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【発明の名称】 基地局装置及び同期補正方法
【発明者】 【氏名】高塚 寛

【要約】 【課題】サービスを中止することなく同期補正処理を行うことができる基地局装置を提供する。

【構成】無線通信スロットのうち所定の1スロットのみをスキャンして、同期させる対象の基地局の制御信号の送信タイミングを測定する測定手段と、測定した制御信号の送信タイミングと自己の制御信号の送信タイミングとを比較して得られた送信タイミングのずれに基づいて、自己の制御信号の送信タイミングを補正する補正手段とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信スロットのうち所定の1スロットのみをスキャンして、同期させる対象の基地局の制御信号の送信タイミングを測定する測定手段と、
前記測定した制御信号の送信タイミングと自己の制御信号の送信タイミングとを比較して得られた送信タイミングのずれに基づいて、自己の制御信号の送信タイミングを補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記所定の1スロットを除く他の無線通信スロットは、通信サービスに使用することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記測定した制御信号の送信タイミングと自己の制御信号の送信タイミングとを比較して得られた送信タイミングのずれが所定値より大きい場合は、通信サービスを中止して、自己の制御信号の送信タイミングを補正することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
無線通信スロットのうち所定の1スロットのみをスキャンして、同期させる対象の基地局の制御信号の送信タイミングを測定する測定ステップと、
前記測定した制御信号の送信タイミングと自己の制御信号の送信タイミングとを比較して得られた送信タイミングのずれに基づいて、自己の制御信号の送信タイミングを補正する補正ステップと
を有することを特徴とする同期補正方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスを中止することなく同期補正処理を行うことができる基地局装置及び同期補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から基地局において高い同期精度を得るために、基地局の電源を入れ送信を開始する初期過程では受信信号に基づいて、基地局間の伝搬遅延時間を演算し、この遅延時間により受信タイミングを補正し、これを自局送信タイミングに一致させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、定常状態では、各受信信号から基地局間の伝搬遅延時間を演算して周辺基地局の送信タイミングを決め、その送信タイミングを平均し、この平均値と自局送信タイミングとの差を求めて、自局送信タイミングを補正するものである。
【特許文献1】特開平07−046659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、TDMA(時分割多元接続)を適用した通信システムにおける基地局間の同期補正は、一旦通信サービスを停止して行っていたため、同期補正を行う頻度を多くすることが困難であり、送信タイミングのずれが大きくなるという問題がある。また、同期補正を行うために通信サービスを停止するためには、自基地局装置と通信を行っているユーザの端末を強制的に他の基地局装置へハンドオーバをする必要があり、同期補正を行う前の処理が複雑になるという問題もある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、サービスを中止することなく同期補正処理を行うことができる基地局装置及び同期補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、無線通信スロットのうち所定の1スロットのみをスキャンして、同期させる対象の基地局の制御信号の送信タイミングを測定する測定手段と、前記測定した制御信号の送信タイミングと自己の制御信号の送信タイミングとを比較して得られた送信タイミングのずれに基づいて、自己の制御信号の送信タイミングを補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明は、前記所定の1スロットを除く他の無線通信スロットは、通信サービスに使用することを特徴とする。
【0007】
本発明は、前記補正手段は、前記測定した制御信号の送信タイミングと自己の制御信号の送信タイミングとを比較して得られた送信タイミングのずれが所定値より大きい場合は、通信サービスを中止して、自己の制御信号の送信タイミングを補正することを特徴とする。
【0008】
本発明は、無線通信スロットのうち所定の1スロットのみをスキャンして、同期させる対象の基地局の制御信号の送信タイミングを測定する測定ステップと、前記測定した制御信号の送信タイミングと自己の制御信号の送信タイミングとを比較して得られた送信タイミングのずれに基づいて、自己の制御信号の送信タイミングを補正する補正ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線通信スロットのうち所定の1スロットのみをスキャンして、同期させる対象の基地局の制御信号の送信タイミングを測定するにして、このスキャン対象の1スロットを除く他の無線通信スロットは、通信サービスに使用するようにしたため、サービスを中止することなく同期補正処理を行うことができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による基地局装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、基地局の処理動作を統括して制御するメイン処理部である。符号2は、周囲に存在する他の基地局との間で同期処理を行う基地局間同期処理部である。符号3は、タイミングのずれを算出して、タイミングの補正値を出力するフレームタイミング制御部である。符号4は、タイミングの補正値に基づいて、タイミングを補正することにより同期補正を行うフレームタイミング設定部である。符号5は、同期対象の基地局装置のCCHの受信タイミングを受信する受信部である。符号6は、無線通信処理を制御する無線制御部である。符号7は、受信部5が受信するべき相対スロットを識別するモニタスロット情報を格納するモニタスロット情報格納部である。符号8は、受信部5が受信したCCHの受信タイミングの情報を格納する受信タイミング情報格納部である。符号9は、自己のフレームタイミングの情報が格納されている自フレームタイミング情報格納部である。
【0011】
次に、図1に示す基地局装置の動作を説明する。初めに、基地局装置の起動時の動作を説明する。まず、無線制御部6は、起動時に他の基地局装置との同期処理を行い、この同期処理を行った際に、同期対象となった他基地局装置のCCH(コントロールチャネル)をモニタしたときの相対スロット数を受信部5を介して取得し、この相対スロット数をモニタスロット情報格納部7に保存しておく。
【0012】
次に、図2を参照して、通信サービス開始後おける同期処理の動作を説明する。まず、メイン処理部1は、所定の時間間隔(例えば1時間間隔)で基地局間同期処理部2に対して基地局間の同期補正を実行するように指示を出す。これを受けて、基地局間同期処理部2は、無線制御部6に対して、同期対象の基地局装置からタイミング情報を取得するように指示を出す。これを受けて、無線制御部6は、モニタする必要がある相対スロット情報をモニタスロット情報格納部7から読み出し、受信装置5に対して、この読み出した相対スロット(1スロット分)のみをモニタするように指示を出す。
【0013】
これを受けて、受信装置5は、同期対象の基地局装置のCCHの受信タイミングを受信して、無線制御部6へ通知する。無線制御部6は、この受信タイミングを受信タイミング情報格納部8へ保存する。このように、無線制御部6は、サービスを中止せずに無線スロットを1/160スロット分スキャンしてRBS(Remote Base Station:同期対象の基地局装置)のCCH送信タイミングを測定する(ステップS1)。無線制御部6は、同期対象の基地局装置のタイミング情報の取得が終了したことを基地局間同期処理部2へ通知する。
【0014】
次に、基地局間同期処理部2は、フレームタイミング制御部3に対して、補正処理の実行を指示する。これを受けて、フレームタイミング制御部3は、受信タイミング情報格納部8に格納されている情報と、自フレームタイミング情報格納部9に格納されている情報とに基づいて、フレームタイミングのずれを求める。そして、フレームタイミング制御部3は、求めたフレームタイミングのずれが予め決められた閾値以下であるか否かを判定する(ステップS2)。この判定に用いる閾値は、サービスを中止せずに同期の補正を行うことができる程度のずれであるか否かを判定するための閾値である。
【0015】
この判定の結果、サービスを中止せずに同期の補正を行うことができる程度のずれである(閾値以下である)場合、フレームタイミング制御部3は、求めたフレームタイミングのずれに基づいて、自己のフレームタイミングを補正するためのタイミング補正値を求める(ステップS3)。そして、フレームタイミング制御部3は、フレームタイミング設定部4に対して、求めたタイミング補正値を出力する。これを受けて、フレームタイミング設定部4は、このタイミング補正値に基づいて、同期補正処理を実行する(ステップS4)。これにより、通信サービスを中止することなく同期補正処理を実行することが可能となる。
【0016】
一方、ステップS2の判定において、求めたフレームタイミングのずれが予め決められた閾値以下でない(フレームタイミングのずれが大きい)場合やCCH送信タイミングを受信できない場合、基地局間同期処理部2は、無線制御部6に対して、通信サービスの中止を指示する。これを受けて、無線制御部6は、通信サービスを中止する(ステップS5)。そして、無線制御部6は、受信装置5に対して、全てのスロット(160スロット分)をモニタするように指示を出す。
【0017】
これを受けて、受信装置5は、同期対象の基地局装置のCCHの受信タイミングを受信して、無線制御部6へ通知する。無線制御部6は、この受信タイミングを受信タイミング情報格納部8へ保存する(ステップS6)。同期対象の基地局装置のタイミング情報の取得が終了したことを基地局間同期処理部2へ通知する。
【0018】
次に、基地局間同期処理部2は、フレームタイミング制御部3に対して、補正処理の実行を指示する。これを受けて、フレームタイミング制御部3は、受信タイミング情報格納部8に格納されている情報と、自フレームタイミング情報格納部9に格納されている情報とに基づいて、フレームタイミングのずれを求め、求めたフレームタイミングのずれに基づいて、自己のフレームタイミングを補正するためのタイミング補正値を求める(ステップS7)。そして、フレームタイミング制御部3は、フレームタイミング設定部4に対して、求めたタイミング補正値を出力する。これを受けて、フレームタイミング設定部4は、このタイミング補正値に基づいて、同期補正処理を実行する(ステップS8)。基地局間同期処理部2は、同期補正処理が終了した時点で通信サービスの再開を無線制御部6に対して指示する。これを受けて、無線制御部6は、通信サービスを再開する(ステップS9)。
【0019】
このように、基地局装置の起動時にフレームタイミングを同期させたときのスロット情報を記憶しておき、同期補正処理を実行するときに、記憶しておいたモニタスロット情報に基づいて、同期を取るために必要なスロットのみをモニタして、残りの無線通信スロットを通信サービスに使用するようにしたため、通信サービスを中止することなく同期補正処理を実行することができる。このため、同期補正処理を行う頻度を多くすることができ(同期補正処理に実行間隔を短くできる)、フレームタイミングのずれが大きくなってしまうことも防止することができるために通信品質を向上させることが可能となる。
【0020】
また、同期補正処理の実行間隔を短くすることができるため、障害等の発生によりフレームタイミングのずれが大きくなってしまった場合においてもサービスを中止して同期補正を行うようにして迅速にフレームタイミングの補正を実行することができる。これにより、フレームタイミングのずれが大きくなってしまった状態で通信サービスが続行されることを防止することができ、通信品質の回復を迅速に行うことができる。
【0021】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより同期補正処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0022】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す基地局装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
1・・・メイン処理部、2・・・基地局間同期処理部、3・・・フレームタイミング制御部、4・・・フレームタイミング設定部、5・・・受信部、6・・・無線制御部、7・・・モニタスロット情報格納部、8・・・受信タイミング情報格納部、9・・・自フレームタイミング情報格納部
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和


【公開番号】 特開2008−11160(P2008−11160A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179419(P2006−179419)