| 【発明の名称】 |
画像処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松本 修一
|
| 【要約】 |
【課題】ハイライト部の彩度に影響を受けずに画像データの低周波画像データの濃度を適正に設定して覆い焼き効果を得る画像処理装置を構成する。
【構成】入力された画像データから濃度ヒストグラム生成部21において濃度ヒストグラムを生成し、変換曲線生成部25においてガンマ補正のための変換曲線を生成し、濃度ヒストグラムの端部に対応する画素のR・G・Bの値と、変換曲線のハイライト側の端部とのオフセット量をオフセット量取得部27で取得し、このオフセット量の最大のものに対応するだけ変換ラインを濃度圧縮方向に変位させる変換ライン設定部32を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力画像から抽出したハイライト部又はシャドウ部について濃度調整を行う覆い焼き処理ユニットを備えている画像処理装置であって、 前記覆い焼き処理ユニットが、前記入力画像から全画素に対応した濃度ヒストグラムを生成する濃度ヒストグラム生成部と、設定された変換曲線に基づいてガンマ補正を行うガンマ補正部と、前記入力画像から低周波画像データ及び高周波画像データと抽出する画像抽出部とを備えると共に、 前記濃度ヒストグラムの端部に対応する画素のR・G・Bの値と、前記濃度ヒストグラム上に設定された前記変換曲線の端部とのオフセット量のうち、その最大値を補正量として設定する補正量設定部を備え、 前記低周波画像データの濃度を調整する変換ラインのうち、前記ハイライト部又はシャドウ部に対応する部位を前記補正量に対応して濃度調整方向にシフトさせる変換ライン設定部を備え、この変換ライン設定部で設定された変換ラインに基づいて前記低周波画像データの補正を行う低周波画像データ補正部を備えている画像処理装置。 【請求項2】 前記低周波画像データ補正部で補正した後の低周波画像データと、前記高周波画像データとを合成して合成画像データを生成し、この合成画像データを前記変換曲線設定部で設定された変換曲線に基づいて前記ガンマ補正部がガンマ補正を行うように処理シーケンスが設定されている請求項1記載の画像処理装置。 【請求項3】 前記変換ライン設定部は、前記濃度ヒストグラムからハイライト部とシャドウ部との間に頻度値が少ない谷状領域の存在を判別した場合には、この谷状領域のコントラストを下げる前記変換ラインを圧縮方向にシフトさせる請求項1又は2記載の画像処理装置。 【請求項4】 前記入力画像からハイライト画像データ抽出部でハイライト画像データを抽出し、このハイライト画像データからハイライトヒストグラムを生成部でR・G・Bの3原色夫々のハイライトヒストグラムを生成し、この3種のハイライトヒストグラムのバランスを求め、このバランスが崩れていることを判定した場合には、前記変換ライン設定部における変換ラインのシフトを行わない、又は、この変換ラインのシフト量を低減する補正抑制手段を備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 【請求項5】 入力画像から抽出したハイライト部又はシャドウ部について濃度調整を行う覆い焼き処理ユニットを備えている画像処理装置であって、 前記覆い焼き処理ユニットが、前記入力画像から抽出された低周波画像データを変換ラインに基づいて補正する低周波画像データ補正部と、前記変換ラインのうち、前記ハイライト部又はシャドウ部に対応する部位を濃度調整方向にシフトさせる変換ライン設定部とを備え、 前記入力画像からハイライト画像データ抽出部でハイライト画像データを抽出し、このハイライト画像データからハイライトヒストグラムを生成部でR・G・Bの3原色夫々のハイライトヒストグラムを生成し、この3種のハイライトヒストグラムのバランスを求め、このバランスが崩れていることを判定した場合には、前記変換ライン設定部における変換ラインのシフトを行わない、又は、この変換ラインのシフト量を低減する補正抑制手段を備えている画像処理装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、入力画像から抽出したハイライト部又はシャドウ部について濃度調整を行う覆い焼き処理ユニットを備えている画像処理装置に関する。 【背景技術】 【0002】 スキー場や雪山を背景として人物を撮影した場合には、画像の明暗の差が大きく、人物の顔の部位(シャドウ部)の階調を適正にするように全体の濃度を調節してプリント処理を実行した場合には、背景(ハイライト部)の濃度が不足して白トビの状態なり、背景(ハイライト部)の階調を適正にするように全体の濃度を調節してプリント処理を実行した場合には、人物の顔の部位(シャドウ部)が黒く潰れるプリント状態となる。 【0003】 このような不都合を解消するため、銀塩式の印画紙に対するプリント処理では、印画紙に対する露光時においてシャドウ部に対する光線の照射量を低減するNDフィルタや遮光体を用いることにより、ハイライト部における露光量を実質的に増大して白トビを抑制し、シャドウ部の露光量を実質的に低減することにより、黒潰れを抑制する覆い焼きの技術が従来から存在する。 【0004】 現像済みの写真フィルムを光電変換することによって取得した画像データ、あるいは、デジタルカメラで撮影された画像データにおいても、ハイライト部とシャドウ部が存在する場合には、前述した覆い焼きと同様の効果を必要とするものであり、この覆い焼きと同等の効果を得る画像処理技術として、特許文献1に記載されるものが存在する。 【0005】 この特許文献1では、画像データから低周波成分と高周波成分とを抽出し、低周波成分を階調圧縮し、中周波・高周波成分と合成することにより、中周波・高周波成分だけを強調し、覆い焼きと同様の効果を得ている。具体的に説明すると、取得したRGB画像データをYCCデータに変換した後に、ヒストグラムを生成すると共に、ローパスフィルタで低周波成分を抽出し、減算器で抽出した残りの成分を中周波・高周波成分とする。次に、ヒストグラムから強度計算部で得られた強度に基づいてLUT(ルックアップテーブル)を設定し、このLUTに基づいて低周波成分を階調変換(階調圧縮)し、また、中周波・高周波成分をLUTで強調又は軟調する。このように生成した階調変換後の低周波成分と、強調又は軟調化された中周波・高周波成分とを合成するように処理形態が設定されている。 【0006】 つまり、元の画像データの低周波成分を階調圧縮する処理と並行して、中周波・高周波成分を強調できるので、ぼけ画像が不十分であっても、コントラストを低下させることなく覆い焼き効果を得ているのである。 【0007】 【特許文献1】特開2000‐278529号公報 (段落番号〔0066〕〜〔0102〕、図1、図5) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 特許文献1のように低周波領域に対して階調圧縮するものでは、白トビする領域や黒く潰れする領域の階調を適正に再現する点において有効な処理であると云える。しかしながら低周波領域を一様に階調圧縮したものでは、コントラストが低下し、画像品質が低下する不都合に繋がるものであった。 【0009】 高品質の画像を得るためには、圧縮する低周波領域の濃度域に対して適切な圧縮率を設定することが肝要となるものの、自動的な設定が困難であった。つまり、自動的な設定を実現するために、画像のハイライト部の輝度の平均値と、シャドウ部の輝度の平均値との差を求め、この差が設定された値未満となるように低周波画像領域の圧縮率を設定することも考えられるが、ハイライト部が高彩度である場合には、圧縮率が低くなり、ハイライト部が低彩度である場合には、圧縮率が高くなり適切に圧縮率を設定できないものであった。 【0010】 本発明の目的は、ハイライト部の彩度に影響を受けずに画像データの低周波画像データの階調を適正に設定して覆い焼き効果を得る画像処理装置を構成する点にある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明の特徴は、入力画像から抽出したハイライト部又はシャドウ部について濃度調整を行う覆い焼き処理ユニットを備えている画像処理装置において、 前記覆い焼き処理ユニットが、前記入力画像から全画素に対応した濃度ヒストグラムを生成する濃度ヒストグラム生成部と、設定された変換曲線に基づいてガンマ補正を行うガンマ補正部と、前記入力画像から低周波画像データ及び高周波画像データと抽出する画像抽出部とを備えると共に、 前記濃度ヒストグラムの端部に対応する画素のR・G・Bの値と、前記濃度ヒストグラム上に設定された前記変換曲線の端部とのオフセット量のうち、その最大値を補正量として設定する補正量設定部を備え、 前記低周波画像データの濃度を調整する変換ラインのうち、前記ハイライト部又はシャドウ部に対応する部位を前記補正量に対応して濃度調整方向にシフトさせる変換ライン設定部を備え、この変換ライン設定部で設定された変換ラインに基づいて前記低周波画像データの補正を行う低周波画像データ補正部を備えている点にある。 【0012】 この構成により、変換曲線と、前記濃度ヒストグラムの端部に対応する画素のR・G・Bの値(濃度ヒストグラムの3原色の成分)とから求められる3種のオフセット量のうち最大値を補正量として設定し、低周波画像データの濃度を調整する変換ラインのうちハイライト部又はシャドウ部に対応する部位を濃度調整方向にシフトさせるので、ハイライト部又はシャドウ部の濃度を適正にする。つまり、濃度ヒストグラムに対応して設定される変換曲線のハイライト側の端部と、濃度ヒストラムの端部に対応するR・G・Bの画素の値の高輝度側の端部とがオフセットしている場合には、この原色ヒストグラムのうち最もオフセット量が大きいものに基づいて補正量を設定することにより、その原色ヒストグラムが示す色のデータもプリント出力の範囲に含めることが可能となり、白トビを抑制できる。これと同様に、変換曲線のシャドウ側の端部においても、前述と同様にオフセット量が最大となるものに基づいて伸張量を設定することにより、その原色ヒストグラムのデータもプリント出力の範囲に含めることが可能となり、黒潰れを抑制できる。その結果、ハイライト部の彩度に影響を受けずに画像データの低周波画像データの階調を適正に設定して覆い焼き効果を得る画像処理装置が構成された。また、本発明では、オフセット量が求められない場合には、補正を行わないので、覆い焼きの処理を行うことにより、本来白色に発色すべき部位がグレーになる現象も抑制できる。 【0013】 本発明は、前記低周波画像データ補正部で補正した後の低周波画像データと、前記高周波画像データとを合成して合成画像データを生成し、この合成画像データを前記変換曲線設定部で設定された変換曲線に基づいて前記ガンマ補正部がガンマ補正を行うように処理シーケンスを設定しても良い。 【0014】 この構成により、低周波画像データ補正部で補正した後の低周波画像データと、高周波画像データとを合成した合成画像データでは、ハイライト部又はシャドウ部の階調が改善される。また、合成画像データにおいてハイライト側又はシャドウ側の端部に位置するデータも余さずガンマ補正することが可能となる。 【0015】 本発明は、前記変換ライン設定部は、前記濃度ヒストグラムからハイライト部とシャドウ部との間に頻度値が少ない谷状領域の存在を判別した場合には、この谷状領域のコントラストを下げる前記変換ラインを圧縮方向にシフトさせても良い。 【0016】 この構成により、ハイライト部とシャドウ部との中間において谷状となる領域の画像データの補正処理を行うことにより、この谷状の部位だけではなく全体の階調が滑らかに変化する画像データを出力できる。 【0017】 本発明は、前記入力画像からハイライト画像データ抽出部でハイライト画像データを抽出し、このハイライト画像データからハイライトヒストグラムを生成部でR・G・Bの3原色夫々のハイライトヒストグラムを生成し、この3種のハイライトヒストグラムのバランスを求め、このバランスが崩れていることを判定した場合には、前記変換ライン設定部における変換ラインのシフトを行わない、又は、この変換ラインのシフト量を低減する補正抑制手段を備えても良い。 【0018】 この構成により、ハイライト部のバランスが崩れている場合には濃度の増大が抑制されるものとなり、例えば、濃度を増大させることにより本来の色相と異なる色相の発色を招くことがない。 【0019】 本発明は、入力画像から抽出したハイライト部又はシャドウ部について濃度調整を行う覆い焼き処理ユニットを備えている画像処理装置において、 前記覆い焼き処理ユニットが、前記入力画像から抽出された低周波画像データを変換ラインに基づいて補正する低周波画像データ補正部と、前記変換ラインのうち、前記ハイライト部又はシャドウ部に対応する部位を濃度調整方向にシフトさせる変換ライン設定部とを備え、 前記入力画像からハイライト画像データ抽出部でハイライト画像データを抽出し、このハイライト画像データからハイライトヒストグラムを生成部でR・G・Bの3原色夫々のハイライトヒストグラムを生成し、この3種のハイライトヒストグラムのバランスを求め、このバランスが崩れていることを判定した場合には、前記変換ライン設定部における変換ラインのシフトを行わない、又は、この変換ラインのシフト量を低減する補正抑制手段を備えても良い。 【0020】 この構成により、ハイライト部のバランスが崩れている場合には濃度の増大が抑制されるものとなり、例えば、濃度を増大させることにより本来の色相と異なる色相の発色を招くことがない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 〔全体構成〕図1に示すように、現像済みの写真フィルムFのコマ画像のデジタル信号化を行い、デジタル信号化された画像データの処理を行い、システム全体の基本的な制御を行うオペレート部Aを備えると共に、銀塩式の印画紙Pに対して露光処理と現像処理とを行い、かつ、乾燥処理を行った後に送り出すプリント部Bとを備えることによりデジタルミニラボと称せられる写真プリント装置が構成されている。 【0022】 〔オペレート部〕前記オペレート部Aは、コンソール1に対して前記写真フィルムFのコマ画像を光電変換によりデジタル信号化して画像データとして取り込むフィルムスキャナ2と、各種情報を表示するディスプレイ3と、画像処理とプリントに必要な各種処理とを行う汎用コンピュータで成る画像処理装置4とを配置している。コンソール1の上面には前記画像処理装置4に対して情報を入力するためキーボード5と、ポインティングデバイスとして機能するマウス6とを備えている。 【0023】 前記画像処理装置4には、CDやMOやFD等のディスク型のメディアからの画像データを取得する、あるいは、半導体型のメディア(図示せず)からの画像データを取得するように夫々のメディアの構造に対応したメディアドライブ7を備えている。この画像処理装置4は、前記ディスプレイ3に表示に従って各種の処理を前記キーボード5やマウス6の操作により実現するインタフェースを具備している。更に、この画像処理装置4には前記フィルムスキャナ2、あるいは、前記メディアドライブ7で取り込まれた画像データをディスプレイ3に表示し、必要な補正処理(覆い焼き処理については後述する)を行い、補正処理後の画像データとプリント部Bを前記プリント部Bに伝送することによりプリント部Bでのプリント処理を実現するソフトウエアがインストールされている。 【0024】 前記フィルムスキャナ2は、下部に光源部を配置し、中間部にズームレンズを配置し、上部にズームレンズからのコマ画像をR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に色分解して取り込むラインCCD型の光電変換部を配置している。このフィルムスキャナ2では、写真フィルムFのスキャニングを行う場合、その写真フィルムFのサイズに適合したフィルムキャリア2Aを光源部の上面に装着してスキャニングを開始することにより、写真フィルムFを副走査方向(長手方向)に搬送する作動と同期して光電変換部において写真フィルムFのコマ画像を主走査方向に沿ってデジタル信号化して取り込む処理が行われ、取り込まれた画像データは、前記画像処理装置4に転送され保存される。 【0025】 〔プリント部〕前記プリント部Bは、露光ブロックExと、現像ブロックDeと、乾燥ブロックDrとを暗箱構造の筐体10に収容して成ると共に、筐体10の外部には、処理の後に筐体10の上部から送り出される印画紙Pを水平方向に送る搬送ベルト11を備え、この搬送ベルト11から送られる印画紙Pをオーダ単位で仕分けて集積するよう複数のトレイ12を有したソータ13を備えている。 【0026】 図面には示していないが、前記露光ブロックExは、内部に収容した印画紙マガジンの印画紙をプリントサイズに切断して露光ヘッドによって画像データの露光を行う。現像ブロックDeは、現像処理を行う現像処理槽を備え、露光ブロックExで露光処理された印画紙Pの現像処理を行う。前記乾燥ブロックDrは、現像ブロックDeから送り出された印画紙Pに乾燥風を供給して印画紙Pの乾燥を行う。このように乾燥ブロックDrで乾燥された印画紙Pを筐体10の上部から排出し、搬送ベルト11で水平方向に搬送し、ソータ13のトレイ12にオーダ単位で集積するように処理形態が設定されている。 【0027】 〔写真プリント装置の制御構成〕 この写真プリント装置の基本的な制御構成を図2のように示すことが可能である。前記画像処理装置4において、マイクロプロセッサCPUに信号のアクセスを行う入出力インタフェース15を備えており、この入出力インタフェース15に対して前記フィルムスキャナ2、ディスプレイ3、キーボード5、マウス6、メディアドライブ7、ハードディスクHD夫々の間で信号をアクセスする信号系を形成すると共に、前記プリント部Bとの間で信号をアクセスする信号系を形成している。 【0028】 前記画像処理装置4は、マイクロプロセッサCPUのデータバスに半導体メモリM、オペレーティングシステムOP、画像データ取得処理部16、覆い焼き処理ユニットとして機能する画像データ補正処理部17、オーダデータ取得処理部18、プリント実行部19夫々が接続している。ちなみに、この画像処理装置4において制御を実現するためにはデータバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避けるために図面にはコントロールバスやアドレスバス、あるいは、インタフェース類を示していない。 【0029】 前記オペレーティングシステムOPは、ディスプレイ3に対して必要な情報を表示し、ディスプレイ3に表示された情報に基づき、この画像処理装置4にインストールされた各種のソフトウエアによるGUI(Graphical User Interface)型の処理を実現する。 【0030】 前記画像データ取得処理部16は、前記フィルムスキャナ2あるいはメディアドライブ7からデジタル信号化された画像データを取得しハードディスクHDに保存する。前記画像データ補正処理部17は、取得した画像データを前記ディスプレイ3のプレジャッジ画面に表示し、そのプレジャッジ画面において指定した画像データに対してオペレータの操作に基づき必要な補正処理(マニュアル補正処理)を行うだけでなく、予め設定された条件に従って自動的な補正処理を行う。この自動的な補正処理のうち覆い焼き処理については後述する。 【0031】 オーダデータ取得処理部18は、前記ディスプレイ3にプレジャッジ画面を表示し、このプレジャッジ画面に一覧化して表示された画像データからオペレータがプリント対象とする画像データを指定する等の操作に基づいてオーダ情報を取得する処理を実現する。 【0032】 前記プリント実行部19は、プリント対象に指定された画像データと前記オーダ情報とを前記プリント部Bに伝送してプリント処理を実現する。 【0033】 前記オペレーティングシステムOP、画像データ取得処理部16、画像データ補正処理部17、オーダデータ取得処理部18、プリント実行部19は、前記半導体メモリMに展開されたソフトウエアを想定しているが、一部又は全てをロジック等のハードウエアで構成することも可能である。 【0034】 〔覆い焼き処理の制御構成〕 前記画像処理装置4の画像データ補正処理部17では、オペレート部Aで取得した画像データの濃度調整を行う覆い焼き処理を自動的な処理で実現するように構成され、その覆い焼き処理系の概要を図3のように示すことが可能である。 【0035】 覆い焼き処理系は、前記フィルムスキャナ2あるいはメディアドライブ7で取得した画像データから、全画素に対応した濃度ヒストグラムを生成する濃度ヒストグラム生成部21と、画像データから予め設定された閾値を超える輝度(濃度)の画素をハイライト画像データとして抽出するハイライト画像データ抽出部22と、低周波画像データを抽出するローパスフィルタで構成されたLPF23、このLPF23で抽出した低周波画像データと画像データとから高周波画像データを求める減算処理部24と、画像データに適したガンマ補正を行うための変換曲線を生成する変換曲線生成部25とを備えている。この覆い焼き処理系では前記LPF23と減算処理部24とが、入力画像から低周波画像データと、高周波画像データとを抽出する画像抽出部が構成されている。 【0036】 また、濃度ヒストグラムに対応するR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の端部と(濃度ヒストグラムの3原色の成分)、変換曲線とのオフセット量を求めるオフセット量取得部27と、このオフセット量取得部27で取得したオフセット量に基づいて補正量を設定する補正量設定部28と、ハイライト画像データからR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応した3種のハイライトヒストグラムを生成するハイライトヒストグラム生成部29と、3種のハイライトヒストグラムを正規化する正規化部30と、この正規化部30での処理結果に基づいて処理係数K(図8を参照)を設定することで補正抑制手段として機能する処理係数設定部31とを備えている。 【0037】 更に、オフセット量と処理係数とに基づいて補正量設定部28で設定された補正量に基づいて変換ラインを設定する変換ライン設定部32と、前記LPF23からの低周波画像データを変換ラインに基づいて変換することにより低周波画像データ補正部として機能する第1LUT33と、この第1LUT33で補正された低周波画像データと前記減算処理部24からの高周波画像データとを合成する合成処理部34と、前記変換曲線生成部25で生成した変換曲線を設定する変換曲線設定部35と、前記合成処理部34で合成された合成画像データを変換曲線設定部35で設定された変換曲線に基づいて補正して出力することによりガンマ補正部として機能する第2LUT36とを備えている。 【0038】 濃度ヒストグラム生成部21、ハイライト画像データ抽出部22、LPF23、減算処理部24、変換曲線生成部25、オフセット量取得部27、補正量設定部28、ハイライトヒストグラム生成部29、正規化部30、処理係数設定部31、変換ライン設定部32、第1LUT33、合成処理部34、変換曲線設定部35、第2LUT36夫々はソフトウエアで構成するものを想定しているが、ハードウエアで構成しても良く、ハードウエアとの組み合わせによって構成しても良い。 【0039】 〔覆い焼き処理の処理形態〕 この覆い焼き処理系による処理の概要を図4のフローチャートのように示すことが可能である。つまり、処理の開始時に初期処理を行う(#01ステップ)。この初期処理では、覆い焼き対象となる画像データから前記濃度ヒストグラム生成部21において図7に示す濃度ヒストグラムHdを生成し、変換曲線生成部25が画像データに基づいて変換曲線αを生成し、ハイライト画像データ抽出部22が画像データからハイライト画像データを抽出し、LPF23が画像データから低周波画像データを抽出し、減算処理部24画像データから低周波画像データを減算することにより高周波画像データを生成する。 【0040】 前記濃度ヒストグラム生成部21で生成される濃度ヒストグラムHdとして図7に示すものでは、変換曲線生成部25では、同図にαで示す変換曲線が設定される。この変換曲線αは、画像データがプリントされる印画紙Pの特性、プリント部Bの性能、画像データの画像の状態に基づいて生成されるものである。 【0041】 同図には低輝度側の基準となる低輝度ラインLminと、高輝度側の基準となる高輝度ラインLmaxとを示しており、濃度調整の基準となる直線状の基準ラインXを示している。この基準ラインXは予め設定された輝度と、この輝度の画素が印画紙Pにプリントされた際に中間濃度となるように基準ポイントXpを通過する位置に形成されている。尚、この基準ラインXは、この基準ラインXに基づいて画像データの変換処理を行っても画像データの圧縮も伸張も行われない特性となっている(ガンマ補正として考えた場合にはガンマ値が1)。 【0042】 次に、処理係数設定と、補正値設定との処理を実行し(#100、#200ステップ)、LPF23で抽出した低周波画像データを第1LUT33において変換ラインβに基づいて濃度調整を行い、この濃度調整後の低周波画像データと、前記減算処理部24で求めた高周波画像データとを合成処理部34において合成し(#02、#03ステップ)、更に、前記合成された合成画像データを変換曲線αに基づいてガンマ補正し、このように処理された画像データを覆い焼き処理された画像データ(出力画像データ)として出力する(#04、#05ステップ)。 【0043】 前記処理係数設定(#100ステップ)は、サブルーチンとして図5の処理係数設定ルーチンのように設定されている。この処理では、前記ハイライト画像データ抽出部22で抽出されたハイライト画像データから前記ハイライトヒストグラム生成部29がR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応したハイライトヒストグラムを生成する(#101ステップ)。この3種のハイライトヒストグラムr、g、bを図13のように示すことが可能であり、前記正規化部30では3種のハイライトヒストグラムr、g、bの輝度領域を等しくするように図14に示す如く正規化処理を行い(#102ステップ)、このように正規化処理されたハイライトヒストグラムの画素数(頻度)の分散率(画素数の比較)を算出し、このように算出した分散率から処理係数Kを設定する(#103、#104ステップ)。 【0044】 この処理係数Kとは低周波領域の濃度調整時に、ハイライト領域の階調を高めた場合に、想定しない色相の発色を抑制するために、濃度調整を抑制するための係数である。具体的には、この処理係数Kは分散率が小さいほど(無彩色に近いほど)「1」に近い値が与えられ、分散率が大きいほど(有彩色であるほど)「0」に近い値が与えられる。 【0045】 前記補正量設定処理(#200ステップ)は、サブルーチンとして図6の補正量設定ルーチンのように設定されている。この処理では、濃度ヒストグラム生成部21で生成した濃度ヒストグラムHdを取得し、変換曲線生成部25で生成した前記変換曲線αを取得し、前記LPF23から低周波画像データを取得する(#201ステップ)。 【0046】 次に、濃度ヒストグラムのR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応して図10、図11、図12に示す如く3種の原色ヒストグラムHr、Hg、Hbを生成し、この3種の原色ヒストグラムHr、Hg、Hbの端部(R・G・Bの値の端部)と、前記変換曲線αとのオフセット量ΔHを取得し、最大となるオフセット量ΔHをセットする(#202、#203ステップ)。図面では赤色に対応するもの原色ヒストグラムをHrとし、これと同様に緑色に対応するもの原色ヒストグラムをHgとし、青色に対応するもの原色ヒストグラムをHbとして示している。 【0047】 前記3種の原色ヒストグラムHr、Hg、Hbに対応するオフセット量ΔHとは、夫々の原色ヒストグラムHr、Hg、Hbの高輝度側の端部Gh(最も高い輝度の画素が存在する位置)と、変換曲線αの高輝度側(ハイライト側)の端部αhとの距離に対応する値であり、このように取得したオフセット量ΔHのうち最大のもの(本実施形態では原色ヒストグラムHrに対応したもの)を最大オフセット量ΔHにセットする。 【0048】 次に、図9に示すように、前記変換曲線設定部35が変換曲線αをガンマ補正のための変換曲線としてセットする(#204ステップ)。 【0049】 更に、前記変換ライン設定部32が変換ラインβを生成する(#205ステップ)。このステップでは、図8に示すように、濃度ヒストグラムHdにおいて輝度方向での中間に画素数が少ない谷状領域が存在する場合には、これに対応する部位のコントラストを低減させるために、変換ラインβの中間位置に中間変換部βmを設定し、更に、前記高輝度ラインLmax上において前記基準ラインXを基準にして、画像圧縮側(同図では下側)に向けて、前記最大オフセット量ΔHに処理係数Kを乗じた距離に通過点を設定し、この通過点とこの中間変換部βmのハイライト側の端部とを直線で結ぶように変換ラインβのハイライト変換部βhを設定する。つまり、基準ラインXを用いた変換では画像データの圧縮も伸張も行われないが、この基準ラインXを基準にしてラインを下側にハイライト部に対応する位置を下方にシフトさせた変換ラインβを設定することにより、ハイライト部の画像データを圧縮して(濃度を調整して)出力できるようにしている。 【0050】 このように変換曲線αを設定し、変換ラインβを設定した後には、前述したようにLPF23で抽出した低周波画像データを第1LUT33において図8に示す変換ラインβに基づいて濃度調整(階調調整)を行う。このように濃度調整を行う際には変換ラインβに基づき同図において〈出力〉と示した側に対して、低周波画像データを変換して出力される。このように出力される際には、変換ラインβの勾配が少ない部位ほど階調が圧縮され、コントラストが低減される。 【0051】 この後、この濃度調整後の低周波画像データと、減算処理部24で求めた高周波画像データとを合成処理部34において加算処理を行うことによって合成し、このように合成された合成画像データを前記変換曲線αに基づいてガンマ補正する。このようにガンマ補正を行う際には、前記変換曲線αに基づき合成画像データが出力される形態となる。この補正を行うことによりハイライト側の画像データを失うことなく、ガンマ補正を実現するものとなり、このシーケンスにより処理された画像データを覆い焼き処理された画像データ(出力画像データ)として出力されるのである。尚、前記変換曲線αと前記変換ラインβとを合成した変換を行う曲線として図9に示すように変換曲線Dを想定できるものであり、本発明では、この変換曲線Dを作成せずに変換ラインβと変換曲線αとで覆い焼き処理を実現しているのである。 【0052】 このように本発明によると、例えば、ハイライト部を含む画像データに基づいて設定される変換曲線に基づいたガンマ補正だけではプリントされた画像のハイライト部の階調が不充分である場合でも、このハイライト部の画像データを低周波画像データとして抽出し、この低周波画像データを変換ラインβに基づいて濃度変換することにより、ハイライト部が存在する領域を特別に抽出する処理を行わずとも、濃度調整が可能となる。また、変換ラインβを設定する際には、前記濃度ヒストグラムのR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応する3種の原色ヒストグラムHr、Hg、Hbのハイライト側の端部Ghと、変換曲線αとのハイライト側の端部αhとのオフセット量ΔHのうち最大のものをセットし、このオフセット量ΔHに基づいて変換を行うことにより、原色ヒストグラムHr、Hg、Hbのハイライト側の画像データのうち最も高輝度側に存在するものを含めた圧縮を可能にする。 【0053】 また、変換ラインβを用いてハイライト部の圧縮を行う際には、ハイライト画像データからハイライトヒストグラム生成部29がR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応したハイライトヒストグラムr、g、bを生成し、このハイライトヒストグラムr、g、bのバランスに基づいて、このハイライト部が無彩色に近いほど「1」に近い値となる処理係数Kを設定することにより、ハイライト部の画像データを圧縮した際において想定していない発色を回避するものにしている。 【0054】 更に、前述のようにハイライト部の画像データの圧縮を行った後に、高周波画像データと合成することにより全ての周波数の画像データを補正対象にして、変換曲線αに基づいてガンマ補正を行うことによりハイライト部が滑らかな階調変化となる画像データを得ることになる。そして、この覆い焼き処理が行われた画像データをプリントすることにより、ハイライト部のディテールが良好に表現されるプリントを得るのである。特に、本発明では、オフセット量が求められない場合には、補正を行わないので、覆い焼きの処理を行うことにより、本来白色に発色すべき部位がグレーになる現象も抑制できるのである。 【0055】 〔別実施形態〕 本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い(この別実施形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。 (a)前述した処理では、ハイライト側の輝度データを失わないように変換曲線αをハイライト側にシフトさせた例を示したが、例えば、3種の原色ヒストグラム(図示せず)の低輝度側の端部と、変換曲線αの低輝度側(シャドウ側)の端部αsとの間に間隙が存在し、この間隙の距離をオフセット量ΔSとして取得した場合には、図15に示すように、取得したオフセット量ΔSのうち最大のものを最大オフセット量ΔSとしてセットし、更に、図16に示すように、ハイライト側とは逆方向の位置(低輝度ラインLmin上)において、最大オフセット量ΔHに処理係数Kを乗じた距離をシフト量として、画像伸張側(図16では上側に)通過点を設定し、この通過点と前記基準ポイントXpとを結ぶように変換ラインβを設定することになる。尚、シャドウ部では濃度(階調)を調整した際に、想定しない色相の発色を招くことが少ないので、処理係数Kを用いずに最大オフセット量ΔHの値だけを用いて、変換ラインβを設定するように処理形態を設定しても良い。 【0056】 このように変換ラインβが設定された後には、実施形態と同様に、変換ラインβに基づいて低周波画像データの濃度(階調)調整を行い、の濃度調整後の低周波画像データと、減算処理部24で求めた高周波画像データとを合成処理部34において加算処理を行うことによって合成し、このように合成された合成画像データを変換曲線αに基づいてガンマ補正する。これにより、シャドウ部のディテールが良好に表現されるプリントを得ることになる。 【0057】 (b)変換ライン設定部32で変換ラインβを設定する際において、変換ラインβのシフト量を、例えば、出力される画像の全体的な濃度の変化を考慮することにより、オフセット量より少し小さい値に設定する、あるいは、オフセット量より少し大きい値に設定するように処理形態を設定しても良い。 【0058】 (c)本発明の画像処理装置で覆い焼き処理を施した画像データをインクジェット型や昇華型のプリント装置でプリント処理を行うように構成して良い。 【図面の簡単な説明】 【0059】 【図1】写真プリント装置の斜視図 【図2】写真プリント装置の制御系のブロック図 【図3】覆い焼き処理の処理系のブロック図 【図4】覆い焼き処理のフローチャート 【図5】処理係数設定ルーチンのフローチャート 【図6】補正量設定ルーチンのフローチャート 【図7】濃度ヒスグラム、変換曲線等を示す図 【図8】設定された変換ラインを示す図 【図9】設定された変換曲線を示す図 【図10】赤色の原色ヒストグラムから取得するオフセット量を示す図 【図11】緑色の原色ヒストグラムから取得するオフセット量を示す図 【図12】青色の原色ヒストグラムから取得するオフセット量を示す図 【図13】3種のハイライトヒストグラムを示す図 【図14】正規化された3種のハイライトヒストグラムを示す図 【図15】別実施形態(a)の濃度ヒスグラム、変換曲線等を示す図 【図16】別実施形態(a)の設定された変換ラインを示す図 【符号の説明】 【0060】 17 覆い焼き処理ユニット(画像データ補正処理部) 21 濃度ヒストグラム生成部 22 ハイライト画像データ抽出部 32 変換ライン設定部 33 低周波画像データ補正部(第1LUT) 35 変換曲線設定部 36 ガンマ補正部(第2LUT) α 変換曲線 β 変換ライン Hg 濃度ヒストグラム ΔH オフセット量
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000135313 【氏名又は名称】ノーリツ鋼機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年8月31日(2006.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
【識別番号】100114959 【弁理士】 【氏名又は名称】山▲崎▼ 徹也
|
| 【公開番号】 |
特開2008−61031(P2008−61031A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−236930(P2006−236930) |
|