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【発明の名称】 撮像装置及び欠陥画素補正方法
【発明者】 【氏名】坂本 邦秀

【要約】 【課題】欠陥画素を精度良く補正して、欠陥画素を補正した後の画像の画質が低下しないようにする。

【構成】撮像装置は、複数の受光素子がマトリクス状に配置されたイメージセンサ4を含む撮像部2と、イメージセンサ4の欠陥受光素子の位置情報を記憶する欠陥情報記憶部16と、撮像範囲を、所望の撮像対象範囲である第1撮像範囲から、欠陥受光素子により受光される位置が第1撮像範囲内の欠陥画素と重ならないように設定された第2撮像範囲に移動させる撮像範囲移動手段6と、1回の撮像動作において、第1撮像範囲を撮像する第1撮像と第2撮像範囲を撮像する第2撮像とを行なうように撮像部2及び撮像範囲移動手段6を制御する撮像制御部8と、欠陥情報記憶部16に記憶されている欠陥受光素子の位置情報に基づいて、第1撮像の撮像画像情報のうち欠陥受光素子による欠陥画素情報を、その位置に対応する第2撮像の画素情報で補正する欠陥画素補正部14と、を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受光素子がマトリクス状に配置されたイメージセンサを含む撮像部と、
前記イメージセンサの欠陥受光素子の位置情報を記憶する欠陥情報記憶部と、
撮像範囲を、所望の撮像対象範囲である第1撮像範囲から、前記欠陥受光素子により受光される位置が第1撮像範囲内の欠陥画素と重ならないように設定された第2撮像範囲に移動させる撮像範囲移動手段と、
1回の撮像動作において、第1撮像範囲を撮像する第1撮像と第2撮像範囲を撮像する第2撮像とを行なうように前記撮像部及び前記撮像範囲移動手段を制御する撮像制御部と、
前記欠陥情報記憶部に記憶されている前記欠陥受光素子の位置情報に基づいて、第1撮像の撮像画像情報のうち前記欠陥受光素子による欠陥画素情報を、その位置に対応する第2撮像の画素情報で補正する欠陥画素補正部と、を備えていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記欠陥情報記憶部に記憶されている前記欠陥受光素子の位置情報に基づいて第2撮像範囲を設定する第2撮像範囲設定部をさらに備えている請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像範囲移動手段は前記イメージセンサへの入射光の光軸が前記イメージセンサに対して相対的に変化するように、前記イメージセンサを移動させるものである請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像範囲移動手段は前記イメージセンサへの入射光の光軸を変化させるものである請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されており、
前記第2撮像範囲は、第1撮像範囲からX軸方向にma(mは1以上の整数)又はY軸方向にnb(nは1以上の整数)移動した位置である請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列され、撮像対象物のX軸方向及びY軸方向への移動速度がVx、Vyであり、第1撮像から第2撮像までの時間間隔sが、
s≦a/(10×Vx)及びs≦b/(10×Vy)
を満たすように設定されている請求項1から5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
受光素子がマトリクス状に配置されたイメージセンサを含む撮像部で撮像して得られる画像の欠陥画素を補正する方法であって、
所望の撮像範囲である第1撮像範囲とは別に、欠陥受光素子により受光される位置が第1撮像範囲内の欠陥画素とは重ならない第2撮像範囲を設定し、
1回の撮像動作において、第1撮像範囲を撮像する第1撮像と第2撮像範囲を撮像する第2撮像とを行なって、第1撮像の撮像画像情報のうち欠陥受光素子による欠陥画素情報を、その位置に対応する第2撮像の画素情報で補正することを特徴とする欠陥画像補正方法。
【請求項8】
前記第2撮像時は、前記イメージセンサへの入射光の光軸が前記イメージセンサに対して相対的に変化するように、一定距離移動させて撮像する請求項7に記載の欠陥画像補正方法。
【請求項9】
前記第2撮像は、前記イメージセンサへの入射光の光軸を第1撮像時のものから変化させて撮像する請求項7に記載の欠陥画像補正方法。
【請求項10】
前記イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されているものであって、
前記第2撮像範囲は、第1撮像範囲からX軸方向にma(mは1以上の整数)又はY軸方向にnb(nは1以上の整数)移動した位置である請求項7から9のいずれかに記載の欠陥画像補正方法。
【請求項11】
前記イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されたものであって、撮像対象物のX軸方向及びY軸方向への移動速度がVx、Vyであり、第1撮像から第2撮像までの時間間隔sは、
s≦a/(10×Vx)及びs≦b/(10×Vy)
を満たす請求項7から10のいずれかに記載の欠陥画像補正方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の受光素子がマトリクス状に配置されたCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサからなる撮像部を備えた撮像装置、及びそのような撮像装置で撮像した画像に含まれる欠陥画素を補正する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトダイオード(受光素子)がアレイ状に配列されたCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを製造する半導体ウェハプロセスにおいて、プロセス中のパーティクル発生などにより、点欠陥(特定の点の受光素子に欠陥が生じること)やライン欠陥(特定のラインの受光素子に欠陥が生じること)が少なからず発生する。その発生数は、イメージセンサのチップサイズの拡大化や受光素子間隔の縮小化によりさらに増大する。
【0003】
点欠陥やライン欠陥が発生した場合、その発生箇所の画像は正しく出力できず、欠陥画素となる。そこで、イメージセンサからの出力画像に存在する点欠陥やライン欠陥による欠陥画素を隣接する画素や隣接する受光素子ラインからの画像情報を元に補正する方法が提案されている。この方法では、予め欠陥発生箇所を調べてROM(記憶装置)に記憶させておき、撮像対象物を撮像した際の欠陥画素を周辺画素情報に基づいて補正し、出力する。
【0004】
また、上記方法とは異なる欠陥画素補正方法として、欠陥発生箇所をROMに記憶させずに欠陥画素を補正する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、着目画素が欠陥画素か否かを判定する判定回路を備え、判定回路が着目画素が欠陥画素であると判定した場合に着目画素を周辺画素情報に基づいて補正する。
【特許文献1】特開2004−112736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した2つの欠陥画素補正方法はいずれも、欠陥画素を補正した後の画像が擬似的なものとなっているため、厳密には実際の画像とは異なっている。つまり、欠陥画素を補正した部分の画像は画質が劣化していることになる。このような理由により、イメージセンサの製品良否判定では、画質劣化に繋がる欠陥発生数についても規定しているため、点欠陥やライン欠陥が増大すると製品良否判定で合格することができず、製品の歩留りが低下する。
【0006】
そこで本発明は、欠陥画素を精度良く補正して、欠陥画素を補正した後の画像の画質が低下しないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる撮像装置は、複数の受光素子がマトリクス状に配置されたイメージセンサを含む撮像部と、イメージセンサの欠陥受光素子の位置情報を記憶する欠陥情報記憶部と、撮像範囲を、所望の撮像対象範囲である第1撮像範囲から、欠陥受光素子により受光される位置が第1撮像範囲内の欠陥画素と重ならないように設定された第2撮像範囲に移動させる撮像範囲移動手段と、1回の撮像動作において、第1撮像範囲を撮像する第1撮像と第2撮像範囲を撮像する第2撮像とを行なうように撮像部及び撮像範囲移動手段を制御する撮像制御部と、欠陥情報記憶部に記憶されている欠陥受光素子の位置情報に基づいて、第1撮像の撮像画像情報のうち欠陥受光素子による欠陥画素情報を、その位置に対応する第2撮像の画素情報で補正する欠陥画素補正部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の撮像装置は、欠陥情報記憶部に記憶されている欠陥受光素子の位置情報に基づいて第2撮像範囲を設定する第2撮像範囲設定部をさらに備えているようにしてもよい。
【0009】
撮像範囲移動手段の好ましい実施例として、イメージセンサへの入射光の光軸がイメージセンサに対して相対的に変化するようにイメージセンサを移動させるものや、イメージセンサへの入射光の光軸を変化させるものも挙げることができる。
【0010】
イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されている場合、第2撮像範囲は、第1撮像範囲からX軸方向にma(mは1以上の整数)又はY軸方向にnb(nは1以上の整数)移動した位置であることが好ましい。
【0011】
また、イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されており、撮像対象物のX軸方向及びY軸方向への移動速度がVx、Vyである場合、第1撮像から第2撮像までの時間間隔sはs≦a/(10×Vx)及びs≦b/(10×Vy)を満たすことが好ましい。
【0012】
本発明にかかる欠陥画像補正方法は、受光素子がマトリクス状に配置されたイメージセンサを含む撮像部で撮像して得られる画像の欠陥画素を補正する方法であって、所望の撮像範囲である第1撮像範囲とは別に、欠陥受光素子により受光される位置が第1撮像範囲内の欠陥画素とは重ならない第2撮像範囲を設定し、1回の撮像動作において、第1撮像範囲を撮像する第1撮像と第2撮像範囲を撮像する第2撮像とを行なって、第1撮像の撮像画像情報のうち欠陥受光素子による欠陥画素情報をその位置に対応する第2撮像の画素情報で補正することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の欠陥画素補正方法における第2撮像では、イメージセンサへの入射光の光軸がイメージセンサに対して相対的に変化するようにイメージセンサを第1撮像時の位置から一定距離移動させて撮像するようにしてもよいし、イメージセンサへの入射光の光軸を第1撮像時のものから変化させて撮像するようにしてもよい。
【0014】
イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されている場合、第2撮像範囲は、第1撮像範囲からX軸方向にma(mは1以上の整数)又はY軸方向にnb(nは1以上の整数)移動した位置に設定することが好ましい。
【0015】
イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されたものであって、かつ撮像対象物のX軸方向及びY軸方向への移動速度がVx、Vyである場合、第1撮像から第2撮像までの時間間隔sは、s≦a/(10×Vx)及びs≦b/(10×Vy)を満たすように設定することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の撮像装置及び欠陥画素補正方法では、1回の撮像動作において、所望の撮像対象範囲である第1撮像範囲を撮像する第1撮像と、欠陥受光素子により受光される位置が第1撮像範囲内の欠陥画素とは重ならない第2撮像範囲を撮像する第2撮像とを行ない、第1撮像の撮像画像における欠陥画素をその位置に対応する第2撮像の画素情報で補正するようにしたので、欠陥画素に対応する位置の画素情報を欠陥のない受光素子で受光した画素情報で補填することができ、欠陥画素を補正した後の画像の劣化をなくすことができる。
また、本発明の撮像装置及び欠陥画素補正方法により得られる欠陥画素補正後の画像は欠陥画素が存在していた部分の劣化がないので、欠陥発生数が増加しても画質の劣化を抑制することができる。これにより、画質劣化に繋がる欠陥発生数について規定している製品良否判定の規制を緩和することができ、歩留まりを向上させることができる。
【0017】
本発明の撮像装置において、欠陥情報記憶部に記憶されている欠陥受光素子の位置情報に基づいて第2撮像範囲を設定する第2撮像範囲設定部をさらに備えていれば、撮像装置がイメージセンサの欠陥受光素子の位置情報に基づいて自動的に第2撮像範囲を設定するようになり、撮像装置の設定時間が短縮される。
【0018】
イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されている場合、第2撮像範囲は、第1撮像範囲からX軸方向にma(mは1以上の整数)又はY軸方向にnb(nは1以上の整数)移動した位置であるようにすれば、第1撮像と第2撮像において同じ位置を受光素子で受光することがなくなる。これにより、同じ欠陥受光素子で受光された位置が第1撮像範囲と第2撮像範囲とで重なることがなくなり、仮想的に欠陥画素のない画像を得ることができる。
【0019】
イメージセンサの受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されたものであって、かつ撮像対象物のX軸方向及びY軸方向への移動速度がVx、Vyである場合、第1撮像から第2撮像までの時間間隔sがs≦a/(10×Vx)及びs≦b/(10×Vy)を満たしていれば、撮像対象物が移動する場合であっても、欠陥画素の補正に対する撮像対象物の移動速度の影響を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の撮像装置の一実施例を示すブロック図である。
撮像部2は、複数の受光素子がマトリクス状に配置されたイメージセンサ4のほか、イメージセンサ4に撮像対象物からの光を入射させるための光学系などを備えている。イメージセンサ4は、例えばCMOSイメージセンサなど、受光素子であるフォトダイオードがマトリクス状に配置されたものである。このようなイメージセンサ4は、フォトダイオード部に結晶欠陥が発生したり、シフトレジスタやアンプ回路に繋がるメタル配線が異物等により断線したりして欠陥受光素子が存在して点欠陥又はライン欠陥が生じていることがある。この発明はそのような点欠陥又はライン欠陥をもつイメージセンサ4を使用するものである。
撮像部2の撮像範囲は、所望の撮像対象範囲である第1撮像範囲と、第1撮像範囲から一定距離だけずれた範囲である第2撮像範囲である。撮像部2の撮像範囲は撮像範囲移動手段6によって第1撮像範囲、第2撮像範囲のいずれかに切り替えられるようになっている。
【0021】
第2撮像範囲は第2撮像範囲設定部18により設定される。第2撮像範囲設定部18は、イメージセンサ4に存在する欠陥受光素子の位置情報(欠陥情報)が格納されている欠陥情報記憶部16の欠陥情報に基づいて、第2撮像範囲の欠陥画素の位置が第1撮像範囲内の欠陥画素の位置と重ならないように第2撮像範囲を設定するようになっている。また、イメージセンサ4にライン欠陥が発生している場合は、第2撮像範囲を第2撮像範囲の欠陥画素が第1撮像範囲内の欠陥画素と最も重ならない範囲に設定するようになっている。
【0022】
撮像制御部8は、第2撮像範囲設定部18からの第2撮像範囲情報に基づいて、第1撮像範囲を撮像した後で第2撮像範囲を撮像するように撮像部2及び撮像範囲移動手段6を制御する。
画像処理部10は第1撮像の撮像画像情報を一時的に記憶する画像情報記憶部12と、撮像画像の欠陥受光素子による欠陥画素を補正する欠陥画素補正部14を備えている。欠陥画素補正部14は画像情報記憶部12に一時的に記憶されている第1撮像の撮像画像情報の欠陥画素情報を、その位置に対応する第2撮像の画素情報で補填する。画像処理部10は第2撮像の撮像画像情報を用いて補正した第1撮像の撮像画像を出力するようになっている。
【0023】
撮像範囲移動手段6としては、例えば図2に示されているように、イメージセンサ4への入射光の光軸がイメージセンサ4に対して相対的に変化するように、X軸方向又はY軸方向に移動させるための可動式のステージ6aを備えているものである。イメージセンサ4への入射光の光軸はレンズ5により固定されており、ステージ6aが平面内方向に移動することで、イメージセンサ4に入射する撮像対象イメージからの光がステージ6aの移動方向とは対照的に移動する。これにより、イメージセンサ4による撮像範囲が移動する。
この場合の第2撮像範囲設定部18は、図3(B)に示されるように、ステージ6aを移動させる前(第1撮像範囲)のイメージセンサ4の欠陥受光素子の位置と、ステージ6aを移動させた後(第2撮像範囲)のイメージセンサ4の欠陥受光素子の位置が重ならないようにステージ6aのX軸方向及びY軸方向への移動量(ΔX,ΔY)を設定する。また、イメージセンサ4にライン欠陥が発生している場合は、第2撮像範囲の欠陥画素が第1撮像範囲内の欠陥画素と最も重ならないようにステージ6aのX軸方向及びY軸方向への移動量(ΔX,ΔY)を設定する。
【0024】
ステージ6aの移動量(ΔX,ΔY)は、イメージセンサ4の受光素子がX軸方向に素子間隔aで配列され、かつY軸方向に素子間隔bで配列されている場合、
(ΔX,ΔY)=(ma,nb)(m,nは1以上の整数)
を満たすように設定されることが好ましい。そうすれば、第1撮像と第2撮像において同じ位置を受光素子で受光することがなくなる。つまり、同じ欠陥受光素子で受光された位置が第1撮像範囲と第2撮像範囲とで重ならないので、仮想的に欠陥画素のない画像が得られる。
【0025】
ステージ6aをX軸方向及びY軸方向へ移動させるための機構として、ステージ6aをX軸方向に移動させるためのX軸方向スライド機構と、ステージ6aをY軸方向に移動させるためのY軸方向スライド機構とを備え、両スライド機構はそれぞれのステッピングモータにより独立して駆動されるようにしたものを挙げることができる。
【0026】
図3を用いて欠陥画素の補正方法を説明する。
図3(A)に示されているように、イメージセンサ4の撮像範囲の左下を基点(0,0)とした座標において、(DX1,DY1)及び(DX2,DY2)の位置に点欠陥が存在し、(All,DY3)及び(DY4,All)の位置にライン欠陥が存在しているとする。第2撮像範囲を第1撮像範囲からX軸方向に+ΔX、Y軸方向に+ΔYだけ移動した位置に設定した場合、第2撮像範囲において第1撮像範囲の撮像画像の欠陥画素に対応する位置は、(B)に示されているように、それぞれ(DX1−ΔX,DY1−ΔY)、(DX2−ΔX,DY2−ΔY)、(All,DY3−ΔY)及び(DY4−ΔX,All)となる。第1撮像の撮像画像情報における(DX1,DY1)、(DX2,DY2)、(All,DY3)及び(DY4,All)の画素情報を、第2撮像の撮像画像情報における(DX1−ΔX,DY1−ΔY)、(DX2−ΔX,DY2−ΔY)、(All,DY3−ΔY)及び(DY4−ΔX,All)に置き換える。これにより、第1撮像画像において欠陥画素となっていた部分を第2撮像で得た正常な画素情報で補填することができる。
【0027】
図4は撮像装置の動作及び欠陥画素補正方法を示すフローチャート図である。図4とともに図1から図3の図を用いて一実施例の撮像装置の動作及び欠陥画素補正方法の実施例を説明する。
イメージセンサ4の欠陥受光素子の位置情報を欠陥情報記憶部16に格納する(ステップS1)。欠陥受光素子の位置情報は、まずイメージセンサ4を使用して光遮蔽した状態での撮像結果と均一光照射した状態での撮像結果から暗異常である画素の位置情報と明異常である画素の位置情報を合わせた欠陥発生箇所(DXn、DYm)を欠陥情報記憶部16に格納する。
【0028】
イメージセンサ4を移動させる前の第1撮像範囲を撮像する第一撮像時の欠陥受光素子の位置と、移動させた後の第2撮像範囲を撮像する第二撮像時の欠陥受光素子の位置が重ならないようなステージ6aの移動量(トX、トY)を第2撮像範囲情報として求める(ステップS2)。イメージセンサ4にライン欠陥が発生している場合は、第2撮像範囲の欠陥画素が第1撮像範囲内の欠陥画素と最も重ならないようなステージ6aのX軸方向及びY軸方向への移動量(ΔX,ΔY)を求める。
求めた第2撮像範囲情報を欠陥画素補正部14にフィードバックしておく(ステップS3)。
【0029】
第一撮像を行なう(ステップS4)。第1撮像では、撮像したい対象イメージを撮像するための第1撮像範囲を撮像する。
第1撮像の撮像画像情報は画像情報記憶部12に一時的に格納する(ステップS5)
ステージ6aを既に求めた移動量(トX、トY)だけ移動させてイメージセンサ4を移動させ、第2撮像範囲を撮像するための第二撮像を行う(ステップS6)。
【0030】
欠陥画素補正部14により、第一撮像の撮像画像情報のうち、欠陥受光素子で受光したことによって正しく出力できていない欠陥画素(DXn、DYm)を第二撮像の撮像画像情報の((DXn−トX)、(DYm−トY))の画素データに置き換えて欠陥画素を補正する(ステップS7)。
【0031】
画像処理部10から第1撮像の撮像画像の欠陥画素を第2撮像の正常な画素で補正した画像を出力する(ステップS8)。
なお、欠陥発生していない箇所においては、第一撮像の結果と第二撮像の結果を平均化する等して画像データの精度を上げるようにしてもよい。
【0032】
このように、第1撮像と第2撮像を行ない、第1撮像の撮像画像の欠陥画素を第2撮像で得た画素情報で補正するようにすることで、イメージセンサ4に欠陥箇所が存在していてその部分の正確な画素情報が得られなくても、その部分をイメージセンサ4の欠陥が発生していない箇所で撮像して得られた画素情報により補填することができるので、画質劣化が全くない欠陥画素の補正が可能である。特に撮像対象物がほとんど動かないような静止画で大面積なイメージセンサや画素欠陥数の規格が厳しいようなイメージセンサで有用である。
【0033】
また、撮像対象物が移動している場合は、撮像対象物の移動速度に合わせて第1撮像と第2撮像の時間間隔を設定することで対応することができる。例えば、イメージセンサ4の受光素子がX軸方向に素子間隔a、Y軸方向に素子間隔bで配列されており、撮像範囲内における撮像対象物のX軸方向及びY軸方向への移動速度が(Vx、Vy)である場合、第1撮像から第2撮像までの時間間隔sは、s≦a/(10×Vx)及びs≦b/(10×Vy)を満たすように設定することが好ましい。すなわち、第1撮像から第2撮像までの時間sの間に撮像対象物が移動する距離をイメージセンサ4の素子間隔の10分の1以下にすることで、欠陥画素の補正に対する撮像対象物の移動速度の影響を無視できる程度に小さくすることができる。
【0034】
上記実施例では、撮像範囲移動手段6としてイメージセンサ4を移動させるようになっているものを挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図5に示されているように、イメージセンサ4を固定しておき、イメージセンサ4に入射する光の光軸を制御するレンズ5の角度を変化させるなどして撮像範囲を変化させるものであってもよい。このような撮像範囲移動方法は、イメージセンサ4に入射する光の光軸を制御するレンズ5の角度を変化させるだけで撮像範囲を移動させることができるので、例えば撮像装置のサイズなど構造上の都合によりイメージセンサ4を移動させることができない場合に有用である。この場合、レンズ5の回転角度と撮像範囲の移動量とが関連付けられているようにする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】一実施例の撮像装置を示すブロック図である。
【図2】撮像範囲移動手段の一例を示す斜視図である。
【図3】第2撮像範囲の設定方法の一例を説明するための撮像範囲を示す図であり、(A)は第1撮像範囲、(B)は第1撮像範囲と第2撮像範囲の関係を示す図である。
【図4】欠陥画素の補正方法の一例を順に説明するためのフローチャート図である。
【図5】撮像範囲移動手段の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
2 撮像部
4 イメージセンサ
5 レンズ
6 撮像範囲移動手段
6a イメージセンサ載置ステージ
8 撮像制御部
10 画像処理部
12 画像情報記憶部
14 欠陥画素補正部
16 欠陥情報記憶部
18 第2撮像範囲設定部
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100085464
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 繁雄


【公開番号】 特開2008−72565(P2008−72565A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−250604(P2006−250604)