| 【発明の名称】 |
無線通信システム及び張り出し局装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川井 久嗣
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| 【要約】 |
【課題】デイジーチェーン接続されたノード間を伝送する信号の遅延時間を精度よく補償する。
【構成】TRX増幅器4−iは、下流のチェーンから受信したULフレームと上流のチェーンへ送出するULフレームとの位相差を測定して、基地局に報告する。基地局は、報告された位相差等に基づいて、下流のTRX増幅器4−(i+1)に設定すべき進み量を算出する。TRX増幅器4−(i+1)は、上流のチェーンから受信したDLフレームと上流のチェーンへ送出するULフレームとの位相差をその進み量に応じて調整する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調整ノードと、複数の測定ノードとの間で信号を伝送し、前記測定ノードそれぞれは、1つ以上の移動ノードとの間で無線信号を伝送する無線通信システムであって、前記複数の測定ノードそれぞれは、他の測定ノードのいずれかからの信号を受けたときには、受けた信号を、この測定ノード以外の測定ノードいずれかまたは前記調整ノードに対して中継し、前記調整ノードから信号を受けたときには、受けた信号を、他の測定ノードのいずれかに対して中継し、 前記測定ノードそれぞれは、 前記受けた信号と、前記中継した信号との位相差を検出する位相差検出手段と、 前記検出した位相差を前記調整ノードへ通知する位相差通知手段と、 前記調整ノードから送られてくる補正量に基づいて、前記移動ノードから受けた信号を他の測定ノードに送信するタイミングを調整するタイミング調整手段と を有し、 前記調整ノードは、 前記通知された位相差を補正するための補正量を算出する補正量算出手段と、 前記算出された補正量を、前記位相差を通知した測定ノードに信号を中継した測定ノードに対して送信する補正量送信手段と を有する 無線通信システム。 【請求項2】 基地局と、前記基地局にデジタル光伝送路によりデイジーチェーン接続され、それぞれ形成されるセル内の端末との間で無線信号の送受信を行う複数の張り出し局装置と、を有する無線通信システムに用いられる張り出し局装置装置(4)であって、 上流のチェーンと接続され、下りフレームの受信、上りフレームの送信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行うスレーブインタフェース回路(201,203)と、 下流のチェーンと接続され、下りフレームの送信、上りフレームの受信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行い、また、前記スレーブインタフェース回路からフレームの再生成を伴わずに直接導かれたマスターフレームを下流のチェーンに出力する第2インタフェース回路(202,204)と、 スレーブインタフェース回路から入力されたフレームから当該張り出し局装置装置で送信すべき無線信号データを取り出すフォーマット変換回路(208)と、 フォーマット変換回路から入力された無線信号データを無線周波数にアップコンバートしてアンテナへ出力するアップコンバート回路(218)と、 前記アンテナから受信した無線信号をダウンコンバートするダウンコンバート変換回路(220)と、 無線信号データが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから前記アンテナから送出されるまでの時間T2aを調整する送信データ遅延調整回路(232)と、 無線信号データが前記アンテナに入力されてから前記スレーブインタフェース回路から送出されるまでの時間Ta3を調整する受信データ遅延調整回路(234)と、 ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、それと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間Toffsetを、前記時間T2aと前記Ta3の和に実質的に一致させるオフセット回路(206,210,212)と、 ある上りフレームが前記スレーブインタフェース回路から出力されてから、それと対応する上りフレームがマスターインタフェース回路に入力されるまでの時間Tphaseを測定する位相差検出回路(226)と、 ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてからそれと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseに基づく数値と、を前記基地局に報告する制御回路(216)と、を備える張り出し局装置装置。 【請求項3】 前記制御回路は、前記時間Toffsetと、前記時間TBdelayDLと、ある無線信号データを含んだ上りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、その無線信号データを含んだ上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayULと、前記時間Tphaseと前記時間TBdelayULの和に相当する整数値と、を前記基地局に報告し、 前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路はそれぞれ、上りとくだりの遅延時間の誤差が0若しくは正の相関を有し、 前記時間TBdelayULと時間TBdelayULは、前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路における遅延時間の平均値を含むことを特徴とする請求項2記載の張り出し局装置装置。 【請求項4】 前記制御回路は、前記時間Toffsetの初期値と、前記時間TBdelayDLと、ある無線信号データを含んだ上りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、その無線信号データを含んだ上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayULと、前記時間Tphaseと前記時間TBdelayULの和に相当する整数値Nと、を前記基地局に報告するとともに、前記基地局から要求された遅延を送信データ遅延調整回路及び受信データ遅延調整回路に設定し、 前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2−(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2+(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくするように要求することを特徴とする請求項2記載の張り出し局装置装置。 【請求項5】 前記制御回路は、前記時間Toffsetの初期値と、前記時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseと、を前記基地局に報告するとともに、前記基地局から要求された遅延を送信データ遅延調整回路及び受信データ遅延調整回路に設定し、 前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2+TBdelayDL小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2小さくするように要求することを特徴とする請求項2記載の張り出し局装置装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、無線通信システム及び張り出し局装置に関し、特にデジタルベースバンドの無線信号等を光伝送する無線通信システム等に関する。 【背景技術】 【0002】 携帯電話等の無線通信システムに用いられる基地局は、複数の加入者局からの無線アクセスを可能にするために、呼処理等の主機能のほか、基地局セル内へ無線信号を十分に伝播させるための送信増幅器やアンテナを備えている。通常、これらの機能手段は全てアンテナ塔直下の1つの局舎内に収められるが、特にアンテナを第3者の所有する高層建造物の屋上に設置するような場合に、基地局もその建造物に設置するとその保守が困難になるという問題があり、基地局を保守が容易な場所に設置すると基地局とアンテナの間の高周波ケーブルの損失が大きくなるという問題がある。 【0003】 このような問題を解決するため、基地局から、送信増幅器等の無線部を切り離し、両者を光ファイバで接続する構成が考え出され、CPRI(Common Public Radio Interface)、OBSAI(Open Base Station Standard Initiative)のような規格化が進行している(例えば、非特許文献1参照。)。切り離された無線部は、一般にはRRH(Remote Radio Head)、CPRIではRadio Equipmetと称されるが、本明細書では以後、送受信(TRX:Transmitter and Receiver)増幅器と称す。一方基地局は、設置場所に制約がなくなるので、複数セル分の基地局を1箇所に集約し、設置コストを削減することができる。集約された基地局と分散されたTRX増幅器とを接続する形態には、大きく分けて、基地局と個々のTRX増幅器とを直接接続するStar topologyと、TRX増幅器をカスケード(デイジーチェーン)接続するChain topologyがある。 【0004】 図1は、CPRIへの準拠を想定した従来の無線通信システム1の構成を示す図である。 無線通信システム1は、無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)100、基地局102、TRX増幅器2−1〜2−n(nは1以上の整数)および移動局104−1〜104−m(mは1以上の整数)から構成される。 また、基地局102とTRX増幅器2−1〜2−nは、デジタル光ファイバ回線などを介して直列に接続される。 さらに、TRX増幅器2−1〜2−nは、それぞれ対応するセル(セクタ)を形成し、セル内の移動局104−1〜104−m等とは、無線通信回線を介して接続される。 【0005】 なお、以下の各図においては、図示の具体化および明確化のために、本発明の説明に必要ない構成部分については、適宜省略されている。 さらに、以下、TRX増幅器2−1〜2−nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単にTRX増幅器2などと略記することがある。 【0006】 RNC100は、基地局102やその他の複数の基地局に呼を設定し、それらを管理する。またRNC100は、基地局102との間で、無線通信されるユーザデータを送受信する。 基地局102は、RNC100から信号を受信し、通常の基地局の機能により各セルの各搬送波に対応するベースバンド信号(IQ-data)を生成して、TRX増幅器2−1へ送信する。また基地局102は、TRX増幅器2−1からIQ-dataを受信し、通常の処理を行ってRNC100へ送信する。 【0007】 TRX増幅器2−1は、基地局102とTRX増幅器2−2との間でIQ-dataなどの信号を中継する。 TRX増幅器2−2は、TRX増幅器2−1とTRX増幅器2−3との間で信号を中継し、以下同様にして、TRX増幅器2−i(iは2以上n−1以下の整数)は、TRX増幅器2−(i−1)とTRX増幅器2−(i+1)との間で信号を中継する。 以上のようにして、TRX増幅器2−1〜2−nそれぞれと基地局102とは、互いに信号を送受信する。 TRX増幅器2−iは、移動局104からアップリンク信号を無線受信し、増幅,アナログ/デジタル変換、直交復調などの処理を行ってIQ-dataに変換し、TRX増幅器2−(i−1)に対して送信するとともに、TRX増幅器2−(i−1)から自分向けのIQ-dataを受信し、デジタル/アナログ変換、キャリアの直交変調、増幅などの処理を行って、移動局に向けて無線送信する。 【0008】 なお、ダウンリンク(DL:DownLink)とは、基地局から移動局への信号伝送若しくはその方向を意味し、本明細書では、基地局102と移動局間の任意の部分において、基地局102からTRX増幅器2−1、TRX増幅器2−1からTRX増幅器2−2というように信号が伝送される方向の意味にも用いる。アップリンク(UL:UpLink)についても同様である。また任意のTRX増幅器からみて基地局側を上流、移動局側を下流と称す。 移動局104−1〜104−mそれぞれは、TRX増幅器2と信号を送受信する。 【0009】 基地局と各TRX増幅器2との間を伝送されるIQ-dataは、ダウンリンク(DL)においてはチップレート、アップリンク(UL)においてはチップレートの2倍のサンプルレートのデジタルベースバンド信号である。 DL、ULともに、複数のTRX増幅器2の分のIQ-dataが、16ワードからなるベーシックフレームの第1〜第15ワードに収められる。第0ワード(先頭ワード)は、コントロールワードに割当てられている。各ワードは8bit若しくはその整数倍である。1ベーシックフレーム周期は1チップ時間Tc(1/3.84MHz)と等しい。 また、256ベーシックフレーム単位でハイパーフレームが構成される。ハイパーフレームの先頭のベーシックフレームの先頭ワードは、ハイパーフレームの先頭を示す同期バイト(K28.5コード)になっている。以後この同期バイトをヘッダと称す。その他の先頭ワードは、ハイパーフレーム単位の時分割多重により複数のサブチャネル(Sunchronization and timing、Slow C&M link、Fast C&M link、L1 inband protocol、Vender specific)の伝送に用いられる。これらのサブチャネルのうちVender specificを除いたものをC(Control and management)プレーンデータと呼ぶ。これに対し、第1〜第15ワードのIQ-dataをU(User)プレーンデータと呼ぶ。 更に、150ハイパーフレームを単位とするUMTS NodeBフレームが規定されている。 これらのフレームは8B10B符号によりシリアル信号に変換され、デジタル光ファイバ回線により伝送される。 【0010】 一般に無線アクセスシステムにおいて、セルを構成する基地局の間の同期が必要になることがしばしばあり、サイトダイバーシティを行う場合には同期は必須となる。サイトダイバーシティは、例えばCDMAシステムにおいて、送信元の移動局の位置を、複数の基地局で受信したときの伝播遅延から推定するロケーションサービスに応用されている。 したがって、無線通信システム1においても、基地局102と各TRX増幅器2との間における処理遅延量を、基地局102が把握し管理することが重要となる。 【0011】 例えば非特許文献1の"4.2.9 Link Delay Accuracy and Cable Delay Calibration"には、Star topologyとChain topologyにおける遅延の調整方法が記載されている。 図2は、非特許文献1から引用した無線通信システム1の各部の遅延の定義を示す図であり、n=2の場合を示している。 基地局102に備えられるR1は基地局の出力端、R4は基地局の入力端である。 TRX増幅器2−1に備えられるRB2はslave portの入力端、RB3はslave portの出力端、RB1はmaster portの出力端、RB4はmaster portの入力端である。ここでmaster portとは、DL信号を出力しUL信号を入力するポート(そこに接続されるものにとって基地局のR1やR4と同等に見えるポート)であり、slave portはその逆である。 TRX増幅器2−2に備えられるR2はslave portの入力端、R3はslave portの出力端、Raはアンテナ端である。各端は伝送されるベースバンド信号(IQ-data)の論理的な接続において定義される。 各TRX増幅器2は、R2に入力されたフレーム信号から再生したクロックに基づいて動作する。 【0012】 T12(1)は、基地局102のR1からTRX増幅器2−1のRB1までの遅延量、T12(2)は、TRX増幅器2−1のRB1からTRX増幅器2−2のR2までの遅延量である。 TBdelayDL(1)は、TRX増幅器2−1のRB2からRB1の間の遅延量、T2aは、TRX増幅器2−1のR2からRaまでの処理遅延量である。 T34(1)は、TRX増幅器2−1の出力端RB3から基地局のR4までの遅延量、T34(2)は、TRX増幅器2−2のR3からTRX増幅器2−1のRB4までの遅延量である。 TBdelayUL(1)は、TRX増幅器2−1のRB4からRB3の間の処理遅延量、T3aは、TRX増幅器2−2のRaからR3までの処理遅延量である。 T14(1)は、基地局のmaster port端での、出力のヘッダ(フレームタイミング)と、入力のヘッダとの時間差である。 Toffsetは、TRX増幅器2−2のR2から入力されるヘッダとR3から出力されるヘッダとの時間差であり、TRX増幅器2−2のDL側の処理遅延(T2a)とUL側の処理遅延(Ta3)の合計時間に実質的に等しくなるように設定される。 Toffset(1)も、TRX増幅器2−1のDL側の処理遅延(RB2からアンテナまでの遅延)とUL側の処理遅延の合計時間に実質的に等しくなるように設定される。 【0013】 図3は、非特許文献1から引用した無線通信システム1のDL及びULのフレームタイミング図である。 T12は、基地局102のR1から末端のTRX増幅器2−2のR2までの遅延であり、 T12=T12(1) + TBdelayDL(1) +T12(2) である。 T34は、末端のTRX増幅器2−2のR3から、基地局102のR4までの遅延であり、 T34=T34(1) + TBdelayUL(1) +T34(2) である。 T14は、基地局102のR1からTRX増幅器2−2を経由してR4に戻るまでのIQ-dataの遅延量であり、 T14 = T12 + Toffset + T34 である。一方基地局102で観測されるフレームタイミングの遅延であるT14(1)は、Toffset(1)が下流の遅延とは無関係にTRX増幅器2−1の内部で決定され、 T14(1)=T12(1) + Toffset(1) + T34(1) となるので、T14とは異なる。 【0014】 また、BFNはUMTS NodeBフレームナンバ、HFNはハイパーフレームナンバであり、TRX増幅器2は基本的にはDLで受けたBFN及びHFNをそのままULで用いる。 【0015】 図3の一番下のフレームタイミングで示されるように、CPRI規格は、 T14 − T14(1) = Tc × N(1) (N(i)は任意の整数) を求めている。つまりTRX増幅器2−2からのIQ-dataは、TRX増幅器2−1のIQ-dataと同じベーシックフレームではなく、N個遅れたベーシックフレームに収めてよい。 T14−T14(1)は、 T14 − T14(1) = TBdelayDL(1) + T12(2) + Toffset(2) +T34(2) + TBdelayUL(1) − Toffset(1) と表されるとおり、TRX増幅器2−1のslave portの入力端からTRX増幅器2−1を経由してTRX増幅器2−1のslave portの出力端に至るまでの間のラウンドトリップ時間と、TRX増幅器2−1内部のToffset(1)との差であり、以後ラウンドトリップ時間差と称す。基地局において、TBdelayDL(i)、TBdelayUL(i)、Toffset(i)、Toffset(i+1)、N(i)が全て既知ならば、それらからT12(i+1)+T34(i+1)を計算することができる。つまり T12(i+1)+T34(i+1) =Tc×N(i)+Toffset(i)−(TBdelayDL(i)+Toffset(i+1)+TBdelayUL(i)) またT12(i+1)=T34(i+1)の仮定がTcより十分小さい誤差で成り立つので、T12(i+1)、T34(i+1)を個別に得ることができる。 光ケーブルの遅延であるT12、T34は、他の処理遅延に比べて大きく、数百チップに達することもあるが、丁度チップ単位になっている保証は無い。また、僅かではあるがSerdesデバイスにおける遅延の不確定性も存在する。 【0016】 このほか、本発明に関連する従来技術として、特許文献1は、制御局に対して縦続接続された複数の無線基地局が送信する信号の送出タイミングを、全無線基地局で同一にする遅延調整方式を開示する。 また、特許文献2は、複数の基地局が接続する集中制御局が、上り方向フレームと下り方向フレームとの位相差に基づいて、伝送遅延量を推定して制御する方法を開示する。 【特許文献1】特開平2−174428号公報 【特許文献2】特開平7−298347号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0017】 しかし、従来の無線通信システム1などでは、TBdelayDL(i)+T12(i+1)と、TBdelayUL(i)+T34(i+1)を精度よく分離する方法が明らかにされていない。 図4は、TRX増幅器において想定される、master port(RB4)に入力されるULフレームとslave port(RB3)から出力するULフレームのタイミング図であり、図3を詳細に図示したものである。なお、本明細書においてTphaseを以下のように定義する。 Tphase (i)=TBdelayDL(i)+T12(i+1)+Toffset(i+1)+T34(i+1)−Toffset(i) …(式1) RB3から出力するヘッダのタイミングは、RB1へのヘッダ入力タイミングから、Toffset(i)遅れたタイミングとして規定される。 一方、RB4へのヘッダ入力タイミングは、RB1へのヘッダ入力タイミングから、TBdelayDL(i)+T12(i+1)+Toffset(i+1)+T34(i+1)遅れたタイミングであり、完全に任意である。それらの差であるTphase(i)は、Tc単位となるとは限らない。 【0018】 RB4から入力されるULフレームの各ベーシックフレームには、下流のTRX増幅器で受信されたIQ-dataが既に格納されており、更に自身のTRX増幅器で受信したIQ-dataも格納してRB3から出力するまでに、TBdelayUL(i)に相当する時間を要し、Tphase(i)とTBdelayUL(i)の和がラウンドトリップ時間差Tc×N(i)となる。従って、TBdelayUL(i)も、1Tcに満たない端数遅延Tfrcを含んでいる。 【0019】 もし、TBdelayUL(i)の端数遅延Tfrcが適切に扱われなかった場合、この誤差がチェイン数nの増加と共に累積し、n=3でTcを超える誤差になりうる。例えば、Tfrcが常に切り捨てられたTBdelayULを計算に用いた場合、実際より、TBdelayDL(i)+T12(i+1)は大きく、T34(i+1)+TBdelayUL(i) は小さく見積もられる。 【0020】 あるいは、TBdelayULではなくToffsetを調整してTfrcを0にし、誤差の累積を防ぐ方法も考えられる。しかしフレームタイミングが下流に依存するアーキティクチャは、チェインの追加や削除に対する柔軟性を欠くほか、下流のチェインのTRX増幅器2の不具合が全体に影響するという欠点を有するので、何らかの改良を要する。 【0021】 本発明は、上述した背景からなされたものであり、ノード間を伝送する信号の遅延時間を正確に把握できる無線通信システムおよびその方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0022】 上記目的を達成するために、本発明に係る無線通信システムは、調整ノードと、複数の測定ノードとの間で信号を伝送し、前記測定ノードそれぞれは、1つ以上の移動ノードとの間で無線信号を伝送する無線通信システムであって、前記複数の測定ノードそれぞれは、他の測定ノードのいずれかからの信号を受けたときには、受けた信号を、この測定ノード以外の測定ノードいずれかまたは前記調整ノードに対して中継し、前記調整ノードから信号を受けたときには、受けた信号を、他の測定ノードのいずれかに対して中継し、前記測定ノードそれぞれは、前記受けた信号と、前記中継した信号との位相差を検出する位相差検出手段と、前記検出した位相差を前記調整ノードへ通知する位相差通知手段と、前記調整ノードから送られてくる補正量に基づいて、前記移動ノードから受けた信号を他の測定ノードに送信するタイミングを調整するタイミング調整手段とを有し、前記調整ノードは、前記通知された位相差を補正するための補正量を算出する補正量算出手段と、前記算出された補正量を、前記位相差を通知した測定ノードに信号を中継した測定ノードに対して送信する補正量送信手段とを有する。 【0023】 また本発明に係る張り出し局装置装置は、基地局と、前記基地局にデジタル光伝送路によりデイジーチェーン接続され、それぞれ形成されるセル内の端末との間で無線信号の送受信を行う複数の張り出し局装置と、を有する無線通信システムに用いられる張り出し局装置装置(4)であって、 上流のチェーンと接続され、下りフレームの受信、上りフレームの送信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行うスレーブインタフェース回路(201,203)と、 下流のチェーンと接続され、下りフレームの送信、上りフレームの受信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行い、また、前記スレーブインタフェース回路からフレームの再生成を伴わずに直接導かれたマスターフレームを下流のチェーンに出力する第2インタフェース回路(202,204)と、 スレーブインタフェース回路から入力されたフレームから当該張り出し局装置装置で送信すべき無線信号データを取り出すフォーマット変換回路(208)と、 フォーマット変換回路から入力された無線信号データを無線周波数にアップコンバートしてアンテナへ出力するアップコンバート回路(218)と、 前記アンテナから受信した無線信号をダウンコンバートするダウンコンバート変換回路(220)と、 無線信号データが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから前記アンテナから送出されるまでの時間T2aを調整する送信データ遅延調整回路(232)と、 無線信号データが前記アンテナに入力されてから前記スレーブインタフェース回路から送出されるまでの時間Ta3を調整する受信データ遅延調整回路(234)と、 ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、それと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間Toffsetを、前記時間T2aと前記Ta3の和に実質的に一致させるオフセット回路(206,210,212)と、 ある上りフレームが前記スレーブインタフェース回路から出力されてから、それと対応する上りフレームがマスターインタフェース回路に入力されるまでの時間Tphaseを測定する位相差検出回路(226)と、 ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてからそれと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseに基づく数値と、を前記基地局に報告する制御回路(216)と、を備える。 【0024】 更に本発明に係る張り出し局装置装置は、前記制御回路は、前記時間Toffsetと、前記時間TBdelayDLと、ある無線信号データを含んだ上りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、その無線信号データを含んだ上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayULと、前記時間Tphaseと前記時間TBdelayULの和に相当する整数値と、を前記基地局に報告し、 前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路はそれぞれ、上りとくだりの遅延時間の誤差が0若しくは正の相関を有し、 前記時間TBdelayULと時間TBdelayULは、前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路における遅延時間の平均値を含むことを特徴とする。 【0025】 本発明に係る張り出し局装置装置は、前記制御回路は、前記時間Toffsetの初期値と、前記時間TBdelayDLと、ある無線信号データを含んだ上りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、その無線信号データを含んだ上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayULと、前記時間Tphaseと前記時間TBdelayULの和に相当する整数値Nと、を前記基地局に報告するとともに、前記基地局から要求された遅延を送信データ遅延調整回路及び受信データ遅延調整回路に設定し、 前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2−(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2+(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくするように要求する。 本発明に係る張り出し局装置装置は、前記制御回路は、前記時間Toffsetの初期値と、前記時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseと、を前記基地局に報告するとともに、前記基地局から要求された遅延を送信データ遅延調整回路及び受信データ遅延調整回路に設定し、 前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2+TBdelayDL小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2小さくするように要求する。 【発明の効果】 【0026】 本発明によれば、ノード間を伝送する信号の遅延時間を正確に把握することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0027】 以下、CPRI準拠を想定した複数の無線通信システムを説明する。特に断らない限り、用語の定義は非特許文献1のCPRI規格に準じるものとする。 【実施例1】 【0028】 本実施例1に係る無線通信システム3は、要約すると、TRX増幅器4−iがTBdelayUL(i)を正確に測定し、TBdelayUL(i)、Toffset(i)、N(i)と共に基地局に報告する。 TRX増幅器4−iは、TBdelayUL(i)の測定手段や、ULフレーム生成処理を一定時間にするための遅延調整手段などを適宜備える。またTRX増幅器4−iは、DLフレームを加工することなく、単に下流にTRX増幅器4−iに中継することで、TBdelayDL(i)をほぼ0の固定値とする。 TRX増幅器4−iは、TBdelayUL(i)とTBdelayUL(i)の夫々の誤差が負の相互相関を持たず、誤差の期待値(平均値)が0に近づくことを目指して設計される。 本実施例1の無線通信システムの構成は、従来の図1と同様であり、RNC100、基地局5、TRX増幅器4−1〜4−nおよび移動局104−1〜104−mから構成される。 【0029】 図5は、実施例1に係る無線通信システム3のTRX増幅器4の構成図である。 図5に示すように、TRX増幅器4は、アンテナ200、光電変換部201,202、シリアル/パラレル変換部203,204、DLヘッダ検出部206、DLフォーマット変換部208、オフセット処理部210、ヘッダ生成部212、フォーマット生成部214、制御部216、アップコンバータ218、ダウンコンバータ220、遅延調整部222、ULヘッダ検出部224、位相差検出部226、記憶部230、送信データ遅延調整部232、受信データ遅延調整部234を備える。 【0030】 光電変換部201は、slave portから、光ファイバで上流のTRX増幅器4あるいは基地局102(TRX増幅器4−1の場合)から伝送されたDL光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換し、シリアル/パラレル変換部203へ出力する。また光電変換部201は、シリアル/パラレル変換部203から入力された電気信号をUL光信号に変換し、slave port側から送出する。 【0031】 光電変換部202は、master portから、光ファイバで下流のTRX増幅器4から伝送されたUL光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換してシリアル/パラレル変換部203へ出力する。また光電変換部202は、シリアル/パラレル変換部204から入力された電気信号をDL光信号に変換し、master portから送出する。 光電変換部201や202は、通常同じ構成であり、例えばSFP(Small Form factor Pluggable)光トランシバーを用いることができる。光電変換部202は、光電変換部201が出力するシリアルを直接受けてDL光信号に変換しても良い。 【0032】 シリアル/パラレル変換部(S/P)203は、光電変換部201から入力された電気信号からクロックを再生するとともに、その電気信号を8B10Bデコードによりシリアル信号からパラレル信号に変換し、DLヘッダ検出部206、DLフォーマット変換部208、及びS/P204に出力する。またS/P203は、フォーマット生成部214から入力されたULフレーム信号を8B10Bエンコードによりパラレル信号からシリアル信号に変換し、光電変換部201に出力する。抽出したクロックは、8B10Bエンコードに用いられるほか、TRX増幅器4内部の各部に供給される。パラレル信号のクロック周波数は、例えば16/Tc若しくはその2、4乃至8倍である。これを以下、動作クロックと称す。 【0033】 シリアル/パラレル変換部(S/P)204は、S/P203から入力されたパラレル信号のDLフレーム信号を、再びシリアル信号に変換して光電変換部202に出力する。またシリアル/パラレル変換部204は、光電変換部202から入力されたシリアル信号をパラレル信号に変換し、遅延調整部222とULヘッダ検出部224に出力する。 S/P203、204は、通常同じ構成であり、Serdesと呼ばれるデバイスで実現される。 【0034】 DLヘッダ検出部206は、シリアル/パラレル変換部203から入力された信号に基づいて、DLのヘッダのタイミングを検出し、そのヘッダのBFN,HFNをヘッダタイミングとともにDLフォーマット変換部208およびオフセット処理部210に出力する。ヘッダは他のいかなるコードとも異なるK28.5コードで伝送されるので、容易に検出できる。 【0035】 DLフォーマット変換部208は、DLヘッダ検出部206から入力されたDLヘッダタイミングを基にして、シリアル/パラレル変換部204−1から入力されたのデータのフォーマット変換を行い、DL_UプレーンデータとDL_Cプレーンデータとに分離する。 また、DLフォーマット変換部208は、分離したDL_Uプレーンデータの中にベーシックフレーム単位で時分割多重されたIQ-dataから、自身のTRX増幅器用のIQ-data(A×C Container)を取り出してアップコンバータ218に出力するとともに、DL_Cプレーンデータを制御部216に出力する。 【0036】 オフセット処理部210は、DLヘッダ検出部206からのDLヘッダのタイミングを、Toffsetに相当する時間、遅延させて(オフセット処理)、ヘッダ生成部212に出力する。オフセット処理部210が出力するヘッダタイミングは、ヘッダ生成部212やフォーマット生成部214がヘッダを出力すべきタイミングを示すものであって、実際にオフセット処理部210が遅延する時間は、Toffsetより小さい。 遅延時間Toffsetは、T2a+Ta3と(常に)Tc/32以下の時間単位で一致するように、制御部216により設定される。T2aは、DLフォーマット変換部208、オフセット処理部210、ヘッダ生成部212、フォーマット生成部214、送信データ遅延調整部232、アップコンバータ218の処理時間に依存し、Ta3は、ダウンコンバータ220、受信データ遅延調整部234の処理時間に依存する。つまり、T2a+Ta3はアナログ回路の遅延を含んでおり、TRX増幅器4自身での検出は困難なので、通常は製造時にそれぞれ測定され、記憶部230に格納される。 【0037】 ヘッダ生成部212は、遅延時間Toffset遅延させたDLヘッダタイミングに基づいて、DLヘッダ検出部で検出されたものと同じBFN、HFNのULヘッダを生成し、フォーマット生成部214および位相差検出部226に対して出力する。 【0038】 送信データ遅延調整部232は、DLフォーマット変換部208から入力されたIQ-dataに対し、制御部216から指示された量の遅延を与えてアップコンバータ218に出力する。この遅延は、Tc/32以下の時間単位で調整することができる。 アップコンバータ218は、送信データ遅延調整部232から入力されたIQ-data(ベースバンド信号)をアップサンプルし、ルートロールオフ特性などのフィルタ処理を施し、デジタル/アナログ変換し、無線周波数キャリアを直交変調し、電力増幅して、アンテナ200に出力する。 【0039】 ダウンコンバータ220は、アンテナで受信した無線信号に対し、低雑音増幅、中間周波への周波数変換,アナログ/デジタル変換、デジタル直交復調、フィルタリング、ダウンサンプリングなどの処理を施して、2/Tcのサンプルレートのベースバンド信号に変換し、フォーマット生成部214に出力する。このベースバンド信号は、移動局104が送信したCDMA信号を含んでいる。 受信データ遅延調整部234は、ダウンコンバータ220から入力されたベースバンド信号に対し、制御部216から指示された量の遅延を与えてフォーマット生成部214に出力する。この遅延は、Tc/32以下の時間単位で調整することができる。 なお、受信データ遅延調整部234は、ダウンコンバータ220内部にデジタルフィルタと兼用で備えても良く、送信データ遅延調整部232も同様に、アップコンバータ218内部に備えられうる。その場合、デジタルフィルタの構成として特開2006-174228に記載の物を用いることができる。本例においては、送信データ遅延調整部232、受信データ遅延調整部234は必須ではないが、例えばT2a=Ta3=Toffset/2を実現するため、若しくはToffsetをTcの整数倍に合わせるために利用しても良い。 【0040】 ULヘッダ検出部224は、S/P204から入力されたULフレーム信号から、ULヘッダを検出し、位相差検出部226に対して出力する。ULヘッダ検出部224は、DLヘッダ検出部206と同様の構成とすることができる。 【0041】 位相差検出部226は、ヘッダ生成部212からのUL側のフォーマット生成タイミングと、ULヘッダ検出部224からのULヘッダのタイミングとから、同じBFN及びHFNのフレームヘッダの時間差(位相差)TphaseをTc/32以下の単位で検出し、遅延調整部222と制御部216に出力する。本例においても、TRX増幅器4−iで検出されるTphase(i)は、TBdelayDL(i)+T12(i+1)+Toffset(i+1)+T34(i)−Toffset(i)である。Tphaseは、Tc/32の周期の動作クロックを、ヘッダ生成部212からのタイミングを1/2クロック(Tc/64)遅らせたタイミングと、ULヘッダ検出部224からのタイミングとの時間内で計数した結果に1を加えて測定する。計数時間を1/2クロック分延ばすことで、誤差の分布を正負対称にしている。 【0042】 遅延調整部222は、S/P204から入力されたULフレーム信号を、Tphaseに基づいて遅延させて、フォーマット生成部214に出力する。この遅延は例えば、TBdelayDLの端数遅延Tfrc(Tphaseの端数をTcから減じたもの)に相当するものである。遅延調整部222には、S/P204から入力されたULフレーム信号のクロックを、S/P203から入力されたDLフレーム信号に基づくクロックに載せ換える機能も通常含まれる。遅延調整部222は、Tphaseの入力を受けずに単にヘッダのタイミングを規定の位置に合わせこむような単純な制御を行ってもよく、明示的に備えなくても良い場合もある。 【0043】 フォーマット生成部214は、ヘッダ生成部212からはULヘッダを、ダウンコンバータ220からはTRX増幅器4自身が受信した無線信号のIQ-dataを、遅延調整部222からは下流のTRX増幅器4から光伝送されたULフレーム信号を、制御部からはUL_Cプレーンデータを、それぞれ受け入れる。 フォーマット生成部214は、受け入れたULフレーム信号を構成するベーシックフレーム毎に存在する自身のTRX増幅器用の領域(A×C Container)に、受け入れたIQ-dataを埋め込み、さらにUL_Cプレーンデータを受け入れたときは、それをULフレーム信号のCプレーンに埋め込み、ULヘッダを受け入れたとき(HFN=0の時など)は、それをULフレーム信号のヘッダと置換する。 フォーマット生成部214は、そのようにして生成した上流へのULフレーム信号を、受け入れたULヘッダのタイミングでS/P変換部204−1に出力する。 なお、遅延調整部222から受け入れたULフレーム信号は、ヘッダ生成部212から受け入れたULヘッダが示すタイミングと、ベーシックフレーム単位で同期しているので、フォーマット生成部214は容易にフレームを生成できる。 結果的にRB4から受け入れたIQ-dataはTBdelayULだけ遅れてRB3から出力されるが、TBdelayUL_minをフォーマット生成部214固有のTc単位の遅延とすると、TBdelayULはTBdelayUL_min+Tfrcと表すことができ、その取りうる値の幅は1Tc未満である。 【0044】 記憶部230は、Toffset、TBdelayUL、TBdelayUL、TBdelayUL_min、T2a、Ta3、Tphaseや、後述するTRB3、TRB4などのTRX増幅器4の各部の遅延量の正確な値を記憶しており、制御部216に適宜出力する。これらの値は、±Tc/32かそれよりも更に細かい精度で(予め)取得したもので、その誤差の期待値が0に近づくように、値を取得したときの最下位ビットの重みの半分以下の重みの最下位ビットを用いて扱われることが望ましい。 【0045】 制御部216は、DLフォーマット変換部208からDL_Cプレーンデータを、位相差検出部226からTphaseを、記憶部230からToffset、TBdelayDL、TBdelayUL_min、TRB3、TRB4等を、それぞれ受け入れる。 制御部216は、受け入れたTphaseの端数Tfrcと、TBdelayUL_minと、ポートRB3及びRB4の夫々の微小遅延TRB3、TRB4(後述する)とを加算した結果をTBdelayULとする。また、TphaseとTBdelayUL_minを加算し、端数を切り上げ、Tcに相当する数で除算した結果をNとする。 制御部216は、受け入れたDL_Cプレーンデータ中に、処理遅延情報要求を見つけた場合、受け入れたToffset、TBdelayDL、TBdelayUL、N等などから処理遅延情報報告を作成し、それらの報告をUL_Cプレーンデータとしてフォーマット生成部214に出力する。 【0046】 図6を参照して、本実施例の作用を簡単に説明する。 図6は、現実のTRX増幅器4の遅延を示す図である。TRX増幅器4は、特に各ポートにおいて、自身では測定も制御もできない微小遅延を有しており、それらをTRB1、TRB2、TRB3、TRB4と表現する。これらの微小遅延は、主に光電変換部やシリアル/パラレル変換部のものであり、バラツキを持っているが、遅延時間の標準値(typical value)はメーカ開示情報などに基づき予測できる場合が多い。本例ではTRB1〜4の標準値を予め記憶部230が記憶するTBdelayDL、Toffset等に組み込んでおき、TRB1〜4を0に見せている。つまり、記憶部230が記憶するT2aにはTRB2が、Ta3にはTRB3が、ToffsetにはTRB2+TRB3が、TBdelayDLにはTRB2+TRB1が含まれている。TBdelayULについては、自身で測定可能なTBdelayUL_min+Tfrcに、記憶部230のTRB3+TRB4を加算して得る。 さらに、TRB1とTRB4の間の相互相関係数、及びTRB2とTRB3の間の相互相関係数が0若しくは正になるように光電変換部201等やシリアル/パラレル変換部203等を構成する。これは例えば、同じ種類の部品を同じ条件で用いることで達成される。 【0047】 これにより、基地局に報告されるToffset、TBdelayDL、TBdelayULは、端数遅延の切捨てが無いので、その期待値がより真値に近いものになる。 基地局は、下記の式に従いT12(i+1)、T34(i+1) を計算できる。 T12(i+1)=(N(i)+Toffset(i)−Toffset(i+1)−TBdelayUL(i))/2, T34(i+1)+TBdelayUL(i)=(N(i)+Toffset(i)−Toffset(i+1)+TBdelayUL(i))/2 …(式2) 【0048】 本実施例1によれば、ULとDLの遅延が個別に高い精度で得られるので、チェイン段数が大きくなった場合でも、累積誤差が±16Tcを超える確立を極めて小さくすることができる。 【実施例2】 【0049】 本実施例2に係る無線通信システム6は、予めTRX増幅器7−1のToffsetを十分大きくしておき、下流のTRX増幅器7のToffsetをチェインの遅延時間分だけ段階的に小さくすることで、全てのTRX増幅器7のヘッダタイミングを同期させる、つまりN(i)を全て0に見せるものである。 本実施例2の無線通信システムの構成は、実施例1と同様であり、RNC100、基地局8、TRX増幅器7−1〜7−nおよび移動局104−1〜104−mから構成される。各部の詳細な構成も、特に言及しない限り、実施例1と同様とする。 【0050】 TRX増幅器7は、下記の点などで、実施例1のTRX増幅器4と異なる。 1つ目には、記憶部230に相当する記憶部430が、Toffsetの初期値Toffset0として、光ファイバでの総遅延時間よりも大きな値(例えば250Tc)を記憶する。このToffset0は実施例1のToffsetとは桁違いに大きい。 2つ目には、送信データ遅延調整部232、受信データ遅延調整部234に相当する送信データ遅延調整部732、受信データ遅延調整部734が、T2a+Ta3をToffsetに一致させるために、十分な遅延量を発生できるようにする。 【0051】 3つ目には、制御部216に対応する制御部716は、受け入れたDL_Cプレーンデータ中に、基地局102からの位相差情報要求を見つけた場合、受け入れたN(若しくはTphase)から位相差情報報告を作成し、処理遅延情報要求を見つけた場合、受け入れたTBdelayDL、TBdelayUL等から処理遅延情報報告を作成し、それらの報告をUL_Cプレーンデータとしてフォーマット生成部214に出力する。もし本例の動作により遅延が調整された後、基地局102から従来のCPRI規格に則ったTBdelayDL、TBdelayULを求められたら、それらを完全に0として報告し、ToffsetにはToffset0を報告するものとする。 4つ目には、制御部716は、受け入れたDL_Cプレーンデータ中に、基地局102からの遅延量設定要求を見つけた場合、その要求が示す進み量Tadj1を送信データ遅延調整部232に、Tadj2を受信データ遅延調整部234に、Tadj1+Tadj2をオフセット処理部に、夫々現在の遅延量に減算的に設定する。これにより、TRX増幅器7における実際のToffsetは、1回目の調整によりToffset0−(Tadj1+Tadj2)となる。 【0052】 次に、本実施例の基地局8を説明する。 図7は、実施例2に係る基地局8の構成図である。 図7に示すように、基地局8は、光電変換部500、フォーマット変換部502、処理遅延統制部、BS機能部504およびRNCインターフェース(IF)506から構成される。 【0053】 光電変換部500は、TRX増幅器7−1からの光信号を電気信号に変換してフォーマット変換部502に出力するとともに、フォーマット変換部502からの電気信号を光信号に変換してTRX増幅器7−1へ出力する。 S/P変換部501は、光電変換部500からのシリアル信号をパラレル信号に変換してフォーマット変換部502に出力するとともに、その逆の変換も行う。光電変換部500やS/P変換部501は、TRX増幅器7のものと同等である。 【0054】 フォーマット変換部502は、S/P変換部501からのULフレーム信号を、Uプレーンデータ(U-plane(UL))とCプレーンデータ(C-plane(UL))とに分離し、UプレーンデータをBS機能部504に、Cプレーンデータを処理遅延統制部52に出力する。 またフォーマット変換部502は、BS機能部504からのUプレーンデータ(U-plane(UL))と、BS機能部504からのCプレーンデータ(C-plane(UL))とをベーシックフレーム単位で時分割多重してDLフレームを作成し、S/P変換部501に出力する。 【0055】 処理遅延統制部52は、図9を用いて後述するように、TRX増幅器間の処理の遅延を調整するために必要な制御を行うとともに、その遅延をRNCからのマクロ命令に応じてRNCに報告する。 BS機能部504は、従来と同様の基地局(Base Transceiver Station)基本機能を実現する部分であり、RNCからのマクロに従って呼の設定や解除を行い、ULに関しては各TRX増幅器7から届けられたIQ-dataから呼の信号を取り出してRNCIFに出力し、DLに関してはULと逆の処理を行ってフォーマット変換部502に出力する。 【0056】 RNCIF506は、BS機能部504からのデータに対し、RNF100に送信するために必要な処理を行い、RNC100に送信するとともに、RNC100からデータを受信し、RNC100に出力する。 【0057】 図8は、図5に示した処理遅延統制部52の構成図である。 図8に示すように、処理遅延統制部52は、TRX増幅器情報管理部520、Cプレーン解読部524、リンク確立処理部526、位相差情報要求部528、位相差情報取得部530、進み量算出部532、進み量設定要求部534、進み量設定終了通知取得部536およびCプレーン生成部540から構成される。 【0058】 Cプレーン解読部524は、フォーマット変換部502からU-plane(UL)を入力され、Slow若しくはFast C&M linkサブチャネル等を、対応するプロトコルに従って処理して、リンク確立処理部526、処理遅延情報取得部529、位相差情報取得部530に出力する。Slow C&M linkにはHDLCが、Fast C&M linkにはEthernet(商標)が用いられ、いずれもコネクション指向の信頼性のあるプロトコルである。 【0059】 リンク確立処理部526は、Cプレーン解読部524からのデータに基づいて、全てのTRX増幅器7との間で、Slow若しくはFast C&M linkサブチャネルを用いたレイヤ2リンクのリンク確立処理を行う。TRX増幅器7−iに信号を送信する場合、前述したように、TRX増幅器7−1〜7−(i−1)をレイヤ1で中継してTRX増幅器7−iに送信され、以下の信号の送受信においても同様な処理がなされる。 なお、TRX増幅器7−1との間のレイヤ1のリンク確立処理手段は図示しないが、Synchronization and timingやL1 inband protocolを用いて規格に従い実装される。 【0060】 処理遅延情報取得部529は、Cプレーン解読部524からのデータを監視し、処理遅延情報報告を検出すると、その報告及びその報告の送信元のTRX増幅器7をTRX増幅器情報管理部520に通知する。 位相差情報取得部530は、Cプレーン解読部524からのデータを監視し、位相差情報報告を検出すると、その報告及びその報告の送信元のTRX増幅器7をTRX増幅器情報管理部520に通知する。 【0061】 TRX増幅器情報管理部520は、基地局8に接続されている全てのTRX増幅器7−1〜7−nそれぞれの情報を管理する。具体的には、リンクが確立している各TRX増幅器7−iに対し、処理遅延情報要求を発し、その応答である処理遅延情報報告を処理遅延情報取得部529から入力されると、その報告に含まれているTBdelayDL(i)、TBdelayUL(i))をTRX増幅器7−iと対応付けて記憶する。また、各TRX増幅器7−iに対し、位相差情報要求を発し、その応答である位相差情報報告を位相差情報取得部530から入力されると、その報告に含まれているN(i)をTRX増幅器7−iと対応付けて記憶する。そして各TRX増幅器7から入手したTBdelayDL(i)やTphase(i)を進み量算出部532やBS機能部504に提供する。 またTRX増幅器情報管理部520は、(結果的に0として算出されるものの、)Toffset、N、TBdelayDL、TBdelayULからCPRI準拠の方法でTBdelayDL+T12、T34+TBdelayULを計算してもよい。 【0062】 処理遅延情報要求部527は、TRX増幅器情報管理部520からTRX増幅器7−iに対する処理遅延情報要求を受け取った場合、それをTRX増幅器7−i宛てのレイヤ2フレームに変換してCプレーン生成部540に出力する。 位相差情報要求部528は、TRX増幅器情報管理部520からTRX増幅器7−iに対する位相差情報要求を受け取った場合、それをTRX増幅器7−i宛てのレイヤ2フレームに変換してCプレーン生成部540に出力する。 【0063】 進み量算出部532は、TRX増幅器情報管理部520から入力されたTBdelayDL(i)やN(i)等に基づいてケーブル遅延を推定し、TRX増幅器7−(i+1)に設定する進み量Tadj1(i+1)、Tadj2(i+1)を算出する。 Tadj1、Tadj2は進み方向を正とし、下記の式で算出する。ただし、TRX増幅器7−1を除くTRX増幅器7−iには、既にTadj1(i)が反映されているものとする。 Tadj1(i+1)=Tc・N(i)/2−(TBdelayUL(i)−TBdelayDL(i))/2 Tadj2(i+1)=Tc・N(i)/2+(TBdelayUL(i)−TBdelayDL(i))/2 …(式3) あるいは、複数のTRX増幅器7−1〜7−nが同時に起動した場合には、下記の式によりTadj1、Tadj2を一括に求めることができる。 【数1】
【0064】 進み量設定要求部534は、各TRX増幅器7−(i+1)宛ての進み量Tadj1(i+1)及びTadj2(i+1)の進み量設定要求作成し、レイヤ2フレームに変換してCプレーン生成部540に出力する。 Cプレーン生成部540は、リンク確立処理部526、位相差情報要求部528および進み量設定要求部534からの信号を、Cプレーンデータとしてフォーマット変換部502へ出力する。 進み量設定完了報告取得部536(図示せず)は、Cプレーン解読部524からのデータを監視し、進み量設定完了報告を検出すると、その報告及びその報告の送信元のTRX増幅器7をTRX増幅器情報管理部520に通知する。 【0065】 図9は、本実施例2に係る無線通信システム6において、システム起動後に、基地局8が各TRX増幅器7−1〜7−nとのCプレーンリンクを確立するまでの動作(S10)を示すシーケンス図である。 図9に示すように、ステップ100−1〜100−n(S100−1〜100−n)において、基地局8は、TRX増幅器7−1〜7−nに対して、DLヘッダおよびDL_Cプレーンデータを含むDLフレーム信号を光伝送する。 【0066】 ステップ102−1〜102−nにおいて、TRX増幅器7−1〜4−nは、DLフレーム信号を受信し、DLヘッダの検出を行い、さらにオフセット処理を行う。 ステップ104−1〜104−nにおいて、TRX増幅器7−1〜7−nは、基地局5に対して、受信したDLフレーム信号からToffsetの初期値だけ遅れたフレームタイミングでULフレーム信号を光送信する。 ステップ106−1〜106−nにおいて、基地局8は、TRX増幅器7−1〜7−nから受信したULフレーム信号に基づいて、通信回線(レイヤ2)の同期状態を監視し、同期が得られたならば、各TRX増幅器7と協働してTRX増幅器7−1〜7−nとCプレーンリンクを確立する。Cプレーンリンクは、複数回の電文の交換によるハンドシェイクなどにより確立され、その状態は、基地局8と各TRX増幅器7との間で共有される。 【0067】 図10は、本実施例2に係る無線通信システム6において、基地局8がTRX増幅器7−(i+1)に対して進み量を設定する動作(S20)を示すシーケンス図である。 図10に示すように、ステップ200(S200)において、TRX増幅器7−iは、自身のヘッダ生成部212で生成したULヘッダと、TRX増幅器7−(i+1)からの受信したULヘッダとの位相差Tphaseを実施例1同様に測定する。なお、末端のTRX増幅器7−nはmaster portに何も入力されないので、位相差は測定しなくてもよい。 【0068】 ステップ202−1において、基地局5は、TRX増幅器7−1に対して、Cプレーンリンクを用いて処理遅延情報要求を送信する。 ステップ204−1において、処理遅延情報要求を受信したTRX増幅器7−1は、記憶部230に記憶されたTBdelayDL(i)と、実施例1同様に求めたTBdelayUL(i)を、処理遅延情報報告としてCプレーンリンクを用いて基地局5に送信する。 以後各TRX増幅器7−iに対し、同様の処理をステップ202−i及びステップ202−iとして順次行う。 【0069】 ステップ206において、基地局5は、末端のTRX増幅器4を除くTRX増幅器4−iに対して、Cプレーンリンクを用いて位相差情報要求を送信する。 ステップ208において、位相差情報要求を受信したTRX増幅器4−iは、S200−iで算出したN(i)を位相差情報報告としてCプレーンリンクを用いて基地局5に送信する。 以後各TRX増幅器7−iに対し、同様の処理をステップ202−i及びステップ202−iとして順次行う。 【0070】 ステップ210において、基地局5は、TRX増幅器7−(i+1)に設定する進み量Tadj1(i+1)、Tadj2(i+1)を式4に従って算出する。 【0071】 ステップ212−1において、基地局5は、TRX増幅器7−2に対して、進み量Tadj1(i+1)、Tadj2(i+1)を設定するように要求する。 ステップ214−1において、基地局5の要求に応じ、TRX増幅器7−2は、進み量Tadj1を送信データ遅延調整部232に、Tadj2を受信データ遅延調整部234に、Tadj1+Tadj2をオフセット処理部に、夫々現在の遅延量に減算的に設定する。 ステップ216−1において、基地局5は、TRX増幅器7−2から、進み量の設定完了通知を取得する。 ステップ218−1において、基地局5は、進み量設定完了通知を取得できたTRX増幅器7−2に対して運用開始処理を行い、TRX増幅器7−2との運用を開始する。 以後各TRX増幅器7−(i+1)に対し、同様の処理をステップ212−i、ステップ214−i及びステップ216−iとして順次行う。またTRX増幅器7−1に対しても適宜運用開始処理を行うものとする。 その後、S202からS218の処理を定期的、もしくはN≠0を検出したときに行うようにしても良い。負のNの報告を正常に受けることができない基地局を想定し、遅延調整部222が調整できる範囲を2Tcにしてもよい。 【0072】 本実施例では、Tadj1+Tadj2がTc単位であるため、Tadj1(i+1)、Tadj2(i+1)の設定の前後で、Tfrc (i)は変化しない。なお、TRX増幅器7に進み量設定要求する際は、Tadj1、Tadj2ではなく、N(i)、(TBdelayUL(i)−TBdelayDL(i))を通知しても良い。 以上説明したように、本例では、TBdelayDL(i)+T12(i+1)、T34(i+1)+TBdelayUL(i)を0に見せることで、N(i)が0となる。これにより、基地局5では遅延差を考慮しなくてもサイトダイバーシティを行うことができ、遅延差を考慮する場合に比べ、信号を保持するメモリ量が大幅に削減できる。 【実施例3】 【0073】 本実施例3に係る無線通信システム6は、要約すると、TBdelayULを用いずに実施例2に類似の遅延調整を行い、必ずしもN(i)が0にならないものである。 本実施例3の無線通信システムの構成は、実施例2と同様であり、RNC100、基地局8、TRX増幅器9−1〜9−nおよび移動局104−1〜104−mから構成される。各部の詳細な構成も、特に言及しない限り、実施例2と同様とする。 【0074】 TRX増幅器7は、下記の点などで、実施例2のTRX増幅器7と異なる。 3つ目には、制御部716に対応する制御部916は、基地局102からの位相差情報要求を見つけた場合、受け入れたTphaseから位相差情報報告を作成し、処理遅延情報要求を見つけた場合、受け入れたTBdelayDLから処理遅延情報報告を作成る。もし本例の動作により遅延が調整された後、基地局102から従来のCPRI規格に則ったToffsetにはToffset0を報告する。 4つ目には、制御部916は、受け入れたDL_Cプレーンデータ中に、基地局102からの遅延量設定要求を見つけた場合、その要求が示す進み量Tadj3+Tadj4を送信データ遅延調整部232に、Tadj4を受信データ遅延調整部234に、2Tadj3+Tadj4をオフセット処理部に、夫々現在の遅延量に減算的に設定する。 【0075】 基地局8は、下記の点などで、実施例2の基地局5と異なる。 1つ目には、TRX増幅器情報管理部520に対応するTRX増幅器情報管理部820が、処理遅延情報報告を処理遅延情報取得部529から入力されると、それをTBdelayDL(i)として記憶し、位相差情報報告を位相差情報取得部530から入力されると、それをTphase(i)として記憶し、それらのTBdelayDL(i)やTphase(i)を進み量算出部532やBS機能部504に提供する。 2つ目には、進み量算出部532に代えて、下記の式でTadj3(i+1)、Tadj4(i+1)を算出する進み量算出部832を備える。 Tadj3(i+1)=Tphase (i)/2 Tadj4(i+1)=TBdelayDL(i) …(式5) あるいは、複数のTRX増幅器7−1〜7−nが同時に起動した場合には、下記の式によりTadj3を一括に求めることができる。 【数2】
3つ目には、進み量設定要求部534に代えて、各TRX増幅器9−(i+1)宛ての進み量Tadj3(i+1)及びTadj4(i+1)の進み量設定要求作成し、レイヤ2フレームに変換してCプレーン生成部540に出力する進み量設定要求部834を備える。 【0076】 本実施例では、本来送信データ遅延調整部732にTBdelayDL(i)/2の遅れ、受信データ遅延調整部734にTBdelayDL(i)/2の進みとして設定すべきTBdelayDL(i)を、送信データ遅延調整部732にそのまま進み量として与えている。 本例では、現状のToffset(i+1)からほぼTphase(i)を差し引くことで、Tphase(i)をほぼ0に見せる。もしTphase(i)を丁度差し引くと、僅かでも遅延が揺らぐとN(i)がばたついく可能性があるため、僅かに(TBdelayDL(i)/2だけ)多く差し引く。そのためTadj3、Tadj4を設定した後のTphaseは僅かに負になり、それがTfrcとなる。またTBdelayULはTBdelayUL_minになる。本例においても、TRX増幅器9−iがTBdelayUL等の真値を基地局8へ報告すれば、基地局8において、従来の方法でULのケーブル遅延を適切に求め、補償することはできる。TBdelayULの真値をTcの整数倍とすることで、TBdelayUL有効桁数が少なくても誤差を小さく保つことができる。 【産業上の利用可能性】 【0077】 本発明は、時間ドメインに高い精度が要求される通信システムのほか、MIMO(Multiple Input Multiple Output)を用いたシステムにも利用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0078】 【図1】従来の無線通信システム1の構成図 【図2】無線通信システム1の各部の遅延の定義図 【図3】無線通信システム1のDL及びULのフレームタイミング図 【図4】master portに入力されるフレームとslave portから出力するフレームのタイミング図 【図5】実施例1に係る無線通信システム3のTRX増幅器4の構成図 【図6】現実のTRX増幅器4の遅延を示す図 【図7】実施例2に係る基地局8の構成図 【図8】実施例2に係る処理遅延統制部52の構成図 【図9】実施例2に係る基地局が各TRX増幅器とのCプレーンリンクを確立するまでの動作を示すシーケンス図 【図10】本実施例2に係る基地局8がTRX増幅器に進み量を設定する動作を示すシーケンス図 【符号の説明】 【0079】 1・・・無線通信システム, 100・・・RNC, 102・・・基地局, 2−1〜2−n・・・TRX増幅器, 104−1〜104−m・・・移動局, 3・・・無線通信システム, 4−1〜4−n・・・TRX増幅器, 200・・・アンテナ, 201,202・・・光電変換部, 203,204・・・シリアル/パラレル変換部, 206・・・DLヘッダ検出部, 208・・・DLフォーマット変換部, 210・・・オフセット処理部, 212・・・ヘッダ生成部, 214・・・フォーマット生成部, 216・・・制御部, 218・・・アップコンバータ, 220・・・ダウンコンバータ, 222・・・遅延調整部, 224・・・ULヘッダ検出部, 226・・・位相差検出部, 230・・・記憶部, 232・・・送信データ遅延調整部, 234・・・受信データ遅延調整部, 414・・・フォーマット生成部, 416・・・制御部, 426・・・位相差検出部, 428・・・進み量調整部, 5・・・基地局, 500・・・光電変換部, 502・・・フォーマット変換部, 504・・・BS機能部, 506・・・RNCIF, 52・・・処理遅延統制部, 520・・・TRX増幅器識別情報管理部, 524・・・Cプレーン解読部, 526・・・リンク確立処理部, 527・・・処理遅延情報要求部, 528・・・位相差情報要求部, 529・・・処理遅延情報取得部, 530・・・位相差情報取得部, 532・・・進み量算出部, 534・・・進み量設定要求部, 536・・・進み量設定終了通知取得部, 540・・・Cプレーン生成部。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001122 【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
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| 【出願日】 |
平成19年3月20日(2007.3.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−11498(P2008−11498A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2007−73307(P2007−73307) |
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