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【発明の名称】 撮影機器
【発明者】 【氏名】中山 和也

【要約】 【課題】撮影した映像がホールド型ディスプレイで表示される際に、その映像のぼけを軽減することができる撮影機器を提供する。

【構成】被写体との距離を所定のタイミング毎に測定し、該測定した距離の変化に基づいて被写体の動きを検出する。そして、被写体の動きを検出した場合に、撮影した画像データと予め記憶する黒画像データとを交互に記録媒体へ出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体との距離を所定のタイミング毎に測定する距離測定手段と、
前記測定した距離の変化に基づいて前記被写体の動きを検出する動き検出手段と、
前記被写体の動きを検出した場合に、撮影した画像データと予め記憶する一定階調の画像データとを交互に記録媒体へ出力する切替手段と、
を備えることを特徴とする撮影機器。
【請求項2】
撮影した画像データを所定の第1タイミング毎に受付けてその都度一時記憶し、当該一時記憶した画像データを前記第1タイミングの整数n倍(n≧2)の第2タイミング毎に出力する第1の記憶手段を備え、
前記距離測定手段は、前記被写体との距離を前記第2タイミング毎に測定し、
前記動き検出手段は、前記距離の情報の入力を受付ける度にその距離の変化量に応じて前記被写体の動きを検出し、当該被写体の動きを検出した場合に動き検出信号を出力する動き検出手段と、
前記切替手段は、前記動き検出信号の入力を検出した場合に、前記第1の記憶手段に記録された画像データと第2の記憶手段に予め記憶されている前記一定階調の画像データを前記第2タイミング毎に順に切り替えて記録媒体へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影機器。
【請求項3】
前記動き検出手段は、前記距離の変化量が所定の閾値以下である場合には、前記動き検出信号の出力の頻度を低下させる
ことを特徴とする請求項2に記載の撮影機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生時のちらつきを防止した映像を記録する撮影機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイは入力された映像信号における1フレームの各画像を当該ディスプレイ全面領域に順に表示している。そしてこのようにディスプレイ全面領域に1フレーム内の各画像を表示して一定期間画像を表示して保持し、また次のフレームの画像を表示して、この繰り返しの処理を早くすることにより映像を表示するディスプレイ装置を、ホールド型ディスプレイと呼ぶ。ここで一般に、ディスプレイ全面領域に時系列的に表示された前後の各フレームを観察したユーザは、当該前後のフレーム画像によって表示される映像に動きがある場合、前に表示されたフレームの画像の記憶の影響により後に表示されるフレームの画像がぼけて見える。従ってホールド型ディスプレイではこのぼけを解消するために、1フレームの間に映像の出ない期間を、当該1フレームの各画像が表示される期間の30%〜50%の間設ける。つまり1フレームの各画像が表示される期間の30%〜50%の間に、例えば黒一律の階調の画像をディスプレイ全面に表示する。これにより時系列的に前に表示されたフレームの画像の記憶を、ディスプレイを観察するユーザから削除する効果をおよぼし、これにより映像ぼけが低減することが知られている。そしてこの技術を応用した液晶表示装置が特許文献1に公開されている。
【特許文献1】特開2005−10579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上述のような液晶表示装置は映像ぼけを解消するために必要であるが、映像に対して新たに黒画像を挿入するための回路が当該表示装置内に必要となるため、表示装置の価格が高価になってしまう。
【0004】
そこでこの発明は、表示装置に黒画像を挿入するための回路を設けることを不要とし、表示装置のコストを上昇させることなく、動画ぼけを抑制可能とする手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本願発明者は、黒表示のデータが予め挿入された動画像のデータを提供することができれば、表示装置において黒画像を挿入する回路が不要になる、という技術思想に至った。
【0006】
このような技術思想を実現するために、画像の撮影段階、すなわち、映像撮影機器において、撮影した動画像データに黒表示のデータを挿入することで、予め黒表示のデータが挿入された動画像データを作成することを可能とするのが本発明の概略である。
【0007】
具体的な手段として、上記目的を達成するために、本発明は、被写体との距離を所定のタイミング毎に測定する距離測定手段と、前記測定した距離の変化に基づいて前記被写体の動きを検出する動き検出手段と、前記被写体の動きを検出した場合に、撮影した画像データと予め記憶する一定階調の画像データとを交互に記録媒体へ出力する切替手段と、を備えることを特徴とする撮影機器である。
【0008】
本発明によれば、被写体が動いている場合には撮影した映像の中(連続する画像データの間)に黒画像が挿入されるため、ホールド型ディスプレイにおいてぼけが軽減される映像を記録媒体に記録することができる。またこれにより、黒画像を映像中に挿入する回路を備えたホールド型ディスプレイなどの表示装置が必要なくなり、表示装置を安価に提供することができる。
【0009】
また本発明は、上述の撮影機器が、撮影した画像データを所定の第1タイミング毎に受付けてその都度一時記憶し、当該一時記憶した画像データを前記第1タイミングの整数n倍(n≧2)の第2タイミング毎に出力する第1の記憶手段を備え、前記距離測定手段は、前記被写体との距離を前記第2タイミング毎に測定し、前記動き検出手段は、前記距離の情報の入力を受付ける度にその距離の変化量に応じて前記被写体の動きを検出し、当該被写体の動きを検出した場合に動き検出信号を出力する動き検出手段と、前記切替手段は、前記動き検出信号の入力を検出した場合に、前記第1の記憶手段に記録された画像データと第2の記憶手段に予め記憶されている前記一定階調の画像データを前記第2タイミング毎に順に切り替えて記録媒体へ出力することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、被写体が動いている場合には撮影した映像の中(連続する画像データの間)に黒画像が挿入されるため、ホールド型ディスプレイにおいてぼけが軽減される映像を記録媒体に記録することができる。またこれにより、黒画像を映像中に挿入する回路を備えたホールド型ディスプレイなどの表示装置が必要なくなり、表示装置を安価に提供することができる。
【0011】
また本発明は、上述の撮影機器において、前記動き検出手段は、前記距離の変化量が所定の閾値以下である場合には、前記動き検出信号の出力の頻度を低下させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明によれば、黒画像データを多く挿入すると輝度が下がる為、黒画像データの挿入の割合を減少させることで、被写体に動きが少ない場合には輝度が必要以上に下がらないように制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態による撮影機器を図面を参照して説明する。図1は撮影機器の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は撮影機器である。そして撮影機器1において、受光素子11は被写体を撮影して画像データの信号を出力する。また予備メモリ12(第1の記憶手段)は、撮影された画像データを所定の第1タイミング(1/60秒)毎に受付けてその都度一時記憶し、当該一時記憶した画像データを第1タイミングの整数n倍(n≧2,本実施形態においてはn=2とする)の第2タイミング(1/120秒)毎に出力する。また距離計測部13は、被写体との距離を第2タイミング毎に測定する。また動き検出回路14は、距離の情報の入力を受付ける度にその距離の変化量に応じて被写体の動きを検出し、当該被写体の動きを検出した場合に動き検出信号を出力する。また黒画像記憶メモリ15(第2の記憶手段)は画像の画素全体が所定の一定階調{本実施形態では黒(最低階調)であるが、他の階調の値であってもよい}である画像を記憶する。また切替回路16は、動き検出信号の入力を検出した場合に、予備メモリに記録された画像データと黒画像記憶メモリ15に予め記憶されている黒画像のデータを第2タイミング毎に順に切り替えてメインメモリ17に書込む。また記録媒体18は例えばHDD(Hard Disk Drive)やDVD(digital versatile disk)であり、この記録媒体18にメインメモリ17に書込まれた画像が順次書込まれる。
【0014】
図2は撮影機器の処理フローを示す図である。
【0015】
次に図2を用いて第1の実施形態による撮影機器の処理フローについて説明する。
【0016】
まず受光素子11{例えばCCD(charge-coupled device)やCMOS(complementary metal oxide semiconductor)センサなどのデジタル受光素子}はレンズなどの光学系から取り込んだ信号(画像データ)を予備メモリ12へ出力する(ステップS101)。ここで画像データは第1タイミング(1/60秒)毎に受光素子11から出力されて予備メモリ12に書込まれるものとする。予備メモリ12は画像データが書込まれると、当該予備メモリ12内の読み出し回路が第2タイミング(1/120秒)毎に画像データを読み取って切替回路16へ出力する(ステップS102)。つまり切替回路16への画像データの出力が予備メモリ12に書込まれる速度に対して2倍速化されている。
【0017】
他方、撮影機器1が被写体を撮影中に距離測定部13は被写体までの距離を測定する(ステップS103)。例えば距離測定部13は、赤外線の反射波を検出して当該赤外線の送出から検出までの経過時刻に基づいて距離を測定する距離自動測定センサ(オートフォーカスカメラに利用されているセンサ。例えば特開平5−203861号公報などに記載されている)などである。この距離の測定は上述した第2タイミング(1/120秒)毎に行われる。つまり、予備メモリ12から切替回路16へ画像データが出力されるタイミングと同じタイミングで距離の測定を行えばよい。そして動き検出回路14は、時系列に入力される連続する2つの距離を比較してその変化があるか否かを判定する(ステップS104)。そして距離が変化していれば、被写体が動いていると判定し、動き検出信号を出力する(ステップS105)。この動き検出信号は黒画像メモリ15と切替回路16に出力される。黒画像記憶メモリ15は動き検出信号の入力を受付けると当該メモリ内の読み出し回路が第2タイミング(1/120秒)毎に画像データを読み取って切替回路16へ出力する。
【0018】
次に、切替回路16は動き検出信号を受信した場合には、予備メモリ12から出力された画像データと、黒画像記憶メモリ15から出力された黒画像データとを第2タイミング毎に順次切替えてメインメモリ17に出力する(ステップS106)。また切替回路16は動き検出信号を受信しない場合には、予備メモリ12から出力された画像データを出力、つまり倍速化されて予備メモリ12から出力された画像をそのままメインメモリ17へ出力する(ステップS107)。そしてメインメモリ17は順次書込まれた画像を、当該メインメモリ17内の読み出し回路が出力して記録媒体18へ順次記録していく(ステップS109)。
【0019】
図3は第1の実施形態による画像データの流れのイメージを示す図である。
【0020】
この図の(1)で示すように、予備メモリ12には第1タイミング(1/60秒)毎に画像データが書込まれ、また動き検出信号が出力された場合には、(2)で示すように画像データと黒画像とが第2タイミング(1/120秒)毎に切替えてメインメモリ17に書込まれる。
【0021】
以上の処理により、被写体が動いている場合には撮影した映像の中(連続する画像データの間)に黒画像が挿入されるため、ホールド型ディスプレイにおいてぼけが軽減される映像を記録媒体に記録することができる。このようにして得られた映像を表示装置に提供すれば、黒画像を映像中に挿入する回路を備えたホールド型ディスプレイなどの表示装置が必要なくなり、表示装置を安価に提供することができる。
【0022】
次に第2の実施形態について説明する。
【0023】
撮影機器1における動き検出回路14は被写体の動く量が少ない場合、つまり距離測定部13から時系列に入力される連続する2つの距離を比較してその変化が所定の閾値以下である場合には、動き検出信号の出力の頻度を減らすようにしてもよい。例えば第1の実施形態においては、被写体の距離に変化があれば1/120秒ごとに動き検出信号を出力しているが、距離の変化が閾値以下である場合には、1/30秒ごとに動き検出信号を出力する。
【0024】
図4は第2の実施形態による画像データの流れのイメージを示す図である。
【0025】
この図の(1)で示すように、予備メモリ12には第1タイミング(1/60秒)毎に画像データが書込まれ、また被写体に動きが少ない時には、(2)で示すように画像データと黒画像が1/30秒毎に挿入されてメインメモリ17に書込まれる。
【0026】
つまり、黒画像データを多く挿入すると輝度が下がる為、黒画像データの挿入の割合を減少させることで、被写体に動きが少ない場合には輝度が必要以上に下がらないように制御することができる。
【0027】
なお、被写体に動きがあるかどうかを検出するために、距離測定部13以外の構成を用いてもよい。例えば、撮影機器1がジャイロセンサーを備え、カメラの傾きの検出や、カメラ自体が動く角速度を検出して、これらの情報により動き検出回路14は被写体が動いたかどうかを検出する。または、例えば撮影機1がズームセンサを備え、撮影機器1のズーム量を検出する。撮影機器1がズーム動作を行った場合には被写体が動いた場合と考えることができるので、ズーム動作が行われた場合には、動き検出回路14は被写体が動いたかどうかを検出する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】撮影機器の構成を示すブロック図である。
【図2】撮影機器の処理フローを示す図である。
【図3】第1の実施形態による画像データの流れのイメージを示す図である。
【図4】第2の実施形態による画像データの流れのイメージを示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1・・・撮影機器
11・・・受光素子
12・・・予備メモリ
13・・・距離測定部
14・・・動き検出回路
15・・・黒画像記憶メモリ
16・・・切替回路
17・・・メインメモリ
18・・・記録媒体
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−72457(P2008−72457A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249410(P2006−249410)