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【発明の名称】 HARQ処理制限およびアップリンクチャネルを介するスケジューリング対象外制御データの送信
【発明者】 【氏名】ロアー ヨアヒム

【氏名】伊大知 仁

【要約】 【課題】スケジューリング対象外のスケジューリング情報の遅延を抑え、サービスのQoS劣化を防ぐ。

【構成】スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とによって定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外御データとについてのデータ割当て処理を実行する。従来のHARQ処理制限メカニズムにより必然的に含まれる制御シグナリングの遅延を減少させるために、アップリンクデータを、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとに分ける新しい分類、また、スケジューリング対象外ユーザデータに対してだけ一定のHARQ処理を無効化する新しいHARQ処理制限メカニズムを提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジューリング対象外許可により定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するための方法であって、スケジューリング対象外許可は、移動端末が送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するために利用可能な最大量のリソースを指示するものであり、前記方法は、
スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限し、それにより前記一部のHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータを送信するためにアクティブにし、前記制限は前記複数のHARQ処理の残りのHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対しては非アクティブにし、前記残りのHARQ処理をスケジューリング対象外制御データの送信に対しては非アクティブにしないステップと、
前記スケジューリング対象外許可に従って、当該HARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブであるか否かを勘案しつつ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを、前記複数のHARQ処理の一つを使用してアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化するステップと、
次の送信時間間隔におけるアップリンクチャネルでの送信に向けて前記パケットデータユニットをHARQ処理に供給するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
たとえ前記HARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対して非アクティブにされたとしても、スケジューリング対象外制御データは、HARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とにより定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するための方法であって、スケジューリング許可およびスケジューリング対象外許可は、無線通信システムにおいて移動端末が送信時間間隔内にアップリンクでスケジューリング対象データおよびスケジューリング対象外データをそれぞれ送信するために利用可能な最大量のリソースを指示するものであり、前記方法は、移動端末により実行され、
スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に対して有効であると定義し、前記一部のHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブ化され、前記スケジューリング対象外許可が無効である残りのHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信には非アクティブにされるステップと、
次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを、前記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化し、ここで、前記スケジューリング許可と前記該当するスケジューリング対象外許可とに従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に対してスケジューリング対象外許可が有効と定義されたか無効と定義されたかを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとが多重化されるステップと、
次の送信時間間隔におけるアップリンクチャネルでのHARQ処理にパケットデータユニットを供給し、ここで、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理は、スケジューリング対象外制御データの送信に常にアクティブ化されるものと仮定されるステップと、
を有する方法。
【請求項4】
たとえ前記HARQ処理がスケジューリング対象外許可では非アクティブにされるとしても、スケジューリング対象外制御データは、HARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
たとえスケジューリング対象外許可が当該HARQ処理に対して無効であっても、スケジューリング対象外制御データは、HARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
スケジューリング対象外制御データは、スケジューリング関連制御シグナリングまたはMACフレーミングヘッダシグナリングを含んでなる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
スケジューリング対象外許可は、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを送信するために移動端末が利用可能な最大量のリソースを指示する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
たとえ前記スケジューリング対象外許可が、スケジューリング対象外制御データを送信するには十分ではないリソース量を、スケジューリング対象外データ送信のために与える場合でも、スケジューリング対象外制御データは、HARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
スケジューリング対象外制御データの送信のために移動端末が利用可能な最大量のリソースを指示する個別のスケジューリング対象外許可を割り当てるステップをさらに有する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記個別のスケジューリング対象外許可により指示されたリソース量は、次の送信時間間隔に使用すべきHARQ処理でスケジューリング対象外制御データの送信を可能にするように常に定義される、または十分に大きいと仮定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限することを示す情報要素を含んでなる制御シグナリングを移動端末の無線リソースを制御するネットワークエンティティから受信するステップをさらに有し、
移動端末は、制御シグナリングに従って前記スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限する、請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
スケジューリング対象外許可により指示された最大量のリソースは、送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するために移動端末が利用可能なデータ量により指示される、請求項1から請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
スケジューリング許可により指示された最大量のリソースは、拡張個別物理データチャネルE−DPDCHと個別物理制御チャネルDPCCHとの間の電力比により指示される、請求項1から請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可を移動通信システムの無線アクセスネットワークから移動端末により受信するステップをさらに有し、または移動端末で設定される、請求項1から請求項13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
スケジューリング対象外許可により定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するように適合された、無線通信システムで使用される移動端末であって、スケジューリング対象外許可は、移動端末が送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するために利用可能な最大量のリソースを指示するものであり、当該端末は、データ割当て処理を実行するために、
スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限し、前記一部のHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータを送信するためにアクティブにし、前記制限は、前記複数のHARQ処理の残りのHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対しては非アクティブにし、前記残りのHARQ処理をスケジューリング対象外制御データの送信に対しては非アクティブにしない処理手段と、
前記スケジューリング対象外許可に従って、当該HARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブであるか否かを勘案しつつ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを、前記複数のHARQ処理の一つを使用してアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化するマルチプレクサと、を有し、
前記マルチプレクサは、アップリンクチャネルで送信される前記パケットデータユニットをHARQ処理に供給するように適合される、移動端末。
【請求項16】
スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とにより定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するように適合された、無線通信システムで使用される移動端末であって、スケジューリング許可およびスケジューリング対象外許可は、無線通信システムにおいて移動端末が送信時間間隔内にアップリンクでスケジューリング対象データおよびスケジューリング対象外データをそれぞれ送信するために利用可能な最大量のリソースを指示するものであり、前記移動端末は、データ割当て処理を実行するために、
スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に対して有効であると定義し、前記一部のHARQ処理は、スケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブ化され、前記スケジューリング対象外許可が無効である残りのHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信には非アクティブにされる処理手段と、
次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを、前記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化するマルチプレクサと、を有し、
前記マルチプレクサは、前記スケジューリング許可および前記該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に対してスケジューリング対象外許可が有効と定義されたか無効と定義されたかを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを多重化するように適合され、
前記マルチプレクサは、次の送信時間間隔にアップリンクチャネルのHARQ処理にパケットデータユニットを供給するように適合され、
前記移動端末は、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理はスケジューリング対象外制御データの送信に常にアクティブ化されるものと仮定する、移動端末。
【請求項17】
移動端末のプロセッサにより実行されるとき、スケジューリング対象外許可により定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を当該移動端末に実行させる命令を記憶しているコンピュータ読取可能媒体であって、スケジューリング対象外許可は、移動端末が送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するために利用可能な最大量のリソースを指示するものであり、前記移動端末は、
スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限し、前記一部のHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータを送信するためにアクティブにし、前記制限は、前記複数のHARQ処理の残りのHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対しては非アクティブにし、前記残りのHARQ処理をスケジューリング対象外制御データの送信に対しては非アクティブにしないステップと、
アップリンク送信を待つスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを、前記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化し、ここで、スケジューリング許可および該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブであるか否かを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとが多重化されるステップと、
次の送信時間間隔におけるアップリンクチャネルでの送信に向けて、前記パケットデータユニットを次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に供給するステップと、
により前記データ割当て処理を実行する、コンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
移動端末のプロセッサにより実行されるとき、スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可により定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を当該移動端末に実行させる命令を記憶しているコンピュータ読取可能媒体であって、スケジューリング許可およびスケジューリング対象外許可は、無線通信システムにおいて移動端末が送信時間間隔内にアップリンクでスケジューリング対象データおよびスケジューリング対象外データをそれぞれ送信するために利用可能な最大量のリソースを指示するものであり、前記移動端末は、
スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に対して有効であると定義し、前記一部のHARQ処理は、スケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブにされ、前記スケジューリング対象外許可が無効である残りのHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信には非アクティブにされるステップと、
次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを、前記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化し、ここで、前記スケジューリング許可および前記該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に対してスケジューリング対象外許可が有効と定義されたか無効と定義されたかを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとが多重化されるステップと、
次の送信時間間隔にアップリンクチャネルでのHARQ処理にパケットデータユニットを供給し、ここで、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理は、スケジューリング対象外制御データの送信に常にアクティブにされるものと仮定されるステップと、
により前記データ割当て処理を実行する、コンピュータ読取可能媒体。
【請求項19】
移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システムの無線アクセスネットワーク中のネットワークエンティティから前記移動端末の少なくとも一つへ制御シグナリングを送信するための方法であって、前記方法は、前記ネットワークエンティティにより実行され、
スケジューリング対象外許可に従って、前記移動端末の一つからスケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを受信するために使用される複数のHARQ処理の一部を選択し、ここで、前記選択された一部のHARQ処理は、前記一つの移動端末から当該無線アクセスネットワークへアップリンクチャネルを介するスケジューリング対象外制御データの送信に使用されるべきものであるステップと、
当該無線アクセスネットワークへのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブにされるべき前記一部のHARQ処理を示す制御シグナリング情報を生成するステップと、
前記制御シグナリング情報を前記一つの移動端末へ送信するステップと、
を有する方法。
【請求項20】
前記制御シグナリング情報は、前記アップリンクチャネルをセットアップまたは再設定する、前記一つの移動端末に送信されるシグナリングメッセージの情報要素内に含まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記シグナリング情報はビットの列を含んでなり、ビットの前記列中のビット数は使用可能なHARQ処理の数に等しく、前記列中の前記ビットの各々一つの論理値は対応するHARQ処理がアップリンクチャネルでのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブにされるか非アクティブにされるかを前記一つの移動端末に示す、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システムの無線アクセスネットワーク中のネットワークエンティティであって、
スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可に従って、前記移動端末の一つからスケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを受信するために使用される複数のHARQ処理の一部を選択し、ここで、前記選択された一部のHARQ処理は、前記一つの移動端末から当該無線アクセスネットワークへアップリンクチャネルを介するスケジューリング対象外制御データの送信に使用されるべきものであり、当該無線アクセスネットワークへのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブにされるべき前記一部のHARQ処理を示す制御シグナリング情報を生成する処理手段と、
前記制御シグナリング情報を前記一つの移動端末へ送信する送信器と、
前記一つの移動端末からスケジューリング対象外制御データを受信する受信器と、
を有する、ネットワークエンティティ。
【請求項23】
移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システム中の無線アクセスネットワークのネットワークエンティティのプロセッサにより実行されるとき、当該ネットワークエンティティに、
スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可に従って、前記移動端末の一つからスケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを受信するために使用される複数のHARQ処理の一部を選択し、ここで、前記選択された一部のHARQ処理は、前記一つの移動端末から当該無線アクセスネットワークへアップリンクチャネルを介するスケジューリング対象外制御データの送信に使用されるべきものであるステップと、
当該無線アクセスネットワークへのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブにされるべき前記一部のHARQ処理を示す制御シグナリング情報を生成するステップと、
前記制御シグナリング情報を前記一つの移動端末へ送信するステップと、
により前記ネットワークエンティティから前記移動端末の少なくとも一つへ制御シグナリングを送信させる、命令を記憶しているコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スケジューリング許可(scheduling grant)と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可(non-scheduled grant)とによって定義されたリソース利用についての制限に従った、スケジューリング対象外(scheduled)データとスケジューリング対象外(non-scheduled)ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとのデータ割当て処理を実行するための方法および移動端末に関連する。さらに、本発明は、移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システムの無線アクセスネットワーク中のネットワークエンティティから前記移動端末の少なくとも一つに制御シグナリングを送信するための方法、および無線アクセスネットワーク中の上記ネットワークエンティティに関連する。
【背景技術】
【0002】
W−CDMA(広帯域符号分割多元接続)は、第三世代無線移動通信システムとしての利用に向けて標準化されたIMT−2000(International Mobile Communication)の無線インタフェースである。W−CDMAは、音声サービスやマルチメディア移動通信サービスなど多様なサービスを柔軟で効率的な方法で提供する。日本、欧州、米国、その他の国々の標準化機関は、W−CDMAについての共通無線インタフェース仕様を作成するために、合同で第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)というプロジェクトを組織した。
【0003】
IMT−2000の標準化された欧州バージョンは、一般に、UMTS(ユニバーサル移動通信システム)と呼ばれる。UMTSの仕様の最初のリリースは、1999年に公表された(リリース99)。その後、リリース4、リリース5と標準の改良が幾度か3GPPにより標準化されてきて、さらなる改良の検討がリリース6の範疇で現在行われている。
【0004】
ダウンリンクおよびアップリンクの個別チャネル(DCH)ならびにダウンリンク共有チャネル(DSCH)は、リリース99およびリリース4において定義されている。その後の数年のうちに、マルチメディアサービス、またはデータサービス全般を提供するためには、高速非対称アクセスを実現しなければならないことを開発者は認識した。リリース5において、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)が導入された。この新しい高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)は、UMTS無線アクセスネットワーク(RAN)からUMTS仕様ではユーザ装置と呼ばれる通信端末へのダウンリンク高速アクセスをユーザに提供する。
【0005】
UMTS構成
ユニバーサル移動通信システム(UMTS)の高レベルR99/4/5構成を図1に示す(http://www.3gpp.orgから得られる非特許文献1を参照)。ネットワーク要素は、機能的に、コアネットワーク(CN)101、UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)102およびユーザ装置(UE)103にグループ分けされる。UTRAN102は無線通信に関連するすべての機能を処理することを担い、CN101は呼およびデータ接続の外部ネットワークへのルーティングを担当する。これらのネットワーク要素間の接続は、オープンインタフェース(Iu、Uu)により形成される。UMTSシステムはモジュール形式であるので、同一タイプのネットワーク要素をいくつも持つことが可能なことに留意すべきである。
【0006】
続いて、二つの異なる構成について議論する。ネットワーク要素間での機能の論理的配置という観点でこれらの構成は定義される。実際のネットワーク展開では、各構成は異なる物理的実現形態をとり得る。つまり、2個以上のネットワーク要素が単一の物理的ノードに統合され得る。
【0007】
図2はUTRANの現行の構成を示す。複数の無線ネットワークコントローラ(RNC)201、202がCN101に接続される。各RNC201、202は、UEと通信する一つまたは数個の基地局(ノードB:Node B)203、204、205、206を制御する。数個の基地局を制御するRNCは、これらの基地局にとってのコントローリングRNC(C−RNC)と呼ばれる。制御下の一組の基地局およびそれらに随伴し制御するC−RNCは、無線ネットワークサブシステム(RNS)207、208と呼ばれる。ユーザ装置とUTRANと間の各接続につき一つのRNSがサービングRNS(S−RNS)となる。S−RNSは、コアネットワーク(CN)101とのいわゆるIu接続を維持する。
【0008】
拡張アップリンク個別チャネル(E−DCH)
個別トランスポートチャネル(DTCH)のアップリンク拡張が、3GPP技術仕様グループRANによって研究された(http://www.3gpp.orgにて得られる非特許文献2を参照)。IPベースのサービスの利用がより重要になってきているため、RANの受信可能範囲(coverage)およびスループットの向上ならびにアップリンク個別トランスポートチャネルの遅延減少への要望が高まっている。ストリーミング、双方向および背景のいずれのサービスも、拡張アップリンクにより便益を得られるであろう。
【0009】
一つの拡張は、ノードB制御スケジューリング(Node B controlled scheduling)に関連して適応変調符号化方式(AMC)を使用すること、それによるUuインタフェースの拡張である。既存のR99/R4/R5のシステムでは、アップリンクの最大データレート制御はRNCに備えられる。スケジューラをノードBに移すことにより、RNCとノードBとの間のインタフェースを介するシグナリングにより生じる遅延時間を削減でき、その結果、スケジューラはアップリンク負荷の経時変化に、より速く対応できる。これは、ユーザ装置のRANとの通信における全遅延時間を減少させることができる。したがって、ノードB制御スケジューリングは、アップリンク負荷の減少時にはより高いデータレートを迅速に割り当て、アップリンク負荷の増加時にはアップリンクデータレートを制限することにより、アップリンクの干渉をよりよく制御し、ノイズ上昇の変動を平滑化することができる。アップリンクの干渉のよりよい制御によって、受信可能範囲およびセルスループットを向上させることができる。
【0010】
アップリンク上の遅延を削減するものと考えられる別の技法は、その他のトランスポートチャネルに比較してE−DCHに対してはより短いTTI(送信時間間隔)長を導入することである。10msの送信時間間隔がその他のトランスポートチャネルで通常に使用されるのに対して、2msの送信時間間隔長がE−DCH上での使用に向けて現在調査されている。HSDPAにおける重要な技術の一つであったハイブリッドARQについても、拡張アップリンク個別チャネルへの適用が検討されている。ノードBとユーザ装置との間のハイブリッドARQプロトコルは、誤りのある受信データユニットの迅速な再送を可能にし、その結果、RLC(無線リンク制御)の再送回数およびそれに伴う遅延を削減することができる。これは、エンドユーザが感じるサービス品質を向上させることができる。
【0011】
上記の拡張をサポートするために、以下ではMAC−eと呼ぶ新しいMACサブレイヤが導入される(非特許文献3を参照)。以下の節でさらに詳細に説明するが、この新しいサブレイヤのエンティティはユーザ装置とノードBとに設置され得る。ユーザ装置側では、MAC−eは、上位レイヤデータ(例えば、MAC−d)を新規の拡張トランスポートチャネルに多重化し、HARQプロトコル送信エンティティを動作させるという新しいタスクを実行する。
【0012】
さらに、UTRAN側では、ハンドオーバ中にMAC−eサブレイヤをS−RNCにおいて終端することができる。そのため、S−RNCには、提供された並べ替え機能のための並べ替えバッファも備わり得る。
【0013】
E−DCH MAC構成 − UE側
図3は、UE側のE−DCH MACの全体的な構成の典型的な例を示す。新たなMAC機能エンティティであるMAC−e/esが、リリース99のMAC構成に追加される。
【0014】
UE側でのMAC相互動作を図4に例示する。UEからノードBへ送信されるべき、異なるアプリケーションからのデータパケットを搬送するM個の異なるデータフロー(MAC−d)が存在する。これらのデータフローは、異なるQoS要件(例えば、遅延や誤りについての要件)を有することができ、かつHARQインスタンスの異なる設定を必要とすることもある。各MAC−dフローは、特定の物理チャネル(例えば、利得係数)およびHARQ(例えば、最大再送回数)の属性が指定され得る論理的単位に相当する。
【0015】
さらに、MAC−d多重化がE−DCH向けにサポートされる。すなわち、それぞれ異なる優先度をもつ数個の論理チャネルを同一のMAC−dフロー上に多重化することができる。複数のMAC−dフローのデータを一つのMAC−e PDU(プロトコルデータユニット)に多重化することができる。MAC−eヘッダ中のDDI(データ記述インジケータ)フィールドが、論理チャネル、MAC−dフローおよびMAC−d PDUサイズを特定する。UEがDDIの値を設定できるようにするため、マッピングテーブルがRRCを介してシグナリングされる。Nフィールドは、同一DDI値に対応する連続するMAC−d PDUの個数を示す。
【0016】
MAC−e/esエンティティを図5にさらに詳細に描く。MAC−es/eは、E−DCH特有の機能を扱う。E−DCHでのデータの送信に適切なトランスポートフォーマットの選択が、機能エンティティを表すE−TFC選択エンティティにおいて行われる。トランスポートフォーマットの選択は、L1を介してUTRANから受信されたスケジューリング情報(相対的許可(Relative Grant)および絶対的許可(Absolute Grant))、利用可能な送信電力、優先度、例えば、論理チャネル優先度に従って行われる。HARQエンティティは、ユーザのための再送機能を扱う。一つのHARQエンティティが、複数のHARQ処理をサポートする。HARQエンティティは、HARQに関連するすべての必要な機能を扱う。多重化エンティティは、複数のMAC−d PDUをMAC−es PDUに連結し、さらに一つまたは複数のMAC−es PDUを、E−TFC選択機能による指示に従い次のTTIに送信されるべき単一のMAC−e PDUに連結する役目を担う。多重化エンティティはまた、各MAC−es PDUについて論理チャネルごとにTSNを管理し設定する役目も担う。MAC−e/esエンティティは、図5に示すように、ノードB(ネットワーク側)からスケジューリング情報をレイヤ1シグナリングを介して受信する。絶対的許可はE−AGCH(Enhanced Absolute Grant Channel:拡張絶対的許可チャネル)上で受信され、相対的許可はE−RGCH(Enhanced Relative Grant Channel:拡張相対的許可チャネル)上で受信される。
【0017】
E−DCH MAC構成 − UTRAN側
UTRANのMACの全体的構成の典型的な例を図6に示す。UTRANのMAC構成は、MAC−eエンティティおよびMAC−esエンティティを含む。E−DCHを使用する各UEに対して、ノードBごとに一つのMAC−eエンティティとS−RNC内に一つのMAC−esエンティティが設定される。MAC−eエンティティは、ノードBに設置され、E−DCHへのアクセスを制御する。さらに、MAC−eエンティティは、S−RNCに設置されたMAC−esに接続される。
【0018】
図7に、ノードBにおけるMAC−eエンティティをさらに詳細に描く。各UEに対してノードBには一つのMAC−eエンティティがあり、すべてのUEに対してノードBには一つのE−DCHスケジューラがある。MAC−eエンティティおよびE−DCHスケジューラは、ノードBにおけるHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス)特有の機能を扱う。E−DCHスケジューリングエンティティは、UE間のセルリソースを管理する。通常、スケジューリング割当ては、UEからのスケジューリング要求に基づき、決定され、送信される。MAC−eエンティティ内の逆多重化エンティティは、MAC−e PDUの逆多重化、すなわち分離を行う。MAC−es PDUは、その後、S−RNCにあるMAC−esエンティティに転送される。
【0019】
一つのHARQエンティティは、例えば、ストップアンドウエイトHARQプロトコルを用いて、複数のインスタンス(HARQ処理)をサポートすることができる。各HARQ処理は、未解決の再送パケット中のビットを合成するための一定量のソフトバッファメモリを割り当てられる。さらに、各処理は、E−DCHでの送信の送達状態を示すACKまたはNACKを生成する役目を担う。HARQエンティティは、HARQプロトコルで要求されるすべてのタスクを扱う。
【0020】
図8にS−RNCにおけるMAC−esエンティティを示す。MAC−esエンティティは、順序通りの転送(in-sequence delivery)をRLCに提供し、ソフトハンドオーバ時に異なるノードBからのデータの合成を扱う並べ替えバッファを含んでなる。この合成は、マクロダイバーシチ選択合成と呼ばれる。
【0021】
必要なソフトバッファのサイズは、使用されるHARQ方式に依存することに留意すべきである。例えば、増加冗長性(IR:Incremental Redundancy)を使用するHARQ方式は、チェイス合成(CC:Chase Combining)を使用するものに比べてより大きいソフトバッファを必要とする。
【0022】
MAC−e PDUフォーマット
図10および図11に示すように、E−DCH向けとして二つのMACサブレイヤ、すなわちMAC−eおよびMAC−esが存在する。MAC−esレイヤは、MAC−eレイヤの「上に載る」ものであり、UE側のMAC−dレイヤから直接PDUを受け取る。ある特定の論理チャネルにより与えられた同一サイズのMAC−es SDU(すなわち、MAC−d PDU)を単一のMAC−esペイロードに多重化することができる(SDU=サービスデータユニット)。この多重化されたペイロードの前にはMAC−esヘッダが付く。MAC−esヘッダは、フレーミングヘッダ(framing header)と呼ばれることもある。PDU数、ならびに論理チャネル、MAC−dフローおよびMAC−e SDUサイズを特定するDDI値がMAC−eヘッダの一部として含まれる。TTI中に複数のMAC−es PDUが送信可能であるが、MAC−e PDUは一つだけしか送信できない。
【0023】
フィールドDDI(データ記述インジケータ)フィールドは、MAC−e PDUに含まれた2個以上のMAC−es PDUがあるかどうかを示す特定のDDI値を含む。このヘッダは、新たなMAC−esペイロードには関連付けをもたない。
【0024】
パケットスケジューリング
パケットスケジューリングは、共有媒体への参入が許されたユーザに送信器会および送信フォーマットを割り当てるために使用される無線リソース管理アルゴリズムであると言える。スケジューリングは、例えば、望ましいチャネル状態にあるユーザに送信器会を割り当てることによりスループット/容量を最大にするために、適応変調符号化と合わせてパケットベースの移動無線ネットワークで利用することができる。UMTSにおけるパケットデータサービスは、ストリーミングサービスに使用されることもあるが、双方向および背景のトラヒッククラスに適用され得る。双方向および背景のクラスに属するトラヒックは、非リアルタイム(NRT)トラヒックとして扱われ、パケットスケジューラによって制御される。パケットスケジューリング方法は、下記により特徴づけることができる。
【0025】
● スケジューリング期間/頻度:ユーザが時間的に前もってスケジューリングされる期間
● サービスの順番:ユーザがサービスを受ける順番、例えば、ランダムな順番(ラウンドロビン)、または、チャネル品質に応じる(C/Iまたはスループットベース)
● 割当て方法:リソース割当ての基準、例えば、割当て間隔ごとに、キューに入れられたすべてのユーザに同じデータ量または同じ電力/コード/時間リソースを割り当てる
【0026】
3GPP UMTS R99/R4/R5では、アップリンク向けパケットスケジューラは、無線ネットワークコントローラ(RNC)とユーザ装置(UE)との間に配置される。アップリンク上で、異なるユーザにより共有されるエアインタフェースリソースは、ノードBにおける総受信電力であり、したがって、スケジューラの任務はユーザ装置間にこの電力を割り振ることである。現行のUMTS R99/R4/R5仕様では、異なるトランスポートフォーマット(変調方式、符号レートなど)のセットを各ユーザ装置に割り当てることにより、RNCは、ユーザ装置がアップリンクで送信時に送信可能な最大レート/電力を制御する。
【0027】
このようなTFCS(トランスポートフォーマットコンビネーションセット)の確立および再設定は、RNCとユーザ装置との間の無線リソース制御(RRC)メッセージ伝達により実現することができる。ユーザ装置は、自装置の状態、例えば使用可能な電力やバッファ状態に基づいて、割り当てられたトランスポートフォーマットコンビネーションの中から自発的に(autonomously)選択することが許される。現行のUMTS R99/R4/R5仕様では、アップリンクでのユーザ装置の送信に課せられる時間制御はない。スケジューラは、例えば、送信時間間隔に基づいて動作することができる。
【0028】
E−DCH − ノードB制御スケジューリング
ノードB制御スケジューリングは、アップリンクでより高いセルスループットを得るためにアップリンクリソースのより効率的な利用を可能にし、かつ受信可能範囲を拡大させるであろうE−DCH向けの技術的特長の一つである。「ノードB制御スケジューリング」という表現は、S−RNCにより定められた限度内で、UEがE−DCHでのアップリンク送信に使用できるアップリンクリソース、例えば、E−DPDCH/DPCCH電力比をノードBが制御する可能性を意味する。ノードB制御スケジューリングは、アップリンクおよびダウンリンクの制御シグナリングと、このシグナリングに対してUEがどのように動作すべきかについての規則のセットと、に基づく。
【0029】
ダウンリンクでは、UEが使用できるアップリンクリソース(最大)量をUEに通知するために、リソース表示(スケジューリング許可)が必須である。スケジューリング許可を発行する際に、要求されたQoSパラメータでのUEへのサービス提供のためのリソースの適切な割当てを決定するために、S−RNCにより提供された、およびスケジューリング要求時にUEから提供されたQoS関連情報をノードBは使用することができる。
【0030】
UMTS E−DCHには、通常、使用されるスケジューリング許可のタイプに応じて定義された二つの異なるUEスケジューリングモードがある。それぞれのスケジューリング許可の特徴を以下に説明する。
【0031】
スケジューリング許可
スケジューリング許可は、UEがアップリンク送信に使用できる(最大)リソースを通知するためにダウンリンクでシグナリングされる。許可は、E−DCHでの送信のための適切なトランスポートフォーマット(TF)の選択(E−TFC選択)に影響を与える。しかし、許可は、個別チャネルでの従来技術のTFC選択(トランスポートフォーマットコンビネーション)には、普通、影響を及ぼさない。
【0032】
一般に、ノードB制御スケジューリングに適用される二つのタイプのスケジューリング許可がある。
【0033】
● 絶対的許可(AG)
● 相対的許可(RG)
【0034】
絶対的許可は、UEがアップリンク送信に使用することが許される最大量のアップリンクリソースの絶対的な限度を与える。絶対的許可は、割当てULリソースを迅速に変更するのに特に適している。
【0035】
相対的許可は、TTI(送信時間間隔)ごとに送信される。これは、絶対的許可によって通知された割当てアップリンクリソースを微調整によって適合化するために使用され得る。相対的許可は、以前に許容された最大アップリンクリソースを一定のオフセット(ステップ)だけ増加または減少させるようにUEに指示する。
【0036】
絶対的許可は、E−DCHサービングセルからのみシグナリングされる。相対的許可は、サービングセルからも非サービングセルからもシグナリングできる。E−DCHサービングセルは、当該サービングセルにより制御されたUEにアップリンクリソースを能動的に割り当てるエンティティ(例えばノードB)を意味する。一方、非サービングセルは、サービングセルによって設定された割当てアップリンクリソースを制限することだけしかできない。各UEは、一つだけサービングセルをもつ。
【0037】
絶対的許可は、一つのUEに対して有効であり得る。一つのUEに対して有効である絶対的許可は、以下では「個別許可」と言う。代替的に、絶対的許可が、あるセル内のUEのグループまたはすべてのUEに対して有効である場合もある。UEのグループまたはすべてのUEに対して有効である絶対的許可は、以下では「共通許可」と言うことにする。UEは、共通許可と個別許可との区別をしない。
【0038】
相対的許可は、前述のように、サービングセルからも、非サービングセルからも送信可能である。サービングセルからシグナリングされた相対的許可は、「アップ」、「ホールド」、「ダウン」の三つの値のうちの一つを指示することができる。「アップ」および「ダウン」は、それまで使用していた最大アップリンクリソース(最大電力比)をそれぞれ1ステップだけ増加/減少することを指示することができる。非サービングセルからの相対的許可は、UEに対して、「ホールド」または「ダウン」コマンドのどちらかをシグナリングすることができる。前述のように、非サービングセルからの相対的許可は、サービングセルによって設定されたアップリンクリソースを制限することはできるが(過負荷インジケータ)、UEが使用可能なリソースを増加することはできない。
【0039】
UEスケジューリング動作
本節は、主要なスケジューリング動作を概説するにとどめる。スケジューリング手順に関するさらに詳細な事項は、非特許文献4に記載されている。
【0040】
UEは、E−TFC選択のためにUEに許容されている最大電力比(E−DPDCH/DPCCH)を指示する、すべてのHARQ処理に共通であるサービング許可(SG)を維持する。SGは、サービング/非サービングセルからシグナリングされたスケジューリング許可によって更新される。UEが絶対的許可をサービングセルから受信するときは、SGは絶対的許可でシグナリングされた電力比に設定される。絶対的許可は、一つのまたはすべてのHARQ処理をアクティブ/非アクティブにすることができる。前述のように、絶対的許可は一次または二次のE−RNTI上で受信可能である。一次/二次の絶対的許可の使用については優先規則がいくつかある。一次絶対的許可は、常にSGを即座に変更する。二次絶対的許可がSGを変更するのは、最後の一次絶対的許可がすべてのHARQ処理を非アクティブにした場合、またはSGを変更した最後の絶対的許可が二次E−RNTIにより受信された場合に限られる。すべてのHARQ処理を非アクティブにすることにより、一次から二次E−RNTIへの送信が開始される場合は、UEは二次E−RNTI上で受信した最新の絶対的許可によってサービング許可を更新する。したがって、UEは一次および二次の両方のE−RNTIを傍受する必要がある。
【0041】
サービングセルから絶対的許可を受信しないときには、UEはTTIごとにシグナリングされるサービングセルからの相対的許可に従うものとする。サービング相対的許可は、相対的許可が影響を及ぼす送信と同一のハイブリッドARQ処理に与えられた前TTI中のUEの電力比に相対して解釈される。図9は、相対的許可に関するタイミング関係性を例示する。ここでは、4個のHARQ処理があるものと仮定する。UEが受信した、第一のHARQ処理のSGに作用する相対的許可は、前TTIの第一のHARQ処理(基準処理)に相対する。同期HARQプロトコルがE−DCH向けに採用されているので、異なるHARQ処理は継続的にサービスを受ける。
【0042】
サービングE−DCH相対的許可に応じたUEの挙動を以下に示す。
【0043】
● サービングE−DCH RLSからUEが「アップ」コマンドを受信するとき
● 新SG=最後に使用した電力比+デルタ
● サービングE−DCH RLSからUEが「ダウン」コマンドを受信するとき
● 新SG=最後に使用した電力比−デルタ
【0044】
「アップ」および「ダウン」コマンドは、基準HARQ処理でのE−DCH送信に使用した電力比に相対する。相対的許可に作用された、すべてのHARQ処理についての新たなサービング許可(SG)は、基準HARQ処理で最後に使用した電力比のそれぞれ増加および減少である。「ホールド」コマンドは、SGが変わらないことを示す。
【0045】
前述したように、非サービングRLSのノードBは、「ホールド」または「ダウン」のいずれかを指示し得る相対的許可のみの送信が許される。「ダウン」コマンドは、非サービングセルが、当該非サービングセルとのSHO中であるUEにより引き起こされるセル間干渉を制限できるようにする。非サービング相対的許可の受信時のUEの挙動は以下の通りである。
【0046】
● 少なくとも一つの非サービングE−DCH RLSからUEが「ダウン」を受信するとき
● 新SG=最後に使用した電力比−デルタ
【0047】
非サービングRLSからの相対的許可は、UE上のすべてのHARQ処理に常に影響を与える。使用電力比からの減少量は、固定的なこともあるし、あるいはビットレートに依存することもある。ビットレートが高いほど、ステップサイズ(デルタ)が大きくなるであろう。
【0048】
● UEがサービングRLSからスケジューリング許可を受信し、かつ少なくとも一つの非サービングRLから「ダウン」コマンドを受信するとき
● 新SG=最小値(最後に使用した電力比−デルタ、サービングRLSからの受信AG/RG)
【0049】
レート要求シグナリング
E−DCH上にマッピングされるサービスのQoS要件も考慮しながらノードBが効率的にスケジューリングすることを可能にするため、UEはレート要求シグナリングによってQoS要件の情報をノードBに提供する。
【0050】
アップリンクでのレート要求シグナリング情報には二つの種類がある。E−DPCCHでのレート要求に関連するフラグである、いわゆる「ハッピービット」、およびE−DCH上の帯域内で通常送信されるスケジューリング情報(SI)である。
【0051】
システムの観点からは、例えば、相対的許可によってリソース割当てに若干の調整を加えるには、1ビットのレート要求がサービングセルによって有利に利用され得る。逆に、絶対的許可の送信によって示される比較的長期のスケジューリング決定をなすためには、スケジューリング情報が有利に使用され得る。二つのレート要求シグナリング方法についての詳細を以下に記載する。
【0052】
E−DCHで送信されるスケジューリング情報
前述したように、スケジューリング情報は、効果的なスケジューリングを可能にするために、UEの状態に関する情報をノードBに提供することができる。スケジューリング情報は、MAC−e PDUのヘッダに含まれ得る。この情報は、UEの状態を追跡するために、通常、定期的にノードBに送られる。例えば、スケジューリング情報は下記の情報フィールドを含んでなる。
【0053】
● スケジューリング情報において最も優先度の高いデータの論理チャネルID
● UEのバッファ占有度(バイト単位)
● バッファ中のデータを有する優先度の最も高い論理チャネル用のバッファ状態
● 全体のバッファ状態
● 電力状態の情報
● DPDCH(HS−DPCCHを勘案する)に対する使用可能な電力比の評価:この評価を行う際にUEはDCHの電力を考慮に入れない
【0054】
最も優先度の高いデータがそこから発生する論理チャネルを論理チャネルIDで特定することは、ノードBにこの特定の論理チャネルのQoS要件、例えば、対応するMAC−dフローの電力オフセット、論理チャネルの優先度またはGBR(保証されたビットレート)の属性を決定可能にする。これは、次には、UEのバッファにあるデータを送信するために必要な次のスケジューリング許可メッセージをノードBに決定可能にし、しかもより緻密な許可割当てを可能にする。最も優先度の高いバッファ状態に加えて、全体のバッファ状態についての何らかの情報を得ることはノードBにとって有益となろう。この情報は、「長期の」リソース割当ての決定に役立ち得る。
【0055】
サービングノードBがアップリンクリソースを効率的に割り当てることを実施できるためには、ノードBは各UEがどれだけの電力まで送信できるかを知る必要がある。この情報は、UEがどれだけの量の電力を残しているか示し、それに加えて、DPCCH送信に使用される電力量をも示す「電力ヘッドルーム」測定値の形式で伝達可能である(電力状態)。電力状態報告は、例えば、2msおよび10msのTTIを相互に切り換えるTTI再設定にも使用できる。
【0056】
ハッピービット
先に説明したように、ハッピービットは、E−DPCCHで送信される1ビットのレート要求に関連するフラグである。「ハッピービット」は、各UEが現在のサービング許可(SG)に「満足である」か、または「不満である」かを示す。
【0057】
下記の判定基準の両方が満たされる場合、UEは「不満である」であることを通知する。
【0058】
● 電力状態の判定基準:現在より高いデータレート(E−TFC)での送信に使用可能な電力をUEが有する
● バッファ占有度の判定基準:現在の許可を使用すると、全体のバッファ状態がn個を超えるTTIを必要とする(nは設定可能)
【0059】
これらに該当しない場合には、UEは現在のサービング許可に「満足である」ことを通知する。
【0060】
スケジューリング対象データおよびスケジューリング対象外データの送信
一般的なUMTSシステムでは、拡張アップリンク(E−DCHを利用する)でのデータ送信には、スケジューリング対象データ送信およびスケジューリング対象外データ送信の二つのカテゴリー(またはタイプ)がある。
【0061】
スケジューリング対象データ送信の場合、UEはE−DCHでデータを送信する前に、有効なスケジューリング許可を必要とする。通常の手順は、スケジューリング情報またはハッピービットのいずれかを用いて、UEがレート要求をサービングノードBに送信することである。レート要求を受信すると、サービングノードBはスケジューリング許可、すなわち、絶対的許可および相対的許可によって、アップリンクリソースをUEに割り当てる。
【0062】
スケジューリング対象外データ送信の場合は、ノードBからいずれのスケジューリングコマンドも受信することなく、UEは設定されたビット数までのE−DCHデータ送信をいつでも行うことが許される。したがって、シグナリングオーバヘッドとシグナリング遅延は最小になり得る。スケジューリング対象外データ送信のためのリソースは、TTI間隔内に送信されるMAC−e PDUにUEが含めることができる最大ビット数として、RRCエンティティ(通常、S−RNC)によって与えられる。これはスケジューリング対象外許可と呼ばれる。スケジューリング対象外許可は、MAC−dフローごとに定義され得る。したがって、スケジューリング対象外MAC−dフローにマッピングされる論理チャネルは、各MAC−dフローに対して設定されるスケジューリング対象外許可までの送信のみ可能となる。ある特定のUEにサービスしている複数のノードBが、スケジューリング対象外データの送信によりUEから結果的に生じる可能性のある全受信干渉電力(RoT:Rise over Thermal)を勘案できるようにするためには、UEに割り当てるスケジューリング対象外許可をUTRANからNBAPシグナリング(ノードBアプリケーション部シグナリング)を介して上記ノードBに通知する。スケジューリング対象外データフローおよびスケジューリング対象データフローの処理を規定する、次のような規則のセットがある。
【0063】
● 2msのTTIの場合は、UTRANは、スケジューリング対象外MAC−dフローが限定された数だけのHARQ処理を使用するように制限してよい(いわゆる、HARQ処理制限)。スケジューリング対象外許可のために、ノードBは常に設定されたリソース、すなわち、最大ビット数をそのスケジューリング決定において確保しなければならない。
【0064】
2msのTTIの場合には特にかなり大きくなる可能性があるリソース量、ノードBがスケジューリング対象外送信に恒久的に確保しなければならないリソース量を制限するために、UTRAN(通常、S−RNC)はスケジューリング対象外MAC−dフローに使用されるある程度の数のHARQ処理を無効化することができる。HARQ処理のスケジューリング対象外MAC−dフローへの割当ては、RRCシグナリングを介して設定される。
【0065】
● 2msのTTIの場合、UTRANは、若干数のHARQ処理をスケジューリング対象外送信用に確保してもよい(すなわち、スケジューリング対象データは、これらの処理を使用して送信できない、処理は無効であるとされる)。
【0066】
● 複数のスケジューリング対象外MAC−dフローがS−RNCによって並列に設定されてもよく、使用可能なHARQ処理の一つを使用する送信用の単一のトランスポートチャネルに多重化することができる。この場合、数個のMAC−dフローがTTIに多重化される場合、UEは、対応するスケジューリング対象外許可によって指示されたビット数の合計までのスケジューリング対象外データを送信することが許される。
【0067】
● スケジューリング対象許可は、スケジューリング対象外送信よりも優位にたつものとされる。
【0068】
● スケジューリング対象外MAC−dフロー上にマッピングされた各論理チャネルは、有効なスケジューリング許可を使用してデータを送信できない。
【0069】
上記の規則からわかるように、UTRAN側からのリソース割当ては、スケジューリング対象許可およびスケジューリング対象外許可の、UEへの割当てによって分けられる。UE内でも、論理チャネルへのリソースの割当ては、スケジューリング対象許可およびスケジューリング対象外許可に応じて行われる。各論理チャネルは、スケジューリング対象外許可およびスケジューリング対象許可が尽きるまで、または最大送信電力に達するまで、それぞれの優先度に応じてサービスされる。
【0070】
トランスポートチャネルおよびTFC選択
第三世代移動通信システムでは、上位レイヤで生成されたデータは、物理レイヤの異なる物理チャネルにそれぞれ対応付けられる複数のトランスポートチャネルを有する電波によって搬送される。トランスポートチャネルは、物理レイヤによって伝送媒体アクセス制御(MAC)レイヤに提供される情報転送のためのサービスである。トランスポートチャネルは、主に二つのタイプに分けられる。
【0071】
● 第一は、受信UEの明示的な識別を必要とする共通トランスポートチャネル。このタイプのトランスポートチャネルは、例えば、トランスポートチャネルのデータが特定のUEまたはすべてのUEの一部に向けられる場合に使用され得る(ブロードキャストトランスポートチャネルではUEを識別する必要はない)
● 第二は、個別トランスポートチャネル、ここでは受信UEはトランスポートチャネルを伝送する物理チャネルによって暗黙に識別される
【0072】
E−DCHは個別トランスポートチャネルである。データはトランスポートブロックとしてトランスポートチャネルを介して送信される、ここで送信時間間隔(TTI)と呼ばれる一定の時間間隔に送信される一つのトランスポートブロックがある。トランスポートブロックは、トランスポートチャネルを介して交換される、すなわち、物理レイヤとMACレイヤとの間で交換される基本的データユニットである。トランスポートブロックは、各TTI当り一度の周期で、物理レイヤへ到着する、あるいは物理レイヤにより送り出される。E−DCHを介する送信の場合、トランスポートブロックはMAC−e PDUに相当する。
【0073】
拡張トランスポートフォーマットコンビネーション(E−TFC)の制限/選択は、送信時間間隔(TTI)内に送信するデータの量をUEが選択する手順である。E−TFC選択処理の目的は、UEが使用可能な送信電力でできるだけ多くのデータを送信することである。E−TFC制限処理は、DCHチャネルおよびHS−DPCCH上でのデータの送信後、E−DCH送信に残された送信電力の量を考慮し、電力制限により送信フォーマットを削除する。前述のように、E−DCH上でのデータの送信に適切なトランスポートフォーマットの選択に関与するE−TFC選択手順は、MAC−e/es内のHARQエンティティによって呼び出される。E−TFC制限手順は、非特許文献5により詳しく記述されている。
【0074】
トランスポートチャネルに多重化された各MAC−dフローに対して、無線リソース制御RRCは、HARQプロファイルと多重化リストを有するMACレイヤを設定する。HARQプロファイルは、それぞれのMAC−dフロー別の電力オフセットと使用する最大HARQ送信回数を含む。多重化リストは、各MAC−dフローにとってのその他のMAC−dフローを識別する。その他のMAC−dフローからのデータがそのHARQプロファイルに含まれた電力オフセットを使用する送信に多重化される。
【0075】
RRCは、各論理チャネルに優先度(例えば1から8まで、1が最高の優先度で8が最低)を与えることにより、アップリンク上のデータのスケジューリングを制御することができる。UEにおけるE−TFC選択は、通常、RRCによって指示された優先度に従って行われる。論理チャネルは、絶対的な優先度を持つ。すなわち、UEはより高い優先度のデータの送信を最大化できる。
【0076】
RRCはさらに、送信遅延を少なくするために、スケジューリング対象外送信許可を個々のMAC−dフローに割り当てることができる。各スケジューリング対象外許可は、前述したように、RRCによって指示された特定のHARQ処理セットに適用できる。RRCはまた、スケジューリング対象許可が適用可能なHARQ処理セットを制限する。設定されたMAC−dフローごとに、任意のE−TFCは次の状態のうちのどちらかになる。
【0077】
● サポートされた状態
● ブロックされた状態
【0078】
各TTI境界において、設定されたE−DCHトランスポートチャネルをもつUEは、設定された各MAC−dフローごとにそれぞれのE−TFCの状態を、最大UE送信に対するそのフローの必要送信電力に基づいて決定することができる。
【0079】
さらに、HARQエンティティによって新しい送信が要求されている各TTI境界においては、すなわち、E−TFCの選択を行わない再送の場合には、UEは以下に述べる動作を行うことができる。UMTSにおけるE−DCHでは、スケジューリング許可は、スケジューリング対象データの次の送信時間間隔にUEが割り当てることができるDPCCHに対するE−DPDCHの最大比をE−TFC選択機能に提供する。HARQ処理IDとRRCによる設定とに基づいて、UEは次の送信時間間隔での送信にスケジューリング対象許可、スケジューリング対象外許可を勘案すべきかどうかを決定する。例えば、次の送信時間間隔に使用されるHARQ処理IDに対してスケジューリング対象外許可が無効である(非アクティブ)であるならば、このスケジューリング対象外許可は存在していない、すなわちゼロに設定されているとされる。
【0080】
E−TFC選択中に行われる送信フォーマットおよびデータの割当て処理は、とりわけ以下に示す要件に従うことができる。
【0081】
● 非ゼロの許可が有効である論理チャネルからのデータのみを使用可能とみなせる
● データ割当ては、より高い優先度のデータの送信を最大化する
● スケジューリング対象外許可が設定されたMAC−dフロー中のデータの量は、スケジューリング対象外許可の値を超えてはならない
● スケジューリング対象外許可が設定されていないMAC−dフロー中のデータの総量は、スケジューリング許可および選択されたHARQプロファイルからの電力オフセットに基づき送信可能な最大ペイロードを超えない。HARQ処理が非アクティブの場合には、UEは上記のデータを全く送信に含めない
● サポートされた状態のE−TFCのみを考慮する
【0082】
適切なE−TFCおよびデータ割当ての確定後、「多重化およびTSN設定」エンティティが、送信に適用されるHARQ処理IDにより特定されたHARQ処理に渡されるMAC−e PDUを生成する。
【0083】
E−TFC選択機能が、このMAC−e PDUおよび送信HARQプロファイルをHARQエンティティに供給する。HARQエンティティは、送信がスケジューリング情報を含むかどうかも通知されるものとする。
【0084】
要約すれば、3GPPで現在検討されているUMTSシステムにおいて、E−DCH上で送信されるデータはスケジューリング対象データとスケジューリング対象外データとに類別される。前述のとおり、フレーミングヘッダまたはスケジューリング情報(SI)のようなMAC−e制御シグナリングが、E−TFC選択手順によって解釈されなければならない。したがって、スケジューリング情報は、有効なスケジューリング対象外許可をもつとされるスケジューリング対象外データとして扱われる。HARQ処理制限の導入により、ノードBは、スケジューリング対象外データ送信用のリソースを特定数のHARQのみにしか確保することができなくなる。しかし、この新しく導入されたスケジューリング対象外データに対するHARQ処理制限は、他方では新たな問題を引き起こす。例えば、スケジューリング対象外データとして扱われるスケジューリング情報が、スケジューリング対象外許可が有効である処理でしか送信できなくなるからである。これは、結果的にスケジューリング遅延につながる、スケジューリング情報のシグナリングにとってのかなりの遅延を意味する。サービングノードBによるスケジューリング決定の遅れは、アップリンクのスループットを減少させ、その結果、様々なサービスにおいて知覚されるサービス品質QoSを劣化させる。これは、サービスが所定のQoS要件を満たす必要がある場合、特に重大である。
【非特許文献1】3GPP TR 25.401: "UTRAN Overall Description"
【非特許文献2】3GPP TR 25.896: “Feasibility Study for Enhanced Uplink for UTRA FDD (Release 6)”
【非特許文献3】3GPP TSG RAN WG1, meeting #31, Tdoc R01-030284, "Scheduled and Autonomous Mode Operation for the Enhanced Uplink"
【非特許文献4】3GPP TS25.309
【非特許文献5】3GPP TS 25.133: "Requirements for support of radio resource management (FDD)"
【非特許文献6】3GPP TS 25.331, ”Radio Resource Control (RRC); Protocol Specifications (Release 6)”, V.6.6.0, section 10.3.6.99
【発明の開示】
【0085】
本発明の目的は、従来のHARQ処理制限メカニズムにより必然的に含まれる制御シグナリングの遅延を減少させ、それにより上記の問題を克服ことである。
【0086】
上記の目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施の形態は従属請求項の主題である。
【0087】
前に述べた問題を考慮すると、HARQ処理制限メカニズムにより必然的に含まれる負の影響が、制御データのシグナリングを必要とするすべてのメカニズムに影響を及ぼすことが認識される(これらの制御データがスケジューリング対象外データとして扱われ、HARQ処理制限の対象となる場合)。したがって、本発明は、スケジューリング情報のシグナリングのための上記の目的の明確な解決策を提案するのみでなく、スケジューリング対象外データの全般的な問題の解決策も提案する。本発明の主たる態様によれば、上記の目的は、アップリンクデータをスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータ、スケジューリング対象外制御データに分ける新しい分類によって、そしてHARQ処理制限メカニズムの新しい定義によって解決される。本発明によれば、スケジューリング対象外許可の有効性をHARQ処理セットの一部に制限することは、スケジューリング対象外許可が有効である各HARQ処理でのスケジューリング対象外ユーザデータの送信を有効化/無効化するためにだけ許容される。スケジューリング対象外制御データ、例えば、フレーミングヘッダまたはスケジューリング情報は、使用可能なHARQ処理セットの一部に制限されない。すなわち、スケジューリング対象外制御データは、随時、使用可能なHARQ処理のいずれか一つを使用して送信されることができる。本発明の別の態様によれば、アップリンクデータの新しい分類とHARQ処理制限の新しい定義との観点で、本発明はさらに、データの種類により、スケジューリング許可およびスケジューリング対象外許可により、HARQ処理制限の設定を勘案しつつ、異なるタイプのアップリンクデータをトランスポートチャネルに多重化する新しいデータ割当て処理を提案する。
【0088】
本発明の一つの有利な実施の形態によれば、スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とにより定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するための方法が提供される。
【0089】
一般に、スケジューリング許可は、無線通信システムにおいて移動端末が送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象データを送信するために利用可能な最大量のリソースを指示する。さらに、スケジューリング対象外許可は、移動端末が送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するために利用可能な最大量のリソースを指示する。
【0090】
本発明のこの有利な実施の形態によれば、スケジューリング対象外許可は、複数のHARQ処理の一部に制限され、これにより上記一部のHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータを送信するためにアクティブにされる。この制限は、スケジューリング対象外ユーザデータの送信に対しては、上記複数のHARQ処理の残りのHARQ処理を非アクティブにし、スケジューリング対象外制御データの送信に対しては、上記残りのHARQ処理を非アクティブにしない。言い換えれば、スケジューリング対象外制御データの送信に対して、使用可能なすべてのHARQ処理がアクティブにされ得る。
【0091】
次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データは、上記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化される。したがって、上記スケジューリング許可および上記該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータを送信するのにアクティブであるか否かを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データは多重化される。
【0092】
さらに、パケットデータユニットは、次の送信時間間隔におけるアップリンクチャネルでの送信に向けて、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に供給される。
【0093】
本実施の形態の有利な変形では、たとえ当該HARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対して非アクティブにされたとしても、送信を待つスケジューリング対象外制御データは、次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される。
【0094】
本発明の別の実施の形態は、スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とにより定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するための代替的な方法を提供する。
【0095】
この代替的な実施の形態によれば、スケジューリング対象外許可は複数のHARQ処理の一部に対して有効であると移動端末により定義される。上記一部のHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信にはアクティブにされるが、上記スケジューリング対象外許可が無効である残りのHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信には非アクティブにされる。
【0096】
さらに、次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データは、上記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化される。したがって、上記スケジューリング許可および上記該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に対してスケジューリング対象外許可が有効と定義されたか無効と定義されたかを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データは多重化される。
【0097】
次に、パケットデータユニットは、次の送信時間間隔におけるアップリンクチャネルでの送信に向けて、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に供給される。次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理は、したがって、スケジューリング対象外制御データの送信には(常に)アクティブ化されるものとされる。
【0098】
本実施の形態の変形では、たとえ当該HARQ処理がスケジューリング対象外許可で非アクティブ化されるとしても、送信を待つスケジューリング対象外制御データは、次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される。
【0099】
本実施の形態のさらに代替的な変形では、たとえスケジューリング対象外許可が当該HARQ処理に対して無効であっても、送信を待つスケジューリング対象外制御データは、次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される。
【0100】
本発明の別の実施の形態によれば、スケジューリング対象外制御データは、例えば、スケジューリング関連制御シグナリングまたはMACフレーミングヘッダシグナリングを含むことができる。
【0101】
さらに別の実施の形態では、スケジューリング対象外許可はスケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データに有効であることを前提とする。この場合、スケジューリング対象外許可は、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを送信するために移動端末が利用可能な最大量のリソースを指示する。
【0102】
この実施の形態の一変形によれば、たとえ上記スケジューリング対象外許可が、スケジューリング対象外制御データを送信するには十分ではないリソース量をスケジューリング対象外データ送信に与える場合でも、送信を待つスケジューリング対象外制御データは、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化される。
【0103】
別の実施の形態では、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データのそれぞれに有効な個別のスケジューリング対象外許可があることを前提とする。したがって、スケジューリング対象外制御データの送信のために移動端末が利用可能な最大量のリソースを指示する個別のスケジューリング対象外許可が割り当てられる。
【0104】
さらに、上記個別のスケジューリング対象外許可により指示されたリソース量は、次の送信時間間隔に使用すべきHARQ処理でスケジューリング対象外制御データの送信を可能にするように常に定義される、または十分に大きくされることは有利であろう。
【0105】
別の実施の形態では、スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限することを示す情報要素を含んでなる制御シグナリングが移動端末により移動端末の無線リソースを制御するネットワークエンティティから受信され、移動端末は上記制御シグナリングに従って上記スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限する。
【0106】
スケジューリング対象外許可により指示される最大量のリソースは、送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するのに移動端末が利用可能なデータ量により指示されることはさらに望ましい。
【0107】
さらに、本発明の別の実施の形態では、スケジューリング許可により指示される最大量のリソースは、拡張個別物理データチャネルE−DPDCHと個別物理制御チャネルDPCCHとの間の電力比により指示される。
【0108】
さらに、スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可は、移動通信システムの無線アクセスネットワークから移動端末により受信される、または移動端末により設定されるならば有利であろう。
【0109】
本発明の別の実施の形態は、無線通信システムで使用される移動端末に関連する。当該移動端末は、スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とにより定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するように適合されることができる。
【0110】
先に定義したように、スケジューリング許可は、送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象データを送信するのに移動端末が利用可能な最大量のリソースを指示し、一方、スケジューリング対象外許可は、送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するのに移動端末が利用可能な最大量のリソースを指示することができる。
【0111】
上記移動端末は、スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限し、それにより上記一部のHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータを送信するためにアクティブにするための汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサなどの処理手段を含むことができる。この制限は、上記複数のHARQ処理の残りのHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対しては非アクティブにし、上記残りのHARQ処理をスケジューリング対象外制御データの送信に対しては非アクティブにしない。
【0112】
さらに、上記移動端末は、次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを、上記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化するためのマルチプレクサを含むことができる。上記マルチプレクサは、上記スケジューリング許可および上記該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔で使用されるべきHARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブであるか否かを勘案しつつ、アップリンク送信待ちのスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データを多重化するように適合されることができる。上記マルチプレクサは、次の送信時間間隔にアップリンクで送信されるパケットデータユニットを次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に供給するようにさらに適合されることができる。
【0113】
本発明の別の実施の形態では、上記マルチプレクサは、たとえ当該HARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対して非アクティブにされたとしても、送信を待つスケジューリング対象外制御データを、次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化するようにさらに適合される。
【0114】
別の実施の形態は、当該移動端末は、スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とにより定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を実行するように適合された、無線通信システムで使用されるさらに別の移動端末を提供する。
【0115】
この移動端末はまた、スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に対して有効であると定義するための処理手段を含むことができる。上記一部のHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブ化されるが、上記スケジューリング対象外許可が無効である残りのHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信には非アクティブ化される。
【0116】
さらに、上記移動端末は、次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを、上記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化するためのマルチプレクサを含むことができる。上記マルチプレクサは、上記スケジューリング許可および上記該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に対してスケジューリング対象外許可が有効と定義されたか無効と定義されたかを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを多重化するように、そして次の送信時間間隔のアップリンクチャネルでの送信に向けて次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理にパケットデータユニットを供給するように適合されることができる。
【0117】
この実施の形態によれば、移動端末は、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理はスケジューリング対象外制御データの送信に常にアクティブ化されるものとする。
【0118】
本発明のこの実施の形態の変形では、上記マルチプレクサは、たとえ当該HARQ処理がスケジューリング対象外許可では非アクティブ化されるとしても、送信を待つスケジューリング対象外制御データを次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化するように適合される。
【0119】
別の実施の形態では、上記マルチプレクサは、たとえスケジューリング対象外許可が当該HARQ処理に対して無効であっても、送信を待つスケジューリング対象外制御データを次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化するように適合される。
【0120】
上記実施の形態による移動端末は、前述したデータ割当て処理を実行するための方法の各ステップを実行するように適合された手段をさらに含むことができる。
【0121】
本発明のさらに別の実施の形態は、移動端末のプロセッサにより実行されるとき、スケジューリング許可と少なくとも一つのスケジューリング対象外許可とにより定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を当該移動端末に実行させる命令を記憶しているコンピュータ読取可能媒体を提供する。
【0122】
上記命令は、移動端末に、スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に制限し、それにより前記一部のHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対してアクティブにすることにより、その結果、上記制限は上記複数のHARQ処理の残りのHARQ処理をスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対しては非アクティブとし、上記残りのHARQ処理をスケジューリング対象外制御データの送信に対しては非アクティブにせず、次の送信時間間隔でのアップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを上記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化することによりデータ割当て処理を実行させることができる。これにより、スケジューリング許可および該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブであるか否かを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとは多重化される。
【0123】
さらに、コンピュータ読取可能媒体に記憶された上記命令は、移動端末に、次の送信時間間隔におけるアップリンクチャネルでの送信に向けて、上記パケットデータユニットを次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に供給させるようにする。
【0124】
本実施の形態の有利な変形では、上記コンピュータ読取可能媒体は、移動端末のプロセッサにより実行されるとき、当該移動端末に、たとえ当該HARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータの送信に対して非アクティブにされたとしても、送信を待つスケジューリング対象外制御データを、次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化させる命令をさらに記憶することができる。
【0125】
本発明の別の実施の形態は、移動端末のプロセッサにより実行されるとき、スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可により定義されたリソース利用制限に従った、スケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとについてのデータ割当て処理を当該移動端末に実行させる命令を記憶しているコンピュータ読取可能な媒体に関連する。
【0126】
この実施の形態によれば、スケジューリング対象外許可を複数のHARQ処理の一部に対して有効であると定義することにより、ここで上記一部のHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信にアクティブ化されるが、上記スケジューリング対象外許可が無効である残りのHARQ処理はスケジューリング対象外ユーザデータの送信には非アクティブにされ、次の送信時間間隔に向けて、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データとを、上記複数のHARQ処理の一つを使用して次の送信時間間隔内にアップリンクチャネルで送信されるトランスポートチャネルのパケットデータユニットに多重化することにより、当該移動端末はデータ割当て処理を実行するようにされる。これにより、上記スケジューリング許可および上記該当するスケジューリング対象外許可に従って、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に対してスケジューリング対象外許可が有効と定義されたか無効と定義されたかを勘案しつつ、アップリンク送信を待つスケジューリング対象データとスケジューリング対象外ユーザデータとスケジューリング対象外制御データは多重化される。
【0127】
さらに、上記命令は、当該移動端末に、次の送信時間間隔におけるアップリンクチャネルでの送信に向けて、上記パケットデータユニットを次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理に供給させるようにする、ここで、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理は、スケジューリング対象外制御データの送信に常にアクティブ化されるものとされる。
【0128】
別の実施の形態では、コンピュータ読取可能な媒体は、移動端末のプロセッサにより実行されるとき、当該移動端末に、たとえ当該HARQ処理がスケジューリング対象外許可では非アクティブにされる場合でも、送信を待つスケジューリング対象外制御データを、次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化させる命令をさらに記憶することができる。
【0129】
代替的に、上記媒体はまた、移動端末のプロセッサにより実行されるとき、当該移動端末に、たとえスケジューリング対象外許可が当該HARQ処理に対して無効であっても、送信を待つスケジューリング対象外制御データを、次の送信時間間隔に送信に使用されるべきHARQ処理に供給されるパケットデータユニットに多重化させる命令を記憶するようにしてもよい。
【0130】
上記コンピュータ読取可能媒体は、移動端末のプロセッサにより実行されるとき、前述の様々な実施の形態とその変形のうちの一つによるデータ割当て処理を実行するための方法の各ステップを当該移動端末に実行させる命令を記憶するようにしてもよい。
【0131】
本発明の別の態様は、移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システムの無線アクセスネットワーク中のネットワークエンティティの動作に関連する。この態様によれば、本発明の別の実施の形態は、移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システムの無線アクセスネットワーク中のネットワークエンティティから上記移動端末の少なくとも一つへ制御シグナリングを送信するための方法に関連する。上記ネットワークエンティティは、スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可に従って、上記移動端末の一つからスケジューリング対象ユーザデータ、スケジューリング対象外ユーザデータ、およびスケジューリング対象外制御データを受信するために使用される複数のHARQ処理の一部を選択することができ、ここで選択された一部のHARQ処理は、上記一つの移動端末から当該無線アクセスネットワークへアップリンクチャネルを介するスケジューリング対象外制御データの送信に使用されるべきものである。さらに、ネットワークエンティティは、当該無線アクセスネットワークへのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブ化されるべき上記一部のHARQ処理を示す制御シグナリング情報を生成することができ、そして上記制御シグナリング情報を上記一つの移動端末へ送信することができる。
【0132】
有利には、上記制御シグナリング情報は、アップリンクチャネルをセットアップまたは再設定する、上記一つの移動端末に送信されるシグナリングメッセージの情報要素内に含まれ得る。
【0133】
さらに、上記シグナリング情報はビットの列を含むことができ、このビットの列中のビット数は使用可能なHARQ処理の数に等しく、ここで上記列中の上記ビットの各々一つの論理値は対応するHARQ処理がアップリンクチャネルでのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブ化されるか非アクティブ化されるかを上記一つの移動端末に示す。
【0134】
本発明の別の実施の形態は、移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システムの無線アクセスネットワーク中のネットワークエンティティに関連する。当該ネットワークエンティティは、スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可に従って、上記移動端末の一つからスケジューリング対象ユーザデータ、スケジューリング対象外ユーザデータ、およびスケジューリング対象外制御データを受信するために使用される複数のHARQ処理の一部を選択するための処理手段を含むことができ、ここで選択された一部のHARQ処理は、前記一つの移動端末から当該無線アクセスネットワークへアップリンクチャネルを介するスケジューリング対象外制御データの送信に使用されるべきものである。さらに、上記処理手段は、当該無線アクセスネットワークへのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブ化されるべき上記一部のHARQ処理を示す制御シグナリング情報を生成するように適合されることができる。
【0135】
上記ネットワークエンティティはまた、上記制御シグナリング情報を上記一つの移動端末へ送信するための送信器、および上記一つの移動端末からスケジューリング対象外制御データを受信する受信器を含むことができる。
【0136】
さらに別の実施の形態では、上記ネットワークエンティティは、前述の様々な実施の形態とその変形とによるデータ割当て処理を実行するための方法の各ステップを実行するように適合された手段を含むことができる。
【0137】
別の実施の形態は、移動端末の無線リソースを制御する、移動通信システム中の無線アクセスネットワークのネットワークエンティティのプロセッサにより実行されるとき、当該ネットワークエンティティにネットワークエンティティから上記移動端末の少なくとも一つへ制御シグナリングを送信させる命令を記憶しているコンピュータ読取可能媒体に関連する。上記ネットワークエンティティは、スケジューリング許可および少なくとも一つのスケジューリング対象外許可に従って、上記移動端末の一つからスケジューリング対象ユーザデータ、スケジューリング対象外ユーザデータ、およびスケジューリング対象外制御データを受信するために使用される複数のHARQ処理の一部を選択し、ここで選択された一部のHARQ処理は、上記一つの移動端末から当該無線アクセスネットワークへアップリンクチャネルを介するスケジューリング対象外制御データの送信に使用されるべきものである、当該無線アクセスネットワークへのスケジューリング対象外制御データの送信にアクティブ化されるべき上記一部のHARQ処理を示す制御シグナリング情報を生成し、そして上記制御シグナリング情報を上記一つの移動端末へ送信することにより制御シグナリングを送信するようにされる。
【0138】
上記コンピュータ読取可能媒体は、ネットワークエンティティのプロセッサにより実行されるとき、ここに記述した様々な実施の形態による制御シグナリングを送信するための方法の各ステップを当該ネットワークエンティティに実行させる命令をさらに記憶してもよい。
【0139】
さらに、本発明は、ここに記述した本発明の様々な実施の形態の一つによる移動端末とネットワークエンティティを含んでなる移動通信システムに関連する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0140】
添付の図および図面を参照し、本発明をさらに詳細に以下に説明する。各図中の同等または同様の詳細部には、同じ参照番号を付けてある。
【0141】
以下の段落では、本発明の多様な実施の形態を説明する。典型的な例を示すという目的でのみ、実施の形態の大部分は、UMTS通信システムに関連して概説される。また、以下の節で使用される専門用語は、主にUMTSの用語に関連する。これは、本発明はこの種の通信ネットワークで有利に利用され得るからである。しかし、UMTS構成に関連した実施の形態の使用用語および説明は、本発明の原理および思想を上記システムに限定することを意図したものではない。
【0142】
また、前述の背景技術の節で述べた詳細な説明は、以下に説明する主にUMTSに特有の典型的な実施例をよりよく理解してもらうためのものにすぎず、移動通信ネットワークにおける処理および機能のここで述べた特定の実現に本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0143】
ここに提示される思想は、スケジューリング対象データ/スケジューリング対象外データの枠組みで動作し、ここで概説するのと同様のメカニズムを用いる(移動)通信システムに適用されることができる。さらに、本発明は、アップリンクチャネルの様々なフローに対して設定される送信時間間隔に左右されない。
【0144】
前述したように、本発明の主となる思想の一つは、E−DCHなどの個別アップリンクチャネルを介して送信されるデータの新しい分類の導入である。本発明によれば、アップリンクで送信されるデータは、スケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データの三種類に分けられる。
【0145】
本発明の一実施の形態によれば、スケジューリング対象データは、例えば、上位レイヤのユーザサービスから移動端末のMACレイヤエンティティに供給されるペイロードであり、どんなタイプのペイロードであってもよい。使用用語からすでに推測できるように、スケジューリング対象データは、送信のためのアップリンクリソースの明示的な許可、いわゆるスケジューリング許可を必要とする。ある例示的な実施の形態では、リソースの許可は、前述の背景技術の節で示唆されたように実現され得る。しかし、例えば一TTIベースまたは多数TTIベースでの一定の時間期間の間リソースを割り当てる動的リソース割当てのほかのメカニズムを使用してもよい。
【0146】
スケジューリング対象外ユーザデータは、送信時間間隔を基準としたリソースの明示的な許可を必要としないユーザサービスデータとすることができる。背景技術の節で述べたように、スケジューリング対象外ユーザデータは、送信時間間隔内の送信に決められた所定のビット量を許可する、有効ないわゆるスケジューリング対象外許可を必要とする。さらに、スケジューリング対象外許可は、個々のユーザデータフロー、例えば、個々の論理チャネルまたはMAC−dフローに対して有効となり得る。スケジューリング対象外許可は、セッション開始時に固定的に設定することができ、アップリンクのサービス提供中に再設定可能である。この設定は、例えば、無線リソース制御(RRC)プロトコルを使用して、移動端末の無線リソース利用を制御する、移動通信ネットワークの無線アクセスネットワーク中のネットワークエンティティから移動端末にシグナリングされ得る。例えば、UMTSネットワークのUTRANでは、このシグナリング機能は、通常、サービングRNCによって提供される。
【0147】
本発明により定義された第三の種類は、いわゆるスケジューリング対象外制御データである。スケジューリング対象外ユーザデータと同様に、スケジューリング対象外制御データも、送信時間間隔内に送信される所定のビット量を許可する、有効なスケジューリング対象外許可を必要とする。一般に、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データは、一つのスケジューリング対象外許可を共有することがあり(すなわち、許可がスケジューリング対象外ユーザデータおよひスケジューリング対象外制御データの両方に共に有効になる)、スケジューリング対象外制御データに対するスケジューリング対象外許可が別々に定義されることもある。スケジューリング対象外許可がスケジューリング対象外制御データに与えられる場合、RANからの関連制御シグナリングを使用して、または使用せずに、同許可は、固定的または動的に移動端末によって設定され得る。
【0148】
スケジューリング対象外制御データとしては、例えば、スケジューリング情報があげられる。本発明の一実施の形態では、スケジューリング情報、およびRANへのそれらの提供は、例えば、背景技術の節で述べたように定義し設定され得る。広く言えば、本発明によるスケジューリング情報は、ノードBが、そのセル内でその制御下にある移動端末を、セル内の移動端末によって引き起こされる最大限の全受信干渉電力(RoT)を順守するようにスケジューリングできるようにする情報を、スケジューリングノードB(基地局)に通知するあらゆる種類のデータを表すことができる。
【0149】
例えば、論理チャネルごとにスケジューリングを実行する場合、すなわち、各論理チャネルに関連付けられたQoS要件がスケジューラによって勘案される場合、スケジューリング情報は送信されるスケジューリング情報の対象となる各論理チャネルを識別する必要がある。スケジューリング情報は、最高の優先度の一つ以上の論理チャネルのみを対象に、あるいは移動端末上に構成されたすべての論理チャネルにを対象に移動端末によって送信されることができる。制御情報の送信はセル内のRoTに寄与するので、システム効率を考慮して許容できる制御シグナリングの量は変更可能であり、また、スケジューリング対象外制御データの量は、個々の論理チャネルについての報告および/またはある種のイベント(イベントを契機とした報告)および/または周期的な報告に制限され得る。スケジューリング情報はさらに、各論理チャネルに関連付けられたQoS制約を満たせるように、どの端末がより多くの/より少ないリソースの割当てを必要としているかを、スケジューリングノードBが判定できるようにする情報を含み得る。例えば、最高の優先度の論理チャネルの送信バッファ状態または移動端末の全体のバッファ状態である。さらに、スケジューリング情報は、電力状態の情報も含み得る。スケジューリング情報は上位レイヤのデータと直接結合されない。スケジューリング情報は、独立で、すなわち、他のユーザまたは制御データを含まずに、送信されることもあり、もし存在するのであれば、スケジューリング対象外ユーザデータまたはスケジューリング対象ユーザデータと共に送信されることもある。スケジューリング対象外制御データとしてあり得る別のタイプは、図10に関して説明したフレーミングヘッダのデータである。常に上位レイヤのデータと結合されるフレーミングヘッダについても、E−TFC選択の際に、スケジューリング対象外許可が移動端末によって仮定され得る(すなわち、スケジューリング対象外制御データの場合)。フレーミングヘッダはMAC−d PDUに関連付けられるので、移動端末(例えば、UE)は関連付けられたMAC−dフローに対する設定と同じ設定を仮定することができる。スケジューリング対象外制御データの場合、移動端末は、E−TFC選択の際に「2msスケジューリング対象外送信許可のHARQ処理割当て」というIE(情報要素)にある、フレーミングヘッダの送信のためのスケジューリング対象外許可と、関連付けられたMAC−dフローに対して設定されたのと同じHARQ処理とを仮定することができる。本発明の一実施の形態によるこの例示的な動作は、フレーミングヘッダがスケジューリング対象ユーザデータとして扱われる関連付けられたデータと常に一緒に送信されることを保証できるようにする。スケジューリング対象外制御データとしてあり得るまた別のタイプは、レイヤ2モビリティに使用されるデータである。アップリンクのサービングセルが移動端末によって選択される場合、新旧のサービングセルにサービングセル選択を通知するために、スケジューリング対象外制御PDUが移動端末からノードBへ送信され得る。
【0150】
アップリンクデータのこの提案された新しい分類に加えて、本発明の別の態様は、新しいHARQ処理制限メカニズムの導入である。本発明によれば、スケジューリング対象外ユーザデータに対するスケジューリング対象外許可をHARQ処理セットの一部に制限することが可能であるが、スケジューリング対象外制御データに対して予測されるHARQ処理制限はない。本発明で提案された処理制限は、したがって、スケジューリング対象外ユーザデータの送信にのみ適用できるが、スケジューリング対象外制御データには適用しない。その結果、移動端末はスケジューリング対象外制御データを、それが発生した場合に次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理を使用して送信されるトランスポートチャネルのプロトコルデータユニット(またはトランスポートブロック)に多重化できる。これは、スケジューリング対象外制御データの送信における望ましくない遅延を回避可能にする。
【0151】
本発明のある例示的な実施の形態によれば、背景技術の節で述べたようなUMTSシステムが想定される。この例示的な実施の形態では、スケジューリング情報の処理に関するE−TFC選択のためのUEの挙動を以下のとおり特定することができる。スケジューリング情報を送信する必要がある場合、E−TFC選択およびデータ割当て処理は、その送信のために、スケジューリング対象外許可が得られかつ使用HARQ処理がアクティブであると仮定する。この定義により、UEはスケジューリング情報の送信にどのHARQ処理でも使用してよいことが保証され得る。
【0152】
本発明の次なる例示的な実施の形態を図12、図13および図14を参照して概説する。図12は、本発明の一実施の形態による移動端末の機能エンティティの構成概要の模式図を示す。
【0153】
この実施の形態によれば、スケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データがマルチプレクサに供給される。マルチプレクサは、ハードウェア実現のマルチプレクサでも、ソフトウェア命令により実現されてもよい。図12に示されたスケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータは、上位レイヤからMACレイヤのような下位レイヤへ供給されたデータフローと考えてよい。また、複数のスケジューリング対象データフロー、スケジューリング対象外ユーザデータフローおよび/またはスケジューリング対象外制御データフローが、マルチプレクサによって多重化され得る。これらのデータフローは、それぞれのフローに関連付けられたバッファによって供給され得る。
【0154】
各フローに対して、移動端末が個別の許可を設定した場合がある。スケジューリング許可は、スケジューリング対象データフローのすべてまたは各々に対して、送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象データを送信するために移動端末が利用可能な最大量のリソースを示す。さらに、送信時間間隔内にアップリンクチャネルでスケジューリング対象外データを送信するために移動端末が利用可能な最大量のリソースを示すスケジューリング対象外許可が設定される。マルチプレクサに供給されるスケジューリング対象外ユーザデータフローの各々またはすべてに対する別のスケジューリング対象外許可があってもよい。あるいは、ある一つのスケジューリング対象外許可をスケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データに割り当ててもよい。別の可能性は、「別の」スケジューリング対象外許可をスケジューリング対象外制御データに対して定義することである。
【0155】
次の送信時間間隔にRANに提供されるべきプロトコルデータユニットに多重化されるビット数は、移動端末上で固定的に設定されても、動的に制御されてもよい。
【0156】
上記の実施の形態のある例示的な変形では、個々のフローから多重化される適切なビット数の選択は、本発明によるHARQ処理制限、移動端末がプロトコルデータユニットの送信に使用可能な電力オフセット、ならびにスケジューリング許可およびスケジューリング対象外許可により各フローに対して移動端末に割り当てられたアップリンクリソースによって決まり得る。
【0157】
例えば、使用可能な1〜N個のHARQ処理が、図9に示したように、また図13に示すように、順次に使用されると仮定することができる。例えば、図12に示したような構成エンティティをもつ移動端末によって実行される各ステップの例示的フロー図を示す図13をここで参照すると、マルチプレクサは、次の送信時間間隔に使用されるべきHARQ処理のIDを、与えられまたは決定することができる(1301)。これは、この次のHARQ処理に対して処理制限が設定されているか否かを判断するためである。
【0158】
HARQ処理IDを取得したら、この情報は、ステップ1302で、図12のマルチプレクサに入力されたフローのうちのどれが次の送信時間間隔に送信されることになるのかを決定するために使用される。言うまでもなく、特定のフローで送信を待つデータがなければ、そのフローからのデータはプロトコルデータユニットに多重化されない。さらに、取得したIDにより特定されたHARQ処理がスケジューリング対象外ユーザデータに関して制限されている場合、次の送信時間間隔には、制限されたHARQ処理を使用して、制限されたフローからのデータは送信されない。本発明のこの実施の形態では、HARQ処理の制限はスケジューリング対象外ユーザデータにのみ適用し、スケジューリング情報などのスケジューリング対象外制御データの送信は、個々のHARQ処理に制限されることはあり得ないということを認識するのは重要である。
【0159】
様々なスケジューリング対象およびスケジューリング対象外データフローのうちのどれを送信すべきかを決定したら、移動端末は、設定されたスケジューリング許可およびスケジューリング対象外許可内で送信されるであろうデータに対して適切なトランスポートフォーマットコンビネーション(例えば、変調符号化方式、拡散コードなど)を選択するステップ(1303)へ進み得る。本発明のある例示的な実施の形態では、この選択は、前述したE−TFC選択機能と同様の規則に従って行われる。送信待ちのスケジューリング対象外制御データがあるならば、移動端末は、例えば、スケジューリング対象外制御データの送信のためのアップリンク上の十分なリソースを許可する関連スケジューリング対象外許可があると常に仮定することができる。スケジューリング対象外許可がスケジューリング対象外制御データの送信のために設定される場合は、この許可はHARQ処理のいずれか一つでのスケジューリング対象外制御データの送信を可能にするのに十分な大きさに常に設定され得る。
【0160】
選択されたトランスポートフォーマットコンビネーションはまた、次の送信時間間隔に送信されるであろう個々のデータフローからのビット量も決定する。この認識に基づいて、図12のマルチプレクサは次に進み、スケジューリング対象およびスケジューリング対象外フローから適切なビット数を、送信されるプロトコルデータユニットに多重化(1304)することができる。一定のビット量を多重化することにより、使用可能なアップリンクリソースが個々のスケジューリング対象およびスケジューリング対象外データフローに割り当てれらることから、この処理はデータ割当て処理とも呼べる。また、スケジューリング対象外制御データが送信を待っている場合、如何なるHARQ処理制限からも独立に、このデータは次の送信時間間隔に送信されるプロトコルデータユニットに多重化されることを認識するのは重要である。
【0161】
例えば、図11に示す構成を有するプロトコルデータユニットを形成したら、選択された送信フォーマットコンビネーションを使用し、次の送信時間間隔に使用されるHARQ処理に、このデータユニットは送られる。
【0162】
図14は、本発明のさらに別の実施の形態による移動端末の動作の例示的なフロー図を示す。基本的に、図12と図13に関して概説した移動端末の動作が時間領域で示される。図14では、移動端末(UE)はUMTSネットワークで使用され、データはE−DCHを介して送信されることが例示目的で仮定される。この図において、RANから移動端末(UE)への矢印は、スケジューリング許可は移動端末の各セルを制御するノードBにより設定される一方、スケジューリング対象外許可はアップリンクリソースの利用を制御する、無線アクセスネットワークのネットワークエンティティ、例えば、S−RNCによって、シグナリングにより選択的に設定されることを示すためのものである。UMTSネットワークの場合、UEとS−RNCとの間のこのシグナリングはRRCプロトコルの一部であり得る。
【0163】
さらに、アップリンクリソースの利用を制御する、無線アクセスネットワークのネットワークエンティティは、アップリンクチャネルでのデータ送信に使用されるHARQ処理数の一部を、HARQ処理セットの一部がスケジューリング対象外ユーザデータの送信に使用されないという形で制限することができる。任意には、同様の制限がスケジューリング対象データの送信に対しても設定され得る。例えば、処理制限は、以下にさらに詳細に概説する、シグナリングメッセージの情報要素内で移動端末(UE)に指示され得る。
【0164】
図14に示した例示的な実施の形態によれば、移動端末はTTIごとにE−TFC選択処理を実行する。このE−TFC選択処理は、スケジューリング対象データ、スケジューリング対象外ユーザデータおよびスケジューリング対象外制御データというアップリンクデータの新しい分類、ならびに上記のいろいろな実施の形態で提案した、HARQ処理制限メカニズムおよびマルチプレクサにより実行されるデータ割当て処理についての修正を採用する「従来の」E−TFC選択処理と考えてよい。
【0165】
本発明の別の実施の形態は、フレーミングヘッダの扱い方に対処する。任意には、新しいE−TFC選択機能は、上位レイヤのデータ、例えば、RLC PDUに加えて、MAC−eフレーミングヘッダのようなMAC−e制御情報を解釈する(account for)こともできる。フレーミングヘッダは上位レイヤのデータに関連付けられるので、使用できる有効な許可が常にあると仮定することができる。
【0166】
フレーミングヘッダの解釈のしかたには、二通りのものが提案される。ヘッダを許可の一部とみなすか、ヘッダを許可の一部とみなさないかのいずれかである。スケジューリング対象外制御データの場合には、ヘッダは、対応するMAC−dフローに設定された最大ビット数に含められ得る。他方、許可自体の中のヘッダを解釈するのは難しいかもしれない。フレーミングヘッダのオーバヘッドはかなり小さいことに留意すれば、E−TFC選択(データ割当て手順を含む)の際にヘッダを別途に解釈することもできる。この場合、移動端末はフレーミングヘッダに対するスケジューリング対象外許可を仮定することができる。
【0167】
スケジューリング対象データについては、フレーミングヘッダはスケジューリング許可の一部とみなされるか、またはE−TFC選択の際に移動端末はヘッダに対するスケジューリング対象外許可を仮定することができる。スケジューリング許可自体の中のヘッダを解釈することが実現可能であると考えると、それは割り当てられたリソースへのより正確なマッチングにもつながるであろうし、有利であるとみられる。
【0168】
上に概説したHARQ処理制限メカニズムの導入の代替案は、UTRANによる新しい設定である。例えば、非特許文献6に記述されるように、スケジューリング情報の提供は、物理チャネル設定(IE E−DPDCH info)の一部として設定され得る。このUMTSに関連する例では、無線ベアラの確立の際に、UTRANは無線ベアラセットアップ(RADIO BEARER SETUP)メッセージをUEへ送信する。このメッセージは、とりわけ、トランスポートチャネルおよび/または物理チャネル(それぞれE−DCHおよびE−DPDCHのような)の設定を含む。また、RRC接続セットアップ手順中に、E−DCH接続をセットアップするために、UTRANは、情報要素IE「E−DPDCH INFO」のような物理チャネルパラメータをUEへ供給することができる。
【0169】
非特許文献6に記述されたシステムを本発明の思想に適合させるために、スケジューリング対象外制御データの送信に対するHARQ処理制限が導入される。スケジューリング対象外制御データがスケジューリング情報に相当する場合、スケジューリング対象外制御データの送信に対するHARQ処理制限は、スケジューリング情報に対するHARQ処理割当てを定義する、新しいIEエントリー(情報要素)の導入によって実現され得る。このIEは、各ビットが使用可能なHARQ処理の一つを表すビット列を含むことができる。個々のビットの論理値によって、対応するHARQ処理がスケジューリング情報の送信にアクティブまたは非アクティブにされる。すべてのHARQ処理がスケジューリング情報の送信にアクティブであることを保証するには、IEを11111111に設定する(8個のHARQ処理が使用可能であると仮定する場合)。ただし、スケジューリング対象外制御データの送信に特定のHARQ処理を明示的にアクティブ/非アクティブにすることも可能である。後者の場合は、スケジューリング対象外制御データに対する許容遅延を決定しなければならないことと、それに応じて、スケジューリング対象外制御データ送信のためのHARQ処理の使用を制限しなければならないこととの間のトレードオフである。
【0170】
スケジューリング情報に対するHARQ処理割当てを定義する、あり得る情報要素の例を以下に示す。
【0171】
【表1】


【0172】
本発明の別の実施の形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを使用した、前述の多様な実施の形態の実現に関連する。本発明の多様な実施の形態は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはその他のプログラム可能論理回路などを使用して実現可能であることが認識される。本発明の多様な実施の形態は、上記のデバイスの組合せによっても実施または実現され得る。特に注目されるのは、アップリンクデータの処理と分類、TTI長の設定と制御、異なるデータタイプのトランスポートブロックまたはプロトコルデータユニットへの多重化、許可の設定と維持などはコンピュータデバイスの形態のハードウェアの使用により達成され得ることである。
【0173】
さらに、本発明の多様な形態は、プロセッサで実行されるまたは直接ハードウェアに組み込むソフトウェアモジュールを用いても実現可能である。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実現の組合せも可能である。ソフトウェアモジュールは、コンピュータ読取可能などんな種類の記憶媒体(例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなど)に記憶されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】UMTSの高レベル構成
【図2】UMTS R99/4/5によるUTRANの構成
【図3】ユーザ装置上の全体的E−DCH MAC構成
【図4】ユーザ装置上の簡略化した構成におけるMAC相互動作
【図5】ユーザ装置上のMAC−e/es構成
【図6】UTRANにおける全体的MAC構成
【図7】ノードBのMAC−e構成
【図8】S−RNCのMAC−es構成
【図9】相対的許可の時間関係性
【図10】MAC−es PDUの構成
【図11】MAC−e PDUの構成
【図12】本発明の一実施の形態を実行するための移動端末の機能エンティティの構成概要の模式図
【図13】本発明の一実施の形態による移動端末により実行される方法の各ステップの例示的なフロー図
【図14】本発明のさらに別の実施の形態による移動端末の動作の例示的なフロー図
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成19年6月22日(2007.6.22)
【代理人】 【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一


【公開番号】 特開2008−5507(P2008−5507A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−165265(P2007−165265)