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【発明の名称】 割当方法およびそれを利用した基地局装置
【発明者】 【氏名】永井 真琴

【要約】 【課題】リソースを有効に活用すること。

【構成】基地局装置10は、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックを複数含む周波数帯のうち、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる。まず、それぞれのサブキャリアブロックに含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する。つぎに、測定されたサブキャリアの干渉電力から、それぞれのサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出する。さらに、導出された平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置20に割り当てる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックを複数含む周波数帯のうち、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる基地局装置であって、
それぞれのサブキャリアブロックに含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する測定部と、
前記測定部によって測定されたサブキャリアの干渉電力から、それぞれのサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、前記平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出する導出部と、
前記導出部によって導出された平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる割当部と、
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記割当部は、前記導出部によって導出された平均値が所定のしきい値よりも小さい場合、前記導出部によって導出された統計値が小さいサブキャリアブロックから順に、端末装置を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
サブキャリアブロックの割当要求と端末装置が必要とする要求品質とが含まれた信号を端末装置から受信する受信部をさらに備え、
前記割当部は、前記受信部によって割当要求が含まれた信号を新たに受信したときに、前記受信部によって受信された信号に含まれた要求品質を満たすサブキャリアブロックが他の端末装置にすでに割り当てられている場合、前記他の端末装置が必要とする要求品質と、新たに割り当てるべき端末装置が必要とする要求品質とに応じて、サブキャリアブロックの割り当てを切替えることを特徴とする請求項1または2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記割当部は、
前記要求品質に対する所要平均値と所要統計値との関係を記憶する記憶部と、
前記受信部によって割当要求が含まれた信号を新たに受信したときに、前記受信部によって受信された信号に含まれた要求品質を満たすサブキャリアブロックが他の端末装置にすでに割り当てられている場合、前記記憶部に記憶された関係を参照しながら、前記他の端末装置が必要とする要求品質と、新たに割り当てるべき端末装置が必要とする要求品質のそれぞれに対応する所要平均値と所要統計値とを選択する選択部と、
いずれの端末装置にも割り当てられていない未使用のサブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロックを未使用のサブキャリアブロックに切り替え、新たに割り当てるべき端末装置に他の端末装置に割り当てられていたサブキャリアブロックを割り当てる割当実行部と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記受信部によって受信される信号に含まれる要求品質は、通信の実行に必要な所要周波数帯域幅を含み、
前記割当部は、前記要求品質に含まれた所要周波数帯域幅が所定の幅より狭い場合、前記導出部によって導出された統計値にかかわらず、前記所定のしきい値より小さい平均値となるサブキャリアブロックのうち、大きい平均値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当てることを特徴とする請求項3または4に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記受信部によって受信される信号に含まれる要求品質は、通信の遅延を許容できる度合いを示す遅延許容度を含み、
前記割当部は、前記要求品質に含まれた遅延許容度が所定の許容度より大きい場合、統計値に関するしきい値より小さい統計値となるサブキャリアブロックのうち、大きい統計値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当てることを特徴とする請求項3または4に記載の基地局装置。
【請求項7】
複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、前記平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出し、導出された平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てることを特徴とする割当方法。
【請求項8】
複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、前記平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出するステップと、
導出された平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックを複数含む周波数帯のうち、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てることによって、当該端末装置との通信を実行する場合に、通信において許容される遅延の程度が示された遅延許容度と、通信に必要とされる帯域幅が示された所要帯域幅情報とを取得する取得部と、
各サブキャリアブロックに含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する測定部と、
前記測定部によって測定されたサブキャリアの干渉電力から、各サブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、前記平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出する導出部と、
前記導出部によって導出された平均値と統計値と、前記取得部によって取得された遅延許容度と所要帯域幅情報とをもとに、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる割当部と、
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項10】
前記割当部は、遅延許容度に関するしきい値が遅延用しきい値として規定されており、また、帯域幅に関するしきい値が帯域幅用しきい値として規定されており、また、統計値に関するしきい値が統計値用しきい値として規定されており、また、平均値に関するしきい値が平均値用しきい値として規定されており、遅延許容度が遅延用しきい値より小さく、かつ所要帯域幅情報が帯域幅用しきい値以上の場合、平均値が平均値用しきい値より小さく、かつ統計値が統計値用しきい値より小さいサブキャリアブロックを優先して端末装置に割り当てることを特徴とする請求項9に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記割当部は、遅延許容度に関するしきい値が遅延用しきい値として規定されており、また、帯域幅に関するしきい値が帯域幅用しきい値として規定されており、また、統計値に関するしきい値が統計値用しきい値として規定されており、また、平均値に関するしきい値が平均値用しきい値として規定されており、遅延許容度が遅延用しきい値より小さく、かつ所要帯域幅情報が帯域幅用しきい値より小さい場合、平均値が平均値用しきい値以上で、かつ統計値が統計値用しきい値より小さいサブキャリアブロックを優先して端末装置に割り当てることを特徴とする請求項9に記載の基地局装置。
【請求項12】
前記割当部は、遅延許容度に関するしきい値が遅延用しきい値として規定されており、また、帯域幅に関するしきい値が帯域幅用しきい値として規定されており、また、統計値に関するしきい値が統計値用しきい値として規定されており、また、平均値に関するしきい値が平均値用しきい値として規定されており、遅延許容度が遅延用しきい値以上で、かつ所要帯域幅情報が帯域幅用しきい値以上の場合、平均値が平均値用しきい値より小さく、かつ統計値が統計値用しきい値以上となるサブキャリアブロックを優先して端末装置に割り当てることを特徴とする請求項9に記載の基地局装置。
【請求項13】
前記割当部は、遅延許容度に関するしきい値が遅延用しきい値として規定されており、また、帯域幅に関するしきい値が帯域幅用しきい値として規定されており、また、統計値に関するしきい値が統計値用しきい値として規定されており、また、平均値に関するしきい値が平均値用しきい値として規定されており、遅延許容度が遅延用しきい値以上で、かつ所要帯域幅情報が帯域用しきい値より小さい場合、平均値が平均値用しきい値以上で、かつ統計値が統計値用しきい値以上となるサブキャリアブロックを優先して端末装置に割り当てることを特徴とする請求項9に記載の基地局装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スケジューリング技術に関し、特に通信対象の端末装置に対するチャネルの割当方法およびそれを利用した基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ワイヤレス通信においては、限りある周波数資源の有効利用が望まれている。特に、携帯電話や第二世代コードレス電話システムの普及に伴い、その要請はさらに高まっている。この要請に応えるための技術のひとつが、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式である。OFDMAとは、端末装置からの送信信号をそれぞれを直交する周波数帯域に割り当てることによって、同一タイミングにおいて、基地局装置と複数の端末装置との間で通信を実行する技術である。一般的に、OFDMAにおいては、それぞれの周波数帯に複数の端末装置を割り当てるためのスケジューリング処理が必要となる。従来、複数の周波数帯のうち、信号対雑音比の高い周波数帯に端末装置を割り当てていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特表2005−502218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、高速通信においては、1台の端末装置に複数の周波数帯を割当てる場合がある。このような場合、複数の周波数帯における信号対雑音比の平均値をもとに、端末装置に割当てるべき周波数帯を選択する。ここで、信号対雑音比の平均値が高い場合であっても、周波数選択性フェ−ジングなどの影響により、信号対雑音比が低い周波数帯が含まれる場合があり、再送が多発する可能性がある。しかしながら、このような周波数帯へのチャネル割り当てを禁止すると、リソースの有効活用が図れないといった課題がある。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その総括的な目的は、リソースを有効活用する端末装置の割当方法、およびそれを利用した基地局装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の基地局装置は、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックを複数含む周波数帯のうち、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる基地局装置であって、それぞれのサブキャリアブロックに含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する測定部と、測定部によって測定されたサブキャリアの干渉電力から、それぞれのサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出する導出部と、導出部によって導出された平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる割当部と、を備える。
【0006】
この態様によると、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる際に、平均値だけでなく統計値も使用することによって、必要とされる通信品質に応じた割当てが可能となり、リソースを有効活用できる。
【0007】
割当部は、導出部によって導出された平均値が所定のしきい値よりも小さい場合、導出部によって導出された統計値が小さいサブキャリアブロックから順に、端末装置を割り当ててもよい。ここで、「平均値が所定のしきい値より小さい」とは、複数のサブキャリアの干渉電力を合計した値が所定のしきい値より小さいことを含む。なお、平均値は、干渉電力についての値であるため、小さいほど、品質が良いことを示す。この場合、統計値が小さいサブキャリアブロックから順に割り当てることによって、サブキャリアブロックを割り当てられた端末装置は、少ない再送回数で通信を実行できる。また、これにより、割り当てられていたサブキャリアブロックが早く開放されるため、システムリソースを有効に活用できる。
【0008】
サブキャリアブロックの割当要求と端末装置が必要とする要求品質とが含まれた信号を端末装置から受信する受信部をさらに備えてもよい。割当部は、受信部によって割当要求が含まれた信号を新たに受信したときに、受信部によって受信された信号に含まれた要求品質を満たすサブキャリアブロックが他の端末装置にすでに割り当てられている場合、他の端末装置が必要とする要求品質と、新たに割り当てるべき端末装置が必要とする要求品質とに応じて、サブキャリアブロックの割り当てを切替えてもよい。この場合、他の端末装置が必要とする要求品質と、新たに割り当てるべき端末装置が必要とする要求品質とに応じて、サブキャリアブロックの割り当てを切替えることによって、システムリソースを有効活用できる。
【0009】
割当部は、要求品質に対する所要平均値と所要統計値との関係を記憶する記憶部と、受信部によって割当要求が含まれた信号を新たに受信したときに、受信部によって受信された信号に含まれた要求品質を満たすサブキャリアブロックが他の端末装置にすでに割り当てられている場合、記憶部に記憶された関係を参照しながら、他の端末装置が必要とする要求品質と、新たに割り当てるべき端末装置が必要とする要求品質のそれぞれに対応する所要平均値と所要統計値とを選択する選択部と、いずれの端末装置にも割り当てられていない未使用サブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロックを未使用サブキャリアブロックに切り替え、新たに割り当てるべき端末装置に他の端末装置に割り当てられていたサブキャリアブロックを割り当てる割当実行部と、を有してもよい。このように、いずれの端末装置にも割り当てられていない未使用のサブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロックを未使用のサブキャリアブロックに切り替え、新たに割り当てるべき端末装置に他の端末装置に割り当てられていたサブキャリアブロックを割り当てることによって、サブキャリアブロックを割り当てられない端末装置を低減でき、システムリソースを最適に分配できる。
【0010】
受信部によって受信される信号に含まれる要求品質は、通信の実行に必要な所要周波数帯域幅を含んでもよい。割当部は、要求品質に含まれた所要周波数帯域幅が所定の幅より狭い場合、導出部によって導出された統計値にかかわらず、所定のしきい値より小さい平均値となるサブキャリアブロックのうち、大きい平均値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当ててもよい。このように、要求品質に含まれた所要周波数帯域幅が所定の幅より狭い場合、平均値が大きく通信品質が悪い場合であっても、通信の実行が可能であるため、所定のしきい値より小さい平均値となるサブキャリアブロックのうち、大きい平均値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当てることによって、所要周波数帯域幅の広い通信が必要とされる端末装置のためのサブキャリアブロックを温存でき、システムリソースを最適に配分できる。
【0011】
受信部によって受信される信号に含まれる要求品質は、通信の遅延を許容できる度合いを示す遅延許容度を含んでもよい。割当部は、要求品質に含まれた遅延許容度が所定の許容度より大きい場合、統計値に関するしきい値より小さい統計値となるサブキャリアブロックのうち、大きい統計値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当ててもよい。この場合、要求品質に含まれた遅延許容度が所定の許容度より大きい場合、通信に遅延が生じたとしても有効に通信が実行されるため、統計値に関するしきい値より小さい統計値となるサブキャリアブロックのうち、大きい統計値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当てることによって、遅延許容度が比較的小さい通信が必要とされる端末装置のためのサブキャリアブロックを温存でき、システムリソースを最適に配分できる。
【0012】
本発明の別の態様は、割当方法である。この方法は、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出し、導出された平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる。
【0013】
本発明の別の態様は、プログラムである。このプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出するステップと、導出された平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てるステップと、を含む。
【0014】
割り当てるステップは、導出された平均値が所定のしきい値よりも小さい場合、導出された統計値が小さいサブキャリアブロックから順に、端末装置を割り当ててもよい。
【0015】
サブキャリアブロックの割当要求と端末装置が必要とする要求品質とが含まれた信号を端末装置から受信するステップをさらに含んでもよい。割り当てるステップは、受信するステップにおいて割当要求が含まれた信号を新たに受信したときに、受信された信号に含まれた要求品質を満たすサブキャリアブロックが他の端末装置にすでに割り当てられている場合、他の端末装置が必要とする要求品質と、新たに割り当てるべき端末装置が必要とする要求品質とに応じて、サブキャリアブロックの割り当てを切替えてもよい。
【0016】
割り当てるステップは、要求品質に対する所要平均値と所要統計値との関係を記憶するステップと、受信するステップによって割当要求が含まれた信号を新たに受信したときに、受信された信号に含まれた要求品質を満たすサブキャリアブロックが他の端末装置にすでに割り当てられている場合、記憶するステップで記憶された関係をもちいて、他の端末装置が必要とする要求品質と、新たに割り当てるべき端末装置が必要とする要求品質のそれぞれに対応する所要平均値と所要統計値とを選択するステップと、いずれの端末装置にも割り当てられていない未使用サブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロックを未使用サブキャリアブロックに切り替え、新たに割り当てるべき端末装置に他の端末装置に割り当てられていたサブキャリアブロックを割り当てる切替ステップと、を有してもよい。
【0017】
受信するステップによって受信される信号に含まれる要求品質は、通信の実行に必要な所要周波数帯域幅を含んでもよい。割り当てるステップは、要求品質に含まれた所要周波数帯域幅が所定の幅より狭い場合、導出するステップによって導出された統計値にかかわらず、所定のしきい値より小さい平均値となるサブキャリアブロックのうち、大きい平均値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当ててもよい。
【0018】
受信するステップによって受信される信号に含まれる要求品質は、通信の遅延を許容できる度合いを示す遅延許容度を含んでもよい。割り当てるステップは、要求品質に含まれた遅延許容度が所定の許容度より大きい場合、統計値に関するしきい値より小さい統計値となるサブキャリアブロックのうち、大きい統計値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当ててもよい。
【0019】
本発明の別の態様は、基地局装置である。この基地局装置は、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックを複数含む周波数帯のうち、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てることによって、当該端末装置との通信を実行する場合に、通信において許容される遅延の程度が示された遅延許容度を取得する取得部と、各サブキャリアブロックに含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する測定部と、測定部によって測定されたサブキャリアの干渉電力から、各サブキャリアブロックに対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値を導出する導出部と、導出部によって導出された統計値と、取得部によって取得された遅延許容度とをもとに、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる割当部と、を備える。
【0020】
本発明の別の態様は、割当方法である。この方法は、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックを複数含む周波数帯のうち、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てることによって、当該端末装置との通信を実行する場合に、通信において許容される遅延の程度が示された遅延許容度を取得し、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックに対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値を導出し、導出された統計値と取得した遅延許容度とをもとに、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てる。
【0021】
本発明の別の態様は、プログラムである。このプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックを複数含む周波数帯のうち、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てることによって、当該端末装置との通信を実行する場合に、通信において許容される遅延の程度が示された遅延許容度を取得するステップと、複数のサブキャリアによって構成されるサブキャリアブロックに対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値を導出するステップと、導出された統計値と取得した遅延許容度とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロックを端末装置に割り当てるステップと、を含む。
【0022】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、無線通信における周波数の有効活用ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施形態は、通信システムに関する。この通信システムは、次世代のコードレス電話システムに好適である。次世代のコードレス電話システムは、高速通信を実現できるシステムが望まれており、OFDMA方式や種々の誤り訂正方式が適用される。OFDMA方式においては、複数の端末装置にそれぞれ異なる周波数帯域を割り当てて使用させる方式である。本実施形態においては、端末装置が要求する通信品質に応じて、割り当てるべき周波数帯域を選択する。割り当てるべき周波数帯域は、周波数帯域内の干渉電力の平均値と、平均値に対するばらつきの程度を示す分散値などの統計値に応じて、選択される。これにより、システムリソースを最適に分配できることとなる。詳細は後述する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム100の構成例を示す図である。通信システム100は、基地局装置10と、端末装置20で代表される第1端末装置20aと第2端末装置20bと第3端末装置20cとを含む。以下において、基地局装置10は、OFDMAを用いて端末装置20と通信を実行する場合について説明する。なお、上り通信、もしくは、下り通信のいずれか一方にOFDMAを適用し、他方をTDMA(Time Division Multiple Access)やSDMA(Space Division Multiple Access)などの他の方式を適用してもよい。なお、説明の便宜上、3台の端末装置20を図示したが、2台以下、もしくは、4台以上の端末装置20が存在してもよい。
【0026】
図2は、図1の通信システム100におけるサブキャリアブロック200の割当例を示す図である。通信システム100には、10MHzの幅を有し、複数のサブキャリアブロック200を含む周波数帯210が用いられる。周波数帯210は、N個の第1サブキャリアブロック200a〜第nサブキャリアブロック200nを含む。サブキャリアブロック200は、第1サブキャリアブロック200a〜第nサブキャリアブロック200nを代表するものとする。それぞれのサブキャリアブロック200は、M個のサブキャリアを含む。したがって、周波数帯210は、N×M個のサブキャリアを含むこととなる。なお、以下においては、説明の便宜上、N、Mを2以上の整数として説明する。また、説明の便宜上、それぞれのサブキャリアブロック200に含まれるサブキャリアの個数はMとしたが、サブキャリアブロック200は、それぞれ異なる個数のサブキャリアを含んでいてもよい。
【0027】
第1チャネル割当例220は、サブキャリアブロック200ごとに1台の端末装置20を割り当てた場合を示す。すなわち、通信システム100においては、最大N個の端末装置20を割り当てることができる。第2チャネル割当例230は、2つの端末装置20にそれぞれサブキャリアブロック200を割当て、それぞれの端末装置20に、異なる個数のサブキャリアブロック200が割り当てられることを示している。第2チャネル割当例230は、帯域をあまり必要としない低速通信を要求する第1端末装置20aと、多くの帯域を必要とする高速通信を要求する第2端末装置20bが同時に通信を実行するような場合に適用される。このように割り当てることによって、端末装置20が要求するサービスの態様に柔軟に対応でき、システムリソースを最適に配分できる。第3チャネル割当例240は、1つの端末装置20に全帯域を割当てた場合を示す。より高速な通信を要求する端末装置20が存在し、その通信の際に、他の基地局装置10からのチャネル割当要求がないような場合に、第3チャネル割当例240のように割り当てることによって、高速通信が可能となる。
【0028】
以上のごとく、サブキャリアブロック200ごとに端末装置20に使用させる周波数帯を割り当てることで、端末装置20と基地局装置10との間の電波環境や要求されるサービス品質に応じた割当が可能となる。これにより、高速通信を可能にしつつ、システムリソースを最適化できる通信システム100が実現できることとなる。なお、以下においては、説明の便宜上、第1チャネル割当例220に示した割り当て例にもとづいて説明を行なう。
【0029】
図1に戻る。端末装置20は、通信を開始する際に、基地局装置10に対してチャネル割当を要求する。チャネル割当の要求は、複数のサブキャリアブロック200のうちの所定のサブキャリアブロック200が属する予め定められた周波数帯を用いて、割当要求信号を送信することによって実行される。割当要求信号は、割り当てるべきサブキャリアブロック200の品質を示す要求品質にかかる情報を含む。要求品質については後述する。基地局装置10は、端末装置20から割当要求信号を受け、その端末装置20に割当てるべきチャネルを選択する。チャネルの選択は、以下の手順で実行される。
【0030】
(1)基地局装置10は、端末装置20から割り当て要求に関する信号を受信したことを契機として、その信号の周波数帯を含むすべてのサブキャリアブロック200について、干渉強度を測定する。なお、干渉強度だけでなく、信号強度を測定してもよい。また、信号強度対干渉強度比を導出してもよい。さらに、基地局装置10は、測定された干渉電力から、サブキャリアブロック200に対する干渉強度の平均値、および、分散値などの統計値を計算する。ここで、干渉強度の平均値が平均値に関する第1しきい値(以下、「第1しきい値」もしくは「γ」と表記する。)より大きい場合すなわち品質が悪い場合、もしくは、干渉強度の統計値が統計値に関する第2しきい値(以下、「第2しきい値」もしくは「δ」と表記する。)より大きい場合、基地局装置10は、端末装置20にいずれのサブキャリアブロック200も割り当てない。このような場合に割り当てたとしても、通信が正常に実行されず、無線通信における周波数が無駄に使用されるからである。なお、第1しきい値、および、第2しきい値は、それぞれ、通信を正常に実行が可能であるか否かの境界を示すように設定される。また、平均値、統計値は、端末装置20から受信した信号の属するサブキャリアブロック200以外のサブキャリアブロック200についても計算される。なお、干渉強度のかわりに信号強度対干渉強度比を比較対象とする場合、しきい値との大小関係は、上述した場合と反対の関係になる。すなわち、信号強度対干渉強度比の平均値が平均値に関するしきい値より小さい場合、基地局装置10は、端末装置20にいずれのサブキャリアブロック200も割り当てないこととなる。以下においては、説明の便宜上、干渉強度を比較対象として、サブキャリアブロック200の品質を判定するとして説明する。なお、干渉強度のかわりに信号強度対干渉強度比を用いる場合、上述したように、比較の際の大小関係を反転すればよい。この場合であっても、干渉強度を用いる場合と同様の効果が得られることは当業者に理解されるところである。
【0031】
(2)基地局装置10は、サブキャリアブロック200ごとに、割当要求信号を送信した端末装置20を割り当てることができるか否かについて判定する。この判定処理は、第1判定処理と、第2判定処理から構成される。第1判定処理は、割当要求信号に含まれる要求品質と、サブキャリアブロック200ごとに計算された干渉強度の平均値と統計値とを比較することによって、干渉強度の平均値と統計値が要求品質を満たすか否かについて判定する。第2判定処理は、第1判定処理によって要求品質を満たすとされたサブキャリアブロック200がいずれの端末装置20にも割り当てられていないことを確認する。基地局装置10は、割り当てることができると判定されたサブキャリアブロック200を割当候補として登録する。
【0032】
(3)基地局装置10は、判定の結果、割当候補となったサブキャリアブロック200の個数に応じて、割り当て処理を実行する。割当候補が1つのみである場合、基地局装置10は、その割当候補のサブキャリアブロック200に端末装置20を割り当てる。割当候補が複数である場合、基地局装置10は、原則として、最も良い品質を有するサブキャリアブロック200に端末装置20を割り当てる。最も良い品質を有するサブキャリアブロック200とは、割当候補となったサブキャリアブロック200のうち、平均値、統計値が最も小さいサブキャリアブロック200を含む。なお、基地局装置10は、端末装置20における要求品質が高い品質を要求していない場合、「例外処理」として、最も良い品質を有するサブキャリアブロック200以外のサブキャリアブロック200に端末装置20を割り当てる。詳細は後述する。
【0033】
(4)割当候補の数が0である場合、基地局装置10は、他の端末装置20にすでに割り当てられているサブキャリアブロック200のうち、割当要求信号を送信した端末装置20の要求仕様を満たすサブキャリアブロック200が存在するか否かを判定する。さらに、いずれの端末装置20にも割り当てられていない未使用サブキャリアブロックが存在し、かつ、未使用サブキャリアブロックが他の端末装置20の要求仕様を満たすか否かを確認する。これらの条件を満たす場合、基地局装置10は、他の端末装置20に割り当てるサブキャリアブロック200を未使用サブキャリアブロックに切り替える。さらに、基地局装置10は、他の端末装置20に割り当てられていたサブキャリアブロック200を、割当要求信号を送信した端末装置20に割り当てる。条件を満たさない場合、基地局装置10は、端末装置20の割り当てを許可しない。
【0034】
(5)割り当ての許可、不許可が判定された後、基地局装置10は、端末装置20に対して、割り当ての諾否を示す信号を送信する。割り当てられた場合、基地局装置10と端末装置20は通信を開始できることとなる。
【0035】
図3は、図1の基地局装置10の構成例を示す図である。基地局装置10は、受信部30と、ベースバンド処理部32と、送信部34と、チャネル割当部40と、メモリ50とを含む。受信部30は、割当要求信号を端末装置20から受信する。この信号は、所定のサブキャリアブロック200を用いて送信されてもよい。また、サブキャリアブロック200が端末装置20に割り当てられた後、受信部30は、データ通信に関する信号を端末装置20から受信する。また、受信部30は、受信した信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)処理を実行することにより、所定のサブキャリアブロック200を複数のサブキャリアブロックから分離し、ベースバンド処理部32に送る。
【0036】
ベースバンド処理部32は、受信部30によってFFT処理などが実行された信号に対して、所定の復調処理を実行し、また、誤り訂正復号処理を実行する。また、割り当ての諾否や割り当てられるサブキャリアブロック200を示す識別情報などが含まれた信号に対して、誤り訂正符号化処理などの所定の符号化処理を実行し、さらに、所定の変調処理を実行して、送信部34に送信させる。送信部34は、ベースバンド処理部32によって符号化処理された信号に対し、IFFT(Inverse FFT)処理などを実行した後、端末装置20に送信する。
【0037】
チャネル割当部40は、それぞれのサブキャリアブロック200に含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する。また、チャネル割当部40は、測定されたサブキャリアごとの干渉電力から、それぞれのサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出する。さらに、チャネル割当部40は、導出部44によって導出された平均値と統計値とにもとづいて、端末装置20に割り当てるサブキャリアブロック200が存在するか否かについて判定する。この判定の結果に応じて、チャネル割当部40は、送信部34に割当てを許可する旨、もしくは、許可しない旨の信号を送信させる。
【0038】
メモリ50は、要求品質に対するレベルと、レベルに対する連続通信期間と所要周波数帯域幅と遅延許容度と所要平均値と所要統計値との関係を記憶する。図4は、図3のメモリ50に記憶される要求品質テーブル300の構成例を示す図である。要求品質テーブル300は、レベル情報欄310と、連続通信期間欄320と、所要周波数帯域幅欄330と、遅延許容度欄340と、所要平均値欄350と、所要統計値欄360と、を含む。
【0039】
レベル情報欄310は、要求品質の高さを示す情報を含み、要求品質が高い順にレベル1からレベルLとして規定されるレベル情報を示す。連続通信期間欄320は、連続して通信を実行する期間を含む連続通信期間を示す。期間は、長いほうから順に「長」、「中」、「短」を示す。「長」、「中」は、期間に関する第1期間用しきい値により区別され、また、「中」、「短」は、期間に関する第2期間用しきい値により区別される。所要周波数帯域幅欄330は、所要の周波数帯域幅を示す。帯域幅は、広い順に「広」、「中」、「狭」と示され、「広」は高速通信、「狭」は低速通信の場合に適用される。「広」、「中」は、帯域幅に関する第1帯域幅用しきい値により区別され、また、「中」、「狭」は、帯域幅に関する第2帯域幅用しきい値により区別される。遅延許容度欄340は、通信の遅延を許容できる度合いが規定された遅延許容度を示す。許容度は、「小」、「大」を含み、それぞれは、許容度に関するしきい値により区別される。なお、遅延許容度は、リアルタイム性と表現されてもよく、遅延許容度が小さいとは、リアルタイム性が高いことを示す。なお、端末装置20が送信する割当要求信号に含まれる要求品質は、レベル情報のみを含んでもよく、また、連続通信期間、所要周波数帯域幅、遅延許容度を含んでもよい。
【0040】
所要平均値欄350、所要統計値欄360は、レベル情報欄310と連続通信期間欄320と所要周波数帯域幅欄330と遅延許容度欄340に示された条件で、通信を実行する端末装置20に割り当てられるべきサブキャリアブロック200に必要とされる平均値、統計値を示す。所要平均値欄350は、必要とされる干渉電力の平均値を示す。所要平均値は、小さいほうから順に「A」、「B」、または、「C」と示される。「A」、「B」は、所要平均値に関する第1平均値用しきい値により区別され、また、「B」、「C」は、所要平均値に関する第2平均値用しきい値により区別される。なお、所要平均値「C」は、「A」、「B」より大きく、第1平均値用しきい値より小さい平均値を含む。また、所要平均値「C」は、第1平均値用しきい値より小さい値であれば、平均値に関してそれ以上の品質を問わないことを示す。所要統計値についても、所要平均値と同様に、それぞれ「X」、「Y」が示される。ここで、XとYの関係は、X<Yとする。
【0041】
具体的に説明する。テレビジョン電話やテレビジョン会議などのアプリケーションにおいては、連続通信時間が比較的長く、所要周波数帯域幅も広く、さらに、遅延がほとんど許されないため、レベル1のサブキャリアブロック200で通信が実行される必要がある。この場合、所要平均値欄350、所要統計値欄360に示されるように、平均値が小さく、かつ、統計値が小さいことが、割り当てられるサブキャリアブロック200に望まれる。一方、電子メールなどのアプリケーションは、連続通信時間が比較的短く、また、遅延があっても問題ないため、おおむねレベル4以下のレベルであれば、通信の実行が可能となる。この場合、所要統計値が小さいか、もしくは、所要平均値が小さいことが、割り当てられるサブキャリアブロック200に望まれる。
【0042】
図5は、図3のチャネル割当部40の構成例を示す図である。チャネル割当部40は、測定部42と、導出部44と、判定部46と、割当実行部48とを含む。測定部42は、それぞれのサブキャリアブロックに含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する。導出部44は、測定部42によって測定されたサブキャリアの干渉電力から、それぞれのサブキャリアブロックに対する干渉電力の平均値と、平均値に対する干渉電力のばらつきの程度を示す統計値とを導出する。
【0043】
判定部46は、導出部44によって導出されたサブキャリアブロック200ごとの平均値と統計値を受信する。つぎに、判定部46は、平均値と第1しきい値とを比較する。また、統計値と第2しきい値とを比較する。ここで、平均値が第1しきい値より大きい場合、もしくは、統計値が第2しきい値より大きい場合、判定部46は、端末装置20にいずれのサブキャリアブロック200も割り当てないと判定する。
【0044】
平均値が第1しきい値より小さく、かつ、統計値が第2しきい値より小さい場合、判定部46は、メモリ50にアクセスすることによって、割当要求信号に含まれた要求品質を満たす所要平均値と所要統計値を選択する。つぎに、判定部46は、サブキャリアブロック200ごとに、平均値と所要平均値とを比較し、さらに、統計値と所要統計値とを比較する。ここで、判定部46は、平均値のほうが大きく、さらに、統計値のほうが大きいサブキャリアブロック200のうち、いずれの端末装置20にも割り当てられていないサブキャリアブロック200を割当候補として選択する。
【0045】
割当候補として選択されたサブキャリアブロック200が1つのみ存在する場合、割当実行部48は、割当候補のサブキャリアブロック200に端末装置20を割り当てる。割当候補として選択されたサブキャリアブロック200が2以上存在する場合、割当実行部48は、原則として、割当候補のサブキャリアブロック200のなかで、もっともレベルの高い品質となるサブキャリアブロック200を端末装置20を割り当てる。割当候補として選択されたサブキャリアブロック200が2以上存在する場合であっても、以下の場合において、割当実行部48は、「例外処理」を実行する。
【0046】
割当実行部48は、要求品質に対応する所要周波数帯域幅が「狭」である場合、導出部44によって導出された統計値にかかわらず、割当候補となったサブキャリアブロック200のうち、より大きい平均値となるサブキャリアブロックに端末装置20を割り当てる。また、割当実行部48は、要求品質に対応する遅延許容度が「大」である場合、割当候補となったサブキャリアブロック200のうち、大きい統計値となるサブキャリアブロックに端末装置20を割り当てる。
【0047】
例を用いて具体的に説明する。ここでは、図6に示すようなアプリケーションの通信を端末装置20から要求されたときに、複数の割当候補のサブキャリアブロック200のうち、いずれのサブキャリアブロック200を端末装置20に割り当てるべきかについて説明する。図6は、図1の端末装置20におけるアプリケーションごとの所要品質例400を示す。
【0048】
所要品質例400は、アプリケーション欄410と、連続通信期間欄420と、所要周波数帯域幅欄430と、リアルタイム性欄440とを含む。それぞれの欄に含まれる情報は、要求品質として、端末装置20から送信されるものである。
【0049】
アプリケーション欄410は、端末装置20から要求されたアプリケーションの名称を示し、「電子メール」、「TV電話・会議」、「音声電話」、「Web閲覧」、「ファイル転送」、「蓄積映像」、「ストリーミング映像」を含む。なお、これらのアプリケーションには限定されない。
【0050】
連続通信期間欄420は、アプリケーション欄410に示されたアプリケーションごとの連続通信期間を示す。連続通信期間欄420は、連続通信期間の具体的な値と、かっこ内において「長」、「中」、「短」で示される連続通信期間の程度とを示す。ここでは、「長」と「中」の境界を示す値t1を「600」とし、また、「中」と「短」の境界を示す値t2を「30」としている。たとえば、「音声電話」の連続通信期間は、「180」であり、t1より小さく、t2以上であるため、「中」となる。また、「ストリーミング映像」の連続通信期間は「600」であり、t1以上であるため、「長」となる。他も同様である。なお、連続通信期間の程度は、「長」、「短」の2つで表現されてもよい。
【0051】
所要周波数帯域幅欄430は、アプリケーション欄410に示されたアプリケーションごとの所要周波数帯域幅を示す。所要周波数帯域幅欄430は、所要周波数帯域幅の具体的な値と、かっこ内において「広」、「中」、「狭」で示される所要周波数帯域幅の程度とを示す。ここでは、「広」と「中」の境界を示す値f1を「0.3」とし、また、「中」と「狭」の境界を示す値f2を「0.01」としている。なお、所要周波数帯域幅の程度は、「広」、「狭」の2つで表現されてもよい。
【0052】
リアルタイム性欄440は、アプリケーション欄410に示されたアプリケーションのリアルタイム性を示す。リアルタイム性が高いとは、遅延許容度が遅延許容度に関するしきい値より低いことを示す。また、リアルタイム性が低いとは、遅延許容度が遅延許容度に関するしきい値以上であることを示す。たとえば、アプリケーション欄410に示されたアプリケーションが「電子メール」の場合、緊急性を有するアプリケーションではなく、再送処理が実行されて遅延が生じても問題となることはほとんどない。したがって、「電子メール」の場合のリアルタイム性は「低」となり、遅延許容度は遅延許容度に関するしきい値以上となる。一方、アプリケーション欄410に示されたアプリケーションが「TV電話・会議」の場合、遅延はほとんど許容されないため、そのリアルタイム性は「高」となり、遅延許容度は遅延許容度に関するしきい値より小さくなる。
【0053】
以上の状況のもと、割り当てるべきサブキャリアブロック200の選び方について以下に4つの例を述べる。ここでは、図7に示すように、統計値と平均値をもとに、サブキャリアブロック200を4つに分類し、いずれかのサブキャリアブロック200を選択する場合について説明する。図7は、図1の通信システム100におけるサブキャリアブロック200の分類例を示す図である。縦軸は、統計値の大きさを示す。αは、統計値について分類するためのしきい値である。横軸は、平均値の大きさを示す。βは、平均値について分類するためのしきい値である。
【0054】
この分類例は、パターンA領域260と、パターンB領域270と、パターンC領域280と、パターンD領域290とを含む。ここで、γは前述した第1しきい値であり、δは前述した第2しきい値である。パターンA領域260は、統計値に関するしきい値αより小さい統計値となり、かつ、平均値に関するしきい値βより小さい平均値となるサブキャリアブロック200を含む。パターンB領域270は、α以上γ未満の統計値となり、かつ、βより小さい平均値となるサブキャリアブロック200を含む。パターンC領域280は、αより小さい統計値となり、かつ、β以上δ未満の平均値となるサブキャリアブロック200を含む。パターンD領域290は、α以上γ未満の統計値となり、かつ、β以上δ未満の平均値となるサブキャリアブロック200を含む。
【0055】
(1)端末装置20から要求されたアプリケーションが、「TV電話・会議」のように、所要周波数帯域幅が「広」であり、かつ、リアルタイム性は「高」である場合、パターンA領域260のサブキャリアブロック200にしか割り当てられない。「TV電話・会議」のようなリアルタイム性の高いアプリケーションには、再送処理による遅延がほとんど許容されないため、品質の良い帯域を使用する必要がある。したがって、未使用のサブキャリアブロック200が他に存在していたとしても、割当実行部48は、パターンA領域260のサブキャリアブロック200にのみ、その端末装置20を割り当てる。
【0056】
(2)端末装置20から要求されたアプリケーションが、「音声電話」のように、所要周波数帯域幅が「狭」であり、かつ、リアルタイム性は「高」である場合、統計値に関するしきい値αより小さい統計値となるサブキャリアブロック200であれば、平均値の大小にかかわらず、割り当てることができる。αより小さい統計値であれば、すなわち、干渉電力のばらつきが小さければ、干渉電力の平均値が大きい場合であっても、送信電力制御や誤り訂正復号などにより、誤りを訂正できる場合があり、再送処理による遅延を低減できるからである。したがって、未使用のサブキャリアブロック200が複数ある場合、αより小さい統計値となり、かつ、β以上の平均値となるパターンC領域280のサブキャリアブロック200に優先的に割り当てる。
【0057】
前述した「TV電話・会議」のようなアプリケーションは、パターンA領域260のサブキャリアブロック200にしか割り当てられないため、あえて、品質の良いサブキャリアブロック200を空けておく必要があるからである。ただし、パターンC領域280のサブキャリアブロック200が存在せず、パターンA領域260のサブキャリアブロック200が存在する場合、品質の良いサブキャリアブロック200を未使用のままにしておくのは効率が悪い。そのため、このような場合、割当実行部48は、パターンA領域260のサブキャリアブロック200に、その端末装置20を割り当てる。この場合、サブキャリアブロック200の占有時間を低減できるため、実質的に、システムリソースを向上できることとなる。
【0058】
このように、リアルタイム性が高く、かつ、所要周波数帯域幅が狭い場合、割当実行部48は、統計値に関するしきい値αより小さい統計値となり、かつ、平均値に関するしきい値β以上の平均値となるサブキャリアブロック200を優先して端末装置20に割り当てる。このように割り当てることによって、通信の安定性を確保しつつ、リソースを効率的に配分できる。
【0059】
(3)端末装置20から要求されたアプリケーションが、「ファイル転送」のように、所要周波数帯域幅が「広」であり、かつ、リアルタイム性は「低」である場合、統計値の大小にかかわらず、割り当てることができる。所要のリアルタイム性が低いアプリケーションの場合、干渉電力にばらつきがあることにより、再送回数が増えたとしても問題がないためである。また、この場合、平均値に関するしきい値βより小さい平均値となるサブキャリアブロック200に割り当てるほうが、通信時間を低減できるため、システムリソースの効率上望ましい。
【0060】
したがって、所要周波数帯域幅が「広」であり、かつ、リアルタイム性は「低」である場合、α以上の統計値となり、かつ、βより小さい平均値となるパターンB領域270のサブキャリアブロック200に優先して割り当てる。パターンB領域270のサブキャリアブロック200が存在せず、パターンA領域260もしくはパターンC領域280のサブキャリアブロック200が単独して存在、もしくは、併存する場合、割当実行部48は、パターンC領域280、パターンA領域260の順に優先して、その端末装置20を割り当てる。
【0061】
ここで、パターンA領域260、パターンB領域270、パターンC領域280のいずれのサブキャリアブロック200も存在せず、パターンD領域290のサブキャリアブロック200のみが存在する場合、割当実行部48は、パターンD領域290にその端末装置20を割り当てる。この場合、リアルタイム性は「低」である場合、品質が悪く再送が頻発しても問題がない場合が多い。また、パターンD領域290のような品質の悪いサブキャリアブロック200であっても、未使用のままにしておくのは効率的でない。したがって、このような場合、割当実行部48は、パターンD領域290のサブキャリアブロック200にその端末装置20を割り当てる。
【0062】
(4)端末装置20から要求されたアプリケーションが、「Web閲覧」のように、所要周波数帯域幅が「狭」であり、かつ、リアルタイム性は「低」である場合、統計値、平均値のいずれにもかかわらず、いずれのサブキャリアブロック200にも割り当てることができる。したがって、未使用のサブキャリアブロック200が複数ある場合、パターンD領域290のサブキャリアブロック200に優先して割り当てる。
【0063】
パターンD領域290のサブキャリアブロック200が存在せず、パターンA領域260もしくはパターンB領域270もしくはパターンC領域280のサブキャリアブロック200が単独して存在、もしくは、いずれか2つ以上のパターンのサブキャリアブロック200が併存する場合、割当実行部48は、パターンB領域270、パターンC領域280、パターンA領域260の順に優先して、その端末装置20を割り当てる。
【0064】
このように、リアルタイム性が低く、かつ、所要帯域幅情報が狭い場合に、パターンD領域290のサブキャリアブロック200を優先して端末装置20に割り当てることによって、通信の安定性を確保しつつ、リソースを効率的に配分できる。
【0065】
なお、連続通信期間欄420に示される連続通信期間の程度を用いて、サブキャリアブロック200の割り当てが判断されてもよい。たとえば、連続通信期間の程度が「長」のアプリケーションを要求された場合、リソース占有期間を短縮させるために、パターンA領域260のような良好な品質を有するサブキャリアブロック200を割り当ててもよい。一方、連続通信期間の程度が「短」である場合、多少の誤りが発生しても、リソース占有期間はそれほど長くならないと考えられる。そのため、前述した連続通信期間の程度が「長」のアプリケーションのために良好なサブキャリアブロック200を空けておくことが望ましい。したがって、連続通信期間の程度が「短」のアプリケーションを要求された場合、悪い品質を有するサブキャリアブロック200から優先的に、たとえば、パターンD領域290、パターンC領域280、パターンB領域270、パターンA領域260の順に、サブキャリアブロック200を割り当ててもよい。このような態様により、通信の安定性を確保しつつ、リソースを効率的に配分できる。
【0066】
図5に戻る。割当候補として選択されたサブキャリアブロック200が1つも存在しなかった場合、割当実行部48は、いずれの端末装置20にも割り当てられていない未使用サブキャリアブロックが存在するか否かを確認する。未使用サブキャリアブロックが存在する場合、割当実行部48は、未使用サブキャリアブロックについての平均値と、いずれかのサブキャリアブロック200に割り当てられた他の端末装置20の所要平均値とを比較する。また、割当実行部48は、未使用サブキャリアブロックについての統計値と、いずれかのサブキャリアブロック200に割り当てられた他の端末装置20の所要統計値とを比較する。ここで、未使用サブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロック200を未使用サブキャリアブロックに切り替える。また、割当実行部48は、新たに割り当てるべき端末装置20に他の端末装置20に割り当てられていたサブキャリアブロック200を割り当てる。
【0067】
未使用サブキャリアブロックが存在しない場合、もしくは、未使用サブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合でない場合、割当実行部48は、端末装置20に対して、割り当てを許可しない旨の信号を送信する。
【0068】
例を用いて説明する。この例においては、4つのサブキャリアブロック200に4つの端末装置20を順に割り当てる場合について示す。図8は、本発明の実施形態にかかるサブキャリアブロック200の品質例を示す図である。図示するごとく、チャネル割当部40によって第1サブキャリアブロック200a〜第4サブキャリアブロック200dにおける平均値と統計値が導出された結果、それぞれ、平均値欄380と統計値欄390に示す平均値、統計値となったものとする。なお、すべての平均値は、第1しきい値より小さいものとし、すべての統計値は、第2しきい値より小さいものとする。すなわち、平均値が「C’」とは、平均値「B’」または「A’」よりは品質が悪いものの、第1しきい値よりは小さいことを示している。また、「A’」、「B’」、「C’」は、図4にの所要平均値欄350に示した「A」、「B」、「C」より、それぞれ小さいものとする。同様に、統計値が「Y’」とは、統計値「X’」よりは品質が悪いものの、第2しきい値よりは小さいことを示している。また、「X’」、「Y’」は、図4にの所要統計値欄360に示した「X」、「Y」より、それぞれ小さいものとする。
【0069】
ここでは、第1端末装置20aが最初に割当要求を行ない、順に、第2端末装置20b〜第4端末装置20dが割当要求を行なうものと仮定して説明する。また、第1端末装置20aの要求品質はレベル4であるとする。また、第2端末装置20b〜第4端末装置20dの要求品質はそれぞれレベル3、2、1であるとする。なお、説明の便宜上、第1端末装置20a〜第4端末装置20dのそれぞれが割当要求を行なってから、割当処理が完了するまで、各サブキャリアブロック200の平均値と統計値は変化しないものとする。また、第1端末装置20aは、第4端末装置20dの割り当てが完了するまで、通信を継続しているものとする。
【0070】
はじめに、第1端末装置20aから割当要求信号を受信した場合について説明する。第1端末装置20aの要求品質はレベル4であるため、メモリ50に記憶された要求品質テーブル300により、所要平均値は「A」となり、また、所要統計値は「Y」となる。したがって、チャネル割当部40は、平均値が「A」以下であって、統計値が「Y」以下となる第1サブキャリアブロック200a、もしくは、レベル4より高い要求品質を具備するレベル1〜3に該当するサブキャリアブロック200のいずれかに割り当てることができる。図示するごとく、この条件を満たし、かつ、いずれの端末装置20にも割り当てられていないサブキャリアブロック200として、第1サブキャリアブロック200a〜第4サブキャリアブロック200dが存在する。
【0071】
ここで、最も品質の高いサブキャリアブロック200は、レベル1の第3サブキャリアブロック200cとなるが、レベル4を要求品質とする第1端末装置20aは、平均値が「A」以下であれば、統計値は問わないため、チャネル割当部40は、より統計値の大きい第1サブキャリアブロック200aに第1端末装置20aを割り当てる「例外処理」を実行する。このように割り当てることによって、統計値が小さくより品質の高いサブキャリアブロック200を、後に高い要求品質にかかる端末装置20のために、温存できることとなる。
【0072】
つぎに、第2端末装置20bから割当要求信号を受信した場合について説明する。第2端末装置20bの要求品質はレベル3であるため、メモリ50に記憶された要求品質テーブル300により、所要平均値は「C」以下となり、また、所要統計値は「X」以下となる。したがって、チャネル割当部40は、平均値が「C」以下であって、統計値が「X」以下となるサブキャリアブロック200、もしくは、レベル3より高い要求品質を具備するレベル1、2に該当するサブキャリアブロック200のいずれかに割り当てることができる。図示するごとく、この条件を満たし、かつ、いずれの端末装置20にも割り当てられていないサブキャリアブロック200として、第2サブキャリアブロック200bと、第3サブキャリアブロック200cと、第4サブキャリアブロック200dとが存在する。
【0073】
ここで、最も品質の高いサブキャリアブロック200は、第3サブキャリアブロック200cとなるが、レベル3を要求品質とする第2端末装置20bは、統計値が「X」以下であれば、平均値は問わないため、チャネル割当部40は、より平均値の大きい第2サブキャリアブロック200bに第2端末装置20bを割り当てる。このように割り当てることによって、平均値が小さくより品質の高いサブキャリアブロック200を、後に高い要求品質にかかる端末装置20のために、温存できることとなる。
【0074】
つぎに、第3端末装置20cから割当要求信号を受信した場合について説明する。第3端末装置20cの要求品質はレベル2であるため、メモリ50に記憶された要求品質テーブル300により、所要平均値は「B」以下となり、また、所要統計値は「X」以下となる。したがって、チャネル割当部40は、平均値が「B」以下であって、統計値が「X」以下となるサブキャリアブロック200、もしくは、レベル1に該当するサブキャリアブロック200に割り当てる。図示するごとく、この条件を満たし、かつ、いずれの端末装置20にも割り当てられていないサブキャリアブロック200として、第3サブキャリアブロック200cと、第4サブキャリアブロック200dとが存在する。
【0075】
ここで、最も品質の高いサブキャリアブロック200は、第3サブキャリアブロック200cとなる。第3端末装置20cの場合、所要平均値は「B」以下であり、理論上、第2端末装置20bの場合と同様に、所要平均値「B」を満たす範囲でより悪い平均値「B’」となる第4サブキャリアブロック200dにも割り当てることができる。しかしながら、第3端末装置20cは、第2端末装置20bの場合と異なり、所要平均値は「C」ではなく「B」となる。このような場合にまで、高い品質を有する第3サブキャリアブロック200cを温存することは、リソースの最適配分を妨げることになる。したがって、基地局装置10は、第3サブキャリアブロック200cに第3端末装置20cを割り当てる。このように割り当てることによって、スループットを向上できる。本実施形態においては、所要平均値が「C」の場合にかぎって、高い品質を有するサブキャリアブロック200を温存するといった「例外処理」を適用することによって、システムリソースの有効利用と、スループットの向上とを両立させている。
【0076】
さいごに、第4端末装置20dから割当要求信号を受信した場合について説明する。図示するごとく、レベル1を満たすサブキャリアブロック200は、第1サブキャリアブロック200aと第3サブキャリアブロック200cの2つとなるが、双方とも、他の端末装置20にすでに割り当てられている。したがって、チャネル割当部40は、第1サブキャリアブロック200aもしくは第3サブキャリアブロック200cに割り当てられている第1端末装置20aもしくは第3端末装置20cを、いずれの端末装置20にも割り当てられていない第4サブキャリアブロック200dに切替えることができるか否かについて判定する。
【0077】
ここで、第3端末装置20cの要求品質はレベル2であり、図示するごとく、第4サブキャリアブロック200dにおける平均値「B’」、統計値「X’」は、レベル2を満たしている。したがって、チャネル割当部40は、第3端末装置20cに割り当てるサブキャリアブロック200を第3サブキャリアブロック200cから第4サブキャリアブロック200dに切替える。さらに、チャネル割当部40は、第3サブキャリアブロック200cに第4端末装置20dを割り当てる。
【0078】
前述においては、第3端末装置20cの所要平均値は「B」以下であるため、「例外処理」を適用せず、より品質の高い第3サブキャリアブロック200cに割り当てた。この結果、第4端末装置20dの割当処理において、切替処理が発生してしまったともいえる。しかしながら、次に割当要求する端末装置20が求める要求品質がどの程度であるかは予測できないことであるため、前述の処理は、無駄な処理とは言えない。たとえば、さいごに割り当てる第4端末装置20dの要求品質がレベル2以下であった場合、切り替え処理を実行することなく、チャネル割当部40は、第4サブキャリアブロック200dに第4端末装置20dを割り当てることができる。さらに、より品質の良いサブキャリアブロック200に割り当てられた第3端末装置20cは、再送回数が低減されるため、スループットが向上し、早期に第3サブキャリアブロック200cを開放することができる。したがって、前述の「例外処理」の適用は、システムリソースの有効活用と、スループットの向上とを両立させる上で欠かせないものとなる。
【0079】
以上、4つのサブキャリアブロック200のうち、3つのサブキャリアブロック200が端末装置20に割り当てられているような場合においては、上述のごとく、割り当てられるサブキャリアブロック200を切り替えることによって、システムリソースを有効利用できることとなる。
【0080】
上述したこれらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0081】
以上の構成による基地局装置10の動作を説明する。図9は、図3の基地局装置10の動作例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、基地局装置10が、いずれかの端末装置20から割当要求信号を受信したことを契機として実行されてもよい。
【0082】
まず、受信部30は、割当要求信号を端末装置20から受信する(S10)。つぎに、チャネル割当部40は、それぞれのサブキャリアブロック200に含まれた複数のサブキャリアのうち、少なくとも一部のサブキャリアの干渉電力を測定する(S12)。チャネル割当部40は、測定されたサブキャリアの干渉電力から、それぞれのサブキャリアブロック200に対する干渉電力の平均値と、統計値とを導出する(S14)。つぎに、チャネル割当部40は、割当要求信号を送信した端末装置20に割り当てることができるか否かを判定する(S16)。判定処理は、メモリ50にアクセスすることによって、割当要求信号に含まれた要求品質を満たす所要平均値と所要統計値を選択し、サブキャリアブロック200ごとに、平均値と所要平均値とを比較し、さらに、統計値と所要統計値とを比較すること、および、そのサブキャリアブロック200がいずれの端末装置20にも割り当てられていないことを確認することによって実行される。具体的には、チャネル割当部40は、平均値のほうが大きく、さらに、統計値のほうが大きいサブキャリアブロック200のうち、いずれの端末装置20にも割り当てられていない場合、割当可能と判定し、そうでない場合、割当不可能と判定する。
【0083】
割り当てが可能であると判定された場合(S16のY)、チャネル割当部40は、そのサブキャリアブロック200を割当候補として登録する(S18)。一方、割り当て不可能と判定された場合(S16のN)、S20の処理に移る。S20の処理においては、すべてのサブキャリアブロック200についてS16の判定処理を完了したか否かが判断される。すべてのサブキャリアブロック200についてS16の判定処理を完了している場合(S20のY)、処理を終了する。完了していない場合(S20のN)、未完了にかかるサブキャリアブロック200について、S16の判定処理が実行される。
【0084】
図10は、図5のチャネル割当部40の動作例を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートは、図9に示す処理が完了したことを契機として実行されてもよい。
【0085】
チャネル割当部40は、登録された割当候補の数に応じて、処理を切り替える(S30)。割当候補数が1である場合(S30の「1」)、割当候補となったサブキャリアブロック200に端末装置20を割り当てる(S36)。割当候補数が2以上である場合(S30の「2以上」)、チャネル割当部40は、メモリ50にアクセスすることによって、割当要求信号に含まれる要求品質に対応する所要周波数帯域幅を確認する(S32)。ここで、所要周波数帯域幅が「狭」である場合(S32のY)、チャネル割当部40は、割当候補となったサブキャリアブロック200のうち、より大きい平均値となるサブキャリアブロックに端末装置20を選択する(S34)。さらに、チャネル割当部40は、選択されたサブキャリアブロック200を端末装置20に割り当てる(S36)。
【0086】
所要周波数帯域幅が「狭」でない場合(S32のN)、チャネル割当部40は、メモリ50にアクセスすることによって、割当要求信号に含まれる要求品質に対応する遅延許容度を確認する(S38)。ここで、遅延許容度が「大」である場合(S38のY)、チャネル割当部40は、割当候補となったサブキャリアブロック200のうち、大きい統計値となるサブキャリアブロックに端末装置20を選択する(S40)。さらに、チャネル割当部40は、選択されたサブキャリアブロック200を端末装置20に割り当てる(S36)。一方、遅延許容度が「大」でない場合(S38のN)、チャネル割当部40は、割当候補のサブキャリアブロック200のなかで、もっともレベルの高い品質となるサブキャリアブロック200を選択し(S42)、そのサブキャリアブロック200を端末装置20に割り当てる(S36)。
【0087】
割当候補数が0である場合(S30の「0」)、チャネル割当部40は、以下の処理を実行することによって、切り替え可能であるか否かを判定する(S44)。S44においては、まず、チャネル割当部40は、いずれの端末装置20にも割り当てられていない未使用サブキャリアブロックが存在するか否かを確認する。未使用サブキャリアブロックが存在する場合、割当実行部48は、未使用サブキャリアブロックについての平均値と、いずれかのサブキャリアブロック200に割り当てられた他の端末装置20の所要平均値とを比較する。また、割当実行部48は、未使用サブキャリアブロックについての統計値と、いずれかのサブキャリアブロック200に割り当てられた他の端末装置20の所要統計値とを比較する。ここで、未使用サブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロック200を未使用サブキャリアブロックに切り替え可能であると判定し、そうでない場合、切り替え不可能であると判定する。
【0088】
切り替え可能である判定された場合(S44のY)、チャネル割当部40は、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロック200を未使用サブキャリアブロックに切り替える(S46)。また、チャネル割当部40は、割当要求信号を送信した端末装置20に割り当てるべきサブキャリアブロック200として、他の端末装置20に割り当てられていたサブキャリアブロック200を選択し(S48)、選択されたサブキャリアブロック200を割り当てる(S36)。切り替え不可能である判定された場合(S44のN)、チャネル割当部40は、端末装置20に対して、割り当てを許可しない旨の信号を送信する(S50)。
【0089】
本発明の実施形態によれば、平均値と統計値とにもとづいて、少なくともひとつのサブキャリアブロック200を端末装置20に割り当てることによって、通信品質に応じた割当てが可能となり、スループットを向上できる。統計値が小さいサブキャリアブロック200に割り当てることによって、少ない再送回数で通信を実行でき、スループットを向上できる。また、これにより、割り当てられていたサブキャリアブロックが早く開放されるため、システムリソースを有効に活用できる。
【0090】
また、いずれの端末装置20にも割り当てられていない未使用サブキャリアブロックの平均値と統計値が他の端末装置20の所要平均値と所要統計値より共に小さい場合、他の端末装置に割り当てるサブキャリアブロック200を未使用サブキャリアブロックに切り替え、新たに割り当てるべき端末装置に他の端末装置に割り当てられていたサブキャリアブロック200を割り当てることによって、サブキャリアブロック200を割り当てられない端末装置を低減でき、システムリソースを最適に分配できる。
【0091】
また、要求品質に含まれた所要周波数帯域幅が所定の幅より狭い場合、平均値が大きく通信品質が悪い場合であっても、通信の実行が可能であるため、所定のしきい値より小さい平均値となるサブキャリアブロックのうち、大きい平均値となるサブキャリアブロックから順に、端末装置に割り当てることによって、所要周波数帯域幅の広い通信が必要とされる端末装置のためのサブキャリアブロックを温存でき、システムリソースを最適に配分できる。
【0092】
以上、本発明について実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0093】
本発明の実施形態において、基地局装置10は、サブキャリアブロック200内に含まれる複数のサブキャリアにおける干渉電力を用いて、干渉電力の平均値、統計値を導出するとして説明した。しかしながらこれに限らず、基地局装置10は、サブキャリアブロック200内に含まれる1つのサブキャリアにおける干渉電力の単位時間あたりの平均値、統計値を導出してもよい。また、本発明の実施形態において、通信システム100は、OFDMAが適用されるとして説明したが、FDMAが適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の通信システムにおけるサブキャリアブロックの割当例を示す図である。
【図3】図1の基地局装置の構成例を示す図である。
【図4】図3のメモリに記憶される要求品質テーブルの構成例を示す図である。
【図5】図3のチャネル割当部の構成例を示す図である。
【図6】図1の端末装置におけるアプリケーションごとの所要品質例を示す。
【図7】図1の通信システムにおけるサブキャリアブロックの分類例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態にかかるサブキャリアブロックの品質例を示す図である。
【図9】図3の基地局装置の動作例を示すフローチャートである。
【図10】図5のチャネル割当部の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
10 基地局装置、 20 端末装置、 30 受信部、 32 ベースバンド処理部、 34 送信部、 40 チャネル割当部、 42 測定部、 44 導出部、 46 判定部、 48 割当実行部、 50 メモリ、 100 通信システム、 200 サブキャリアブロック、 300 要求品質テーブル、 400 所要品質例。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成19年5月11日(2007.5.11)
【代理人】 【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹


【公開番号】 特開2008−11505(P2008−11505A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−126486(P2007−126486)