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【発明の名称】 スキャニング受信機能を備えた無線通信機
【発明者】 【氏名】黒岩 寛治

【要約】 【課題】従来、設定したグループ順番で注目バンクも他のバンクも同一条件でスキャニングしていたので、注目チャネルの信号検出タイミングを失う可能性が高く、またスキャニング対象は、状況によって種々異なる。本発明は、状況に応じ希望チャネルを自在に組み合わせてスキャニングできるスキャニング受信機能を備えた無線通信機を提供する。

【構成】一スキャニング周期中に同一バンクを複数回配置し、その間に他のバンク一つを順次配置する如くスキャニング・シーケンスを設定することによって、注目するバンクを他より多く呼出す。また、バンクのスキャニング順序を任意に設定する他、メモリコレクション処理手段、メモリソート処理手段を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々のメモリアドレスに対応付けて記憶した複数のメモリチャネルを複数のバンクに分け、そのバンクを任意に結合または分離するメモリバンク処理手段と、選定したメモリバンクに属するメモリチャネルを順次スキャニング受信する機能を備えた無線通信機において、スキャニングするバンクを単独にスキャニングする単独スキャンニング・バンクと他のバンクと結合してスキャニングする結合スキャニング・バンクとに分けて夫々を登録するバンク属性登録手段と、一つのスキャニング周期中に前記単独スキャニング・バンクと結合スキャニング・バンクの一方又はその両方を回数と順番を任意自在に組み合わせてスキャニングするようにスキャニング・シーケンスを設定するスキャニング・シーケンス設定手段と、該設定したスキャニング・シーケンスに従って各バンクに属するメモリチャネルを順次スキャニング受信する手段と、を備えたことを特徴とするスキャニング受信機能を備えた無線通信機。
【請求項2】
前記スキャニング・シーケンス設定手段が、更に、バンクのスキャニング順序を任意に設定するスキャニング順序設定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機。
【請求項3】
前記各バンクのメモリチャネルに対応するメモリデータをチェックしてデータが格納されているメモリチャネルだけを集めるメモリコレクション処理手段、または、前記メモリチャネルに格納されている周波数データを周波数の順に並べ換えるメモリソート処理手段、のいずれか一方又はその両方を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機。
【請求項4】
所望のバンクを設定入力可能な領域を有するスキャニング・パターンを複数種類メモリしておき、これらを呼出して表示すると共に、前記スキャニング・パターンのバンク設定入力領域に所望のバンクを入力設定するスキャニング・パターン設定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はスキャニング受信機能を備えた無線通信機に関し、詳しくはスキャニングする受信チャネルや順序等を自在に設定可能にした無線通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の無線通信チャネルが設定された通信システムにおいて、各無線通信チャネルを順次切り替えながら受信するスキャニング受信機能が利用されることが多い。スキャニング受信機能は、防災、警察、警備、運輸等に供する業務用無線通信システムに限らず、アマチュア無線やパーソナル無線等のレジャー用無線通信システムにおいても多用されている。
初期の無線通信機のスキャニング受信においては、例えば図6に示すように無線通信チャネルとしてCH1乃至CH100を備えたシステムを例にすれば、100チャネル全体を一つのグループ(以下「バンク」と称する)としてその全体をスキャニング受信していたので、特定のバンクのみを選択的にスキャニング受信することが不可能であった。
【0003】
そこで、同一出願人は、これらを改良した考案として実公平7-37385号(特許文献1)を提案した。これは、図6に示す通信相手である100チャネルを例えば図7に示すように、20チャネルずつ、A、B、C、D、Eの5つのバンクに細分化すると共に、それぞれのバンクの結合・分離を自在に行うようにしたものである。このように何等かの関連性のある無線通信チャネルをグループ化しておき、例えば図8(a)に示すように所望のバンクのみを選択してスキャニング受信するようにすれば、不要の無線通信チャネルをスキャニングする必要がなくなる。また、複数のバンクを結合し又は、分離したものを新たなバンク(あるいはグループ)として、同図(b)に示すようにスキャニングすれば、より一層便利である。なお、同図8(b)のグループA(GRA)、グループB(GRB)、グループC(GRC)は複数のバンクを、例えば図9,図10に示すように結合又は分離して編集構成したものである。
【0004】
即ち、図9、図10は上述した特許文献1(実公平7-37385号公報)に示されたものであるが、このうち図9は図7に示したバンク1とバンク2とを結合した場合の一例を示すもので、各メモリアドレスに対応付けた受信チャネル(CH1、CH2、・・・・、CH40)のうち、何等かのデータが付加されているチャネルのみを集めて新たなバンク(グループ)とし、グループA(GRA)としている。また、図10はバンク5単独のCH81乃至CH100からデータが付された無線通信チャネルを選択して新たなグループB(GRB)としたものである。このように構成すれば、多数の無線通信チャネルのなかから所望のもののみを選択してスキャニング受信を行うことが可能となる。
【特許文献1】実公平7-37385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように同一出願人が提案したスキャニング受信機能を備えた無線通信機では、全体の無線通信チャネルを複数のグループに細分化し、それらの分離・結合を自在にしたので、使い勝手を格段に向上することが可能となった。
しかしながら、近年では使用周波数の高周波帯域化やデジタル技術の進歩等に伴って、使用可能な通信チャネル数が著しく増加したので、更に一層、効率のよいスキャニング処理手段が求められている。
即ち、従来の無線通信機のスキャニング手段では、設定したグループ(バンク)の順番でスキャニングを行うので、注目バンクや注目チャネルも、その他のバンク、チャネルと同一条件でスキャニング受信を行うものであったことから、注目チャネルにたまたま着信がなくパスした場合は、一スキャニング周期終了後でなければ受信の順番が回ってこないことになり、着信が少ない注目チャネルの信号検出タイミングを失う可能性が高いものであった。このような不具合は一スキャニング周期が長くなる程顕著になる傾向がある。
【0006】
また、スキャニング受信したい対象は、そのときの状況によって種々異なる場合が多く、殊に、アマチュア無線通信等においては、HF帯、VHF帯、UHF帯等、それぞれ時間帯や季節によって電離層伝搬状況が変化するので、その時々に応じて、スキャニングする対象チャネルを自在に編集できれば、より一層効果的な運用が可能となる。
本発明は、このような従来の諸事情に鑑みてなされたものであって、状況に応じて任意に希望する無線通信チャネルを自在に組み合わせてスキャニング受信できるようにしたスキャニング受信機能を備えた無線通信機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上記目的を達成するために、請求項1記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機では、それぞれのメモリアドレスに対応付けて記憶した複数のメモリチャネルを複数のバンクに分け、そのバンクを任意に結合または分離するメモリバンク処理手段と、選定したメモリバンクに属するメモリチャネルを順次スキャニング受信する機能を備えた無線通信機において、スキャニングするバンクを単独にスキャニングする単独スキャンニング・バンクと他のバンクと結合してスキャニングする結合スキャニング・バンクとに分けて夫々を登録するバンク属性登録手段と、一つのスキャニング周期中に単独スキャニング・バンクと結合スキャニング・バンクの一方又はその両方を回数と順番を任意自在に組み合わせてスキャニングするようにスキャニング・シーケンスを設定するスキャニング・シーケンス設定手段と、該設定したスキャニング・シーケンスに従って各バンクに属するメモリチャネルを順次スキャニング受信する手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機において、スキャニング・シーケンス設定手段が、更に、バンクのスキャニング順序を任意に設定する手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機において、各バンクに属するメモリチャネルに対応するメモリデータをチェックして、データが格納されているメモリチャネルだけを集めるメモリコレクション処理手段、または、メモリチヤネルに格納されている周波数データを周波数の順に並べ換えるメモリソート処理手段、いずれか一方又はその両方を備えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか一項記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機において、所望バンクの設定入力が可能な領域を有するスキャニング・パターンを複数種類メモリしておき、これらを呼出して表示すると共に、スキャニング・パターンのバンク設定入力領域に所望のバンクを入力設定するスキャニング・パターン設定手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上のように構成するので、請求項1記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機では、メモリアドレスに対応付けて記憶した複数のメモリチャネルを複数のバンクに分け、バンクの結合・分離を自在に実行するメモリバンク処理手段と、選定したメモリバンクのメモリチャネルを順次スキャニング受信する機能を備えた無線通信機において、単独スキャンニング・バンクと結合スキャニング・バンクとに分けて夫々を登録するバンク属性登録手段によって、他のバンクより優先的にスキャニングしたい注目バンクを他のバンクと区別して登録することが可能であり、また、一つのスキャニング周期中に単独スキャニング・バンクと結合スキャニング・バンクの一方又はその両方を回数と順番を任意自在に組み合わせてスキャニングするように(一スキャニング周期中に注目バンクを複数回呼出すように)設定登録するスキャニング・シーケンス設定手段を備えたので、一スキャニング周期中に、注目バンクのみを連続してスキャニングし、あるいは注目バンクを他のバンクより多く呼出して受信することが可能となる。しかも、その時々の状況に対応して注目バンクの呼出し回数や、他のバンクに優先して呼出す等、任意に設定できるので、多数のチャネルを擁する無線通信機であっても迅速に注目チャネルをスキャニング受信できる。
【0010】
請求項2記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機では、請求項1記載の無線通信機に、更に、バンクのスキャニング順番を任意に登録するスキャニング・シーケンス設定手段を備えたので、単独スキャンニング・バンクを注目チャネルとして優先的にモニタすることが可能となり、これら注目チャネルに着信が有る場合は優先的に受信することできる。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機において、同一出願人が提案した特許文献1記載の有用な手段を併用した無線通信機を構成することが可能となる。即ち、各バンクに属するメモリチャネルに対応するメモリデータをチェックしてデータが格納されているメモリチャネルだけを集めるメモリコレクション処理手段を備えたものでは、必要なチャネルのみを選択的に編集してスキャニング受信に加えることができる。また付加するデータとして種々のものを設定すれば、多用な利用方法が考えられる。更に、メモリチヤネルに格納されている周波数データを周波数の順に並べ換えるメモリソート処理手段を備えたものでは、チャネル周波数を順次切り替える際に、周波数が低い順番、あるいは周波数が高い順番に切り替えることになり、周波数の切り替え速度を速くする効果もある。
【0011】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか一項記載のスキャニング受信機能を備えた無線通信機において、所望のバンクを設定入力可能な領域を有するスキャニング・パターンを複数種類用意し、必要に応じてこれらを呼出して表示すると共に、このスキャニング・パターンのバンク設定入力領域に所望のバンクを入力設定するように構成したので、迅速にしかも簡単に、スキャニング・シーケンスを構築し、これに基づいて直ちにスキャニング受信を開始し、あるいはメモリに記憶しておくことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される技術用語、構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明に係るスキャニング受信機能を備えた無線通信機の概要ブロック構成図である。この例に示す無線通信機は、以下に説明する各種のチャネル設定、バンク設定や処理の指定等を入力するための操作キー1と、メモリチャネルのアドレス等を設定するエンコーダ2と、少なくとも本発明に係るスキャニング受信処理を行う信号処理部3と、LCD(液晶表示)等の表示素子4と、それを駆動する表示駆動回路5と、無線受信回路(RX)6と、アンテナ7とを備えたものである。信号処理部3は、更に、処理演算等を実行するCPU31と、このCPU31に操作キー1やエンコーダ2からの信号を供給する入力ポート32と、CPU31からの表示信号等を表示駆動回路5に供給する出力ポート33と、CPUが実行するプログラムや必要なデータを記憶するROM34と、演算等に必要なデータや新たに生成したデータ等を記憶しておくRAM35とを備えている。
【0013】
以上の構成によって、以下詳細に説明する各種の機能を実行する。即ち、複数のメモリチャネルを複数のバンクに分け、そのバンクを任意に結合または分離するメモリバンク処理機能、選定したメモリバンクのメモリチャネルを順次スキャニング受信する機能、バンクを単独スキャンニング・バンクと結合スキャニング・バンクとに分けて夫々を登録する機能、一スキャニング周期中に単独スキャニング・バンクと結合スキャニング・バンクの一方又はその両方を回数と順番を任意自在に組み合わせてスキャニング・シーケンスを設定記憶する機能、記憶したスキャニング・シーケンスを呼出してスキャニング受信する機能、あるいは、バンクのスキャニング順序を任意に設定する機能、メモリコレクション処理機能やメモリソート処理機能、スキャニング・パターン設定機能、更には以上の各機能を組み合わせた処理等を実現するものである。
【0014】
なお、この例では無線通信機として無線受信回路(RX)6のみを備えたが、同時に無線送信回路(TX)を具備し、送信回路と受信回路とを関連付けて制御するトランシーブ機能を付加してもよい。トランシーブ機能は、例えば、着信信号を検出したチャネルでスキャニングを停止し、その受信チャネルをモニタ中に、付加した無線送信回路のプレススイッチを操作すれば、受信中の無線通信チャネルに対応した周波数にて送信することができる機能である。
【0015】
図2は、本発明に係る無線通信機のスキャニングの一例を示すチャネルスキャニング・シーケンス図である。
先ず、本発明ではスキャニングするバンクを単独にスキャニングする単独スキャンニング・バンクと他のバンクと結合してスキャニングする結合スキャニング・バンクとに分けて夫々を登録するバンク属性登録機能(手段)と、一つのスキャニング周期中に単独スキャニング・バンクと結合スキャニング・バンクの一方又はその両方を回数と順番を任意自在に組み合わせてスキャニングする機能を備えている。
【0016】
この例では、二重枠で表示したグループ(バンク)GR0が単独スキャンニング・バンク(以下「注目バンク」と云う)であり、一スキャニング周期中にn回呼出して受信するものとし、注目バンクGR0を呼出す毎に、他のバンクGR2、GR6、GR7、GR9、・・・・、GRx(計n個)を結合スキャニング・バンクとして(以下「他のバンク」と云う)順番に一つずつ呼出して受信するようにしたものである。即ち、この例では他のバンクGR2、GR6、GR7、GR9、・・・・、GRxのn個を順番に呼出す毎に、注目バンクGR0をそれらの間に挟むように呼出すものである。このようにすれば、一スキャニング周期中に、他のバンクが一回呼出されるのに対し、注目バンクはn回呼出されることになり、常にモニタしておきたいバンクを注目バンクとして設定すれば、他のバンクより多くのタイミングでモニタ受信できることになる。なお、バンクGR0、GR2、・・・、GRxの内部のチャネル構成については、図6乃至図10を用いて既に説明した方法や特許文献1(実公平7−37385号公報)に詳細に記載された方法を利用して、適宜編集したものとすることができる。また、グループ分け(バンク分け)する際に、地域別、通信相手別、優先度別、注目度別等々、比較的小分けにバンク分けしておき、本発明に従って所望のバンクを結合・分離すれば、より便利な運用が可能となる。そして、設定したチャネルスキャニング・シーケンスは図1のRAM35等のメモリに記憶しておき、必要に応じて呼出してスキャニング受信できるように構成する。
【0017】
なお、以上の説明では単独スキャンニング・バンクと結合スキャニング・バンクとを区別することなく夫々のバンクを配列するスキャニング・シーケンスの例を示したが、注目バンクGR0を単独スキャンニング・バンク、他のバンクGR2、GR6、GR7、GR9、・・・・、GRxを結合スキャニング・バンクとして、予めバンク設定する際に区分けして(識別符号やフラグを付して)設定しておくように構成してもよい(バンク属性登録機能)。その場合、スキャニング・シーケンスとして記憶する際は、単独スキャンニング・バンク(GR0)と、結合スキャニング・バンク(GR2、GR6、GR7、GR9、・・・・、GRx)を指定する情報と、それらの配列を指定する情報と、一スキャニング周期において呼出す単独スキャンニング・バンクの回数を指定する情報とをメモリしておき、これらの各情報をパラメータ(設定変数)として用いて、予め記憶したスキャニング受信プログラムを実行する。そして、単独スキャンニング・バンクを指定した回数だけ連続してスキャニング受信し、その後に、結合スキャニング・バンクを呼出すと云った複雑なスキャニング・シーケンスの設定を簡単容易に行うことができる。例えば、図2における単独スキャンニング・バンクGR0の回数を3回に設定すれば、1回目、2回目、3回目、・・、n回目のGR0の夫々のバンクに属する通信チャネルのスキャニング受信を3回連続して行い、その間に結合スキャニング・バンクを挟んでスキャニング受信を行う。
【0018】
このような設定は、表示画面に単独スキャニング・バンクと、結合スキャニング・バンクを指定するメニュー画面を表示して、空所に該当するバンクを入力するようガイダンス表示を行えばよい。この連続指定回数は、予め設定登録したスキャニング・シーケンスについて、その時々において任意に変更設定するようにしておくことも可能である。
また、スキャニング・シーケンスには、単独スキャニング・バンクを複数設定し、一スキャニング周期における夫々の単独スキャニング・バンクの連続回数を個別に設定することも可能であるし、結合スキャニング・バンクも複数設定し、それらを含めて複雑なスキャニング・シーケンスを設定することもできる。
【0019】
図3は、本発明の他の実施例を示すチャネルスキャニング・シーケンス図である。この例では、バンクGR8、GR7、GR9、GR1の順番でスキャニング受信を行う場合を示している。即ち、従来は、グループ番号が小さい方から大きい方への昇順方向でGR1、GR7、GR8、GR9の順番、あるいは逆にグループ番号が大きい方から小さくなる方向の降順方向でGR9、GR8、GR7、GR1の順番にスキャニングするのが通常であったが、この例ではバンク番号に拘わらず、任意に所望の順番に設定する機能を備えている。そして、この任意にバンク(グループ)順番を設定する機能を、図2に示した実施例に併用し、他のバンクの順番を例えば、GR2、GR7、GR9、GR6、・・・・、GRnのように配列してもよい。また、CDプレーヤ等の音楽再生装置で知られているように、バンクの配列順番をランダムに呼出すように構成してもよい。
【0020】
このように、バンクのスキャニング順番をも設定可能にすれば、先にスキャニングするバンク中のチャネルに着信があるときは、当該チャネルでスキャニングを停止し、先に受信モニタすることになるので、注目バンク(チャネル)を優先的に受信することが可能である。スキャニングの制御態様は種々のものがあるが、例えば、着信信号が検出されたとき、着信信号がなくなるまで当該チャネルに留まって受信を継続する機能や、一定時間受信した後、着信信号が継続していても次のチャネルに移行する機能、あるいは、その両者においてオペレータの操作によって着信のあるチャネル受信を継続して受信する機能、逆に、着信中であっても強制的に次のチャネルに移行する機能等の設定が可能である。従って、これらの機能を併用しつつ注目チャネルを先にスキャニングするように設定すれば、効率的な運用が可能となる。なお、上述したような処理は、図1に示した信号処理部3によって実行することができ、そのための処理プログラムやデータが、信号処理部3のROM34とRAM35とに記憶されている。
【0021】
図4は本発明の他の実施態様例を示す図で、スキャニング・パターンを複数種類メモリしておき、これらを呼出して、夫々のスキャニング・パターンに適宜所望のバンクを設定することによって、迅速にしかも簡単に、スキャニング・シーケンスを構築し、これに基づいて直ちにスキャニング受信を開始し、あるいはメモリに記憶しておく場合の、メモリバンク設定用画面の例を示す図である。図4(a)は所望のバンクを設定入力可能な領域を有するスキャニング・パターンの表示の一例を示す図であり、この例では二つの単独スキャニング・バンクとして「注目バンク1」と「注目バンク2」及び結合スキャニング・バンクとして一つの「その他のバンク」を表示すると共に、夫々の空所領域に希望するバンクを入力するように操作者に対するガイダンスを表示して実行を促し、入力されたら、これをメモリに記録し、あるいは設定したスキャニング・パターンに基づいたスキャニング・シーケンスに従ってスキャニング受信を実行する。
【0022】
例えば図2に示したように、同一バンクをn回呼出し、他のバンクをその間に配列してスキャニングするシーケンスを、簡単に設定登録してメモリしておく場合の表示画面の例である。このような表示を表示素子4によって行い、操作キー1を使用して必要なバンク番号を入力すれば、自動的に所望のシーケンスで希望するバンクを並べることが可能である。なお、図4(a)のスキャニング・パターンを表示する代わりに、既に設定登録しているスキャニング・パターンを呼出して表示し、その必要な部分のバンクを他のものに変更修正することによって、新たなスキャニング・シーケンスを作成しメモリする処理も有用である。
【0023】
図4(b)はスキャニングするバンクの順番を設定する場合の表示画面の例であり、各枠内のGRのカーソル位置に希望するバンク番号を入力することによって、自動的に設定登録することが可能である。このようなバンク順序設定は、図4(a)に示した注目バンク(単独スキャニング・バンク)1、2の順序や、その他のバンク(結合スキャニング・バンク)内部のバンクのスキャニング順序設定にも使用するように構成すれば、その時々の状況に応じて適宜バンクの順番を簡単に変更してスキャニング受信を実行することが可能である。
同様に図4(c)は仲間同士のグループを指定する場合のメモリ構築を自動的に行う場合の表示例を示している。以上のようにメモリ設定用の表示画面を用意しておけば、簡単に所望のメモリ設定が可能であり、必要に応じて適宜メモリを呼出すことができる。
【0024】
本発明は以上説した例に限る必要はなく、種々変形が可能である。例えば、近年小型化したGPSシステム(Global Positioning System)装置が開発されているので、このような位置検出手段を搭載しておき、入手した自局無線通信機の位置情報に基づいて、その位置に関連する通信チャネルを含むチャネルスキャニング・シーケンスを呼出すように構成することもできる。その際、記憶しておくチャネルスキャニング・シーケンスに地域(位置)情報を付加しておけばよい。更に、記憶するチャネルスキャニング・シーケンスに時刻情報をパラメータとして付加しておき、予め定めた時刻になると自動的に特定のチャネルスキャニング・シーケンスを呼出すように構成することも、効率的な運用を行う上で有用であろう。
【0025】
また、特許文献1(実公平7−37385号公報)に提案された各手段を併用すれば、更に効率のよいスキャニング機能の構築が可能である。例えば、同文献に記載された、メモリバンク機能、メモリコレクション機能、メモリソート機能の3つの機能をそのまま、あるいは変形して利用することができる。メモリバンク機能は、図7を用いて既に説明した通りであり、複数のメモリチャネルを複数のグループ(バンク)に分け、そのバンクを結合し、あるいは分離する機能である。なお、メモリバンクの分離に関しては図示を省略するが、例えば図9に示す処理を逆方向に行うものと考えればよい。即ち、図9のGRAを一つのバンクと見なし、そのなかのいくつかを分離して図面上部のバンク1とバンク2に分離するような処理を行えばよい。
【0026】
メモリコレクション機能は、メモリチャネル内容をチェックしてデータが格納されているメモリチャネルだけを集める機能であり、図9に示すように、例えばバンク1とバンク2を結合させる場合、CH1、CH3、CH5、CH20、CH39、にはデータが格納されており、他のCHにはデータが格納されていない場合、メモリコレクション機能によって、データ格納されているチャネルのみをメモリチャネルとして順次並べた状態に編集する。また、図10には、バンク5が他のバンクと結合していない場合を示しており、CH82、CH83、CH100にはデータが格納されているが他のチャネルにはデータが格納されていない状態のとき、メモリコレクション機能によってデータが格納されているチャネルを、新たなメモリチャネル番号である、CH81、CH82、CH83に登録し直す例を示している。なおこの例では、「チャネル番号」を通常使用される「無線通信チャネル」の概念とは若干異なり、各バンク中の配列順序としてのアドレスを示すメモリチャネルとして表示している。
【0027】
メモリソート機能は、メモリチャネルに格納されている実際の周波数を示すデータを周波数順に並び替える機能であり、同特許文献1の図4に示されているように、CH1〜CH20にそれぞれ図示のように周波数データが格納されている状態では、ソート機能によって周波数毎にメモリチャネル順に並び換えるものであり、データが格納されていないメモリチャネルは最終チャネルCH20としている。
なお、これらの処理については同文献に図面を示して説明があるので、ここでの図示、説明は省略するが、同様に本発明に利用することが可能である。
【0028】
図5は、本発明の変形実施態様例を示すチャネルスキャニング・シーケンス図である。この例では、第一の注目バンクをGR0、第二の注目バンクをGR2,他のバンクをGR7、GR9、GR6と設定したもので、第一注目バンクを最優先バンク、第二注目バンクを次優先バンクとしている。即ち、同図5に示すように、GR0→GR2→GR0→RG7→RG0→RG2→RG0→GR9→GR0→GR2→GR0→RG6→・・の繰り返しとすれば、一スキャニング・シーケンス中に、最優先バンクGR0が6回、次優先バンクGR2が3回、他のバンクGR7、GR9、GR6がそれぞれ一回ずつ呼出されることになる。このように複数の注目バンクについて複数の注目バンクに優先順位を設けてスキャニング・シーケンスを構成することも、効率的なスキャニング受信を行う上で有用である。
【0029】
更に、本発明においては種々変形が可能である。例えば、過去の受信データ等に基づいて、その時々の注目バンクを設定する機能を備えてもよい。即ち、アマチュア無線等では、一日の時間帯や季節によって電離層の状態が変化するので、受信可能な無線通信チャネル周波数帯がそれに応じて変動することはよく経験する。これらの変動は短周期のものや、比較的長周期で変動するもの等千差万別であるが、ある程度の規則性も観測されている。そこで、これらの過去の受信データを蓄積しておき、その時々の状況に応じて、注目チャネルやその呼出し回数を選択し、それらを注目バンクに編集した上で、優先的にスキャニング受信すれば、効率的な受信が可能となる。また、各種データは自ら蓄積する場合に限らず、種々検討編集した上で可搬型の記録媒体に納めて一般市場に供給し、これらを無線通信機に備えた読み込み手段で取り込むことによって、高度なデータを使用したインテリジェント・スキャニング・シーケンスを構成することが可能となる。あるいは、これらの情報をインターネット等の情報流通手段を介してリアルタイムで供給できれば、更に、興味深い通信が可能であろう。その際、上述した各メモリチャネルのデータとして学習情報や外部から供給された情報を付加しておき、注目バンクを選定する場合に利用することができる。
【0030】
なお更に、上述した処理を手順として把握し、それらを実現するようにプログラムを作成すれば、無線通信機に搭載したコンピュータ機能装置によってこれらのプログラムや必要なデータをインストールするだけで、本発明を実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る無線通信機の概要を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る無線通信機によりスキャニング受信する場合のスキャニング・シーケンスの一例を示す図である。
【図3】本発明に係る無線通信機によりスキャニング受信する場合のスキャニング・シーケンスの他の例を示す図である。
【図4】本発明に係る無線通信機にスキャニング・シーケンスをメモリ設定する場合の表示画面の例であって、(a)は注目バンク設定用画面を示す図、(b)はバンク順番設定用画面を示す図、(c)は仲間同士のバンク設定用画面を示す図である。
【図5】本発明に係る無線通信機によりスキャニング受信する場合のスキャニング・シーケンスの他の例を示す図である。
【図6】従来のスキャニング受信を説明するためのチャネルのメモリ構成図である。
【図7】特許文献1に記載されたメモリバンク機能を説明するバンク構成図である。
【図8】従来のスキャニング・シーケンスの例を示す図であり、(a)は所望バンクのみをスキャニングする場合を示す図、(b)は分離・結合したバンクをスキャニングする場合を示す図である。
【図9】特許文献1に記載されたバンク結合・分離処理を説明するバンク構成図である。
【図10】特許文献1に記載されたバンク結合処理を説明するバンク構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1 操作キー、2 エンコーダ、3 信号処理部、4 表示素子、5 表示駆動回路、6 受信回路、7 アンテナ、31 CPU、32 入力ポート、33 出力ポート、34 ROM、35 RAM、GR0乃至GR9、GRx バンク。
【出願人】 【識別番号】000003595
【氏名又は名称】株式会社ケンウッド
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均


【公開番号】 特開2008−11442(P2008−11442A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182366(P2006−182366)