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【発明の名称】 通信方法及び無線通信装置
【発明者】 【氏名】石川 一樹

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の他の装置との無線通信において時分割多元接続/時分割複信方式を使用し、上り信号に基づいて下り信号を制御する無線通信装置における通信方法であって、
前記無線通信時における前記他の装置の使用状態に応じた情報を取得するステップと、
前記上り信号の伝送期間である上りタイムスロット及び前記下り信号の伝送期間である下りタイムロットを前記他の装置に割り当てるステップとを備え、
前記割り当てるステップでは、前記取得された情報に基づいて前記複数の他の装置について順番を定め、当該順番に基づいて前記上りタイムスロットから前記下りタイムスロットまでの間隔を設定することを特徴とする通信方法。
【請求項2】
前記他の装置の使用状態に応じた情報は、前記他の装置の移動の大きさである移動度を示す情報であり、
前記割り当てるステップでは、前記移動度が高い順番の他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記無線通信の通信品質を取得するステップを更に備え、
前記割り当てるステップでは、前記移動度が等しい他の装置が複数存在する場合、前記通信品質が低い他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
【請求項4】
前記無線通信装置は、複数のアンテナ素子を備えたアダプティブアレイアンテナを有し、
前記移動度は、前記無線通信において、前記アンテナ素子で送受信される信号に対する重み係数に基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
【請求項5】
前記他の装置の使用状態に応じた情報は、前記他の装置によって実行される通信の種別に応じた通信優先度を示す情報であり、
前記割り当てるステップでは、前記通信優先度が高い順番の他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項6】
前記無線通信の通信品質を取得するステップを更に備え、
前記割り当てるステップでは、前記通信優先度が等しい他の装置が複数存在する場合、前記通信品質が低い他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを特徴とする請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
前記他の装置の使用状態に応じた情報は、前記無線通信の通信品質を示す情報であり、
前記割り当てるステップでは、前記通信品質が低い順番の他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項8】
複数の他の装置との無線通信において時分割多元接続/時分割複信方式を使用し、上り信号に基づいて下り信号を制御する無線通信装置であって、
前記無線通信時における前記他の装置の使用状態に応じた情報を取得する取得部と、
前記上り信号の伝送期間である上りタイムスロット及び前記下り信号の伝送期間である下りタイムロットを前記他の装置に割り当てる割り当て部とを備え、
前記割り当て部は、前記取得された情報に基づいて前記複数の他の装置について順番を定め、当該順番に基づいて前記上りタイムスロットから前記下りタイムスロットまでの間隔を設定することを特徴とする無線通信装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末との無線通信において時分割多元接続/時分割複信方式を使用し、上りタイムスロットの信号に基づいて、下りタイムスロットの信号を制御する通信方法及び無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な無線通信方式が提案されており、その一つに、PHS等の無線通信システムで使用されている時分割多元接続/時分割複信(以下、TDMA/TDD:Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかるTDMA/TDD方式の無線通信システムでは、一つのキャリアを、5ms毎のフレームに分割し、さらにそのフレームを、上り4つ、下り4つの時間幅が等しい8つのタイムスロットに分割している。そして、各端末に対して、上り下りのタイムスロットを一つづつ割り当てることで、基地局と端末との間で、通信チャネルが確立される。図15には、端末10a乃至10bにタイムスロットを割り当てたフレーム構成の一例が示されている。図15に示すように、TDMA/TDD方式の無線通信システムでは、例えば、各端末10a乃至10bとの通信チャネルにおいて、上り下りタイムスロットの間隔をΔtで、上りタイムスロットU#1乃至U#4と、下りタイムスロットD#1乃至D#4とを割り当てる。
【0004】
一方、近年、上述した無線通信システムでは、複数のアンテナ素子を用いたアダプティブアレイ技術が適用されており、基地局が、受信した上りタイムスロットの信号に基づいて、送信する下りタイムスロットの信号に対して指向性制御を行っている。具体的に、基地局は、例えば、端末10aから受信した上りタイムスロットU#1の信号に基づいて、各アンテナ素子に対する重み係数を算出する。そして、基地局は、端末10aに下りタイムスロットD#1の信号を送信する際、算出した重み係数に基づいて、各アンテナ素子から出力される信号の振幅と位相とを調整し、端末10aに送信する信号の指向性制御を行っている。
【0005】
上述した指向性制御により、TDMA/TDD方式の無線通信システムでは、基地局が、特定の端末に対して、送信信号の強度や、受信信号の感度を高めつつ、他の端末に対して、送信信号の強度や、受信信号の感度を低下させて、相互干渉を低減し、各端末との間で安定した通信を行っている。
【特許文献1】特開平10−257009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した無線通信システムにおいて、例えば、端末1が高速で移動する場合、基地局が、上りタイムスロットU#1信号に基づいて、下りタイムスロットD#1の指向性を制御しても、端末10aは、間隔Δtの間に別の場所へ移動するため、当該下りタイムスロットD#1における信号の指向性が適切でなくなる場合があった。その結果、例えば、端末10aの受信レベルが低減する等、基地局と端末との間における通信品質が、低下するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、TDMA/TDD方式の無線通信において、移動する他の装置と無線通信装置との間における通信品質が低下することを低減する通信方法及び無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、複数の他の装置との無線通信において時分割多元接続/時分割複信方式を使用し、上り信号に基づいて下り信号を制御する無線通信装置における通信方法であって、前記無線通信時における前記他の装置の使用状態(例えば、移動状態や通信種別、電波環境)に応じた情報を取得するステップと、前記上り信号の伝送期間である上りタイムスロット及び前記下り信号の伝送期間である下りタイムロットを前記他の装置に割り当てるステップとを備え、前記割り当てるステップでは、前記取得された情報に基づいて前記複数の他の装置について順番を定め、当該順番に基づいて前記上りタイムスロットから前記下りタイムスロットまでの間隔を設定することを要旨とする。
【0009】
このような通信方法によれば、無線通信時における他の装置の使用状態(例えば、移動状態や通信種別)に応じた情報に基づいて、上りタイムスロットから下りタイムスロットまでの間隔が設定される。これにより、上り下りのタイムスロット間隔を、他の装置に適した長さに適応的に設定することができる。
【0010】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記他の装置の使用状態に応じた情報は、前記他の装置の移動の大きさである移動度を示す情報であり、前記割り当てるステップでは、前記移動度が高い順番の他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを要旨とする。
【0011】
このような通信方法によれば、無線通信装置と他の装置との間の無線通信において、移動度が高い他の装置ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットまでの間隔が短くなるように、上り下りのタイムスロットを割り当てる。これにより、他の装置の移動前に受信した上りタイムスロットの信号に基づいて、例えば、他の装置用に指向性を制御した下りタイムスロットの信号を、他の装置が大きく移動する前に送信することが可能になり、他の装置との通信の品質が低下することを低減する。
【0012】
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記無線通信の通信品質を取得するステップを更に備え、前記割り当てるステップでは、前記移動度が等しい他の装置が複数存在する場合、前記通信品質が低い他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを要旨とする。
【0013】
このような通信方法によれば、移動度が等しい複数の他の装置に対しては、通信品質が低い他の装置ほど、上りタイムスロットと下りタイムスロットとの間隔が短くなるように、上り下りのタイムスロットを割り当てるので、より安定した通信を行うことが可能になる。
【0014】
本発明の第4の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記無線通信装置は、複数のアンテナ素子を備えたアダプティブアレイアンテナを有し、前記移動度は、前記無線通信において、前記アンテナ素子で送受信される信号に対する重み係数に基づいて算出されることを要旨とする。
【0015】
このような通信方法によれば、アンテナ素子で送受信される信号の重み係数から、他の装置の移動度を、より正確に取得する。
【0016】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記他の装置の使用状態に応じた情報は、前記他の装置によって実行される通信の種別に応じた通信優先度を示す情報であり、前記割り当てるステップでは、前記通信優先度が高い順番の他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを要旨とする。
【0017】
このような通信方法によれば、無線通信装置と他の装置との間の無線通信において、通信優先度(QoS)が高い他の装置ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットまでの間隔が短くなるように、上り下りのタイムスロットを割り当てる。つまり、通信優先度(QoS)が高い他の装置に対しては高速移動に対応可能な上り下りのタイムスロット間隔を割り当てておくことで、高品質な通信を維持する必要がある他の装置において通信の品質が低下することを低減することができる。
【0018】
本発明の第6の特徴は、本発明の第5の特徴に係り、前記無線通信の通信品質を取得するステップを更に備え、前記割り当てるステップでは、前記通信優先度が等しい他の装置が複数存在する場合、前記通信品質が低い他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを要旨とする。
【0019】
このような通信方法によれば、通信優先度(QoS)が等しい複数の他の装置に対しては、通信品質が低い他の装置ほど、上りタイムスロットと下りタイムスロットとの間隔が短くなるように、上り下りのタイムスロットを割り当てるので、より安定した通信を行うことが可能になる。
【0020】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記他の装置の使用状態に応じた情報は、前記無線通信の通信品質を示す情報であり、前記割り当てるステップでは、前記通信品質が低い順番の他の装置ほど、前記間隔を短く設定することを要旨とする。
【0021】
このような通信方法によれば、無線通信装置と他の装置との間の無線通信において、通信品質(例えばFER)が低い他の装置ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットまでの間隔が短くなるように、上り下りのタイムスロットを割り当てる。通信品質の低い他の装置は高速移動中である可能性があるため、通信品質の低い他の装置に対して、高速移動に対応可能な上り下りのタイムスロット間隔を割り当てることで、通信品質が低下することを低減することができる。
【0022】
本発明の第8の特徴は、複数の他の装置との無線通信において時分割多元接続/時分割複信方式を使用し、上り信号に基づいて下り信号を制御する無線通信装置であって、前記無線通信時における前記他の装置の使用状態に応じた情報を取得する取得部と、前記上り信号の伝送期間である上りタイムスロット及び前記下り信号の伝送期間である下りタイムロットを前記他の装置に割り当てる割り当て部とを備え、前記割り当て部は、前記取得された情報に基づいて前記複数の他の装置について順番を定め、当該順番に基づいて前記上りタイムスロットから前記下りタイムスロットまでの間隔を設定することを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の特徴によれば、TDMA/TDD方式の無線通信において、移動する他の装置と無線通信装置との間における通信品質が低下することを低減する通信方法及び無線通信装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0025】
[第1実施形態]
図1の概略図に示すように、本実施形態では、基地局100と、複数の端末10a乃至10bとの間で、無線通信が行われている場合を例に挙げて説明する。また、本実施形態では、基地局100と端末10a乃至10bとの間において、PHS等で採用されている時分割多元接続/時分割複信方式(以下、TDMA/TDD方式)及び空間多重技術により、無線通信が行われている。
【0026】
ここで、本実施形態では、上述したTDMA/TDD方式において、1フレームは、5msであり、又、当該1フレームが、4つの上りタイムスロットと4つの下りタイムスロットとにより、時間幅の等しい8つのタイムスロットで構成されている。なお、上りタイムスロットと下りタイムスロットとの間にはガードタイムを有している。また、かかるTDMA/TDD方式において、一つのタイムスロットは、空間多重により4つの信号を多重される。なお、上り及び下りのタイムスロット数と、空間多重される信号数とは、上述した数に限定されるものではない。また、本実施形態において、基地局100は、無線通信システムに備えられているが、かかる無線通信システムにおいて、例えば、ネットワークやサーバ等の他の構成に関する説明を省略する。また、本実施形態において、端末10a乃至10bは、携帯電話機や、PDA(Personal Degital Assistant)や、ノート型コンピュータなどのモバイル機器を想定している。
【0027】
また、本実施形態では、図1に示すように、端末10bは、移動せず、ほぼ同じ位置に存在し、端末10aは、地点Aにおいて、基地局100との間で無線通信を開始し、通信 開始後、地点Bへ移動する場合を例に説明する。また、端末10a乃至10bは、基地局100との間で無線通信を開始する際、基地局100へ、通信チャネルの確立を要求するリンクチャネル確立要求を送信する。なお、端末10a乃至10bは、かかるリンクチャネル確立要求を、自端末の位置登録や、ハンドオーバ等を行う際に送信する。また、端末10a乃至10bは、基地局100から、リンクチャネル割当を受信すると、当該リンクチャネル割当に含まれる上り及び下りのタイムスロットの番号と通信用周波数とに基づいて、基地局100との間で同期バーストを送受信して同期確立し、基地局100との間で通信を開始する。
【0028】
(基地局100の全体概略構成)
次に、本実施形態に係る基地局100の構成について説明する。また、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、管理サーバ40は、管理サーバ40としての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した機能ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
【0029】
本実施形態に係る基地局100は、複数の端末10a乃至10bとの無線通信において、上りタイムスロットの信号に基づいて、下りタイムスロットの信号を制御する。また、基地局100は、複数のアンテナ素子を備えたアダプティブアレイアンテナを有し、各端末10a乃至10bに対して、無線信号の指向性を制御するアダプティブアレイ処理を実施する。具体的に、基地局100は、図2に示すように、端末10a乃至10bとの間で無線通信する無線処理部200と、各端末10a乃至10bとの間で送受信する信号の指向性を制御するアダプティブアレイ処理を行う信号処理部300と、基地局100内の各種機能を制御する制御部400Aとを具備する。
【0030】
無線処理部200は、アンテナ素子を有する第1無線部201乃至第4無線部204を備え、アダプティブアレイアンテナとして機能している。
【0031】
第1無線部201乃至第4無線部204は、端末10a乃至10bから受信した無線信号にダウンコンバージョン等の変換を行い、変換した信号を信号処理部300の各第1信号制御部301乃至第4信号制御部304(後述する)へ出力する。また、第1無線部201乃至第4無線部204は、信号処理部300から入力した信号にアップコンバージョン等の変換を行い、端末10a乃至10bへ送信する。なお、第1無線部201乃至第4無線部204は、それぞれ同様に構成されている。
【0032】
信号処理部300は、第1無線部201乃至第4無線部204から出入力される各信号に対して重み付けし、第1無線部201乃至第4無線部204に指向性を制御した信号を送信させると共に、第1無線部201乃至第4無線部204から入力した信号の感度を高めるアダプティブアレイ処理を行う。具体的に、信号処理部300は、第1信号制御部301乃至第4信号制御部304を備える。なお、第1信号制御部301乃至第4信号制御部304は、それぞれ同様に構成されているので、第1信号制御部301の構成について具体的に説明する。
【0033】
第1信号制御部301は、図3に示すように、重み係数算出部3101と、受信信号用の乗算部3201乃至3204と、受信信号を合成する合成部3301と、送信信号を分離する分離部3401と、送信信号用の乗算部3501乃至3504とを備える。
【0034】
重み係数算出部3101は、送信信号又は受信信号の重み係数wを算出する。ここで、重み係数wとは、受信信号及び送信信号に対して、振幅と位相とを調整するための係数である。また、かかる重み係数wには、端末10a乃至10bが移動すると、その値が変化する。
【0035】
また、重み係数算出部3101は、第1無線部201乃至第4無線部204から出力された各信号に基づいて、信号毎の4つの重み係数wを算出し、算出した重み係数wを、乗算部3201乃至3204と、乗算部3501乃至3504とへ、それぞれ出力する。この時、重み係数算出部3101は、かかる重み係数wを、ユニークワード(UW:Unique Word)等のサンプル信号との誤差が最小となるように算出する。なお、重み係数算出部3101は、1フレーム内の端末10a乃至10bの上りタイムスロット毎に、上述した重み係数wを算出する。
【0036】
また、重み係数算出部3101は、算出した4つの重み係数wの中で、例えば、第1無線部201から出力された信号に基づいて算出された一つの重み係数wを、制御部400Aの移動度取得部403(後述する。図4参照)へ通知する。なお、本実施形態では、端末10a乃至10bとの送受信信号が、第1信号制御部301に割り当てられている場合を例に説明する。よって、本実施形態において、端末10a乃至10bとの送受信信号における重み係数wは、第1信号制御部301から出力される。
【0037】
乗算部3201乃至3204は、第1無線部201乃至第4無線部204から出力された各信号に対して、重み係数wで重み付けし、合成部3301へ出力する。また、合成部3301は、乗算部3201乃至3204から出力された各信号を合成し、制御部400AのTDMA分離処理部401(後述する。図4参照)へ出力する。
【0038】
分離部3401は、制御部400AのTDMA多重処理部406(後述する。図4参照)から出力された信号を分離し、乗算部3501乃至3504へ出力する。また、乗算部3501乃至3504は、分離部3401から出力された信号に対して、重み係数wで重み付けし、各第1無線部201乃至第4無線部204へ出力する。
【0039】
上述した重み係数算出部3101と、乗算部3201乃至3204と、合成部3301と分離部3401と、乗算部3501乃至3504との信号処理により、端末10a乃至10bとの無線通信時に、複数のアンテナ素子を備えたアダプティブアレイアンテナにおいて、同時に受信及び送信する信号に対する指向性制御が実施される。
【0040】
(制御部400Aの構成)
次に、制御部400Aの構成について具体的に説明する。制御部400Aは、端末10a乃至10bと基地局100との間で通信する音声情報又はデータ情報の信号を、TDMA/TDD方式により制御する。
【0041】
また、制御部400Aは、無線処理部200と信号処理部300とを介して、端末10a乃至10bから、通信チャネルの確立を要求するリンクチャネル確立要求(LCH確立要求と呼ばれる)を受信すると、送信元の端末10a乃至10bに対して、通信チャネル用の上りタイムスロット及び下りタイムスロットを割り当てる。
【0042】
また、制御部400Aは、割り当てた上りタイムスロット及び下りタイムスロットのスロット番号と通信用周波数とを含むリンクチャネル割当を、無線処理部200と信号処理部300とを介して、リンクチャネル確立要求の送信元である端末10a乃至10bへ送信する。そして、この後、制御部400Aは、端末10a乃至10bとの間で同期バーストを送受信し、同期確立することで、端末10a乃至10bとの通信チャネルを確立する。なお、制御部400Aは、通信チャネルを確立するまでの各種通信を、コントロールチャネル(CCHと呼ばれる)を使用して実施する。
【0043】
また、図4を参照し、本発明との関連がある各種機能について具体的に説明する。本実施形態に係る制御部400Aは、図4に示すように、TDMA分離処理部401と、記憶部402と、移動度取得部403と、通信品質取得部404と、タイムスロット割当部405と、TDMA多重処理部406とを具備する。
【0044】
TDMA分離処理部401は、合成部3301からの信号を入力し、当該信号を復調すると共に、TDMA/TDD方式により分離する。また、本実施形態に係るTDMA分離処理部401は、端末10a乃至10bの間の通信における情報の誤り率を示すFER(Frame Error Rate)を算出し、通信品質取得部404へ通知する。なお、本実施形態では、かかる通信品質がFERである場合を例に説明するが、BER(Bit Error Rate)等、他の通信品質を示す情報であってもよい。また、TDMA多重処理部406は、端末10a乃至10bへ送信する信号を変調すると共に、TDMA/TDD方式により多重し、分離部3401へ出力する。
【0045】
記憶部402は、移動度テーブルT1と、割当テーブルT2とを備える。移動度テーブルT1は、図5に示すように、端末10a乃至10bを識別する端末IDと、当該端末10a乃至10bの移動度と、当該端末10a乃至10bとの間における通信品質とを関連付けて記憶する。ここで、移動度とは、端末10a乃至10bの移動する大きさを示す情報であり、後述する移動度取得部403によって格納される。また、通信品質とは、当該端末10a乃至10bとの間における無線通信の品質を示す情報であり、後述する通信品質取得部404によって格納される。
【0046】
また、本実施形態において、端末10aの端末IDを、UE10aとし、端末10bの端末IDをUE10bとして説明する。また、本実施形態では、端末10a(UE10a)に対応する移動度(ρw)を移動度ρw1とし、端末10b(UE10b)対応する移動度(ρw)を移動度ρw2として説明する。
【0047】
割当テーブルT2は、図6に示すように、通信先の端末IDと、当該端末IDに対応する端末10a乃至10bに割り当てたタイムスロット番号とを関連付けて記憶する。
なお、本実施形態では、上りタイムスロット番号を時系列の順に、U#1乃至U#4とし、下りタイムスロット番号を時系列の順に、D#1乃至D#4として説明する。また、本実施形態では、空間多重されるスロット番号に関しては説明を省略している。
【0048】
また、本実施形態では、従来技術のように、各端末10a乃至10bに割り当てられている上りタイムスロットと下りタイムスロットとの時系列上の順番は、対応していない。つまり、各端末10a乃至10bにおいて、上りタイムスロットから下りタイムスロットとの間隔Δtは一定ではない。よって、上りタイムスロットから下りタイムスロットの間隔が、最も短くなるタイムスロットの組み合わせは、上りタイムスロット番号U#4と、下りタイムスロットD#1とである。また、最も長くなる組み合わせは、上りタイムスロットU#1と、下りタイムスロットD#4とである。
【0049】
ここで、本実施形態において、上りタイムスロット番号U#4及び下りタイムスロット番号D#1を通信チャネルCH1とし、上りタイムスロット番号U#3及び下りタイムスロット番号D#2を通信チャネルCH2とし、上りタイムスロット番号U#2及び下りタイムスロット番号D#3を通信チャネルCH3とし、上りタイムスロット番号U#1及び下りタイムスロット番号D#4を通信チャネルCH4として以降説明する。
【0050】
移動度取得部403は、端末10a乃至10b毎に、移動の大きさを示す移動度を、端末10a乃至10bとの無線通信において、アンテナ素子で送受信される信号に対する重み係数に基づいて算出する。具体的には、移動度取得部403は、図7に示す重み係数テーブルT3を備えている。かかる重み係数テーブルT3は、端末IDと、重み係数wとを関連付けて記憶する。ここで、端末10a(UE10a)に対応する重み係数wを重み係数w1とし、端末10b(UE10b)対応する重み係数wを重み係数w2として説明する。
【0051】
また、移動度取得部403は、第1信号制御部301乃至第4信号制御部304の重み係数算出部から重み係数wが通知されると、通知された重み係数wと、当該重み係数wによって重み付けされる信号の送受信先である端末10a乃至10bの端末IDとを関連付けて、当該重み係数テーブルT3に記憶する。
【0052】
この時、移動度取得部403は、第1信号制御部301乃至第4信号制御部304から通知された4つの重み係数wの中で、端末10a乃至10bとの送受信信号が割り当てられている第1信号制御部301から通知された重み係数wを継続して取得し、重み係数テーブルT3に記憶する。
【0053】
また、本実施形態では、重み係数テーブルT3に記憶される重み係数wのサンプル数が、今回通知された重み係数w(n)と、前回通知された重み係数w(n−1)と、前々回通知された重み係数w(n−2)との3つである場合を仮定している。そして、移動度取得部403は、重み係数テーブルT3への記憶を行うと、(1)式により、移動度(ρw)を算出する。
【0054】
【数1】





【0055】
上述した(1)式は、今回通知された重み係数wと、過去(前回と前々回)に通知された重み係数wとの相関関係を示す相関値を算出する計算式であり、本実施形態では、かかる相関値を、移動度(ρw)として取得する。また、かかる移動度(ρw)は、値が小さいほど端末10a乃至10bの移動が大きい、つまり移動度が高いことを示している。このようにして、移動度取得部403は、端末IDと、当該端末IDに対応する端末10a乃至10bの移動度(ρw)とを関連付けて、移動度テーブルT1に記憶する。
【0056】
なお、端末ID毎に記憶される重み係数wの数(サンプル数m)は、3つである場合を例に説明するが、かかる数は3つに限定されるものではない。また、端末10a乃至10bが、自端末の存在する位置情報を検出するGPS等の位置検出機能を有し、当該位置情報を基地局100に通知する場合、移動度取得部403は、通知された位置情報の相関関係または移動量に基づいて、かかる移動度を取得してもよい。
【0057】
通信品質取得部404は、無線通信の通信品質を取得する。具体的に、通信品質取得部404は、TDMA分離処理部401からFERを通知されると、通知されたFERと、当該FERに対応する端末10a乃至10bの端末IDとを関連付けて、移動度テーブルT1に記憶する。また、本実施形態では、端末10a(UE10a)に対応する通信品質を通信品質F1とし、端末10b(UE10b)対応する通信品質を通信品質F2として説明する。
【0058】
タイムスロット割当部405は、端末10a乃至10bとの間で使用される通信チャネルにおいて、取得した移動度(ρw)が高い端末10a乃至10bほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットの間隔が短くなるように、上りタイムスロットと下りタイムスロットとを割り当てる。具体的に、タイムスロット割当部405は、移動度テーブルT1に記憶される移動度(ρw)及び通信品質が更新されると、端末IDを移動度(ρw)の高い順(値が小さい順)に、順番を決定する。
【0059】
そして、決定した順番が、決定前の順番と異なる場合、タイムスロット割当部405は、当該順番に基づいて、最も移動度(ρw)の大きい端末IDから順に、上りタイムスロットから下りタイムスロットの間隔が短くなるように、通信チャネルCH1(上りタイムスロット番号U#4及び下りタイムスロット番号D#1)、通信チャネルCH2(上りタイムスロット番号U#3及び下りタイムスロット番号D#2)、通信チャネルCH3(上りタイムスロット番号U#2及び下りタイムスロット番号D#3)、通信チャネルCH4(上りタイムスロット番号U#1及び下りタイムスロット番号D#4)の順で、割り当てを変更する。
【0060】
なお、タイムスロット割当部405は、決定した順番と決定前の順番とが同じ場合、かかる動作を行わない。また、この時、タイムスロット割当部405は、移動度(ρw)が等しい端末10a乃至10bが複数ある場合、移動度テーブルT1において、通信品質が低い端末10a乃至10bほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットの間隔が短くなるように、通信チャネルCH1乃至CH4(上りタイムスロット番号と下りタイムスロット番号)を割り当てる。また、基地局100と通信する端末が一台の場合、タイムスロット割当部405は、当該端末に対して、通信チャネルCH1のタイムスロットを割り当てる。
【0061】
また、タイムスロット割当部405は、変更した通信チャネルCH1乃至CH4の上りタイムスロット番号及び下りタイムスロット番号と、通信周波数とを含むリンクチャネル割当を、TDMA多重処理部406と信号処理部300と無線処理部200とを介して、変更した端末IDに対応する端末10a乃至10bへ送信する。また、タイムスロット割当部405は、端末10a乃至10bとの通信チャネルCH1乃至CH4を変更する度、変更した通信チャネルCH1乃至CH4のタイムスロット番号をTDMA分離処理部401及びTDMA多重処理部406へ通知することで、TDMA/TDD方式による送受信信号の多重及び分離を適切に実施させる。
【0062】
(無線通信装置の動作)
次に、上述した基地局(無線通信装置)100の動作について説明する。具体的には、(1)端末10a乃至10bとの無線通信におけるタイムスロット割り当て制御動作、及び(2)制御部400Aにおけるタイムスロット割り当て制御動作について説明する。なお、本実施形態では、端末10bは、基地局100との間で既に通信しながらほぼ同じ位置で移動を行わず、端末10aは、図1に示す地点Aにおいて、基地局100との間で通信を開始し、通信開始後、地点Bに向けて高速で移動する場合を例に説明する。
【0063】
(1)端末10a乃至10bとの無線通信おけるタイムスロット割り当て制御動作
図8は、端末10bとの間で既に通信する基地局100が、端末10aとの間で、新たに通信を開始する際の動作を示すシーケンス図である。
【0064】
ステップS101において、端末10aは、地点Aで、例えば、位置登録を行うため、基地局100に対して、リンクチャネル確立要求を送信する。
【0065】
ステップS102において、基地局100の制御部400Aは、端末10aから送信されたリンクチャネル確立要求を受信し、リンクチャネル割当を端末10aへ送信する。
【0066】
ここで、基地局100は、端末10bとの通信において、通信チャネルCH1を使用しているため、端末10aに対して、通信チャネルCH2を割り当てると共に、当該通信チャネルCH2の上りタイムスロット番号U#3と下りタイムスロット番号D#2とを含むリンクチャネル割当を端末10aへ送信する。
【0067】
ステップS103において、端末10aは、リンクチャネル割当を受信し、同期バーストを基地局100へ送信する。
【0068】
ステップS104において、基地局100は、端末10aからの同期バーストを受信すると共に、端末10aへ同期バーストを送信する。
【0069】
ステップS105において、基地局100と端末10aとの間で、同期確立され、通信が開始される。また、この時、端末10aは、地点Bに向けて高速で移動を開始する。
【0070】
ステップS106において、基地局100では、移動度テーブルT1において、端末10a(UE10a)の移動度ρw1が、端末10b(UE10b)の移動度ρw2よりも高くなる。そして、タイムスロット割当部405は、端末10aとの通信において、通信チャネルCH2から通信チャネルCH1(上りタイムスロット番号U#4及び下りタイムスロット番号D#1)を割り当て変更し、端末10bとの通信において、通信チャネルCH2(上りタイムスロット番号U#3及び下りタイムスロット番号D#2)に割り当て変更する。
【0071】
ステップS107において、タイムスロット割当部405は、端末10a乃至10bに対して、リンクチャネル割当を送信する。なお、この後、基地局100は、端末10a乃至10bに対して、同期バーストを送受信し、同期確立を行うが、かかる動作については説明を省略する。
【0072】
(2)制御部400Aにおけるタイムスロット割り当て制御動作
図9は、上述したステップ106において、基地局100の制御部400Aにおけるタイムスロット割り当て制御の動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS1061において、制御部400Aの移動度取得部403は、第1信号制御部301乃至第4信号制御部304の重み係数算出部から重み係数wが通知されると、通知された重み係数wと、当該重み係数wによって重み付けされる信号の送受信先である端末10a乃至10bの端末IDとを関連付けて、当該重み係数テーブルT3に記憶する。ここで、移動度取得部403は、端末10a(UE10a)の重み係数w1(n)と、端末10b(UE10b)の重み係数w2(n)とを重み係数テーブルT3に記憶する。そして、移動度取得部403は、(1)式により、端末10a乃至10bの移動度(ρw1乃至ρw2)を算出し、端末ID(UE10a乃至UE10b)と、当該端末IDに対応する移動度(ρw1乃至ρw2)とを関連付けて、移動度テーブルT1に記憶する。この時、移動度テーブルT1に記憶される端末10bの移動度ρw2よりも、端末10aの移動度ρw1が高くなっている(値が小さくなる)。
【0074】
ステップS1062において、タイムスロット割当部405は、移動度テーブルT1に記憶される移動度ρw及び通信品質が更新されると、端末ID(UE10a及びUE10b)を移動度ρwの高い順(値が小さい順)に、順番を決定する。そして、決定した順番が、決定前の順番と異なるか否かを判定する。
【0075】
ステップS1063において、タイムスロット割当部405は、決定前の順番と異なると判定した場合、当該順番に基づいて、最も移動度の高い端末IDから順に、上りタイムスロットから下りタイムスロットの間隔が短くなるように、端末10aの端末ID(UE10a)に対して、通信チャネルCH1(上りタイムスロット番号U#4及び下りタイムスロット番号D#1)を割り当て、端末10bの端末ID(UE10b)に対して、通信チャネルCH2(上りタイムスロット番号U#3及び下りタイムスロット番号D#2)を割り当てる。
【0076】
なお、タイムスロット割当部405は、決定した順番と決定前の順番とが同じと判定した場合、動作を終了する。また、タイムスロット割当部405は、端末ID(UE10a及びUE10b)の移動度(ρw1及びρw2)が等しい場合、移動度テーブルT1において、通信品質(F1及びF2)が低い端末ID(UE10a及びUE10b)ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットの間隔が短くなるように、通信チャネルCH1乃至CH2を割り当てる。
【0077】
(作用・効果)
本実施形態に係る基地局100によれば、タイムスロット割当部405は、基地局100と端末10a乃至10bとの間の無線通信において、移動度が高い端末10a乃至10bほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットへの間隔が短くなるように、通信チャネルの上り下りのタイムスロットを割り当てる。
【0078】
図10には、本実施形態に係る基地局100が、端末10a乃至10bに対して、タイムスロットを割り当てたフレーム構成が示されている。図10に示すように、移動する端末10aは、間隔Δt2の通信チャネルCH2(上りタイムスロット番号U#3と下りタイムスロットD#2)から、間隔Δt2よりも狭い間隔Δt1の通信チャネル1(上りタイムスロットU#4と下りタイムスロットD#1)へ変更される。よって、本実施形態に係る基地局100は、移動する端末10aとの間の無線通信において、当該端末10aから移動前に受信した上りタイムスロットの信号に基づいて、例えば、端末用に指向性を制御した下りタイムスロットの信号を、端末10aが大きく移動する前に送信することが可能になり、端末10aとの間における通信品質が低下することを低減できる。
【0079】
また、本実施形態に係る基地局100によれば、移動度取得部403は、基地局100と端末10a乃至10bとの間の無線通信において、例えば、第1信号制御部301における第1無線部201に対する信号の重み係数wの相関値を、端末10a乃至10bの移動度(ρw)として算出する。よって、本実施形態に係る基地局100によれば、端末10a乃至10bの移動度(ρw)をより正確に取得できる。
【0080】
また、本実施形態に係る基地局100によれば、タイムスロット割当部405は、移動度(ρw)が等しい複数の端末10a乃至10bに対しては、通信品質が低い端末ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットへの間隔が短くなるように、通信チャネル(上り下りのタイムスロット)を割り当てるので、移動により通信品質が低下した端末10a乃至10bとの間の無線通信において、より安定した通信を行うことが可能になる。
【0081】
(第1変更例)
次に、上述した実施形態との相違点に着目し、第1変更例に係る基地局100の構成について説明する。本変更例に係る基地局100は、タイムスロット割当部405の構成を除き、上述した基地局100の構成と同様である。よって、タイムスロット割当部405の構成について説明する。本変更例に係る基地局100のタイムスロット割当部405は、予め定められた所定の閾値(ρSH)を有しており、移動度テーブルT1に記憶される移動度(ρw)が、当該所定の閾値より小さく(移動度が高く)なる場合のみ、上述したステップS1062乃至S1063の動作を行う。
【0082】
なお、移動度テーブルT1に記憶される移動度(ρw)が、当該所定の閾値より小さくならない(移動度が高くならない)場合、タイムスロット割当部405は、端末10a乃至10bに対して、従来技術で実施されていたように、間隔Δtのタイムスロット(例えば、上りタイムスロットU#1及び下りタイムスロットD#1)を割り当てる。
【0083】
本変更例に係る基地局100によれば、移動度が所定の閾値よりも小さい(移動度が高い)端末10a乃至10bが存在する場合のみ、上り及び下りのタイムスロットの割り当てを変更するので、当該タイムスロットの割り当て頻度を、上述した実施形態に比べ低減できる。よって、本変更例に係る基地局100によれば、通信チャネル(上り及び下りのタイムスロット)を割り当てる際の処理負荷を最低限に抑えつつ、移動度の高い端末10a乃至10bが存在する場合には、当該端末10a乃至10bとの間における通信品質が低下することを低減する。
【0084】
(第2変更例)
次に、上述した実施形態との相違点に着目し、第2変更例に係る基地局100の構成について説明する。本変更例に係る基地局100は、TDMA分離処理部401と、通信品質取得部404と、タイムスロット割当部405との構成を除き、上述した基地局100の構成と同様である。よって、本変更例に係るTDMA分離処理部401と、通信品質取得部404と、タイムスロット割当部405との構成について説明する。
【0085】
本変更例に係るTDMA分離処理部401は、通信品質取得部404へ、端末10a乃至10bとの間で通信している情報の種類を通知する。具体的には、TDMA分離処理部401は、端末10a乃至10bとの間で通信している情報の種類として、例えば、リアルタイム性を必要とする音声情報等の通信を行っていることを示すリアルタイム情報や、リアルタイム性をあまり必要としないメール情報等の通信を行っていることを示す非リアルタイム情報を通知する。
【0086】
また、本変更例に係る通信品質取得部404は、通知されたリアルタイム情報又は非リアルタイム情報と、通信先の端末10a乃至10bの端末IDとを関連付けて、移動度テーブルT1に記憶する。
【0087】
また、本変更例に係るタイムスロット割当部405は、端末ID(UE10a及びUE10b)の移動度(ρw1及びρw2)が等しい場合、移動度テーブルT1において、リアルタイム情報に関連付けて記憶されている端末ID(UE10a及びUE10b)ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットの間隔が短くなるように、通信チャネルCH1乃至CH4(上り下りのタイムスロット)を割り当てる。
【0088】
本変更例に係る基地局100によれば、端末10a乃至10bとの間の無線通信において、移動する端末10a乃至10bの中でも、リアルタイム性を必要とする通信を行っている端末ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットへの間隔が短くなるように、通信チャネル(上り下りのタイムスロット)を割り当てるので、リアルタイム性を必要とする音声情報等の通信を行っている端末を優先して、より安定した通信サービルを提供することが可能になる。
【0089】
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、移動度に応じて上り下りタイムスロット間隔を設定する一例について説明した。また、上述した第1実施形態の第2変更例では、移動度に加えて、通信優先度(QoS)を考慮して上り下りタイムスロット間隔を設定する一例について説明した。
【0090】
しかし、端末の移動度を取得する機能を有さない基地局では、上述した第1実施形態の手法が適用できない場合がある。一方、通信優先度(QoS)は、端末が実行する通信の種別さえ判別できればよいので、既存の基地局の構成を大幅に変更することなく取得可能である。
【0091】
そこで、本実施形態では、移動度ではなく、QoSに基づいて上り下りタイムスロット間隔を設定する一例について説明する。なお、本実施形態では、上述した第1実施形態と異なる点について主に説明し、重複する説明を省略する。
【0092】
(制御部400Bの構成)
本実施形態に係る制御部400Bの構成について説明する。図11は、制御部400Bの構成を示す論理ブロック構成図である。
【0093】
図11に示すように、制御部400Bは、上述した移動度取得部403に代えて、QoS取得部407を備える。QoS取得部407は、上述した第1実施形態の第2変更例に係るTDMA分離処理部401と同様にして、端末10a乃至10bとの間で通信している情報の種類に応じたQoSを取得する。この場合、QoS取得部407は、通信の種別とQoSとを対応付けたテーブルを使用する。
【0094】
あるいは、QoS取得部407は、上位装置(例えば、基地局制御装置)からQoSの情報を取得してもよい。なお、上述した第1実施形態の第2変更例では、通信に要求されるリアルタイム性(遅延)を基準としていたが、リアルタイム性に限らず、通信に要求されるパケットロス率やジッタを基準としてもよい。
【0095】
記憶部402は、QoSテーブルT4と、割当テーブルT2とを備える。QoSテーブルT4は、図12に示すように、端末10a乃至10bを識別する端末IDと、当該端末10a乃至10bのQoSと、当該端末10a乃至10bとの間における通信品質とを関連付けて記憶する。QoSは、QoS取得部407によって格納される。
【0096】
(基地局100の動作)
次に、本実施形態に係る基地局100の動作について説明する。具体的には、(1)端末10a乃至10bとの無線通信におけるタイムスロット割り当て制御動作、及び(2)制御部400Bにおけるタイムスロット割り当て制御動作について、第1実施形態との相違点を説明する。
【0097】
(1)端末10a乃至10bとの無線通信おけるタイムスロット割り当て制御動作
図13は、端末10bとの間で既に通信する基地局100が、端末10aとの間で、新たに通信を開始する際の動作を示すシーケンス図である。ここでは、端末10bは、基地局100との間でリアルタイム性の低い通信(例えばメールやWeb閲覧)を実行しており、端末10aは、基地局100との間でリアルタイム性の高い通信(例えばVoIP)を開始する場合を例に説明する。
【0098】
ステップS201において、端末10aは、例えば、VoIPを行うため、基地局100に対して、リンクチャネル確立要求を送信する。QoS取得部407は、端末10aがVoIPを行うことから、端末10aに対するQoS“高”を取得する。
【0099】
ステップS202において、基地局100では、QoSテーブルT4において、端末10a(UE10a)のQoS“高”が、端末10b(UE10b)のQoS“低”よりも高くなる。そして、タイムスロット割当部405は、端末10aとの通信において、通信チャネルCH2から通信チャネルCH1(上りタイムスロット番号U#4及び下りタイムスロット番号D#1)を割り当て変更し、端末10bとの通信において、通信チャネルCH2(上りタイムスロット番号U#3及び下りタイムスロット番号D#2)に割り当て変更する。
【0100】
ステップS203において、基地局100は、ステップS202で割り当てたチャネルを端末10a乃至10bに対して通知する。
【0101】
ステップS204乃至ステップS206は、図8のステップS103乃至ステップS105の動作と同様にして実行される。
【0102】
(2)制御部400Bにおけるタイムスロット割り当て制御動作
図14は、上述したステップ202において、基地局100の制御部400Bにおけるタイムスロット割り当て制御の動作を示すフローチャートである。
【0103】
ステップS2021において、制御部400BのQoS取得部407は、端末ID(UE10a乃至UE10b)と、当該端末IDに対応するQoSとを関連付けて、QoSテーブルT4に記憶する。
【0104】
ステップS2022において、タイムスロット割当部405は、QoSテーブルT4に記憶されるQoSが更新されると、端末ID(UE10a及びUE10b)をQoSの高い順に、順番を決定する。そして、決定した順番が、決定前の順番と異なるか否かを判定する。
【0105】
ステップS2023において、タイムスロット割当部405は、決定前の順番と異なると判定した場合、当該順番に基づいて、最もQoSの高い端末IDから順に、上りタイムスロットから下りタイムスロットまでの間隔が短くなるように、上り下りタイムスロットを割り当てる。
【0106】
(作用・効果)
本実施形態によれば、通信優先度(QoS)が高い端末ほど、上りタイムスロットから下りタイムスロットまでの間隔が短くなるように、上り下りのタイムスロットを割り当てる。つまり、通信優先度(QoS)が高い端末に対しては高速移動に対応可能な上り下りのタイムスロット間隔を割り当てておくことで、高品質な通信を提供する必要がある端末において通信の品質が低下することを低減することができる。
【0107】
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
【0108】
上述した実施形態では、本発明に係る基地局100を例に挙げて説明したが、図4に示す記憶部402と、移動度取得部403と、通信品質取得部404と、タイムスロット割当部405等の各機能は、基地局100以外の装置に配置してもよい。例えば、これらの機能を、無線通信システムにおいて、基地局100の上位に存在するサーバに配置することも可能である。つまり、本発明は、TDMA/TDD方式により通信を行う様々な装置で適用することが可能である。
【0109】
上述した第1実施形態では、移動度に応じたタイムスロット割り当てについて説明し、第2実施形態では、QoSに応じたタイムスロット割り当てについて説明した。しかし、移動度及びQoSを用いずに、通信品質(例えばFER)に応じたタイムスロット割り当てを行ってもよい。すなわち、通信品質が低い端末ほど、上り下りタイムスロット間隔を短く設定する。通信品質の低い端末は高速移動中である可能性があるため、通信品質の低い端末に対して、高速移動に対応可能な上り下りのタイムスロット間隔を割り当てることで、通信品質が低下することを低減することができる。
【0110】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基地局と端末とを示す全体概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る基地局の構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る基地局の信号制御部における論理ブロック構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る基地局の制御部における論理ブロック構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る基地局に記憶される移動度テーブルを示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る基地局に記憶される割当テーブルを示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る基地局に記憶される重み係数テーブルを示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る通信方法のシーケンス図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る通信方法のフローチャート図である。
【図10】本第1実施形態に係る基地局と端末との通信におけるタイムスロットを割り当てたフレーム構成を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る制御部の論理ブロック構成図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る基地局に記憶されるQoSテーブルを示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る通信方法のシーケンス図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る通信方法のフローチャート図である。
【図15】従来技術に係る基地局と端末との通信におけるタイムスロットを割り当てたフレーム構成を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
100…基地局、Δt…間隔、Δt1及びΔt2…間隔、ρw…移動度、A及びB…地点、 S101乃至S107…ステップ、S1061乃至S1063…ステップ、T1…移動度テーブル、T2…割当テーブル、T3…重み係数テーブル、m…サンプル数、w…重み係数、w1乃至w2…重み係数、ρw1乃至ρw2…移動度、10a乃至10b…端末、CH1乃至CH4…通信チャネル、200…無線処理部、201…第1無線部、202…第2無線部、203…第3無線部、204…第4無線部、300…信号処理部、301…第1信号制御部、302…第2信号制御部、303…第3信号制御部、304…第4信号制御部、400A,400B…制御部、401…TDMA分離処理部、402…記憶部、403…移動度取得部、404…通信品質取得部、405…タイムスロット割当部、406…TDMA多重処理部、407…QoS取得部、3101…重み係数算出部、3201〜3204…乗算部、3301…合成部、3401…分離部、3501〜3504…乗算部
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成19年2月27日(2007.2.27)
【代理人】 【識別番号】100149102
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 習


【公開番号】 特開2008−11496(P2008−11496A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−48179(P2007−48179)