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【発明の名称】 無線通信システム及びハンドオーバー方法
【発明者】 【氏名】平野 昇

【要約】 【課題】ハンドオーバ時の瞬断抑制効果を大幅に向上させることができ、薄簡素で汎用性を向上させることができる無線通信システム及びハンドオーバ方法を提供する。

【構成】送信元アドレス監視機能部25Aにより無線通信端末から送信されてきた送信元アドレスに基づいて自ネットワーク内の無線通信端末か他ネットワークから移動してきた無線通信端末かの判断に応じて認証アドレステーブル28が参照され、認証アドレステーブル28に該当する無線通信端末であるとした場合にパケット変換機能部25Bにより他ネットワークの代替切替装置にカプセル化したパケットを送信すると共に他ネットワークの代替切替装置から受け取ったカプセル化されたパケットを解除して自ネットワーク内の無線通信端末用とし、問合せ応答機能部25Cにより無線通信端末が認証対象であると認証した場合には無線通信端末を新規認証対象として認証アドレステーブル28に追加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末から送信されてきたパケットに含まれる送信元アドレスに基づいて自ネットワーク内の無線通信端末か他ネットワークから移動してきた無線通信端末かを判断した後に、無線通信端末が前記他ネットワークから移動してきたものであると判断した場合には前記自ネットワーク上又は前記他ネットワーク上にある認証アドレステーブルを参照する送信元アドレス監視機能部と、
該送信元アドレス監視機能部によって前記認証アドレステーブルに該当する無線通信端末であるとした場合に少なくとも前記他ネットワーク上の代替切替装置に向けてカプセル化したパケットを送信すると共に前記他ネットワーク上の代替切替装置から送られてくるカプセル化されたパケットを解除して自ネットワーク内の無線通信端末用として代替可能としたパケット変換機能部と、
前記送信元アドレス監視機能部からの通知により前記他の代替通信装置に無線通信端末が認証対象であるか問い合わせると共に前記他の代替通信装置からの問合わせに対して前記自ネットワークの無線通信端末であれば認証対象として応答したうえで無線通信端末が新規認証対象であるとして前記認証アドレステーブルに追加する問合せ応答機能部と、
を備えていることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
送信元アドレス監視機能部は、前記認証アドレステーブルに該当しない場合には、新たに認証すべき無線通信端末であるかを上位ネットワークに接続されている全ネットワーク上の代替通信装置に問い合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記認証アドレステーブルは、前記代替通信装置が電源ON又はリセットによって起動された際には前記他の代替通信装置に対して問合せを行ったうえで初期化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記認証アドレステーブルは、定期的に前記他の代替通信装置若しくは上位ネットワークに接続されている全ネットワーク上の代替通信装置との間で交換・更新することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記認証アドレステーブルに含まれるデータには、無線通信端末のIPアドレス、無線通信端末のMACアドレス、無線通信端末のネットワークアドレスとネットマスク、無線通信端末が属するネットワーク上の代替通信装置のIPアドレス、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記パケット交換機能部は、パケットのカプセル化と同時に付加機能を実行することができることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の無線通信システム。
【請求項7】
無線通信端末から送信されてきたパケットに含まれる送信元アドレスに基づいて自ネットワーク内の無線通信端末か他ネットワークから移動してきた無線通信端末かを判断するステップと、無線通信端末が前記他ネットワークから移動してきたものであると判断した場合に前記自ネットワーク上又は前記他ネットワーク上にある認証アドレステーブルを参照するステップと、前記他のネットワーク並びに上位ネットワークに接続されているネットワークに対して無線通信端末が認証対象であるか問い合わせるステップと、前記認証アドレステーブルに該当する無線通信端末であるとした場合に少なくとも前記他ネットワーク上に向けてカプセル化したパケットを送信すると共に前記他ネットワーク上の代替切替装置から送られてくるカプセル化されたパケットを解除して自ネットワーク内の無線通信端末用として代替するステップと、無線通信端末が新規認証対象であるとした場合に前記認証アドレステーブルに追加するステップとを備えていることを特徴とするハンドオーバー方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、移動型の無線通信端末における移動中でのハンドオーバを実行する無線通信システム及びこの無線通信システムを利用したハンドオーバ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットシステム並びにアクセスポイント(AP)等の基地局の普及に伴い、インターネットワーク等の電気通信回線を利用した無線方式のIP電話やモバイル通信端末等の無線通信端末が普及しつつある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
一方、これら移動型の無線通信端末では、移動に伴う基地局の切り換え(ハンドオーバー)が重要であるが、ここで問題となるのが通信状態の瞬断である。
【特許文献1】特開2003−188907号公報
【特許文献2】特開2005−027314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このハンドオーバーの際の瞬断を抑制する技術としては、上述した文献を含めて各種提案されているが、何れのものにあっても、ハンドオーバ時の瞬断抑制効果が薄いうえ、その構成(ハード・ソフトの両面)が複雑であり、汎用性に乏しいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、ハンドオーバ時の瞬断抑制効果を大幅に向上させることができるうえ、薄簡素で汎用性を向上させることができる無線通信システム及びハンドオーバ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る無線通信システムは、無線通信端末から送信されてきたパケットに含まれる送信元アドレスに基づいて自ネットワーク内の無線通信端末か他ネットワークから移動してきた無線通信端末かを判断した後に、無線通信端末が前記他ネットワークから移動してきたものであると判断した場合には前記自ネットワーク上又は前記他ネットワーク上にある認証アドレステーブルを参照する送信元アドレス監視機能部と、該送信元アドレス監視機能部によって前記認証アドレステーブルに該当する無線通信端末であるとした場合に少なくとも前記他ネットワーク上の代替切替装置に向けてカプセル化したパケットを送信すると共に前記他ネットワーク上の代替切替装置から送られてくるカプセル化されたパケットを解除して自ネットワーク内の無線通信端末用として代替可能としたパケット変換機能部と、前記送信元アドレス監視機能部からの通知により前記他の代替通信装置に無線通信端末が認証対象であるか問い合わせると共に前記他の代替通信装置からの問合わせに対して前記自ネットワークの無線通信端末であれば認証対象として応答したうえで無線通信端末が新規認証対象であるとして前記認証アドレステーブルに追加する問合せ応答機能部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この際、送信元アドレス監視機能部は、前記認証アドレステーブルに該当しない場合には、新たに認証すべき無線通信端末であるかを上位ネットワークに接続されている全ネットワーク上の代替通信装置に問い合わせを行うことを特徴とする。
【0008】
また、前記認証アドレステーブルは、前記代替通信装置が電源ON又はリセットによって起動された際には前記他の代替通信装置に対して問合せを行ったうえで初期化することを特徴とする。
【0009】
このように 、前記認証アドレステーブルは、定期的に前記他の代替通信装置若しくは上位ネットワークに接続されている全ネットワーク上の代替通信装置との間で交換・更新することを特徴とする。
【0010】
この際、前記認証アドレステーブルに含まれるデータには、無線通信端末のIPアドレス、無線通信端末のMACアドレス、無線通信端末のネットワークアドレスとネットマスク、無線通信端末が属するネットワーク上の代替通信装置のIPアドレス、の少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
【0011】
また、前記パケット交換機能部は、パケットのカプセル化と同時にパケットの暗号化等の付加機能を実行することができることがセキュリティの観点から好ましい。
【0012】
また、無線通信端末から送信されてきたパケットに含まれる送信元アドレスに基づいて自ネットワーク内の無線通信端末か他ネットワークから移動してきた無線通信端末かを判断するステップと、無線通信端末が前記他ネットワークから移動してきたものであると判断した場合に前記自ネットワーク上又は前記他ネットワーク上にある認証アドレステーブルを参照するステップと、前記他のネットワーク並びに上位ネットワークに接続されているネットワークに対して無線通信端末が認証対象であるか問い合わせるステップと、前記認証アドレステーブルに該当する無線通信端末であるとした場合に少なくとも前記他ネットワーク上に向けてカプセル化したパケットを送信すると共に前記他ネットワーク上の代替切替装置から送られてくるカプセル化されたパケットを解除して自ネットワーク内の無線通信端末用として代替するステップと、無線通信端末が新規認証対象であるとした場合に前記認証アドレステーブルに追加するステップとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態に係る無線通信システム及びハンドオーバ方法によれば、ハンドオーバ時の瞬断抑制効果を大幅に向上させることができるうえ、薄簡素で汎用性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の一実施形態に係る無線通信システムについて、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る無線通信システムのシステム構成図、図2は本発明の一実施形態に係る無線通信システムの変形例1のシステム構成図、図3は本発明の一実施形態に係る無線通信システムの変形例2のシステム構成図、図4は本発明の一実施形態に係る無線通信システムに用いられる代替通信装置の概略構成のブロック図、図5は本発明の一実施形態に係る無線通信システムの制御ブロック図、図6は本発明の一実施形態に係る無線通信システムの制御ルーチンのフロー図である。
【0016】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る無線通信システムは、インターネット網等の上位ネットワーク1に電気通信回線を通じて独自に構築された複数(ここでは2つ)のネットワーク10,20が接続されている。
【0017】
このネットワーク10,20は、本実施の形態ではインターネットルータ11,21を介して上位ネットワーク1と接続されている。また、各ネットワーク10,20は、無線端末2(無線通信端末)の送受信機能を備えた基地局としてのアクセスポイント12,22と、代替通信装置13,23とを備えている。尚、ネットワーク10,20は、上述したアクセスポイント12,22と代替通信装置13,23の他、必要に応じた機器等がネットワーク接続されているが、ここでは図示並びに説明は省略する。
【0018】
ところで、本発明の一実施形態に係る無線通信システムでは、例えば、図2に示すように、ルータ21としての機能とアクセスポイント22としての機能を具備したブロードバンドルータ31と代替通信装置32とを備えたネットワーク30や、図3に示すように、ルータ21としての機能とアクセスポイント22としての機能と代替通信装置23の機能とを具備したワイヤレスブロードバンドルータ41を備えたネットワーク40とするなど、上記のものに限定されるものではなく、後述する代替通信装置13,23の機能を代替通信装置33及びワイヤレスブロードバンドルータ41で行っても良い。この際、ワイヤレスブロードバンドルータ41で機能を代替した場合、プログラムの追加という形で実装することができる。
【0019】
尚、以下の説明では、図1に示した無線通信システムを代表として説明する。
【0020】
代替通信装置23(代替通信装置13の構成も同じとすることができる)は、ネットワーク20との接続用のネットワークインターフェース24と、このネットワークインターフェース24との送受信が可能なCPU25と、CPU25に管理される揮発性メモリ26及び不揮発性メモリ27とを備えている。尚、ネットワーク20に直接若しくは間接的に外部記憶装置(ネットワークサーバ等でも良い)3を接続し、後述する揮発性メモリ26又は不揮発性メモリ27への記憶データを外部記憶装置3で代用することも可能である。また、揮発性メモリ26,不揮発性メモリ27,外部記憶装置3(代替通信装置13の揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含む)の何れかには、図5に示す認証アドレステーブル28が格納されている。
【0021】
認証アドレステーブル28は、無線通信端末2がハンドオーバーすべき対象であるか否かをCPU25で判定するためのデータベースである。この認証アドレステーブル28に格納されるデータとしては、無線通信端末2のIPアドレス、無線通信端末2のMACアドレス、無線通信端末2のネットワークアドレスとネットマスク、無線通信端末2のネットワーク10(20)にある代替通信装置13(23)のIPアドレスを含む。尚、無線通信端末2は、以下の説明では、当初のネットワーク10にある代替通信装置13のIPアドレスを備え、移動に伴ってネットワーク20にハンドオーバーするものとする。
【0022】
CPU25は、大略、送信元アドレス監視機能部25Aと、パケット変換機能部25Bと、問合せ応答機能部25Cとを用いてハンドオーバ制御する。上述したアクセスポイント12(22)は、ネットワーク10(20)に流れるパケットを取り込む(キャプチャ)機能とパケット変換機能部25Bでパケット変換を行ったデータや問合せのパケットを送信する機能を持つ。尚、図5において、太線の矢印はデータパケットの流れを示し、細線矢印は内部データ又は信号の流れを示す。また、パケット変換機能部25Bは、パケットのカプセル化と同時に付加機能(例えば、暗号化等)を実行することができる。
【0023】
以下、CPU25による各種制御例を図6のフロー図を参照しつつ説明する。
【0024】
(送信元アドレス監視機能:ステップS1〜ステップS3)
送信元アドレス監視機能部25Aは、無線通信端末2から送信されてきたパケットに含まれる送信元アドレスに基づいて自ネットワーク10内の無線通信端末2か他ネットワーク10から移動してきた無線通信端末2なのかを判断する(ステップS1)。
【0025】
この際、送信元アドレス監視機能部25Aは、自ネットワーク20上の管理下にあるIP(インターネットプロトコル)を無線通信端末2が有しているかで判断する。
【0026】
そして、自ネットワーク20内の無線通信端末2の場合には何もせずにルーチンを終了する。他ネットワーク10から移動してきた無線通信端末2である場合には認証アドレステーブル28を参照し(ステップS2)、その認証アドレステーブル28に該当する無線通信端末2であればパケット変換機能部25Bに認証アドレステーブル28で該当した代替切替装置13に向けてカプセル化したパケットを送信するように通知すると共に認証アドレステーブル28に該当しない無線通信端末2であれば新たに認証すべき無線通信端末2であるかを問合せ応答機能部25Cに通知する(ステップS3)。
【0027】
この際、代替通信装置23からの応答により認証すべき無線通信端末2である場合には代替通信装置13に対してカプセル化したパケットを送信する。
【0028】
(問合せ応答機能:ステップS4〜S6)
問合せ応答機能部25Cでは、送信元アドレス監視機能部25Aからの通知により、上位ネットワーク1に接続されている図示しない全ての代替通信装置を含めて無線通信端末2が認証対象であるか否かを問い合わせ(ステップS4)、自ネットワーク20の無線通信端末2であれば認証対象として応答すると共に無線通信端末2が新規認証対象である場合には認証アドレステーブル28に追加し(ステップS5)、他の代替通信装置10からの応答が無い場合にはハンドオーバーすべき無線通信端末2であるとは認証されずパケットは破棄される(ステップS6)。
【0029】
尚、代替通信装置20が電源ON又はリセットによる起動の際、代替通信装置10に問合せを行い、認証アドレステーブル28を初期化することも可能である。
【0030】
(パケット変換機能:ステップS7,S8)
パケット変換機能部25Bでは、送信元アドレス監視機能部25Aからの通知により、パケットをカプセル化して該当する代替通信装置20宛てに変換する(ステップS7)。また、代替通信装置10から送られてくるパケットのカプセルを解除して自ネットワーク20内の無線通信端末23の代替としてパケットを送信する(ステップS8)。尚、自ネットワーク20内にある無線通信端末2が送受信するパケットについては何もしない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの変形例1のシステム構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの変形例2のシステム構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る無線通信システムに用いられる代替通信装置の概略構成のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの制御ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの制御ルーチンのフロー図である。
【符号の説明】
【0032】
10…ネットワーク
13…代替通信装置
20…ネットワーク
23…代替通信装置
25…CPU
25A…送信元アドレス機能部
25B…パケット交換機能部
25c…問合せ応答機能部
28…認証アドレステーブル
【出願人】 【識別番号】506227851
【氏名又は名称】株式会社アイウェア
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦

【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行


【公開番号】 特開2008−16957(P2008−16957A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183646(P2006−183646)