位置推定を行う際に得られる精度に影響する、位置の明らかになっている基準局となる装置の数が十分に存在しない場合でも、その場で基準局を増やすことができ、全体の位置推定の精度を向上させることができる。
【0058】
<その他の実施形態>
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0059】
例えば、上記の実施形態において、基準局として基地局を用いたが、本発明に係る基準局とは、位置が明らかである装置を指し、携帯電話等の無線端末であっても、位置が明きからである場合は、基準局として用いられる。
【0060】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態に係る位置推定システムの概要を説明する図である。
【図2】本実施形態に係る位置推定装置の構成ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る位置推定方法のフローチャートである(その1)。
【図4】本実施形態に係る位置推定方法のフローチャートである(その2)。
【図5】本実施形態に係る位置推定方法のフローチャートである(その3)。
【図6】本実施形態に係る位置推定方法のフローチャートである(その4)。
【図7】本実施形態に係る位置推定方法を示すシーケンス図である(その1)。
【図8】本実施形態に係る位置推定方法を示すシーケンス図である(その2)。
【図9】従来の位置推定システムの概要を説明する図である(その1)。
【図10】従来の位置推定システムの概要を説明する図である(その2)。
【符号の説明】
【0062】
10…CPU
11…送受信部
12…管理制御部
13…端末間距離管理部
14…位置推定部
15…測位部
20…入力部
21…出力部
22…位置情報保持部
23…プログラム保持部
100…位置推定装置

【出願人】 【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎


【公開番号】 特開2008−17027(P2008−17027A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184558(P2006−184558)