| 【発明の名称】 |
画像処理装置、方法、及びコンピュータプログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】北島 光太郎
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| 【要約】 |
【課題】光源を推定し、その推定した光源に応じてホワイトバランス制御を行うに際して、その精度を向上させる。
【構成】ホワイトバランス増幅部106では、ホワイトバランスゲイン制御部110から出力されるホワイトバランスゲインに基づいて色信号(R,G,B)を増幅し、増幅色信号(R',G',B')を色差信号生成部107に出力する。この場合に、光源推定部120では、明るさ検出部111から出力される被写体照度、及び、輝度・色信号生成部105から出力される色信号(R,G,B)を利用して光源を推定する。そして、ホワイトバランスゲイン制御部110では、光源推定部120からの光源情報に応じてホワイトバランスゲインを決定し、ホワイトバランス増幅部106に出力して、ホワイトバランス増幅部106において次の入力画像信号に対してホワイトバランス増幅が行われる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号情報取得手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記第1の色信号情報により決定されるパラメータとに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 前記第1の色信号情報を用いて光源の種類或いは光源の温度を推定し、その光源情報に基づいて、前記パラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項3】 前記第1の色信号情報を用いてホワイトバランスゲインの目標値を設定し、そのホワイトバランスゲインの目標値に基づいて、前記パラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項4】 前記第1の色信号情報を用いて撮影シーンを推定し、その撮影シーンに基づいて、前記パラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項5】 前記パラメータとは、前記第2の色信号情報を取得するための色信号範囲を指定するパラメータ、前記ホワイトバランスゲインの制御パラメータ、ホワイトバランス制御の動作及び停止パラメータのうち少なくともいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 【請求項6】 前記第2の色信号情報を取得するための色信号範囲を指定するパラメータとは、所定の色範囲に含まれる色信号を取得する際の色範囲の閾値であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 【請求項7】 前記ホワイトバランスゲインの制御パラメータとは、ホワイトバランスゲインの可変範囲、ホワイトバランスゲインの変化量、ホワイトバランスゲインの初期値のうち少なくともいずれか一つ以上を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。 【請求項8】 前記第1の色信号情報を、前記第2の色信号情報から算出する色信号算出手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。 【請求項9】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、 被写体照度を検出する被写体照度検出手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号情報取得手段と、 前記被写体照度検出手段により検出された被写体照度と、前記第1の色信号情報とに基づいて光源を推定する光源推定手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記光源推定手段により推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項10】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、 被写体照度を検出する被写体照度検出手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報から、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の色信号情報を算出する色信号情報算出手段と、 前記被写体照度検出手段により検出された被写体照度と、前記色信号情報算出手段により算出された色信号情報とに基づいて光源を推定する光源推定手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報と、前記光源推定手段により推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項11】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号情報取得手段と、 前記第1の色信号情報を基づいて光源情報を推定する第1の光源推定手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する第2の色信号情報取得手段と、 前記第2の色信号情報に基づいて光源情報を推定する第2の光源推定手段と、 前記第1の光源推定手段により推定した光源情報と、前記第2の光源推定手段により推定した光源情報との少なくともいずれか一つに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項12】 前記ホワイトバランスゲイン制御手段は、前記第1の光源推定手段により推定した光源情報と、前記第2の光源推定手段により推定した光源情報とから予め定められた条件に従っていずれか一方を選択し、その選択された光源情報に基づいてホワイトバランスゲインを算出することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 【請求項13】 前記ホワイトバランスゲイン制御手段は、前記第1の光源推定手段により推定した光源情報を用いて前記第2の光源推定手段により推定した光源情報を補正し、その補正された光源情報に基づいてホワイトバランスゲインを算出することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 【請求項14】 前記ホワイトバランスゲイン制御手段は、前記第1の光源推定手段により推定した光源情報と、前記第2の光源推定手段により推定した光源情報とに基づいて第3の光源情報を推定し、その推定された第3の光源情報に基づいて、ホワイトバランスゲインを算出することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 【請求項15】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号取得手段と、 前記第1の色信号情報に基づいて第1のホワイトバランスゲインを算出する第1のホワイトバランスゲイン算出手段と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する第2の色信号取得手段と、 前記第2の色信号情報に基づいて第2のホワイトバランスゲインを算出する第2のホワイトバランスゲイン算出手段と、 前記第1のホワイトバランスゲインと前記第2のホワイトバランスゲインとに基づいて第3のホワイトバランスゲインを決定し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項16】 前記ホワイトバランスゲイン制御手段は、前記第1のホワイトバランス制御ゲインを用いて前記第2のホワイトバランス制御ゲインを補正して、前記第3のホワイトバランスゲインとすることを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。 【請求項17】 前記ホワイトバランスゲイン制御手段は、前記第1のホワイトバランスゲインと前記第2のホワイトバランスゲインとからいずれか一方を選択して、それを前記第3のホワイトバランスゲインとすることを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。 【請求項18】 前記撮像素子からの出力画像が動画像であるか、静止画像であるかの情報を取得する出力形式取得手段を備え、 前記ホワイトバランスゲイン制御手段は、前記撮像素子からの出力画像が静止画像の場合、前記第1のホワイトバランス制御ゲインを選択して、それを前記第3のホワイトバランスゲインとすることを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。 【請求項19】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランス増幅手段によりホワイトバランスゲインに応じて増幅する画像処理方法であって、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する手順と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記第1の色信号情報により決定されるパラメータとに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする手順とを有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項20】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランス増幅手段によりホワイトバランスゲインに応じて増幅する画像処理方法であって、 被写体照度を検出する手順と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する手順と、 前記検出された被写体照度と、前記第1の色信号情報とに基づいて光源を推定する手順と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする手順とを有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項21】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランス増幅手段によりホワイトバランスゲインに応じて増幅する画像処理方法であって、 被写体照度を検出する手順と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報から、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の色信号情報を算出する手順と、 前記検出された被写体照度と、前記算出された増幅前の色信号情報とに基づいて光源を推定する手順と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報と、前記推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする手順とを有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項22】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランス増幅手段によりホワイトバランスゲインに応じて増幅する画像処理方法であって、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する手順と、 前記第1の色信号情報を基づいて光源情報を推定する手順と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する手順と、 前記第2の色信号情報に基づいて光源情報を推定する手順と、 前記第1の色信号情報に基づいて推定した光源情報と、前記第2の色信号情報に基づいて推定した光源情報との少なくともいずれか一つに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする手順とを有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項23】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランス増幅手段によりホワイトバランスゲインに応じて増幅する画像処理方法であって、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する手順と、 前記第1の色信号情報に基づいて第1のホワイトバランスゲインを算出する手順と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する手順と、 前記第2の色信号情報に基づいて第2のホワイトバランスゲインを算出する手順と、 前記第1のホワイトバランスゲインと前記第2のホワイトバランスゲインとに基づいて第3のホワイトバランスゲインを決定し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする手順とを有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項24】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段を備えた画像処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する処理と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記第1の色信号情報により決定されるパラメータとに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 【請求項25】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段を備えた画像処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、 被写体照度を検出する処理と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する処理と、 前記検出された被写体照度と、前記第1の色信号情報とに基づいて光源を推定する処理と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 【請求項26】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段を備えた画像処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、 被写体照度を検出する処理と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報から、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の色信号情報を算出する処理と、 前記検出された被写体照度と、前記算出された増幅前の色信号情報とに基づいて光源を推定する処理と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報と、前記推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 【請求項27】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段を備えた画像処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する処理と、 前記第1の色信号情報を基づいて光源情報を推定する処理と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する処理と、 前記第2の色信号情報に基づいて光源情報を推定する処理と、 前記第1の色信号情報に基づいて推定した光源情報と、前記第2の色信号情報に基づいて推定した光源情報との少なくともいずれか一つに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 【請求項28】 撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段を備えた画像処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する処理と、 前記第1の色信号情報に基づいて第1のホワイトバランスゲインを算出する処理と、 前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する処理と、 前記第2の色信号情報に基づいて第2のホワイトバランスゲインを算出する処理と、 前記第1のホワイトバランスゲインと前記第2のホワイトバランスゲインとに基づいて第3のホワイトバランスゲインを決定し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックする処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、光源を推定し、その推定した光源に応じて適切なホワイトバランス制御を行う画像処理装置、方法、及びコンピュータプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年のビデオカメラ等で利用されるオートホワイトバランス制御は、外部センサを使用せず、撮像素子の出力を用いて行うものが主流となっている。例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号から色差信号(R−Y、B−Y)、輝度信号(Y)を得るとともに、画像データを細かなブロックに分割し、各分割ブロック内で信号を平均する。そして、それらブロック平均値から白に近い色信号成分を抽出し、抽出した白に近い色信号の平均値が目標とする白色と等しくなるように制御する(例えば、特許文献1を参照)。 【0003】 このようにオートホワイトバランス制御を行うに際して、動画像の場合は急激なホワイトバランスの変化は違和感を伴うため、時間とともに徐々にホワイトバランスゲインを変更する必要がある。そのため、動画像の場合にはホワイトバランス増幅後の色データを利用し、制御結果を確認しながら制御できるフィードバック型のホワイトバランス制御が適していると考えられる。 【0004】 また、特許文献2では、白の抽出をさらに精度良く行う方法が開示されている。上述の白抽出範囲では蛍光灯の緑色も白として抽出するために、緑色の領域も白抽出範囲に含んでいる。そのため、芝生や木の緑色も白として抽出してしまい、芝生や木の緑を白に近づけるため色が褪色してしまうという問題があった。そこで、特許文献2では、白抽出範囲に含まれる信号の中でさらに緑色の信号を検出し、緑色の信号で輝度が低い信号については、白として抽出し難くする制御を行っている。これにより、輝度の低い芝生や木の緑色に関しては白として抽出することなく、ホワイトバランスによって褪色させないで、蛍光灯等の光源の緑は適切に無彩色にすることが可能となる。 【0005】 【特許文献1】特開平5−64219号公報 【特許文献2】特開平8−79786号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 特許文献1に開示された発明では、被写体の明るさ(被写体照度)を用いて光源が屋内光であるか屋外光であるかの判断をしているが、被写体照度だけで光源を判断することは難しい。例えば、日陰では被写体照度は低くなるため、屋内光と誤判断してしまうおそれがある。 【0007】 また、特許文献2に開示された発明では、色信号の中で緑色の信号を抽出している。しかしながら、フィードバック型のホワイトバランス制御においては、ホワイトバランスゲインの状態によって被写体の色が大きく変化するため、所望の色信号のみを抽出することが困難であるという問題があった。 【0008】 この問題について以下で詳しく説明する。図16は色差平面(R'-Y,B'-Y)における、緑色の領域と色信号データの分布を示している。なお、R',B'はホワイトバランスゲインに従って増幅された色信号である。即ち、図16は、ホワイトバランス増幅後の色信号データの分布を示している。図16において、1700、1701は緑色の領域(緑領域)を示しており、1702、1703は色信号の分布を示している。 【0009】 図16(a)では、多くの色信号データ1702が緑領域1700に含まれている状態を示している。図16(b)は、図16(a)の状態からホワイトバランスゲインが変化した状態を示している。図16(b)では、図16(a)の状態で緑色と判断された信号が無彩色に近い状態に変化しているため、緑領域1701にはあまり色信号データ1703が含まれていない。そのため、図16(b)の状態において、被写体の画像信号から緑の信号を抽出することが困難となる。 【0010】 このように、フィードバック型のホワイトバランス制御を用いた場合、ホワイトバランス増幅後の色信号を検波するため、同一の被写体であってもホワイトバランスゲインの状態により色分布が変化してしまう。そのため、緑色だけ等の特定の色信号を抽出することが困難となる場合があった。 【0011】 本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、光源を推定し、その推定した光源に応じてホワイトバランス制御を行うに際して、その精度を向上させることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明による画像処理装置は、撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号情報取得手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記第1の色信号情報により決定されるパラメータとに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備える点に特徴を有する。 本発明による他の画像処理装置は、撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、被写体照度を検出する被写体照度検出手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号情報取得手段と、前記被写体照度検出手段により検出された被写体照度と、前記第1の色信号情報とに基づいて光源を推定する光源推定手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報と、前記光源推定手段により推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備える点に特徴を有する。 本発明による他の画像処理装置は、撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、被写体照度を検出する被写体照度検出手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報から、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の色信号情報を算出する色信号情報算出手段と、前記被写体照度検出手段により検出された被写体照度と、前記色信号情報算出手段により算出された色信号情報とに基づいて光源を推定する光源推定手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の色信号情報と、前記光源推定手段により推定された光源とに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備える点に特徴を有する。 本発明による他の画像処理装置は、撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号情報取得手段と、前記第1の色信号情報を基づいて光源情報を推定する第1の光源推定手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する第2の色信号情報取得手段と、前記第2の色信号情報に基づいて光源情報を推定する第2の光源推定手段と、前記第1の光源推定手段により推定した光源情報と、前記第2の光源推定手段により推定した光源情報との少なくともいずれか一つに基づいてホワイトバランスゲインを算出し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備える点に特徴を有する。 本発明による他の画像処理装置は、撮像素子から出力される画像信号に含まれる色信号を、ホワイトバランスゲインに応じて増幅するホワイトバランス増幅手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅する前の第1の色信号情報を取得する第1の色信号取得手段と、前記第1の色信号情報に基づいて第1のホワイトバランスゲインを算出する第1のホワイトバランスゲイン算出手段と、前記ホワイトバランス増幅手段により増幅した後の第2の色信号情報を取得する第2の色信号取得手段と、前記第2の色信号情報に基づいて第2のホワイトバランスゲインを算出する第2のホワイトバランスゲイン算出手段と、前記第1のホワイトバランスゲインと前記第2のホワイトバランスゲインとに基づいて第3のホワイトバランスゲインを決定し、前記ホワイトバランス増幅手段にフィードバックするホワイトバランスゲイン制御手段とを備える点に特徴を有する。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、ホワイトバランス増幅前の色信号情報に基づいて光源を推定することにより、高い精度での光源推定が可能である。 また、ホワイトバランス増幅後の色信号情報を用いたフィードバック制御を行うことにより、安定した精度の高いホワイトバランス制御が可能となる。 また、ホワイトバランス増幅前の色信号情報に基づいてホワイトバランスゲインの目標値を推定し、ホワイトバランス増幅後の色信号情報に基づいて算出したホワイトバランスゲインを補正することにより、精度の高いホワイトバランス制御を実現することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。各実施形態では、フィードバック制御によるオートホワイトバランス機能を備えた撮像装置を例に説明する。 【0015】 (第1の実施形態) 図1は第1の実施形態に係るオートホワイトバランス機能を備えた撮像装置の構成を示すブロック図である。図1において、101は被写体の光束を結像するレンズである。102はアイリスである。103は入射した光を光電変換する撮像素子である。104はAGCアンプであり、撮像素子103からの信号を適正レベルに増幅する。 【0016】 105は輝度・色信号生成部であり、撮像素子103で生成された信号を輝度信号(Y)及び色信号(R,G,B)に変換する。106はホワイトバランス増幅部であり、輝度・色信号生成部105から出力される色信号(R,G,B)をホワイトバランスゲインに従って増幅し、増幅色信号(R',G',B')を生成する。107は色差信号生成部であり、色差信号(R'-Y,B'-Y)を生成する。108は標準テレビ信号等に変換するエンコーダである。 【0017】 109は信号分割部であり、輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y,B'-Y)を所定の領域ごとに分割する。111は被写体の明るさ(被写体照度)を検出する明るさ検出部である。120は光源推定部であり、明るさ検出部111から出力される被写体照度、及び、輝度・色信号生成部105から出力される色信号(R,G,B)を利用して、被写体の光源を推定する。 【0018】 110はホワイトバランスゲイン制御部であり、信号分割部109から得られた信号及び光源推定部120から得られた光源情報に基づいて、ホワイトバランス増幅部106のホワイトバランスゲインを決定する。 【0019】 次に、第1の実施形態に係る撮像装置の処理動作について説明する。撮像素子103に入射した光は、光電変換され、AGCアンプ104で適正レベルに増幅された後、輝度・色信号生成部105に出力される。輝度・色信号生成部105では、輝度信号(Y)及び色信号(R,G,B)を生成し、このうち色信号(R,G,B)をホワイトバランス増幅部106及び光源推定部120に出力する。 【0020】 ホワイトバランス増幅部106では、ホワイトバランスゲイン制御部110から出力されるホワイトバランスゲインに基づいて色信号(R,G,B)を増幅し、増幅色信号(R',G',B')を色差信号生成部107に出力する。色差信号生成部107では、色信号(R',G',B')から色差信号(R'-Y,B'-Y)を生成し、エンコーダ108及び信号分割部109に出力する。エンコーダ108では、輝度信号(Y)及び色差信号(R'-Y,B'-Y)からNTSC等の標準テレビジョン信号を生成し、出力する。 【0021】 信号分割部109では、画像信号を図14に示すようなブロック(8×8ブロック)に分割し、ブロック毎の輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y,B'-Y)の平均値を算出し、ホワイトバランスゲイン制御部110に出力する。なお、ここでは、信号分割部109が8×8ブロックに画像信号を分割する例を説明したが、どのような分割数であってもかまわない。 【0022】 明るさ検出部111には、アイリス102の解放状態を示す信号、撮像素子103の電子シャッタの制御状態を示す信号、AGCアンプ104のゲイン状態を示す信号がそれぞれ入力される。明るさ検出部111では、前述の輝度信号、アイリス、AGC、撮像素子103の電子シャッタの状態から被写体の明るさ(被写体照度)を検出し、光源推定部120に出力する。 【0023】 光源推定部120では、明るさ検出部111から出力される被写体照度、及び、輝度・色信号生成部105から出力される色信号(R,G,B)を利用して光源を推定する。図2に光源推定部120での光源の推定処理のフローチャートを示す。ステップS201では、輝度・色信号生成部105から出力される色信号(R,G,B)から輝度信号(Y)及び色差信号(R-Y,B-Y)を生成する。 【0024】 ステップS202では、生成した色差信号(R-Y,B-Y)から緑の色相に属する色信号を取得する。図3は色差(R-Y,B-Y)平面を示しており、301は黄色〜緑の色相にあたる領域(緑領域)を示している。入力される色信号が色差平面上の緑領域301に含まれるかどうかをチェックし、緑領域301に含まれる信号(緑信号)を抽出する。 【0025】 ステップS203では、上記ステップS202において抽出した緑信号の平均彩度を算出する。ステップS204では、明るさ検出部111から出力される被写体照度と上記ステップS203において算出した緑信号の彩度情報の関係から、図4に示す分布に基づいて光源を推定する。図4は、被写体の明るさ(被写体照度)と緑の彩度を軸に光源の分布を示した図である。図4において、401は太陽光(屋外光)の分布、402は蛍光灯(室内光)の分布を示している。この分布では、光源が太陽光の場合は照度が高く、蛍光灯の場合は照度が低いことを示している。また、照度が低い場合であっても、緑の彩度が高い場合は太陽光となっている。これは、照度が低く、緑の彩度が高い場合は、抽出した緑信号は蛍光灯の緑色ではなく、太陽光下での芝生や木の緑色であることが多いためである。 【0026】 光源推定部120では、以上述べたステップに従い判定した光源情報(屋外光/屋内光)をホワイトバランスゲイン制御部110に出力する。 【0027】 ホワイトバランスゲイン制御部110では、輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y,B'-Y)から白に近い信号を抽出し、抽出した白に近い信号を目標の白(例えば、R'-Y,B'-Y平面の原点)に近づけるようにホワイトバランスゲインを制御する。図15は色差(R'-Y,B'-Y)平面と、色差平面上で白に近い色信号を抽出するための白抽出範囲1600を示す図である。図15(a)は光源が太陽光の場合の白抽出範囲1600を示しており、図15(b)は光源が人工灯の場合の白抽出範囲1600を示している。 【0028】 ホワイトバランスゲイン制御部110では、光源推定部120からの光源情報に応じて白抽出範囲1600を適応的に変更する。白抽出範囲1600は、光源推定部120からの光源情報が屋外光であった場合には、太陽光の色を抽出するために、図15(a)に示すように高色温度側の色を白として抽出するように設定する(白抽出範囲の青側の領域を広げ、赤側の領域を狭くする)。一方、光源情報が屋内灯であった場合には、蛍光灯の低色温度の色を抽出するために、図15(b)に示すように赤色及び緑色の領域を含む範囲に設定する(青側の領域を狭くする)。 【0029】 ホワイトバランスゲイン制御部110では、このようにして設定された白抽出範囲1600に基づいて画像信号から白に近い信号を抽出し、抽出した白に近い信号を目標の白に近づけるようにホワイトバランスゲインを決定する。決定したホワイトバランスゲインはホワイトバランス増幅部106に出力され、ホワイトバランス増幅部106において、次の入力画像信号に対してホワイトバランス増幅が行われる。 【0030】 以上述べたように、光源の推定にはホワイトバランス増幅部106に入力される前の色信号(R,G,B)を利用することで、ホワイトバランスのゲイン状態に左右されずに色を抽出することができるので、精度の高い光源推定が実現できる。 【0031】 また、ホワイトバランス自体の制御にはホワイトバランス増幅後の色信号を抽出するフィードバック型のホワイトバランス制御を行っているので、大きく破綻することのない動画像に適した安定したホワイトバランス制御が可能となる。 【0032】 上記実施形態では、ホワイトバランスゲイン制御部110において光源推定結果を利用して白抽出範囲1600を制御したが、それに限られない。光源推定結果を利用してホワイトバランスゲイン決定のためのパラメータを設定するものであれば、どのような実施形態であってもかまわない。以下では、図5を参照して、光源推定結果を利用して白色抽出範囲1600を変更する以外の例として、光源推定結果に応じてホワイトバランスゲインの制御範囲を変更する場合について説明する。 【0033】 図5はホワイトバランスゲイン制御部110におけるホワイトバランスゲインの制御範囲を示した図である。図5において、横軸はホワイトバランスのRゲイン、縦軸はBゲインを示している。また、曲線501は黒体放射軸を示しており、ホワイトバランスゲイン制御部110ではこの黒体放射軸に沿ってホワイトバランスゲインを調節する。点502は色温度が3000Kの低色温度の光源にホワイトバランスを合わせた場合のホワイトバランスゲインの状態を示している。同様に、点503は6000K、点504は8000Kの高色温度の光源にホワイトバランスを合わせた場合のホワイトバランスゲインの状態を示している。 【0034】 ここで、ホワイトバランスゲイン制御部110は、光源推定部120から出力される光源情報が屋外光である場合、日陰のシーン等の光源が高色温度である場合も想定される。そこで、ホワイトバランスゲインの制御範囲を8000Kの点504まで制御することを許可する。一方、光源推定部120から出力される光源情報が屋内光である場合には、光源が8000Kほどの高色温度である場合はない。そこで、6000Kの点503を上限とし、それ以上の色温度に対応するようにホワイトバランスゲインを変更しないように制御する。 【0035】 以上、光源推定結果を用いて、ホワイトバランスゲインの可変範囲を制御する手法について述べた。その他にも、光源推定結果によって、電源投入時のホワイトバランスゲイン初期状態の制御、ホワイトバランスゲインを変化させる場合の変化量や変化速度の算出、ホワイトバランス制御の停止/動作の判定、等を行う実施形態であってもよい。 【0036】 また、上記実施形態では、被写体照度と緑信号の彩度との関係から光源を推定したが、本発明は光源推定手法をこれに限定するものではない。要するに、少なくともホワイトバランス増幅前の色信号を利用して光源を推定する手法であれば、どのようなものを用いてもかまわない。例えば、色情報として、緑信号以外の例えば赤信号の情報を用いて光源を推定する手法であってもよい。また、ホワイトバランス増幅前の色信号(R,G,B)と被写体照度だけを用いて光源を推定するのではなく、ホワイトバランス増幅後の信号分割部109から出力される色・輝度信号(Y,R'-Y,B'-Y)も併せて用いて総合的に光源を推定する手法を用いてもよい。 【0037】 また、光源推定結果として、屋外の太陽光と屋内の蛍光灯の推定結果をホワイトバランスゲイン制御部110に出力したが、光源推定結果はこれに限定するものではない。例えば、白熱灯等の低色温度の光源であることを示す情報や、色温度の推定値をホワイトバランスゲイン制御部110に出力するようにしてもよい。 【0038】 また、光源推定は入力映像1フレーム分の色信号から推定することに限定するものではなく、複数フレームの色信号の平均値を利用してもよい。また、1フレーム毎に光源を推定し、各推定した複数フレーム分の光源推定結果の中から、光源推定の代表値を算出し、その光源推定の代表値をホワイトバランスゲイン制御部110に出力するようにしてもよい。これにより、1フレームの被写体の光源状態に左右されない、より正確な光源推定結果を利用したホワイトバランス制御を行うことが可能となる。 【0039】 また、光源推定部120では、ホワイトバランス増幅前の色信号を用いて撮影シーンを推定し、該撮影シーンに基づいて光源を推定する実施形態であってもよい。例えば、撮影した画像の上部から青の色信号を抽出し、撮影シーンが空のシーンであるか日陰のシーンであるかを判断する。判断手法は、例えば抽出した青色の彩度が高く、照度も高い場合は空のシーンと判断し、青色の彩度が低いか、照度が低い場合は日陰のシーンと判断する。空のシーンと判断した場合は光源の色温度を約5000Kと判定する。一方、日陰のシーンと判断した場合は光源の色温度を6000〜7000Kと推定する。そして、この光源の色温度情報をホワイトバランスゲイン制御部110に出力し、推定した色温度情報に基づいてホワイトバランスゲインを決定もしくは補正する。このように構成することにより、撮影シーンに応じたホワイトバランス制御が可能となる。 【0040】 (第2の実施形態) 第2の実施形態として、ホワイトバランス増幅前の色信号をホワイトバランス増幅後の色信号から生成して利用する場合を説明する。 【0041】 図6は第2の実施形態に係るホワイトバランス機能を備えた撮像装置の構成を示すブロック図である。図1に示した構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第1の実施形態では、光源推定部120に、輝度・色信号生成105から色信号(R,G,B)を入力していた。それに対して、第2の実施形態では、ホワイトバランス前色特徴量算出部621が新たに追加されており、光源推定部120に、ホワイトバランス前色特徴量算出部621から後述するRGB信号の推定値(R",G",B")を入力する。 【0042】 次に、第2の実施形態に係る撮像装置の処理動作について説明する。撮像素子103で生成される画像信号がブロック毎の輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y、B'-Y)の平均値として信号分割部109から出力されるまで、及び、明るさ検出部111において被写体照度が検出されるまでの処理は第1の実施形態と同様である。したがって、ここではその詳細な説明は省略する。 【0043】 本実施形態では、以上の動作に加えて、信号分割部109からブロック毎の輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y、B'-Y)の平均値がホワイトバランスゲイン制御部110及びホワイトバランス前色特徴量算出部621に出力される。 【0044】 ホワイトバランス前色特徴量算出部621は、信号分割部109からの8×8ブロック毎の輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y,B'-Y)の平均値が入力される。また、現在処理対象の画像フレームに対して用いられたホワイトバランスゲインがホワイトバランスゲイン制御部110から入力される。そして、入力されたホワイトバランス増幅後の輝度信号(Y)と色差信号(R'-Y,B'-Y)から、RGB信号(R',G',B')を生成する。さらに、このRGB信号にホワイトバランスゲイン制御部110から出力されたホワイトバランスゲインを逆算することにより、ホワイトバランス増幅前のRGB信号(R,G,B)の推定値(R",G",B")を算出する。この処理を8×8ブロックそれぞれの信号について行い、生成したホワイトバランス増幅前のRGB信号(R,G,B)の推定値(R",G",B")を光源推定部120に出力する。 【0045】 光源推定部120では、明るさ検出部111から出力される被写体照度、及び、ホワイトバランス前色特徴量算出部621から出力されるホワイトバランス増幅前のRGB信号の推定値(R",G",B")を利用して光源を推定する。光源の推定手法は第1の実施形態で説明したとおりであり、ここではその詳細な説明は省略する。 【0046】 また、光源推定部120では、推定した被写体の光源情報をホワイトバランスゲイン制御部110に出力する。ホワイトバランスゲイン制御部110では、第1の実施形態と同様にゲイン算出処理を行い、ホワイトバランスゲインをホワイトバランス増幅部106及びホワイトバランス前色特徴量算出部621に出力する。 【0047】 (第3の実施形態) 第3の実施形態として、第1の実施形態の手法による光源推定結果と、ホワイトバランス増幅後の画像信号から推定した光源推定結果との2つの光源推定結果を用いてホワイトバランスゲイン制御を行う例を説明する。 【0048】 図7は第3の実施形態に係るオートホワイトバランス機能を備えた撮像装置の構成を示すブロック図である。図1に示した構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、ホワイトバランスゲイン制御部110に代えて光源推定部721を備えたホワイトバランスゲイン制御部710を、また、光源推定部120に代えて光源推定部720を備えている。 【0049】 次に、第3の実施形態に係る撮像装置の処理動作について説明する。撮像素子103で生成される画像信号がブロック毎の輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y、B'-Y)の平均値として信号分割部109から出力されるまで、及び、明るさ検出部111において被写体照度が検出されるまでの処理は第1の実施形態と同様である。したがって、ここではその詳細な説明は省略する。 【0050】 また、光源推定部720では、第1の実施形態における光源推定部120と同様の手法により光源を推定する。 【0051】 本実施形態では、以上の動作に加えて、光源推定部720では、光源推定結果の信頼度を算出し、光源推定結果と共にホワイトバランスゲイン制御部710に出力する。 【0052】 以下、光源推定結果の信頼度について説明する。信頼度は、光源推定を行った結果がどの程度信頼できるデータであるかを示す値である。光源推定部720は、第1の実施形態で説明したように、図8の分布に基づき光源を推定する。図8は、図4と同様に被写体照度と緑の彩度を軸に光源の分布を示したものであり、401は太陽光(屋外光)の分布、402は蛍光灯(屋内光)の分布を示している。また、点811、812、813は、ある被写体を撮影したときの被写体照度と緑の彩度の状態を示している。 【0053】 いま、光源推定部720において、点811及び点812の状態の光源を太陽光と推定し、点813の状態を蛍光灯と推定したものとする。光源推定部720では、これらの光源推定結果の信頼度を求める。信頼度とは光源推定部720における光源の推定結果の確かさを示す指標であり、図8の分布から明らかに太陽光、蛍光灯いずれの光源であるか判断できるものについては信頼度を高くする。 【0054】 例えば、図8において点811は明らかに太陽光の分布エリア401にあるので、光源は太陽光の可能性が高く、光源推定結果の信頼度を高する。同様に、点813についても明らかに蛍光灯の分布エリア402にあるので、蛍光灯の可能性が高く、光源推定結果の信頼度は高くする。一方で、点812は太陽光の分布エリア401と蛍光灯の分布エリア402の重なる部分に位置する。本例の場合、点812の状態の光源を太陽光と推定したが、その結果の信頼度は低くする。 【0055】 光源推定部720は、以上のようにして求めた光源推定結果及び信頼度をホワイトバランスゲイン制御部710に出力する。 【0056】 ホワイトバランスゲイン制御部710では、第1の実施形態と同様に光源推定結果に基づいて制御を行い、ホワイトバランスゲインを決定するが、光源の決定の手法が第1の実施形態と異なる。図9にホワイトバランスゲイン制御部710での処理動作のフローチャートを示す。ステップS901では、光源推定部720から出力される光源推定結果の信頼度が閾値以上であるか否かをチェックする。信頼度が閾値以上の場合はステップS902へ、閾値よりも低い場合にはステップS903へ進む。 【0057】 ステップS903では、光源推定部721で光源を推定する。光源推定部721は、光源推定部720と同様の手法を用いて明るさ情報や、ホワイトバランス増幅後の色差信号(R'-Y,B'-Y)に基づいて光源を推定する。また、光源推定部720と同様に、光源推定結果の信頼度も算出する。ステップS904では、光源推定部720による光源推定結果の信頼度と光源推定部721による光源推定結果の信頼度とを比較する。その結果、光源推定部720による光源推定結果の信頼度が高い場合はステップS902へ、光源推定部721による光源推定結果の信頼度の方が高い場合はステップS905へ進む。 ステップS902では、光源推定部720による光源推定結果を利用して、第1の実施形態と同様の手法でホワイトバランスゲインを算出する。ステップS905では、光源推定部721による光源推定結果を利用して、第1の実施形態と同様の手法でホワイトバランスゲインを算出する。 【0058】 以上述べた構成とすることにより、光源推定部720の光源推定結果の信頼度が低い場合であっても、ホワイトバランス増幅後の画像データを用いて光源を推定した結果を用いることで、光源推定の精度を向上させ、より的確なホワイトバランス制御が可能となる。 【0059】 また、上記実施形態では、2つの光源推定部による光源推定結果を選択的に用いたが、ホワイトバランス増幅前の画像データから推定される光源推定結果(フィードフォワードによる光源推定結果)と、ホワイトバランス増幅後の画像データから推定される光源推定結果(フィードバックによる光源推定結果)との2つの光源推定結果を利用してホワイトバランスゲインを制御するものであればどのような形式でもかまわない。例えば、フィードフォワードによる光源推定結果と、フィードバックによる光源推定結果との両方を考慮して(例えば混合して)、総合的な光源推定結果を求める手法を用いてもよいし、フィードフォワードによる光源推定結果によってフィードバックによる光源推定を補正する手法を用いてもよい。このように構成することでより精度の高い光源推定が実現でき、正確なホワイトバランス制御が可能となる。 【0060】 (第4の実施形態) 第4の実施形態として、ホワイトバランス増幅前の色信号に基づいてホワイトバランスゲインの目標値を算出し、その目標値を利用してホワイトバランスゲインを制御する例を説明する。本実施形態では、動画像と静止画像を選択して撮影可能な撮像装置において、撮影画像の種類(静止画/動画)に応じたホワイトバランスゲインを設定することが可能である。 【0061】 図10は第4の実施形態に係るオートホワイトバランス機能を備えた撮像装置の構成を示すブロック図である。図1に示した構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、ホワイトバランスゲイン制御部110、光源推定部120に代えて、ホワイトバランスゲイン制御部1010、ホワイトバランスゲイン目標値算出部1020を備えている。 【0062】 次に、第4の実施形態に係る撮像装置の処理動作について説明する。撮像素子103で生成される画像信号がブロック毎の輝度信号(Y)、色差信号(R'-Y、B'-Y)の平均値として信号分割部109から出力されるまで、及び、明るさ検出部111において被写体照度が検出されるまでの処理は第1の実施形態と同様である。したがって、ここではその詳細な説明は省略する。 【0063】 本実施形態では、以上の動作に加えて、ホワイトバランスゲイン目標値算出部1020は、入力された色信号(R,G,B)から色差信号(R-Y,B-Y)を生成する。そして、図11(a)に示すような色差(R−Y,B-Y)平面において、光源色と考えられる部分の白抽出範囲1100の色信号を抽出する。例えば、抽出した色信号の平均値が図11(a)の1110の位置にきた場合には、この位置1110の色が無彩色となるようなホワイトバランスゲインを算出する。そして、求めたホワイトバランスゲインを目標値としてホワイトバランスゲイン制御部1010に出力する。 【0064】 図12にホワイトバランスゲイン制御部1010での処理動作のフローチャートを示す。ここでは、図示しない静止画撮影ボタンにより、動画像の撮影中に静止画が撮影される場合を考える。ステップS1201では、ホワイトバランスを制御する画像フレームが静止画撮影されたフレームであるか否かをチェックする。静止画撮影されたフレームでない場合はステップS1202へ進み、静止画撮影されたフレームの場合にはステップS1204へ進む。 【0065】 ステップS1202では、第1及び第2の実施形態と同様にホワイトバランス増幅後の色信号(R'-Y,B'-Y)から白色部分を抽出する。図11(b)は白色の抽出範囲を示した図であり、例えば図11(b)の白抽出範囲1101の色信号を抽出し、その平均値を算出する。図11(b)の1111は、このとき白として抽出した色の平均値を示している。 【0066】 ステップS1203では、抽出した色信号1111を無彩色(R'-Y,B'-Y軸の原点)に近づけるような、ホワイトバランスゲインの変更量を算出する。この例の場合はRゲインを上げ、Bゲインを下げるようなゲイン変更量を算出する。図13はこのゲインの状態を示した図である。図13において、横軸はRゲイン、縦軸はBゲインを示している。ゲインは黒体放射軸1301上で制御される。1302は現在の入力画像に対して施されたホワイトバランスゲインの値である。1304はホワイトバランスゲイン目標値算出部1020で算出したホワイトバランスゲインの目標値である。 【0067】 この状態において、ホワイトバランスゲイン1302から白抽出した色(図11(b)の1111)を無彩色に近づけるために、徐々にRゲインを上げて、Bゲインを下げていく。例えば、時間的に次に処理される画像フレームに対してはホワイトバランスゲイン1303を設定する。このとき、現在のホワイトバランスゲイン1302から目標値1304と反対方向(Rゲインを下げ、Bゲインを上げる)へゲインを変更することを禁止する制御を加えてもよい。これにより、動画像の場合はホワイトバランス増幅後の色データ(R'-Y,B'-Y)を監視しつつホワイトバランスゲインを徐々に目標値に近づけることが可能となる。 【0068】 一方、ステップS1204では、現在のホワイトバランスゲイン1302から目標値1304に一気にホワイトバランスゲインを変更する。 【0069】 ホワイトバランスゲイン制御部1010は、以上の動作により決定した新たなホワイトバランスゲインをホワイトバランス増幅部106に出力する。ホワイトバランス増幅部106では、ホワイトバランスゲイン制御部1010から出力されたホワイトバランスゲインに基づきホワイトバランス増幅を行う。このとき、静止画像の場合は現在処理している入力画像に対してホワイトバランス増幅を行い、動画像の場合は次のフレーム以降の画像に対してホワイトバランス増幅を行う。 【0070】 このように、ホワイトバランス制御の対象が動画像の場合はホワイトバランス増幅後の色信号と現在のホワイトバランスゲインに基づき、徐々にフィードバック制御することで安定したホワイトバランス制御が可能となる。一方、ホワイトバランス制御の対象が静止画像の場合は、撮影対象の画像フレームの色信号を用いてホワイトバランスゲイン目標値を生成し、その目標値にホワイトバランスゲインを設定する。したがって、光源の色温度が急に変化した場合でもホワイトバランスが追従しない等のフィードバック制御における問題を解決し、適切なホワイトバランス制御が実現される。 【0071】 なお、本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。 【0072】 この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。 【0073】 プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。 【0074】 また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。 【0075】 さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。 【図面の簡単な説明】 【0076】 【図1】第1の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 【図2】第1の実施形態における光源推定部での光源の推定処理を説明するためのフローチャートである。 【図3】色差(R-Y,B-Y)平面における緑領域を示す図である。 【図4】光源の分布を示す図である。 【図5】ホワイトバランスゲイン制御部におけるホワイトバランスゲインの制御範囲を示した図である。 【図6】第2の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 【図7】第3の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 【図8】光源の分布を示す図である。 【図9】第3の実施形態におけるホワイトバランスゲイン制御部での処理動作を説明するためのフローチャートである。 【図10】第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 【図11】第4の実施形態に係る白色信号の位置を示す図である。 【図12】第4の実施形態におけるホワイトバランスゲイン制御部での処理動作を説明するためのフローチャートである。 【図13】ホワイトバランスゲインの状態を示した図である。 【図14】信号分割部での分割枠を示す図である。 【図15】色差(R'-Y,B'-Y)平面と、色差平面上で白に近い色信号を抽出するための白抽出範囲を示す図である。 【図16】色差平面(R'-Y,B'-Y)における、緑色の領域と色信号データの分布を示す図である。 【符号の説明】 【0077】 101 レンズ 102 アイリス 103 撮像素子 104 AGCアンプ 105 輝度・色信号生成部 106 ホワイトバランス増幅部 107 色差信号生成部 108 エンコーダ 109 信号分割部 110 ホワイトバランスゲイン制御部 111 明るさ検出部 120 光源推定部 621 ホワイトバランス前色特徴量算出部 710 ホワイトバランスゲイン制御部 720 光源推定部 721 光源推定部 1010 ホワイトバランスゲイン制御部 1020 ホワイトバランスゲイン目標値算出部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月15日(2006.9.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090273 【弁理士】 【氏名又は名称】國分 孝悦
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| 【公開番号】 |
特開2008−72575(P2008−72575A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−250846(P2006−250846) |
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