| 【発明の名称】 |
画像符号化装置、および符号化方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】洲鎌 康
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| 【要約】 |
【課題】マクロブロックに対するフレーム内予測画像生成のための予測回路の回路規模を小さくする。
【構成】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 予測符号化方式を用いる画像符号化装置であって、 符号化対象の原画像の複雑さを判定する画像判定手段と、 該判定された画像の複雑さに対応して、複数のマクロブロック分割モードから符号化対象マクロブロックの分割モードを選択する分割モード選択手段と、 該選択結果の分割モードに対応して、該符号化対象マクロブロックに対する予測画像を生成し、前記原画像との差分値を出力する予測画像生成手段とを備えることを特徴とする画像符号化装置。 【請求項2】 前記予測画像生成手段が、前記複数のマクロブロック分割モードのいずれにも対応した予測画像を生成可能な1つの予測回路によって構成されることを特徴とする請求項1記載の画像符号化装置。 【請求項3】 予測符号化方式を用いる画像符号化装置であって、 符号化対象の原画像の複雑さを判定する画像判定手段と、 該判定された画像の複雑さに対応して、複数のマクロブロック分割モードから、2以上のマクロブロック分割モードを選択して、該2以上のマクロブロック分割モードから符号化対象マクロブロックの分割モードを選択する分割モード選択手段と、 該2以上のマクロブロック分割モードから選択されたマクロブロック分割モードに対応して、該符号化対象マクロブロックに対する予測画像を生成し、前記原画像との差分値を出力する第1の予測画像生成手段と、 前記複数のマクロブロック分割モードから、前記2以上のマクロブロック分割モードを除く、残りの1つ以上のマクロブロック分割モードに対応する予測画像を生成し、前記原画像との差分を出力する1つ以上の第2の予測画像生成手段と、 該第1の予測画像生成手段、および該第2の予測画像生成手段のそれぞれの出力する差分値が最小となる最小差分画像を出力する最小差分画像出力手段とを備えることを特徴とする画像符号化装置。 【請求項4】 前記第1の予測画像生成手段が、前記2以上のマクロブロック分割モードのいずれにも対応した予測画像を生成可能な1つの予測回路によって構成されることを特徴とする請求項3記載の画像符号化装置。 【請求項5】 予測符号化方式を用いる画像符号化方法であって、 符号化対象の原画像の複雑さを判定し、 該判定された画像の複雑さに対応して、複数のマクロブロック分割モードから符号化対象マクロブロックの分割モードを選択し、 該選択結果の分割モードに対応して、該符号化対象マクロブロックに対する予測画像を生成し、前記原画像との差分値を出力することを特徴とする画像符号化方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は動画像符号化方式に係り、フレーム内予測画像を用いて実際の入力画像と予測画像との差分値を符号化する画像符号化装置、および符号化方法に関する。 【背景技術】 【0002】 ブロードバンド時代における画像圧縮の標準化技術として、ITU−T(国際電気通信連合−電気通信標準化部門)と、ISO−IEC(国際標準化機構−国際電気標準会議)とが2003年に合同で制定したH.264方式、またはMPEG−4/AVC方式では、例えば従来のH.263方式に比較して2倍のデータ圧縮効率が実現され、その伝送速度は10kbpsから240Mbpsの範囲となっている。 【0003】 このH.264方式では画像予測が行われ、入力画像と予測画像との差分が符号化されて符号化装置から復号化装置に伝送されるが、この画像予測方式として1つのフレーム内で予測画像を生成するフレーム内予測(イントラ予測)方式と、フレーム間で動き補償を行って予測画像を生成するフレーム間予測(インター予測)方式とがある。 【0004】 本発明が対象とするイントラ予測方式では、例えば16画素×16画素のマクロブロックを単位として予測画像の生成が行われる。この1つのマクロブロックを対象とする予測画像を生成する場合には、16画素×16画素のマクロブロックを4画素×4画素の16個のブロックに分割して予測画像を生成する4×4分割モード、8画素×8画素の4個のブロックに分割して予測画像を生成する8×8分割モード、マクロブロックを分割することなく予測画像を生成する16×16分割モードの3つの分割モードの何れかを用いて予測画像の生成が行われる。実際には3つの分割モードのうちで、生成された予測画像と入力画像との差分値が最も小さくなる分割モードの予測結果が予測画像として用いられることになる。 【0005】 図8は、画像符号化装置において用いられるイントラ予測画像生成回路の基本構成ブロック図である。同図において予測画像生成回路は、4×4分割モードの予測画像を生成する4×4予測回路100、8×8分割モードの予測画像を生成する8×8予測回路101、マクロブロック全体を1つのブロックとして、分割することなく予測画像を生成する16×16予測回路102、これら3つの予測回路100から102の出力のうちで入力原画像との差分値が最小となる分割モードの回路の出力を選択し、その最小差分値を出力する予測回路選択部103を備えている。 【0006】 H.264方式のイントラ予測では、同一フレーム内処理対象ブロックに隣接する画素の画素値を用いて予測対象画素の画素値が予測される。このため3つの予測回路100から102に対しては、対象マクロブロックの原画像の画素値に加えて、対象マクロブロックの周辺の画素の画素値も入力される。 【0007】 図9は、イントラ予測画像生成方法の従来例のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS100でマクロブロックの16画素×16画素とその周辺の画素の画素値が入力され、ステップS101で4×4分割モード、8×8分割モード、および16×16分割モードに対するそれぞれのコストの値が0に初期化された後に、ステップS102からS104の処理が行われる。 【0008】 ステップS102からS104では、図8の4×4予測回路100による予測画像生成が行われる。まずステップS102でマクロブロック内で16個に分割されたブロックのブロック番号blkが0に初期化され、ステップS103で4画素×4画素単位のブロックに対するイントラ予測画像が作成される。この予測画像作成の詳細についてはさらに後述する。そしてステップS104で原画像内で対応する画素の画素値との差分絶対値の和が算出され、4×4分割モードのコストに加算され、ステップS102の処理に戻る。ステップS102ではblkの値がインクリメントされ、ステップS103、S104の処理が繰り返される。この繰り返しはステップS102でblkの値が16未満である間繰り返され、blkの値が15に対するステップS103、S104の処理の後に、ステップS105からS107の処理に移行する。 【0009】 ステップS105からS107では、8×8分割モードの4個のブロックに対する8×8画素単位のイントラ予測画像作成と、コストの加算がblkの値が0から3までに対して繰り返される。そしてblkの値が3に対するステップS106、S107の処理の後に、ステップS108の処理に移行する。 【0010】 ステップS108では、16×16分割モード、すなわちマクロブロックを分割することなくイントラ予測画像が作成され、ステップS109で原画像との差分絶対値和が算出されて16×16分割モードのコストに加算される。そしてステップS110で3つの分割モードのコストのうちで最も値の小さい分割モードが選択され、ステップS111でコストの値の最も小さい分割モードのイントラ予測画像の予測モードと原画像との差分値が出力されて処理を終了する。なお予測モードについては後述する。 【0011】 図9の方法は実際にはハードウェア、またはソフトウェアによって実行されることになるが、図8で説明したような3つの予測回路がハードウェアによって実現される場合にはステップS102からS104、S105からS107、S108からS109までの処理は、それぞれ3つの予測回路によって同時に並行して実行することが可能である。ソフトウェアによって実現する場合に、これら3つの分割モードの処理を実行するプログラムを1つのプロセッサによって実行するものとすれば、並行して処理を行うことは困難であり、例えば図9に示す順序で処理が実行されることになる。 【0012】 続いて図8の3つの予測回路の詳細構成について説明する。図10は、4×4予測回路100の詳細構成ブロック図である。同図において4×4予測回路100に対しては、対象マクロブロックの画素の画素値と、対象マクロブロックの周辺の画素の画素値が入力され、それらの画素値はそれぞれ原画像保持RAM105、周辺画像保持RAM106に格納される。 【0013】 4×4分割モードのイントラ予測画像生成のための予測方式として、H.264方式ではモード0からモード8までの9つの予測モードが規定されている。このため4×4予測回路100の内部には、それぞれの予測モードの予測画像を生成する4×4モード0予測画像生成回路1070から4×4モード8予測画像生成回路1078までの9個の予測画像生成回路が備えられ、これらの予測画像生成回路に対しては周辺画像保持RAM106から周辺画素の画素値が与えられる。 【0014】 そしてこれらの9つの予測画像生成回路の出力は、それぞれ9つの差分絶対値計算部1080から1088に与えられ、そしてこれらの予測画像と原画像保持RAM105に保持されている原画像内の対応する画素との差分絶対値の和が計算され、それらの計算結果はそれぞれモード0の差分レジスタ1090からモード8の差分レジスタ1098までの9個のレジスタに格納され、差分最小予測モード選択部110によって差分が最小となる予測モードが選択され、対応する差分レジスタに格納されている差分値が図8の予測回路選択部103に出力される。 【0015】 前述のようにH.264方式の4×4イントラ予測モードとして、モード0からモード8までの9つの予測モードが規定されている。これらの予測モード自体は本発明の内容と本質的な関係はないので、これらの予測モードのうち、モード0とモード1の予測方式について図11と図12を用いて説明する。図11は、モード0、すなわち垂直予測モードにおける予測方法の説明図である。このモード0では、同一フレーム内の隣接画素、すなわち4画素×4画素の対象ブロックに隣接する上側の画素の画素値を用いて画素値の予測が行われる。 【0016】 すなわち、aからpまでの16個の画素の画素値に対する画素値が、それぞれの画素列の上にある隣接画素の画素値を用いて予測される。そこで対象ブロック内の画素のうちa、e、i、およびmに対する画素値はA、b、f、j、およびnに対する画素値はB、c、g、k、およびoに対する画素値はC、d、h、l、およびpに対する画素値はDと予測される。なお右側の矢印はそれぞれの予測モードの予測方向を示し、垂直予測モードのモード番号0では、上から下方向の予測が行われることが矢印によって示されている。 【0017】 図12は、4×4分割モードにおける予測モード1としての水平予測モードにおける予測方法の説明図である。このモード1では対象ブロックの4×4個の画素の画素値に対する予測が、隣接する左側の画素の画素値を用いて行われる。すなわち、aからdまでの画素に対しては画素値としてI、eからhまでの画素に対する画素値としてはJ、iからlまでの画素の画素値としてはK、nからpまでの画素の画素値としてはLが予測される。 【0018】 図13は、図8の8×8予測回路101の詳細構成を、また図14は16×16予測回路102の詳細構成を示す。これらの予測回路の構成は、図10で説明した4×4予測回路100の構成と類似しているが、図13ではH.264の規定によって、周辺画像保持RAM106に対しては、対象マクロブロックの周辺の画素値がプレフィルタ112によるフィルタリング処理の後に入力される点が基本的に異なっている。なお8×8分割モードに対する予測モードとしては、4×4分割モードに対すると同様にモード0からモード8までの9つの予測モードが規定されており、その規定に対応してそれぞれの予測モードの画像が生成され、原画像との差分の絶対値の和が最小となる予測モードの差分値が選択されて、図8の予測回路選択部103に出力される。 【0019】 図14の16×16の予測回路では、この分割モード、すなわちマクロブロックを分割せずに予測するための予測方法としての予測モードが、予測モード0から予測モード3の4つとして規定されており、4つのモードに対する予測画像生成回路1150から1153までによって生成された予測画像と原画像との差分絶対値の和が最小となる予測モードが選択されて、その予測モードの予測画像と原画像との差分値が予測回路選択部103に出力される。 【0020】 以上においてイントラ予測方式の従来技術について詳細に説明したが、このようなイントラ予測方式では、一般に画像内のある画素の画素値は周辺の画素の画素値との相関が大きいために、符号量を効果的に削減できるという特徴があるが、1つのマクロブロックの符号化のために4×4分割、8×8分割、および16×16分割の3つの分割モードに対して予測画像を生成する必要があり、またそれぞれの分割モードにおける予測モードとしては、例えば4×4分割モードではモード0からモード8までの予測モードの画像の生成が必要であり、イントラ予測を実現するためのハードウェアとしての回路規模が大きくなり、またソフトウェアを用いる場合には、長い処理時間が必要となるという問題点があった。 【0021】 このような画像符号化方式に関する従来技術としての特許文献1では、例えばインター予測画像生成のために16×16、16×8、8×16、8×8の4つの分割モードのうちで、まず16×16の分割モードの予測画像を生成してその予測誤差を求め、その誤差が閾値より小さい場合には16×16分割モードの予測画像を使用し、閾値より大きい場合には16×8分割モードの予測画像を生成するというように、次々と分割モードを変化させてそれぞれ閾値より小さくなる分割モードが見つけられるまで処理を繰り返す画像符号化方法が開示されている。しかしながらこの従来技術においても16×16分割、16×8分割、8×16分割、8×8分割の4つの分割モードに対する処理のすべてを行う必要がある可能性があり、そのために、例えばハードウェアとしての回路規模が大きくなり、あるいはソフトウェアとしての処理時間が長くなるという問題点を解決することはできなかった。 【特許文献1】特開2005−268879「画像符号化方法およびその装置」 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0022】 本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、イントラ予測画像生成対象の画像の複雑さを判定し、その判定結果に応じてどの分割モードのイントラ予測画像を生成するかを決定することによって、ハードウェアとして実現する場合には回路規模を削減し、ソフトウェアによって実現する場合には処理時間を短縮することである。 【課題を解決するための手段】 【0023】 本発明は、予測符号化方式を用いる画像符号化装置であって、符号化対象の原画像の複雑さを判定する画像判定手段と、該判定された画像の複雑さに対応して、複数のマクロブロック分割モードから符号化対象マクロブロックの分割モードを選択する分割モード選択手段と、該選択結果の分割モードに対応して、該マクロブロックに対する予測画像を生成し、前記原画像との差分値を出力する予測画像生成手段とを備えることを特徴とする。 【発明の効果】 【0024】 本発明によれば、画像の複雑さに対応して選択される分割モードの予測画像の生成が行われることになり、ハードウェアとしての回路規模の削減、またはソフトウェアとしての処理時間の短縮を実現することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 図1は、本発明のイントラ予測画像生成方式の原理構成ブロック図である。同図(a)は後述する第1の実施例に対応し、(b)は第2の実施例に対応する原理構成ブロック図である。 【0026】 図1(a)において画像判定手段1は、符号化対象の画像、例えば符号化対象マクロブロックの画像の複雑さを判定するものであり、分割モード選択手段2は、判定された画像の複雑さに対応して、現在符号化対象となっているマクロブロックを分割する複数のマクロブロック分割モードの何れかを選択するものであり、予測画像生成手段3は、選択結果の分割モードに対応して、そのマクロブロックに対する予測画像を生成するものであり、これらの手段は、フレーム内予測方式、すなわちイントラ予測方式を用いる画像符号化装置に備えられる。 【0027】 図1(b)においては、予測画像生成手段として、第1の予測画像生成手段6と、1つ以上の複数の第2の予測画像生成手段7a、7b..が備えられる。 第1の予測画像生成手段6は、前述と同様に画像判定手段1によって判定された画像の複雑さに対応して、複数のマクロブロック分割モードのうちの一部としての複数のマクロブロック分割モードのうちで、分割モード選択手段5によって選択された分割モードに従ってイントラ予測画像を生成し、生成予測画像と原画像との差分絶対値の和を出力するものである。 【0028】 1つ以上、一般的に複数の第2の予測画像生成手段7a、7b..は、複数のマクロブロック分割モードのうちで、前述の一部としての複数のマクロブロック分割モードを除く、残りの1つ以上のマクロブロックに対応する予測画像をそれぞれ生成し、原画像との差分絶対値の和を出力するものであり、最小差分画像出力手段8は、第1の予測画像生成手段6、複数の第2の予測画像生成手段7a、7b..の出力のうちで、差分値が最小の予測画像生成手段の出力を選択し、その出力差分値を出力するものである。 【0029】 以上のように本発明において、図1(a)の予測画像生成手段3は、複数のマクロブロック分割モードのいずれの予測画像をも生成できるものであり、画像の複雑さに応じて選択された分割モードの予測画像を生成することになり、また図1(b)では第1の予測画像生成手段6に対しては、画像の複雑さに対応して予め定められた一部の分割モードのいずれかが選択され、選択された分割モードの予測画像が生成され、複数の第2の予測画像生成手段によってそれぞれ対応する分割モードの予測画像が生成され、最終的に差分値が最小の予測画像に対する差分値が出力される。 【0030】 図2は、本発明の第1の実施例におけるイントラモード予測回路の構成ブロック図である。この第1の実施例では、図8の従来例で説明した3つの予測回路、すなわち4×4予測回路100、8×8予測回路101、16×16予測回路102の3つが、4×4、8×8、16×16予測回路12によって共用される。そして画像の複雑さ判定部10によって、例えば予測画像作成対象ブロック、例えば16画素×16画素のマクロブロック内の画素値の平均値と、16画素×16画素のマクロブロック内のそれぞれの画素値との絶対差分値に基づいて画像の複雑さが判定される。その複雑さに対して予め定められた閾値を用いて、4×4、8×8、16×16分割モード選択部11によっていずれかの分割モードが選択され、4×4、8×8、16×16予測回路12によって選択された分割モードの予測画像が生成され、原画像との差分絶対値の和が計算されて出力される。なお、上記に述べた画像の複雑さの指標は、絶対差分値に限定されず、分散値等を用いることもできる。 【0031】 図2では、H.264方式の画像符号化装置のうちで、イントラ予測モードにおける差分値を出力する予測回路のみの構成を示しており、符号化装置としては、例えば離散コサイン変換などの変換部、量子化部、符号化部などの多くの他の構成ブロックを必要とするが、その内容は本発明と直接の関係はないため、その説明を省略する。 【0032】 図3は、第1の実施例における予測画像生成方法のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS1で対象マクロブロックを構成する16×16画素とその周辺の画素の画素値が入力され、ステップS2で画像の複雑さを判定するための2つの閾値α、βの値が設定される。αの値はβの値より大きいものとする。続いてステップS3でマクロブロックの分割モードとしての4×4分割モード、8×8分割モード、16×16分割モードに対するコストの値がそれぞれ0に初期化され、ステップS4でマクロブロック画像の複雑さCの計算が行われる。 【0033】 本発明においては、前述の4×4、8×8、16×16のすべての分割モードに対する予測画像を生成を行う代わりに、画像の複雑さを示す値Cに応じて3つの分割モードのうちのいずれか1つだけ、またはいずれか2つの予測画像の生成が行われる。第1の実施例では、いずれか1つだけの分割モードの予測画像の生成が行われるが、1つだけの分割モードを選択するために、2つの閾値α、βが使用される。 【0034】 このような閾値の値としては、閾値の値と符号化データ量との関係についてある程度の知識を有するユーザ側で設定が行われるものとする。画像の複雑さCの値を計算する方法としては各種の方法が考えられるが、ここでは例えば複雑さ判定の対象マクロブロックの内部の全画素の画素値の平均値
と、マクロブロック内の各画素の画素値との差分の絶対値の総和を計算し、その総和SADが閾値の値より大きいか小さいかによって分割モードの選択を行うものとする。対象ブロックの画素の数をN×Mとすると、そのブロックの差分絶対値和SADはブロック内の横座標i、縦座標jの画素の画素値をpijとして次式によって求められる。 【0035】 【数1】
図3のステップS5に戻り、ステップS4で求められた画像の複雑さCが、2つの閾値α、βのうち、大きいほうの閾値αを超えているか否かが判定され、超えている場合には対象マクロブロック内の各画素の画素値と平均値との差が大きく、画像が複雑であることになり、対象マクロブロックを分割すべきブロックの数を多くする必要があるため、ステップS6からS8で、従来例の図9のステップS102からS104における処理と同様に4×4分割モードの予測画像が生成され、その予測画像に対するコストが求められ、ステップS9で4×4分割モードのイントラ予測画像と原画像との差分値が、予測モードの番号とともに出力されて処理を終了する。 【0036】 ステップS5で対象マクロブロックの画像の複雑さCが閾値αを超えていないと判定されると、ステップS10でその複雑さCが小さい方の閾値βを超えているか否かが判定される。超えている場合には、対象マクロブロックの各画素の画素値と平均値との差が比較的大きく、8×8分割モードの予測画像を作成すべきものとして、ステップS11からS13で図9のステップS105からS107までの処理と同様の処理が実行され、ステップS14で8×8分割モードのイントラ予測画像と原画像との差分値などが出力されて処理を終了する。 【0037】 さらにステップS10で対象マクロブロックの画像の複雑さCが閾値βを超えていないと判定されると、対象マクロブロックの画像はブロック内の画素値と平均値との差が少ない画像、すなわち画像の複雑さが最も小さい画像と判定され、マクロブロックを分割しない16×16分割モードの予測画像が、ステップS15、S16で図9のステップS108、S109と同様に作成され、ステップS17で16×16分割モードのイントラ予測画像と原画像の差分値などが出力されて処理を終了する。なお第1の実施例では、マクロブロックの画像の複雑さCと2つの閾値α、βが比較され、3つの分割モードのうちのいずれか1つが決定されるために、ステップS8、S13、およびS16におけるコストの計算は必ずしも必要ではなく、これらを省略することも可能である。 【0038】 図4は、図2の4×4、8×8、16×16予測回路12の構成ブロック図である。同図を従来例の図10の4×4予測回路と比較すると、図13で説明したように8×8分割モードの予測画像生成に際して使用されるプレフィルタ14が追加され、モード0からモード8までの予測画像生成回路が4×4、8×8、16×16の3つの分割モードに対して基本的に共用されているが、16×16分割モードの予測モード3と、4×4、8×8分割モードの予測モード3ではその処理内容が大きく異なるため、16×16モード3予測画像生成回路173aと4×4、8×8モード3予測画像生成回路173bとが独立して設けられ、これらの回路の出力がセレクタ22によって選択され、予測モード3に対する差分絶対値計算部183に与えられる構成となっており、またモード4からモード8の予測画像は16×16分割モードでは使用されないために、予測モード4の画像生成回路174から予測モード8の画像生成回路178までの回路は、4×4分割モードと8×8分割モードに対する予測画像を生成する共用回路となっている。 【0039】 このように第1の実施例では、16×16個の画素によって構成されるマクロブロックに対する3つの分割モードのうち、4×4、8×8、16×16のいずれか1つの分割モードが画像の複雑さに応じて選択され、いずれかの分割モードの中の複数の予測モードに対応して生成されるイントラ予測画像のうちで、原画像との差分値の最も小さい予測モードの画像に対応する差分値が、4×4、8×8、16×16予測回路12の出力として、例えば離散コサイン変換などを行う変換部に与えられることになる。画像の複雑さの計算については、ここではマクロブロックを単位として行うものとしたが、必ずしもフレーム内のすべてのマクロブロックに対して画像の複雑さの計算を行う必要はなく、1つのフレーム内で重要なマクロブロック、例えばフレームの中央付近のマクロブロックに対してのみ複雑さの計算を行うことも可能である。また1つのストリームの最初のフレームに対してのみ、そのような複雑さの判定を行うものとすれば、処理時間を大幅に短縮することも可能となる。実際の実験結果としては、1つのストリームに対して閾値α、βとしてそれぞれ1つの値を設定するだけで、有効な予測画像を生成することが可能であることが判明した。 【0040】 図5は、第2の実施例におけるイントラ予測画像生成回路の構成ブロック図である。この第2の実施例においては、比較的処理の簡単な16×16分割モードの予測は常に実行するものとし、画像の複雑さの判定結果に応じて4×4分割モード、あるいは8×8分割モードのいずれかが選択され、その分割モードの予測画像が生成されて、16×16分割モードの予測画像を含めて原画像との差分値が最も小さくなる分割モードの予測画像と原画像との差分値が出力される。 【0041】 すなわち図5において、画像の複雑さ判定部10によって計算された画像の複雑さに対応して4×4、8×8分割モード選択部23によって2つの分割モードのいずれかが選択され、4×4、8×8予測回路24によって選択された分割モードの予測画像が生成され、原画像との差分値が求められる。一方、16×16予測回路25によって16×16分割モード、すなわちマクロブロックを分割せずに予測画像の生成と差分値の計算が行われ、予測回路選択部26によって、2つの予測画像のうち、原画像との差分が最小の予測回路が選択されて、その予測結果としてのイントラ予測画像のモード番号と原画像との差分値が出力される。 【0042】 図6は、第2の実施例におけるイントラ予測画像生成方法のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップS21からS24で、図3のステップS1からS4におけると同様の処理が行われる。ただし、ここでは閾値としてα1つだけが設定される。 【0043】 続いてステップS25で対象マクロブロックの画像の複雑さCが閾値αを超えているか否かが判定され、超えている場合にはステップS26からS28で、図3のステップS6からS8と同様の処理が行われ、4×4分割モードの処理が行われる。続いてステップS29で8×8分割モードに対するコストの値が無限大とされる。これは後述するコストの比較において、8×8分割モードが選択されることのないようにするためである。 【0044】 続いてステップS30、S31で16×16分割モードのイントラ予測画像の作成と、原画像との差分絶対値和のコストへの加算が行われ、ステップS32で3つのコストのうちで最も値の小さいコストの分割モードが選択され、ステップS33でその分割モードのイントラ予測画像のモード番号と、原画像との差分値が出力されて処理を終了する。 【0045】 ステップS25でマクロブロックの画像の複雑さCが閾値αを超えていないと判定されると、ステップS35からS37で、図3のステップS11からS13と同様の処理が行われ、ステップS38で4×4の分割モードに対するコストが無限大とされた後に、ステップS30以降の処理が行われる。 【0046】 図7は、図5の4×4、8×8予測回路24の構成ブロック図である。第1の実施例に対する図4と比較すると、予測モード0から予測モード8までに対する予測画像生成回路が4×4、8×8分割モードのいずれにも共用して用いられる点が基本的相違であり、その詳細な説明を省略する。 【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】本発明の画像符号化装置の原理構成ブロック図である。 【図2】本発明の第1の実施例におけるイントラ予測画像生成回路の基本構成ブロック図である。 【図3】第1の実施例におけるイントラ予測画像生成方法のフローチャートである。 【図4】4×4、8×8、16×16予測回路の詳細構成ブロック図である。 【図5】第2の実施例におけるイントラ予測画像生成回路の基本構成ブロック図である。 【図6】第2の実施例におけるイントラ予測画像生成方法のフローチャートである。 【図7】第2の実施例における4×4、8×8予測回路の詳細構成ブロック図である。 【図8】イントラ予測画像生成回路の従来例の基本構成ブロック図である。 【図9】イントラ予測画像生成方法の従来例のフローチャートである。 【図10】4×4予測回路の従来例の構成ブロック図である。 【図11】4×4分割予測モード0の予測方法の説明図である。 【図12】4×4分割予測モード1の予測方法の説明図である。 【図13】8×8予測回路の従来例の構成ブロック図である。 【図14】16×16予測回路の従来例の構成ブロック図である。 【符号の説明】 【0048】 1 画像判定手段 2、5 分割モード選択手段 3 予測画像生成手段 6 第1の予測画像生成手段 7 第2の予測画像生成手段 8 最小差分画像出力手段 10 画像の複雑さ判定部 11 4×4、8×8、16×16分割モード選択部 12 4×4、8×8、16×16予測回路 14 プレフィルタ 15 原画像保持ランダム・アクセス・メモリ 16 周辺画像保持ランダム・アクセス・メモリ 17、27 予測画像生成回路 18 差分絶対値計算部 19 差分レジスタ 20 差分最小予測モード選択部 22 セレクタ 23 4×4、8×8分割モード選択部 24 4×4、8×8予測回路 25 16×16予測回路 26 予測回路選択部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005223 【氏名又は名称】富士通株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月31日(2006.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074099 【弁理士】 【氏名又は名称】大菅 義之
【識別番号】100067987 【弁理士】 【氏名又は名称】久木元 彰
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| 【公開番号】 |
特開2008−61044(P2008−61044A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−237051(P2006−237051) |
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