| 【発明の名称】 |
通信端末装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大木 公裕
【氏名】福光 勝
【氏名】山田 秀昭
【氏名】有木 博信
【氏名】山元 祐樹
【氏名】新藤 晃浩
|
| 【要約】 |
【課題】ハンドオーバーを行う際にハンドオーバーの状態に応じてパケットを適切に処理する。
【構成】通信端末装置1は、ハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成、または当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置からイベント情報を受信して、そのイベント情報に基づき音声パケット送信部12におけるパケットの送信間隔や、順序入替補償部15aにおける受信パケットの順序入れ替え用バッファのバッファ長や、音声符号化部13における送信する音声データの符号化処理の内容や、パケットロス補償制御部18におけるパケットロス補償の処理内容を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段を備え、 前記生成されたイベント情報に基づいて前記パケット網に送信するパケットの送信間隔を制御する ことを特徴とする通信端末装置。 【請求項2】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 パケットの受信順序が正順となっていない場合にそれらのパケットの順序を入れ替える順序入替補償用バッファと、 当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段とを備え、 前記生成されたイベント情報に基づいて前記順序入替補償用バッファのバッファ長を制御する ことを特徴とする通信端末装置。 【請求項3】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 送信する音声データを符号化する手段と、 当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段とを備え、 前記生成されたイベント情報に基づいて前記符号化の処理における符号化レートまたは符号化アルゴリズムの少なくとも一方を制御する ことを特徴とする通信端末装置。 【請求項4】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 受信したパケットを一時的に蓄積するジッタバッファと、 前記ジッタバッファの枯渇によるパケットのロスを補償する手段と、 当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段とを備え、 前記生成されたイベント情報に基づいて前記パケットロス補償の処理における補償強度または補償アルゴリズムの少なくとも一方を制御する ことを特徴とする通信端末装置。 【請求項5】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段を備え、 前記受信したイベント情報に基づいて前記パケット網に送信するパケットの送信間隔を制御する ことを特徴とする通信端末装置。 【請求項6】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 パケットの受信順序が正順となっていない場合にそれらのパケットの順序を入れ替える順序入替補償用バッファと、 当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段とを備え、 前記受信したイベント情報に基づいて前記順序入替補償用バッファのバッファ長を制御する ことを特徴とする通信端末装置。 【請求項7】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 送信する音声データを符号化する手段と、 当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段とを備え、 前記受信したイベント情報に基づいて前記符号化の処理における符号化レートまたは符号化アルゴリズムの少なくとも一方を制御する ことを特徴とする通信端末装置。 【請求項8】 パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、 受信したパケットを一時的に蓄積するジッタバッファと、 前記ジッタバッファの枯渇によるパケットのロスを補償する手段と、 当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段とを備え、 前記受信したイベント情報に基づいて前記パケットロス補償の処理における補償強度または補償アルゴリズムの少なくとも一方を制御する ことを特徴とする通信端末装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は通信端末装置に係り、特にパケット通信網においてハンドオーバーを行う通信端末装置に関する。 【背景技術】 【0002】 携帯電話や無線LAN(Local Area Network)などのアクセスメディアシステムを使う通信において、異なるシステム間ではルータやスイッチ等のネットワーク構成あるいは装置の処理速度の違いによって、パケット伝送における遅延時間の変動量が異なるため、システムを切り替えるハンドオーバーの前後で送信端末から受信端末にパケットが到着するまでに掛かる時間が大きく揺らぐ。このようなパケット通信でのパケット到着時間の揺らぎ(ジッタ)は、通信品質を劣化させる一要因となる。 【0003】 また、同じ通信品質を持つアクセスメディアシステム間のハンドオーバーにおいても、ハンドオーバーの処理時間中にアクセスメディアシステム内でバッファリングされたパケットについては、送信端末から受信端末にパケットが到着するまでに掛かる時間が大きく揺らぐ。このようなジッタによっても、通信品質の劣化が生じる。 【0004】 従来、こうしたジッタへの対策として、受信端末にジッタを吸収させるためのバッファ(以下、ジッタバッファと言う)を設けることが行われている。受信端末は、過去の一定期間に受信したパケットから当該期間におけるジッタ量を算出し、このジッタ量に基づいてジッタバッファからのパケット出力速度を制御することにより、ジッタバッファのパケット蓄積量を調整する。ジッタバッファから一定周期で読み出された受信パケットは、音声アプリケーションなどに渡されて、再生が行われる(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2006−50488号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記従来のジッタ対策にかかる技術では、単一のアクセスメディアシステムにおける連続したジッタの変化に基づいて調整が行われるだけである。そのため、現在利用しているアクセスメディアシステムと通信品質が大きく異なるアクセスメディアシステムへハンドオーバーが行われた場合や、同じ通信品質を持つアクセスメディアシステム間でのハンドオーバーであっても、アクセスメディアシステム内でバッファリングが発生する場合には、ジッタバッファでジッタを吸収しきれず、アプリケーションの実行に影響を及ぼしてしまうという問題がある。 【0006】 例えば、ジッタの少ない良好な通信品質のアクセスメディアシステムを利用した通信では、過去の一定期間に受信したパケットから算出したジッタ量は非常に少なく、これに応じてジッタバッファの蓄積量も非常に少なくなっている。この状態で予告無くジッタの多いアクセスメディアシステムへハンドオーバーを行うと、受信端末へのパケットの到達時間が遅くなるため、ジッタバッファ内のパケットが枯渇してしまう場合がある。そしてその結果、音声通信では再生音の途切れが発生することになる。 【0007】 また同様に、ハンドオーバーにおいて予告無くアクセスメディアシステム内でパケットのバッファリングが行われると、受信端末へのパケットの到達時間が遅くなることによって、ジッタバッファ内のパケットが枯渇してしまう場合がある。そしてその結果、音声通信では再生音の途切れが発生することになる。 【0008】 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハンドオーバーを行う際にハンドオーバーの状態に応じてパケットを適切に処理することが可能な通信端末装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段を備え、前記生成されたイベント情報に基づいて前記パケット網に送信するパケットの送信間隔を制御することを特徴とする。 【0010】 また、本発明は、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、パケットの受信順序が正順となっていない場合にそれらのパケットの順序を入れ替える順序入替補償用バッファと、当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段とを備え、前記生成されたイベント情報に基づいて前記順序入替補償用バッファのバッファ長を制御することを特徴とする。 【0011】 また、本発明は、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、送信する音声データを符号化する手段と、当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段とを備え、前記生成されたイベント情報に基づいて前記符号化の処理における符号化レートまたは符号化アルゴリズムの少なくとも一方を制御することを特徴とする。 【0012】 また、本発明は、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、受信したパケットを一時的に蓄積するジッタバッファと、前記ジッタバッファの枯渇によるパケットのロスを補償する手段と、当該通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際に該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を生成する手段とを備え、前記生成されたイベント情報に基づいて前記パケットロス補償の処理における補償強度または補償アルゴリズムの少なくとも一方を制御することを特徴とする。 【0013】 また、本発明は、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段を備え、前記受信したイベント情報に基づいて前記パケット網に送信するパケットの送信間隔を制御することを特徴とする。 【0014】 また、本発明は、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、パケットの受信順序が正順となっていない場合にそれらのパケットの順序を入れ替える順序入替補償用バッファと、当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段とを備え、前記受信したイベント情報に基づいて前記順序入替補償用バッファのバッファ長を制御することを特徴とする。 【0015】 また、本発明は、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、送信する音声データを符号化する手段と、当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段とを備え、前記受信したイベント情報に基づいて前記符号化の処理における符号化レートまたは符号化アルゴリズムの少なくとも一方を制御することを特徴とする。 【0016】 また、本発明は、パケット網に接続してパケット通信を行う通信端末装置において、受信したパケットを一時的に蓄積するジッタバッファと、前記ジッタバッファの枯渇によるパケットのロスを補償する手段と、当該通信端末装置がパケット通信を行っている相手方通信端末装置が接続先のパケット網を切り替えるハンドオーバーの際、該ハンドオーバーの状態に関するイベント情報を前記相手方通信端末装置から受信する手段とを備え、前記受信したイベント情報に基づいて前記パケットロス補償の処理における補償強度または補償アルゴリズムの少なくとも一方を制御することを特徴とする。 【発明の効果】 【0017】 本発明によれば、イベント情報に基づいてパケットの送信間隔や、受信したパケットの順序入れ替え用のバッファのバッファ長や、送信する音声データの符号化処理の内容や、パケットロス補償の処理内容を制御しているので、ハンドオーバーの状態に応じた適切なパケット処理を行うことが可能である。そしてその結果、接続するアクセスメディアシステムの通信品質に応じた良好な通信を実現することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。ここでは、音声パケットを用いたパケット通信を行う音声会話通信システムを取り上げる。但し、本発明は音声パケットに限らず、画像パケットなどの各種のパケット通信にも適用可能である。本発明は、特にリアルタイム通信に用いて好適であり、例えばテレビ会議システムなどにも適用することができる。 【0019】 図1は、本発明の一実施形態による通信端末装置が利用される音声会話通信システムのネットワーク構成を概略的に示したものである。同図において、通信端末装置1aおよび1bはユーザが音声通話をするための端末であり、通信アプリケーション部2とOS/デバイスドライバ部3とを有している。OS/デバイスドライバ部3は、パケット通信の通信制御を担うものであり、例えば携帯電話や無線LANなど各種の通信方式に対応させることができる。通信端末装置1aは、移動パケット網100を構成する各移動パケット網#1〜#Nと無線のアクセスメディアにより接続可能である。移動パケット網#1〜#Nは、それぞれ固有の特性(通信品質)を持っており、それらは互いに異なっていても同一でもよい。通信端末装置1bは、固定パケット網200に接続されている。なお、固定パケット網200に代えて移動パケット網であってもよい。 【0020】 通信端末装置1aと1bは、移動パケット網100および固定パケット網200を介して相互に音声パケットを送受する。音声パケットには、音声データが格納されている。この音声パケットを用いたパケット通信により、通信端末装置1aと1b間において音声通話が可能となっている。 【0021】 図2は、通信端末装置1(以下、1aと1bを特に区別しないときはこのように記載する)の構成を示す機能ブロック図である。同図において、通信端末装置1は、音声パケット送信部12、音声符号化部13、音声パケット受信部14、順序入替補償部15a、順序入替補償バッファ15b、ジッタバッファ16、音声復号部17、パケットロス補償制御部18、メディア再生速度制御部19、イベント管理部20、バッファ閾値設定部21、ジッタバッファ制御部22(以上、通信アプリケーション部2に相当する)、移動パケット網100または固定パケット網200と接続するインタフェース機能を有する網接続インタフェース部11(OS/デバイスドライバ部3に相当する)、マイク23、スピーカ24を備えている。 【0022】 音声パケットの送信において、マイク23への入力音声は、アナログの音声信号として音声符号化部13に入力される。音声符号化部13は、イベント管理部20から通知されるイベント情報(詳細は後述する)およびバッファ閾値設定部21から通知されるジッタ量に従って、入力音声信号にデジタル化および符号化を施して音声パケット送信部12へと出力する。音声パケット送信部12は、イベント管理部20から通知されるイベント情報に従って、この符号化音声データをパケット化して網接続インタフェース部11へ出力する。そして、音声パケットが網接続インタフェース部11から移動パケット網100または固定パケット網200へと送信される。 【0023】 また、音声パケットの受信において、網接続インタフェース部11により受信された移動パケット網100または固定パケット網200からの音声パケットは、音声パケット受信部14に入力される。音声パケット受信部14は、受け取った音声パケットを順序入替補償部15a経由でジッタバッファ16に格納する。順序入替補償部15aでは、音声パケットの受信シーケンス番号が正順となっていない場合に、それらの音声パケットを順序入替補償バッファ15b(バッファ長はイベント管理部20から通知されるイベント情報に従う)に一旦格納することで、ハンドオーバーによって順序反転を起こしたデータの正順化処理が行われる。その結果、ジッタバッファ16には正順化後の音声パケットが格納されることになる。 【0024】 そして、音声復号部17は、ジッタバッファ16から出力される音声パケットに含まれる符号化音声データを復号し、さらにアナログ化してパケットロス補償制御部18へ出力する。パケットロス補償制御部18は、イベント管理部20から通知されるイベント情報およびバッファ閾値設定部21から通知されるジッタ量に従って、ジッタバッファの枯渇によるパケットのロスに対して補償を施した上で、補償されたデータをメディア再生速度制御部19へ出力する。メディア再生速度制御部19は、ジッタバッファ制御部22からの指示に基づいて、データ(音声データ)の再生速度を制御する。そして、スピーカ24によって音声信号が再生される。 【0025】 次に、ジッタバッファ16に設定される、音声パケットの蓄積量の閾値(ジッタバッファ閾値)について説明する。音声パケット受信部14では、音声パケットの受信時刻と当該音声パケットの受信シーケンス番号が逐次監視されており、これらの情報は音声パケット受信部14からバッファ閾値設定部21へ通知される。バッファ閾値設定部21は、通知されたこれらの情報(音声パケットの受信時刻と受信シーケンス番号)から通信端末装置1に到着するパケットに関するジッタの標準偏差(ジッタ量)を算出し、そのジッタ量に基づいてジッタバッファ閾値を決定する。 【0026】 ジッタバッファ閾値は、メディア再生速度制御部19における音声データの再生速度と、ジッタバッファ16のパケット出力速度(ジッタバッファ16からパケットを取り出す速度)を規定するためのものである。ジッタバッファ制御部22は、決定したジッタバッファ閾値をジッタバッファ16に設定するとともに、ジッタバッファ16に蓄積されるパケットの量を監視する。そして、パケットの蓄積量とジッタバッファ閾値との大小関係に応じて、メディア再生速度制御部19に対して音声データの再生速度を指示する。また、ジッタバッファ16のパケット出力速度も制御する。 【0027】 図3は、ジッタバッファ16に設定されたジッタバッファ閾値(再生開始閾値、高速再生閾値、低速再生閾値、最大バッファ閾値、再生停止閾値の5種類)を示した図である。但し、これらの閾値には次式の関係が成り立っているものとする。 最大バッファ閾値≧高速再生閾値≧再生開始閾値≧低速再生閾値≧再生停止閾値 【0028】 再生開始閾値は、音声データの再生停止の状態から再生開始(通常再生速度)の状態に遷移する時における、ジッタバッファ16のパケット蓄積量の閾値を定めている。すなわち、パケットの蓄積量がこの再生開始閾値を超えると、通常の再生速度で音声データの再生が開始される。 【0029】 高速再生閾値は、通常の再生速度の状態から高速再生の状態に遷移する時における、ジッタバッファ16のパケット蓄積量の閾値を定めている。すなわち、パケットの蓄積量がこの高速再生閾値を超えると、音声データの高速再生が開始される。高速再生の状態は、パケットの蓄積量が上記の再生開始閾値以下になるまで継続する。 【0030】 低速再生閾値は、通常の再生速度の状態から低速再生の状態に遷移する時における、ジッタバッファ16のパケット蓄積量の閾値を定めている。すなわち、パケットの蓄積量がこの低速再生閾値を下回ると、音声データの低速再生が開始される。低速再生の状態は、パケットの蓄積量が上記の再生開始閾値以上になるまで継続する。 【0031】 最大バッファ閾値は、ジッタバッファ16に格納可能な最大のパケット量を定めたものである。パケットの蓄積量が最大バッファ閾値に達すると、ジッタバッファ16内のデータは破棄され、ジッタバッファ16が空の状態から再度パケットの蓄積が開始される。 【0032】 再生停止閾値は、通常再生の状態から再生停止の状態に遷移する時における、ジッタバッファ16のパケット蓄積量の閾値を定めている。すなわち、パケットの蓄積量がこの再生停止閾値を下回ると、音声データの再生が停止される。 【0033】 図4は、上記の各閾値に基づくメディア再生速度制御部19による制御の状態遷移を示したものである。 まず、ジッタバッファ16への音声パケットの蓄積が開始され、パケットの蓄積量が再生開始閾値に達するまでは、ジッタバッファ16はパケットを出力することなく蓄積を継続する。また、メディア再生速度制御部19は、再生停止の制御を行う(状態1)。 【0034】 上記再生停止の状態1において、パケットの蓄積量が再生開始閾値に達したことがジッタバッファ制御部22により検知されると、ジッタバッファ制御部22はジッタバッファ16にパケットの出力を開始させる。また、メディア再生速度制御部19は、ジッタバッファ制御部22から指示を受け、音声データの再生速度を通常再生速度に制御する(状態1→状態2)。これにより、音声の再生が開始され通常速度で再生が行われる。なお、ジッタバッファ16のパケット出力速度は、音声の再生速度と同期するようにする(以下に述べるステップも同様)。 【0035】 通常再生の状態2において、パケットの蓄積量が高速再生閾値にまで増加したことを検知すると、ジッタバッファ制御部22は、ジッタバッファ16のパケット出力速度を増加させ、またメディア再生速度制御部19に音声データの再生速度を高速再生速度に変更させる(状態2→状態3)。これにより、音声の高速再生が行われて、ジッタバッファ16のパケット蓄積量がどんどん増え続けるという状況が回避される。 【0036】 高速再生の状態3において、パケットの蓄積量が高速再生閾値を下回ったことが検知されると、ジッタバッファ制御部22は、ジッタバッファ16のパケット出力速度を元に戻し、またメディア再生速度制御部19に音声データの再生速度を通常再生速度に変更させる(状態3→状態2)。 【0037】 また、通常再生の状態2において、パケットの蓄積量が低速再生閾値にまで減少したことを検知すると、ジッタバッファ制御部22は、ジッタバッファ16のパケット出力速度を低下させ、またメディア再生速度制御部19に音声データの再生速度を低速再生速度に変更させる(状態2→状態4)。これにより、音声の低速再生が行われる。そして、ジッタバッファ16のパケット蓄積量が減り続けることによりパケットが枯渇してしまい、再生音声が途切れてしまうという状況が回避される。 【0038】 低速再生の状態4において、パケットの蓄積量が低速再生閾値を上回ったことが検知されると、ジッタバッファ制御部22は、ジッタバッファ16のパケット出力速度を元に戻し、またメディア再生速度制御部19に音声データの再生速度を通常再生速度に変更させる(状態4→状態2)。 【0039】 また、低速再生の状態4において、パケットの蓄積量がさらに減少して再生停止閾値にまで達したことが検知されると、ジッタバッファ制御部22はジッタバッファ16にパケットの出力を停止させる。また、メディア再生速度制御部19は、ジッタバッファ制御部22から指示を受け、音声データの再生停止の制御を行う(状態4→状態1)。 【0040】 図5〜図7は、メディア再生速度制御部19によって制御される音声データの再生速度の設定例を示している。 【0041】 図5の例において、パケット蓄積量が高速再生閾値を超えた場合に適用される高速再生速度は、蓄積量によらず一定値に設定される。また、パケット蓄積量が低速再生閾値を下回った場合に適用される低速再生速度は、蓄積量によらず一定値に設定される。この設定例では、再生速度hは(1)式により表される。但し、nは通常再生での再生速度、kは定数(高速再生では正の値、低速再生では負の値)である。 h=n+k ・・・(1) 【0042】 図6の例において、パケット蓄積量が高速再生閾値を超えた場合に適用される高速再生速度は、蓄積量の増加分に比例して再生速度も増加する。また、パケット蓄積量が低速再生閾値を下回った場合に適用される低速再生速度は、蓄積量の減少分に比例して再生速度も減少する。この設定例では、再生速度hは(2)式により表される。但し、dは各閾値からのパケット蓄積量の変化量(絶対値)、aは速度変更係数(高速再生では正の値、低速再生では負の値)である。 h=n+ad ・・・(2) 【0043】 図7の例において、パケット蓄積量が高速再生閾値を超えた場合に適用される高速再生速度は、蓄積量の増加分の2乗に比例して再生速度も増加する。また、パケット蓄積量が低速再生閾値を下回った場合に適用される低速再生速度は、蓄積量の減少分の2乗に比例して再生速度も減少する。この設定例では、再生速度hは(3)式により表される。 h=n+ad2 ・・・(3) 【0044】 なお、上記の設定例に従って音声データの再生速度を変更する際は、単純に再生速度だけを変更する方法でもよいし、再生される音声のピッチ(音程)が一定に保たれるようにして再生速度を変更する方法でもよい。 【0045】 次に、イベント管理部20によって管理されるイベント情報とそのイベント情報に基づく通信端末装置1の制御について説明する。 網接続インタフェース部11(OS/デバイスドライバ部3)は、通信端末装置1aや1bのハンドオーバーの状態に関係する情報であるイベント情報をイベント管理部20に通知する機能を備えている。通信端末装置1は、このイベント情報を利用して、音声データの送信や受信、再生などの処理の制御を可能としている。 【0046】 ここで、イベント情報として具体的には、例えば通信端末装置1が現在利用しているアクセスメディアシステム(移動パケット網#1〜#Nなど)を示す情報や、ハンドオーバーの候補先のアクセスメディアにハンドオーバーを開始することを示す情報や、ネットワーク内の所定のサーバで認証等が成功したことを示す情報や、ハンドオーバーの候補先のアクセスメディアにハンドオーバーが完了したことを示す情報や、ハンドオーバー元のアクセスメディアシステムの設備リソースを開放したことを示す情報や、ハンドオーバーの処理が何らかの理由で中止されたことを示す情報などがある。 【0047】 イベント情報は、次の2つの場合に網接続インタフェース部11からイベント管理部20へ通知される。まず、自端末(通信端末装置1aとする)のハンドオーバーにかかる処理、動作によってOS/デバイスドライバ部3がイベント情報を生成した場合である。また、通信相手方の端末(通信端末装置1bとする)がハンドオーバーを行い、当該端末内で生成されたイベント情報が所定の方法で自端末へ送信されてこれを取得した場合にも、自端末のイベント管理部20へ通知が行われる。後者の場合、相手方端末から自端末へのイベント情報の送信は、例えば相手方端末においてRTP(Real-time Transport Protocol)等のパケットのヘッダ部に所定のイベント情報を記述して、このパケットが自端末へ送信されることによって実現される。 【0048】 イベント管理部20は、網接続インタフェース部11からイベント情報の通知を受けると、そのイベント情報の種別を識別した上で、音声パケット送信部12と、順序入替補償部15aと、音声符号化部13と、パケットロス補償制御部18と、バッファ閾値設定部21に対して受信時刻順にイベント情報を出力する。上記各部は、このイベント情報を取得して、以下に示すような制御を実行する。 【0049】 音声パケット送信部12では、イベント情報が入力されると、当該イベント情報に基づいて、パケットを送信する際の送信間隔を制御する。図8に送信間隔の制御例を示す。この図に示す情報は、図2には表示していない所定のメモリ部に記憶されており、音声パケット送信部12によって制御の際に参照される。同図において、例えばイベント情報が「網1への切り替え試行(網2無し)」であった場合は、音声パケット送信部12は送信間隔を「送信間隔1」に設定する。具体的に送信間隔1〜6としては、例えば転送速度が速い網から遅い網への切り替え試行イベントの場合は送信間隔が大きくなるような値、逆に転送速度が遅い網から速い網への切り替え試行イベントの場合は送信間隔が小さくなるような値となっている。但し、値が同じの送信間隔が含まれていてもよい。なお、ここで「網」とは図1における移動パケット網#1〜#Nのいずれかを指すものとする。 【0050】 音声パケット送信部12はまた、符号化音声データのパケット化処理において、自端末が現在接続しているアクセスメディアシステムの情報等を、相手方端末へ通知するためのイベント情報としてRTPヘッダなどに付与する。これにより構成されたパケットは相手方端末へ送信されて、当該パケットに含まれるイベント情報が相手方端末のイベント管理部20により利用されることになる。なお、イベント情報を付与する対象としては、RTPヘッダのほか、UDP(User Datagram Protocol)やTCP(Transmission Control Protocol)のペイロード等も用いることができる。 【0051】 順序入替補償部15aでは、イベント情報が入力されると、当該イベント情報に基づいて、順序入替補償バッファ15bのバッファ長を制御する。図9にバッファ長の制御例を示す。この図に示す情報は、図2には表示していない所定のメモリ部に記憶されており、順序入替補償部15aによって制御の際に参照される。同図において、例えばイベント情報が「網1への切り替え試行(網2無し)」であった場合は、順序入替補償部15aはバッファ長を「バッファ長1」に設定する。具体的にバッファ長1〜6としては、例えば転送速度が速い網から遅い網への切り替え試行イベントの場合はバッファ長が大きくなるような値、逆に転送速度が遅い網から速い網への切り替え試行イベントの場合はバッファ長が小さくなるような値となっている。但し、値が同じのバッファ長が含まれていてもよい。 【0052】 音声符号化部13には、イベント管理部20からのイベント情報に加えて、バッファ閾値設定部21から前述したジッタの標準偏差(ジッタ量)の情報が入力される。音声符号化部13は、これらの情報に基づいて、音声符号化の処理における音声符号化レートと音声符号化アルゴリズムを制御する。なお、音声符号化レートと音声符号化アルゴリズムのどちらか一方だけを制御するようにしてもよい。 【0053】 図10に音声符号化の制御例を示す。この図に示す情報は、図2には表示していない所定のメモリ部に記憶されており、音声符号化部13によって制御の際に参照される。同図において、例えばイベント情報が「網1への切り替え試行(網2無し)」でありかつジッタの情報が「ジッタ標準偏差1」であった場合は、「符号化レート1」および「アルゴリズム1」に設定される。具体的には、例えば転送速度が速い網から遅い網への切り替え試行イベントであってジッタ標準偏差が大きい場合は、音声符号化レートは値が小さいものが選ばれ、また音声符号化アルゴリズムは転送レートの小さくなるものが選ばれる。逆に、転送速度が遅い網から速い網への切り替え試行イベントであってジッタ標準偏差が小さい場合は、音声符号化レートは値が大きいものが選ばれ、また音声符号化アルゴリズムは転送レートの大きくなるものが選ばれる。但し、図9には値が同じの符号化レートや同一の符号化アルゴリズムが含まれていてもよい。 【0054】 パケットロス補償制御部18には、イベント管理部20からのイベント情報に加えて、バッファ閾値設定部21から前述したジッタの標準偏差(ジッタ量)の情報が入力される。パケットロス補償制御部18は、これらの情報に基づいて、ロスしたパケットに対する補償処理における補償強度とロス補償アルゴリズムを制御する。ここで、ロス補償の強度とは、補償処理の対象とする同時ロスパケット数である。また、ロス補償アルゴリズムとはロスしたパケットを補償するアルゴリズムであり、例えば、過去に受信した音声パケットの情報のみから音声特徴量を抽出して、ロス区間(ロスしたパケット)の補完を行う、受信装置側で単独で処理を実行するアルゴリズムや、ロスの検出と補完を行うための音声データ以外の情報を予め送信装置側でパケットに付与する、送信装置と受信装置の機能を用いるアルゴリズムなどが含まれる。なお、ロス補償強度とロス補償アルゴリズムのどちらか一方だけを制御するようにしてもよい。 【0055】 図11にパケットロス補償の制御例を示す。この図に示す情報は、図2には表示していない所定のメモリ部に記憶されており、パケットロス補償制御部18によって制御の際に参照される。同図において、例えばイベント情報が「網1への切り替え試行(網2無し)」でありかつジッタの情報が「ジッタ標準偏差1」であった場合は、「ロス補償強度1」および「アルゴリズム1」に設定される。具体的には、例えば転送速度が速い網から遅い網への切り替え試行イベントであってジッタ標準偏差が大きい場合は、ロス補償強度は強度が高いものが選ばれ、またロス補償アルゴリズムはロス耐性の高いものが選ばれる。逆に、転送速度が遅い網から速い網への切り替え試行イベントであってジッタ標準偏差が小さい場合は、ロス補償強度は強度が低いものが選ばれ、またロス補償アルゴリズムはロス耐性の低いものが選ばれる。但し、図10には値が同じのロス補償強度や同一のロス補償アルゴリズムが含まれていてもよい。 【0056】 バッファ閾値設定部21では、イベント情報が入力されると、当該イベント情報に基づいて、前述したジッタバッファ閾値(但し、前述した5つの閾値のうち再生開始閾値、高速再生閾値、低速再生閾値、再生停止閾値の4つのみとする)の補正を行う。補正は、ハンドオーバーの切り替え候補が通知されると開始され、ハンドオーバー処理がキャンセルまたはハンドオーバーが完了するまで継続して実行される。閾値の補正量は、例えばイベント情報の種別や、ハンドオーバーの遷移状態(開始、途中、完了等)や、切り替え先あるいは切り替え元のアクセスメディアシステムの種類や、他の切り替え先候補の有無や、補正対象の閾値(上記4つ)などに応じて適宜設定される(図12参照)。なお、自端末で生成されたイベント情報に基づきジッタバッファ閾値の補正を実行している間に、相手方端末からもイベント情報が通知された場合は、さらにジッタバッファ閾値を当該通知されたイベント情報に従って補正する(補正が加算される)。 【0057】 ここで、上記閾値の補正には、補正量がゼロ、すなわちイベント情報が入力された時にジッタバッファ閾値を予め設定された固定値に一定時間維持する場合が含まれるものとする。このような制御を行った場合には、ハンドオーバーの際に非常に大きくパケットの到着時間が遅れたとしても、それをジッタと認識してジッタバッファ閾値を必要以上に(ハンドオーバー前後のアクセスメディアの特性から想定される以上に)大きな値に保持してしまうことが生じなくなる。その結果、メディア再生速度制御部19における再生遅延が予期せず増大してしまうことを防止することができる。 【0058】 図12は、ジッタバッファ閾値の補正例を示したものである。この図に示す情報は、図2には表示していない所定のメモリ部に記憶されており、バッファ閾値設定部21によって補正の際に参照される。同図において、例えば設定値「パラメータ1」は、イベント情報が「網1への切り替え試行(網2無し)」である場合に設定される補正量である。但し、図12には同じ値の補正量が含まれていてもよい。 【0059】 図13は、上記補正されたジッタバッファ閾値に基づく、メディア再生速度制御部19による再生速度の補正の例(図5等に対応する図)を示したものである。具体的には、例えば転送速度が速い網から遅い網への切り替え試行イベントの場合の補正として、正の値の補正量を設定して各ジッタバッファ閾値を変更した様子を示している。同図の再生速度制御において、各ジッタバッファ閾値が補正により増加することになるので、ハンドオーバー後(遅い網)では、例えば停止状態におけるジッタバッファ16へのパケット蓄積量がハンドオーバー前(速い網)よりも大きくならないと再生が開始されない。また、再生状態において、ジッタバッファ16のパケット蓄積量が減少しつつあるとき、ジッタバッファ閾値が増加しているので低速再生や再生停止への切り替えがハンドオーバー後ではハンドオーバー前よりも早く行われるようになる。こうした制御によって、ジッタバッファ16でパケットの枯渇が起きにくくなっている。なお、補正量は各ジッタバッファ閾値でそれぞれ異なっていてもよいし、全ての閾値を一律に変更してもよい。 【0060】 図14は、ジッタバッファ閾値の他の補正例を示したものである。ここでは、補正量ではなく、補正後のジッタバッファ閾値の値そのものを「値1」〜「値30」として示している。補正するジッタバッファ閾値は、a)再生開始閾値、b)高速再生閾値、c)低速再生閾値、d)最大バッファ閾値、e)再生停止閾値である。同図において、例えばアクセスメディア「網1」については、ジッタ量GがG<ジッタ量1の場合、再生開始閾値は「値1」に設定される。また、G≧ジッタ量1の場合は、「値2」とジッタ量Gとから所定の計算式を用いて算出した値を再生開始閾値に設定する。計算式の一例として、例えば次式を適用する。 再生開始閾値 = 値2 × ジッタ量G / 20 この計算式によれば、ジッタ量が大きいほど再生開始閾値は大きくなり、ジッタバッファ16の枯渇を効果的に回避することが可能である。 【0061】 次に、図15に示すフローチャートを参照して、通信端末装置1における、音声パケット受信部14によるパケットの受信から音声復号部17による復号までの処理について説明する。 順序入替補償部15aは、ジッタバッファ16へ出力した最終データのRTPシーケンス番号(以下、最終出力番号という)を管理しており、フローの最初の実行時に最終出力番号を「0」とする初期化を行う(ステップS1→ステップS2)。パケットの処理の途中すなわち2回目以降の実行の際は、初期化を行うことなくステップS3へ進む。順序入替補償部15aは、音声パケット受信部14から受信データを受け取ると、当該受信データのRTPシーケンス番号(以下、受信番号という)と最終出力番号との比較を行う(ステップS3)。 【0062】 この比較において、 受信番号 = 最終出力番号 + 1 である場合は、受信データは正順で受信されていることになるので、順序入替補償部15aは当該受信データを直ちにジッタバッファ16に出力し、最終出力番号を更新(インクリメント)する(ステップS6)。また、 受信番号 ≦ 最終出力番号 である場合は、その受信データはすでに受信済みのデータであるので、順序入替補償部15aは当該受信データを破棄する(ステップS9)。 【0063】 また、 受信番号 > 最終出力番号 + 1 である場合は、当該受信データより前に再生されるべきデータがまだ受信されていないことになるので、そのデータの到着を待つため、当該受信データを順序入替補償バッファ15bに一時的に格納する(ステップS4)。この時、順序入替補償バッファ15bには先頭から受信番号が小さい順にデータが格納される。ここで、順序入替補償バッファ15bには、イベント管理部20から通知されるイベント情報に基づいて、蓄積可能な最大バッファ数が動的に設定されている。順序入替補償部15aは、現在のバッファ数と最大バッファ数とを比較する(ステップS5)。 【0064】 そして、バッファ数が最大バッファ数に達していなければ、当該受信データについての処理は終了する。その後、次の受信データを受け取ったら、当該次の受信データについて再び図15のフローを実行する。一方、バッファ数が最大バッファ数に達している場合には、順序入替補償部15aは順序入替補償バッファ15bに正しい順序で格納された先頭のデータをジッタバッファ16に出力して、最終出力番号を更新する(ステップS7)。 【0065】 ステップS6で受信データをジッタバッファ16に出力し、またはステップS7で順序入替補償バッファ15bの先頭のデータをジッタバッファ16に出力した後、さらに順序入替補償部15aは、順序入替補償バッファ15bの先頭データ(ステップS7実行後の場合はジッタバッファ16へ出力した後の先頭データ)のシーケンス番号(バッファ先頭番号)と最終出力番号との比較を行う(ステップS8)。そして、 バッファ先頭番号 = 最終出力番号 + 1 である場合は、順序入替補償バッファ15bの当該先頭データは次に再生すべきデータであるため、再びステップS7を実行して、当該先頭データを出力し最終出力番号を更新する。以下、ステップS7とステップS8を繰り返す。 【0066】 以上説明したように本実施形態によれば、イベント情報に基づいてパケットの送信間隔や、受信したパケットの順序入れ替え用のバッファのバッファ長や、送信する音声データの符号化処理の内容や、パケットロス補償の処理内容を制御することによって、ハンドオーバーの状態に応じた適切なパケット処理を行っている。これにより、ジッタバッファだけを備えた場合に比べて、ハンドオーバーの際にアプリケーションをより安定して実行させることができる。 【0067】 以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0068】 【図1】本発明の一実施形態による通信端末装置が利用される音声会話通信システムのネットワーク構成を概略的に示した図である。 【図2】図1の通信端末装置の構成を示す機能ブロック図である。 【図3】ジッタバッファに設定されたジッタバッファ閾値を示した図である。 【図4】図3の各閾値に基づいてメディア再生速度制御部が行う制御の状態遷移図である。 【図5】メディア再生速度制御部によって制御される音声データの再生速度の設定例である。 【図6】メディア再生速度制御部によって制御される音声データの再生速度の設定例である。 【図7】メディア再生速度制御部によって制御される音声データの再生速度の設定例である。 【図8】音声パケット送信部による送信間隔の制御例である。 【図9】順序入替補償部によるバッファ長の制御例である。 【図10】音声符号化部による音声符号化の制御例である。 【図11】パケットロス補償制御部によるパケットロス補償の制御例である。 【図12】ジッタバッファ閾値の補正例である。 【図13】補正されたジッタバッファ閾値に基づくメディア再生速度制御部による再生速度の補正の例である。 【図14】ジッタバッファ閾値の他の補正例である。 【図15】パケットの受信から復号までの処理について説明するフローチャートである。 【符号の説明】 【0069】 1(1a、1b)…通信端末装置 2…通信アプリケーション部 3…OS/デバイスドライバ部 11…網接続インタフェース部 12…音声パケット送信部 13…音声符号化部 14…音声パケット受信部 15a…順序入替補償部 15b…順序入替補償バッファ 16…ジッタバッファ 17…音声復号部 18…パケットロス補償制御部 19…メディア再生速度制御部 20…イベント管理部 21…バッファ閾値設定部 22…ジッタバッファ制御部 23…マイク 24…スピーカ 100…移動パケット網 200…固定パケット網
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000208891 【氏名又は名称】KDDI株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年6月26日(2006.6.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106909 【弁理士】 【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100089037 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 隆
|
| 【公開番号】 |
特開2008−5394(P2008−5394A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−175158(P2006−175158) |
|