| 【発明の名称】 |
画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊東 敬徳
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| 【要約】 |
【課題】高価な測定器や、入手が困難で特殊なチャートを必要とせずに、観察光源に応じた処理を行う。
【構成】画像データ記憶ユニット101には、観察光源下で条件等色するパターン対が記憶され、パターン対が画像記録ユニット102によって記録用紙に記録される。ユーザは、記録画像を観察する予定の観察環境においてパターン対を観察し、最も等色していると知覚したパターン対を判定し、ディスプレイ104上でそのパターン対を選択する。システム制御ユニット108は選択されたパターン対に基づいて観察光源を判定し、色順応処理ユニット109は判定した観察光源に基づいて、入力された画像データを色順応変換処理する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 観察光源に対応付けられ該観察光源下で条件等色するパターン対を、少なくとも2以上の観察光源分配置した画像データを生成する画像データ生成手段と、前記生成した画像データに基づいて画像を記録する画像データ記録手段と、前記記録した画像が所望の観察環境で観察されて、等色していたパターン対が選択入力されるパターン選択入力手段と、前記選択されたパターン対に基づいて、記録画像が観察される観察光源を判定する観察光源判定手段と、前記判定した観察光源に基づいて、入力された画像データを色順応変換処理する色順応変換処理手段とを少なくとも有することを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 前記生成する画像データは、少なくとも減法混色の3原色信号成分と墨信号成分からなり、前記画像データ生成手段は、墨信号成分のみがゼロのパターンと、墨信号成分のみが非ゼロのパターンとを対とする画像データを生成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 【請求項3】 前記パターン選択入力手段において2以上のパターン対が選択され、前記観察光源判定手段は、前記選択された2以上のパターン対に基づいて、記録画像が観察される観察光源を判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 【請求項4】 前記生成する画像データのパターン対は、2以上の濃度レベルを有するパッチ群で構成したことを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。 【請求項5】 前記判定した観察光源下で条件等色するパターン対を含む画像データを生成する第2の画像データ生成手段と、前記第2の画像データ生成が生成した画像データと前記色順応変換処理された画像データを合成する画像合成手段とを少なくとも有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 【請求項6】 観察光源に対応付けられ該観察光源下で条件等色するパターン対を、少なくとも2以上の観察光源分配置した画像データを生成する画像データ生成ステップと、前記生成した画像データに基づいて画像を記録する画像データ記録ステップと、前記記録した画像が所望の観察環境で観察されて、等色していたパターン対が選択入力されるパターン選択入力ステップと、前記選択されたパターン対に基づいて、記録画像が観察される観察光源を判定する観察光源判定ステップと、前記判定した観察光源に基づいて、入力された画像データを色順応変換処理する色順応変換処理ステップとを少なくとも有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項7】 前記生成する画像データは、少なくとも減法混色の3原色信号成分と墨信号成分からなり、前記画像データ生成ステップは、墨信号成分のみがゼロのパターンと、墨信号成分のみが非ゼロのパターンとを対とする画像データを生成することを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。 【請求項8】 前記パターン選択入力ステップにおいて2以上のパターン対が選択され、前記観察光源判定ステップは、前記選択された2以上のパターン対に基づいて、記録画像が観察される観察光源を判定することを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。 【請求項9】 前記生成する画像データのパターン対は、2以上の濃度レベルを有するパッチ群で構成したことを特徴とする請求項6または7記載の画像処理方法。 【請求項10】 前記判定した観察光源下で条件等色するパターン対を含む画像データを生成する第2の画像データ生成ステップと、前記第2の画像データ生成が生成した画像データと前記色順応変換処理された画像データを合成する画像合成ステップとを少なくとも有することを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。 【請求項11】 請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。 【請求項12】 請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、観察環境に応じて処理を行う画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、画像が実際に観察される環境(観察環境)の差異による色の見えの違いをCAM(Color Apearance Model)によって予測し、観察環境に応じた処理を行う画像処理装置が提案されている。 【0003】 色の見えに影響する観察環境はいくつかあるが、特に画像記録装置で記録されたハードコピーを観察する場合、観察光源の特性の差異の影響が大きい。このため、特許文献1では、画像を観察する環境の光源を測定する分光測色計を有し、測定結果に応じた処理を行っている。また、特許文献2は、異なる観察光源下で条件等色するパターンを複数配置したチャートを使用した観察光源判定法を開示している。 【0004】 【特許文献1】特開2002−218266号公報 【特許文献2】特開2004−777451号公報 【非特許文献1】CIEのテクニカルレポート(Technical report)「Colorimetry, Publ.CIE No.15.2」 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、特許文献1の分光測色計は特殊で高価な測定器であるため、観察光源に応じた処理を行う画像処理を安価に実現できない。また、特許文献2では、チャート作成方法が開示されておらず、恐らく、インク特性やインク濃度等が高精度管理された環境で作成した特殊なチャートであるため、入手が困難である。 【0006】 本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、 本発明(請求項1、6)の目的は、高価な測定器や、入手が困難で特殊なチャートを必要とせずに、観察光源に応じた処理を行う画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。 【0007】 本発明(請求項2、7)の目的は、等色していたパターン対の判定を容易にして、観察光源の判定精度を向上させた画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。 【0008】 本発明(請求項3、8)の目的は、判定可能な観察光源を増やし、観察光源に応じた処理の精度を向上させた画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。 【0009】 本発明(請求項4、9)の目的は、画像データ記録手段の変動の影響を低減し、観察光源の判定精度を向上させた画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。 【0010】 本発明(請求項5、10)の目的は、記録された画像が、施された観察光源とは異なる観察光源で観察され、誤って色み等の情報が伝わるのを防止可能にした画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。 【0011】 本発明(請求項6)の目的は、高価な測定器や入手が困難特殊なチャートを必要とせずに、観察光源に応じた処理を行う画像処理方法を実現することにある。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明は、観察光源に対応付けられ該観察光源下で条件等色するパターン対を、少なくとも2以上の観察光源分配置した画像データを生成する画像データ生成手段と、前記生成した画像データに基づいて画像を記録する画像データ記録手段と、前記記録した画像が所望の観察環境で観察されて、等色していたパターン対が選択入力されるパターン選択入力手段と、前記選択されたパターン対に基づいて、記録画像が観察される観察光源を判定する観察光源判定手段と、前記判定した観察光源に基づいて、入力された画像データを色順応変換処理する色順応変換処理手段とを少なくとも有することを最も主要な特徴とする。 【発明の効果】 【0013】 本発明(請求項1、6)によると、画像データ記録手段により記録した画像を観察することにより、観察光源を判定できるので、高価な測定器や入手が困難特殊なチャートを必要とせずに、観察光源に応じた処理を行う画像処理装置を実現できる。 【0014】 本発明(請求項2、7)によると、所望の観察光源以外の観察光源下で感じられる色味の差が大きくなるので、等色していたパターン対の判定が容易になり、観察光源の判定精度が向上する。 【0015】 本発明(請求項3)によると、複数の光源の合成光源等の判定が可能になるので、判定可能な観察光源が増加し、観察光源に応じた処理の精度が向上する。 【0016】 本発明(請求項4)によると、パターン対の等色性を総合的に評価できるので、画像データ記録手段の変動の影響が低減され、観察光源の判定精度が向上する。 【0017】 本発明(請求項5)によると、パターン対部分を観察することで観察すべき環境であるかどうかを判定できるので、誤って色み等の情報が伝わるのを防止できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。 【0019】 本発明の原理: CIEXYZ(図11(a))の等色関数によって等価的に表されているように、人間の目には3種類の光を感じる感覚器官があって、それぞれの感覚器官が感じる光の強さによって、人間は色を識別している。 【0020】 物体の色を人間が感じるのは、照明光源から発せられた光が対象物体に反射されて目に入り、感覚器官を刺激する時である。従って、図11(b)に例示するように、照明光源の種類が異なると、同じ物体であっても、感覚器官を刺激する光の強さが異なって、違う色に感じられる。 【0021】 逆に、対象物体が異なる分光反射率を有していても、照明光源の特性と感覚器官の特性がマッチしていれば、感覚器官が感じる光の強さが同じになって、同じ色に知覚することが出来る。これが条件等色である。 【0022】 本発明では対象とする観察光源毎に、墨単色で記録した所定の中間濃度パターン(K)と、同じに知覚される減法混色の3原色の中間濃度パターンを、3原色の量(C,M,Y)を調整することで、予め求めている。 【0023】 例えば、図12(a)は、墨単色で記録した時の分光反射率(実線)と、D50光源下で条件等色する減法混色3原色パターンの分光反射率(プロット)である。また、図12(b)は、同じくF2光源下で条件等色する減法混色3原色パターンの分光反射率(プロット)である。 【0024】 上記したように、照明光源が異なると、条件等色する減法混色3原色のパターンの分光反射率も異なる。即ち、照明光源によって、調整される減法混色の3原色の量が異なる。逆に言うと、ある照明光源下で、条件等色する減法混色3原色のパターンが判れば、照明光源の特定が可能である。 【0025】 このため、本発明では、墨単色で記録した時の分光反射率と条件等色する減法混色3原色のパターンを、複数の照明光源に対して予め求めておき、これらのパターンを実際に出力する。そして、対象照明光源下で観察し、墨単色で記録したパターンに最も近いパターンに対応する照明光源を、実際に観察光源と判断している。 【0026】 実施例1: 図1は、本発明の実施例1の画像処理装置を示す。図1において、101は画像データ記憶ユニット、102は画像記録ユニット、103は操作表示ユニット、108はシステム制御ユニット、109は色順応処理ユニット、110は画像データ入力ユニット、111はsRGBモニタ、112は色補正ユニットである。 【0027】 画像データ記憶ユニット101は、ユーザが所望の観察環境で観察して等色するパターン対を判定する際に使用する画像の、元データとなる画像データを記憶しており、記憶している画像データを後述する画像記録ユニット102に出力するユニットである。 【0028】 画像データ記憶ユニット101が出力する画像データは、画像記録ユニット102で使用される色材(インクジェットプリンタにおける使用インクや電子写真プリンタにおける使用トナー等)に対応した成分から成る。以下で説明する画像記録ユニット102では、減法混色の3原色(シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y))と墨(K)の色材が使われている。このため、画像データ記憶ユニット101が出力する画像データは各々に対応する4つの成分から成る。 【0029】 上述したような4つの色材を使用する場合、墨単色で記録した中間濃度のパターンと、特定の観察光源下で条件等色する減法混色の3原色の組み合わせパターンが存在する。画像データ記憶ユニット101が記憶する画像データは、このようなパターンの対を、比較しやすいように互いに近傍に配置した画像データとなっている。尚、墨単色のパターンと条件等色する減法混色の3原色の組み合わせは、対象とする観察光源によって異なる。このため、墨単色のパターンと条件等色する減法混色の3原色の組み合わせパターンを、対象とする観察光源毎に予め調査する。この調査は、多数の減法混色の3原色の組み合わせパターンと墨単色パターンを、対象とする観察光源下で実験的に観察する、あるいは多数の減法混色の3原色の組み合わせパターンおよび墨単色パターンの分光反射特性、観察光源の分光放射特性、等色関数等から予測する等により、行われる。調査結果の一例を、図2に、各成分の信号値テーブルとして示す。 【0030】 図2を参照すると、信号値は各色8bitの値をとり、各観察光源に共通する墨単色のパターンの信号値(C=M=Y=0,K=200)と、各観察光源に対応する減法混色の3原色の信号値(C=・・・,M=・・・,Y=・・・,K=0:・・・は任意値)の組み合わせが記載されている。尚、観察光源の記号、D50,D55,D65,D75,A,C,・・・・・は、非特許文献1に記載されている代表的な光源に対応している。 【0031】 図3は、上述した信号値テーブルに基づいて作成された画像データのレイアウトの一例を示す。図3を参照すると、作成された画像データは、それぞれの観察光源に対応するパターン1の信号値を有するパッチとパターン2の信号値を有するパッチが互いに近傍に配置され、観察光源に対応する記号もその近傍に配置されている。 【0032】 画像記録ユニット102は、画像データ記憶ユニット101が出力する画像データに基づいて、画像を記録用紙に記録するユニットである。画像データの各信号成分の大きさと、実際に記録用紙に記録される画像の濃度(色材の量)との関係は、安定していることが望ましい。この安定性が不十分であると、所望の観察光源下で、本来、条件等色するはずのパターン対が、同じに見え難くなる。このため画像記録ユニット102は、画像データの各信号成分の大きさと、実際に記録用紙に記録される画像の濃度(色材の量)との関係を一定に維持するキャリブレーション機能を有していると、より良い。 【0033】 ユーザは、画像データ記憶ユニット101が出力する画像データに基づいて画像記録ユニット102が記録用紙に記録した画像を、記録画像を観察する予定の観察環境において観察し、最も等色していると知覚したパターン対を判定する。次に、ユーザは判定したパターン対を画像処理装置に設定する。 【0034】 操作表示ユニット103は、例えばディスプレイ104とタッチセンサ105を一体化したタッチパネルディスプレイ106と、タッチパネルディスプレイ106の入出力制御を行う入出力制御回路107等で構成されており、ユーザが判定したパターン対を設定する際等に使用される。 【0035】 即ち、図4(a)は、入出力制御回路107がディスプレイ104に表示した画面例であり、上述した画像データ記憶ユニット101で対象としている観察光源名等が表示されている。ユーザが、上記知覚したパターン対に対応する観察光源名表示部分、例えば「F5」をタッチすると、入出力制御回路107が、これを検出して観察光源名表示部分を反転させる等、図4(b)に例示した画面をディスプレイ104に表示する。またユーザが、「選択確定」表示部分をタッチすると、入出力制御回路107がこれを検出して、反転表示している観察光源名、例えば図4(b)では「F5」を、システム制御ユニット108に通知する。これによりユーザによる上記知覚したパターン対の選択入力作業が終了する。 【0036】 システム制御ユニット108は、画像処理装置全体を制御するユニットである。システム制御ユニット108は、例えば上述したように操作表示ユニット103が「F5」を通知してくると、記録画像の観察光源はCIEのF5光源であると判定し、後述する色順応変換処理ユニット109等に記録画像の観察環境情報として、通知する。 【0037】 画像データ入力ユニット110は、色順応変換処理ユニット109に、画像データを出力するユニットである。画像データ入力ユニット110から入力された画像データは、例えば、標準sRGBモニタに対応した画像データであり、標準sRGBモニタ111に入力することで、最適な状態で表示される。 【0038】 色順応処理ユニット109は、画像データ入力ユニット110から入力された画像データに、色順応変換処理を施すユニットである。上述したように画像データ入力ユニット110から入力された画像データは、標準sRGBモニタ111に入力した時に、最適な状態で表示される画像データである。一方、この画像データの記録画像は上述の観察環境において観察されるので、観察環境の差による色の見えの違いをCAMによって予測し、観察環境に応じた変換を施すことで、色の見えを一致させることが出来る。 【0039】 図5は、色順応処理ユニット109の構成を示す。図5を参照すると、501は、入力された画像データを、画像データの特性(sRGB)にしたがって三刺激値XYZに変換するRGB→XYZ変換回路である。502は、三刺激値XYZに変換された画像データを、入力画像の観察環境、即ちsRGB画像の観察環境に応じて、人間の色知覚空間信号JChに順方向変換する順方向変換回路である。また、503は、色知覚空間信号JChに変換された画像信号を記録画像の観察環境に応じた三刺激値XYZに変換する逆方向変換回路である。尚、順方向変換回路502および逆方向変換回路503が行う色順応処理は、例えば、CIECAM02,CIECAM97sで明らかにされている処理を行うことで実現される。 【0040】 再度、図1を参照すると、色順応処理ユニット109で色順応変換処理が施された画像データは、色補正ユニット112に出力される。 【0041】 色補正ユニット112は、色順応処理ユニット109から入力された画像データを、対象とする画像記録ユニット102で使用される色材に対応した画像データに変換するユニットである。 【0042】 尚、色補正ユニット112に入力される画像データは、記録画像が観察される光源に依存するので、色補正ユニット112は、上述のシステム制御ユニット108から、記録画像の観察環境情報を受取り、これに応じた処理を行う。また、色補正ユニット112が対象とする画像記録ユニットは、上述の画像記録ユニット102と同一である必要はなく、別な画像記録ユニットでも良い。 【0043】 上述した実施例では、墨単色のパターンの信号値を各観察光源共通としたが、本発明はこの限りではない。また、上述した実施例では、墨単色で記録するパターンを中間濃度とした。これは、減法混色の3原色の組み合わせたパターンは高濃度が得にくいので、墨単色を高濃度で記録したパターンでは対応する組合せが見つからない場合があるためである。また、高濃度であると、特定の観察光源以外の観察光源下で感じられる色味の差が小さくなる傾向がある。これは低濃度のパターンの場合も同様である。経験的には、視感濃度で0.3〜1.2程度の中間濃度が、色味の差を視認し易く好ましい。 【0044】 また、上述した実施例では、墨信号成分のみがゼロのパターンと墨信号成分のみが非ゼロのパターンとを対とした例を説明したが、本発明はこの限りではない。即ち、墨信号成分のみがゼロの組合せと墨信号成分のみが非ゼロの組合せの他にも、4つの信号成分が非ゼロであって、特定の観察光源下で条件等色する組合せが無数に存在するので、これらのパターンを代わりに使用しても良い。但し、墨信号成分のみがゼロの組合せと墨信号成分のみが非ゼロの組合せを対とすると、特定の観察光源以外の観察光源下で感じられる色味の差が大きくなるので、ユーザが所望の観察光源下で観察した際の等色性判定が容易となって、観察光源の判定精度がより向上するという利点がある。 【0045】 実施例2: 以上では、ユーザが、最も等色していると知覚したパターン対を判定して、画像処理装置に設定する例を示したが、本発明はこれに限定されない。即ち、ユーザが、等色性が優れていると知覚したパターン対を複数判定して、画像処理装置に設定するようにしても良い。 【0046】 図4(c)は、ユーザによる複数選択を可能とした、ディスプレイ104の表示画面例を示す。この場合、例えば上述の入出力制御回路108は、観察光源名表示部分がタッチされる度、該観察光源の選択/非選択と判断すれば良い。これにより、観察光源の複数選択が可能となる。 【0047】 また、システム制御ユニット108は、操作表示ユニット103から通知される複数の観察光源名に対して、これら複数の光源の合成光源が記録画像の観察光源であると判定し、色順応処理ユニット109および色補正ユニット112等は、この合成光源に応じた処理を行えば良い。 【0048】 例えば、2つの光源が選択され、それぞれの光源の分光放射特性を波長λの関数X1(λ),X2(λ)で表したなら、合成光源の分光放射特性X3(λ)は、 X3(λ)=Average(X1(λ),X2(λ)) 但し、Average()は、平均化の関数 と推定される。従って、色順応処理ユニット109や色補正ユニット112等では、この推定した分光放射特性を利用して、処理内容を決めておくことが出来る。 【0049】 また、ユーザによる複数選択を可能とすると共に、等色性の順位付けも行えるようにしても良い。 【0050】 この場合、例えば、複数選択された光源とその順位に従った分光放射特性の重み付け加算により、観察光源の分光放射特性を推定できるので、この推定に基づいて、色順応処理ユニット109や色補正ユニット112等での処理内容を決定することが出来る。 【0051】 尚、記録画像が観察される環境は、照明源が単一であることは稀で、例えば室内の照明光と窓等を通して入ってくる外来光等の合成光源となっていることが多いので、多様な観察光源に対応可能にすることは極めて有効である。 【0052】 実施例3: 本発明において、図3に示した画像データ記憶ユニット101に記憶する画像データのパッチの並びは、これに限定されない。例えば、観察光源の特性を表す指標として色度座標(x,y)、相関色温度Tcp、平均演色評価数Ra等があるが、これらの何れかを参考に、1次元的あるいは2次元的に観察光源に対応するパターン対を配置すると、より良い。即ち、特性が近い観察光源に対応するパターン対は、似たような知覚を得ることが多いので、特性を参考にパターン対が配置されていると、観察した際に、等色性が良いパターン対が隣接するようになり、ユーザによる等色性の比較・判定が容易となる。 【0053】 例えば、上述した実施例の光源の相関色温度Tcpは図6に示す通りであり、これを参考にパターン対を配置した例を図7に示す。また、以上では各観察光源に対して1つパターン対を記録する例を示したが、本発明はこれに限定されない。即ち、墨単色で記録した中間濃度のパターンと、特定の観察光源下で条件等色する減法混色の3原色の組み合わせパターンは、異なる中間濃度レベル毎に、それぞれ存在する。従って、これらの多レベルのパターン対を1つの組として、画像データ記憶ユニット101が記憶する画像データとしても良い。 【0054】 図8は、3レベルのパターン対を1つの組とした画像データの例を示す。この場合、ユーザは、3レベルのパターン対の等色性を総合的に評価して、判定することができる。従って、より正確な判定が可能となっている。また、画像データを画像記録ユニット102で記録する場合、突発的に本来の色でパターンが記録されない場合が生じるが、総合的に評価して判定することにより、突発的な誤りを除外できるので、信頼性の高い判定が可能となっている。 【0055】 尚、多レベル化は、図8に示したような離散的多レベル化に限らず、連続的な多レベル化であっても、同様の効果を得ることができる。 【0056】 実施例4: ところで、上述したように色補正ユニット112で変換された画像データを画像記録ユニット102等で記録用紙に記録した画像は、所望の観察環境で観察されないと、色み等、正確な情報を観察者に伝えることが出来ない。従って、記録画像を保有しているユーザは、どのような観察環境で観察すべきか、記憶しておく必要がある。しかし、このような記憶は時間の経過と共に曖昧になる傾向があるので、記録画像を保有する意味も薄れてしまうという問題がある。 【0057】 このような問題を解決する実施例4を図9に示し、以下、説明する。図9を参照すると、画像データ記憶ユニット101〜色補正ユニット112は、図1の実施例と同様であるので、説明を省略する。 【0058】 第2画像データ記憶ユニット913は、上述したようにシステム制御ユニット108が判定した観察光源下において、条件等色するパターン対の画像データを出力するユニットである。パターン対のレイアウトは例えば、図10(a)のように、画像データ記憶ユニット101が記憶する画像データの1観察光源分である。 【0059】 第2画像データ記憶ユニット913が出力する画像データは、画像データ記憶ユニット101と同様に、画像記録ユニット102で使用される色材に対応した成分から成り、実施例4でも減法混色の3原色(シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y))と墨(K)の4つの成分から成る。この場合、上記と同様、条件等色する組み合わせは多数あるが、上述したような理由で、墨信号成分のみがゼロの組合せと墨信号成分のみが非ゼロの組合せを対とするのが望ましい。 【0060】 尚、この組合せは観察光源によって勿論異なるので、システム制御ユニット108が判定する観察光源に応じた画像データを、第2画像データ記憶ユニット913は記憶しており、システム制御ユニット108が判定した観察光源に応じて、画像データを出力する。 【0061】 画像データ合成ユニット914は、上述したような色補正ユニット112が出力した画像データに、第2画像データ記憶ユニット913が出力する画像データを上書き合成するユニットで、合成した画像データを上述したような画像記録ユニット112へ出力する。 【0062】 色補正ユニット112が出力する画像データが図10(b)に示すものとすると、画像データ合成ユニット914が出力する画像データは、例えば、図10(c)に示すものとなる。従って、上述したように画像データ合成ユニット914で合成された画像データを画像記録ユニット102等で記録用紙に記録した画像を、所望の観察環境で観察すると、パターン対(パターン1とパターン2)は等色していると知覚され、それ以外の観察環境では異なった色みに知覚される。 【0063】 即ち、記録画像を保有しているユーザは、観察すべき環境であるかどうかを、パターン対部分を観察することで判定することができるので、誤って色み等の情報が伝わることを防ぐことができる。 【0064】 以上、説明した図1の画像処理装置は、ブロック図と同様のモジュールを有する画像処理プログラムによって実現される。また図9の画像処理装置も、それぞれが有する回路と同様のモジュールを有する画像処理プログラムによって実現される。また、画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でのダウンロードにより提供されてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0065】 【図1】本発明の実施例1の画像処理装置の構成を示す。 【図2】観察光源に対するパターン対(信号値テーブル)の例を示す。 【図3】図2の信号値テーブルに基づいて作成された画像データのレイアウト例を示す。 【図4】等色するパターンを選択する際の表示画面例を示す。 【図5】色順応処理ユニットの構成を示す。 【図6】光源の相関色温度を示す。 【図7】相関色温度を参考にパターン対を配置した例を示す。 【図8】3レベルのパターン対を1つの組とした画像データ例を示す。 【図9】本発明の実施例4の画像処理装置の構成を示す。 【図10】実施例4を説明する画像データ例である。 【図11】本発明の原理を説明する図である。 【図12】図11の続きの図である。 【符号の説明】 【0066】 101 画像データ記憶ユニット 102 画像記録ユニット 103 操作表示ユニット 104 ディスプレイ 105 タッチパネル 106 タッチパネルディスプレイ 107 入出力制御回路 108 システム制御ユニット 109 色順応処理ユニット 110 画像データ入力ユニット 111 sRGBモニタ 112 色補正ユニット
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成18年9月15日(2006.9.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073760 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 誠
【識別番号】100097652 【弁理士】 【氏名又は名称】大浦 一仁
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| 【公開番号】 |
特開2008−72549(P2008−72549A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−250366(P2006−250366) |
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