トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 技術的に多様なアクセスネットワーク間でメディア非依存ハンドオーバを実施する無線通信方法および無線通信システム
【発明者】 【氏名】ウリセス オリベラ−エルナンデス

【氏名】カメル エム.シャヒーン

【氏名】アラン ジェラルド カールトン

【氏名】マリアン ルドルフ

【氏名】ル グァン

【氏名】ジュアン カルロス ズニガ

【氏名】マゲド エム.ザキ

【要約】 【課題】技術的に多様なアクセスネットワーク間でメディア非依存ハンドオーバを実施する無線通信方法および無線通信システムを提供する。

【構成】無線通信システムは、少なくとも1つのマルチスタックWTRU110及び複数の技術的に多様なアクセスネットワークを含み、両者は共にMIHファンクションを含む。WTRU110は、IEEE802.Xネットワークの1つから伝送されたMIH情報を読み取り、そのMIH情報に基づいて3GPP認証手続き及び3GPP許可手続きをトリガし、ローカルIPアドレスを獲得し、3GPPコアネットワーク内でPDGに至るトンネルを確立し、CoAを構築し、そのCoAをWTRU110のホームエージェント142で登録し、それによってWTRU110を宛先とするデータがそのCoAに基づいてホームエージェント142と外部エージェント136との間で確立された新たなトンネルを通って、ホームエージェント142経由でルーティングされるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の技術的に多様なアクセスネットワークと、メディア非依存ハンドオーバ(MIH)ファンクションを含むプロトコルスタックを含む少なくとも1つのマルチスタック無線送信/受信ユニット(WTRU)とを含む無線通信システムにおいて、前記アクセスネットワークとの通信リンクを確立する方法であって、
前記方法は、
(a)前記WTRUをアクティベートし、前記MIHファンクションを初期設定するステップと、
(b)前記WTRUは、アクセスネットワークを求めてスキャンするステップと、
(c)前記WTRUは、アクセスネットワークによって伝送されたビーコンフレームを検出するステップと、
(d)前記ビーコンフレームがMIH情報をサポートすると前記WTRUが判定した場合、前記WTRUは、前記検出されたビーコンフレームの内容を読み取るステップと、
(e)前記WTRUは、前記ビーコンフレームの中で見出されたMIH情報を前記MIHファンクションに送るステップと、
(f)前記MIHファンクションは、前記MIH情報を処理し、前記アクセスネットワークとの通信リンクを確立するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記WTRUおよび前記アクセスネットワークは、モバイルインターネットプロトコルバージョン6(MIPv6)に準拠して高速ハンドオーバ手続きを実施することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記WTRUは、ルータ要請メッセージを現在のアクセスルータ(AR)に送信するステップと、
前記現在のARは、ルータ告知メッセージを前記WTRUに送信するステップと、
前記WTRUは、新たなARに関する測定を実行し、ハンドオーバ判定を行うステップと、
前記WTRUは、高速バインディングアップデートを前記現在のARに送信するステップと、
前記現在のARと前記新たなARとの間でトンネルを確立するステップと、
前記新たなARを介してパケットを配信するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は、技術的に多様なアクセスネットワーク(AN)の間でMIH(media independent handover:メディア非依存ハンドオーバ)を実施するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類のサービスを提供する様々な種類の無線通信システムが、開発されている。無線通信システムのいくつかの例には、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)、WWAN(無線ワイドエリアネットワーク)、およびUMTS(universal mobile telecommunication system)などのセルラーネットワークが含まれる。これらのシステムはそれぞれ、特定のアプリケーションを提供するように開発され、適合されている。
【0003】
企業領域、住宅領域、および公共領域において無線通信ネットワークが広範に採用されるとともに、そのようなネットワークのユーザが、一方のネットワークから他方のネットワークに移動する際に、継続的な接続性がサポートされることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出現しつつある「常時オン(always-on)」のライフスタイルとともに、WTRU(無線送信/受信ユニット)(すなわち、MS(移動局))は、複数の異種のネットワークをサポートすることを要求される。このため、それらのネットワーク間のシームレスなハンドオーバが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも1つのIEEE802マルチスタックWTRUと、同時に展開されるIEEE802.Xネットワークおよび3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)ネットワークなどの、複数の技術的に多様なアクセスネットワークとを含む無線通信システムに関する。マルチスタックWTRUと、技術的に多様なネットワークはともに、MIH(メディア非依存ハンドオーバ)ファンクションを含む。WTRUは、IEEE802.Xネットワークの1つから伝送されたMIH情報を読み取り、そのMIH情報に基づいて3GPP認証手続きおよび3GPP許可手続きを駆動し(trigger)、ローカルIP(インターネットプロトコル)アドレスを獲得し、3GPPコアネットワーク内でPDG(パケットデータゲートウェイ)に至るトンネルを確立し、CoA(気付アドレス)を構築し、そのCoAをWTRUのホームエージェントで登録し、それによってWTRUを宛先とするデータが、そのCoAに基づいてホームエージェントと外部エージェントの間で確立された新たなトンネルを通って、ホームエージェント経由でルーティングされるようにするように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のより詳細な理解は、例として与えられ、添付の図面と併せて理解されるべき、以下の説明から得ることができる。
【0007】
以降、「WTRU(無線送信/受信ユニット)」という用語には、MS(移動局)、UE(ユーザ機器)、固定式加入者ユニットもしくは移動式加入者ユニット、ページャ、または有線環境もしくは無線環境において動作することができる他の任意の種類のデバイスが含まれるが、これらには限定されない。
【0008】
(頭字語および定義)
3G 第3世代
3GPP 3Gパートナーシッププロジェクト
AAA 認証、許可、および課金
AG アクセスゲートウェイ
AN アクセスネットワーク
AP アクセスポイント
AR アクセスルータ
BS 基地局
BSC 基地局コントローラ
BSSID 基本サービスセット識別子
BTS 無線基地局
BU バインディングアップデート
ESS 拡張サービスセット
CoA 気付アドレス
CoN コレスポンデントノード
CN コアネットワーク
CVSE 不可欠なベンダ/組織固有の拡張
ESSID 拡張サービスセットID
FA 外部エージェント
FBU 高速バインディングアップデート
F−HMIP 階層型モバイルIP向けの高速ハンドオーバ
FMIP 高速ハンドオーバモバイルIP
FNA 高速近隣告知
GGSN ゲートウェイGPRSサポートノード
GPRS General Packet Radio Service
GSM Global System for Mobile Communication
GTP GPRSトンネリングプロトコル
HLCF 高位レイヤコンバージェンスファンクション
HA ホームエージェント
HAck ハンドオーバ確認応答
HI ハンドオーバ開始
HMIP 階層型モバイルIP
HO ハンドオーバ
HOF ハンドオーバファンクション
IEEE 米国電気電子学会
IETF インターネット技術標準化委員会
ICMP インターネット制御メッセージプロトコル
IP インターネットプロトコル
ISP インターネットサービスプロバイダ
L1 PHY(物理レイヤ)
L2 MAC(メディアアクセス制御)レイヤおよびLLC(論理リンク制御)
L3 レイヤ3
L2TP L2トンネリングプロトコル
L3SH L3ソフトハンドオーバ
LAN ローカルエリアネットワーク
LCoA オンリンク気付アドレス
LLC 論理リンク制御
LLCF 低位レイヤコンバージェンスファンクション
MA メディアアクセス
MAC メディアアクセス制御
MAP モバイルアンカポイント
MIH メディア非依存ハンドオーバ
MIHO メディア非依存ハンドオーバ
MIHS メディア非依存ハンドオーバサービス
MIP モバイルIP
MLME MACレイヤ管理エンティティ
MN 移動ノード
MS 移動局
MT 移動端末装置
NVSE 通常のベンダ/組織固有の拡張
PDG パケットデータゲートウェイ
PHY 物理レイヤ
PLMN 公衆陸上移動ネットワーク
QoS サービス品質
RCoA 地域的気付アドレス
RFC Request for Comment
RNC 無線ネットワークコントローラ
SAP サービスアクセスポイント
SGSN サービングGPRSサポートノード
SNR 信号対雑音比
TCP 伝送制御プロトコル
UDP ユーザデータグラムプロトコル
UE ユーザ機器
UMTS Universal Mobile Telecommunications System
WAG 無線アクセスゲートウェイ
WLAN 無線ローカルエリアネットワーク
WPAN 無線パーソナルエリアネットワーク
WMAN 無線メトロポリタンエリアネットワーク
WTRU 無線送信/受信ユニット
【0009】
図1は、本発明に従って構成された無線通信システム100のブロック図である。無線通信システム100は、異なる標準の下で同時に展開された複数のAN1021〜102X、1041〜104Xと、複数の3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)CN(コアネットワーク)1061〜106Xとを含む。IEEE802マルチスタックWTRU110は、AN1021〜102X、1041〜104Xの間でハンドオーバを実行しながら、AN1021〜102X、1041〜104Xのいずれにもアクセスすることができる。AN1021〜102X、1041〜104Xには、IEEE802 AN1021〜102X、および3GPP RAN(無線アクセスネットワーク)1041〜104Xが含まれるが、これらには限定されない。IEEE802 AN1021〜102X、は、IEEE802.3標準、IEEE802.11標準、IEEE802.15標準、およびIEEE802.16標準の下で動作することができる。以降、本発明は、IEEE802 ANおよび3GPP RANに関連して説明するが、本発明は、他の任意の種類のANにも適用可能である。
【0010】
3GPP RAN1041〜104Xのそれぞれは、BTS(無線基地局)/ノードB107と、BSC(基地局コントローラ)/RNC(無線ネットワークコントローラ)108とを含む。BSC/RNC107は、複数の3GPP CN(コアネットワーク)1061〜106Xの1つに接続される。IEEE802 AN1021〜102Xは、マルチレイヤメディアインタフェースユニット112と、アクセスゲートウェイ114とを含む。マルチレイヤメディアインタフェースユニット112は、物理レイヤファンクションおよびMAC(メディアアクセス制御)レイヤファンクションを実行する。アクセスゲートウェイ114は、インターネット120または3GPP CN1061〜106Xなどの外部ネットワークに対する統一されたインタフェースである。アクセスゲートウェイ114は、外部ネットワークにデータパケットをルーティングするため、および外部ネットワークからデータパケットをルーティングするためのアクセスルータ116を含む。したがって、IEEE802マルチスタックWTRU110は、インターネット120を介してCoN140と通信することができる。また、IEEE802マルチスタックWTRU110は、ホームネットワーク146を介して、HA(ホームエージェント)142、およびホームAAA(認証、許可、および課金)サーバ144と通信することもできる。
【0011】
3GPP CN1061〜106Xのそれぞれは、AAAサーバ132と、WAG(WLANアクセスゲートウェイ)134と、PDG/GGSN(ゲートウェイGPRS(general packet radio service)サービングノード)/FA(外部エージェント)136と、SGSN(サービングGPRSサポートノード)138とを含む。GGSNおよびPDGは、IPV4がサポートされる必要がある場合、FAとして機能することができる。PDGは、GGSNファンクションおよびトンネル終端ポイントのサブセットを使用して、既存のGGSNから離れて実施されることが可能である。WAG134は、AN1021〜102Xにおけるアクセスルータ116へのデータ、およびルータ116からのデータが経由するゲートウェイであり、IEEE802マルチスタックWTRU110に3GPPサービスを提供するようにルーティングされる。3GPP AAAサーバ132は、IEEE802マルチスタックWTRU110のためのAAAサービスを提供する。PDG136は、3GPP PS(パケット交換)ベースのサービスに関するゲートウェイである。
【0012】
図2は、本発明に従って実施される2つの異なるハンドオーバのシナリオを示す。図2では、2つの異なるIEEE802 AN2021、2022が、展開される。第1のシナリオでは、MIP(モバイルインターネットプロトコル)ハンドオーバが、IEEE802マルチスタックWTRU110と、2つの異なるAN2021、2022との間で実施される。第2のシナリオでは、ハンドオーバは、IEEE802マルチスタックWTRU110と、同一のIEEE802 AN2022内の2つの異なるIEEE802 MA(メディアアクセス)エンティティ2121、2122の間で実施される。第2のシナリオでは、モビリティは、レイヤ3より下で扱われることが可能であるので、MIPは、要求されない。
【0013】
図3は、本発明に従って構成されたプロトコルスタック300を示す。プロトコルスタックは、ユーザプレーン310と、MIHオペレーションを実行するための別個のMIH管理プレーン320とを含む。MIH管理プレーン320は、ユーザプレーン310と並列である。
【0014】
MIH管理プレーン320は、MIH HLCF(高位レイヤコンバージェンスファンクション)322と、HOF(ハンドオーバファンクション)324と、MIH LLCF(低位レイヤコンバージェンスファンクション)326とを含む。MIH HLCF322は、特定の技術で、MIHハンドオーバプレーン320とモビリティ管理エンティティの間のインタフェースを提供する。HOF324は、MIH LLCF326からハンドオーバイベントを収集し、特定の基準(例えば、リンク品質、サービス、およびサブスクリプション)に基づき、ハンドオーバが要求されるかどうかを判定する。MIH LLCF326は、特定の技術に固有のPHY(物理レイヤ)イベントおよびMACレイヤイベントを集約する(compile)イベントサービスを提供する。イベントサービスは、収集される必要があるMAC測定およびPHY測定のセットを決定するために構成されることが可能である。いくつかのイベント、またはイベントの集合が、ある構成された基準(例えば、SNR(信号対雑音比)閾値)を満たす場合、イベント指示が、生成される。MIH HLCF322およびMIH LLCF326は、実装時固有のものであり、本発明におけるMIH HLCF322およびMIH LLCF326のいずれの説明も、限定としてではなく例として与えられており、他の任意のバリエーションが可能であることに留意されたい。
【0015】
図3に示されるとおり、MIH管理プレーン320は、他の技術固有のHO(ハンドオーバ)ファンクション330(例えば、IEEE802.11rESS内高速ハンドオーバまたはIEEE802.16 Netmanモビリティファンクション)と並存することが可能である。他のハンドオーバエンティティが全く存在しない場合、PHYおよびMACからのハンドオーバトリガがMIH LLCF326に直接に送られる。MIHハンドオーバプレーン320が技術固有のHO管理プレーン330と並存する場合、実装時固有である2段ハンドオーバ方法が使用される。例えば、1つのハンドオーバ管理エンティティがハンドオーバ手続きを制御してもよいし、または両方のエンティティからのファンクションの組合せが実施されてもよい。
【0016】
図4は、本発明による詳細なMIH管理プレーン320を示す。MIHハンドオーバプレーン320は、コンバージェンスファンクションを介して高位レイヤと低位レイヤの両方においてシステムとインタフェースをとる。それらのコンバージェンスファンクションはシステム固有であり、複数のファンクションがすべてのシステム固有の機能(feature)をサポートするために存在することが可能である。
【0017】
好ましくは、複数のMIH HLCF322およびMIH LLCF326が、提供される。例えば、セルラーシステムとインタフェースをとるためのMIHセルラーHLCF322a、モバイルIPインタラクション(interaction)のためのMIHモバイルIP HLCF322b、およびHLCFに関する同一のIPサブネット内のハンドオーバのためのMIH IPサブネット内HLCF322c、ならびにセルラーシステムに関するMIHセルラーLLCF326a、およびLLCFのためのIEEE802システムに関するMIH802.X LLCF326b、326cである。
【0018】
図5Aおよび図5Bは、本発明によるIEEE802マルチスタックWTRU110およびIEEE802 ANのプロトコルスタックを示す。前述したとおり、MIH管理プレーン320がIEEE802マルチスタックWTRU110とANの両方においてユーザプレーンと並列に提供され、MIH LLCFがMACレイヤおよびPHYレイヤとインタフェースをとり、そしてMIH HLCFが高位レイヤアプリケーションとインタフェースをとる。
【0019】
図6は、本発明によるMIH状態マシン(state machine)600を示す。MIH状態マシン600はネットワークとWTRUの両方に対して、ハンドオーバがネットワークによって開始されるかWTRUによって開始されるかにかかわらず、適用可能である。5つの状態が、以下のとおり定義される。すなわち、初期設定状態602、ネットワーク発見/更新状態604、MIH安定状態606、MIHハンドオーバ準備状態608、およびMIHハンドオーバコミット状態610である。
【0020】
初期設定状態602では、ハンドオーバ構成パラメータが初期設定され、次に、ネットワーク発見/更新状態604への遷移が行われる。ネットワーク発見/更新状態604では、MIH管理プレーン320は、異なる技術からの近隣リストを含め、システム条件およびネットワークトポロジについての情報を収集する。MIH安定状態開始条件が満たされると、MIH安定状態606への遷移が行われ(ステップ612)、MIH安定状態終了条件が満たされると、ネットワーク発見/更新状態604に戻る遷移が行われる(ステップ614)。このオペレーション中、MIH管理プレーン320は、ネットワーク更新を実行して、最新のシステム条件を獲得する。MIH安定状態606は、リンク条件が良好であり、ハンドオーバを実行する必要性が全くない状態を表す。しかし、ネットワーク発見が、背景で実行されて、最新の近隣リスト条件を獲得することが可能である。
【0021】
MIHハンドオーバ要求を受信した際、進行中の技術内ハンドオーバが全く存在しない場合、MIHハンドオーバ準備状態608への遷移が行われて、新たなリンクが準備される(ステップ616)。好ましくは、その新たなリンクは、確立済みのリンクを解放することなしに確立される(すなわち、メイク・ビフォー・ブレーク)。MIHハンドオーバセットアップが中止された場合(ステップ618)、MIHは、MIH安定状態606に戻る。MIHハンドオーバ準備が適切に完了した場合、MIHは、進行中の技術内ハンドオーバが存在しない限り、MIHハンドオーバコミット状態610への遷移を行う(ステップ620)。MIHハンドオーバが正常に実行された場合(ステップ624)、MIHは、MIH安定状態606に戻る遷移を行う。しかし、MIHハンドオーバが中止された場合(ステップ622)、MIHは、MIHハンドオーバ準備状態608に戻る遷移を行う。
【0022】
レイヤ間の境界を越える情報フローは、SAP(サービスアクセスポイント)に関して説明され、SAPは、様々な情報項目を表し、アクションが生じるようにさせるプリミティブによって定義される。いくつかのサブレイヤが存在するので、SAPは、特定のコンバージェンスファンクションの各ファンクションによって、MIH HLCFにMIHハンドオーバサービスを提供するSAP、MIH LLCFにMIHハンドオーバサービスを提供するSAP、および外部レイヤ(非IEEE標準レイヤ)に提供されるサービスセットに分けられる。図7A〜図7C、図8A、および図8Bは、本発明による外部SAPを示す。
【0023】
内部通信、外部通信、およびピア通信をもたらすトリガが使用される。それらのトリガは、媒体(例えば、アクセスインタフェース)上でトリガとして出現するのではなく、異なるレイヤおよびプレーンの間の関係をより明確に定義する役割をする。図9は、例示的なトリガの3つのグループの使用を示す。それらのグループは、A、B、およびCとして識別される。数字は、同一のグループ内のトリガの順序を示す。
【0024】
グループAは、第1のピア910及び第2のピア950の間のピアツーピア通信を示す。第1のピア910及び第2のピア950はともに、MIH管理プレーン920、970、およびユーザプレーン930、960をそれぞれ含む。MIHハンドオーバファンクション924からMIH LLCF926への、サービスを求める初期要求が、「要求」トリガ(1A)によって提供される。この要求は、破線で示されるとおり、第2のピアのMIH LLCF976に送られる。第2のピア内のMIH LLCF976は、その要求をMIHハンドオーバファンクション974に知らせる「指示」トリガ(2A)を生成する。MIHハンドオーバファンクション974は、「応答」トリガ(3A)でMIH LLCF976に応答する。その応答は、リンクを介して第1のピア上のLLCF926に送られ、LLCF926は、「確認」トリガ(4A)をMIHハンドオーバファンクション924に送る。
【0025】
情報が、同一の管理プレーン内および同一のノード内の高レベルエンティティから低レベルエンティティにトランスポートされる際、1Aおよび4Aによって示されるとおり、「要求」と「確認」のペアが使用される。
【0026】
グループBは、情報が、同一の管理プレーン内および同一のノード内の低レベルエンティティから高レベルエンティティにトランスポートされる場合のシナリオを示す。1Bおよび2Bによって示されるとおり、「指示」と「応答」のペアが使用される。
【0027】
グループCは、情報がMIH HLCF922、972と、モバイルIPファンクション932、962などの高位レイヤアプリケーションとの間で交換される場合のシナリオを示す。1Cおよび2Cによって示されるとおり、「指示」と「応答」のペアが使用される。
【0028】
本発明によれば、いくつかのリモートトランスポートオプションがサポートされる。MIHは、MACレイヤにプリミティブとして転送される汎用メッセージを送ることができ、専用の管理メッセージが、情報を交換するために使用されて、他方の側のMIHファンクションにおいてSAPプリミティブとして伝送されることが可能である。MIHは、MIPベンダ固有の拡張を介してメッセージを生成し、交換することができる。802.1Xと同様のイーサネット(登録商標)タイプのフレームを使用して、管理プレーン間で情報を交換することが可能である。異なるコンバージェンスレイヤが異なるトランスポート機構を実施する、混成アプローチ(hybrid approach)が使用されてもよい。
【0029】
内部トリガは、MIHファンクション内のトリガである。外部トリガは、MIH管理プレーン及びユーザプレーンの間のトリガである。表1および表2は、外部トリガおよび内部トリガの要約である。MIH_PHY.setトリガ、MIH_PHY.getトリガ、およびMIH_PHY.resetトリガは、MIH_PHYCONFIGトリガに相当する。MIH_MAC.setトリガ、MIH_MAC.getトリガ、およびMIH_MAC.resetトリガは、MIH_MACCONFIGトリガに相当する。以上のトリガは、無線でブロードキャストされて、WTRUが適切なネットワークを発見し、選択するのを支援すべき情報を構成する。さらに、以上のトリガは、イベントがいつトリガされるべきかを決定するのに使用される、PHYレイヤ内及びMACレイヤ内の両方における閾値を設定する。
【0030】
【表1】


【0031】
【表2】


【0032】
図10Aおよび図10Bは、併せて、本発明によるIEEE802.X−WLAN/3GPP相互動作である、システムアクセスに関するプロセス1000を示す。WTRU110の電源がオンにされ、HOF324が初期設定される。WTRU110は、スキャン(能動的または受動的)を実行して、適切なWLAN/3GPPネットワークを見出す(ステップ1002)。WLANは、その目的で、ビーコンフレームを周期的に伝送する。WLANのMIHファンクションは、いつでもビーコンフレームの内容の変更を命令することができ(ステップ1004)、その命令は、MIH_MACCONFIGメッセージによって送られる(ステップ1006)。以上は、管理システムからの手動の要求として行われてもよいし、または無線環境測定値などに基づいて動的に行われてもよい。
【0033】
WLANネットワークが見出された場合、WTRU110は、そのネットワークによって伝送されたビーコン情報を読み取る(ステップ1008)。代替として、WTRU110は、プローブ要求メッセージとプローブ応答メッセージを介して、または後の段階で、候補システム内の既知のデータベースにアクセスすることにより、システム情報をフェッチしようと試みてもよい。
【0034】
ビーコンフレームが検出されると、WTRU110はまず、MIH情報がサポートされているかどうかを(例えば、ビーコンフレーム上でブロードキャストされた特定の802.21フラグを介して)識別する。サポートされている場合、WTRU110は、その情報の内容を読み取る。ビーコンフレーム内で見つかったMIH情報(例えば、システム運用者ID、PGS(W−APN)、近隣マップ、ならびにSMS能力、IMS能力、VoIP能力、およびその他のシステム能力)は、MIH_MACINFOメッセージを介してHOF324に送られる(ステップ1010)。MIH固有の情報は、手動で、またはAN HOF324によって動的に、設定または更新される。
【0035】
HOF324は、システム情報を取得し、その情報に基づいて候補3GPPネットワークを選択し、その選択されたネットワークに向けて3GPP認証手続きおよび3GPP関連付け手続きをトリガする(ステップ1012)。MIHは、MIH_MACORDERメッセージを介して、認証および関連付け(association)を命令する(ステップ1014)。WTRU110とAG114との間で、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介した拡張認証プロトコル(extensible authentication protocol)(EAPOL)手続きが、開始される(ステップ1016)。この手続きの一環として、WTRU110は、妥当なネットワークアクセスID(NAI)を提供する。AG114は、そのNAIを使用して、認証手続きを、妥当なAAAサーバにルーティングする。AG114は、3GPP AAAサーバ132に対するEAP−AKA(authentication key agreement)認証メッセージおよび中継メッセージをトリガする(ステップ1018)。AG114は、AAAメッセージを他のサーバにルーティングして、基本サービスを提供してもよい。
【0036】
EAP−AKAメッセージのルーティングの成功は、EAP−AKAメッセージを伝送するインターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)トンネルの確立をもたらす(ステップ1020)。加えて、AG114は、NAIを使用して、ユーザが、基本サービスを要求するか、プレミアムサービスを要求するかを判定することができる。さらに、NAIを使用して、その特定のユーザに利用可能なネットワーク能力などのサービスだけを提供することができる特定のポートにメッセージをルーティングすることもできる。
【0037】
認証および許可が成功すると、WTRU110は、ローカルDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol:動的ホスト構成プロトコル)サーバから、またはARP(Address Resolution Protocol:アドレス解決プロトコル)を使用して、ローカルIPアドレスを獲得する(ステップ1022)。選択されたPDG(−APN)を使用して、WTRU110は、FQDN(fully qualified domain name:完全修飾ドメイン名)を導出する(ステップ1024)。WTRU110は、ローカルDNS(ドメインネームサーバ)を用いて、FQDNを使用して妥当なPDGのIPアドレスを決定する(ステップ1026およびステップ1028)。PDG IPアドレスが獲得されると、WTRU−PDGトンネルが確立されることが可能である(ステップ1030またはステップ1032)。
【0038】
WTRU−PDGトンネルは、次の4つの方法で確立されることが可能である。すなわち、1)WTRU110が、PDGに直接に至るトンネルを確立する、2)WTRU110が、WAG134に至るトンネルを確立し、WAG134からPDG136に至るトンネルが、さらに確立される、3)AG114が、WAG134に至るトンネルを確立し、次に、WAG134からPDG136に至るトンネルが、さらに確立される、4)AG114が、PDG136に直接に至るトンネルを確立する。
【0039】
トンネルが確立されると、WTRU110は、PDG(外部エージェントの役割をする)からエージェント告知メッセージを受信するか、またはRFC2002に準拠して、エージェント要請メッセージを使用して、そのメッセージを要求する(ステップ1034)。WTRU110は、PGAルータアドレスを使用して、WTRU110のCoA(気付アドレス)を構築する(ステップ1036)。WTRU110は、WTRU110のCoAを、WTRU110のHA(ホームエージェント)142で登録する(ステップ1038)。すると、WTRU110を宛先とするデータは、供給されたCoAに基づいてHA142とFA136との間で確立された新たなトンネルを通って、HA142経由でルーティングされる(ステップ1040)。
【0040】
図11A〜図11Cは、併せて、本発明による802.X−3GPP相互動作失敗ケースである、システムアクセスに関するプロセス1100を示す。WTRUの電源がオンにされ、MIHハンドオーバファンクションが初期設定される。WTRUは、スキャン(能動的または受動的)を実行して、適切なWLAN/3GPPネットワークを見出す(ステップ1102)。WLANは、その目的で、ビーコンフレームを周期的に伝送する。WLANのHOF324は、いつでもビーコンフレームの内容の変更を命令することができ(ステップ1104)、その命令は、MIH_MACCONFIGメッセージによって送られる(ステップ1106)。WLANネットワークが見出された場合、WTRUは、ビーコン情報を読み取る(ステップ1108)。WTRUは、ビーコン情報を読み取り、その情報が、MIH_MACINFOメッセージを介してHOF324に送られる(ステップ1110)。
【0041】
MIHファンクションは、システム情報パラメータ内で提供された1つまたは複数の値が、システムアクセスのための必要な条件を満たすかどうかを判定する(ステップ1112)。例えば、MIHファンクションは、システム運用者があらわにされているかどうか、QoS(サービス品質)が十分であるかどうか、またはメッセージの中で提供される可能な近隣セット内で識別されたより良好な候補が存在するかどうかを判定する。
【0042】
MIHファンクションは、情報サービスによって提供されたパラメータが、内部構成された要件を満たさないと判定した場合、MAC_ORDERメッセージを使用して、スキャン段階に戻るよう、MACレイヤに命令する(ステップ1114)。
【0043】
要件が満たされると、MIHファンクションは、MIH_MACODERメッセージを使用してEAPOL認証をトリガし(ステップ1116)、EAPOL手続きが開始される(ステップ1118)。AG114は、認証手続きをトリガしたNAI、または認証手続き自体に基づき、ユーザが要求するサービスレベル(例えば、3GPP IMS)を判定することができる。
【0044】
WTRU認証は、EAPOL手続きに従って実行される(ステップ1120)。認証が失敗した場合、システムアクセスは拒否され、WTRUは初期設定状態に戻る(ステップ1122)。提供されたNAIが、いずれの3GPPサーバにも解決されない場合、AG114は、アクセスを拒否することができ、またはさらなる処理のためにローカルサーバに向かわせることができる(ステップ1124)。例えば、AG114は、認証手続きがプレミアムサービスに関して失敗しているものの、ユーザが、基本サービスを受けることを依然として許されていると判定することが可能である。AG114は、認証要求をルーティングすることができない場合、その要求がルーティングされることが可能な、利用可能なAAAサーバを示すことによって応答することができる。WTRUが、適切なAAAサーバが存在しないと判定した場合、WTRUは、初期設定状態に戻ることを決定することができる(ステップ1126)。
【0045】
AAAメッセージのルーティングの成功が達成された場合、AG114と3GPP AAAサーバ132との間でIPSecトンネルが確立され、AG114は、EAPメッセージをAAAサーバ132に中継する(ステップ1128)。AG114は、WTRUとAAAサーバの間でオーセンティケータ(authenticator)の役割をする。AG114は、WTRUと妥当なAAAサーバとの間で認証メッセージを中継する。
【0046】
WTRUがセルラー認証手続きに失敗した場合(ステップ1130)、3GPPサービスなどの特別なサービスへのアクセスが拒否されることが可能であり、WTRUは初期設定状態に戻る(ステップ1132)。代替として、AG114は、基本サービス(例えば、インターネットサービス)へのアクセス、またはさらなる情報をユーザに提供することが可能なポータルへのアクセスを、依然として許可してもよい。
【0047】
セルラーAAAサーバがWTRUを認証することに成功した場合、WTRUはローカルDHCPからローカルIPアドレスを獲得することに取りかかる(ステップ1134)。W−APNを使用して、WTRUは、FQDNを構築し(ステップ1136)、そのFQDNに基づいてPDG IPアドレスを獲得しようと試みる(ステップ1138)。DNSサーバが、FQDNをいずれのIPアドレスに対しても解決することができない場合、WTRUは、既存のWLANネットワーク内のPDGにアクセスすることができない(ステップ1140)。WTRUは、初期設定状態に戻ること、またはWLANだけのサービスで我慢しておく(settle for)ことを選択することができる(ステップ1142)。AG114は、「デフォルト」のPDGアドレスを提供することを選択してもよい。そのケースでは、WTRUはその情報をエンドユーザに提供し、エンドユーザはそのデフォルトのPDGに接続することを決定することができる。以上の手続きは、AG114内、およびWTRU110内の構成パラメータに基づいて自動的になされることが可能である。
【0048】
DNSが、有効なPDGアドレスを戻した場合、WTRU110は、PDG136に向かうトンネル(例えば、L2TPトンネル)を確立し、PDG136からのエージェント告知メッセージを受け入れる(listen)(ステップ1144)。エージェント告知メッセージが、全く受信されない場合、WTRU110は、エージェント要請を送信する。
【0049】
応答が全く受信されない場合(ステップ1146)(例えば、MIPがサポートされていない場合)、他のPDNからのパケットの配信が、PDG136を介して、依然として可能である。WTRU110は、ローカルIPアドレスを使用すること、またはPDPコンテキスト活性化(context activation)を要求することができる(ステップ1148)。そのケースでは、WTRU−PDGトンネルIPトラフィックは、PDG136を介してWTRU110からインターネット120に直接にルーティングされ、シームレスなモビリティは、PDG136を越えて、全くサポートされない。
【0050】
図12Aおよび図12Bは、併せて、本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される、802.Xから3GPPへのハンドオーバに関するプロセス1200を示す。
【0051】
図12Aを参照すると、3GPP PDG136を介して802.X上で、WTRUとCoN140との間におけるユーザデータフローが確立される(ステップ1202)。PDPコンテキストは、GGSNにおいてアクティブ状態(active)である。MIHハンドオーバファンクションは、MIH管理エンティティが安定状態にある間に、測定値を受け取る。所定のパフォーマンス閾値を超えたことを、物理レイヤが検出した場合、物理レイヤは、イベント指示(indication)であるMIH_PHY_EVENTをMIHハンドオーバファンクションに送る(ステップ1204)。パフォーマンス閾値を超えたことを、MACレイヤが検出した場合、MACレイヤは、イベント指示(indication)であるMIH_MAC_EVENTをMIHハンドオーバファンクションに送る(ステップ1206)。
【0052】
MIHは、MACレイヤ測定値およびPHYレイヤ測定値を処理し、フィルタリングして(ステップ1208)、ハンドオーバ評価を実行する(ステップ1210)。信号品質や特定のネットワーク特性(例えば、好ましいPLMN)などのイベントの組合せが、ハンドオーバプロセスがトリガされるべきかどうかを判定するのに使用されることが可能である。MIHハンドオーバファンクションが、条件(または条件の組合せ)が満たされており、したがって、ハンドオーバの試みがトリガされるべきであると判定した場合、MIHは、IEEE802.X側でハンドオーバが差し迫っていることを(HOF_PREPAREを介して)3GPPレイヤに知らせる(ステップ1212)。
【0053】
このトリガに基づき、WTRUは、セル選択を開始して、ルーティングエリア更新を実行する(ステップ1214)。ルーティングエリア更新は、WTRUによって実行されるプロセスであり、一方のエリアから他方のエリアにWTRUが移動するといつでも、ネットワークに知らせるプロセスである。WTRUは、ルーティングエリアコードを追跡することを担う。ルーティングエリアコードが前回の更新とは異なる場合、WTRUは、そのルーティングエリアコードをネットワークに送信することにより、別の更新を実行する。その時点で、無線接続および新たなSGSNに向けての接続がともに確立される(ステップ1216)。
【0054】
新たなSGSNは、PDGからのPDP(パケットデータプロトコル)コンテキスト転送を要求する(ステップ1218)。PDPコンテキストは、加入者のIPアドレス、加入者のIMSI、GGSN136およびSGSN138におけるトンネルIDなどを含め、加入者がアクティブ状態のセッションを有する際の加入者のセッション情報を含む、SGSN138上およびGGSN136上の両方に存在するデータである。
【0055】
図13は、本発明によるWTRUとPDGの間で確立されたトンネルを示す。現在のPDPコンテキストの「スナップショット」がアップリンクフローおよびダウンリンクフローの両方に関して、PDGにおいておこなわれる。PDGは、その情報を新たなSGSNに転送する。PDPコンテキストが転送された直後に、PDGは、WTRUに向けてダウンリンクパケットを送信することを停止する。その時点の後にGGSNから受信されたパケットが、バッファリングされる。PDGがパケットを処理することを開始する準備ができると、RNCは、新たなGTPトンネルを確立し、バッファリングされたパケットの複製を、古いSGSNを介して、PDGに向けて送信する。以上は、タイマが満了するまで行われる。PDPコンテキストは、GGSNにおいて更新され、新たなGTPトンネルが、(Gn’インタフェースを介して)確立されることが可能である。すると、パケットは、PDGを介してGGSNから直接に受信される。
【0056】
図12Bを参照すると、PDPコンテキスト転送が成功した後、3GPPレイヤが、ハンドオーバが正常に完了したことをMIHハンドオーバファンクションに知らせる(ステップ1220)。そのような時点で、3GPP低位レイヤ接続および3GPP高位レイヤ接続が確立され(ステップ1222)、ユーザデータフローが、3GPPネットワーク上でWTRU110およびCoN140の間において進行中である(ステップ1224)。HOF324は、IEEE802.X無線接続の解放(例えば、関連付け解除(disassociation))を命令し(ステップ1226)、古いメディアが、解体される(ステップ1228)。
【0057】
図14A〜図14Cは、併せて、本発明による、WTRUによって開始される、3GPPからIEEE802.11へのハンドオーバに関するプロセス1400を示す。ユーザデータフローが、3GPPネットワーク上でWTRU110およびCoN140の間において確立される(ステップ1402)。システム情報は、3GPPネットワークからWTRU110に伝送される(ステップ1404)。3GPPレイヤは、WLANシステムへのハンドオーバが正当化され得るかどうかを判定するのに使用されることが可能な、妥当なシステム情報を抽出し、3GPPレイヤは、その情報をMIHハンドオーバファンクションに転送する(ステップ1406)。代替として、WTRU110内のIEEE802.Xレイヤが、継続的に、または3GPP構成要素から受信されたシステム情報によって促された際に、周期的スキャンを実行してもよい(ステップ1408)。
【0058】
妥当な3GPPシステム情報が、MIHファンクションに転送される(ステップ1410、ステップ1412)。MIHハンドオーバファンクションは、利用可能な情報(例えば、明示的な指示(explicit indication)、RFシグネチャ、地理的ロケーション、手動スキャンまたは自動スキャン、特定のTMSI割り当てなど)に基づき、選択に適したWLANが存在するかどうかを判定する(ステップ1414)。次に、MIHファンクションは、ハンドオーバに関する可能な候補のリストを生成する(ステップ1416)。MIHファンクションは、システム運用者や、既知のシステム能力などの、いくつかの態様に基づき、ハンドオーバに関する候補を評価する(ステップ1418)。
【0059】
MIHハンドオーバファンクションは、ハンドオーバに関するターゲットを見出し、MIH_MACORDERメッセージを介して、802.Xシステムへのハンドオーバをトリガする(ステップ1420、ステップ1422)。WTRU110は、802.Xシステム関連付け、およびターゲットWLANシステムに向けての認証を実行する(ステップ1424)。
【0060】
WTRU110が、関連付けられ、認証されることに成功すると(ステップ1426)、RFC2284に準拠して、EAPが、妥当な3GPP AAAサーバ132に向けて使用される(ステップ1428)。WTRU110は、WLAN ID、および関連するPLMNを使用して、FQDNを構築し、そのFQDNを使用して、DNSクエリを介して、関連するPDGアドレスを獲得する。WTRU110は、そのアドレスを使用して、PDG136に向けてエンド・ツー・エンドのトンネルを確立する(例えば、L2TPを使用して)(ステップ1430)。トンネルが確立されると、WTRU110は、PDG136に向けてルーティングエリア更新を実行する。PDG136において受信されたルーティングデータ更新は、古いSGSN138に向けてコンテキスト転送要求をトリガする。
【0061】
PDG136は、図13に示されるとおり、新たなGTP(GPRSトンネリングプロトコル)トンネルを確立し、バッファリングされたすべてのパケットの複製を、新たなSGSNに送信する。以上は、タイマが満了するまで、または新たなSGSNが、パケットを処理することを始める準備ができるまで、行われる。新たなネットワークは、PDPコンテキストをアクティブにすることに成功すると、パケットを処理することを始める準備ができている。PDPコンテキストはGGSNにおいて更新され、新たなGTPトンネルが確立されることが可能である。すると、パケットは、GGSNから、新たなSGSNに向けて直接に受信される。
【0062】
図15は、古いRNCと、古いSGSNと、GGSNとの間のGTPトンネルを示す。現在のコンテキストの「スナップショット」が、古いRNCからとられて、古いSGSNを介してPDGに転送される。アップリンクコンテキスト情報とダウンリンクコンテキスト情報がともに、キャプチャされる。PDPコンテキストが転送された直後、RNCは、WTRU110に向けてダウンリンクパケットを送信することを停止する。その時点の後にGGSN136から受信されたパケットは、バッファリングされる。
【0063】
図14を再び参照すると、802.Xの低位レイヤおよび高位レイヤが確立された後(ステップ1434)、IEEE802.Xネットワークを介するWTRU110からCoN140へのユーザデータフローが確立される(ステップ1436)。MIHは、HOF_COMMITメッセージを介して、ハンドオーバが完了したことを知らせ(ステップ1438)、3GPP RAB(無線アクセスベアラ)が、解放されることが可能である(ステップ1440)。
【0064】
図16Aおよび図16Bは、併せて、本発明による、WTRUによって開始される、802.Xから802.3へのハンドオーバに関するプロセス1600を示す。WTRU110およびIEEE802.Xネットワークの間でデータパスが確立されている間(ステップ1602)、802.3物理接続が確立され(ステップ1604)、MIHが、そのIEEE802.3物理接続を検出する(例えば、RJ45ケーブルが、プラグ接続されている)(ステップ1606)。
【0065】
低位レイヤによる802.3物理接続が検出されると、MIH_PHY_EVENTメッセージが、MIHハンドオーバファンクションに向けて送信される(ステップ1608)。このメッセージは、ハンドオーバが実行されるべきかどうかを判定するのに使用される物理リンクの特性を提供する。「L3SH(レイヤ3またはIPベースのソフトハンドオーバ)」と同様のマルチストリーム接続が、試みられることが可能である。以上は、バッテリの考慮が該当しないようにする、AC電源の利用可能性などの、いくつかの要因に依存する。
【0066】
MIHハンドオーバファンクションは、低位レイヤによって提供された情報を継続的に処理し、フィルタリングして(ステップ1610)、1つまたは複数の条件が、ハンドオーバ手続きをトリガすることに関する基準を満たすかどうかを判定するハンドオーバ評価を実行する(ステップ1612)。
【0067】
判定が、肯定的である場合、MIHハンドオーバファンクションは、ハンドオーバ手続きをトリガする(ステップ1614)。この手続きは、コンテキスト情報(例えば、ヘッダ圧縮コンテキスト、PPPコンテキストなど)の転送、およびユーザデータの切り換えを含む。L3SHが使用される場合、コンテキストは、新たなルータからCoN140への新たな接続が確立されて初めて、アクティブにされることが可能である。その情報(L3SHサポート)は、古いアクセスルータと新たなアクセスルータとの間で通信される必要がある。
【0068】
MIHハンドオーバファンクションは、HOF_PREPAREメッセージを使用して、コンテキスト転送およびMIP構成要素におけるMIP手続きをともにトリガする(ステップ1616)。WTRU110は、新たに確立された物理接続を使用して、IEEE802.3 AGから新たなIPアドレスを獲得する(ステップ1618)。HOF_PREPAREメッセージから来る情報を使用して、または既存のMIPメッセージを使用して、WTRU110は、新たなAG(すなわち、802.3 AG)のIPアドレスを獲得する。これにより、WTRU110が、IEEE802.3 AGと接触して、コンテキスト転送手続きを開始することが可能になる(ステップ1620)。
【0069】
コンテキストが新たなAG(802.3 AG)に転送されている間(ステップ1622)、データが古いAG(802.X AG)から転送される(ステップ1624)。これにより、新たなCoAが、(IEEE802.3 AG内の)新たな802.3アクセスルータとネゴシエートされるより前に、WTRU110が、ユーザデータを受信することが可能になる。新たなAGは、コンテキストエンジンがアクティブにされる必要があるか、またはデータストリームが単にWTRU110から/WTRU110に中継されるべきかを判定する必要がある。この判定は、古いルータによって提供されるL3SH情報に基づいて行われることが可能である。
【0070】
WTRU110は、既存のMIPメッセージを使用して、新たなCoAをネゴシエートする(ステップ1626)。新たなCoAの準備ができ、低位レイヤ接続が確立されると(ステップ1628)、ユーザデータパスが、CoN140から新たなAGに切り換えられることが可能である(ステップ1630)。その時点で、ユーザデータは、完全にIEEE802.3ネットワークを介して流れている。
【0071】
古いCoAが、現時点で、登録解除されることが可能であることをMIPレイヤに知らせるHOF_COMMITメッセージが送信される(ステップ1632)。MIHは、MIH MACORDERメッセージを介して、IEEE802.X接続を解体する(ステップ1634、ステップ1636)。オプションとして、MIHは、古い802.X接続を保持して、802.Xに戻るハンドオーバが実行されるべき場合に、再関連付け手続きを回避することができる。
【0072】
図17Aおよび図17Bは、併せて、本発明による、WTRUによって開始される、802.3から802.Xへのハンドオーバに関するプロセス1700を示す。802.3接続が確立されると、低位レイヤ(MAC/PHY)接続および高位レイヤ(例えば、IP/MIP)接続がともに確立される(ステップ1702、ステップ1704)。ユーザデータは、IEEE802.3 WTRUと802.3ネットワークとの間で流れている(ステップ1706)。MIHシステム情報は、MIHハンドオーバファンクションに提供されることが可能である(ステップ1708)。
【0073】
MIHが、MIH_PHY_EVENTメッセージを処理する(ステップ1710)。AC電源供給装置の利用可能性などの一部のイベントは、MIHが、802.3および802.Xの両方の同時の接続をトリガするようにさせることができる(ステップ1712)。MIHハンドオーバファンクションが、802.Xシステムへのハンドオーバをトリガすることを決定した場合(ステップ1714)、MIHハンドオーバファンクションは、MIH_MACORDERメッセージを発行して、関連付け手続きおよび認証手続きをトリガする(ステップ1716)。802.X物理接続が、オプションとして確立されてもよい(ステップ1718)。コンテキスト情報の転送を円滑にするため、WTRU110は、オプションとして、現在の802.3アンカポイントについての情報を提供することもできる(ステップ1720)。802.3アンカポイントは、現在のIEEE802.3接続に関するコンテキスト情報を保持しているIEEE802.3 AGと定義される。その情報は、ハンドオーバが差し迫っている場合、IEEE802.X AGによって、コンテキスト転送を要求するのに使用される。
【0074】
IEEE802.3接続がもはや利用できない(例えば、RJ45ケーブルが、プラグを抜かれている)場合、低位レイヤによって、MIH_PHY_EVENTメッセージを介して、イベントがトリガされる(ステップ1722)。MIHファンクションは、トリガを生成した可能性がある条件(例えば、リンクがダウンしている)を評価し、802.Xシステムアクセスを決定し(WTRU110が、既に関連付けられているのではない場合)、コンテキスト情報の転送を求める要求が、発行されなければならない(ステップ1724)。
【0075】
MIHハンドオーバファンクションは、HOF_PREPAREメッセージを使用して、新たなANが開始されなければならないことを、MIPエンティティに通知する(ステップ1726)。これにより、古いAG(802.3)から新たなAG(802.X)へのコンテキスト情報の転送、およびユーザデータの転送がトリガされる。
【0076】
WTRU110は、ARPまたはDHCPを使用して、IEEE802.X AGから新たなIPアドレスを獲得する(ステップ1728)。このステップは、より早期に実行されてもよい。より早期に実行されることは、WTRU110が、IEEE802.X AGに対して、最初に関連付けられ、認証される場合に行われることが可能である。IEEE802.X IPアドレスが利用可能になると、WTRU110は、古い802.3 AGから新たな802.X AGへのコンテキスト転送手続きおよびデータ転送手続きをトリガする(ステップ1730、ステップ1732)。L3SHが使用される場合、コンテキストは、新たなルータからCoN140への新たな接続が確立されて初めて、アクティブにされることが可能である。その情報(L3SHサポート)は、古いアクセスルータと新たなアクセスルータとの間で通信される必要がある。
【0077】
コンテキストが、新たなAG(802.X AG)に転送されている間、データが、古いAG(802.3 AG)から転送される(ステップ1734)。これにより、新たなCoAが、(IEEE802.X AG内の)新たな802.Xアクセスルータとネゴシエートされるより前に、WTRU110がユーザデータを受信することが可能になる。新たなAGは、コンテキストエンジンがアクティブにされる必要があるか、またはデータストリームが単にWTRU110から/WTRU110に中継されるべきかを判定する必要がある。この判定は、古いルータによって提供されるL3SH情報に基づいて行われることが可能である。
【0078】
次に、WTRU110は、既存のMIPメッセージを使用して、新たなCoAをネゴシエートする(ステップ1736)。新たなCoAの準備ができ、低位レイヤ接続が確立されると、ユーザデータパスがCoN140から新たなAGに切り換えられることが可能である(ステップ1738)。古いCoAがその時点で登録解除されることが可能であることをMIP側に知らせるHOF_COMMITメッセージが送信される(ステップ1740)。
【0079】
図18Aおよび図18Bは、併せて、本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される802間ハンドオーバに関するプロセス1800を示す。802.X低位レイヤ手続きおよび802.X高位レイヤ手続きが完了すると(ステップ1802、ステップ1804)、IEEE802.Xネットワークに対するデータパスが確立される(ステップ1806)。進行中のIEEE802.Xセッション中、データパスは、WTRU110とIEEE802.X ANの間である。IEEE802.XネットワークにおけるMIHが、オプションとして、システム情報を、MIHのピアに提供することができる(ステップ1808)。可能な近隣に関する情報が、オプションとして、MIH_SYSINFOメッセージを介して、ピアツーピアで提供されることが可能である。
【0080】
MAC/PHYの測定値が、MIH_PHY_EVENTを介して、MIHファンクションに送信される(ステップ1810)。また、リモート測定値がWTRU110に転送されることも可能である(ステップ1812、ステップ1814、ステップ1816)。MIH LLCFが、それらの測定値を処理する(ステップ1818)。例えば、MIH LLCFは、いくつかの測定値を平均し、それらの測定値を閾値と比較し、HOFを示すトリガを作成することができる。
【0081】
HOF324は、HOF324が、ネットワーク情報サービスおよび測定レポートから獲得する情報に基づき、ハンドオーバが必要であるかどうかを判定する(ステップ1820)。インテリジェントな判定を行うため、MIHハンドオーバファンクションは、システム情報更新からの情報(例えば、近隣リスト、および近隣ネットワークの情報)を保持する。MIHハンドオーバファンクションは、準備ステップおよびコミットステップという2つのステップで予防ハンドオーバ判定を行う。様々な閾値、および意思決定アルゴリズムが、それら2つのステップのために使用されることが可能である。
【0082】
MIHは、ハンドオーバが差し迫っていると判定した場合、HOF_PREPAREメッセージをMIPとMAC/PHYの両方に送信することにより、ネットワーク全体にわたってハンドオーバ準備手続きをトリガする(ステップ1822、ステップ1824)。MIPおよびレイヤ2は共にハンドオーバの準備をすることを始める。WTRU110は、IEEE802.Yネットワークとの新たなレイヤ2リンクを確立する(ステップ1826)。
【0083】
WTRU110は、IEEE802.Xネットワークから新たなIPアドレスを獲得する(ステップ1828)。このステップは、より早期に行われることも可能である。WTRU MIPが、IEEE802.XネットワークからIEEE802.Yネットワークへのコンテキスト転送をトリガする(ステップ1830)。コンテキストが、IEEE802.Yネットワークに転送される間、データは、IEEE802.X AGからIEEE802.Y AGに転送されることが可能である(ステップ1832)。これにより、新たなCoAがIEEE802.Yルータとネゴシエートされるより前に、WTRU110がユーザデータを受信することが可能になる。
【0084】
WTRU110は、既存のMIPメッセージを使用して、新たなCoAをネゴシエートする(ステップ1834)。新たなCoAの準備ができ、低位レイヤ接続および高位レイヤ接続が確立されると(ステップ1836)、ユーザデータパスが、その時点で、IEEE802.Yネットワークに切り換えられる(ステップ1838)。
【0085】
古いCoAが登録解除されることが可能であることをMIP側に知らせるHOF_COMMITメッセージが、送信される(ステップ1840)。オプションとして、古いレイヤ2接続が、MIH_MACORDERメッセージによって解体されることが可能である(ステップ1842、ステップ1844)。
【0086】
図19Aおよび図19Bは、併せて、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される802間ハンドオーバ失敗のケースに関するプロセス1900を示す。この失敗は、多くの段階で生じることが可能である。802.X低位レイヤ手続きおよび802.X高位レイヤ手続きが完了すると(ステップ1902、ステップ1904)、IEEE802.Xネットワークに対するデータパスが確立される(ステップ1906)。IEEE802.XネットワークにおけるMIHが、オプションとして、システム情報をMIHのピアに提供することができる(ステップ1908)。MAC/PHYの測定値が、MIH_PHY_EVENTを介してMIHファンクションに送信される(ステップ1910)。また、リモート測定値がWTRU110に転送されることも可能である(ステップ1912〜1916)。MIH LLCFが、それらの測定値を処理する(ステップ1918)。MIHハンドオーバファンクションは、MIHハンドオーバファンクションが、ネットワーク情報サービスおよび測定レポートから獲得する情報に基づき、ハンドオーバが必要であるかどうかを判定する(ステップ1920)。MIHは、ハンドオーバが差し迫っていると判定した場合、HOF_PREPAREメッセージをMIPとMAC/PHYの両方に送信することにより、ネットワーク全体にわたってハンドオーバ準備手続きをトリガする(ステップ1922、ステップ1924)。MIPおよびレイヤ2はともに、ハンドオーバの準備をすることを始める。
【0087】
IEEE802.Yネットワークに対するレイヤ2リンクが確立されることが可能でない場合(ステップ1926)、低位レイヤは、オプションとして、その失敗についてMIHに知らせるか、またはタイマが満了する。すると、MIHは、安定状態に戻る。MIHが、HOF_PREPAREを高位レイヤに送信すると(ステップ1924)、WTRU110は、IEEE802.Xネットワークから新たなIPアドレスを獲得しようと試みる。WTRU110が新たなIPアドレスを獲得することに失敗した場合(ステップ1928)、低位レイヤがその失敗についてMIHに知らせることが可能であるか、またはタイマが満了する。すると、MIHは、安定状態に戻る(ステップ1930)。
【0088】
以上すべてが成功した場合、WTRU MIPは、IEEE802.XネットワークからIEEE802.Yネットワークへのコンテキスト転送をトリガする(ステップ1932)。コンテキスト転送が失敗した場合、MIHは安定状態に戻る(ステップ1934)。オプションとして、MIHは、IEEE802.Yネットワークに対するレイヤ2リンクを解体することができる。コンテキストがIEEE802.Yネットワークに正常に転送された場合、データはIEEE802.X AGからIEEE802.Y AGに転送されることが可能である(ステップ1936)。これにより、新たなCoAがIEEE802.Yルータとネゴシエートされるより前に、WTRU110がユーザデータを受信することが可能になる。
【0089】
WTRU110が、既存のMIPメッセージを使用して、新たなCoAをネゴシエートすることに失敗した場合(ステップ1938)、802.Y内の転送されたコンテキストは、削除されなければならない(ステップ1940)。IEEE802.X内のコンテキストが依然として存在しているものと想定すると、データ転送は停止されなければならない。すると、MIHは、安定状態に戻る(ステップ1942)。新たなCoAの準備ができ、低位レイヤ接続および高位レイヤ接続が確立された場合(ステップ1944)、ユーザデータパスは、その時点で、IEEE802.Yネットワークに切り換えられる(ステップ1946)。
【0090】
古いCoAが登録解除されることが可能であることをMIP側に知らせるHOF_COMMITメッセージが、送信される(ステップ1948)。オプションとして、古いレイヤ2接続が、MIH_MACORDERメッセージによって解体されることが可能である(ステップ1950、ステップ1952)。
【0091】
図20Aおよび図20Bは、併せて、本発明による、ネットワークによって開始され、ネットワークによって制御される802間ハンドオーバに関するプロセス2000を示す。802.Xセッションが進行中である間、データパスは、WTRU110およびIEEE802.X ANの間である(ステップ2002)。MAC/PHYの測定値が、MIH_PHY_EVENTメッセージを介して、IEEE802.X AN内のMIHファンクションに送信される(ステップ2004)。また、WTRU110からのリモート測定値がIEEE802.Xネットワークに転送されることも可能である(ステップ2006〜2010)。
【0092】
MIH LLCFがそれらの測定値を処理する(ステップ2012)。例えば、MIH LLCFは、いくつかの測定値を平均し、それらの測定値を閾値と比較し、MIHハンドオーバファンクションを示すトリガを作成することができる。MIHハンドオーバファンクションは、MIHハンドオーバファンクションが、ネットワーク情報サービスおよび測定レポートから獲得する情報に基づき、ハンドオーバが必要であるかどうかを判定する(ステップ2014)。インテリジェントな判定を行うため、MIHハンドオーバファンクションは、システム情報更新からの情報(例えば、近隣リスト、および近隣ネットワークの情報)を保持する。MIHハンドオーバファンクションは、準備ステップおよびコミットステップという2つのステップで予防ハンドオーバ判定を行う。様々な閾値および意思決定アルゴリズムが、それら2つのステップのために使用されることが可能である。
【0093】
MIHハンドオーバファンクションは、ハンドオーバが差し迫っていると判定した場合、HOF_PREPAREメッセージをMIPおよびMAC/PHYの両方に送信することにより、ネットワーク全体にわたってハンドオーバ準備手続きをトリガする(ステップ2016、ステップ2020)。MIPおよびレイヤ2はともに、ハンドオーバの準備をすることを始める。高位レイヤで、IEEE802.X AGが、MIPコンテキストをIEEE802.Y AGに転送し、レイヤ2で、WTRU110が、IEEE802.Yネットワークとの新たなレイヤ2リンクを確立する(ステップ2018)。IEEE802.X AN内のMIHハンドオーバファンクションからWTRU110におけるMIHハンドオーバファンクションにピアツーピアメッセージが送信され(ステップ2022)、WTRUは、IEEE802.Yネットワークに対する低位レイヤ接続を準備する(ステップ2024)。
【0094】
コンテキストが、IEEE802.Yネットワークに転送される間、データはIEEE802.X AGからIEEE802.Y AGに転送されることが可能である(ステップ2026)。これにより、新たなCoAがIEEE802.Yルータとネゴシエートされるより前に、WTRU110がユーザデータを受信することが可能になる。WTRU110は、既存のMIPメッセージを使用して、新たなCoAをネゴシエートすることができる(ステップ2028)。新たなCoAの準備ができ、低位レイヤ接続が確立されると、ユーザデータパスが、その時点で、IEEE802.Yネットワークに切り換えられる(ステップ2030、ステップ2032)。
【0095】
MIHハンドオーバファンクションは、情報を処理することを続け、ハンドオーバがコミットされるべきかどうかを確認する。HO判定がMIHハンドオーバファンクションによって行われると、MIHハンドオーバファンクションは、HOF_COMMITメッセージをMIPに送信する(ステップ2034)。また、トリガが、WTRU110内のMIHピアに送信される(ステップ2036)。MIHハンドオーバコミットコマンドを受信すると、古いCoAが登録解除されることが可能である。オプションとして、MIHハンドオーバファンクションは、古いレイヤ2接続を解体するMIH_MACORDERを送信することができる(ステップ2038、2040)。
【0096】
本発明は、MIHにおいて高速ハンドオーバプロトコルを実施する。高速ハンドオーバプロトコルの目的の1つは、MIP登録に起因する待ち時間を克服することであり、基本的な考え方は、リンクレイヤ(トリガ)の助けを借りて動きを予期することである。動きを予期することは、前もってネットワークを準備することを意味し、WTRU110およびネットワークによって開始される、予期されたハンドオーバを要求する。予期されたハンドオーバは、実際のハンドオーバより少し前に、登録プロセスを開始することによって達せられる。
【0097】
図21は、本発明による、WTRUによって開始される802間高速ハンドオーバに関するプロセス2100を示す。WTRU110は、ルータ要請プロキシによってWTRU110の近隣についての情報を要求する(ステップ2102)。この情報は、WTRU110において近隣APの内部リストを構築するのに使用される。WTRU110は、WTRU110の周囲のAPに関係する情報(IPアドレスおよびMACアドレス、動作周波数、およびESSID情報など)を、ルータ告知メッセージを介して受信する(ステップ2014)。WTRU110は、MIHおよびMIPの間の事前確立されたリンク(図示せず)を介して、その情報をMIHに転送する。
【0098】
MIH LLCFが、測定値を処理し(ステップ2106)、MIHハンドオーバファンクションが、ハンドオーバ評価を実行する(ステップ2108)。MIHハンドオーバファンクションは、ハンドオーバすることを決定すると、MIH_HANDOVER_PREPAREトリガをMIPエンティティに送信し(ステップ2110)、このトリガが、MIH_HANDOVER_PREPARE応答メッセージによって確認応答される(ステップ2116)。WTRU110が、新たなCoAを獲得する(ステップ2112)。
【0099】
FBU(高速バインディングアップデート)は、WTRU110の(前の)ARに、WTRU110のトラフィックを新たなARに向かわせることを始めるよう指示する、WTRU110からのメッセージである。FBUは、ルータ告知メッセージから抽出された情報を使用して構築され、MIH_HANDOVER_PREPARE.Indicationを受信した後に送信される(ステップ2114)。FBUメッセージの目的は、前のARが、(前の)CoAを新たなCoAにバインドすることを許可することである。
【0100】
FBUを受信すると、前のARは、ハンドオーバおよびトンネル作成のための手続きを開始する。ICMPv6(インターネット制御メッセージプロトコル)メッセージであるハンドオーバ開始メッセージが、前のARによって新たなARに送信されて、ハンドオーバのプロセスがトリガされる(ステップ2118)。HACK(ハンドオーバ確認応答)は、ハンドオーバ開始メッセージへの返信として、新たなARによって前のARに送信されるICMPv6メッセージである(ステップ2120)。FBACK(高速バインディング確認応答)メッセージが、前のARが新たなARからHACKを受信した後、FBUメッセージの受信を確認するよう、前のARによって新たなARに送信され、通知する目的でWTRU110に送信される(ステップ2122、ステップ2126)。一時的なトンネルは、前のARおよび新たなARの間で確立される(ステップ2124)。
【0101】
IPルーティング情報がMIPエンティティからMIHハンドオーバファンクションに送信され(ステップ2128)、MIHハンドオーバファンクションがMIH_HANDOVER_COMMITメッセージをMIPエンティティに送信し、WTRU110が前のARとの接続を切る(ステップ2130)。次に、前のARが、パケットを新たなARに転送することを始める(ステップ2132)。新たなARに自らを告知するため、WTRU110は、接続を回復するとすぐに、FNA(高速近隣告知)メッセージを、その新たなARに送信する(ステップ2134)。ハンドオーバが、完了し、すると、パケットは、新たなARからWTRU110に配信される(ステップ2136)。
【0102】
図22は、本発明による、802間高速ハンドオーバメッセージフローを使用してHMIPv6(階層型MIPv6)を実施することに関するプロセス2200を示す。HMIPv6は、シグナル負荷およびハンドオーバ待ち時間を低減するための局所化されたモビリティ管理を提供する。グローバルモビリティの概念は、WTRU110が、1つのMAP(モバイルアンカポイント)から別のMAPに移動して、これにより、WTRU110のRCoA(地域的気付アドレス)が変わる状況を指す。ローカルモビリティケースの通常のシナリオは、WTRU110が、同一のMAP地域内で移動するが、1つのARから別のARに切り替わることである。それらのタイプのローカルハンドオーバは、WTRUのコレスポンデントホストにはローカルでトランスペアレントに管理される。
【0103】
WTRU110は、WTRU110が移動した先の新たなMAPからルータ告知を受信する(ステップ2202)。MAPのグローバルアドレスは、その告知の中に含まれる。MAPオプションの中で受信されたプレフィックスに基づき、WTRU110は、WTRU110のMAPに固有の新たなRCoAを形成する。ルータ告知は、WTRUの測定結果とともに、MIHおよびMIPの間で事前確立されたリンクを介してMIHに転送される。MIH LLCFが、それらの測定値を解析する(ステップ2204)。MIHハンドオーバファンクションが、ハンドオーバ評価を実行する(ステップ2206)。MIHハンドオーバファンクションは、ハンドオーバが、有利である、または必要であると判定した場合、HANDOVER_PREPARE.IndicationトリガをMIPに送信し(ステップ2208)、このトリガは、HANDOVER_PREPARE.Responseメッセージによって確認応答される(ステップ2212)。WTRU110が、CoA、RCoA、およびLCoA(オンリンク気付アドレス)を獲得する(ステップ2210)。
【0104】
MIH_HANDOVER_PREPARE.Indicationトリガを受信すると、MIPは、LCoAを有するLBUを前のMAPに送信してプレバインディング手続きを開始して(ステップ2211)、パケット損失を減らし、迅速なハンドオーバを実行する。この手続きは、メークビフォアブレーク原理に則って実行される。その時点で、MIH_HANDOVER_COMMIT.Indicationトリガが、MIHによってMIPに送信され(ステップ2214)、このトリガが、MIH_HANDOVER_COMMIT.Responseメッセージによって確認応答される(ステップ2216)。
【0105】
WTRU110は、ハンドオーバを指示するトリガを受信すると、BU(バインディングアップデート)を新たなMAPに送信する(ステップ2218)。このメッセージは、RCoAを含む「ホームアドレス」オプションを含む。このBUは、WTRUのRCoAをWTRUのLCoAにバインドする。
【0106】
MAPがBACKをWTRU110に送信し(ステップ2220)、MIPエンティティがIPルーティング情報をMIHハンドオーバファンクションに送信する(ステップ2222)。すると、双方向トンネルが、WTRU110および新たなMAPの間で確立される(ステップ2224)。
【0107】
新たなMAPに対して登録が確認されるとすぐに、WTRUが、バインディングを指定するBUをHA142に送信することにより、WTRUの新たなRCoAをHAに登録する(ステップ2226)。
【0108】
以上のステップは、MIPv6ルート最適化方法の一環である。また、前のステップにおけるBUと同様のBUが、WTRUのCoN140に送信される(ステップ2228)。これにより、CoN140が、新たなMAPにパケットを直接に伝送する目的で、その新たなMAPとのリンクを確立することが可能になる(ステップ2230)。
【0109】
本発明の特徴および構成要素を、好ましい実施形態において、特定の組合せで説明したが、各特徴および各構成要素は、好ましい実施形態の他の特徴および構成要素を伴わずに単独で使用されることも、本発明の他の特徴および構成要素を伴って、または伴わずに様々な組合せで使用されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に従って構成された無線通信システムのブロック図である。
【図2】本発明によるAN間ハンドオーバおよびAN内ハンドオーバを示す図である。
【図3】本発明に従って構成されたプロトコルスタックを示す図である。
【図4】本発明によるMIH(メディア非依存ハンドオーバ)管理プレーンを示す図である。
【図5A】本発明によるマルチスタックWTRUおよびメディアアクセスのプロトコルスタックを示す図である。
【図5B】本発明によるマルチスタックWTRUおよびメディアアクセスのプロトコルスタックを示す図である。
【図6】本発明によるMIH状態マシンを示す図である。
【図7A】本発明による外部SAP(サービスアクセスポイント)を示す図である。
【図7B】本発明による外部SAP(サービスアクセスポイント)を示す図である。
【図7C】本発明による外部SAP(サービスアクセスポイント)を示す図である。
【図8A】本発明による外部SAP(サービスアクセスポイント)を示す図である。
【図8B】本発明による外部SAP(サービスアクセスポイント)を示す図である。
【図9】例示的なトリガの3つのグループの使用を示す図である。
【図10A】本発明によるIEEE802.X−WLAN/3GPP相互動作である、システムアクセスに関するプロセスを示す図である。
【図10B】本発明によるIEEE802.X−WLAN/3GPP相互動作である、システムアクセスに関するプロセスを示す図である。
【図11A】本発明による802.X−3GPP相互動作失敗ケースである、システムアクセスに関するプロセスを示す図である。
【図11B】本発明による802.X−3GPP相互動作失敗ケースである、システムアクセスに関するプロセスを示す図である。
【図11C】本発明による802.X−3GPP相互動作失敗ケースである、システムアクセスに関するプロセスを示す図である。
【図12A】本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される、802.Xから3GPPへのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図12B】本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される、802.Xから3GPPへのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図13】本発明によるWTRUとPDG(パケットデータゲートウェイ)との間におけるトンネルの確立を示す図である。
【図14A】本発明による、WTRUによって開始される、3GPPからIEEE802.11へのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図14B】本発明による、WTRUによって開始される、3GPPからIEEE802.11へのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図14C】本発明による、WTRUによって開始される、3GPPからIEEE802.11へのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図15】本発明によるGTP(GPRSトンネリングプロトコル)トンネルの確立を示す図である。
【図16A】本発明による、WTRUによって開始される、802.Xから802.3へのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図16B】本発明による、WTRUによって開始される、802.Xから802.3へのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図17A】本発明による、WTRUによって開始される、802.3から802.Xへのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図17B】本発明による、WTRUによって開始される、802.3から802.Xへのハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図18A】本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される、802間ハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図18B】本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される、802間ハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図19A】本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される802間ハンドオーバ失敗ケースに関するプロセスを示す図である。
【図19B】本発明による、WTRUによって開始され、WTRUによって制御される802間ハンドオーバ失敗ケースに関するプロセスを示す図である。
【図20A】本発明による、ネットワークによって開始され、ネットワークによって制御される802間ハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図20B】本発明による、ネットワークによって開始され、ネットワークによって制御される802間ハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図21】本発明による、WTRUによって開始される802間高速ハンドオーバに関するプロセスを示す図である。
【図22】本発明による、WTRUによって開始される802間高速ハンドオーバメッセージフローを使用して、HMIPv6(階層型MIPv6)を実施するためのプロセスを示す図である。
【出願人】 【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
【出願日】 平成19年9月18日(2007.9.18)
【代理人】 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一

【識別番号】100088915
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 和夫


【公開番号】 特開2008−11573(P2008−11573A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−241401(P2007−241401)