| 【発明の名称】 |
車載用デジタル放送受信システム |
| 【発明者】 |
【氏名】小池 陽介
|
| 【要約】 |
【課題】車載用のデジタル放送受信機が異常な動作環境に置かれた場合であっても、デジタルテレビ放送の視聴が中断されるのを防ぐことができる「車載用デジタル放送受信システム」を提供する。
【構成】デジタルテレビ放送信号を受信するデジタル放送受信機10から得られる映像信号V1、デジタルテレビ放送信号を受信する携帯電話20から得られる映像信号V2との間で車載用表示装置50へ出力する選択映像信号SVを選択的に切り換えるセレクタ40と、デジタルテレビ放送受信機10の置かれた動作環境に応じてセレクタ40の出力を制御するコントローラ30とを有する構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 デジタルテレビ放送信号を受信するデジタル放送受信機から得られる映像信号と、デジタルテレビ放送信号を受信する携帯端末から得られる映像信号との間で車載用表示装置への出力を選択的に切り換える選択手段と、 前記デジタル放送受信機の置かれた動作環境に応じて前記選択手段の出力を制御する制御手段と、 を有する車載用デジタル放送受信システム。 【請求項2】 前記制御手段は、前記デジタル放送受信機の置かれた動作環境が異常と判断した場合には、前記選択手段の出力をデジタル放送受信機から得られる映像信号から前記携帯端末から得られる映像信号へ切り換え、前記デジタル放送受信機の置かれた動作環境が正常に復帰したと判断した場合には、前記選択手段の出力をデジタル放送受信機から得られる映像信号に戻す、ことを特徴とする請求項1に記載の車載用デジタル放送受信システム。 【請求項3】 前記制御手段は、前記デジタル放送受信機の温度に基づいて前記動作環境が異常かを判断する、ことを特徴とする請求項2に記載の車載用デジタル放送受信システム。 【請求項4】 前記制御手段は、前記デジタル放送受信機の受信するデジタルテレビ放送信号の受信感度に基づいて前記動作環境が異常かを判断する、ことを特徴とする請求項2に記載の車載用デジタル放送受信システム。 【請求項5】 前記デジタル放送受信機と前記携帯端末とは、異なる帯域のデジタル放送信号を受信し、 前記制御手段は、前記選択手段の出力を制御するに際して、前記デジタル放送受信機の受信する放送内容と同じ放送内容のチャンネルを選択するように前記携帯端末の受信チャンネルを制御する、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車載用デジタル放送受信システム。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、地上波デジタルテレビ放送等を車両内で受信する車載用デジタル放送受信システムに関する。 【背景技術】 【0002】 日本国内においても地上デジタルテレビ放送が開始され、従来の地上アナログテレビ放送では得られない、高画質の映像、番組表、番組情報、天気予報などのデータ放送、双方向サービス等の利用が可能になっている。また、この地上デジタルテレビ放送を移動体である車両において視聴するための車載用のデジタル放送受信装置に関する技術も開発されている(例えば、特許文献1等参照)。 【特許文献1】特開2003−234972号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、デジタル放送受信装置を車載した場合には、デジタル放送受信装置を搭載するスペースは車両のダッシュボード周辺等の狭小スペースに限定されるため、家庭用のデジタル放送受信装置に比べて装置を小型化する必要がある。 デジタル放送受信装置を小型化すると、装置内の回路で発生する熱が装置の筐体内にこもりやすく、デコード回路等が高温になりやすい。また、車両内の温度は、天候等により大きく変動するので、家庭用のデジタル放送受信装置と比べて車載用のデジタル放送受信装置は高温環境下に置かれる可能性が高い。さらに、デジタル放送受信装置におけるデコード回路等は高周波信号を処理するため、発熱しやすい。 一般的な車載用のデジタル放送受信装置は、装置が一定の温度以上に上昇する動作環境に置かれると、回路等の故障を防止するために、高温であることを示すアラーム信号を出力すると共にデコード処理等を中断するように形成されている。このため、デコード処理を停止すると、アラーム信号が解除されるまで車両の搭乗者は映像を視ることができない。 また、車載用のデジタル放送受信装置では、車両の走行場所等によっては、デジタルテレビ放送波の電界強度が十分でない動作環境に置かれる可能性もあり、この場合にも、映像が完全に遮断され搭乗者は映像を視ることができない。 【0004】 本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、車載用のデジタル放送受信機が異常な動作環境に置かれた場合であっても、デジタルテレビ放送の視聴が中断されるのを防ぐことができる車載用デジタル放送受信システムを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明に係る車載用デジタル放送受信システムは、デジタルテレビ放送信号を受信するデジタル放送受信機と、前記デジタル放送受信機から得られる映像信号とデジタルテレビ放送信号を受信する携帯端末から得られる映像信号との間で車載用表示装置への出力を選択的に切り換える選択手段と、前記デジタル放送受信機の置かれた動作環境に応じて前記選択手段の出力を制御する制御手段と、 を有する。 この構成によれば、デジタル放送受信機と携帯端末とのいずれかでデジタルテレビ放送信号を受信して映像を表示装置に出力できるので、デジタルテレビ放送の視聴が中断されるのを防ぐことができる。 【0006】 上記構成において、前記制御手段は、前記デジタル放送受信機の置かれた動作環境が異常と判断した場合には、前記選択手段の出力をデジタル放送受信機から得られる映像信号から前記携帯端末から得られる映像信号へ切り換え、前記デジタル放送受信機の置かれた動作環境が正常に復帰したと判断した場合には、前記選択手段の出力をデジタル放送受信機から得られる映像信号に戻す、構成を採用できる。 【0007】 上記構成において、前記制御手段は、前記デジタル放送受信機の温度に基づいて前記動作環境が異常かを判断する、構成を採用できる。 【0008】 上記構成において、前記制御手段は、前記デジタル放送受信機の受信するデジタルテレビ放送信号の受信感度に基づいて前記動作環境が異常かを判断する、構成を採用できる。 【0009】 上記構成において、前記デジタル放送受信機と前記携帯端末とは、異なる帯域のデジタル放送信号を受信し、前記制御手段は、前記選択手段の出力を制御するに際して、前記デジタル放送受信機の受信する放送内容と同じ放送内容のチャンネルを選択するように前記携帯端末の受信チャンネルを制御する、構成を採用できる。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、車載用のデジタル放送受信機が異常な動作環境に置かれた場合であっても、デジタルテレビ放送の視聴が中断されるのを防ぐことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。 図1は、本発明の一実施形態に係る車載用デジタル放送受信システムの構成図である。 この車載用デジタル放送受信システムは、デジタルテレビ放送受信機10(以下、受信機10という)、携帯電話20、制御手段としてのコントローラ30、選択手段としてのセレクタ40、車載用表示装置としての表示装置50等から構成される。 【0012】 本実施形態に係る車載用デジタル放送受信システムは、日本国内の地上波デジタル放送用のものである。周知のように、国内における地上波デジタル放送では、6MHzの放送波を13個の帯域(セグメント)に分割し、各セグメントごとに搬送波の変調方式や畳み込み符号の符号化率を選択できるようにされている。実際にはガード・バンドとして1セグメント分の帯域を用意するので,1セグメントの帯域は429kHzとなる。いわゆるワンセグは、この1セグメントを使った携帯電話等の移動体通信機(携帯端末)向けの放送サービスであり、残りの12セグメントが地上デジタル放送に使用されている。1セグメント放送の内容についは、現在のところ12セグメント放送と同じ映像を送信するサイマル放送である。 【0013】 受信機10は、図示しないアンテナで受けた上記した地上波デジタル放送(12セグメント放送)のデジタルテレビ放送信号をデコードし、映像信号V1を抽出し、セレクタ40を介して表示装置50へ出力する。 受信機10は、図示しない温度センサをその内部に備えており、受信機10の内部温度が所定温度以上になると、高温警告信号HTSをコントローラ30へ出力すると共に、受信したデジタルテレビ放送信号の処理を中断するように形成されている。また、内部温度が所定温度よりも下がると、高温警告信号HTSの出力を停止すると共に、デジタルテレビ放送信号の処理を再開するように形成されている。 【0014】 また、受信機10は、受信したデジタルテレビ放送信号の電界強度を示す受信感度信号SSをコントローラ30へ出力するように形成されている。 さらに、受信機10は、図示しないが、現在受信中の放送のチャンネル情報をコントローラ30へ出力可能に形成されている。 尚、デジタルテレビ放送受信機10は、映像信号V1と共に音声信号を抽出するが、デジタルテレビ放送受信機10の処理回路は周知技術なので、説明を省略する。 【0015】 携帯電話20は、上記したワンセグ放送のデジタルテレビ信号を受信してデコードして映像信号とし、これを自らの表示部に出力すると共に、セレクタ40を介して表示装置50へ出力可能に接続されている。 また、携帯電話20は、コントローラ30と接続されて、コントローラ30からの制御信号CT1により電源のオン/オフやチャンネル選択が制御されるとともに、各種データDT1をコントローラ32へ出力できるように形成されている。 【0016】 コントローラ30は、プロセッサ、メモリ等のハードウエアと所要のソフトウエア等から構成されており、受信機10が高温状態になった場合には、受信機10から高温警告信号HTSが入力されると共に、受信機10が受信するデジタルテレビ信号の受信感度SSも入力される。 また、コントローラ30は、携帯電話20の電源のオン/オフ、受信チャンネルの切替等の制御をするために携帯電話20に制御信号CT1を出力すると共に、携帯電話20から各種データDT1を受信可能に形成されている。 さらに、コントローラ30は、セレクタ40に対して映像信号を切り換えるための制御信号CT2を出力する。 【0017】 セレクタ40は、受信機10からの映像信号V1と携帯電話20からの映像信号V2との一方をコントローラ30からの制御信号CT2に応じて選択し、選択映像信号SVとして表示装置50。尚、受信機10からの映像と携帯電話20からの映像とでは、受信機10側の信号の情報量が多い分、受信機10からの映像の画質が高い。 【0018】 次に、コントローラ30の処理の一例について図2ないし図4を参照して説明する。 図2はコントローラ30のメイン処理の一例を示すフローチャート、図3は異常判別処理の一例を示すフローチャート、及び図4は復帰処理の一例を示すフローチャートである。尚、コントローラ30は、図2に示す処理を周期的に繰り返し実行する。 【0019】 先ず、図2に示すように、受信機10、セレクタ40、表示装置50等からなるシステムが起動しているかを判断し(ステップST1)、起動していない場合には、処理を終了し、次回のタイミングまで待機する。 システムが起動している場合には、受信機10の映像信号V1を選択映像信号SVとして表示装置50へ出力するように、セレクタ40に対して制御信号CT2を出力する(ステップST2)。これにより、受信機10の映像信号V1が選択映像信号SVとして表示装置50へ出力され、表示装置50において地上デジタルテレビ放送が視聴できる。 【0020】 次いで、携帯電話20が接続されているかを判断し(ステップST3)、接続されていない場合には、処理を終了し、接続されている場合には、後述する異常判別処理を実行する(ステップST4)。 次いで、異常判別処理を実行したのち、異常発生を示す異常フラグがオンしているかを判断し(ステップST5)、異常フラグがオフしている場合には、処理を終了し、異常フラグがオンしている場合には後述する復帰処理を実行する8ステップST6)。 【0021】 次に、上記した異常判別処理について図3を参照して説明すると、先ず、受信機10の現在受信している受信チャンネル情報を受信機10から取得する(ステップST41)。 次いで、受信機10からの高温警告信号HTSがオンしていないかを判断する(ステップST42)。すなわち、受信機10の動作環境である受信機10内の温度が異常かを判断する。 高温警告信号HTSがオフ状態、すなわち、受信機10内の温度が異常でない場合には、受信機10からの受信感度SSが所定以下かどうかを判断する(ステップST43)。すなわち、受信機10のデジタルテレビ信号を受信するための動作環境が異常かを判断する。異常でない場合には、処理を終了する。 【0022】 ステップST42において、高温警告信号HTSがオンしている場合(受信機10はデコード処理を中断している)、あるいは、ステップST43において、の受信感度SSが所定以下の場合には、受信機10の現在の動作環境が異常と判断する。 この場合には、携帯電話20の電源がオンしているかを判断し(ステップST44)、電源がオフの場合には、制御指令CT1を携帯電話20へ出力する(ステップST45)。 そして、携帯電話20の電源がオンしている場合には、受信機10の現在受信しているチャンネルと同じ内容の放送をしている1セグメント放送のチャンネルに切り換える(ステップST46)。これにより、受信機10の受信している放送内容と携帯電話20の受信している放送内容とが同じになる。 【0023】 次いで、セレクタ40へ制御信号CT2を出力して、セレクタ40の選択映像信号SVを受信機10の映像信号V1から携帯電話20の映像信号V2へ切替える(ステップST46)。これにより、表示装置50には、映像信号V2に基づく映像が出力され、地上デジタルテレビ放送と同内容の1セグメント放送を視聴できる。すなわち、ユーザは受信機10の映像信号V1から携帯電話20の映像信号V2への切替によって、継続して同一内容の放送を視聴できる。 また、1セグメント放送は、移動体通信用であるので、受信できる範囲が地上デジタルテレビ放送よりも広範囲であり、地上デジタルテレビ放送の受信感度が低下しても、1セグメント放送は受信可能である。このため、受信機10の受信感度SSが低下した場合に、表示装置50へ出力する選択映像信号SVを映像信号V1から映像信号V2に切替えると、継続して同一内容の放送を視聴できる。 【0024】 次に、上記した復帰処理について図4を参照して説明すると、先ず、高温警告信号HTSがオフとなっているかを判断する(ステップST61)。すなわち、受信機10の温度が低下してデコード処理を再開したかを判断する。高温警告信号HTSがオンしている場合には、処理を終了する。 一方、高温警告信号HTSがオフしている場合には、受信機10の受信感度SSが所定以上に復元したかを判断し、復元していない場合には、処理を終了し、復元した場合には、セレクタ40へ制御信号CT2を出力して、セレクタ40の選択映像信号SVを携帯電話20の映像信号V2から受信機10の映像信号V1へ切替える(ステップST63)。これにより、表示装置50には、映像信号V11に基づく映像が出力され、再び地上デジタルテレビ放送を視聴できる。 そして、携帯電話20へ制御信号CT1を出力してその電源をオフし(ステップST64)、異常な動作環境が正常な動作環境に復帰したので、異常フラグをオフする(ステップST65)。 【0025】 以上のように、本実施形態によれば、デジタルテレビ信号の受信環境や受信機10の温度環境等の動作環境が異常な場合には、代替的に携帯電話20のデジタルテレビ信号を受信機能を用いて表示装置50に映像を出力できるので、ユーザ操作を要することなく、デジタルテレビ放送の視聴が中断されるのを防ぐことができる。 【0026】 上記実施形態では、携帯端末として携帯電話20を例に挙げて説明したが、携帯電話20以外にも1セグメント放送を受信できる携帯端末であれば本発明に適用可能である。 また、上記実施形態では、受信機10で受信した放送内容と携帯電話20で受信した放送内容とが同じになるように制御したが、異なる内容の放送の映像を出力するようにすることもできる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】本発明の一実施形態に係る車載用デジタル放送受信システムの構成図である。 【図2】コントローラにおけるメインルーチンの処理の一例を示すフローチャートである。 【図3】図2の異常判別処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 【図4】図2の復帰処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 【符号の説明】 【0028】 10…デジタルテレビ放送受信機(デジタルテレビ放送受信機) 20…携帯電話(携帯端末) 30…コントローラ(制御手段) 31…異常判別部 32…携帯電話通信・制御部 33…セレクタ制御部 40…セレクタ(選択手段) 50…表示装置(車載用表示装置) V1,V2…映像信号 SV…選択映像信号(出力)
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000101732 【氏名又は名称】アルパイン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年9月14日(2006.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087480 【弁理士】 【氏名又は名称】片山 修平
|
| 【公開番号】 |
特開2008−72525(P2008−72525A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−250138(P2006−250138) |
|