| 【発明の名称】 |
印刷装置に対する色調整 |
| 【発明者】 |
【氏名】大澤 道直
【氏名】大野 典
【氏名】土井 崇
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| 【要約】 |
【課題】キャリブレーションとカラーマッチングの効率を向上させる。
【構成】キャリブレーション手段が印刷装置による再現色を所定の標準色に合致させるためのキャリブレーションを行う。カラーマッチング手段は、キャリブレーションが行われたことを条件として、印刷装置による再現色を所望のターゲット色に合致させるカラーマッチングを行う。すなわち、カラーマッチングを行うための条件として、キャリブレーションが行うことが必要とされる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 印刷装置が画像データに応じて記録媒体上に再現する色を調整する色調整システムにおいて、 上記印刷装置による再現色を所定の標準色に合致させるためのキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、 上記キャリブレーションが行われたことを条件に、上記印刷装置による再現色を所望のターゲット色に合致させるカラーマッチングを行うカラーマッチング手段とを具備することを特徴とする色調整システム。 【請求項2】 上記カラーマッチング手段は、 所定の色空間とインク量空間との空間対応関係を規定した第1インク量プロファイルを使用して、色空間全体を網羅する複数の色のパッチを上記印刷装置によって印刷し、その測色結果に基づいて上記第1インク量プロファイルを調整するとともに、 上記キャリブレーション手段は、 各インク量ごとの補正量を規定した第2インク量プロファイルを使用して、インク量空間において各インクのインク量を独立して変動させた複数の色のパッチを上記印刷装置によって印刷し、その測色結果に基づいて上記第2インク量プロファイルを調整することを特徴とする請求項2に記載の色調整システム。 【請求項3】 ある印刷装置において上記キャリブレーションと上記カラーマッチングを行うことにより上記カラーマッチング手段が調整したプロファイルの調整データが作成されている場合であって、他の印刷装置において上記キャリブレーションが行われている場合に、 当該調整データを当該他の印刷装置において使用可能とすることを特徴とする請求項1に記載の色調整システム。 【請求項4】 ある印刷装置において上記キャリブレーションと上記カラーマッチングを行うことにより上記カラーマッチング手段が調整したプロファイルの調整データが作成されている場合であって、再度の上記キャリブレーションが行われた場合に、 当該調整データを当該印刷装置において使用可能とすることを特徴とする請求項1に記載の色調整システム。 【請求項5】 印刷装置が画像データに応じて記録媒体上に再現する色を調整する色調整方法において、 上記印刷装置による再現色を所定の標準色に合致させるためのキャリブレーションを行うキャリブレーションと、 上記印刷装置による再現色を所定の標準色に合致させるためのキャリブレーションを行ったことを条件として、上記印刷装置による再現色を所望のターゲット色に合致させるカラーマッチングと、を行うことを特徴とする色調整方法。 【請求項6】 印刷装置が画像データに応じて記録媒体上に再現する色を調整する機能をコンピュータに実行させる色調整プログラムにおいて、 上記印刷装置による再現色を所定の標準色に合致させるためのキャリブレーションを行うキャリブレーション機能と、 上記キャリブレーションが行われた場合に、上記印刷装置による再現色を所望のターゲット色に合致させるカラーマッチングを行うカラーマッチング機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする色調整プログラム。 【請求項7】 1の印刷装置を含む複数の印刷装置を備え、第1の画像データを所定の色空間における第2の画像データに変換する第1の処理手段と、上記第2の画像データを上記1の印刷装置で印刷することができる第3の画像データに変換する第2の処理手段を具備し、所望のターゲットと略同一の印刷結果を得るための印刷制御システムであって、 上記1の印刷装置以外の印刷装置と略同一の印刷結果を得られるように上記1の印刷装置に対して上記第2の処理手段を調整するキャリブレーションを行うキャリブレーション手段と、 上記キャリブレーション手段により上記第2の処理手段が調整されていることを条件として、所望のターゲットと略同一の印刷結果を得られるように上記1の印刷装置に対して上記第1の処理手段を調整するカラーマッチングを行うカラーマッチング手段とを具備することを特徴とする印刷制御システム。 【請求項8】 上記キャリブレーション手段は、 上記第2の画像データを変換して得られた上記第3の画像データに基づき上記1の印刷装置が印刷した結果と、所定の印刷装置で同一の上記第2の画像データを変換して得られた上記第3の画像データに基づき印刷した結果と略同一の印刷結果が得られるように、調整を行い、 上記カラーマッチング手段は、 上記第1の画像データを変換して得られた上記第3の画像データに基づき上記1の印刷装置で印刷した結果と、上記ターゲットとして他の印刷装置で同一の上記第1の画像データに基づき印刷した結果と略同一の印刷結果が得られるように、調整を行うことを特徴とする請求項7に記載の印刷制御システム。 【請求項9】 上記カラーマッチング手段は、 上記1の印刷装置以外の印刷装置に対して上記キャリブレーション手段が実行されたことを条件として実行された上記カラーマッチング手段によって調整された上記第1の処理手段と同様の処理が行われるように、上記1の印刷装置における上記第1の処理手段を調整することを特徴とする請求項8に記載の印刷制御システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、印刷装置に対する色調整に関する。 【背景技術】 【0002】 プリンタキャリブレーションは、プリンタ機体間の色再現性の差を補償するために行われている。具体的には、標準機の再現色にキャリブレーション対象の機体の再現色が近づくようにインクの出力特性を調整することによりキャリブレーションが行われる(例えば、特許文献1、参照。)。その際に、複数色のパッチを印刷し、このパッチの測色値の狙いの標準機の再現色に対するずれ量を把握し、そのずれ量を補償するようにインクの出力特性を補正する。かかるキャリブレーションを行うことによりキャリブレーション対象の機体の再現色と標準機の再現色とを一致させることができる。 一方、プリンタのカラーマッチングは、プリンタによる再現色を所望のターゲット色に一致するようにICCプロファイル等を調整することにより行われる(例えば、特許文献2、参照。)。カラーマッチングにおいても、複数色のパッチを印刷し、このパッチの測色値のターゲット色に対するずれ量を把握し、そのずれ量を補償するようにインクの出力特性をICCプロファイル等にて補正する。例えば、プリンタの再現色をターゲットとしてのスクリーン印刷機の再現色に合わせておけば、スクリーン印刷機で出力した場合の色の出来映えをプリンタによる印刷によって事前に確認しておくことができる。 【特許文献1】特開2005−204053号公報 【特許文献2】特開2003−298862号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上述したプリンタキャリブレーションとカラーマッチングのいずれにおいてもプリンタの再現色が調整できる点で類似する性質を有するものの、これらが効率よく行われるように統括的に管理する手法がなかった。例えば、あるプリンタにてカラーマッチングを行って所望のターゲット色を当該プリンタにて再現可能なICCプロファイルを作成した場合であっても、他のプリンタで当該ターゲット色を再現させるためには当該他のプリンタにて再びカラーマッチングを行い当該他のプリンタのためのICCプロファイルを作成する必要がある。同一の機種であってもプリンタの機体ごとに再現色にばらつきがあるからである。また、あるプリンタにてカラーマッチングを行って所望のターゲット色を当該プリンタにて再現可能なICCプロファイルを作成した場合であっても、当該プリンタの再現色に経時的な変化が生じた場合には、当該プリンタにて再びカラーマッチングを行ってICCプロファイルを再作成する必要がある。すなわち、同一機体での再現色の変動、あるいは、複数の機体間での再現色の変動がある度にカラーマッチングをしなければならなかった。カラーマッチングは、一般的に高次元の色空間同士の対応づけを行うこと要するため、プリンタの再現色に変動がある度に負担の大きい処理を行わなければならないという問題があった。 この発明は、上述した課題にかんがみてなされたものであり、プリンタキャリブレーションとカラーマッチングが効率よく行われるようにすることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、まず、キャリブレーション手段が印刷装置による再現色を所定の標準色に合致させるためのキャリブレーションを行う。ここで、標準色は予め定められた色であればよく、印刷装置の標準機が再現する色を標準色とするのが一般的である。複数の印刷装置にてキャリブレーションを行うことにより印刷装置間の再現色のばらつきを補償することができる。また、同一の印刷装置にて複数の時期にキャリブレーションを行うことにより、同一の印刷装置における経時的な再現色の変動を補償することができる。 【0005】 カラーマッチング手段は、キャリブレーションが行われたことを条件として、印刷装置による再現色を所望のターゲット色に合致させるカラーマッチングを行う。すなわち、カラーマッチングを行うための条件として、キャリブレーションが行うことが必要とされる。予め印刷装置の再現色のばらつきが補償された後に、カラーマッチングを行うこととなるため、カラーマッチング自体が再現色のばらつきを受けることが防止できる。従って、カラーマッチングの効果が特定の時期における特定の機体のみに対して及ぶのでなく、予め同一の標準色にキャリブレーションされたいかなる印刷装置に対しても及ぶものとなる。従って、例えばカラーマッチングを行うことによって作成したICCプロファイルを、キャリブレーション済みの他の印刷装置においても有効に使用することが可能となり、他の印刷装置においてカラーマッチングをしなくてもよくなる。 【0006】 上記キャリブレーション手段と上記カラーマッチング手段は、いずれも上記印刷装置が上記記録媒体に吐出するインク量を規定したプロファイルを調整することによって上記記録媒体における再現色を調整する。すなわち、本発明の印刷装置はインクを記録媒体に吐出することにより画像データに対応する画像を記録媒体上に形成する。そのため、印刷装置が記録媒体に吐出するインク量を規定したプロファイルを調整することによって、上記キャリブレーション手段と上記カラーマッチング手段が記録媒体における再現色を調整することができる。望ましい構成として、上記キャリブレーション手段と上記カラーマッチング手段が調整する上記プロファイルは互いに独立させておけば、上記カラーマッチング手段によって調整された上記プロファイルを独立して扱うことができる。従って、当該プロファイルをキャリブレーション済みの他の印刷装置で使用できるように複製し、当該他の印刷装置におけるカラーマッチングを省略することができる。 【0007】 また、請求項2に記載の発明では、上記カラーマッチング手段が、色空間全体を網羅する複数の色のパッチを上記印刷装置によって印刷する。そして、これらのパッチの測色結果に基づいて所定の色空間とインク量空間との空間対応関係を規定した第1インク量プロファイルを調整する。複数インクの混色による色の変動は、非線形的要素があり、かつ、複数インクの混色による交互作用も影響するため、インク量空間と所定の色空間の空間同士の対応関係を第1インク量プロファイルにて規定しておく必要がある。この第1インク量プロファイルによれば、所定の色空間において色が特定された任意の画像データに応じたインク量を発生させて、画像を形成することができる。その際に発生するインク量を調整することができるため、カラーマッチング手段が印刷装置の再現色を調整することができる。色空間全体を網羅する複数の色のパッチを測色するため、複数のインクを種々の構成比率で混色したときの色の傾向も把握することができ、第1インク量プロファイルを調整する指針を得ることができる。 【0008】 一方、上記キャリブレーション手段も、上記印刷装置によって再現した色の測色結果に基づいてプロファイルを調整するが、ここで調整される第2インク量プロファイルは各インクの各インク量ごとの補正量を規定したプロファイルとされる。すなわち、第2インク量プロファイルは、あるインクのあるインク量が入力されたときに、どれだけのインク量を補正量として増減すべきかを規定したプロファイルである。例えば、標準色が線形的な出力特性を有している場合には、インク量の入力値に対して線形的な出力特性が実現できる補正量を規定した第2インク量プロファイルとなるようにキャリブレーション手段が調整を行う。ここでは、各インクのインク量を独立して変動させた複数の色のパッチを上記印刷装置によって印刷し、その測色結果を得るため、各インクの各インク量に対して適正な補正量を得ることができる。また、各インク量を独立して扱うため、高次元の色空間同士の対応関係を調整する必要があるカラーマッチングよりも負担の少ない処理によってキャリブレーションが実現される。 【0009】 このようにキャリブレーションとカラーマッチングとでは処理の負担が大きく異なっており、まず処理負担の少ないキャリブレーションが行われていることを条件として、カラーマッチングを行うようにすることによって、全体的な処理の効率を向上させることができる。すなわち、キャリブレーションが行われていることを条件とすることにより、処理負担の大きいカラーマッチングがむやみに行われ効率性が損なわれることが防止できる。 【0010】 さらに、請求項3に記載の発明は、ある印刷装置において上記キャリブレーションと上記カラーマッチングを行うことにより上記カラーマッチング手段が調整した調整データが作成されている場合を想定している。この場合、通常であれば他の印刷装置において上記ターゲット色を再現するためには、他の印刷装置にて上記カラーマッチングを行う必要があるが、他の印刷装置において上記キャリブレーションが行われていることを条件として上記調整データを当該他の印刷装置においても使用できるようにする。すなわち、双方の印刷装置において上記キャリブレーションが実行されていれば、両者の色の再現性のばらつきは補償されているはずであり、その上で一方の印刷装置で行ったカラーマッチングは、他方の印刷装置においても同様に有効であると考えることができる。従って、カラーマッチングによって作成した上記調整データを双方の印刷装置にて使用可能とすることにより、双方の印刷装置においてカラーマッチングをすることなく正確に上記ターゲット色の再現を実現することができる。 【0011】 また、ある印刷装置において上記キャリブレーションと上記カラーマッチングを行うことにより上記第1インク量プロファイルの調整データが作成されている場合であっても、経時的な要因等によって同一の印刷装置の色再現性が変動していることも考えられる。その場合、一旦は有効に作成された上記調整データも精度を欠くものとなるため、請求項4に記載の発明では、再度、キャリブレーションを行うことを条件として、当該調整データを使用可能とする。すなわち、過去に上記カラーマッチングを行った直前と、現在との双方において上記キャリブレーションが実行されていれば、過去と現在との色の再現性のばらつきは補償されているはずであり、過去に行ったカラーマッチングにおいて有効に作成された上記調整データは、現在の印刷装置においても同様に有効であると考えることができる。従って、カラーマッチングを再度行うことなく、正確に上記ターゲット色の再現を実現することができる。 【0012】 むろん、以上の発明は、装置のみならず、請求項5のような色調整方法によって実現することも可能であるし、請求項6のように上記方法に従った処理を実行する色調整プログラムによって実現することも可能である。また、本発明にかかる装置、方法、プログラムは単独で実施される場合もあるし、例えば請求項7〜請求項9の印刷制御システムのような機器に組み込まれた状態で他の装置、方法、プログラムとともに実施されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものであり、適宜、変更可能である。請求項7〜請求項9においてもキャリブレーションが行われたことを条件としてカラーマッチングを行う特別な技術的特徴を有しているため、同様の効果を得ることができる。また、例えば予めキャリブレーションが行われているか否かによってカラーマッチングの実行可否が決定されるカラーマッチング装置等においても、本発明の効果を同様に得ることができる。同様に、キャリブレーションを行ったことを条件として調整データの使用可否が決定されるキャリブレーション装置等においても、本発明の効果を同様に得ることができる。 【0013】 さらに、本発明のプログラムを記録した記録媒体として提供することも可能である。このプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。また、必ずしも全部の機能を単独のプログラムで実現するのではなく、複数のプログラムにて実現させるようなものであってもよい。この場合、各機能を複数のコンピュータに実現させるものであればよい。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。 (1)色調整システム: (2)各種管理処理: (3)キャリブレーションについて: (4)カラーマッチングについて: 【0015】 (1)色調整システム 図1は、本発明の一実施形態にかかる色調整システムおよび印刷制御システムの概略構成を示している。なお、本発明の色調整システムおよび印刷制御システムは印刷装置に対する色調整ができればよく、その構成要素として印刷装置が含まれる必要はない。同図において、色調整システム100は、それぞれインターネットINTを経由して相互に通信可能に接続されたコンピュータ10とサーバ70とから構成されている。サーバ70には標準プリンタ71と測色機72が接続されている。予めパッチデータB15a2に基づいて標準プリンタ71がキャリブレーション用カラーパッチを印刷し、このカラーパッチの測色値が測色機72によって取得されている。この測色値は、例えばCIELAB値(L*a*b*値)やXYZ値で表された標準色データ73として記憶されており、コンピュータ10に送信可能となっている。コンピュータ10にはプリンタ40が接続されるとともに、コンピュータ10から記録媒体やLAN等を介して出力した画像データに基づいて印刷を実行することが可能なデジタルスクリーン印刷機60が備えられている。デジタルスクリーン印刷機60は、印刷する画像データ15aに応じて作成した版によって大量の印刷を行うものである。 【0016】 図2はコンピュータ10およびその周辺機器の概略構成を示すブロック図である。コンピュータ10は演算処理の中枢をなす図示しないCPUや記憶媒体としてのROMやRAM等を備えており、HDD15等の周辺機器を利用しながら所定のプログラムを実行することができる。コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはUSB用I/O19bを介して接続されている。 【0017】 また、当該USB用I/O19bを介して測色機50が接続されている。本実施形態におけるプリンタ40は複数色のインクを充填するインクカートリッジを色毎に着脱可能な機構を備えており、この機構にCMYKlclm(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ)の各インクのカートリッジを搭載する。プリンタ40においては、これらのインク色を組み合わせて多数の色を形成可能であり、これにより印刷媒体上にカラー画像を形成する。また、本実施形態において、プリンタ40は異なる3種のインク量でインク滴を吐出可能であり、1画素について4階調の表現が可能である。本明細書ではインク滴の大きさに着目し、各インク滴を大中小ドットと呼ぶ。本実施形態におけるプリンタ40はインクジェット方式のプリンタであるが、インクジェット方式の他にもレーザー方式等、種々のプリンタに対して本発明を適用可能である。 【0018】 さらに、CMYKlclmの6色の有色インクを使用する構成が必須というわけではなく、CMYKの4色やCMYKlclmDY(ダークイエロー)の7色を使用する構成であってもよい。むろん、他の色、例えばR(レッド)やV(バイオレット)をlclmインクの代わりに使用してもよいし、Kインクについて濃淡インクを使用してもよい。測色機50においては、既知の光源で印刷物を照射し、反射光を検出することにより印刷物の分光反射率を検出し、その色彩値、例えばCIELAB値(L*a*b*値)やXYZ値を出力可能である。 【0019】 本実施形態においては、プリンタ40で印刷したパッチのCIELAB値を測色し測色データとしてUSB用I/O19bに出力する。また、コンピュータ10とプリンタ40の接続インターフェースやコンピュータ10と測色機50の接続インターフェースも上述のものに限る必要はなくパラレルインターフェースやSCSI接続,無線接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。 【0020】 コンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における画像やプリンタのプロパティ画面等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。 【0021】 PRTDRV21では図示しないアプリケーションプログラムから印刷指示が行われた画像や後述するパッチの画像について所定の処理を行って印刷を実行可能である。PRTDRV21は、印刷を実行するために画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bと大中小ドット生成モジュール21cとハーフトーン処理モジュール21dと印刷データ生成モジュール21eとを備えている。上述の印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出して、印刷媒体や画質,印刷速度などの印刷条件を示す情報やキャリブレーション動作を実行するための指示を入力させる図示しないUIを表示する。 【0022】 上記キーボード31やマウス32等を操作して利用者が当該UIにて印刷に必要な情報を入力し、また、印刷の実行指示を行うと、上記PRTDRV21の各モジュールが起動され、各モジュールによって上記画像データの各画素データに対する処理が実施され、印刷データが生成される。生成された印刷データはUSB用I/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。 【0023】 より具体的には、上記画像データ取得モジュール21aは印刷対象の画像を示す画像データ15aを取得する。このとき、画像データ15aの画素数に過不足があれば印刷に必要な画素を確保するため適宜解像度変換処理を行う。この画像データ15aはRGB(レッド,グリーン,ブルー)の各色成分を階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、本実施形態では各色256階調であり、sRGB規格に従った表色系を採用した画像データである。カラーパッチを印刷するための2種類のパッチデータA15a1とパッチデータB15a2が画像データ15aの一部として用意されている。パッチデータA15a1に基づいて標準プリンタ71およびプリンタ40がキャリブレーション用パッチを印刷し、パッチデータB15a2に基づいてデジタルスクリーン印刷機60およびプリンタ40がカラーマッチング用パッチを印刷する。キャリブレーション用パッチは、各インクの出力特性を把握するためのパッチであるため、パッチデータA15a1はCMYKlclm各成分のグラデーションを示すCMYKlclm表色系の画像データである。カラーマッチング用パッチは、出力ICCプロファイル15cを評価するためのパッチであるため、パッチデータB15a2はsRGB表色系の画像データである。 【0024】 色変換モジュール21bは各画素の色を示す表色系を変換するモジュールであり、HDD15に記録された入力ICCプロファイル15bを適宜参照して画像データ15a(15a2)のsRGB表色系を非機器依存表色系であるCIELAB表色系に変換する。さらに、色変換モジュール21bはHDD15に記録された出力ICCプロファイル15cを適宜参照して、CIELAB表色系に変換された画像データ15a(15a2)をプリンタ40が搭載するインク色(CMYKlclm)を成分とするCMYKlclm表色系に変換する。入力ICCプロファイル15bと出力ICCプロファイル15cは、複数の色についてsRGB表色系とCMYKlclm表色系をデバイス非依存のCIELAB表色系の対応関係を記述したテーブルである。 【0025】 従って、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であって入力ICCプロファイル15bに規定されたsRGBの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCIELAB表色系の色を特定することができ、さらに特定したCIELAB表色系の色の周りの色であって出力ICCプロファイル15cに規定されたCIELABの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYKlclm表色系の色を特定することができ、色変換を実施することができる。キャリブレーション用パッチを印刷するためのパッチデータA15a1はCMYKlclm表色系の画像データであるため、例外的に色変換をすることなくそのまま大中小ドット生成モジュール21dに入力される。なお、出力ICCプロファイル15cは最終的に吐出されるCMYKlclmの補正量を含んだインク量を規定したプロファイルであり、本発明の第2インク量プロファイルに相当する。予めデフォルトの出力ICCプロファイル15cが用意されるが、後述するカラーマッチング処理を行うことにより、あるターゲット色をプリンタ40にて再現可能な出力ICCプロファイル15cが調整データとして作成される。すなわち、出力ICCプロファイル15cはターゲット色に応じて複数用意されることとなる。 【0026】 CMYKlclm表色系のデータはCMYKlclmの各色について256階調で階調表現した画像データであり、各階調値が各画素、各色のインク量に対応している。すなわち、階調値0で各色インクを記録しない状態を表現し、階調値255で各色インクを最大限記録する状態を表現している。階調値0〜255においては、階調値変化とインク量変化とを線形に対応させたり、階調値変化と明度変化とを線形に対応させるなど、種々の構成を採用可能である。 【0027】 本実施形態にかかるプリンタ40は上述のように大中小ドットを吐出可能であり、大中小ドット生成モジュール21cは上記256階調のCMYKlclmデータに基づいて、各色毎に大中小ドットの記録量を示すデータに変換する。すなわち、HDD15には、CMYKlclmの各階調値と大中小ドットの記録量を示す階調値とを対応づけた大中小振り分けテーブル15dが記録されており、大中小ドット生成モジュール21cは当該大中小振り分けテーブル15dを参照してCMKYlclmの各階調値を各色毎に大中小ドットの階調値に変換する。 【0028】 本実施形態において、大中小ドットの階調数はCMYKlclmの階調数より多く、12bit(4096階調)で表現されている。大中小ドットの階調値においては、大中小の各ドットを記録しない状態を階調値0で表現し、大中小の各ドットを最大限記録する状態を階調値4095で表現している。階調値0〜4095においては、階調値変化と大中小各インク滴のドット数変化とを線形に対応させたり、階調値変化と大中小各インクが記録された状態での明度変化とを線形に対応させるなど、種々の構成を採用可能である。 【0029】 大中小ドットの階調値は、種々の手法によって決定することができる。例えば、CMYKlclmの階調値0〜255に対して大ドットのみの階調値を対応させることによって大ドットのみでCMYKlclmの階調変化を表現し、その後に大ドットの一部を等価な明度の小ドットや中ドットで置換するなどして決定可能である。この決定においては、以上のような置換に際してバンディングやにじみが発生しないように、大中小ドットの記録量を決定している。 【0030】 また、HDD15に予め記録される上記大中小振り分けテーブル15dは、標準プリンタ71について決定されたデータである。すなわち、プリンタ40の製造者は、プリンタ40の製造段階で予め標準プリンタ71を用意しておき、当該大中小振り分けテーブル15dを参照して印刷を行ったときの個別のプリンタ40の出力色が当該標準機の出力色とほぼ等価になるようにインク吐出量等を調整する。本実施形態においては、個別のプリンタ40の出荷時にこの大中小振り分けテーブル15dが所定の記録媒体に記録され、コンピュータ10に対するインストール時に当該記録媒体からHDD15にコピーされる。本実施形態において初期状態ではデフォルトの大中小振り分けテーブル15dが参照されるが、後述するキャリブレーション処理後にはキャリブレーションによって調整された大中小振り分けテーブル15dが参照される。 【0031】 図3は、当該大中小振り分けテーブル15dの例を示す図である。同図においては、ある色の大中小振り分け標準機データを示しており、横軸がCMYKlclmの階調値,縦軸が大中小各インク滴の記録量を示す。同図2においては、インク記録量を階調値およびドット記録率(%)の双方にて示しており、右側の縦軸が階調値(0〜4095)、左側の縦軸がドット記録率である。ここで、「ドット記録率」とは、一定の階調値に応じて一様な領域が再現されるときに、その領域内の画素のうちでドットが形成される画素の割合を意味する。大中小振り分けテーブル15dによって最終的にプリンタ40が吐出するCMYKlclmのインク量が規定されているため、大中小振り分けテーブル15dは本発明の第2インク量テーブルに相当する。 【0032】 本実施形態においては、以上のように、CMYKlclmの階調数より大中小ドットの階調数の方が多いことを利用して、高精度の色再現を実現している。すなわち、CMYKlclmの階調数と大中小ドットの階調数とが同数であれば、CMYKlclm階調値の最小変化”1”に対応する大中小ドット階調値の最小変化も”1”である。しかし、大中小ドットの階調数がCMYKlclmの階調数より多ければ、大中小ドット階調値の最小変化”1”はCMYKlclm階調値の最小変化”1”より小さな変化に対応できる。従って、CMYKlclmの階調値を小数点以下で修正することによって高精度の色再現を実現可能である。 【0033】 ハーフトーン処理モジュール21dは、以上のようにして生成された大中小ドットの階調値を参照し、各階調値に対応したインク量に相当する記録をプリンタ40にて実現するために画素毎の階調数を減じるハーフトーン処理を実施する。すなわち、各画素毎にインクの吐出/非吐出および吐出するインクの量(大中小のいずれか)を特定したハーフトーン画像データを生成する。印刷データ生成モジュール21eはかかるハーフトーン画像データを受け取って、プリンタ40で使用される順番に並べ替え、一回の主走査にて使用されるデータを単位にして逐次プリンタ40に出力する。 【0034】 すなわち、プリンタ40においてはインク吐出デバイスとして吐出ノズル列が搭載されており、当該ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替える。そして、印刷データ生成モジュール21eは並べ替え処理後のデータに画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、上記USB用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。プリンタ40にて画像を形成するために必要なすべてのデータが転送されると、プリンタ40にて印刷媒体上に画像が形成される。 【0035】 PRTDRV21には、以上のモジュールのほか、カラーマッチングモジュール21fとキャリブレーションモジュール21gと色調整管理モジュール21hが組み込まれている。なお、カラーマッチングモジュール21fとキャリブレーションモジュール21gと色調整管理モジュール21hは、PRTDRV21に組み込まれる必要はなく独立したアプリケーションによって実現されていてもよい。色調整管理モジュール21hは、カラーマッチングモジュール21fとキャリブレーションモジュール21gの制御を司るモジュールである。カラーマッチングモジュール21fとキャリブレーションモジュール21gが実行するカラーマッチング処理とキャリブレーション処理の詳細については後に詳述するが、ここではまずカラーマッチング処理とキャリブレーション処理の目的および効果を概略的に説明する。 【0036】 図4は、カラーマッチングとキャリブレーションを概略的に比較している。同図において、上段がキャリブレーション処理の概要を示し、下段がカラーマッチング処理の概要を示している。キャリブレーション処理は、パッチデータA15a1に基づいて標準プリンタ71およびプリンタ40にてキャリブレーション用パッチを印刷し、このキャリブレーション用パッチの測色値を比較することにより実行される。パッチデータA15a1はCMYKlclm表色系の画像データであり、パッチデータA15a1によればCMYKlclm各成分について32階調の1次元グラデーションを表すキャリブレーション用パッチが印刷される。なお、標準プリンタ71によるキャリブレーション用パッチの測色値は予め標準色データ73として用意されているため、サーバ60から受信した標準色データ73と、プリンタ40によるキャリブレーション用パッチの測色値との比較を行うこととなる。 【0037】 本来、同一のパッチデータA15a1に基づいて印刷を行ったため双方の測色値が一致するはずであるが、プリンタ40や印刷媒体の誤差によって両者に色差が生じる場合がある。そこで、キャリブレーション処理では、両者の比較の結果に基づき調整データを作成し、この調整データを大中小振り分けテーブル15dにフィードバックさせる。大中小振り分けテーブル15dによれば吐出されるインク量を調整することができるため、最終的にプリンタ40が再現する色が、標準色データ73と一致するように調整を行うことができる。以上のキャリブレーションを行えば、プリンタ40の再現色をプリンタ71の再現色に合致させることができ、プリンタ40固有の再現色の誤差を防止することができる。 【0038】 特に、CMYKlclm各成分について32階調の1次元グラデーションを表すキャリブレーション用パッチによって誤差の把握修正を行うため、プリンタ40機体に依存するCMYKlclmインクの吐出特性を正確に把握することができる。調整対象の大中小振り分けテーブル15dもCMYKlclm成分ごとに独立したものであるため、各インク成分の出力特性に応じた調整ができる。なお、キャリブレーションを行うごとに大中小振り分けテーブル15dが上書きされるようにしてもよいし、キャリブレーションごとの大中小振り分けテーブル15dが順次蓄積され、最新のものが大中小ドット生成モジュール21cによって使用されるようにしてもよい。 【0039】 カラーマッチング処理は、パッチデータB15a2に基づいてデジタルスクリーン印刷機60およびプリンタ40にてカラーマッチング用パッチを印刷し、このカラーマッチング用パッチの測色値を比較することにより実行される。パッチデータB15a2はsRGB表色系あるいCMYK表色系の画像データであり、デフォルトの出力ICCプロファイル15cを参照して色変換を行いつつ、パッチデータB15a2に基づくカラーマッチング用パッチの印刷がプリンタ40にて行われる。そして、カラーマッチング用パッチの色は、デジタルスクリーン印刷機60やプリンタ40のガマット全体を略均一に網羅するように選択されており、デジタルスクリーン印刷機60とプリンタ40の再現色がガマット全体について比較される。具体的には、非機器依存色空間であるCIELAB色空間において、デジタルスクリーン印刷機60とプリンタ40の測色値の対応関係を比較する。この比較の結果、デジタルスクリーン印刷機60の再現色が実現できるようなインク量が規定された出力ICCプロファイル15cが新たに作成されHDD15に記憶される。以上のようにキャリブレーション処理とカラーマッチング処理はパッチを出力/測色する点において共通するものの、調整対象が異なり、それぞれの目的に応じて印刷されるパッチの特性も大きく相違している。以下、色調整管理モジュール21hがキャリブレーション処理とカラーマッチング処理とを統括的に管理する各種管理処理を詳細に説明する。 【0040】 (2)各種管理処理 図5は、色調整管理モジュール21hが実行するキャリブレーション管理処理の流れを示している。色調整管理モジュール21hは、ステップS100にてキャリブレーションを実行する旨の指示を受け付けると、ステップS110においてキャリブレーションモジュール21gに後述するキャリブレーション処理を実行させる。キャリブレーション処理が実行されると、大中小振り分けテーブル15dが更新され、プリンタ40の再現色が標準プリンタ71に一致することとなる。ステップS120においては、色調整管理モジュール21hがキャリブレーションを行った旨と、キャリブレーションを行った日時を格納したキャリブレーション履歴データ15eをHDD15に記憶させる。過去に行ったキャリブレーション処理によってキャリブレーション履歴データ15eがすでに記憶されている場合には、最新の情報でキャリブレーション履歴データ15eを更新する。これにより、キャリブレーション履歴データ15eには、最後に行ったキャリブレーション処理の日時が記録されることとなる。 【0041】 図6は、色調整管理モジュール21hが実行する印刷管理処理の流れを示している。ステップS200においては印刷指示を受け付ける。印刷指示を受け付けると、ステップS210において色調整管理モジュール21hがキャリブレーション履歴データ15eを取得し、出力ICCプロファイル15cの使用を許可するか否かを判定する。ここでは、最後に行ったキャリブレーション処理の日時と、現在の日時を比較し、所定の有効期間が経過していないか否かを判定する。そして、有効期間が経過していない場合には出力ICCプロファイル15cの使用を許可し、有効期間が経過している場合には出力ICCプロファイル15cの使用を許可しない。有効期間は、プリンタ40の再現色の経時変化特性に基づいて設定され、例えば許容できる限度の色差が生じる期間を統計的に調査しておき、その期間を有効期間とすることができる。 【0042】 出力ICCプロファイル15cの使用を許可する場合には、ステップS220にて印刷に使用する出力ICCプロファイル15cの指定を受け付ける。出力ICCプロファイル15cは後述するカラーマッチング処理によってターゲット色ごとに作成されているため、所望のターゲット色に応じたものが所定のUIにて選択可能となっている。キャリブレーション処理が所定の有効期間内に行われていれば、ステップS210にてすべての出力ICCプロファイル15cについて使用を許可するため、いずれの出力ICCプロファイル15cが選択されても選択された出力ICCプロファイル15cを使用することができる。ステップS230においては、実際に印刷処理を実行させる。具体的には、画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bと大中小ドット生成モジュール21cとハーフトーン処理モジュール21dと印刷データ生成モジュール21eおよびプリンタ40を駆動させ、上述した一連の手順で印刷処理を実行させる。その際に、色変換モジュール21bは、ステップS220にて選択された出力ICCプロファイル15cを参照するため、所望のターゲット色を再現することができる。 【0043】 一方、ステップS210にて出力ICCプロファイル15cの使用を許可しない場合には、図5のステップS110,S120と同様に、ステップS240にてキャリブレーションモジュール21gにキャリブレーション処理を実行させ、その日時でキャリブレーション履歴データ15eを更新する。そして、ステップS210に戻り、再度、ICCプロファイル15cの使用を許可するか否かを判定する。基本的には、直前のキャリブレーション処理によってキャリブレーション履歴データ15eが更新されているため、出力ICCプロファイル15cの使用が許可される。以上のように、図5と図6に示したキャリブレーション管理処理と印刷管理処理を行うことにより、キャリブレーションを有効期間内に行ったことを条件として、出力ICCプロファイル15cの使用を許可することができる。 【0044】 すなわち、キャリブレーションを行ってから有効期間を経過していないプリンタ40、あるいは、一旦は有効期間が経過したが再度キャリブレーションを行ったプリンタ40においてのみ出力ICCプロファイル15cを使用できるようにすることができるため、プリンタ40の再現色の機体誤差や経時誤差等に影響されることなく、正確に所望のターゲット色を再現することができる。例えば、デジタルスクリーン印刷機60をターゲット色として作成された出力ICCプロファイル15cを選択した場合には、デジタルスクリーン印刷機60での印刷出来映えのプルーフィングもプリンタ40によって簡単に実現することができる。 【0045】 本実施形態においては、過去に行ったキャリブレーションの時期に基づいて出力ICCプロファイル15cの使用許否を判定するものとしたが、キャリブレーション条件と印刷条件の一致性に基づいて使用許否を判定してもよい。例えば、キャリブレーション履歴データ15eにキャリブレーション用パッチを印刷した印刷用紙を記録しておき、これが印刷指示にて指定された印刷用紙と一致する場合に限り、出力ICCプロファイル15cの使用を許可するようにしてもよい。このようにすれば、印刷指示された印刷用紙についてのキャリブレーションが実行されたことが保証でき、当該印刷用紙にて正確な色再現を保証することができる。なお、図5と図6に示したキャリブレーション管理処理と印刷管理処理では、カラーマッチングにより作成されたインク量プロファイルの調整データとしての出力ICCプロファイル15cをキャリブレーションが行われたことを条件として使用可能としているため、これらの処理を実行させる色調整管理モジュール21hが本発明のキャリブレーション装置を具体的に実現しているということができる。 【0046】 図7は、色調整管理モジュール21hが実行するカラーマッチング管理処理の流れを示している。ステップS300においては、色調整管理モジュール21hがカラーマッチングを実行させる旨の指示を受け付ける。ステップS310においては、色調整管理モジュール21hがキャリブレーション履歴データ15eを取得するとともに、キャリブレーションが有効期間内に行われたか否かを判定する。キャリブレーションが有効期間内に行われていた場合にはカラーマッチング処理の実行を許可し、キャリブレーションが有効期間内に行われていなかった場合にはカラーマッチング処理の実行を許可しない。なお、ステップS310で使用する有効期間は、上述したステップS210と同様のものとすることができる。むろん、異なる有効期間を設定することも可能である。 【0047】 ステップS310にてカラーマッチング処理の実行を許可すると判定した場合には、色調整管理モジュール21hがステップS320にてカラーマッチングモジュール21fに後述するカラーマッチング処理を実行させる。一方、ステップS310にてカラーマッチング処理の実行を許可すると判定した場合には、図5のステップS110、S120と同様に、ステップS330にてキャリブレーションモジュール21gにキャリブレーション処理を実行させ、その日時でキャリブレーション履歴データ15eを更新する。そして、ステップS310に戻り、再度、カラーマッチング処理の実行を許可するか否かを判定する。基本的には、直前のキャリブレーション処理によってキャリブレーション履歴データ15eが更新されているため、カラーマッチング処理の実行が許可される。以上のように、図5と図7に示したキャリブレーション管理処理とカラーマッチング管理処理を行うことにより、キャリブレーションを有効期間内に行ったことを条件として、カラーマッチング処理の実行を許可することができる。 【0048】 すなわち、キャリブレーションを行ってから有効期間を経過していないプリンタ40、あるいは、一旦は有効期間が経過したが再度キャリブレーションを行ったプリンタ40においてのみカラーマッチング処理を実行できるようにすることができるため、プリンタ40の再現色の機体誤差や経時誤差等に影響されることのないカラーマッチング処理を実現することができる。従って、カラーマッチング処理によって作成された出力ICCプロファイル15cもプリンタ40の再現色の機体誤差や経時誤差等に影響されることのないものとすることができる。なお、図7に示したカラーマッチング管理処理では、第1インク量プロファイルとしての出力ICCプロファイル15cを調整するカラーマッチング処理をキャリブレーションが行われたことを条件として実行可能としているため、これらの処理を実行させる色調整管理モジュール21hが本発明の色調整システムおよびカラーマッチング装置の主要部を具体的に実現しているということができる。以上のようなカラーマッチング管理処理を前提とすれば、各プリンタ40の再現色特性に依存しない出力ICCプロファイル15cが作成でき、作成された出力ICCプロファイル15cは汎用性の高いものとなる。 【0049】 すなわち、出力ICCプロファイル15cは、キャリブレーション直後であり標準プリンタ71と再現色が合致しているプリンタ40を対象として作成されたことが保証されるため、出力ICCプロファイル15cは標準プリンタ71と再現色が合致するいかなるプリンタにおいても精度を損なうことなく使用できるということができる。いかなるプリンタにおいてもキャリブレーション処理を予め行うことにより再現色を標準プリンタ71の再現色を合致させることができるため、あるプリンタで作成した出力ICCプロファイル15cを実質的にどのプリンタにおいても精度よく使用することができるということができる。従って、あるプリンタを対象として作成した出力ICCプロファイル15cを別のプリンタで使用するためにエクスポートしたりコピーしたりすることも可能となる。 【0050】 図8は、出力ICCプロファイル15cがエクスポートして使用される様子を模式的に示している。同図において、インターネットINTを介して接続された2台のコンピュータ10a,10bに対してそれぞれプリンタ40a,40bが備えられている。双方のコンピュータ10a,10bには図2に示した具体的構成が具備されているものとする。ここで、コンピュータ10aにて図7に従った処理によってあるターゲット色についての出力ICCプロファイル15cが作成されたとする。ステップS310によって有効期間内にプリンタ40aのキャリブレーションが実行されていることが保証されるため、ICCプロファイル15cはプリンタ40aの機体誤差や経時誤差の影響を受けることなく、標準プリンタ71に適合したものとなる。 【0051】 コンピュータ10aにて作成された出力ICCプロファイル15cは、他のコンピュータ10bにエクスポートされ、当該コンピュータ10bにて図6に示した印刷管理処理が実行される。図6に示した印刷管理処理では、ステップS210にて有効期間内にプリンタ40bのキャリブレーションが実行されていることを条件としてインポートした出力ICCプロファイル15cの使用が許可される。従って、出力ICCプロファイル15cを使用する時点で、プリンタ40bは機体誤差や経時誤差の影響を受けることなく、標準プリンタ71と同様の色を再現するため、標準プリンタ71に適合するように作成されたICCプロファイル15cに基づいてターゲット色を精度よく再現することができる。 【0052】 以上のように、出力ICCプロファイル15cの作成および使用が異なるプリンタ40a,40bに行われる場合であっても、出力ICCプロファイル15cの作成および使用の双方にキャリブレーション処理の実行を条件付けることにより、双方のプリンタ40a,40bにて出力ICCプロファイル15cを精度よく共用することができる。キャリブレーションを行うことなくカラーマッチングを行うと、作成される出力ICCプロファイル15cの調整量にターゲット色に合致させるための本来の調整成分と、再現色を標準プリンタ71に合致させるための調整成分が含まれてしまうこととなる。このような出力ICCプロファイル15cは当該プリンタのみに使用可能なものになってしまう。これに対して、カラーマッチングに先だってキャリブレーションを条件づければ、出力ICCプロファイル15cの調整量から再現色を標準プリンタ71に合致させるための調整成分を排除することができるため、プリンタに依存しない汎用性の高い出力ICCプロファイル15cを作成することができる。従って、各プリンタにおいて各ターゲット色が設定されるたびにカラーマッチングを行う必要がなく、カラーマッチング処理の負担を軽減させることができる。後述するようにキャリブレーション処理よりもカラーマッチング処理の方が処理の負担が大きいため、カラーマッチング処理のむやみな実行を抑制することができる本発明の効果は大きい。 【0053】 また、キャリブレーションによって調整されるのは大中小振り分けテーブル15dであり、カラーマッチングによって調整(作成)されるのは出力ICCプロファイル15cである。このように、両処理によって調整されるインク量プロファイルが互いに独立しているため、プリンタに依存しない汎用性の高い出力ICCプロファイル15cのみを単独で扱うことが可能となり、エクスポートやコピーを容易に行うことができる。 【0054】 (3)キャリブレーション処理 次に、上述のキャリブレーション処理について図9に示すフローに基づいて詳説する。上記PRTDRV21は、キャリブレーションモジュール21gを備えており、プリンタのプロパティ画面からキャリブレーションの実行指示を行ったり、色調整管理モジュール21hの指令によって当該キャリブレーションモジュール21gを起動することができる。キャリブレーションモジュール21gが起動されると、まずステップS400にてHDD15からパッチデータA15a1を取得する。 【0055】 ステップS405では、当該パッチデータA15a1から、各インク色の階調値を把握し、当該階調値で印刷を実行させるための印刷データを生成し、パッチを印刷する。パッチデータA15a1はCMYKlclm表色系の画像データであり、色変換することなく上記大中小ドット生成モジュール21cに対して受け渡され、大中小ドット生成モジュール21cは当該受け渡されたパッチデータA15a1および上記大中小振り分けテーブル15dを参照して、大中小ドットの階調値でパッチの色を表現した印刷データを生成する。このパッチデータA15a1は、上記ハーフトーン処理モジュール21dおよび印刷データ生成モジュール21eにおける処理によって印刷データに変換される。この結果、プリンタ40にて複数のキャリブレーション用パッチが印刷される。 【0056】 図10は、キャリブレーション用パッチの一例を示している。同図において、キャリブレーション用パッチによって、CMYKlclmの各インクごとに濃度を徐々に変化させた32階調のグラデーションが形成されている。例えば、Cインクについてのキャリブレーション用パッチでは、Cインクによるドット記録率が徐々に変化するとともに、他のMYKlclmインク成分についてはドット記録率が0となっている。利用者は印刷された各キャリブレーション用パッチを測色機50によって測色する。キャリブレーションモジュール21gは、ステップS110でUSB用I/O19bを介して測色データを出力させるための制御データを出力し、測色機50は当該制御データに応じて各パッチのCIELAB値を示す測色データを出力する。キャリブレーションモジュール21gは当該測色データを取得する。 【0057】 キャリブレーションモジュール21gは、この測色データと、サーバ60から受信した標準色データ73とを比較し、パッチデータA15a1が規定するCMYKlclmの階調値において出力されるべき色にできるだけ近い色を出力するように大中小ドットの階調値を修正し、上記大中小振り分けテーブル15dを作成する。まずステップS415では、個別のプリンタにおける任意のCMYKlclm階調値に対するCIELAB値を取得するための補間関数を算出する。なお、標準色データ73はキャリブレーション処理の際にサーバ70から受信するものに限られず、例えばPRDRV21をインストールする際にHDD15に記憶されるようにしてもよい。 【0058】 この補間関数は、上記測色データに示されたパッチデータA15a1が規定するCMYKlclmの階調値とCIELAB値との対応関係を参照して作成される関数であり、各CMYKlclmの階調値の間における両者の対応関係を近似的に記述する関数である。この関数を算出するための手法は種々の手法を採用可能であり、例えば、階調値あるいはCIELAB値を変数にした高次関数の関数形を予め決めておき、各階調値におけるCIELAB値から当該高次関数の係数を算出するなどして関数を決定することが可能である。むろん、測色データには測色誤差を含むので、各階調値とCIELAB値とを正確に対応づけずに、関数の変化度合いができるだけ滑らかになるようにしたり、各CIELAB値と補間関数によって得られる値との誤差が全体として最小になるように構成するなど、種々の構成を採用可能である。補間関数が得られたら、当該補間関数を示すデータを図示しないRAM等に記憶しておく。 【0059】 ステップS420では、予めHDD15に記録されている標準色データ73を取得する。そして、ステップS425〜S445において、パッチデータA15a1が規定するCMYKlclmの階調値によって出力されるべき色を特定し、当該出力されるべき色を個別のプリンタ40で出力するためのCIELAB値を算出するとともに、当該CIELAB値の出力を得るための大中小ドット階調値を取得する。取得した大中小ドット階調値は、CMYKlclm階調値と対応づけられる。 【0060】 具体的には、ステップS425にて標準色データ73を参照し、あるCMYKlclm階調値に対応するCIELAB値を取得する。ステップS425〜S450では、このCMYKlclm階調値を処理対象として処理を進める。ステップS425では、さらに上記補間関数によって得られるCIELAB値の中から当該取得されたCIELAB値に対して最小の色差となるCIELAB値を算出する。すなわち、標準色データ73におけるターゲット階調値での出力色に最も近い色であって、個別のプリンタ40において出力可能な色を各インク色毎に取得する。 【0061】 図11は、ここでの処理を説明するための説明図である。同図において横軸はL*a*b*色空間におけるa*値であり、縦軸はb*値である。すなわち、3次元色空間であるL*a*b*色空間におけるCIELAB値(L*a*b*値)をa*b*平面に投影して示している。また、同図においては一例としてCインクの色彩値をプロットした状態を示している。図中の白丸は測色データの投影値であり、原点Oに近い白丸から曲線に沿って順に階調値”7,14,,,,252”に対応した色彩値である。図中の黒丸は標準色データ73の投影値であり、原点Oに近い黒丸から曲線に沿って順に階調値”7,14,,,,252”に対応した色彩値である。 【0062】 図11の拡大図Aにおいて、測色データとして示された白丸は階調値77,84によって個別のプリンタ40で印刷される色のCIELAB値であり、その付近の曲線は上記補間関数によって算出されるCIELAB値を投影したものである。同様に、標準色データ73として示された黒丸は階調値77によって標準のプリンタで印刷される色のCIELAB値(Vs)である。 【0063】 個別のプリンタ40において各色毎に階調値を変えて色を出力したときに、そのCIELAB値は上記補間関数によって算出されるCIELAB値にほぼ等しくなる(図11においては投影曲線上に位置する)。従って、各色毎の修正によって色のずれを解消するためには、補間関数によって算出されるCIELAB値の中でできるだけ値Vsに近いCIELAB値を抽出することになる。このために、上記ステップS425においては、補間関数によって算出されるCIELAB値であって、上記値Vsに対して最小の色差(minΔE)となるCIELAB値を算出している。なお、補間関数は対象となるインク階調値のみ(図11においてはCインク階調のみ)を変数としているため、補間関数を決定するパラメータが少なく済み、補間関数を決定する際の処理負担は少なくて済む。 【0064】 ステップS430では、補間関数に基づいて上記最小の色差となるCIELAB値に対応する階調値を取得する。図11に示す例では、この階調値が80.24である。本実施形態においては、補間関数が連続的に定義されていることにより、整数値以下の値も定義することができ、小数点以下の値も含めて階調値を算出する。この時点で、個別のプリンタ40における階調値の修正量、すなわち、階調値77にて出力されるべき色を個別のプリンタ40で出力するためには、階調値を3.24修正し、80.24にすべきことが判明する。本実施形態においては、大中小ドットの階調値が4096階調、CMYKlclm階調値が256階調であり、前者が後者の16倍の分解能であることにより小数点以下2桁まで算出しているが、分解能によって適宜小数点以下の採用桁数を変更可能である。 【0065】 当該階調値が判明したら、ステップS435において上記標準色データ73を取得し、ステップS440において当該階調値に対応する大中小ドットの階調値を取得する。そして、ステップS445においては、当該取得した大中小ドットの階調値と上記ステップS425以降で処理対象とした階調値とを対応づけて図示しないRAMに保存しておく。すなわち、当該階調値については、ステップS440で取得した大中小ドットの階調値によってインク滴を出力するように対応付けを行う。 【0066】 ここで、小数点以下のCMYKlclm階調値に相当する大中小ドットの階調値を抽出することによって、高精度に色ずれを修正し、しかも階調のつぶれやトーンジャンプの発生を防止する様子を図11の拡大図Bによって説明する。同拡大図Bは、上述の例のように階調値77にて出力されるべき色が個別のプリンタ40で階調値80.24に相当する場合の例を示している。同拡大図に示す直線は、標準色データ73にて規定される中ドットの階調値を示しており、CMYKlclm階調値の整数値のみを考慮する場合、中ドットの階調値としては、CMYKlclm階調値80あるいは81に対応する値b1あるいはb2のみが選択可能である。 【0067】 しかし、階調値77にて出力されるべき正確な色はCMYKlclm階調値80.24に相当する。本実施形態においては、大中小ドットの階調値の階調数が4096であることにより、値b1あるいはb2の中間の値も選択することができ、より正確な大中小ドットの階調値を階調値77に対応づけることができる。すなわち、CMYKlclm階調値として整数値のみを考慮すると、補正によって正確な大中小ドットの階調値を選択することができず、本来同じ色で出力すべきでない色が同じ色に出力されたり、同じ色で出力すべき色が異なる色で出力されたりするなどのひずみが生じて階調のつぶれやトーンジャンプが発生するが、本実施形態においては、このような原因による階調のつぶれやトーンジャンプは発生しない。 【0068】 さらに、選択可能な大中小ドットの階調値は、予め標準色データ73に決められた階調値である。すなわち、予め標準色データ73に規定された大中小ドットの記録量バランスのいずれかを選択する。標準色データ73においては、高画質の画像を印刷するために多くの条件を考慮し、非常に詳細に調整して大中小ドットのバランスおよび記録量を決めている。従って、色ずれの修正にあたり標準色データ73を無視して自由に、例えば、図11においてCIELAB値を合わせることに着目して小ドットの記録量を増やすとともに中ドットの記録量を減らすような修正等を実施すると、画質を低下させるおそれがある。しかし、本実施形態においては、標準色データ73に定義された大中小ドットの階調値をそのまま使用するので、画質を低下させることなく色の修正を実施することができる。 【0069】 以上のように、ステップS445にて大中小ドットの階調値とターゲット階調値とを対応づけると、ステップS450にて、上記複数のターゲット階調値の総てについて処理対象として処理を終えたか否かを判別し、同ステップS450にて複数のターゲット階調値の総てについて処理が終了したと判別されるまでステップS425以降の処理を繰り返す。ステップS450にて複数のCMYLlclm階調値の総てについて処理が終了したと判別されると、図示しないRAMに保存された対応関係を調整後の大中小振り分けテーブル15dとしてHDD15に更新する。 【0070】 以上のようにして作成した大中小振り分けテーブル15dにおいては、各色毎に複数のターゲット階調値と大中小ドットの階調値とを対応づけており、対応づけられた大中小ドットの階調値によれば、ターゲット階調値によって出力されるべき色にできるだけ近い色を出力できる。従って、大中小ドット生成モジュール21cによって大中小振り分けテーブル15dを参照して任意のCMYKlclm階調値を大中小ドットの階調値に変換することにより、個別のプリンタ40と標準プリンタ71との色ずれを修正しながら印刷を実行することができる。 【0071】 また、本実施形態においては、インクの色毎に修正を行って色ずれを解消しているが、修正対象は大中小振り分けのためのデータであって、出力ICCプロファイル15cに規定されたCMYKlclm階調値は変更せず、CMYKlclm階調値と大中小ドットの階調値との対応関係を変更している。従って、階調のつぶれやトーンジャンプの発生を防止することができる。さらに、大中小ドットの階調数がCMYKlclm階調値の階調数より多くなるように構成し、CMYKlclm階調値の小数点以下に相当する階調変化も考慮する。従って、高精度に色ずれの修正を実施することができる。なお、図5のステップS110と、図6のステップS240と、図7のステップS330にて行われるキャリブレーション処理にて以上の処理が実行される。 【0072】 (4)カラーマッチング処理 図12は、カラーマッチング処理の流れを示している。上記PRTDRV21は、カラーマッチングモジュール21fを備えており、プリンタのプロパティ画面からカラーマッチングの実行指示を行うことによって当該カラーマッチングモジュール21fを起動することができる。カラーマッチングモジュール21fが起動されると、まずステップS500にてHDD15からパッチデータB15a2を取得する。ステップS505では、当該パッチデータB15a2から、各インク色の階調値を把握し、当該階調値で印刷を実行させるための印刷データを生成し、パッチを印刷する。カラーマッチング用パッチの色は、後述する補間演算を正確に行うために色空間全体を略均一に網羅するように設定される。 【0073】 パッチデータB15a2がsRGB表色系の画像データである場合には、色変換モジュール21bが入力ICCプロファイル15bを参照してsRGB→L*a*b*変換を行う。i番目(i=1〜n、nはパッチの総数である。)の各パッチに対応するsRGB値を(Rpi,Gpi,Bpi)と表し、CIELABの変換値をパッチ対応値(Lpi,api,bpi)と表す。さらに出力ICCプロファイル15cを参照してL*a*b*→CMYKlclm変換を行うことにより、各インクの階調値が把握される。パッチ対応値(Lpi,api,bpi)を変換したインク階調値を(Cpi,Mpi,Ypi,Kpi,lcpi,lmpi)とする。出力ICCプロファイル15cは、CIELAB色空間全体を格子状に網羅する各格子点(Lgj,agj,bgj)に対応するインク階調値(Cgj,Mgj,Ygj,Kgj,lcgj,lmgj)を規定したテーブルデータである。従って、各格子点(Lgj,agj,bgj)にないパッチ対応値(Lpi,api,bpi)については補間演算によってインク階調値(Cpi,Mpi,Ypi,Kpi,lcpi,lmpi)を算出する。なお、j=1〜mの整数であり、mは出力ICCプロファイル15cに規定される格子点の総数を表す。 【0074】 以上の色変換で得られた各インクの階調値(Cpi,Mpi,Ypi,Kpi,lcpi,lmpi)は上記大中小ドット生成モジュール21cに対して受け渡され、大中小ドット生成モジュール21cは事前のキャリブレーション処理によって調整された上記大中小振り分けテーブル15dを参照して、大中小ドットの階調値でパッチの色を表現した印刷データを生成する。この印刷データは、上記ハーフトーン処理モジュール21dおよび印刷データ生成モジュール21eにおける処理によってさらに変換される。この結果、プリンタ40にて複数のカラーマッチング用パッチが印刷される。ステップS510では、プリンタ40にて印刷された各カラーマッチング用パッチを測色機50によって測色する。カラーマッチングモジュール21fは、ステップS510でUSB用I/O19bを介して測色データを出力させるための制御データを出力し、測色機50は当該制御データに応じて各パッチのCIELAB値を示す測色データを出力する。カラーマッチングモジュール21fは当該測色データを取得する。ここで取得される各パッチの測色値を(Lpmi,apmi,bpmi)と表記するものとする。 【0075】 ステップS515では、デジタルスクリーン印刷機60にパッチデータB15a2を出力し、デジタルスクリーン印刷機60にてカラーマッチング用パッチの印刷を行う。ステップS520ではデジタルスクリーン印刷機60にて印刷したカラーマッチング用パッチを印刷測色機50によって測色する。ここで取得される測色値をターゲット測色値(Lpti,apti,bpti)と表記するものとする。ステップS525においては、ターゲット測色値(Lpti,apti,bpti)がプリンタ40にて再現できるようなインク階調値(Cpxi,Mpxi,Ypxi,Kpxi,lcpxi,lmpxi)を算出する。 【0076】 図13は、ステップS525における算出過程を模試的に説明している。ステップS510において各カラーマッチング用パッチに対応するインク階調値(Cpi,Mpi,Ypi,Kpi,lcpi,lmpi)と測色した測色値(Lpmi,apmi,bpmi)との対応関係が得られているため、図13のように両者の空間位置関係を把握することができる。なお、図13では、図の簡略化のためCM平面とa*b*平面を投影し、i=1〜4番目のカラーマッチング用パッチについてプロットしている。ここで、a*b*平面における測色値(apmi,bpmi)の4点に囲まれた領域に1番目のパッチのターゲット測色値(apt1,bpt1)が存在する場合、a*b*平面における4点の測色値(apmi,bpmi)とターゲット測色値(apt1,bpt1)との位置関係に応じた重み付けを行いつつ、周囲のインク階調値(Cpi,Mpi)を加算することにより、ターゲット測色値(apt1,bpt1)に対応するインク階調値(Cpx1,Mpx1)を算出することができる。なお、実際には平面でなく3次元の体積補間が行われることとなる。以上と同様の手順で、すべてのパッチ(i=1〜n)についてインク階調値(Cpxi,Mpxi,Ypxi,Kpxi,lcpxi,lmpxi)を算出していく。 【0077】 以上のようにしてデジタルスクリーン印刷機60にて印刷した各カラーマッチング用パッチと同じ再現色を得ることができるインク階調値(Cpxi,Mpxi,Ypxi,Kpxi,lcpxi,lmpxi)が特定できると、ステップS530にてインク階調値(Cpxi,Mpxi,Ypxi,Kpxi,lcpxi,lmpxi)とステップS505の色変換過程で得られるパッチ対応値(Lpi,api,bpi)とを各カラーマッチング用パッチについて対応付けた仮プロファイルを作成する。この仮プロファイルは、各カラーマッチング用パッチの色についてCIELAB値とCMYKlclm値との対応関係を規定したものであり、仮プロファイルに基づいてパッチデータB15a2の色変換を行えばデジタルスクリーン印刷機60にて印刷した各カラーマッチング用パッチと等色な再現色をプリンタ40によって得ることができる。ステップS535においては、仮プロファイルに規定された対応関係に基づいて出力ICCプロファイル15cに規定される各格子点(Lgj,agj,bgj)に対応するCMYKlclm値を算出する。 【0078】 図14は、ステップS535における算出過程を模試的に説明している。予め仮プロファイルが得られているため図14のように、カラーマッチング用パッチの色については色変換過程で得られるパッチ対応値(Lpi,api,bpi)とインク階調値(Cpxi,Mpxi,Ypxi,Kpxi,lcpxi,lmpxi)との位置関係が、CIELAB色空間とCMYKlclm色空間において把握できる。図14においても、図の簡略化のためCM平面とa*b*平面を投影し、i=1〜4番目のカラーマッチング用パッチについてプロットしている。ここで、a*b*平面におけるパッチ対応値(api,bpi)の4点に囲まれた領域に1番目(j=1)の格子点階調値(ag1,bg1)が存在する場合、a*b*平面における4点のパッチ対応値(api,bpi)と格子点階調値(ag1,bg1)との位置関係に応じた重み付けを行いつつ、周囲のインク階調値(Cpi,Mpi)を加算することにより、格子点階調値(ag1,bg1)に対応するインク階調値(Cg1,Mg1)を算出することができる。なお、実際には平面でなく3次元の空間位置関係に基づく体積補間が行われることとなる。以上と同様の手順で、すべての格子点(j=1〜m)についてインク階調値(Cgj,Mgj,Ygj,Kgj,lcgj,lmgj)を算出していく。以上により出力ICCプロファイル15cを構成する各値が算出できたこととなる。 【0079】 ステップS540においては、ステップS535で算出したインク階調値(Cgj,Mgj,Ygj,Kgj,lcgj,lmgj)を格納した新たな出力ICCプロファイル15cを調整データとしてHDD15に記憶してカラーマッチング処理を終了させる。なお、ステップS510で取得される測色値(Lpmi,apmi,bpmi)と、ステップS520で取得されるターゲット測色値(Lpti,apti,bpti)との色差平均を算出し、この色差平均が所定の閾値を下回るまでステップS500〜S540を繰り返すことにより、より精度の高い出力ICCプロファイル15cを作成してもよい。この出力ICCプロファイル15cを参照して色変換を行えば、デジタルスクリーン印刷機60と同様の再現色をプリンタ40にて実現することができる。ステップS525,S535のようにカラーマッチング処理においては、色空間での対応関係を3次元の補間によって特定する必要があるため、その処理負担は大きいものとなる。さらに、上述したようにカラーマッチングを繰り返し行って、高精度の出力ICCプロファイル15cを得る場合には、処理負担はさらに高いものとなる。 【図面の簡単な説明】 【0080】 【図1】色調整システムの概略構成を示すブロック図である。 【図2】コンピュータの概略構成を示すブロック図である。 【図3】大中小振り分けテーブルの例を示す図である。 【図4】カラーマッチングとキャリブレーションの比較説明図である。 【図5】キャリブレーション管理処理のフローチャートである。 【図6】印刷管理処理のフローチャートである。 【図7】カラーマッチング管理処理のフローチャートである。 【図8】色調整システムの応用構成を示すブロック図である。 【図9】キャリブレーション処理のフローチャートである。 【図10】キャリブレーション用パッチの例を示す図である。 【図11】色を修正する際の処理を説明する説明図である。 【図12】カラーマッチング処理のフローチャートである。 【図13】空間補間を説明する説明図である。 【図14】空間補間を説明する説明図である。 【符号の説明】 【0081】 10(10a,10b)…コンピュータ,15a…画像データ,15a1…パッチデータA,15a2…パッチデータB,15b…入力ICCプロファイル,15c…出力ICCプロファイル(調整データ),15d…大中小振り分けテーブル,15e…キャリブレーション履歴データ,21…PTDRV,21a…画像データ取得モジュール,21b…色変換モジュール,21c…大中小ドット生成モジュール,21d…H/T処理モジュール,21e…印刷データ生成モジュール,21f…カラーマッチングモジュール,21g…キャリブレーションモジュール,21f…色調整管理モジュール,40(40a,40b)…プリンタ,50…測色機,60…デジタルスクリーン印刷機,70…サーバ,71…標準プリンタ,72…測色機,73…標準色データ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月15日(2006.9.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096703 【弁理士】 【氏名又は名称】横井 俊之
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| 【公開番号】 |
特開2008−72602(P2008−72602A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−251178(P2006−251178) |
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