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【発明の名称】 画像符号化装置および画像符号化方法
【発明者】 【氏名】大森 勇司

【要約】 【課題】計算量を抑制しながら、高効率な動き補償符号化を行なう符号化装置を提供する。

【構成】M値画像である符号化画像及び参照画像からN(M>N≧2)値化した画像を生成し、N値化画像を使用して動き探索を行う。この際、N値化画像を生成する前に、符号化画像及び参照画像に低域通過フィルタ処理を施すことで、N値化画像の高周波雑音が抑制され、N値化画像から探索される動きベクトルの精度が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化対象画像を複数のブロックに分割し、参照画像を用いて前記ブロック単位で動きベクトルを検出し、前記動きベクトルに基づいて前記ブロック単位の符号化を行なう画像符号化装置において、
M(M>2)値画像である前記符号化対象画像と前記参照画像とに低域通過フィルタ処理を施すフィルタ手段と、
前記フィルタ処理を施された前記符号化対象画像と前記参照画像をそれぞれN(M>N≧2)値化し、前記符号化対象画像に対応する第1及び前記参照画像に対応する第2のN値化画像を生成するN値化処理手段と、
前記第1のN値化画像を構成する複数のブロックの各々について、前記第2のN値化画像を用いて動きベクトルを検出する第1の動きベクトル検出手段と、
前記第1の動きベクトル検出手段の検出結果に対応する符号化対象画像のブロックについて、対応する符号化対象画像と前記参照画像を用いて動きベクトルを検出する第2の動きベクトル検出手段と、
前記第2の動きベクトル検出手段の検出結果を用いて、前記参照画像から動き補償画像を生成する動き補償手段と、
前記符号化対象画像と前記動き補償画像の差分に符号化処理を施す符号化処理手段と
を備えることを特徴とする画像符号化装置。
【請求項2】
前記第2の動きベクトル検出手段における動きベクトルの探索範囲が、前記第1の動きベクトル検出手段における動きベクトルの探索範囲よりも狭いことを特徴とする請求項1記載の画像符号化装置。
【請求項3】
前記N値化処理手段が、
前記フィルタ処理を施された前記符号化対象画像と前記参照画像に対して特徴抽出処理を行なう特徴抽出手段と、
前記特徴抽出手段の処理前後の演算結果を用いて
前記第1及び第2のN値化画像を生成するN値化手段とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の装置。
【請求項4】
さらに、前記N値化処理手段が、前記フィルタ処理を施された前記符号化対象画像と前記参照画像よりも解像度が低い前記第1及び第2のN値化画像を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像符号化装置。
【請求項5】
符号化対象画像を複数のブロックに分割し、参照画像を用いて前記ブロック単位で動きベクトルを検出し、前記動きベクトルに基づいて前記ブロック単位の符号化を行なう画像符号化方法において、
M(M>2)値画像である前記符号化対象画像と前記参照画像とに低域通過フィルタ処理を施すフィルタ処理工程と、
前記フィルタ処理を施された前記符号化対象画像と前記参照画像をそれぞれN(M>N≧2)値化し、前記符号化対象画像に対応する第1及び前記参照画像に対応する第2のN値化画像を生成するN値化処理工程と、
前記第1のN値化画像を構成する複数のブロックの各々について、前記第2のN値化画像を用いて動きベクトルを検出する第1の動きベクトル検出工程と、
前記第1の動きベクトル検出手段の検出結果に対応する符号化対象画像のブロックについて、対応する符号化対象画像と前記参照画像を用いて動きベクトルを検出する第2の動きベクトル検出工程と、
前記第2の動きベクトル検出結果の検出結果を用いて、前記参照画像から動き補償画像を生成する動き補償工程と、
前記符号化対象画像と前記動き補償画像の差分に符号化処理を施す符号化処理工程と
を備えることを特徴とする画像符号化方法。
【請求項6】
コンピュータを請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の符号化装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像符号化技術に関し、特に動き補償を用いた画像符号化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
H.26xやMPEG等の規格に定められた画像符号化方式では、動画像1フレームを複数のブロックに分割し、ブロック単位に符号化を行う。
【0003】
また、これらの画像符号化方式においては、動画像の時間的相関性を利用した符号化方式(inter符号化)および、同一フレーム内の空間的相関性を利用した符号化方式(intra符号化)を利用可能である。時間的相関を利用した符号化方式では、符号化ブロックが、参照フレーム内のどの位置に移動したかを探索し、移動量と方向を表す動きベクトルと、移動先のブロックとの差分を符号化することで、データ量を圧縮している。このような、符号化対象ブロックの動きを考慮した符号化方式を動き補償符号化方式と呼ぶ。
【0004】
動き補償符号化方式において、符号化効率を高めるには、符号化対象ブロックと最も相関の大きい領域を参照フレーム中で探索する必要がある。しかし、探索の精度を向上させると、探索に必要な計算量が膨大なものとなる。
【0005】
例えば8ビット/画素の階調を有する64×64画素/フレームの画像において、16x16画素のブロック単位で符号化を行なう場合を考える。この場合、参照フレーム(64x64画素)全体に対し、1画素ずつずらしながら符号化ブロックとの相関を計算するフルサーチを行なうと、8ビットの比較演算が16x16x64x64=1048576回必要となる。しかも、この計算を符号化対象フレームの複数のブロックの各々について行なうことになるため、膨大な計算量が必要となる。
【0006】
計算量を削減するために、M(M>2)値画像である符号化対象画像に対し二値画像やN(M>N≧2)値画像を用いた動き探索方式(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)など、様々な方式が提案されている。二値画像探索方式は、入力画像として二値画像を用いることで、一画素当たりの比較演算を、8ビットの比較演算から1ビットの比較演算にして、計算量を低減する。
【0007】
【特許文献1】特許第3028685号公報
【非特許文献1】Jeng-Hung Luo, Chung-Neng Wang, and Tihao Chiang, ”A Novel All-Binary Motion Estimation (ABME) With Optimized Hardware Architectures”, IEEE Transactions On Circuits And Systems For Video Technology, Vol. 12, No. 8, August 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の二値画像探索方式では、計算量は低減されるものの、入力画像を二値化してしまうため、相関の計算精度が低く、符号化対象ブロックの移動先の探索精度、すなわち動きベクトルの探索精度が低下してしまう。そのため、結局符号化効率が低下するという問題があった。N値画像探索方式の場合、二値画像探索方式よりも精度は向上するものの、入力画像の階調を低下させる点は共通であるため、同様の問題がある。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、計算量を抑えながら、精度の良い動き探索を行うことの可能な画像符号化装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、符号化対象画像を複数のブロックに分割し、参照画像を用いてブロック単位で動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいてブロック単位の符号化を行なう画像符号化装置において、M(M>2)値画像である符号化対象画像と参照画像とに低域通過フィルタ処理を施すフィルタ手段と、フィルタ処理を施された符号化対象画像と参照画像をそれぞれN(M>N≧2)値化し、符号化対象画像に対応する第1及び参照画像に対応する第2のN値化画像を生成するN値化処理手段と、第1のN値化画像を構成する複数のブロックの各々について、第2のN値化画像を用いて動きベクトルを検出する第1の動きベクトル検出手段と、第1の動きベクトル検出手段の検出結果に対応する符号化対象画像のブロックについて、対応する符号化対象画像と参照画像を用いて動きベクトルを検出する第2の動きベクトル検出手段と、第2の動きベクトル検出手段の検出結果を用いて、参照画像から動き補償画像を生成する動き補償手段と、符号化対象画像と動き補償画像の差分に符号化処理を施す符号化処理手段とを備えることを特徴とする画像符号化装置によって達成される。
【0010】
また、上述の目的は、符号化対象画像を複数のブロックに分割し、参照画像を用いてブロック単位で動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいてブロック単位の符号化を行なう画像符号化方法において、M(M>2)値画像である符号化対象画像と参照画像とに低域通過フィルタ処理を施すフィルタ処理工程と、フィルタ処理を施された符号化対象画像と参照画像をそれぞれN(M>N≧2)値化し、符号化対象画像に対応する第1及び参照画像に対応する第2のN値化画像を生成するN値化処理工程と、第1のN値化画像を構成する複数のブロックの各々について、第2のN値化画像を用いて動きベクトルを検出する第1の動きベクトル検出工程と、第1の動きベクトル検出手段の検出結果に対応する符号化対象画像のブロックについて、対応する符号化対象画像と参照画像を用いて動きベクトルを検出する第2の動きベクトル検出工程と、第2の動きベクトル検出結果の検出結果を用いて、参照画像から動き補償画像を生成する動き補償工程と、符号化対象画像と動き補償画像の差分に符号化処理を施す符号化処理工程とを備えることを特徴とする画像符号化方法によっても達成される。
【発明の効果】
【0011】
このような構成により、本発明によれば、計算量を抑えながら、精度の良い動き探索を行うことが可能となり、結果として符号化効率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る符号化装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、符号化装置には、符号化対象の現フレーム画像101と、動きベクトル探索のために参照される、参照フレーム画像102が供給される。これらフレーム画像101,102はいずれも多値画像(M(M>2)値画像)である。参照フレーム画像102は、動画像中、現フレーム画像101よりも過去或いは未来のフレーム画像である。
【0013】
LPF103は低域通過フィルタである。現フレーム画像101は、LPF103でフィルタ処理され、現フレーム第1中間画像104として出力される。また、参照フレーム画像102は、LPF103でフィルタ処理され、参照フレーム第1中間画像105として出力される。
N値化処理部110(M>N≧2で、Nは整数)は、N値化フィルタ106及びN値化回路109を有し、第1中間画像104,105をN値化して出力する。
【0014】
N値化フィルタ106は、中間画像104,105の特徴的な周波数成分を取り出すためのフィルタである。現フレーム第1中間画像104は、N値化フィルタ106で処理された後、現フレーム第2中間画像107として出力される。また、参照フレーム第1中間画像105は、N値化フィルタ106で処理された後、参照フレーム第2中間画像108として出力される。
【0015】
N値化回路109は、第2中間画像107,108の各画素に対してN値のいずれかを割り当ててN値化画像に変換する。現フレーム第2中間画像107はN値化回路109においてN値化され、現フレームN値化画像111として出力される。参照フレーム第1中間画像105はN値化回路109においてN値化され、参照フレームN値化画像112として出力される。
【0016】
第1の動きベクトル検出部113は、現フレームN値化画像111と参照フレームN値化画像112から動きベクトルを検出し、検出結果を第1の動きベクトル114として出力する。
第2の動きベクトル検出部115は、第1の動きベクトル114を基準点として、現フレーム画像101と参照フレーム画像102から動きベクトルを検出し、検出結果を第2の動きベクトル116として出力する。
【0017】
動き補償部117は、参照フレーム画像102を第2の動きベクトル116に基づき動き補償し、動き補償画像として出力する。減算器120は、現フレーム画像101と、動き補償部117が出力する動き補償画像との差分を求めて差分画像として出力する。
符号化部118は、減算器120の出力する差分画像を量子化並びに可変長符号化し、符号化ストリーム119として出力する。
【0018】
次に、図1に示す構成を有する符号化装置の動作について説明する。
まずLPF103において、現フレーム画像101と参照フレーム画像102から、高周波成分を除去する。フィルタ特性はナイキスト周波数よりさらに低いカットオフ周波数に設定すると良い。また複数のフィルタ特性を予め設定し、動きベクトル検出手段の検出結果に応じて適宜選択しても良い。具体的には動きベクトル検出の為の評価値の最大値や最小値や分布状況等に応じて適応処理すると良い。図2は、本実施形態におけるLPF103のフィルタを説明する図である。LPF103は、例えば図2(a)に示すようなフィルタ係数を有する5×5画素の加重平均化(平滑化)フィルタである。なお、図2(a)では便宜上フィルタ係数を256倍した値を示している。
【0019】
図2(a)のフィルタ係数を有するLPF103の重み付け特性は図3のように示される。
画像へのLPF103の適用は、図2(b)の画素mが処理対象画素であり、フィルタ処理後の後の画素値をMとすると、
M =(9×a + 9×b + 12×c + 9×d + 9×e + 9×f + 9×g + 12×h + 9×i + 9×j + 12×k + 12×l + 16×m + 12×n + 12×o + 9×p + 9×q + 12×r + 9×s + 9×t + 9×u + 9×v + 12×w + 9×x + 9×y)/256
の式で表されるような演算により求められる。
【0020】
各画素についてこのようなフィルタ処理を施された現フレーム第1中間画像104、参照フレーム第1中間画像105は、N値化処理部110でN値化される。本実施形態ではN=2とする。
【0021】
従って、本実施形態のN値化処理部110は、1ビット/画素の画像(1ビット画像)を生成する。N値化処理部110ではまず、N値化フィルタ106によって、現フレーム第1中間画像104と、参照フレーム第1中間画像105の特徴抽出処理を行う。この結果はそれぞれ現フレーム第2中間画像107及び参照フレーム第2中間画像108として出力する。N値化フィルタ106は、例えば高周波成分の特徴抽出を行なう周知のエッジ抽出フィルタであってよい。
【0022】
次に、本実施形態では二値化回路であるN値化回路109は、現フレーム第2中間画像107の画素値が、現フレーム第1中間画像104の対応する画素値より小さいときは白(=1)、そうでない場合は黒(=0)とした現フレーム二値化画像111を生成する。または、第2中間画像107の画素値と、現フレーム第1中間画像104の対応する画素値の差分を生成しても良い。さらに所定の演算でも良い。参照フレーム第2中間画像108と参照フレーム第1中間画像105についても同様の処理を行い、参照フレーム二値化画像112を生成する。
【0023】
ここで、LPF103によるフィルタ処理を施してから二値化した画像と、LPF103によるフィルタ処理を施さないで二値化した画像の例を図4の(a)、(b)に示す。LPF103を適用した後に生成した二値化画像(図4(a))では、高周波雑音が除去されているのに対し、LPF103の適用無しに生成した二値化画像(図4(b))では高周波雑音が発生していることが確認できる。
【0024】
このため、LPF103を適用した後に生成した二値化画像を用いて動きベクトルの探索を行なうことにより、高周波雑音による動き探索精度の低下が抑制され、結果として符号化効率の向上が期待できる。
【0025】
第1の動きベクトル検出部113では、現フレームN値化画像111の符号化対象ブロックと、参照フレームN値化画像112とでブロック・マッチングを行い、符号化対象ブロックに対する第1の動きベクトル114を検出する。本実施形態では二値化画像を対象としているため、第1の動きベクトル検出部113は、現フレームN値化画像111の符号化対象ブロックの画素と、参照フレームN値化画像112の画素との排他的論理和(XOR)演算によりマッチングの程度を判別できる。
【0026】
第2の動きベクトル検出部115は、第1の動きベクトル114を基準点として、現フレーム画像101の符号化対象ブロックと、参照フレーム画像102とのブロック・マッチングを行う。ここで、第2の動きベクトル検出部115の探索範囲は、計算量を低減するため、第1の動きベクトル検出部113の探索範囲よりも狭くする。本実施形態では、探索範囲を縦横それぞれ1画素とする。
【0027】
動き補償部117では、第2の動きベクトル116及び参照フレーム画像102から動き補償画像を作成する。そして、減算器120において、現フレーム画像101の符号化対象ブロックと、対応する動き補償画像の差分を求め、符号化部118へ供給する。
符号化部118では、動き補償画像と現フレーム画像101の差分を量子化、可変長符号化し、符号化ストリーム119を出力する。
【0028】
以下、第1及び第2の動きベクトル検出部113及び115、動き補償部117及び符号化部118の処理を、符号化対象である現フレーム画像101の各符号化ブロックに対して順次行う。これにより、現フレーム画像101の符号化(動き補償フレーム間予測符号化)が完了する。
【0029】
図5は、BTA標準動画像No.35について、二値化探索のみを行った場合と、本実施形態を適用した場合の符号量の比較結果である。二値化探索のみを行うとは、本実施形態におけるLPF103を適用しない構成の符号化装置により符号化を行なった場合に相当する。
【0030】
図5における折れ線グラフ510及び520は、右の縦軸に対応し、動き補償フレーム間予測符号化を行なったフレーム画像一枚当たりの符号量(ビット)を示す。折れ線グラフ510はフルサーチを行なって検出した動きベクトルを用いた場合の符号量を、520は二値化画像を用いて動きベクトルを検出した場合の符号量をそれぞれ示す。
【0031】
また、棒グラフは左の縦軸に対応し、折れ線グラフ510と520における対応する符号量の増加率(%)を示している。
また、501及び502は、第1の動きベクトル検出部113における探索範囲を縦横16画素とした場合を示している。
【0032】
従って、501は、
・フルサーチを行なって検出した動きベクトルを用いて符号化した場合の符号量が約53000ビット
・縦横16画素を探索範囲として二値化探索のみを行なって検出した動きベクトルを用いて符号化した場合の符号量が約66500ビット
であり、後者の前者に対する符号量増加率が約25%であることをそれぞれ示している。
【0033】
同様に、502は、
・フルサーチを行なって検出した動きベクトルを用いて符号化した場合の符号量が約53000ビット
・縦横16画素を探索範囲として本実施形態を適用した二値化探索を行なって検出した動きベクトルを用いて符号化した場合の符号量が約65200ビット
であり、後者の前者に対する符号量増加率が約23%であることをそれぞれ示している。
【0034】
さらに、503及び504は、第1の動きベクトル検出部113における探索範囲を縦横32画素とした以外は、501及び502と同条件で符号化した場合を示している。
【0035】
図5から明らかなように、本実施形態に係る符号化装置によれば、動きベクトルの探索範囲が縦横16画素、32画素の両方において、二値化探索のみを適用した場合よりも符号量を削減出来ることが確認できる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、M値画像である符号化対象フレーム画像及び参照フレーム画像に対し、低域通過フィルタ処理を適用した後、N値化(M>N≧2)値化した画像生成する。そして、このN値化画像を用いて動きベクトルを探索する。N値化画像を用いることで動きベクトルの検出に必要な計算量を低減することができる。さらに、N値化画像を生成する前に低域通過フィルタ処理を適用することにより、N値化画像における高周波雑音を低減でき、N値化画像を用いた動きベクトルの検出精度を向上させることが可能となる。
【0037】
従って、本実施形態によれば、計算量を抑えながら、精度の良い動き探索を行なうことが可能となり、結果として符号量の低減(すなわち、符号化効率の向上)を実現することができる。
【0038】
<第2の実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る符号化装置の構成例を示すブロック図である。図6において、図1と同様のブロックには同じ参照数字を付し、重複する説明は量略する。
【0039】
本実施形態の符号化装置は、N値化処理部110に解像度低下回路601が含まれる点で第1の実施形態の符号化装置と異なっている。解像度低下回路601は、現フレーム第1中間画像104と参照フレーム第1中間画像105を入力として、入力画像の低解像度画像を作成する。
【0040】
例えば、本実施形態では、元の画像の解像度を縦横とも1/2とした、画素数が1/4の低解像度画像を作成する。低解像度画像は様々な方法で生成可能だが、本実施形態では、元の画像の縦2×横2の4画素を、平均画素(各画素の値を加算し、4で割った値を持つ画素)で置換えることにより、画素数が1/4の低解像度画像を生成する。
【0041】
そして、N値化フィルタ106及びN値化回路109において、低解像度画像に対して同様の処理を行なう。従って、N値化処理部110からは、低解像度の現フレームN値化画像111と低解像度の参照フレームN値化画像112が出力される。
【0042】
そして、第1の動きベクトル検出部においても、これら低解像度のN値化画像111及び112を用いて動きベクトルの探索を行なう。第1の動きベクトル114が検出されてからの処理は第1の実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0043】
このように、本実施形態によれば、低解像度のN値化画像を使用して動き探索を行なうため、第1の実施形態の効果に加え、さらに計算量を低減することが可能となる。
なお、解像度を低減する度合に応じて、前記低域通過フィルタの特性を変えるとさらに良好な特性が得られる。この時、解像度に応じたナイキスト周波数よりさらに低いカットオフ周波数に設定すると良い。
【0044】
<他の実施形態>
上述の実施形態は、システムあるいはコンピュータ(CPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。
【0045】
従って、上述の実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一実施形態である。
【0046】
なお、上述の実施形態をコンピュータで実現するためのプログラムは、コンピュータで実行可能な形式に変換可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態を取りうるが、これらに限るものではない。
【0047】
上述の実施形態をコンピュータで実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体や、有線/無線通信を通じてコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0048】
有線/無線通信を用いたプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、コンピュータに上述の実施形態を実現させるプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルは、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0049】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
【0050】
従って、上述の実施形態をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを、クライアントコンピュータに提供するサーバも本発明の一実施形態である。
【0051】
また、上述の実施形態をコンピュータで実現するためのプログラムを暗号化して格納した記憶媒体をユーザに配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを可能とすることも可能である。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによってユーザのコンピュータに供給することができる。
【0052】
また、上述の実施形態をコンピュータで実現するためのプログラムは、コンピュータ上で通常稼働している他のソフトウェア、代表的には基本ソフトウェア(OS)の機能を利用するものであってもよい。
【0053】
さらに、上述の実施形態をコンピュータで実現するためのプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等で動作するファームウェアで構成してもよいし、あるいは拡張ボード等が備えるCPUで一部を実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態におけるLPF103について説明する図である。
【図3】図2のLPF103の特性を示す図である。
【図4】(a)は、LPF103によるフィルタ処理を施してから二値化した画像の例を、(b)は、LPF103によるフィルタ処理を施さないで二値化した画像の例をそれぞれ示す図である。
【図5】BTA標準動画像No.35について、二値化探索のみを行った場合と、本発明の実施形態を適用した場合の符号量の比較結果を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年9月1日(2006.9.1)
【代理人】 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳

【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎

【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘

【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二


【公開番号】 特開2008−61135(P2008−61135A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−238170(P2006−238170)