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【発明の名称】 エンコード装置、エンコード方法、プログラム、記録媒体、および記録媒体製造方法
【発明者】 【氏名】三好 義郎

【要約】 【課題】2パスエンコード方式によるエンコード処理において、本来、符号化の難易度が低い映像部分にもある程度のデータ量が割当てられるようにする。

【構成】ビデオ入力部11は、エンコード対象としてのビデオデータD11を入力し、ノイズ付加部12およびエンコーダ13に供給する。ノイズ付加部12は、擬似ノイズを発生して、ビデオ入力部11から供給されたビデオデータD11に重畳し、その結果得られた擬似ノイズが付加されたビデオデータD11’をエンコーダ13に供給する。エンコーダ13は、ビデオデータD11およびビデオデータD11’を利用して、2パスエンコード方式によるエンコード処理を実行する。本発明は、オーサリング装置に適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード装置において、
前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加手段と、
所定の符号化パラメータを用いて、前記付加手段によりノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコード手段と、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコード手段によるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコード手段と
を備えるエンコード装置。
【請求項2】
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード方法において、
前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加ステップと、
所定の符号化パラメータを用いて、前記付加ステップの処理でノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコードステップと、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理で決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコードステップと
を含むエンコード方法。
【請求項3】
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加ステップと、
所定の符号化パラメータを用いて、前記付加ステップの処理でノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコードステップと、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理で決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコードステップと
を含むエンコード処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項4】
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理により、
前記入力映像信号に、ノイズが付加され、
所定の符号化パラメータを用いて、ノイズが付加された入力映像信号がエンコードされ、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量が、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定され、
前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号がエンコードされた結果得られたビデオデータを記録する記録媒体。
【請求項5】
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理により、
前記入力映像信号に、ノイズが付加され、
所定の符号化パラメータを用いて、ノイズが付加された入力映像信号がエンコードされ、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量が、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定され、
前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号がエンコードされた結果得られたビデオデータを出力して記録媒体に記録する記録媒体製造方法。
【請求項6】
入力映像信号を、可変レートで2パスエンコードを行うエンコード装置において、
前記入力映像信号にノイズを付加した信号に対して1パス目のエンコードを行い、
前記ノイズを付加した入力映像信号に対して行った1パス目のエンコードの結果に基づく符号化パラメータを用いて、前記入力信号に対して2パス目のエンコードを行うエンコード手段
を備えるエンコード装置。
【請求項7】
入力映像信号を、可変レートで2パスエンコードを行うエンコード方法において、
前記入力映像信号にノイズを付加した信号に対して1パス目のエンコードを行い、
前記ノイズを付加した入力映像信号に対して行った1パス目のエンコードの結果に基づく符号化パラメータを用いて、前記入力信号に対して2パス目のエンコードを行う
エンコード方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコード装置、エンコード方法、プログラム、記録媒体、および記録媒体製造方法に関し、2パスエンコード方式によるエンコード処理に好適なエンコード装置、エンコード方法、プログラム、記録媒体、および記録媒体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク等のパッケージメディアを作成するために、各種メディアに記録するビデオデータやオーディオデータ等の素材を、データ圧縮するオーサリング装置が存在する。
【0003】
このオーサリング装置におけるビデオデータの圧縮手法として、例えばMPEG(Moving Picture Expert Group)の規格に準拠して、入力素材を一旦固定の量子化ステップでエンコードし、そのとき発生する符号量(すなわち、データ量)などのデータに基づいて本番のエンコード時に発生する目標データ量を決定し、その目標データ量が発生する量子化ステップで本番のエンコードを行うという、2パスエンコードと呼ばれる方式がある(特許文献1参照)。
【0004】
図1には、この2パスエンコード方式によるエンコード処理の概要が図示されている。
【0005】
すなわち第1パス目のエンコード処理1により、例えば、直交基底変換の1種である離散コサイン変換された入力ビデオデータD1が固定の量子化ステップで量子化されて、フレーム内圧縮及びフレーム間圧縮が行われる。
【0006】
目標データ量決定処理2により、例えば、フレーム毎の目標データ量として、目標データ量が、第1パス目のエンコード処理1により発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が図示せぬ記録媒体の総容量となるように、目標データ量が決定される。
【0007】
そして第2パス目のエンコード処理3により、第1パス目のエンコード処理1と同様に離散コサイン変換された入力ビデオデータD1の各フレームが、目標データ量決定処理2で決定された各目標データ量が発生する量子化ステップで量子化されて、フレーム内圧縮及びフレーム間圧縮が行われる。
【0008】
第2パス目のエンコード処理3の結果得られたビデオデータD2が図示せぬ記録媒体に記録される。
【0009】
フレーム間符号化では、動きの激しい部分において予測フレームからの予測誤差が大きくなり、その分、画質劣化を低減するために多くのデータ量が必要となる。またフレーム内符号化では、高周波数成分が多い場合に、離散コサイン変換処理により高次の係数データが発生することにより、その分、画質劣化を低減するために多くのデータ量が必要となる。
【0010】
一定の値に固定された量子化ステップで行われる第1パス目のエンコード処理1により、このように画質劣化を低減するために多くのデータ量を要する部分からは多くのデータ量が発生する。従って第1パス目のエンコード処理1で発生するデータ量は、各フレームの符号化の難易度を表しており、目標データ量決定処理2で、その難易度に基づいてデータ量を配分して目標データ量を決定し、第2パス目のエンコード処理3で、その目標データ量の符号が発生するように入力ビデオデータD1をエンコードすることにより、効率的に入力ビデオエンコードD1を符号化することができる。
【特許文献1】特開平10-66067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上述したような2パスエンコード方式によるエンコード処理では、符号化の難易度に応じてデータ量が割当てられるので、難易度が低い映像(例えば、動きが少ない映像や平坦な映像)には、極端に少ないデータ量が割当てられてしまう。
【0012】
例えば図2の上段には示すような難易度が得られる映像に対しては、図2の下段に示すようなビットレートが得られるが、図2の上段の破線で囲まれている部分の低い難易度の部分には、少ない目標データ量が割当てられるので、そのビットレートが、図2の下段の破線が示すように、他の部分に比べ極端に低いものとなってしまう。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、2パスエンコード方式によるエンコード処理において、難易度が低い映像部分にもある程度のデータ量が割当てられるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の側面のエンコード装置は、入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード装置において、前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加手段と、所定の符号化パラメータを用いて、前記付加手段によりノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコード手段と、前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコード手段によるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコード手段とを備える。
【0015】
本発明の第1の側面のエンコード方法は、入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード方法において、前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加ステップと、所定の符号化パラメータを用いて、前記付加ステップの処理でノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコードステップと、前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定ステップと、前記決定ステップの処理で決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコードステップとを含む。
【0016】
本発明の第1の側面のプログラムは、入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加ステップと、所定の符号化パラメータを用いて、前記付加ステップの処理でノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコードステップと、前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定ステップと、前記決定ステップの処理で決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコードステップとを含むエンコード処理をコンピュータに実行させる。
【0017】
本発明の第1の側面のエンコード装置、エンコード方法、またはプログラムにおいては、入力映像信号に、ノイズが付加され、所定の符号化パラメータを用いて、ノイズが付加された入力映像信号がエンコードされ、前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量が、さきのエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定され、決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号がエンコードされる。
【0018】
本発明の第2の側面の記録媒体は、入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理により、前記入力映像信号に、ノイズが付加され、所定の符号化パラメータを用いて、ノイズが付加された入力映像信号がエンコードされ、前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量が、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定され、前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号がエンコードされた結果得られたビデオデータを記録する。
【0019】
本発明の第3の側面の記録媒体製造方法は、入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理により、前記入力映像信号に、ノイズが付加され、所定の符号化パラメータを用いて、ノイズが付加された入力映像信号がエンコードされ、前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量が、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定され、前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号がエンコードされた結果得られたビデオデータを出力して記録媒体に記録する。
【0020】
本発明の第4の側面のエンコード装置は、入力映像信号を、可変レートで2パスエンコードを行うエンコード装置において、前記入力映像信号にノイズを付加した信号に対して1パス目のエンコードを行い、前記ノイズを付加した入力映像信号に対して行った1パス目のエンコードの結果に基づく符号化パラメータを用いて、前記入力信号に対して2パス目のエンコードを行うエンコード手段を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の第4の側面のエンコード方法は、入力映像信号を、可変レートで2パスエンコードを行うエンコード方法において、前記入力映像信号にノイズを付加した信号に対して1パス目のエンコードを行い、前記ノイズを付加した入力映像信号に対して行った1パス目のエンコードの結果に基づく符号化パラメータを用いて、前記入力信号に対して2パス目のエンコードを行うことを特徴とする。
【0022】
本発明の第4の側面の、入力映像信号が、可変レートで2パスエンコードを行われるエンコード装置またはエンコード方法においては、前記入力映像信号にノイズを付加した信号に対して1パス目のエンコードが行われ、前記ノイズを付加した入力映像信号に対して行った1パス目のエンコードの結果に基づく符号化パラメータを用いて、前記入力信号に対して2パス目のエンコードが行われる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1乃至第4の側面によれば、2パスエンコード方式によるエンコード処理において、本来、符号化の難易度が低い映像部分にもある程度のデータ量が割当てることができ、またそのようにしてエンコードされた映像信号を記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0025】
本発明の第1の側面のエンコード装置は、
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード装置において、
前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加手段(例えば、図3のノイズ付加部12)と、
所定の符号化パラメータを用いて、前記付加手段によりノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコード手段(例えば、図3のエンコーダ13)と、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコード手段によるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定手段(例えば、図3の制御部15)と、
前記決定手段により決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコード手段(例えば、図3のエンコーダ13)と
を備える。
【0026】
本発明の第1の側面のエンコード方法、またはプログラムは、
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード方法において、または入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記入力映像信号に、ノイズを付加する付加ステップ(例えば、図7のステップS1)と、
所定の符号化パラメータを用いて、前記付加ステップの処理でノイズが付加された入力映像信号をエンコードする第1エンコードステップ(例えば、図7のステップS2)と、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量を、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定する決定ステップ(例えば、図7のステップS3)と、
前記決定ステップの処理で決定された前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号をエンコードする第2のエンコードステップ(例えば、図7のステップS4)と
を含む。
【0027】
本発明の第2の側面の記録媒体(例えば、図3のHDD14)は、
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理により、
前記入力映像信号に、ノイズが付加され、
所定の符号化パラメータを用いて、ノイズが付加された入力映像信号がエンコードされ、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量が、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定され、
前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号がエンコードされた結果得られたビデオデータを記録する。
【0028】
本発明の第3の側面の記録媒体製造方法は、
入力映像信号を、可変レートでエンコードするエンコード処理により、
前記入力映像信号に、ノイズが付加され、
所定の符号化パラメータを用いて、ノイズが付加された入力映像信号がエンコードされ、
前記入力映像信号を構成する所定の映像単位の映像信号毎の目標データ量が、第1のエンコードステップによるエンコードにより発生したデータ量と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように決定され、
前記目標データ量に基づいた符号化パラメータを用いて、前記入力映像信号がエンコードされた結果得られたビデオデータを出力して記録媒体に記録する(例えば、図7のステップS1乃至ステップS4)。
【0029】
本発明の第4の側面のエンコード装置は、
入力映像信号を、可変レートで2パスエンコードを行うエンコード装置において、
前記入力映像信号にノイズを付加した信号に対して1パス目のエンコードを行い、
前記ノイズを付加した入力映像信号に対して行った1パス目のエンコードの結果に基づく符号化パラメータを用いて、前記入力信号に対して2パス目のエンコードを行うエンコード手段(例えば、図3のエンコード装置)を備える。
【0030】
本発明の第4の側面のエンコード方法(例えば、図7)
入力映像信号を、可変レートで2パスエンコードを行うエンコード方法において、
前記入力映像信号にノイズを付加した信号に対して1パス目のエンコードを行い、
前記ノイズを付加した入力映像信号に対して行った1パス目のエンコードの結果に基づく符号化パラメータを用いて、前記入力信号に対して2パス目のエンコードを行う。
【0031】
図3は、本発明を適用した、2パスエンコード方式によるエンコード処理を実行するエンコード装置の構成例を示している。
【0032】
ビデオ入力部11は、制御部15の制御に従って、図示せぬVTR(Video Tape Recorder)等から出力される、エンコード対象としてのビデオデータD11を入力し、ノイズ付加部12およびエンコーダ13に供給する。ビデオ入力部11はまた、例えば入力したビデオデータD11の各フレームの先頭の位置を示すタイミング信号をノイズ付加部12およびエンコーダ13に供給する。
【0033】
ノイズ付加部12は、制御部15の制御に従って、擬似ノイズを発生して、ビデオ入力部11から供給されたタイミング信号に合わせて、同様にビデオ入力部11から供給されたビデオデータD11に重畳し、その結果得られた擬似ノイズが付加されたビデオデータD11(以下、適宜、ビデオデータD11’と称する)をエンコーダ13に供給する。
【0034】
エンコーダ13は、制御部15の制御に従って、ノイズ付加部12から供給されたビデオデータD11’およびビデオ入力部11から供給されたビデオデータD11を利用して、2パスエンコード方式によるエンコード処理を実行する。
【0035】
すなわち、エンコーダ13は、ノイズ付加部12から供給されたビデオデータD11’を、所定の量子化パラメータ(すなわち、例えば、固定の量子化ステップ)を用いてエンコードし(図1の第1パス目のエンコード処理1に相当する処理)、その結果得られた難易度(すなわち、データ量)を、HDD(Hard Disk Drive)14に供給し、記憶させる。
【0036】
エンコーダ13はまた、ビデオ入力部11から供給されたビデオデータD11を、フレーム毎の目標データ量として、目標データ量が、難易度と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量(例えば、HDD14の所定の領域の容量)となるように決定された各フレームの目標データ量に基づいた量子化パラメータ(すなわち、例えば、目標データ量が発生する量子化ステップ)を用いてエンコードし(第2パス目のエンコード処理3に相当する処理)、その結果得られたビデオデータD12を、HDD14に供給し記憶させる。
【0037】
制御部15は、各部を制御する。
【0038】
例えば、制御部15は、エンコーダ13における第1パス目のエンコード処理1に相当する処理で固定して用いられる量子化ステップの値を、エンコーダ13に設定する。
【0039】
制御部15また、第1パス目のエンコード処理1に相当する処理で得られた難易度等のデータをHDD14から読み出し、フレーム毎に目標データ量を配分し(目標データ量決定処理2に相当する処理)、エンコーダ13に設定する。
【0040】
図4は、ノイズ付加部12の構成例を示している。
【0041】
信号発生ブロック21は、ビデオ入力部11から供給されたタイミング信号に応じて、式(1)に示す変数Xの生成多項式の演算を開始し、その演算結果を、組み合わせブロック23に出力する。
【0042】
【数1】


【0043】
信号発生ブロック21はまた、ビデオ入力部11から供給されたタイミング信号に同期して、信号発生ブロック22における生成多項式の初期値を決定し、信号発生ブロック22に供給する。
【0044】
信号発生ブロック22は、ビデオ入力部11から供給されたタイミング信号に応じて、式(2)に示す変数Xの生成多項式の演算を開始し、その演算結果を、組み合わせブロック23に出力する。なお式(2)の初期値は、信号発生ブロック21から供給された初期値が設定される。
【0045】
【数2】


【0046】
組み合わせブロック23は、制御部15の制御に従って、信号発生ブロック21および信号発生ブロック22での生成多項式の各ビットを組み合わせ(例えば、論理積演算または論理和演算し)、その結果に対応するタイミングで、ビデオ入力部11から供給されたビデオデータD11にノイズを付加する。
【0047】
例えば図5に模式的に示すビデオデータD11がビデオ入力部11から供給されている場合において、上向き矢印A乃至Cが示すタイミングを示すタイミング信号が生成された場合、矢印A乃至Cに対応するビデオデータD11の値が、図6に模式的に示すように、ビデオデータD11に割当てられる最大ビット幅(255ビット)の半分の値(255/2)に対して対象になる値に変更される。その結果得られたビデオデータD11’がエンコーダ13に供給される。
【0048】
なお図4の例では、信号発生ブロック22における生成多項式の初期値が、信号発生ブロック21により設定されるようにしたので、より長い周期で、ランダム性のある擬似ノイズパターンを発生することができる。
【0049】
また組み合わせブロック23における信号発生ブロック21および信号発生ブロック22での生成多項式の各ビットの組み合わせは、擬似ノイズのパターンや頻度等に応じて、適宜変更することができる。
【0050】
次に、図7のフローチャートを参照して、図3のエンコード装置の動作を説明する。
【0051】
ステップS1において、ビデオ入力部11がエンコード処理の対象となるビデオデータD11を入力し、ノイズ付加部12およびエンコーダ13への供給を開始すると、ノイズ付加部12は、そのビデオデータD11に擬似ノイズを重畳させ、その結果得られたビデオデータD11’をエンコーダ13に供給する。
【0052】
ステップS2において、エンコーダ13は、ノイズ付加部12から供給されたビデオデータD11’(すなわち、擬似ノイズが重畳されたビデオデータD11)を、固定の量子化ステップで量子化してエンコードし(図1の第1パス目のエンコード処理1に相当する処理)、その結果得られた難易度(すなわち、このエンコード処理により発生したデータ量)を、HDD14に供給し、記憶させる。
【0053】
次にステップS3において、制御部15は、例えば、フレーム毎の目標データ量として、目標データ量が、ステップS2のエンコード処理により発生した難易度(すなわち、データ量)と略比例し、かつ、それぞれの目標データ量の総和が所定の容量となるように、目標データ量を決定する(目標データ量決定処理2に相当する処理)。
【0054】
ステップS4において、エンコーダ13は、ステップS3で決定された目標データ量に基づく量子化ステップで、ビデオ入力部11から供給されたビデオデータD11(すなわち、擬似ノイズが重畳されていないビデオデータD11)をエンコードし(第2パス目のエンコード処理3に相当する処理)、その結果得られたビデオデータD12を、HDD14に供給して記憶させる。
【0055】
その後、処理は終了する。
【0056】
以上のように、ランダムに発生した擬似ノイズを入力ビデオデータD11に付加して第1パス目のエンコード処理1に相当する処理を行うようにしたので(ステップS1およびステップS2)、元の映像の特徴を残したまま、動きが少ない映像からもある程度高い難易度を得ることができ、目標データ量決定処理2に相当する処理で、その部分においてもある程度の目標データ量を配分することができる。その結果極端に低いビットレートが存在せず、かつ、ビットレートの高低の差が少ないエンコードデータを得ることができる。
【0057】
例えば図2の上段の破線で囲まれている部分のように本来であれば難易度が低い部分からも、図8の上段で破線で囲まれている部分が示すようにある程度高い難易度を得ることができるので、図8の下段が示すように、全体的に一定上のビットレートでエンコードデータを得ることができる。
【0058】
なお図8の上段は、図2の上段に示すような難易度が得られるビデオデータD11にノイズを付加した場合に得られる難易度を示している。また図8の下段は、図8の上段に示す難易度に基づいて目標データ量を決定し、その目標データ量に基づいてビデオデータD11をエンコードした場合に得られるビデオデータD12のビットレートを示している。
【0059】
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0060】
そこで、図9は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0061】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク105やROM103に予め記録しておくことができる。
【0062】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0063】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体111からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部108で受信し、内蔵するハードディスク105にインストールすることができる。
【0064】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)102を内蔵している。CPU102には、バス101を介して、入出力インタフェース110が接続されており、CPU102は、入出力インタフェース110を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部107が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU102は、ハードディスク105に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部108で受信されてハードディスク105にインストールされたプログラム、またはドライブ109に装着されたリムーバブル記録媒体111から読み出されてハードディスク105にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)104にロードして実行する。これにより、CPU102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部106から出力、あるいは、通信部108から送信、さらには、ハードディスク105に記録等させる。
【0065】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0066】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0067】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】2パスエンコード方式によるエンコード処理を説明する図である。
【図2】従来の2パスエンコード方式によるエンコード処理の結果を示す図である。
【図3】本発明を適用したエンコード装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3のノイズ付加部12の構成例を示すブロック図である。
【図5】ノイズ付加処理を説明する図である。
【図6】ノイズ付加処理を説明する他の図である。
【図7】エンコード処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の2パスエンコード方式によるエンコード処理の結果を示す図である。
【図9】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
11 ビデオ入力部, 12 ノイズ付加部, 13 エンコーダ, 14 HDD, 15 制御部, 21 信号発生ブロック, 22 信号発生ブロック, 23 組み合わせブロック 101 バス, 102 CPU, 103 ROM, 104 RAM, 105 ハードディスク, 106 出力部, 107 入力部, 108 通信部, 109 ドライブ, 110 入出力インタフェース, 111 リムーバブル記録媒体
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄


【公開番号】 特開2008−72592(P2008−72592A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251133(P2006−251133)