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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】佐藤 秀樹

【要約】 【課題】透かし情報が埋め込まれた原稿に対して、透かし情報の劣化状態に応じて原稿の複写を中止とすることにより、透かし情報が解析できない原稿の無造作な複写を制限できる画像形成装置を提供する。

【構成】原稿の複写機能を有する画像形成装置において、画像に透かし情報が埋め込まれた原稿を読み取る読取部と、前記透かし情報の劣化状態を判断する判断部と、前記透かし情報が劣化していると判断されると、読み取った原稿の複写を中止する制御部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の複写機能を有する画像形成装置であって、
画像に透かし情報が埋め込まれた原稿を読み取る読取部と、
前記透かし情報の劣化状態を判断する判断部と、
前記透かし情報が劣化していると判断されると、読み取った原稿の複写を中止する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記原稿には前記劣化状態の判断基準となる基準情報が印刷されており、
前記判断部は、前記透かし情報と前記基準情報とを比較して前記透かし情報の劣化状態を判断する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿には前記透かし情報が複数埋め込まれており、
前記判断部は、前記基準情報に一致する前記透かし情報の個数に基づいて前記透かし情報の一致率を算出し、前記一致率が所定の閾値以下であると前記透かし情報が劣化していると判断する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記透かし情報はビットパターンからなり、
前記ビットパターンをビット列に変換し、更に前記ビット列を前記基準情報と同じデータ形式に変換する変換部を備える請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記変換部は、ハッシュ関数を用いて前記ビット列を変換する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記原稿には前記透かし情報が複数埋め込まれており、
複数の前記透かし情報から前記劣化状態の判断基準となる基準情報を算出する算出部を備え、
前記判断部は、前記基準情報に一致する前記透かし情報の個数に基づいて前記透かし情報の一致率を算出し、前記一致率が所定の閾値以下であると前記透かし情報が劣化していると判断する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記透かし情報はビットパターンからなり、
前記算出部は、前記ビットパターンをビット列に変換し、さらに複数の前記ビット列の同一ビット位置における「1」「0」の多数決に基づいて前記基準情報を算出する請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機能を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、機密性の高い原稿の不正な複写や改ざんを抑制するために、原稿データ、即ち、画像データに特定の付加情報を電子透かしとして埋め込む技術が実用化されている。
電子透かし技術を利用した発明が、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の発明は、複写回数を制限する制限情報を電子透かしとして画像データに埋め込み、この制限情報で規定された回数を超える複写を禁止している。
【特許文献1】特開2005−229176
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、原稿の汚れや傷などにより、原稿に埋め込まれている電子透かし情報が劣化し、電子透かし情報が正確に読み取れないことがある。この場合、特許文献1に記載の発明では、複写禁止が適切に行われず、透かし情報を解析できない原稿が複写される虞れがある。透かし情報が解析できないと、原稿の不正な複写や改ざんを特定することができず、原稿の機密性を保つことが困難となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
〈構成〉
本発明は、一つの画像形成装置を提供する。
本発明に係る画像形成装置は、原稿の複写機能を有する画像形成装置であって、画像に透かし情報が埋め込まれた原稿を読み取る読取部と、透かし情報の劣化状態を判断する判断部と、透かし情報が劣化していると判断されると、読み取った原稿の複写を中止する制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る画像形成装置によれば、画像データに埋め込まれている透かし情報の劣化状態を判断し、透かし情報が劣化している場合に原稿の複写を中止する。これにより、透かし情報が解析できない原稿の無造作な複写を制限でき、原稿の機密性を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図を用いる実施形態で、本発明に係る画像形成装置を詳細に説明する。
【実施例1】
【0007】
〈実施例1の構成〉
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施例1における構成を示すブロック図である。
本発明に係る画像形成装置10は、透かし情報が複数埋め込まれている原稿を複写するために、図1に示されているように、読取部11、解析部12、抽出部13、判断部14、表示部15、基準フォーム記憶部16、記憶部17、変換部18、印刷部19、閾値記憶部30及びこれら各部11〜19及び30を制御するための制御部20を備えている。
【0008】
読取部11は、原稿に対して原稿データを読み取る動作を行う。
図2は、実施例1における原稿の構成を示す説明図である。
原稿21には、図2に示されているように、画像形成領域23と特定領域24とが設けられ、画像データからなる画像22は画像形成領域23に形成される。
【0009】
画像形成領域23には、画像22に関する識別情報が透かし情報25として全面に複数埋め込まれている。識別情報は、例えば、画像22の印刷者番号25a、印刷者名25b、印刷日時25c等の情報であり、これらの情報を文字コードに変換して得られるビット情報が、ドットの有無からなるビットパターンとして画像形成領域23に埋め込まれている。また、特定領域24には、透かし情報25の劣化を判断する際に使用される基準情報26が形成されている。この基準情報26は、上述した識別情報が所定の論理演算によって変換された形式で表されている。
以下、識別情報から基準情報26を作成する方法について、印刷者番号25aを例に説明する。なお、便宜上ここでは印刷者番号25aを表す文字を「12345」とする。
【0010】
図3は、識別情報から基準情報を作成する方法を説明する図である。
図3に示されているように、識別情報、即ち、印刷者番号25aを表す文字は「12345」である。まず、この「12345」を文字コードに変換する。この文字コードの変換は、例えば、ASCIIなどの1バイトのコード体系を使用することができる。「12345」を1バイトの文字コードに変換すると、「001100010011001000110011・・・」といった40桁のビット列になる。この40桁のビット列を8桁(所定数)毎に分割して、それぞれの分割ビット列「00110001」、……、「0010101」が得られる。そして、これら分割ビット列における同一ビット位置に対し、それぞれ所定の論理演算、例えば、排他的論理和を取ることにより基準情報26が作成される。
【0011】
尚、本実施例では、論理演算を行うことによって基準情報26を算出したが、MD5やSHA−1といったハッシュ関数を利用して基準情報26を算出することも可能である。
【0012】
このような原稿21に対して読取動作を行うことで、読取部11は、透かし情報25及び基準情報26を含む原稿データを得る。
【0013】
また、解析部12は、読取部11によって得た原稿データを解析して、まず、画像22に対応する画像データを取り出して透かし情報解析領域を決め、そして該透かし情報解析領域からそれぞれの透かし情報25を取り出し、更に、原稿データから基準情報26を取り出す機能を有する。
抽出部13は、解析部12によって取り出された各透かし情報25を解析して該各透かし情報に含まれているそれぞれの特定データ、即ち、識別情報を抽出する機能を有する。
【0014】
変換部18は、抽出部13によって抽出された識別情報をビットパターンからビット列に変換し、更に、図3で説明した方法と同様な方法により、該ビット列を基準情報26と同様なデータ形式の比較情報に変換する機能を有する。
尚、基準情報26がハッシュ関数を用いて変換されたものである場合、ここでの変換においても、ハッシュ関数を用いてビット列を比較情報に変換する。
【0015】
判断部14は、解析部12によって取出された基準情報26と、抽出部13に抽出され且つ変換部18によって変換された各識別情報とに基づいて、この複数の識別情報の基準情報26に対する一致率Rを算出して、該一致率Rを所定の閾値RTHと比較することによって、透かし情報25の劣化状態を判断する機能を有する。
【0016】
基準フォーム記憶部16は、原稿21の基準フォームに関する情報を記憶している。
【0017】
図4は、原稿に対応する基準フォームの構成を示す説明図である。
基準フォーム29は、図4に示されているように、原稿上における画像形成領域23の原点位置(X,Y)とサイズ(L,L)に関する情報、特定領域24の原点位置(X,Y)とサイズ(L,L)に関する情報、更に、透かし情報25の配列数(D,D)と1つの透かし情報25が占める領域のサイズ(L,L)に関する情報等を有している。
この基準フォーム29を利用して、読取部11、解析部12及び抽出部13はそれぞれの動作を行う。
【0018】
また、記憶部17は、読取部11によって読み取った画像データや、解析部12によって取り出した透かし情報25及び基準情報26、抽出部13によって抽出した識別情報等を一時的に記憶する機能を有する。
印刷部19は、判断部14によって透かし情報25が劣化していないと判断されると、制御部20からの指示を受け、複写用紙に読み取った原稿データを印刷する機能を有する。
【0019】
閾値記憶部30は、上記した一致率に対する上記の所定の閾値RTHを記憶している。この所定の閾値RTHは、画像データの重要度あるいは機密度に基づいて決められ、この所定の閾値RTHとして、例えば、「60%」、「70%」、あるいは、「80%」を用いることができる。本実施例では、所定の閾値RTHは、「80%」である。
表示部15は、例えば、LCD等のタッチパネルであり、判断部14によって透かし情報25が劣化していると判断された場合、図7に示すように、複写を中止する旨の表示を行う。
制御部20は、上記した各部11〜19及び30のそれぞれの機能を実現させるために全体の制御を行う。該制御部20には、制御プログラムが格納されている。
【0020】
〈実施例1の動作〉
次に、本発明に係る画像形成装置10の動作をフローチャートに沿って詳細に説明する。
図5は、本発明に係る画像形成装置の実施例1における動作を示すフローチャートである。
まず、利用者が原稿21を図示しないセットプレートにセットすると、制御部20は、制御プログラムを起動して、全体の制御動作を行う(ステップ1)。
【0021】
制御された読取部11は、原稿21をスキャンして該原稿21から原稿データを読み取って、記憶部17に記憶させる(ステップ2)。
そして、解析部12は、読取部11によって読み取った原稿データを解析して、画像22に対応する画像データを取り出して、透かし情報解析領域を決める(ステップ3)。
【0022】
この透かし情報解析領域は、例えば、基準フォーム29で示される各透かし情報25のサイズ(L,L)内において、画像の濃度を調べることで求めることができる。透かし情報25に画像22が重なった領域の画像濃度は、透かし情報25のみの領域の画像濃度よりも高くなる。そのため、画像形成領域23内の全ての透かし情報25に対してそれぞれ画像濃度を求め、上述した画像濃度の違いを判断することにより、図6に示すように画像22が存在しない領域、即ち、透かし情報解析領域31を求めることができる。
【0023】
続いて、解析部12は、基準フォーム記憶部16に記憶されている基準フォーム29に基づいて、この透かし情報解析領域31におけるそれぞれの透かし情報25を取り出して、記憶部17に記憶させる(ステップ4)。
また、解析部12は、基準フォーム29に基づいて、特定領域24における基準情報26を取り出して、記憶部17に記憶させる(ステップ5)。
【0024】
そして、抽出部13は、透かし情報解析領域31における各透かし情報25に対して解析を行い、それぞれの透かし情報25から識別情報を抽出して記憶部17に記憶させる(ステップ6)。
識別情報が抽出されると、変換部18は、図3に示されている処理方法と同様な処理方法で、識別情報を、ビットパターンからビット値に変換して、更にビット値から基準情報26と同様なデータ形式の比較情報に変換する(ステップ7)。
【0025】
続いて、判断部14は、記憶部17に記憶されている基準情報26を用いて、各比較情報と基準情報26との比較を行い(ステップ8)、透かし情報解析領域31における透かし情報25、即ち、比較情報の総数Nと、基準情報26に一致した比較情報の数Nとから一致率R(R=N/N×100)を算出して(ステップ9)、予め閾値記憶部30に記憶されている所定の閾値RTH、本実施例では閾値RTH=80%と比較する(ステップ10)。
【0026】
判断部14は、算出された一致率Rが所定の閾値RTHを超えると判定する(ステップ10)と、透かし情報25が劣化していないと判断する(ステップ11)。この場合、制御部20は、印刷部19を起動して原稿21の複写を行う(ステップ12)。
また、判断部14は、算出された一致率Rが所定の閾値RTH以下となっていると判定する(ステップ10)と、透かし情報25が劣化していると判断する(ステップ13)。この場合、制御部20は、図7に示すように、表示部15に複写を中止する旨のメッセージを表示させ、原稿21の複写を中止する(ステップ14)。尚、表示部15のメッセージは、画面上のOKボタンを押下するか、または、原稿21をセットプレートから除去すると消えるようになっている。
【0027】
尚、本実施例では原稿21の基準フォームに関する情報を予め画像形成装置10の基準フォーム記憶部16に格納するようにしたが、これに変えて、例えば、原稿21の画像形成領域23外に基準フォームに関する情報を記載し、この情報を読取部11で読み取っても良い。
【0028】
本発明の実施例1によれば、原稿21の画像形成領域23に埋め込まれている複数の透かし情報25と、原稿21の特定領域24に記載されている基準情報26とを比較して透かし情報25の劣化状態を判断する。そして、透かし情報25が劣化していると判断されると原稿21の複写を中止する。これにより、透かし情報が解析できない原稿の無造作な複写を制限でき、原稿の機密性を保つことができる。
【実施例2】
【0029】
次に、実施例2について説明する。
尚、実施例1におけると同様な構成について、同一の符号を与え、そして、同様な説明を省略することがある。
〈実施例2の構成〉
図8は、本発明の実施例2に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
本発明に係る画像形成装置40は、透かし情報が複数埋め込まれている原稿を複写するために、図8に示されているように、読取部41、解析部42、算出部43、判断部44、表示部45、基準フォーム記憶部46、記憶部47、印刷部48、閾値記憶部30及びこれら各部41〜48及び30を制御するための制御部49を備えている。
【0030】
読取部41は、原稿に対して原稿データを読み取る動作を行う。
図9は、実施例2における原稿の構成を示す説明図である。
原稿50には、図9に示されているように、画像形成領域23が設けられ、画像データからなる画像22は画像形成領域23に形成されている。
【0031】
画像形成領域23には、画像22に関する識別情報が透かし情報25として全面に複数埋め込まれている。識別情報は、例えば、画像22の印刷者番号25a、印刷者名25b、印刷日時25c等の情報であり、これらの情報を文字コードに変換して得られるビット情報が、ドットの有無からなるビットパターンとして画像形成領域23に埋め込まれている。
【0032】
このような原稿21に対して読取動作を行うことで、読取部41は、複数の透かし情報25及び画像22の画像データを含む原稿データを得る。
【0033】
また、解析部42は、読取部41によって得た原稿データを解析して、まず、画像22に対応する画像データを取り出して透かし情報解析領域を決め、そして該透かし情報解析領域からそれぞれの透かし情報25を取り出す機能を有する。
【0034】
算出部43は、解析部42によって取り出された各透かし情報25を解析し、透かし情報25の劣化を判断する際に使用される基準情報を算出する機能を有する。ここでの基準情報の算出方法は、まず透かし情報25のビットパターンをそれぞれビット列に変換し、これらのビット列を透かし解析データとして記憶部47に記憶する。次に、各透かし解析データの同一ビット位置に対して「1」、「0」の多数決を取るものである。その詳細は後で説明する。
【0035】
判断部44は、算出部43によって算出されたビット列からなる基準情報に対して、ビット列に変換された各透かし情報25、即ち、各透かし解析データの一致率Rを算出して、該一致率Rを所定の閾値RTHと比較することによって、透かし情報25の劣化状態を判断する機能を有する。
【0036】
基準フォーム記憶部46は、原稿50の基準フォームに関する情報を記憶している。この基準フォームを利用して、読取部41及び解析部42はそれぞれの動作を行う。尚、この基準フォームは、図4に示す基準フォーム29とほぼ同様であり、違いは特定領域24に関する情報を有しない点のみである。
【0037】
また、記憶部47は、読取部41によって読み取った画像データや、解析部42によって取り出された各透かし情報25、算出部43で解析された各透かし解析データ及び算出部43で算出された基準情報等を一時的に記憶する機能を有する。
印刷部48は、判断部44によって透かし情報25が劣化していないと判断されると、制御部49からの指示を受け、複写用紙に読み取った原稿データを印刷する機能を有する。
【0038】
閾値記憶部30は、上記した一致率に対する上記の所定の閾値RTHを記憶している。この所定の閾値RTHは、画像データの重要度あるいは機密度に基づいて決められ、この所定の閾値RTHとして、例えば、「60%」、「70%」、あるいは、「80%」を用いることができる。本実施例では、所定の閾値RTHは、「80%」である。
表示部45は、例えば、LCD等のタッチパネルであり、判断部44によって透かし情報25が劣化していると判断された場合、図7に示すように、複写を中止する旨の表示を行う。
制御部49は、上記した各部41〜48及び30のそれぞれの機能を実現させるために全体の制御を行う。該制御部49には、制御プログラムが格納されている。
【0039】
〈実施例2の動作〉
次に、本発明に係る画像形成装置40の動作をフローチャートに沿って詳細に説明する。
図10は、本発明に係る画像形成装置の実施例2における動作を示すフローチャートである。
まず、利用者が原稿50を図示しないセットプレートにセットすると、制御部49は、制御プログラムを起動して、全体の制御動作を行う(ステップ1)。
【0040】
制御された読取部41は、原稿50をスキャンして該原稿50から原稿データを読み取って、記憶部47に記憶させる(ステップ2)。
そして、解析部42は、読取部41によって読み取った原稿データを解析して、実施例1と同様な方法で、画像22に対応する画像データを取り出して、透かし情報解析領域を決める(ステップ3)。
【0041】
続いて、解析部42は、基準フォーム記憶部46に記憶されている基準フォームに基づいて、透かし情報解析領域におけるそれぞれの透かし情報25を取り出して、記憶部47に記憶させる(ステップ4)。
【0042】
そして、算出部43は、透かし情報解析領域31における各透かし情報25に対して解析を行い、それぞれの透かし情報25をビットパターンからビット列に変換し、透かし解析データとして記憶部47に記憶させる(ステップ5)。
【0043】
更に、算出部43は、各透かし解析データのそれぞれのビット列に対して、同一ビット位置において、多数を占めるビット値(「1」あるいは「0」)を算出し、これらの多数決ビット値からなるビット列を基準情報として記憶部47に記憶させる(ステップ6)。
【0044】
図11は、各透かし解析データから基準情報を作成する方法を説明する図である。
図11では、ビット列からなるn個の透かし解析データが示されている。これらの透かし解析データ1〜nは、各ビット位置0、1、2、…、11、…、mに対応して、それぞれ、「100100100100…」、「100100100101…」、…、「000101001001…」となっている。
【0045】
例えば、ビット位置0において、ビット総数n個に対してビット値「1」の個数がn/2個よりも多い場合、多数決ビット値として「1」が取り出される。反対に、ビット値「1」の個数がn/2個よりも小さい場合、多数決ビット値として「0」が取り出される。尚、ビット値「1」と「0」の個数が等しい場合も考えられるが、現実的には一方のビット値の個数が他方のビット値の個数よりも圧倒的に多いので、n/2個を閾値とした判定方法で実用上何ら支障はない。
他のビット位置1〜mに対してもそれぞれ同様の多数決判定が行われ、これによって多数決ビット列からなる基準情報が算出される。
【0046】
判断部44は、算出部43によって算出された基準情報と、各透かし解析データとの比較を行い(ステップ7)、透かし情報解析領域31における透かし情報25、即ち、透かし解析データの総数Nと、基準情報に一致した透かし解析データの総数Nとから一致率R(R=N/N×100)を算出して(ステップ8)、予め閾値記憶部30に記憶されている所定の閾値RTH、本実施例ではRTH=80%と比較する(ステップ9)。
【0047】
判断部44は、算出された一致率Rが所定の閾値RTHを超えると判定する(ステップ9)と、透かし情報25が劣化していないと判断する(ステップ10)。この場合、制御部49は、印刷部48を起動して原稿50の複写を行う(ステップ11)。
また、判断部44は、算出された一致率Rが所定の閾値RTHを以下となっていると判定する(ステップ9)と、透かし情報25が劣化していると判断する(ステップ12)。この場合、制御部49は、図7に示すように、表示部45に複写を中止する旨のメッセージを表示させ、原稿50の複写を中止する(ステップ13)。尚、表示部45のメッセージは、画面上のOKボタンを押下するか、又は原稿50をセットプレートから除去すると消えるようになっている。
【0048】
尚、本実施例では、原稿50の基準フォームに関する情報を予め画像形成装置40の基準フォーム記憶部46に格納するようにしたが、これに変えて、例えば、原稿50の画像形成領域23外に基準フォームに関する情報を記載し、この情報を読取部41で読み取ってもよい。
【0049】
本発明の実施例2によれば、実施例1のように、各透かし情報25を個別に基準情報と同様なデータ形式に変換する必要がないため、実施例1よりも透かし情報25の劣化状態の判断を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1における原稿の構成を示す説明図である。
【図3】識別情報から基準情報を作成する方法を説明する図である。
【図4】原稿に対応する基準フォームの構成を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】透かし情報解析領域を示す説明図である。
【図7】中止内容の表示画面を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例2に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図9】実施例2における原稿の構成を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例2に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】各透かし解析データから基準情報を作成する方法を説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10、40 画像形成装置
11、41 読取部
12、42 解析部
13 抽出部
14、44 判断部
15,45 表示部
16、46 基準フォーム記憶部
17、47 記憶部
18 変換部
19、48 印刷部
20、49 制御部
25 透かし情報
30 閾値記憶部
43 算出部
【出願人】 【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
【出願日】 平成18年9月1日(2006.9.1)
【代理人】 【識別番号】100082050
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 幸男


【公開番号】 特開2008−61068(P2008−61068A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−237420(P2006−237420)