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【発明の名称】 画像読取装置、画像読取装置の制御方法
【発明者】 【氏名】赤羽 久幸

【要約】 【課題】装置コストを高くすることなく、暗黒始動性の悪いランプを点灯させることができる画像読取装置及び画像読取装置の制御方法を提供する。

【構成】反射原稿の原稿面に光を照射する光源となる反射原稿用ランプと、反射原稿用ランプ、及び光を検知して電気信号に変換するイメージセンサが搭載されて副走査方向に往復移動するキャリッジと、発光して装置状態を示すインジケータランプと、反射原稿用ランプが点灯するか否かをイメージセンサを用いて判定する判定部とを備え、判定部によって反射原稿用ランプが点灯しないと判定されたときに、キャリッジを所定位置に移動させてインジケータランプの光を反射原稿用ランプに照射させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射原稿の原稿面に光を照射する光源となる反射原稿用ランプと、
前記反射原稿用ランプ、及び光を検知して電気信号に変換するイメージセンサが搭載されて副走査方向に往復移動するキャリッジと、
発光して装置状態を示すインジケータランプと、
前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを前記イメージセンサを用いて判定する判定部と、
前記反射原稿用ランプの点灯及び消灯、前記インジケータランプの点灯及び消灯、並びに前記キャリッジの移動を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記判定部によって前記反射原稿用ランプが点灯しないと判定されたときに、前記キャリッジを所定位置に移動させて前記インジケータランプの光を前記反射原稿用ランプに照射させることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
電源が投入された際、前記制御部は、前記キャリッジを白基準の読み取り位置に設定し、前記判定部は、当該白基準の読み取り位置において前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記白基準の読み取り位置は、前記キャリッジのホームポジションであることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記インジケータランプの光が前記反射原稿用ランプを照射した状態で前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記判定部によって、前記インジケータランプの光が前記反射原稿用ランプを照射した状態で前記反射原稿用ランプが点灯するか否かが判定された結果、前記反射原稿用ランプが点灯しないと判定された場合に、前記制御部は前記キャリッジを白基準の読み取り位置に移動して、前記判定部は当該白基準の読み取り位置において前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記インジケータランプは、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
反射原稿の原稿面に光を照射する光源となる反射原稿用ランプが点灯するか否かを、光を検知して電気信号に変換するイメージセンサを用いて判定する判定工程と、
前記反射原稿用ランプの点灯及び消灯、発光して装置状態を示すインジケータランプの点灯及び消灯、並びに前記反射原稿用ランプ及び前記イメージセンサが搭載されて副走査方向に往復移動するキャリッジの移動を制御する制御工程とを備え、
前記制御工程は、前記判定工程によって前記反射原稿用ランプが点灯しないと判定されたときに、前記キャリッジを所定位置に移動させて前記インジケータランプの光を前記反射原稿用ランプに照射させることを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び当該画像読取装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置には、反射原稿用ランプを備えて原稿や写真などの反射原稿を読み取るものが知られており、この反射原稿用ランプには、白色冷陰極蛍光ランプ(以下、CCFLと略称する。)が利用されることが多い。しかし、CCFLは、光が遮断されている暗黒環境に長時間おかれた場合、点灯の際に必要な放電のきっかけとなるランプ管内の初期電子が減少する。このため、電圧を印加して始動してから実際に点灯するまでの始動時間が長くなる問題、所謂「暗黒始動性」が悪いという問題を有している。
【0003】
上記の問題を解決する方法として、例えば、以下の特許文献1に記載されているように、補助光源を用いる方法が知られている。特許文献1では、白熱電球や発光ダイオードなどの補助光源を設置し、放電ランプの始動時に補助光源の光をランプに照射することで、ランプの初期電子を増加させて始動時間を短縮している。
【0004】
【特許文献1】特開平1−130462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した補助光源を用いる方法では、ランプに光を照射するための補助光源を新たに設置する必要があり、そのために、補助光源の設置に伴う様々なコストが掛かってしまう問題がある。
【0006】
本発明の目的は、装置コストを高くすることなく、暗黒始動性の悪いランプを点灯させることができる画像読取装置及び画像読取装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像読取装置は、反射原稿の原稿面に光を照射する光源となる反射原稿用ランプと、前記反射原稿用ランプ、及び光を検知して電気信号に変換するイメージセンサが搭載されて副走査方向に往復移動するキャリッジと、発光して装置状態を示すインジケータランプと、前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを前記イメージセンサを用いて判定する判定部と、前記反射原稿用ランプの点灯及び消灯、前記インジケータランプの点灯及び消灯、並びに前記キャリッジの移動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記判定部によって前記反射原稿用ランプが点灯しないと判定されたときに、前記キャリッジを所定位置に移動させて前記インジケータランプの光を前記反射原稿用ランプに照射させることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像読取装置によれば、判定部がイメージセンサを用いて反射原稿用ランプが点灯するか否かを判定し、点灯しないと判定されたときに、制御部がキャリッジを所定位置に移動させてインジケータランプの光を反射原稿用ランプに照射させる。反射原稿用ランプにインジケータランプの光が照射されることから、点灯の際に必要な放電のきっかけとなるランプ管内の初期電子が増加し、暗黒始動性の悪い反射原稿用ランプを点灯させることができる。また、一般的な画像読取装置に装備されている装置状態を示す目的のインジケータランプを、反射原稿用ランプに照射する補助光源として兼用することから、新たに補助光源を設置する必要がなく、装置コストを高くせずに、暗黒始動性の悪いランプを点灯させることができる。
【0009】
上記した本発明に係る画像読取装置では、電源が投入された際、前記制御部は、前記キャリッジを白基準の読み取り位置に設定し、前記判定部は、当該白基準の読み取り位置において前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを判定することを特徴とする。
【0010】
上記した本発明に係る画像読取装置では、前記白基準の読み取り位置は、前記キャリッジのホームポジションであることを特徴とする。
【0011】
上記した本発明に係る画像読取装置では、前記判定部は、前記インジケータランプの光が前記反射原稿用ランプを照射した状態で前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
上記した本発明に係る画像読取装置では、前記判定部によって、前記インジケータランプの光が前記反射原稿用ランプを照射した状態で前記反射原稿用ランプが点灯するか否かが判定された結果、前記反射原稿用ランプが点灯しないと判定された場合に、前記制御部は前記キャリッジを白基準の読み取り位置に移動して、前記判定部は当該白基準の読み取り位置において前記反射原稿用ランプが点灯するか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
上記した本発明に係る画像読取装置では、前記インジケータランプは、発光ダイオードであることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像読取装置の制御方法は、反射原稿の原稿面に光を照射する光源となる反射原稿用ランプが点灯するか否かを、光を検知して電気信号に変換するイメージセンサを用いて判定する判定工程と、前記反射原稿用ランプの点灯及び消灯、発光して装置状態を示すインジケータランプの点灯及び消灯、並びに前記反射原稿用ランプ及び前記イメージセンサが搭載されて副走査方向に往復移動するキャリッジの移動を制御する制御工程とを備え、前記制御工程は、前記判定工程によって前記反射原稿用ランプが点灯しないと判定されたときに、前記キャリッジを所定位置に移動させて前記インジケータランプの光を前記反射原稿用ランプに照射させることを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る画像読取装置の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
<イメージスキャナの概略構成>
先ず、本発明の一実施形態が適用された画像読取装置の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の画像読取装置としてのイメージスキャナを正面から見たときの内部構造を示す模式図である。図2は、本発明の実施形態のイメージスキャナを側面から見たときの内部構造を示す模式図である。なお、本実施形態は、プラテン10に載置された原稿1000を読み取るフラットベット型のイメージスキャナ1を例にする。原稿1000は、文書、写真、書籍等の反射原稿、或いは35mmストリップフィルム、35mmマウントフィルム、ブローニフィルム等の透過原稿である。
【0018】
イメージスキャナ1は、原稿カバー11と、原稿1000を搭載するためのプラテン10を備えたハウジング13とを有する。そして、原稿カバー11は、図2に示すヒンジ12により、プラテン10の原稿搭載面10aを開放する姿勢と原稿搭載面10aを覆う姿勢とに揺動可能な状態でハウジング13に連結されている。なお、図1及び図2に示す原稿カバー11は、原稿搭載面10aを覆う姿勢を示している。
【0019】
ハウジング13には、画像補正(シェーディング補正)に利用する白基準板2000が設けられている。白基準板2000が設置される位置について特に限定しないが、本実施形態では、プラテン10の一方の端部に設けられているものとする。
【0020】
また、ハウジング13には、原稿搭載面10aに平行なガイドロッド18と、ガイドロッド18に摺動自在に嵌合しているキャリッジ17とが収納されている。キャリッジ17には、反射原稿用ランプ19、ミラー20、レンズ21、及びイメージセンサ22が搭載されている。キャリッジ17は、キャリッジ搬送用モータ102(図3参照)により駆動されるプーリー(図示しない)に掛けられたベルト(図示しない)により牽引され、原稿搭載面10aと平行なX方向(副走査方向)に往復移動する。
【0021】
反射原稿用ランプ19は、CCFLである。ミラー20及びレンズ21は、反射原稿用ランプ19に照射された反射原稿の反射光及び透過原稿用ランプ16に照射された透過原稿の透過光をイメージセンサ22の受光面に入射させる。反射原稿用ランプ19、ミラー20、レンズ21、及びイメージセンサ22がキャリッジ17によりX方向に搬送されると、原稿1000上の主走査線が移動する。
【0022】
イメージセンサ22は、受光した光を電気信号(画像信号)に光電変換し、変換した画像信号をアナログフロントエンド(以下、AFEと略称する。)部107(図3参照)に出力する。例えば、イメージセンサ22には、フォトダイオード等により構成されるセル(図示しない)が直線的に多数配列されたリニアイメージセンサを用いることができる。イメージセンサ22は、多数のセルが管状の反射原稿用ランプ19の中心軸線と平行に並ぶ姿勢でキャリッジ17に搭載されている。イメージセンサ22の各セルには受光量に応じた電荷が光電変換により蓄積される。各画素に蓄積された電荷は、CCD(Charge Coupled Devices)によりイメージセンサ22の出力部に転送される。この電荷転送は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)により行われてもよい。
【0023】
原稿カバー11には、面光源部14が設けられている。面光源部14は、透過原稿用ランプ16と、拡散板(図示しない)とを有する。透過原稿用ランプ16は、CCFLであり、その長手方向がガイドロッド18の中心軸と平行に配置されている。面光源部14は、透過原稿を画一的な照度で照明する。なお、面光源部14は、反射原稿を読み取る際には、白色の原稿マット34で覆われる。
【0024】
また、図2に示すように、ハウジング13の正面側には、インジケータランプとしての発光ダイオード(以下、LEDと略称する。)40が設けられている。LED40を点灯させてインジケータレンズ41を介して外部へ発光することによって、イメージスキャナ1が、例えば、ウォームアップ状態であるとか、待機状態であるとか、エラー状態であるとかの装置状態をユーザに示す。さらに、LED40は、暗黒始動性の悪い反射原稿用ランプ19を照射するための補助光源としての役割も兼用する。
なお、本実施形態では、赤色と緑色との2つのLEDが設けられており、反射原稿用ランプ19を照射する際には両方のLEDを点灯させるが、ハウジング13に設けるLEDの色及び個数、並びに反射原稿用ランプ19を照射するLEDはこれに限定されない。
【0025】
<イメージスキャナのハードウェア構成>
次に、イメージスキャナ1のハードウェア構成について説明する。
【0026】
図3は、本施形態のイメージスキャナのハードウェアの主要構成を示すブロック図である。同図に示すように、イメージスキャナ1は、透過原稿用ランプコントローラ100、反射原稿用ランプコントローラ101、キャリッジ搬送用モータ102、キャリッジコントローラ103、イメージセンサコントローラ104、LEDコントローラ112、CPU(Central Processing Unit)105、ROM(Read Only Memory)106、AFE(アナログフロントエンド)部107、画像処理部108、RAM(Random Access Memory)コントローラ109、RAM(Random Access Memory)110及び外部インタフェースコンローラ111を備えている。
【0027】
CPU105は、ROM106に記憶されている各種プログラムをRAM110にロードして実行することにより、イメージスキャナ1全体の動作を制御する制御部として機能する。
【0028】
RAMコントローラ109は、CPU105、RAM110、画像処理部108及び外部インタフェースコントローラ111との間で行われるデータ転送を制御する。
【0029】
透過原稿用ランプコントローラ100は、透過原稿用ランプ16の点灯及び消灯を制御する。具体的には、透過原稿用ランプコントローラ100は、図示しないインバータ回路及び制御回路等を備え、CPU105からの指示にしたがい、透過原稿用ランプ16の点灯及び消灯を制御する。
【0030】
反射原稿用ランプコントローラ101は、反射原稿用ランプ19の点灯及び消灯を制御する。具体的には、反射原稿用ランプコントローラ101は、図示しないインバータ回路及び制御回路等を備え、CPU105からの指示にしたがい、反射原稿用ランプ19の点灯、消灯を制御する。
【0031】
イメージセンサコントローラ104は、CPU105からの指示にしたがいイメージセンサ22の駆動を制御する。具体的には、イメージセンサコントローラ104は、イメージセンサ22の駆動に必要な駆動パルスをイメージセンサ22に出力する駆動回路である。イメージセンサコントローラ104には、例えば同期信号発生器、駆動用タイミングジェネレータなどから構成される。
【0032】
キャリッジコントローラ103は、CPU105からの指示にしたがいキャリッジ搬送用モータ102の駆動を制御してキャリッジ17を往復移動させる。具体的には、キャリッジ搬送用モータ駆動回路、制御回路などから構成される。そして、キャリッジコントローラ103は、CPU105からの制御信号にしたがい、キャリッジ搬送用モータ102の回転方向、回転測度を制御する。
【0033】
LEDコントローラ112は、LED40の点灯、消灯、及び点灯と消灯とを繰り返す点滅を制御する。具体的には、LEDコントローラ112は、図示しないインバータ回路及び制御回路等を備え、CPU105からの指示にしたがい、LED40の点灯、消灯及び点滅を制御する。
【0034】
AFE部107は、イメージセンサ22からの画像情報を受付ける。AFE部107は、受付けた画像情報に対してCDS(Correlated Double Sampling)処理、画像の黒レベルを再現するためのオプティカル・ブラック・クランプ制御、画像の電気信号のゲイン調整による電気信号のレベル調整処理、及び量子化処理などを行ってデジタル化された画像情報(スキャン画像)を画像処理部108に出力する。
【0035】
画像処理部108は、AFE部107からの画像情報に画像処理を行うDSP(Digital Signal Processor)である。具体的には、画像処理部108は、CPU105と協働し、AFE部107から受付けた画像情報に対してガンマ補正、シェーディング補正などの画像処理を行う。
【0036】
外部インタフェースコントローラ111は、イメージスキャナ1と外部の装置(例えば、イメージスキャナ1に接続されたPC)との間で行うデータの授受を制御する。
【0037】
<点灯補助処理の動作>
次に、LED40が反射原稿用ランプ19の点灯を補助する点灯補助処理について説明する。
図6は、反射原稿用ランプの点灯補助処理の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、CPU105は、イメージスキャナ1の電源が投入された際に、本フローチャートの処理を開始する。
【0038】
電源が投入された際、CPU105は、キャリッジ17をホームポジションに位置させる。図4は、キャリッジがホームポジションに位置しているときのイメージスキャナの内部構造を示す模式図である。同図に示すように、キャリッジ17がホームポジションに位置している場合、反射原稿用ランプ19から照射された光は、白基準板2000で反射されて、その反射光はイメージセンサ22の受光面に入射して検知される。即ち、キャリッジ17のホームポジションは、白基準板2000からの反射光をイメージセンサ22が検知できる白基準の読み取り位置に設定されている。
【0039】
先ず、ステップS110では、CPU105は、反射原稿用ランプ19を点灯させるために、反射原稿用ランプ19のスイッチをONにして所定の電圧を印加する。
ここで、反射原稿用ランプ19が、長時間、暗黒状態にある場合、反射原稿用ランプ19に所定の電圧を印加しても点灯しないことがある。
【0040】
ステップS120では、CPU105は、ステップS110においてスイッチをONにした結果、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定を行う。
反射原稿用ランプ19が点灯している場合は、本フローチャートが示す点灯補助処理を終了する。
他方、反射原稿用ランプ19が点灯していない場合は、ステップS130へ進み規定時間(本実施形態では、キャリッジ17がホームポジションに位置してから5秒以上)が経過したか否かを判定し、規定時間が経過していない場合は、ステップS120における点灯しているか否かの判定処理を繰り返す。規定時間が経過した場合は、規定時間待機しても点灯しないためステップS140へ進む。
【0041】
ここでは、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定は、白基準板2000からの反射光をイメージセンサ22が検知することによって行う。具体的には、イメージセンサ22は、検知した反射光を電気信号に光電変換し、変換した電気信号をAFE部107に出力する。CPU105は、AFE部107を介して取得したデータが所定値以上であれば点灯していると判定し、所定値に満たなければ点灯していないと判定する判定部として機能する。
【0042】
ステップS140では、CPU105は、LED40を点灯させる。LED40は、暗黒環境に放置されていても始動時間が長くなることはないので、即時に点灯する。
【0043】
ステップS150では、CPU105は、キャリッジ17をLED40の位置まで移動させる。これにより、キャリッジ17に搭載されている反射原稿用ランプ19の一方の端部が、LED40からの光によって照射されることになる。なお、ここで、ステップS140とステップS150との処理順番を入れ替えても良い。即ち、ステップS150においてキャリッジ17をLED40の位置まで移動させた後に、ステップS140におけるLED40の点灯処理を行っても良い。
図5は、キャリッジがLEDの位置にあるときのイメージスキャナの内部構造を示す模式図である。同図に示すように、キャリッジ17は、反射原稿用ランプ19とLED40とのX方向の位置が同位置に並ぶように移動する。また、図2には、キャリッジ17がLED40の位置にある場合に、LED40からの光が反射原稿用ランプ19の一方の端部を照射する光路が記してある。同図に示すように、LED40からの光がハウジング13の上部の内側壁面で反射して、その反射光が反射原稿用ランプ19の一方の端部を照射している。
【0044】
ステップS160では、CPU105は、これまで点灯していなかった反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定を行う。
反射原稿用ランプ19が点灯している場合は、本フローチャートが示す点灯補助処理を終了する。
他方、反射原稿用ランプ19が点灯していない場合は、ステップS170へ進み規定時間(本実施形態では、キャリッジ17がホームポジションに位置してから60秒以上)が経過したか否かを判定し、規定時間が経過していない場合は、ステップS160における点灯しているか否かの判定処理を繰り返す。規定時間が経過した場合は、LED40による点灯補助によっても点灯しないと判断してステップS180へ進む。
【0045】
ここでは、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定は、スキャナの通常読取範囲外であるケースの内側からの反射光をイメージセンサ22が検知することによって行う。これは、原稿カバー11の開閉あるいは載置された原稿の色にかかわらず安定した判定を実施するためである。
【0046】
ステップS180では、CPU105は、キャリッジ17を、最初に位置していたホームポジションの位置に移動させる。これにより、イメージセンサ22は、再び、白基準板2000からの反射光を検知できる位置に設定される。
【0047】
ステップS190では、CPU105は、ステップS180において移動したホームポジションの位置で、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定を行う。
反射原稿用ランプ19が点灯している場合は、本フローチャートが示す点灯補助処理を終了する。
他方、反射原稿用ランプ19が点灯していない場合は、ステップS200へ進み、反射原稿用ランプ19が点灯エラーである旨をユーザに知らせる。
【0048】
ここでは、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定は、白基準板2000からの反射光をイメージセンサ22が検知することによって行う。
【0049】
なお、本発明の判定工程は、上記ステップS120、S160及びS190に相当する。また、本発明の制御工程は、上記ステップS110、S140、S150及びS180に相当する。
【0050】
上述したように、本実施形態に係るイメージスキャナ1では、電源が投入された際、反射原稿用ランプ19のスイッチをONにしても点灯しない場合、LED40を点灯させて、キャリッジ17をLED40の位置まで移動させている。これにより、キャリッジ17に搭載されている反射原稿用ランプ19の一方の端部が、LED40からの光によって照射されることになる。この照射によって、点灯の際に必要な放電のきっかけとなる初期電子が増加し、暗黒始動性の悪い反射原稿用ランプ19を点灯させることができる。即ち、反射原稿用ランプ19が暗黒状態に長時間置かれているような場合でも、LED40の光を利用することでイメージスキャナ1の暗黒始動性の悪化を防止できる。
【0051】
また、LED40は、暗黒始動性の問題を有さないことから、イメージスキャナ1が暗黒環境に放置されている状況でも即時に点灯し、反射原稿用ランプ19に確実に光を照射して暗黒始動性の悪化を防止できる。
【0052】
さらに、LED40は、インジケータランプとしてイメージスキャナ1の装置状態をユーザに示すためのものであり、一般のイメージスキャナに装備されている。このLED40を、暗黒始動性の悪い反射原稿用ランプ19を照射する補助光源として兼用することから、装置コストを高くしないで暗黒始動性の悪化の防止を実現できる。
【0053】
また、電源が投入された際、白基準板2000からの反射光をイメージセンサ22が検知できる位置に設定して反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定を行っている。これにより、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かを高精度に判定することができる。
【0054】
また、キャリッジ17を移動して反射原稿用ランプ19がLED40からの光によって照射される状態において、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定を行っている。これにより、反射原稿用ランプ19がLED40からの光の照射によって点灯したときに、直ちに点灯したと判定することができ、時間の無駄をなくすことができる。
【0055】
また、反射原稿用ランプ19がLED40からの光によって照射される状態において反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かの判定を行った結果、規定時間が経過しても点灯しないと判定された場合、キャリッジ17をホームポジションの位置に復帰して白基準板2000からの反射光に基づいて点灯しているか否かの判定を行っている。これにより、反射原稿用ランプ19が点灯しているか否かを正確に判定することができる。
【0056】
(変形例1)
上記した実施形態では、画像読取装置としてイメージスキャナを例にして説明したが、イメージスキャナに限られず、例えば、複写機や画像読取機能を備えた複合機などであっても良い。特に複合機の場合、原稿カバーが長時間にわたり閉じられた状態になることが多いことから、反射原稿用ランプが長時間にわたり暗黒状態に置かれる可能性が高くなる。このため、複合機の場合に、本実施形態における暗黒始動性の悪化の防止方法が特に有効となる。
【0057】
(変形例2)
上記した実施形態では、補助光源となるインジケータランプとしてLEDを利用したが、これに限られず、例えば、補助光源は白熱電球などであっても良い。
【0058】
(変形例3)
上記した実施形態では、電源投入された際に、図6に示すフローチャートの各処理を行うようにしているが、特にこれに限定するものではない。例えば、利用者から点灯補助処理の指示を受付けられるようにしておいて、その指示を受付けた場合にだけ、同図に示すフローチャートの各処理を行うようにしてもよい。また、利用者から反射原稿の読み取り処理の要求を受付けた場合に、同図に示すフローチャートの各処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態の画像読取装置としてのイメージスキャナを正面から見たときの内部構造を示す模式図。
【図2】本発明の実施形態のイメージスキャナを側面から見たときの内部構造を示す模式図。
【図3】本施形態のイメージスキャナのハードウェアの主要構成を示すブロック図。
【図4】キャリッジがホームポジションに位置しているときのイメージスキャナの内部構造を示す模式図。
【図5】キャリッジがLEDの位置にあるときのイメージスキャナの内部構造を示す模式図。
【図6】反射原稿用ランプの点灯補助処理の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0060】
1…イメージスキャナ、10…プラテン、10a…原稿搭載面、11…原稿カバー、12…ヒンジ、13…ハウジング、14…面光源部、16…透過原稿用ランプ、17…キャリッジ、18…ガイドロッド、19…反射原稿用ランプ、20…ミラー、21…レンズ、22…イメージセンサ、34…原稿マット、40…LED、41…インジケータレンズ、100…透過原稿用ランプコントローラ、101…反射原稿用ランプコントローラ、102…キャリッジ搬送用モータ、103…キャリッジコントローラ、104…イメージセンサコントローラ、105…CPU、106…ROM、107…AFE部、108…画像処理部、109…RAMコントローラ、110…RAM、111…外部インタフェースコンローラ、112…LEDコントローラ、1000…原稿、2000…白基準板。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−72458(P2008−72458A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249411(P2006−249411)