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【発明の名称】 光電変換素子、画像読取装置および画像形成装置
【発明者】 【氏名】加賀美 宜伸

【要約】 【課題】読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決する。

【構成】受光画素列の各画素に蓄積された電荷を出力する光電変換素子列17毎に設けられるものであって、当該光電変換素子列17から出力される電荷が奇数番目の画素と偶数番目の画素とで画素出力の順序を光電変換素子列17の先頭もしくは末尾に異ならせる複数のレジスタ10a〜10dと、各レジスタ10a〜10dの出力開始側にそれぞれ設けられる出力回路16と、を備える。これにより、奇数番目、偶数番目で画素出力の順序を先頭からもしくは末尾からというように、お互いに異ならしめるとともに、それぞれの出力回路16を出力開始側(すなわち、先頭および末尾)に設置させることになるので、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光画素列の各画素に蓄積された電荷を出力する光電変換素子列と、
前記光電変換素子列毎に設けられるものであって、当該光電変換素子列から出力される前記電荷が奇数番目の画素と偶数番目の画素とで画素出力の順序を前記光電変換素子列の先頭もしくは末尾に異ならせる複数のレジスタと、
前記各レジスタの出力開始側にそれぞれ設けられる出力回路と、
を備えることを特徴とする光電変換素子。
【請求項2】
前記光電変換素子列はモノクロ読み取り用に1ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素と偶数番目の画素との2CHタイプである、
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記光電変換素子列はカラー読み取り用に3ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素を2分割したものと偶数番目の画素を2分割したものとの4CHタイプである、
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
【請求項4】
受光画素列の各画素に蓄積された電荷を出力する光電変換素子列と、前記光電変換素子列毎に設けられるものであって、当該光電変換素子列から出力される前記電荷が奇数番目の画素と偶数番目の画素とで画素出力の順序を前記光電変換素子列の先頭もしくは末尾に異ならせる複数のレジスタと、前記各レジスタの出力開始側にそれぞれ設けられる出力回路とを備える光電変換素子と、
前記光電変換素子からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する信号処理手段と、
奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方の出力について、前記信号処理手段により変換されたデジタル画像信号の順序を入れ替える順序入替手段と、
前記順序入替手段により順序を入れ替えられた奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方のデジタル画像信号および前記順序入替手段により順序を入れ替えられていない奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方のデジタル画像信号について画像処理を施す画像処理手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
前記画像処理手段は奇数番目と偶数番目の2系統入力の構成となっており、
前記信号処理手段はRGB各2ch入力のものを2個備えていて、入力された奇数番目同士の2入力と偶数番目同士の2入力とをそれぞれマルチプレクス合成した後1出力とする、
ことを特徴とする請求項4記載の画像読取装置。
【請求項6】
奇数番目同士の2出力と偶数番目同士の2出力をそれぞれの前記信号処理手段の2入力端子に入力する際、1,5,9,・・・,n−7,n−3の番目端子とn,n−4,・・・,10,6,2の番目端子を前記各信号処理手段のマルチプレクス後で先に出力される入力端子に、3,7,11,・・・,n−5,n−1の番目端子とn−2,n−6,・・・,12,8,4の番目端子を後に出力される入力端子に、それぞれ入力する、
ことを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記順序入替手段により順序を入れ替えられていない奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方のデジタル画像信号の出力側に、画像データの遅延手段を備える、
ことを特徴とする請求項4ないし6の何れか一記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記光電変換素子列はモノクロ読み取り用に1ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素と偶数番目の画素との2CHタイプである、
ことを特徴とする請求項4ないし7の何れか一記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記光電変換素子列はカラー読み取り用に3ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素を2分割したものと偶数番目の画素を2分割したものとの4CHタイプである、
ことを特徴とする請求項4ないし7の何れか一記載の画像読取装置。
【請求項10】
請求項4ないし9のいずれか一記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置が読み取った画像データに従って画像を形成して出力する画像印刷装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子、画像読取装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来以上に読取速度の速い画像読取装置への要望が高まっており、受光画素列の各画素に蓄積された電荷をODDとEVENに分けて読み出すODD/EVEN分離読出しタイプのリニアCCDイメージセンサでは達成できない読取速度の実現が求められている。
【0003】
このような状況下、ODD/EVEN分離読出しタイプのリニアCCDイメージセンサでの読取速度の2倍の読取速度を実現できるリニアCCDイメージセンサとして、ODD/EVENの分離読出しに加え、受光画素列の電荷をFast/Lastに分割して読み出す構造のリニアCCDイメージセンサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような特許文献1に開示されているFast/Last分割読出し方式のリニアCCDイメージセンサにおいては、計4チャンネルの出力信号の各々の僅かなリニアリティの差により生じる読取信号レベル段差(FastとLastの差:FL差)を補正するようにしている。
【0004】
ところが、上述したような左右分割読出し方式のリニアCCDイメージセンサには、FL差を補正するための回路と、FとLの出力の順序を後段の処理回路に合わせて画素の並び替えをする回路とを設けなければならない。これらは汎用ICではなくASIC(Application Specific Integrated Circuit)となるため、開発に時間とコストがかかり、単価も比較的高額となる。また、FL差補正の工程を市場で実施する場合、手間と時間がかかるという問題がある。さらに、治具チャートを用いる方法はチャートが汚れている場合などは逆方向に補正してしまう場合があり、結果的にきちんと補正できないばかりか、かえってFL差を大きくしてしまう場合もある。
【0005】
一方、他の方式としては、4chレジスタ間転送(垂直転送部構造)CCDイメージセンサがある(例えば、特許文献2参照)。このような特許文献2に開示されているCCDイメージセンサによれば、4画素おきに1つのレジスタで出力しているので、左右分割読出し方式のリニアCCDイメージセンサのようなFL差という問題は生じない。
【0006】
【特許文献1】特開2002−218186号公報
【特許文献2】特開2000−188686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献2に開示されている4chレジスタ間転送CCDイメージセンサにおいては、電力消費が大きな出力回路が片側に偏っていることから、発熱の偏りによる暗時出力不均一性が問題になる。暗時出力とは、光が全く当たらなくても電圧出力してしまうことをいう。すなわち、発熱が一部分に集中すると、暗時出力が画素位置で異なり、結果的に左右で読み取り画像の濃度が異なるという画質上の不具合が生じることになる。より詳細には、CCDには、黒補正用に光シールドしてあるOPB(OpticalBlack)画素が、出力開始側に何画素か設けられている。補正回路としては、OPB画素の平均出力値を有効画素の出力値から差し引くものであるが、最近はデジタル変換後のデータを引き算することが多い。また、画素の感光部は、PN接合部なので熱によっても出力電圧が発生してしまうという性質を有している。すなわち、OPB画素は出力開始側にあるので、出力回路のオペアンプなどによる発熱の影響を受け、暗時出力値は通常より大きくなってしまう。すると、減算する数値が大きすぎ、有効画素の出力値が適切でなくなってしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる光電変換素子、画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明の光電変換素子は、受光画素列の各画素に蓄積された電荷を出力する光電変換素子列と、前記光電変換素子列毎に設けられるものであって、当該光電変換素子列から出力される前記電荷が奇数番目の画素と偶数番目の画素とで画素出力の順序を前記光電変換素子列の先頭もしくは末尾に異ならせる複数のレジスタと、前記各レジスタの出力開始側にそれぞれ設けられる出力回路と、を備える。
【0010】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1記載の光電変換素子において、前記光電変換素子列はモノクロ読み取り用に1ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素と偶数番目の画素との2CHタイプである。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1記載の光電変換素子において、前記光電変換素子列はカラー読み取り用に3ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素を2分割したものと偶数番目の画素を2分割したものとの4CHタイプである。
【0012】
また、請求項4にかかる発明の画像読取装置は、受光画素列の各画素に蓄積された電荷を出力する光電変換素子列と、前記光電変換素子列毎に設けられるものであって、当該光電変換素子列から出力される前記電荷が奇数番目の画素と偶数番目の画素とで画素出力の順序を前記光電変換素子列の先頭もしくは末尾に異ならせる複数のレジスタと、前記各レジスタの出力開始側にそれぞれ設けられる出力回路とを備える光電変換素子と、前記光電変換素子からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する信号処理手段と、奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方の出力について、前記信号処理手段により変換されたデジタル画像信号の順序を入れ替える順序入替手段と、前記順序入替手段により順序を入れ替えられた奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方のデジタル画像信号および前記順序入替手段により順序を入れ替えられていない奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方のデジタル画像信号について画像処理を施す画像処理手段と、を備える。
【0013】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4記載の画像読取装置において、前記画像処理手段は奇数番目と偶数番目の2系統入力の構成となっており、前記信号処理手段はRGB各2ch入力のものを2個備えていて、入力された奇数番目同士の2入力と偶数番目同士の2入力とをそれぞれマルチプレクス合成した後1出力とする。
【0014】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5記載の画像読取装置において、奇数番目同士の2出力と偶数番目同士の2出力をそれぞれの前記信号処理手段の2入力端子に入力する際、1,5,9,・・・,n−7,n−3の番目端子とn,n−4,・・・,10,6,2の番目端子を前記各信号処理手段のマルチプレクス後で先に出力される入力端子に、3,7,11,・・・,n−5,n−1の番目端子とn−2,n−6,・・・,12,8,4の番目端子を後に出力される入力端子に、それぞれ入力する。
【0015】
また、請求項7にかかる発明は、請求項4ないし6の何れか一記載の画像読取装置において、前記順序入替手段により順序を入れ替えられていない奇数番目の画素または偶数番目の画素の何れか一方のデジタル画像信号の出力側に、画像データの遅延手段を備える。
【0016】
また、請求項8にかかる発明は、請求項4ないし7の何れか一記載の画像読取装置において、前記光電変換素子列はモノクロ読み取り用に1ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素と偶数番目の画素との2CHタイプである。
【0017】
また、請求項9にかかる発明は、請求項4ないし7の何れか一記載の画像読取装置において、前記光電変換素子列はカラー読み取り用に3ラインであり、前記複数のレジスタは奇数番目の画素を2分割したものと偶数番目の画素を2分割したものとの4CHタイプである。
【0018】
また、請求項10にかかる発明の画像形成装置は、請求項4ないし9のいずれか一記載の画像読取装置と、前記画像読取装置が読み取った画像データに従って画像を形成して出力する画像印刷装置と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明によれば、奇数番目、偶数番目で画素出力の順序を先頭からもしくは末尾からというように、お互いに異ならしめるとともに、それぞれの出力回路を出力開始側すなわち、先頭および末尾に設置させたことで、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる、という効果を奏する。
【0020】
また、請求項2にかかる発明によれば、2CHタイプの光電変換素子列において、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる、という効果を奏する。
【0021】
また、請求項3にかかる発明によれば、4CHタイプの光電変換素子列において、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる、という効果を奏する。
【0022】
また、請求項4にかかる発明によれば、奇数番目、偶数番目で画素出力の順序を先頭からもしくは末尾からというように、お互いに異ならしめるとともに、それぞれの出力回路を出力開始側すなわち、先頭および末尾に設置させたことで、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができるとともに、奇数番目または偶数番目、すなわち先頭からまたは末尾からのいずれかの出力に対して、デジタ画像信号の順序を入れ替える順序入替手段を有することで、コストが少なくデジタル画像処理手段の入力インターフェース合わせることができる、という効果を奏する。
【0023】
また、請求項5にかかる発明によれば、2入力でマルチプレクス合成後1出力の信号処理手段と、偶数番目、奇数番目の2系統入力のデジタル画像処理ICを別途設けた画像読取装置において、奇数番目同士の2出力と、偶数番目同士の2出力をそれぞれ1つの信号処理手段に入力することで、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することのほか、コストが少なくデジタル画像処理手段の入力インターフェース合わせることができる、という効果を奏する。
【0024】
また、請求項6にかかる発明によれば、2入力でマルチプレクス合成後1出力の信号処理手段と、偶数番目、奇数番目の2系統入力のデジタル画像処理ICを別途設けた画像読取装置において、奇数番目同士の2出力と、偶数番目同士の2出力をそれぞれ1つの信号処理手段に入力することで、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することのほか、コストが少なくデジタル画像処理手段の入力インターフェース合わせることができる、という効果を奏する。
【0025】
また、請求項7にかかる発明によれば、特に光電変換素子列が3ラインからなるカラーセンサにおいて、片側に出力回路が集中(各色4CHの場合は12出力)することを避けられるので、特に片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる、という効果を奏する。
【0026】
また、請求項8にかかる発明によれば、2CHタイプの光電変換素子列において、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる、という効果を奏する。
【0027】
また、請求項9にかかる発明によれば、4CHタイプの光電変換素子列において、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる、という効果を奏する。
【0028】
また、請求項10にかかる発明によれば、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる光電変換素子、画像読取装置および画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態は画像読取装置としてフラットベット型のイメージスキャナを適用した例である。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるイメージスキャナ1の概略構成を示す縦断正面図である。図1に示すように、このイメージスキャナ1は、原稿2を載置するコンタクトガラス3と、原稿2の露光用のハロゲンランプ4及び第1反射ミラー5とからなる第1キャリッジ6と、第2反射ミラー7及び第3反射ミラー8からなる第2キャリッジ9と、イメージセンサであるカラーCCD(Charge Coupled Devices)10と、カラーCCD10に結像するためのレンズユニット11と、シェーディング補正用の白基準板12とを備えている。カラーCCD10はセンサ基板13上に設けられ、このセンサ基板13は、CCD10が出力する画像信号に対して各種の信号処理を施す回路が搭載された信号処理基板14と接続ケーブル15で接続されている。信号処理基板14には、アナログ信号処理IC20、LIFO(Last in First out)回路21、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)22(いずれも図3参照)などが搭載されている。ハロゲンランプ4、第1、第2、第3反射ミラー5,7,8及びレンズユニット11は、走査光学系を構成する。なお、走査光学系としては、相対的なものであり、ミラー等が固定で原稿側が移動するタイプであってもよい。
【0032】
ハロゲンランプ4は、白基準板12やコンタクトガラス3の読取面に対してある角度で光を照射し、白基準板12又は原稿2で反射した光は、第1、第2、第3反射ミラー5,7,8及びレンズユニット11を経由してカラーCCD10に入射する。カラーCCD10は、入射光量に対応した電圧をアナログ画像信号として出力する。第1、第2キャリッジ6,9は、図示しないステッピングモータの駆動により、原稿2の読取面とカラーCCD10との間の距離を一定に保ちながら副走査方向(矢印A方向)に移動し、原稿2を露光走査する。
【0033】
次に、本実施の形態のスキャナ装置1が備える特徴的な機能を発揮するカラーCCD10について詳述する。ここで、図2はカラーCCD10の構成を示す模式図、図3はその回路構成を示すブロック図である。
【0034】
カラーCCD10は、600dpiで原稿サイズA3を読み取ることができるように、RGBの3ラインで各7300の有効画素を持つ。そして、カラーCCD10は、図2に示すように、各色の光電変換素子列であるセンサ部17について上下4つのレジスタ10a〜10dを有している4CHレジスタ間転送方式である。すなわち、カラーCCD10のセンサ部17で読み取られた画像信号の内、奇数番目画素はレジスタ10a,10cに交互に転送され、偶数番目画素はレジスタ10b,10dに交互に転送される。図2における16は各出力回路(アンプ)であり、出力1ch〜4chはそれぞれ出力回路(アンプ)に接続されているものとする。
【0035】
ところで、本実施の形態の4chレジスタ間転送方式のカラーCCD10は、従来の4CHレジスタ間転送方式のカラーCCDとは異なり、奇数番目の画素の画像信号は先頭側(図2では、左側)から、偶数番目の画素の画像信号は末尾側(図2では、右側)から、各出力回路(アンプ)を通って画素ごと出力される。
【0036】
すなわち、出力1chは有効画素の1,5,9,・・・,7297番目を、出力2chは7298,・・・,10,6,2番目を、出力3chは3,7,11,・・・,7299番目を、出力4chは7300,・・・,12,8,4番目をそれぞれこの順に出力している。出力1ch〜4chは、図3のCCD出力順序(各色共通)と一致している。
【0037】
本実施の形態のイメージスキャナ1は、図3に示すように、信号処理手段であるアナログ信号処理IC20として、RGB各2ch入力のものを2個(アナログ信号処理IC20a,アナログ信号処理IC20b)備えている。アナログ信号処理IC20(20a,20b)は、チャンネルごとのゲイン調整と、2ch間の黒レベル合わせをして入力A,Bをマルチプレクス合成した後のA/D変換とを実行する。これにより、アナログ信号処理IC20(20a,20b)は、各色10ビットまたは8ビットのデジタルデータを入力A1,B1,A2,B2,・・・,An,Bnの順に出力する。なお、本実施の形態においては、アナログ信号処理IC20(20a,20b)にはA/D変換器を内蔵しているものとして説明したが、アナログ出力されたものに対してA/D変換器を別途設けるものでもよい。また、図3に示すように、画像処理手段である画像処理ASIC22は、もともと高周波の画像処理に対応させるため、奇数番目と偶数番目の2系統入力の構成となっている。
【0038】
ここで、図3に示すように、各色出力1chと出力3ch、出力2chと出力4chを組み合わせて1つのアナログ信号処理IC20に入力し、出力1chと出力4chをAに入力し、出力3chと出力2chをBに入力し、さらに出力2ch,出力4ch側に順序入替手段であるLIFO回路21を設けることによって出力順序を反対にする。
【0039】
ここで、図4はLIFO回路21の構成を示す模式図、図5はLIFO回路21における各種信号のタイミングチャートである。図5に示すように、CCD出力のタイミングには有効画素以外(OPB)に空送り部分もあるが、空送り部分は順序を変える必要はないので、有効画素の部分だけライトイネーブルWEBをLowとし、同時にリードイネーブルREBもLowにする。これにより、図5に示すLIFO出力Doutのように1ラインの遅れは生じるが、有効画素の順序だけを入れ替えることができる。なお、空送り部分はライトもリードもされないので、出力不定となる。
【0040】
このような構成により、画像処理ASIC22の奇数入力系統に1,3,5,・・・,7299番目の画素データを、偶数入力系統に2,4,6,・・・,7300番目の画素データをこの順で入力することができる。
【0041】
このように本実施の形態によれば、奇数番目、偶数番目で画素出力の順序を先頭からもしくは末尾からというように、お互いに異ならしめるとともに、それぞれの出力回路を出力開始側すなわち、先頭および末尾に設置させたことで、読取信号レベル段差(FL差)の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、奇数番目を先頭から、偶数番目を末尾から出力するものとし、偶数番目(末尾から)を奇数番目(先頭から)に合わせるようにしているが、これに限るものではなく、偶数番目を先頭から、奇数番目を末尾から出力するものとしても良い。
【0043】
また、本実施の形態においては、特に発熱に関する効果が大きいRGBカラー4CHのカラーCCD10を例に説明したが、これに限るものではなく、モノクロCCDでも同様である。図6は、モノクロCCD30の構成を示す模式図である。この場合、光電変換素子列であるセンサ部31はモノクロ読み取り用に1ラインのみであり、レジスタ32は奇数番目画素と偶数番目画素の2CHタイプである。1画素ごとセンサ部31で読取られた画像信号は奇数、偶数番別に、図6中では上下に設けられたレジスタ32に転送される。奇数番目の画素の画像信号は、先頭側(図6では、左側)から、偶数番目の画素の画像信号は、末尾側(図6では、右側)から、アンプ33を通って画素ごと出力される。
【0044】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図7および図8に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0045】
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるカラーCCD10の回路構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施の形態においては、LIFO回路21を設けることによって出力順序を入れ替えたのとは別の出力側(ここでは奇数側)に、画像データの遅延回路23を設けている。
【0046】
ここで、遅延回路23について説明する。図8は、遅延回路23の構成を示す模式図である。図8に示すように、この遅延回路23はラッチである。第1の実施の形態で説明したようにLIFO回路21においては順序入れ替えに1ラインの遅延が発生することから、LIFO回路21を設けた側とは別の出力側(ここでは奇数側)に遅延回路23を設けて1ラインだけ遅延させるようにしている。具体的には、図8に示すように、遅延回路23(ラッチ)のCLK端子に図5で示したような1ラインの開始を示すSH信号を入力している。これにより、Doutには1ライン遅延した画像信号が出力し、結果的に奇数側と偶数側のタイミングを合わせることができる。
【0047】
このように本実施の形態によれば、特に光電変換素子列が3ラインからなるカラーセンサにおいて、片側に出力回路が集中(各色4CHの場合は12出力)することを避けられるので、特に片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる。
【0048】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図9に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。本実施の形態は、画像形成装置としてデジタル複写機50への適用例を示す。
【0049】
図9は、本発明の第3の実施の形態にかかるデジタル複写機50の概略構成を示すブロック図である。このデジタル複写機50は、前述した第1の実施の形態または第2の実施の形態のような構成のイメージスキャナ1と、このイメージスキャナ1で読み取ったデジタル画像データに基づいて用紙上に画像の形成を行う画像印刷装置であるプリンタ51と、当該デジタル複写機50を制御する制御部52とからなる。
【0050】
このような構成により、奇数番目、偶数番目で画素出力の順序を先頭からもしくは末尾からというように、お互いに異ならしめるとともに、それぞれの出力回路を出力開始側すなわち、先頭および末尾に設置させたことで、FL差の不具合と片側出力のみによる発熱の問題を解決することができる。
【0051】
なお、プリンタ51の印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など種々の方式を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるイメージスキャナの概略構成を示す縦断正面図である。
【図2】カラーCCDの構成を示す模式図である。
【図3】その回路構成を示すブロック図である。
【図4】LIFO回路の構成を示す模式図である。
【図5】LIFO回路における各種信号のタイミングチャートである。
【図6】モノクロCCDの構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかるカラーCCDの回路構成を示すブロック図である。
【図8】遅延回路の構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態にかかるデジタル複写機の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0053】
1 画像読取装置
10 光電変換素子
10a〜10d レジスタ
16 出力回路
17 光電変換素子列
20 信号処理手段
21 順序入替手段
22 画像処理手段
30 光電変換素子
31 光電変換素子列
32 レジスタ
33 出力回路
50 画像形成装置
51 画像印刷装置
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明


【公開番号】 特開2008−72495(P2008−72495A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249724(P2006−249724)