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【発明の名称】 画像処理装置、パターン画像合成方法及びパターン画像合成プログラム
【発明者】 【氏名】神谷 潤一

【要約】 【課題】原点座標を中心に電子文書又はパターン画像の少なくとも一方を回転させたとしても電子文書がパターン画像で埋め尽くされる画像処理装置、パターン画像合成方法及びパターン画像合成プログラムを提供することを目的とする。

【構成】文書構造を座標で管理するフォーマットの電子文書502に、パターン画像503を合成する画像処理装置であって、電子文書502の範囲のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を算出し、距離の2倍の長さを一辺とする原点座標を中心とした正方形の範囲に描画されたパターン画像503をフォーマットに基づいて生成する電子文書生成手段と、電子文書生成手段により生成されたパターン画像503を電子文書502に合成する電子文書合成手段とを有することにより上記課題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書構造を座標で管理するフォーマットの電子文書に、パターン画像を合成する画像処理装置であって、
前記電子文書の範囲のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を算出し、前記距離の2倍の長さを一辺とする前記原点座標を中心とした正方形の範囲に描画されたパターン画像を前記フォーマットに基づいて生成する電子文書生成手段と、
前記電子文書生成手段により生成された前記パターン画像を前記電子文書に合成する電子文書合成手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
文書構造を座標で管理するフォーマットの電子文書に、パターン画像を合成する画像処理装置であって、
前記電子文書の範囲のX方向及びY方向のうち長い方の長さを一辺とする正方形の範囲に描画されたパターン画像を前記フォーマットに基づいて生成する電子文書生成手段と、
前記電子文書生成手段により生成された前記パターン画像を前記電子文書の座標に移動して前記電子文書に合成する電子文書合成手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記電子文書合成手段は、前記電子文書の文書構造を表すデータに、増分更新形式で前記電子文書生成手段により生成された前記パターン画像を合成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記電子文書を構成するページの用紙サイズ,回転角度及び前記パターン画像の回転角度の設定が前記電子文書に含まれていることを特徴とする請求項1乃至3何れか一項記載の画像処理装置。
【請求項5】
文書構造を座標で管理するフォーマットの電子文書に、パターン画像を合成する画像処理装置におけるパターン画像合成方法であって、
前記電子文書の範囲のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を算出し、前記距離の2倍の長さを一辺とする前記原点座標を中心とした正方形の範囲に描画されたパターン画像を前記フォーマットに基づいて生成する電子文書生成ステップと、
前記電子文書生成手段により生成された前記パターン画像を前記電子文書に合成する電子文書合成ステップと
を有することを特徴とするパターン画像合成方法。
【請求項6】
文書構造を座標で管理するフォーマットの電子文書に、パターン画像を合成する画像処理装置を、
前記電子文書の範囲のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を算出し、前記距離の2倍の長さを一辺とする前記原点座標を中心とした正方形の範囲に描画されたパターン画像を前記フォーマットに基づいて生成する電子文書生成手段と、
前記電子文書生成手段により生成された前記パターン画像を前記電子文書に合成する電子文書合成手段と
して機能させるためのパターン画像合成プログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、パターン画像合成方法及びパターン画像合成プログラムに係り、特に文書構造を座標で管理するフォーマットの電子文書に、パターン画像を合成する画像処理装置、パターン画像合成方法及びパターン画像合成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文書(ドキュメント)を扱うオフィス等では、情報流出に対するセキュリティ意識が年々高まってきている。例えば特許文献1には、文書に関するセキュリティポリシに基づき印刷を行うことが開示されている。
【0003】
また、従来の複合機(MFP)では、コピーすると浮き出す隠し文字列を原稿の背景に地紋として埋め込んで印刷することが行われている。地紋は、隠し文字列(コピー後に残る部分)を大きなドット、模様(コピー後に消える部分)を小さなドットで濃度を均一に描画して印刷するものである。
【0004】
また、近年、文書を扱うオフィス等では、PDF(Portable Document Format)等のフォーマットの電子文書を配布することが良く行われている。従来の複合機には、電子文書に地紋を合成して印刷できるものもあった。
【特許文献1】特開2004−152263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、PDF等のフォーマットの電子文書では、電子文書及び地紋の文書構造を別々に座標で管理している。また、PDF等のフォーマットの電子文書では、原点座標を中心として電子文書及び地紋を回転させることができる。
【0006】
例えば電子文書又は地紋の少なくとも一方を回転させた場合、電子文書の座標と地紋の座標とがずれてしまい、電子文書に地紋を上手く合成できなくなり、電子文書は地紋で埋め尽くされなくなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、原点座標を中心に電子文書又はパターン画像の少なくとも一方を回転させたとしても電子文書がパターン画像で埋め尽くされる画像処理装置、パターン画像合成方法及びパターン画像合成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、文書構造を座標で管理するフォーマットの電子文書に、パターン画像を合成する画像処理装置であって、前記電子文書の範囲のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を算出し、前記距離の2倍の長さを一辺とする前記原点座標を中心とした正方形の範囲に描画されたパターン画像を前記フォーマットに基づいて生成する電子文書生成手段と、前記電子文書生成手段により生成された前記パターン画像を前記電子文書に合成する電子文書合成手段とを有することを特徴とする。
【0009】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原点座標を中心に電子文書又はパターン画像の少なくとも一方を回転させたとしても電子文書がパターン画像で埋め尽くされる画像処理装置、パターン画像合成方法及びパターン画像合成プログラムを提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では画像処理装置の一例として融合機を例に説明しているが、画像形成に係る処理を行う如何なる装置,機器であってもよい。また、文書構造を座標で管理するフォーマットの一例としてPDFを例に説明するが、その他のフォーマットであってもよい。
【0012】
図1は、本発明の実施例に該当する融合機101を表す。図1の融合機101は、種々のハードウェア111と、種々のソフトウェア112と、融合機起動部113により構成される。
【0013】
融合機101のハードウェア111としては、撮像部121と、印刷部122と、その他のハードウェア123が存在する。撮像部121は、読取原稿から画像(画像データ)を読み取るためのハードウェアである。印刷部122は、画像(画像データ)を印刷用紙に印刷するためのハードウェアである。
【0014】
融合機101のソフトウェア112としては、種々のアプリケーション131と、種々のプラットフォーム132が存在する。これらのプログラムは、UNIX(登録商標)等のOS(オペレーティングシステム)によりプロセス単位で並列的に実行される。
【0015】
アプリケーション131としては、コピー用のアプリケーションであるコピーアプリ141、プリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ142、スキャナ用のアプリケーションであるスキャナアプリ143、ファクシミリ用のアプリケーションであるファクシミリアプリ144、ネットワークファイル用のアプリケーションであるネットワークファイルアプリ145が存在する。
【0016】
アプリケーション131は、専用のSDK(ソフトウェア開発キット)を使用して開発することができる。SDKを使用して開発したアプリケーション131をSDKアプリと呼ぶ。専用のSDKとしては、C言語でアプリケーション131を開発するための「CSDK」や、Java(登録商標)言語でアプリケーション131を開発するための「JSDK」が提供される。CSDKを使用して開発したアプリケーション131を「CSDKアプリ」と呼び、JSDKを使用して開発したアプリケーション131を「JSDKアプリ」と呼ぶ。図1の融合機101にも、CSDKアプリ146と、JSDKアプリ147が存在する。図1の融合機101にはさらに、Java(登録商標)言語で記述されたJSDKアプリ147とC言語で記述された他のソフトウェア112との仲介を行うソフトウェア112として、JSDKプラットフォーム148が存在する。
【0017】
プラットフォーム132としては、種々のコントロールサービス151、システムリソースマネージャ152、種々のハンドラ153が存在する。コントロールサービス151としては、ネットワークコントロールサービス(NCS)161、ファクシミリコントロールサービス(FCS)162、デリバリコントロールサービス(DCS)163、エンジンコントロールサービス(ECS)164、メモリコントロールサービス(MCS)165、オペレーションパネルコントロールサービス(OCS)166、サーティフィケーションコントロールサービス(CCS)167、ユーザディレクトリコントロールサービス(UCS)168、システムコントロールサービス(SCS)169が存在する。ハンドラ153としては、ファクシミリコントロールユニットハンドラ(FCUH)171、イメージメモリハンドラ(IMH)172が存在する。
【0018】
NCS161のプロセスは、ネットワーク通信の仲介を行う。FCS162のプロセスは、ファクシミリのAPIを提供する。DCS163のプロセスは、蓄積文書の配信処理に関する制御を行う。ECS164のプロセスは、撮像部121や印刷部122に関する制御を行う。MCS165のプロセスは、メモリやハードディスクドライブに関する制御を行う。OCS166のプロセスは、オペレーションパネルに関する制御を行う。CCS167のプロセスは、認証処理や課金処理に関する制御を行う。UCS168のプロセスは、ユーザ情報の管理に関する制御を行う。SCS169のプロセスは、システムの管理に関する制御を行う。
【0019】
アプリケーション131とプラットフォーム132の仲介を行うソフトウェア112として、仮想アプリケーションサービス(VAS)135が存在する。VAS135は、アプリケーション131をクライアントとするサーバプロセスとして動作すると共に、プラットフォーム132をサーバとするクライアントプロセスとして動作する。VAS135は、アプリケーション131から見てプラットフォーム132を隠蔽するラッピング機能を備え、プラットフォーム132のバージョンアップに伴うバージョン差を吸収する役割等を担う。
【0020】
融合機起動部113は、融合機101の電源投入時に最初に実行される。これにより、UNIX(登録商標)等のOSが起動され、アプリケーション131やプラットフォーム132が起動される。これらのプログラムは、ハードディスクドライブやメモリカードに蓄積されており、ハードディスクドライブやメモリカードから再生されて、メモリに起動されることになる。
【0021】
図2は、図1の融合機101に係るハードウェア構成図である。融合機101のハードウェア111としては、コントローラ201と、オペレーションパネル202と、ファクシミリコントロールユニット(FCU)203と、撮像部121と、印刷部122が存在する。
【0022】
コントローラ201は、CPU211、ASIC212、NB221、SB222、MEM−P231、MEM−C232、HDD(ハードディスクドライブ)233、メモリカードスロット234、NIC(ネットワークインタフェースコントローラ)241、USBデバイス242、IEEE1394デバイス243、セントロニクスデバイス244により構成される。
【0023】
CPU211は、種々の情報処理用のICである。ASIC212は、種々の画像処理用のICである。NB221は、コントローラ201のノースブリッジである。SB222は、コントローラ201のサウスブリッジである。MEM−P231は、融合機101のシステムメモリである。MEM−C232は、融合機101のローカルメモリである。HDD233は、融合機101のストレージである。メモリカードスロット234は、メモリカード235をセットするためのスロットである。NIC241は、MACアドレスによるネットワーク通信用のコントローラである。USBデバイス242は、USB規格の接続端子を提供するためのデバイスである。IEEE1394デバイス243は、IEEE1394規格の接続端子を提供するためのデバイスである。セントロニクスデバイス244は、セントロニクス仕様の接続端子を提供するためのデバイスである。
【0024】
オペレーションパネル202は、オペレータが融合機101に入力を行うためのハードウェア(操作部)であると共に、オペレータが融合機101から出力を得るためのハードウェア(表示部)である。
【0025】
図3は、本発明に係る処理を行う該当箇所を表す。図3に示すように、JSDKアプリ147はライブラリ301を含んでいる。本発明に係る処理は、ライブラリ301に含まれるPDFライブラリが実行する。
【0026】
図4は、イメージのスキャンからPDF印刷までの処理を表した一例のシーケンス図である。図4のシーケンス図は、既に入力済みのPDFファイルに、スキャンしたイメージファイルを追加する処理を表している。
【0027】
ステップS1に進み、JSDKアプリ147は入力済みのPDFファイルをPDFライブラリ401に送信する。なお、入力済みのPDFファイルが無い場合は、ステップS1の処理が省略される。
【0028】
ステップS2に進み、JSDKアプリ147はスキャナアプリ143にスキャン開始を要求する。スキャナアプリ143はスキャンを開始する。ステップS3に進み、スキャナアプリ143はスキャン結果をJSDKアプリ147に送信する。
【0029】
ステップS4に進み、JSDKアプリ147はスキャン結果であるイメージファイルをPDFライブラリ401に送信する。また、ステップS5に進み、JSDKアプリ147はPDF生成命令をPDFライブラリ401に出す。
【0030】
PDFライブラリ401は、ステップS1で受信したPDFファイルの最終ページにステップS4で受信したイメージファイルを追加したPDFファイルを作成する。ステップS6に進み、PDFライブラリ401は、ステップS1で受信したPDFファイルの最終ページにステップS4で受信したイメージファイルを追加したPDFファイルを、JSDKアプリ147に送信する。
【0031】
ステップS7に進み、JSDKアプリ147はステップS6で受信したPDFファイルのPDF印刷をプリンタアプリ142に要求する。そしてプリンタアプリ142はステップS7で受信したPDFファイルを印刷する。
【0032】
図5はPDFファイルに地紋パターン画像を合成して出力するときのデータフロー図である。PDFライブラリ401はスキャンしたイメージファイル501から地紋パターン画像を合成する元PDFファイル502を生成する。なお、PDFライブラリ401は既に生成済みのPDFファイル502を受信して利用してもよい。
【0033】
PDFライブラリ401は元PDFファイル502に地紋パターン画像のPDFファイル503を合成したPDFファイル504を生成し、そのPDFファイル504を印刷又は画面表示により出力する。
【0034】
図6はPDFライブラリの内部構成及び処理手順を示す。図6のPDFライブラリ401はメインモジュール601,パーサー602,PDF生成モジュール603,地紋PDF生成モジュール604を含むように構成される。
【0035】
ステップS11に進み、JSDKアプリ147は入力済みのPDFファイルをPDFライブラリ401のメインモジュール601に送信する。なお、入力済みのPDFファイルが無い場合は、ステップS11の処理が省略される。
【0036】
ステップS12に進み、メインモジュール601はステップS11で受信したPDFファイルをパーサー602に送信する。パーサー602はステップS13に進み、PDFファイルのパーズ結果をメインモジュール601に送信する。
【0037】
ステップS14に進み、JSDKアプリ147はスキャン結果をメインモジュール601に送信する。地紋付きPDFを生成する場合、JSDKアプリ147はステップS15に進み、地紋関連設定をメインモジュール601に送信する。また、JSDKアプリ147はステップS16に進み、PDF生成命令をメインモジュール601に出す。
【0038】
ステップS17に進み、メインモジュール601はPDF生成モジュール603にPDF生成命令を出す。ステップS18に進み、PDF生成モジュール603は後述するPDFデータ構造を生成し、メインモジュール601に送信する。
【0039】
また、メインモジュール601は地紋付きPDFを生成する場合、ステップS19に進み、地紋PDF生成モジュール604に地紋つきPDF生成命令を出す。地紋PDF生成モジュール604は、ステップS20に進み、地紋PDF生成モジュール604は後述する地紋付きPDFデータ構造を生成し、メインモジュール601に送信する。ステップS21に進み、メインモジュール601は、地紋付きPDFをJSDKアプリ147に送信する。
【0040】
図7はPDFデータ構造を示している。また、図8は増分更新形式のPDFデータ構造を示している。図7に示すPDFデータ構造は、PDFヘッダ701,ボディ702,相互参照表703及びトレーラ704を含む。ボディ702は文書構造を表す。相互参照表703及びトレーラ704はボディ702を読み取るための情報を表す。図8に示すPDFデータ構造は、PDFヘッダ701,ボディ702,相互参照表703,トレーラ704,ボディ801,相互参照表802、トレーラ803を含む。
【0041】
図8のPDFデータ構造は、図7のPDFヘッダ701,ボディ702,相互参照表703,トレーラ704に、ボディ801,相互参照表802、トレーラ803を追加したものである。図8の増分更新形式のPDFデータ構造を利用すると、図8のPDFデータ構造からボディ801,相互参照表802、トレーラ803を削除することで、増分更新前のPDFデータに戻すことができる。
【0042】
図9はPDFライブラリの処理を示すフローチャートである。まず、PDFライブラリ401はステップS31に進み、入力されたPDFファイル(入力PDF)があるかを判定する。入力されたPDFファイルがあれば、PDFライブラリ401はステップS32に進み、PDFファイルの解析(パーズ)を行う。ステップS33に進み、PDFライブラリ401はパーズ結果に基づき、PDFデータ構造をメモリ上に構築する。
【0043】
図10はメモリ上に構築されたPDFデータ構造の基本イメージ図である。図10のPDFデータ構造は、文書カタログオブジェクト1001の下に、ページツリーオブジェクト1002,アウトライン構造オブジェクト1003,アーティクルスレッドオブジェクト1004,名前つき宛先オブジェクト1005,対話フォームオブジェクト1006が関連付けられる。
【0044】
また、図10のPDFデータ構造はページ管理等を行うページツリーオブジェクト1002の下に、ページ数分のページオブジェクト1007が関連付けられる。更に、ページオブジェクト1007はコンテントオブジェクト1008及び辞書オブジェクト1009が関連付けられている。
【0045】
コンテントオブジェクト1008には、各ページの中身(テキスト,画像など)が記録される。また、辞書オブジェクト1009には、各ページの用紙サイズや回転の有無が記録される。
【0046】
図9に戻り、入力されたPDFファイルが無ければ、PDFライブラリ401はステップS34に進み、0ページのPDFデータ構造をメモリ上に構築する。0ページのPDFデータ構造は、図10のPDFデータ構造のうち、ページオブジェクト1007,コンテントオブジェクト1008及び辞書オブジェクト1009が無いものとなる。
【0047】
ステップS33又はS34に続いてステップS35に進み、PDFライブラリ401はスキャン結果であるイメージファイルの追加があるかを判定する。イメージファイルの追加があれば、PDFライブラリ401はステップS36に進み、イメージファイルをPDF形式に変換する。言い換えれば、PDFライブラリ401はイメージファイルからPDFのページ構造であるページオブジェクト1007,コンテントオブジェクト1008及び辞書オブジェクト1009を作成する。
【0048】
そして、ステップS37に進み、PDFライブラリ401は、ステップS33又はステップS34でメモリ上に構築したPDFデータ構造に、ステップS36で作成したページ構造を増分更新形式で組み込む。ステップS36で作成したページ構造は、例えば図11に示すように最終ページとして組み込まれる。
【0049】
図11はメモリ上に構築されたPDFデータ構造にイメージファイルのページを追加したイメージ図である。図11のイメージ図は、図10のPDFデータ構造にイメージファイルのページ構造であるページオブジェクト1007a,コンテントオブジェクト1008a及び辞書オブジェクト1009aを組み込んだ例である。なお、イメージファイルの追加がなければ、PDFライブラリ401はステップS38に進み、何もしない。
【0050】
ステップS37又はS38に続いてステップS39に進み、PDFライブラリ401は地紋パターン画像を付加するかを判定する。地紋パターン画像を付加する場合、PDFライブラリ401はステップS40に進み、地紋パターン画像をPDF形式に変換する。言い換えれば、PDFライブラリ401はPDFのページ構造である地紋イメージデータオブジェクトを作成する。
【0051】
そして、ステップS41に進み、PDFライブラリ401は、メモリ上に構築したPDFデータ構造に、ステップS40で作成した地紋イメージデータオブジェクトを増分更新形式で組み込む。ステップS40で作成した地紋イメージデータオブジェクトは、例えば図12に示すようにページオブジェクト1007へ関連付けられる。
【0052】
図12はメモリ上に構築されたPDFデータ構造に地紋パターン画像を追加したときのイメージ図である。図12のイメージ図は図10のPDFデータ構造に地紋パターン画像のページ構造である地紋イメージデータオブジェクト1201を組み込んだ例である。地紋イメージデータオブジェクト1201は、ページオブジェクト1007と関連付けられている。なお、地紋パターン画像の抑制文字に関するデータはコンテントオブジェクト1008に記録される。
【0053】
ステップS41の処理のあと、又は地紋パターン画像を付加しないとステップS39で判定されたあと、PDFライブラリ401はステップS42に進み、メモリ上に構築したPDFデータ構造に基づいて、例えば地紋付きPDFファイルを印刷又は画面表示により出力する。
【0054】
なお、PDFライブラリ401は地紋パターン画像を付加するとき、抑制文字の描画範囲を以下のように決定する。ここでは、抑制文字として「No Printing」を利用する例を説明する。
【0055】
図13は、元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した一例のイメージ図である。図13では、元PDFファイルのページ範囲が原点から始まる例であり、抑制文字の回転角度が0度の場合を表している。
【0056】
図13中のページ範囲1301は回転角度が0度の場合を表している。ページ範囲1302は回転角度が90度の場合を表している。ページ範囲1303は回転角度が180度の場合を表している。ページ範囲1304は回転角度が270度の場合を表している。
【0057】
図13中、太線1305はページ範囲1301のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を表している。太線1306及び1307は、抑制文字の描画範囲の外縁を表している。なお、図13の例では、太線1306が抑制文字の描画範囲の最大X座標、太線1307が抑制文字の描画範囲の最大Y座標を表している。
【0058】
太線1305〜1307は、それぞれ同じ長さとなっている。太線1305〜1307を同じ長さとした場合、抑制文字の描画範囲は図13に示すように、ページ範囲1301のうち原点座標から最も離れた地点までの距離の2倍の長さを一辺とする、原点座標を中心とした正方形となる。
【0059】
図13のような抑制文字の描画範囲とすることで、元PDFファイルにどのような回転角度が指定されたとしても、例えばページ範囲1301〜1304のようにページ全体を抑制文字で埋め尽くすことができる。
【0060】
図14は、元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。図14は、図13に示した状態から抑制文字を45度回転した場合を表している。図13のような抑制文字の描画範囲とすることで、抑制文字にどのような回転角度が指定されたとしても、例えば図14のページ範囲1301〜1304のようにページ全体を抑制文字で埋め尽くすことができる。
【0061】
図15は元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。図15は元PDFファイルのページ範囲(メディアボックス)が原点を跨ぐ例であり、抑制文字の回転角度が0度の場合を表している。
【0062】
図15中のページ範囲1501は原点を跨ぐように存在する。太線1502はページ範囲1501のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を表している。太線1503及び1504は、抑制文字の描画範囲の外縁を表している。なお、図15の例では、太線1503が抑制文字の描画範囲の最大X座標、太線1504が抑制文字の描画範囲の最大Y座標を表している。
【0063】
太線1502〜1504は、それぞれ同じ長さとなっている。太線1502〜1504を同じ長さとした場合、抑制文字の描画範囲は図15に示すように、ページ範囲1501のうち原点座標から最も離れた地点までの距離の2倍の長さを一辺とする、原点座標を中心とした正方形となる。
【0064】
図15のような抑制文字の描画範囲とすることで、元PDFファイルにどのような回転角度が指定されたとしても、例えばページ範囲1501のようにページ全体を抑制文字で埋め尽くすことができる。
【0065】
図16は元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。図16は元PDFファイルのページ範囲(メディアボックス)が原点から離れている例であり、抑制文字の回転角度が0度の場合を表している。
【0066】
図16中のページ範囲1601は回転角度が0度の場合を表している。ページ範囲1602は回転角度が90度の場合を表している。ページ範囲1603は回転角度が180度の場合を表している。ページ範囲1604は回転角度が270度の場合を表している。
【0067】
太線1605はページ範囲1601のうち原点座標から最も離れた地点までの距離を表している。太線1606及び1607は、抑制文字の描画範囲の外縁を表している。図16の例では、太線1606が抑制文字の描画範囲の最大X座標、太線1607が抑制文字の描画範囲の最大Y座標を表している。
【0068】
太線1605〜1607は、それぞれ同じ長さとなっている。太線1605〜1607を同じ長さとした場合、抑制文字の描画範囲は図16に示すように、ページ範囲1601のうち原点座標から最も離れた地点までの距離の2倍の長さを一辺とする、原点座標を中心とした正方形となる。
【0069】
図16のような抑制文字の描画範囲とすることで、元PDFファイルにどのような回転角度が指定されたとしても、例えば例えばページ範囲1601〜1604のようにページ全体を抑制文字で埋め尽くすことができる。
【0070】
図9のステップS40で作成した地紋イメージデータオブジェクトは、例えば図17に示すようにページオブジェクト1007へ関連付けてもよい。
【0071】
図17はメモリ上に構築されたPDFデータ構造に地紋パターン画像を追加したときのイメージ図である。図17のイメージ図は図10のPDFデータ構造に地紋パターン画像のページ構造である地紋イメージデータオブジェクト1201及びフォームオブジェクト1701を組み込んだ例である。地紋イメージデータオブジェクト1201及びフォームオブジェクト1701は、ページオブジェクト1007と関連付けられている。
【0072】
なお、フォームの移動、回転に関する情報はコンテントオブジェクト1008に記録される。地紋パターン画像の抑制文字に関するデータはフォームオブジェクト1701に記録される。
【0073】
PDFライブラリ401は地紋パターン画像を付加するとき、抑制文字の描画範囲を以下のように決定してもよい。図18は、抑制文字の描画範囲を表した一例のイメージ図である。図18は、原点座標からフォーム1801の枠を作成し、そのフォーム1801内に抑制文字を描画する例である。フォーム1801の枠は正方形である。フォーム1801の枠の一辺の長さは、元PDFファイルのページ範囲のX方向,Y方向のうち長い方を採用する。
【0074】
図19は、元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。図18に示したフォーム1801は、元PDFファイルのページ範囲1901の座標上に移動される。
【0075】
フォーム1801の枠の一辺の長さは、元PDFファイルのページ範囲のX方向,Y方向のうち長い方を採用しているため、例えば図19のようにページ全体を抑制文字で埋め尽くすことができる。
【0076】
図20は元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。図20に示したフォーム1801は、元PDFファイルのページ範囲1901の座標上に移動される。
【0077】
フォーム1801の枠の一辺の長さは、元PDFファイルのページ範囲のX方向,Y方向のうち長い方を採用しているため、例えば図20のページ範囲2001ように図19のページ範囲1901を90度回転したとしても、ページ全体を抑制文字で埋め尽くすことができる。
【0078】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施例に該当する融合機を表す図である。
【図2】融合機に係るハードウェア構成図である。
【図3】本発明に係る処理を行う該当箇所を表す図である。
【図4】イメージのスキャンからPDF印刷までの処理を表した一例のシーケンス図である。
【図5】PDFファイルに地紋パターン画像を合成して出力するときのデータフロー図である。
【図6】PDFライブラリの内部構成及び処理手順を示す図である。
【図7】PDFデータ構造を示している図である。
【図8】増分更新形式のPDFデータ構造を示している図である。
【図9】PDFライブラリの処理を示すフローチャートである。
【図10】メモリ上に構築されたPDFデータ構造の基本イメージ図である。
【図11】メモリ上に構築されたPDFデータ構造にイメージファイルのページを追加したイメージ図である。
【図12】メモリ上に構築されたPDFデータ構造に地紋パターン画像を追加したときのイメージ図である。
【図13】元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した一例のイメージ図である。
【図14】元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。
【図15】元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。
【図16】元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。
【図17】メモリ上に構築されたPDFデータ構造に地紋パターン画像を追加したときのイメージ図である。
【図18】抑制文字の描画範囲を表した一例のイメージ図である。
【図19】元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。
【図20】元PDFファイルのページ範囲と抑制文字の描画範囲との関係を表した他の例のイメージ図である。
【符号の説明】
【0080】
101 融合機
142 プリンタアプリ
143 スキャナアプリ
147 JSDKアプリ
301 ライブラリ
401 PDFライブラリ
501 イメージファイル
502 元PDFファイル
503 地紋パターン画像のPDFファイル
504 地紋付きPDFファイル
601 メインモジュール
602 パーサー
603 PDF生成モジュール
604 地紋PDF生成モジュール
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦


【公開番号】 特開2008−72671(P2008−72671A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251908(P2006−251908)