| 【発明の名称】 |
監視カメラシステム |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 康則
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| 【要約】 |
【課題】監視対象となる撮影エリアの中で局所的な輝度変動が生じても、撮影エリア内で特に詳細な監視を必要とする局所エリアの画像が極端な露光オーバー/露光アンダーになることを防ぐ。
【構成】画角θ1の第一カメラ5と、画角θ2の二台のカメラモジール6a,6bを組み合わせた第二カメラ6と、画角θ3の三台のカメラモジュール7a,7b,7cを組み合わせた第三カメラ7と、画角θsの局所カメラ8とから監視カメラシステムを構成する。第一〜第三カメラ5〜7は、それぞれ最適な撮影距離が設定されたエリア監視カメラとなる。局所カメラ8は、第三カメラ7の撮影エリア内に設定された局所エリアを最も狭い画角θsで撮影する。各々のカメラは自動露光制御のもとで個別に撮影を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一定の撮影距離にピント合わせされ画角に応じて決まる一定の撮影エリアを撮影するエリア監視カメラと、 前記一定の撮影距離にピント合わせされ、前記エリア監視カメラよりも狭い画角で前記一定の撮影エリア内の部分的な局所エリアを前記エリア監視カメラと略同じ像倍率で撮影する局所カメラとからなり、 前記エリア監視カメラと局所カメラとはそれぞれ個別の自動露光制御のもとで撮影を行うことを特徴とする監視カメラシステム。 【請求項2】 前記エリア監視カメラ及び局所カメラは、それぞれ平均測光による自動露光制御を行うことを特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。 【請求項3】 前記エリア監視カメラが、前記一定の撮影エリアを略同一の広さに区分した区画エリアを個別に撮影する複数台のカメラモジュールで構成され、前記局所カメラは前記カメラモジュールよりも狭い撮影画角をもち、カメラモジュールのいずれかが撮影する区画エリア内の部分的な局所エリアをカメラモジュールと略同じ像倍率で撮影することを特徴とする請求項1または2記載の監視カメラシステム。 【請求項4】 前記エリア監視カメラが、前記一定の撮影エリアを区分した区画エリアを個別に撮影する複数台のカメラモジュールで構成され、前記局所カメラは、前記一定の撮影エリア内に含まれ、かつ複数台の前記カメラモジュールがそれぞれ撮影する区画エリアの相互間に囲まれたエリアだけをカメラモジュールと略同じ像倍率で撮影することを特徴とする請求項1または2記載の監視カメラシステム。 【請求項5】 前記局所カメラの撮影レンズが、前記エリア監視カメラまたはカメラモジュールの撮影レンズと同一の光学諸元であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の監視カメラシステム。 【請求項6】 前記エリア監視カメラとは焦点距離が異なり、前記一定の撮影距離とは異なる第二の撮影距離にピント合わせされ、第二の撮影距離における像倍率が第一の撮影距離における前記エリア監視カメラの像倍率と略等しい第二のエリア監視カメラを備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の監視カメラシステム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は複数のカメラを使用した監視カメラシステムに関し、詳しくは自動露光制御のもとで撮影を継続しながらも、撮影エリア内の特に重要な局所エリアで露光オーバー・露光アンダーが生じて撮影情報が失われることを防止した監視カメラシステムに関する。 【背景技術】 【0002】 監視用途で使用されるカメラには、一般に自動露光制御機能を有するデジタルカメラが使用され、その撮影エリア全体で積算した輝度レベルが適正となるように露光制御が行われている。露光量の制御は、撮影エリア全体から得られたひとつの測光値に基づき、撮影レンズに組み込まれた絞りの調節や、イメージセンサの電荷蓄積時間の調節、さらにはイメージセンサから得られる撮像信号のゲインを調節することによって行われる。このような露光制御方式はハード面・ソフト面での負担が少なく、動作も安定している反面、撮影エリア内の一部に大きな輝度変動があったときにはその影響が全画面に及びやすく、本来の監視対象物がオーバー露光あるいはアンダー露光になって適切な画像情報が得にくくなるという問題がある。 【0003】 この問題に対処するために、撮影エリア内の輝度レベルの変化が時間的・季節的に予測がつく場合には、その既知の情報を利用して監視対象となる被写体の輝度レベルが過度に変化しないように露光制御する方式が知られている(特許文献1)。また、撮影画面内における最大輝度と最小輝度とを検出するとともに、所定の高輝度レベルから最大輝度までに含まれる高輝度域と、所定の低輝度レベルから最小輝度までに含まれる低輝度域とが撮影画面全体に対してどの程度の面積割合になっているかに応じて測光値を算出し、この測光値に基づいて露光制御を行う方式が知られている(特許文献2)。 【特許文献1】特開2001−211383号公報 【特許文献2】特開2003−319248号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、特許文献1で知られる方式は、太陽の位置の変化や天候の変化など、予め想定される環境の変化に対しては有効であるが、人為的あるいは突発的な変化に対しては対応できない。また、特許文献2で知られる方式では画面全体の輝度分布パターンを評価するために、撮影画面を画素単位あるいは複数の領域に分割して輝度情報を取得しなければならず、画像処理が複雑化して処理時間も長くなる。このため、撮影画面内の一部の輝度が短時間のうちに変化するような場合には追従性も問題となる。また、監視の用途に応じてカメラの種類や撮影倍率を変えるときには、測光あるいは露光制御プログラムも変更しなくてはならず汎用性の点で問題がある。 【0005】 本発明は上記背景を考慮してなされたもので、監視対象となる撮影エリアの中に特に詳細な監視を必要とする局所エリアが存在するときには、撮影エリア全体の露光制御に影響を受けることなく、局所エリアについては適正露光で撮影を行うことができるようにした監視カメラシステムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明は上記目的を達成するために、一定の撮影距離にピント合わせされ画角に応じて決まる一定の撮影エリア全体をエリア監視カメラで撮影し、さらに前記一定の撮影エリア内の部分的な局所エリアについては別に設けた局所カメラで撮影するように構成され、これらのカメラは各々個別に自動露光制御のもとで撮影を行うとともに、局所カメラはエリア監視カメラと略同じ像倍率で被写体を撮影することが特徴となっている。 【0007】 エリア監視カメラは必ずしも一台のカメラに限られず、監視対象となる広い撮影エリアを略同一の広さに区分した区画エリアを個別に撮影する複数台のカメラモジュールを組み合わせて使用することも可能である。その場合、局所カメラはカメラモジュールよりも狭い画角のもとで、いずれかの区画エリア内に含まれる一部の局所エリア、あるいはこれらの区画エリアで囲まれたエリアをカメラモジュールと同じ像倍率で撮影するように構成される。同じ撮影距離にピント合わせされた局所カメラと、エリア監視カメラで撮影された被写体の像倍率をそろえるには、これらのカメラの撮影レンズを光学的に同一諸元にするのが簡便である。 【0008】 さらに、エリア監視カメラまたはカメラモジュールとは焦点距離が異なり、前記一定の撮影距離とは異なる第二撮影距離にピント合わせされ、前記第二撮影距離における撮影倍率が第一の撮影距離における前記エリア監視カメラと略等しい第二のエリア監視カメラを用いることも本発明システムの機能を高める上で効果的である。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、エリア監視カメラと局所カメラとはそれぞれ個別に撮影を行い、したがって一方の露光制御が他方の露光制御に影響を及ぼすことがない。監視対象物の画像サイズを考慮し、局所カメラの画角を十分に狭くしておけば、画面平均測光による自動露光制御を行っても監視対象物が極端な露光オーバー・露光アンダーになることを防ぐことができる。そして、エリア監視カメラで得た画像と局所カメラで得た画像とを並列して、あるいは両画像を一画面に合成してモニタ表示したときに監視対象物が同じ画像サイズとなり、観察しやすい画面表示が得られる。エリア監視カメラを複数のカメラモジュールで構成することにより、広い撮影エリアを確保しつつ被写体の画像サイズを大きくすることができる。第二のエリア監視カメラを併用すれば、第一の撮影距離とは異なる第二撮影距離でも別の像倍率で被写体を鮮明に撮影することができ、監視効果を高めることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明の一実施形態として、図1に路上での車両の走行を監視する目的で使用される監視カメラシステムの外観を示す。このカメラシステムは、撮影ユニット2と、撮影ユニット2に組み込まれた複数種類のカメラあるいはカメラモジュールの駆動を制御し、また得られた各画像データを記録する記録装置を内蔵した制御ユニット3と、制御ユニット3に接続された携帯型のパソコン4とから構成される。パソコン4のモニタ4aには、制御ユニット3から出力される編集後の画像信号に基づいて画像表示が行われる。なお、パソコン4の代わりに専用のモニタを接続して画像表示を行うようにしてもよい。 【0011】 撮影ユニット2は制御ユニット3とともに振動吸収作用をもった支持装置により車内に取り付けられ、撮影ユニット2に組み込まれた各種のカメラは自動車のフロントガラスを通して前方を走行する自動車を撮影する。携帯型のパソコン4は例えば助手席のオペレータによって操作され、画像の観察を行うほかキーボードからの入力操作により画像の表示態様やカメラの動作を適宜に切替えることができるようにしてある。パソコン4の代わりに専用のモニタで画像観察を行う場合には、制御ユニット3に設けられた操作パネルを介してカメラの動作や画像の表示態様を切り替えることができる。 【0012】 撮影ユニット2には第一カメラ5、二台のカメラモジュール6a,6bからなる第二カメラ6、三台のカメラモジュール7a,7b,7cからなる第三カメラ7及び、局所カメラ8が組み込まれている。第一〜第三カメラ5〜7は互いに略同じ画角で撮影を行うが、各々の撮影レンズの焦点距離はこの順に焦点距離が長くなっていくように設定され、また最適な撮影距離もこの順で遠くなっていくように撮影レンズのピント設定がなされ、それぞれ適正な撮影距離が異なる三種類のエリア監視カメラとして用いられている。 【0013】 カメラモジュール6a,6bは撮影レンズも含め構造的には全く同一のものであるが、第二カメラ6の撮影エリアを二分して撮影できるように各々の撮影光軸が傾けられている。同様に、カメラモジュール7a,7b,7cも撮影レンズを含め構造的には全く共通のもので、第三カメラ7全体の撮影エリアを三分して撮影できるように互いの撮影光軸は傾けられている。なお、カメラモジュール6a,6b、カメラモジュール7a,7b,7cは垂直方向での視差をなくすために水平に並べられているが、撮影距離に対して相互間隔はごくわずかであるから必ずしも水平配置にこだわらなくてもよい。 【0014】 局所カメラ8は撮影レンズを含めカメラの構造としては第三カメラ7を構成するカメラモジュール7a,7b,7cと全く共通であるが、第三カメラ7の撮影エリア内の局所的な撮影エリアだけを撮影するために、画角だけが個々のカメラモジュールよりも狭められている。なお、監視用途によっては、第三カメラ7を省略して第二カメラ6の撮影エリア内の一部を局所カメラ8で撮影し、さらには第二カメラ6も省略して第一カメラ5の撮影エリア内の一部を局所カメラ8で撮影するようにしてもよい。 【0015】 図2に各カメラの構造を概略的に示す。同図(A)は第一カメラ5を示し、撮影レンズ5cを通過してきた被写体光をイメージセンサ10で光電変換し、撮像信号として出力する。イメージセンサ10にはCCD型あるいはMOS型などの固体撮像素子が用いられる。画角θ1は撮影レンズ5cの焦点距離f1とイメージセンサ10の有効画面サイズによって決められ、この第一カメラ5の画角θ1は第二,第三カメラ6,7の画角よりも大きい。 【0016】 図2(B)は第二カメラ6のカメラモジュール6aを示す。イメージセンサ10は第一カメラ5のものが共通に用いられ、撮影レンズ6cの焦点距離f2は第一カメラ5の焦点距離f1の2倍となっている。画角θ2は、第二カメラ6の撮影エリアを二分して撮影できるように、第一カメラ5の画角θ1の略1/2となっている。 【0017】 図2(C)は第三カメラ7のカメラモジュール7aを示す。撮影レンズ7dの焦点距離f3は第二カメラ6の焦点距離f2の2倍であるが、第三カメラ7の撮影エリアを三等分して撮影することができるように、画角θ3は第一カメラ5の画角θ1の略1/3となっている。このため、イメージセンサ10よりも有効画面サイズが大きいイメージセンサ11が用いられている。なお、第三カメラ7の撮影エリアを四等分する場合には、カメラモジュールが四台必要になるがイメージセンサ10を共用することが可能となる。 【0018】 図2(D)は局所カメラ8を示す。この局所カメラ8にはカメラモジュール7aと同じ撮影レンズ7dが用いられ、またイメージセンサ11も同じものが用いられている。ただしイメージセンサ11の前面に遮光マスク9が設けられ、イメージセンサ11の有効画面サイズをカメラモジュール7aよりも狭く調整してある。したがって、画角θsは画角θ3よりもさらに狭められている。ただしこの局所カメラ8では、遮光マスク9で覆われた画素からの撮像信号は画像信号処理回路18によって電気的に無効化され、AE制御回路21での処理に反映されることはない。そして、この無効化される撮像信号の画素位置情報は、予めEEPROM24に書き込まれている。 【0019】 上記各カメラによる撮影エリアの態様を図3に概略的に示す。画角θ1の第一カメラ5は最適な撮影距離がL1となるようにピント設定され、撮影距離L1における撮影エリアS1が撮影範囲となり、撮影距離L1の前後にまたがって被写界深度d1を有する。画角θ2のカメラモジュール6a,6bは最適な撮影距離がL2となるようにピント合わせされ、破線で示すように第一カメラ5の撮影エリアS1を二分して撮影できるようにそれぞれの撮影光軸が傾けられている。そして、第二カメラ6は全体として撮影エリアS2が撮影距離L2での撮影範囲となり、第二カメラ6もまた撮影距離L2の前後にまたがって被写界深度d2を有している。 【0020】 画角θ3のカメラモジュール7a,7b,7cは、最適な撮影距離がL3となるようにピント設定され、一点鎖線で示すように第二カメラ6の撮影エリアS2を三等分して撮影できるように互いの撮影光軸が傾けられている。第三カメラ7は全体として撮影エリアS3が撮影距離L3での撮影範囲となり、撮影距離L3の前後にまたがるように被写界深度d3を有する。画角θsの局所カメラ8は、カメラモジュール7aと同様、撮影距離L3にピント合わせされ、第三カメラ7の撮影エリアS3に含まれる撮影エリアSsが撮影距離L3での撮影範囲となり、被写界深度もほぼd3と同程度になる。なお、上述した各画角θ1〜θ3及びθsはいずれも水平方向の画角を表しており、垂直方向の画角は、それぞれの最適な撮影距離L1〜L3で撮影した場合を考慮し、監視対象となる被写体の画像サイズがどの程度になるかに応じて適宜に設定される。 【0021】 第一〜第三カメラ5〜7の撮影距離L1〜L3はそれぞれのカメラの撮影レンズの焦点距離f1〜f3に対応し、f1/L1=f2/L2=f3/L3となるように設定されている。例えば、それぞれの撮影レンズの焦点距離f1,f2,f3が50mm、100mm、200mmとすると、それぞれの撮影距離L1,L2,L3は50m、100m、200mとなる。この結果、第一カメラ5で撮影距離L1に位置する被写体を撮影したときの像倍率と、第二カメラ6で撮影距離L2に位置する被写体を撮影したときの像倍率と、第三カメラ7で撮影距離L3に位置する被写体を撮影したときの像倍率は等しくなる。 【0022】 各カメラの被写界深度d1〜d3の幅は、各々の撮影レンズの焦点距離と、設定された最適撮影距離によって変化するほかに、撮影レンズ系内に設けられた絞りの径に依存して変化する。よく知られるように、絞りの開口径を小さくすると被写界深度が大きく改善され、ピントが合っているとみなせる範囲を広げることができる。例えば撮影レンズの焦点距離が50mmの第一カメラ5や焦点距離が100mmの第二カメラ6では、絞りをF4あるいはF5.6程度まで絞れば広範囲の被写界深度を得ることができ、後側被写界深度で無限遠までカバーすることも可能となる。また、第一カメラ5と第二カメラ6、第二カメラ6と第三カメラ7の被写界深度は互いに部分的にオーバーラップしているから、監視対象となる被写体が被写界深度d1〜d3に含まれる撮影距離にあれば、少なくともいずれかのカメラでピントのあった状態で撮影することができる。 【0023】 図4に第一カメラ5の電気的構成の概略を示す。なお、第二カメラ6を構成するカメラモジュール6a,6b、第三カメラ7を構成するカメラモジュール7a,7b,7cもその電気的構成の基本は同様なので図示及び説明は省略する。第一カメラ5は、前述のように焦点距離が50mmの撮影レンズ5cを備え、絞り12を通してイメージセンサ10に被写体像を結像する。イメージセンサ10からの撮像信号はAGCアンプ13により適切なレベルに増幅され、A/Dコンバータ14でデジタル化された撮像信号としてシステムバス15に入力される。 【0024】 こうして入力された撮像信号は、システムコントローラ17の管制下で画像信号処理回路18により周知の画像処理が行われ、所定フォーマットのフレーム単位の画像信号としてフラッシュメモリ20に書き込まれる。AE制御回路21は、フレーム単位で平均測光を行い、画像信号の平均輝度が適正範囲に収まっているか否かを判別し、その判別結果に応じてアイリスドライバ22を介してアイリスモータ22aを駆動し、絞り12の開口径を制御する。このとき絞り12が開き過ぎないように、その最大開口径はEEPROM24に書き込まれた絞り値データによって制限される。そして、その状態で露光量が不足する場合には、システムコントローラ17を介してAGCアンプ13のゲインが調節されるようになっている。 【0025】 AF制御回路25は、よく知られるように画像信号のコントラスト成分に基づいて合焦度合いを評価し、その評価信号をシステムコントローラ17に入力する。システムコントローラ17は、評価信号が最も高くなるようにフォーカスドライバ26を介してフォーカスモータ26aを駆動する。これにより、撮影レンズ5cは画像信号のコントラスト成分が極大となるような位置にフィードバック制御され、自動追従式に撮影レンズ5cは合焦位置に移動される。 【0026】 ただし、このようなAF制御回路25による合焦動作は本発明のカメラシステムでは通常は省略される。そして、EEPROM24に書き込まれた撮影距離L1にピントが合致するように、システムコントローラ17がフォーカスドライバ26,フォーカスモータ26aにより撮影レンズ5cをピントセット位置に移動させ、その後は撮影レンズ5cはそのままの位置に保たれ固定焦点のままで撮影が行われる。なお、第二カメラ6を構成するカメラモジュール6a,6b、第三カメラ7を構成するカメラモジュール7a,7b,7c及び局所カメラ8についても、それぞれ撮影レンズ6c,7dの焦点距離が上記第一カメラの撮影レンズ5cと異なり、またEEPROM24に書き込まれる最適撮影距離L2,L3、絞り値データが異なるだけで、電気的構成は基本的に同様のものとなっている。 【0027】 こうしてカメラごとに得られる画像信号はインタフェース回路28を介して制御ユニット3に入力される。制御ユニット3には、入出力制御回路30,画像合成装置31,記録制御装置32,記録装置33,操作パネル34が設けられ、さらに制御ユニット3にはモニタ4a付きのパソコン4が接続される。入出力制御回路30はカメラごとに設けられているインタフェース回路28との間で画像信号や制御データの入出力を制御する。画像合成装置31は、第一カメラ5,第二カメラ6,第三カメラ7,局所カメラ8からのそれぞれの画像信号を個別に処理し、第二カメラ6及び第三カメラ7については二枚あるいは三枚の画像を一枚の画像に合成する。 【0028】 記録制御装置32は、操作パネル34あるいはパソコン4からの操作入力に応じてDVDレコーダなどの記録装置33の動作制御を行う。記録装置33は、各カメラから得られ必要に応じて一画面分に合成された画像信号を動画記録する。なお、操作パネル34やパソコン4から入力されるレリーズ操作信号、あるいはタイマーで設定された一定時間ごとに出力されるレリーズ信号に応答して静止画の記録を並行して行うことも可能である。 【0029】 以下、上記カメラシステムの作用について説明する。撮影に先立ち、制御ユニット3の操作パネル34あるいはパソコン4からの操作入力により初期設定が行われる。初期設定される項目としては、まず第一カメラ5、第二カメラ6、第三カメラ7の撮影距離L1,L2,L3があり、これらのデータはそれぞれのカメラのEEPROM24に書き込まれる。また、局所カメラ8の最適な撮影距離の設定は、第三カメラ7の撮影距離設定と同時に行われる。システムコントローラ17はこれらの設定データを読み取り、フォーカスドライバ26,フォーカスモータ26aによりそれぞれの撮影レンズを各々の最適な撮影距離L1,L2,L3にピントが合うように位置決めする。 【0030】 各カメラの撮影距離の設定を行った後に、各カメラの水平方向における撮影光軸の傾き調節が行われる。各カメラを保持している撮影ユニット2のベースにはカメラの撮影光軸を水平方向に傾ける調整機構が設けられており、簡便にはモニタ4aに表示される画像を観察しながら前記調整機構をマニュアル操作する。もちろん、この調整機構を電動式にしておけば、最適撮影距離の初期設定が行われた時点で自動的に撮影光軸の向きを調節することも可能となる。なお、垂直方向における撮影光軸の傾きは基本的には各カメラとも水平で構わないが、各カメラの組み付け時における誤差吸収のために垂直方向でも撮影光軸を傾けられるようにしておいてもよい。 【0031】 各カメラのピント設定が初期設定された後、各カメラの絞り12の最大開口径を制限するための絞り値データがEEPROM24に書き込まれる。この絞り12の最大開口径は、撮影レンズの焦点距離と最適撮影距離によって決まる被写界深度を考慮し、図3に示す被写界深度d1,d2,d3がそれぞれ部分的にオーバーラップするように決められる。被写界深度の値は撮影レンズの焦点距離、撮影距離、絞り値から算出することができるので、被写界深度をオーバーラップさせることを条件した計算アルゴリズムを用いれば、絞り値データはマニュアル入力によらずに自動的に設定することも可能となる。 【0032】 絞り12の最大開口径を決める絞り値の値としては、第一カメラ5ではF4、標第二カメラ6,第三カメラ7,局所カメラ8ではF5.6程度に設定しておけば、例えば夜間のように極端に明るさが不足する状況を除けば、図3に示すように互いにオーバーラップする被写界深度d1,d2,d3を確保したうえで、ほぼ適正露光で撮影を行うことができる。また、明るい日中での撮影時にはアイリスモータ22aにより絞り12が絞り込まれるため、第一カメラ5や第二カメラ6では無限遠まで被写界深度内に収めることもできる。なお、EEPROM24に書き込まれた絞り値データによって絞り12の最大開口径が制限され、その状態でも明るさが不足したような場合には、AGCアンプ13が有効に作用して露光アンダーを防ぐ。 【0033】 モニタ4aには、第一カメラ5、カメラモジュール6a,6b、カメラモジュール7a,7b,7c、局所カメラ8からの画像をそのまま配列して表示することも可能であるが、好ましくは図5のモニタ画面4bに示すように、第一カメラ5からの画像45と、カメラモジュール6a,6bからの画像46a,46bを一枚に合成した標準合成画像46と、カメラモジュール7a,7b,7cからの画像47a,47b,47cを一枚に合成した合成画像47と、局所カメラ8による局所画像48とがモニタ画面4b上に配列して表示される。なお、モニタ画面4bには撮影年月日及び時刻を表すデート情報49と、制御ユニット3に組み込まれたGPS装置から得られる緯度及び経度を表す位置情報50とが刻々と表示され、動画像データとともに記録装置33によって記録媒体に記録される。 【0034】 画像合成処理では、合成対象となる各画像相互間の境界をパターン認識で識別して適切な境界ラインでトリミングしてから結合処理することによって行われる。合成される各画像は別々のカメラによって個別に露光制御されているので境界部分で濃度差が生じやすくなるが、簡便にはそのまま結合してもよい。また、スムージング処理を行って境界部分の濃度差が目立たないようにグラデーション調整し、あるいは個々の画像の濃度を平均化して結合した画像全体の濃度を調節することも可能である。 【0035】 上記監視カメラシステムを用い、路上を走行する特定の車両Tを監視対象として継続的に撮影を行っている間のモニタ画面4bの一例は図5に示すとおりである。図5は、遠方から車両Tを撮影しながら車両ナンバーをチェックするときの状況を示すもので、このような状況下では焦点距離が最も長い第三カメラ7の撮影距離L3に近い車間距離を維持しながら撮影が行われる。この撮影距離L3は撮影距離L1,L2よりもかなり遠距離であるから、第一カメラ5や第二カメラ6から得られる車両Tの画像サイズは図示のようにかなり小さくなり、たとえ車両Tが第一,第二カメラの被写界深度内に入っていたとしても車両ナンバーの確認までは困難である。 【0036】 第三カメラ7の画像47では、画像サイズとしては車両ナンバーの確認も十分なものとなっているが、車両Tの画像はカメラモジュール7bで撮影されたものである。ところが、 カメラモジュール7bのAE制御回路21は、他のカメラやカメラモジュールとは無関係に、個別に撮影している一画面全体の平均の明るさが適正レベルとなるようにいわゆる平均測光式で露光制御を行っている。このため、その画像47b内にトンネル内部の暗部が広がってくると、画像47b全体の露光量を増やすように絞り12の開口径を大きくし、絞り12の開口径が大きくなり過ぎてEEPROM24の絞り値データによる制限がかかった後はAGCアンプ13で撮像信号の増幅が行われ、画像47bが全体に明るくなるように制御される。 【0037】 ところが、もともと車両T自体はまだトンネルに入る手前で十分に明るい状態であるから、上記のように画像47bが全体的に明るくなるように露光調節されるとかなりの露光オーバーとなり、極端な場合にはいわゆる白トビが生じて車両ナンバーを視認可能な画像として捉えることができなくなる。こうした問題は、任意にフレーミングを行うことができる一般のデジタルカメラと異なり、決められた撮影エリア内のどの位置に監視対象となる車両Tがくるか不定のまま使用される車載型あるいは固定設置型の監視カメラでは回避することが難しい。そして、このような事態は必ずしも全画面平均測光による露光制御だけでなく、画面の中央エリアだけを測光する中央スポット測光や、画面の周辺部から中央部に向かって大きくなるように重み付けして測光を行うマルチパターン式の中央重点測光でも生じる可能性が高い。 【0038】 このような場合、第三カメラ7の撮影エリアS3に含まれる局所部分を専用の局所カメラ8でさらに撮影しておくことが有効となる。図示のように、局所カメラ8の撮影エリアSsはカメラモジュール7bの撮影範囲に対して十分狭く、かつ狭すぎないサイズにしてあるため、その撮影範囲内に確実に車両Tを捉え、かつトンネルの暗部の面積は撮影画面内からかなり削減される。したがって、局所カメラ8でも同様の自動露光制御のもとで撮影を行っても車両Tが極端な露光オーバーで撮影されることはなく、車両ナンバーの確認も容易となる。しかもその画像は、画像47bの一部を切り出して画像サイズを維持したものとなるから、図示のように単に画像を並べて表示しても観察にとまどうことはない。 【0039】 なお、局所カメラ8の撮影エリアSsのサイズ及び位置は予め決められているから、画像合成装置31を用いて局所カメラ8で撮影された局所画像48をカメラモジュール7bで撮影された画像47bの中に嵌め込み合成することも可能である。この場合、局所画像48の明るさがその周囲の画像47bと異なって不自然になることが懸念されるが、監視対象となる車両Tはほぼ適正な明るさの画像となっているから、実用上の問題はない。なお、車両Tがトンネル内を走行して出口にさしかかったときには、逆の自動露光制御が行われ車両Tが露光アンダーとなるような撮影が行われるが、この場合でもこのカメラシステムが有効に作用することはもちろんである。 【0040】 以上のように、路上における自動車の走行監視のためにこのカメラシステムを車載型で使用する場合には、トンネルの存在により望遠カメラの撮影エリア内で極端な輝度変化が生じることが予測される。そして、第三カメラ7全体で撮影すべき撮影エリアS3内で自動車がどの程度の画像サイズになるかはカメラモジュール7bの焦点距離と最適撮影距離L3とから算出することができ、また自動車が極端な露光オーバーや露光アンダーになることを防ぐには、局所カメラ8の撮影エリアSsをどの程度のサイズにし、またカメラモジュール7bの画面内のどの位置に設定しておけばよいのかは模擬的に確認しておくことができる。 【0041】 例えば上記実施形態のように、例えば局所カメラ8の撮影エリアSsのサイズはカメラモジュール7bの画面サイズの30〜60%とし、その位置は水平方向では画像47bの中央に合わせ、垂直方向では20〜30%程度下方に寄せるなどの設定を行っておけば、各カメラとも通常のAE制御回路21をもつ一般的なカメラを用いながらも、撮影中に監視対象となっている被写体の細部情報が露光オーバーや露光アンダーで欠落するという問題を回避することができる。 【0042】 さらに、夕暮れや夜間の撮影時には、対向車のヘッドライト、街路灯や商店街からの照明などが監視対象となっている自動車の周囲の明るさを大きく変化させることが懸念されるが、上記構成によればその影響も少なからず低減させることができるようになる。なお、本実施形態で説明した車載型路上監視装置の場合、例えば局所カメラ8を三台用意し、カメラモジュール7a,7b,7cの各々に局所カメラ8の撮影エリアSsを設定することも可能である。また、本発明の監視カメラシステムは、車載型に限らず固定設置型の監視カメラにも等しく適用することができる。固定設置型の監視カメラでは、上記実施形態のように第一〜第三の三種類のエリア監視カメラを要しないことも多い。この場合には、一台のエリア監視カメラと局所カメラとの組み合わせで本発明システムを構成してもよい。 【0043】 上記実施形態では、カメラモジュール7bの撮影範囲に含まれる一部を局所カメラ8による撮影エリアSsとして設定しているが、例えばカメラモジュール7aとカメラモジュール7bのそれぞれの撮影範囲に跨がって局所カメラ8の撮影エリアSsを設定することも可能である。さらに、図6に示すように、エリア監視カメラの撮影エリア60を四台のカメラモジュールを用いて撮影し、各々の撮影画面60a,60b,60c,60dを合成してエリア監視カメラの画像を構成した場合、局所カメラの撮影エリア62を図示のような位置に設定することもできる。また図7に示すように、四台のカメラモジュールから得られる画像64a,64b,64c,64dを図示のように組み合わせ、画像合成及びトリミング処理によってエリア監視カメラの撮影エリア64を構成するとともに、各々のカメラモジュールの撮影範囲で囲まれたエリアを局所カメラの撮影エリアSsとして撮影し、画像としては全体として一画面構成にすることも可能である。 【0044】 以上、図示した実施形態をもとに本発明について説明してきたが、エリア監視カメラに用いられている撮影レンズの焦点距離や画角、最適撮影距離、絞り値などの具体的な値はあくまで例示的に挙げたもので、監視カメラシステムの用途や使用形態に応じてこれらは適宜に変更してもよい。また、局所カメラの撮影エリアのサイズや位置についても、予め想定される輝度変化の態様を考慮して適宜に変更が可能であり、局所カメラについては撮影光軸をマニュアルあるいは電動式で任意に変更できるようにすることも効果的である。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】本発明を用いた監視カメラシステムの外観図である。 【図2】エリア監視カメラ及び局所カメラの構成を示す概略断面図である。 【図3】各カメラの画角及び撮影エリアを示す説明図である。 【図4】監視カメラシステムの電気的構成の概略を示すブロック図である。 【図5】車両を監視対象としたときの撮影画像の一例を示す説明図である。 【図6】撮影エリアの別の例を示す説明図である。 【図7】撮影エリアのさらに別の例を示す説明図である。 【符号の説明】 【0046】 2 撮影ユニット 3 制御ユニット 4 パソコン 4a モニタ 4b モニタ画面 5 第一カメラ 6a,6b カメラモジュール(第二カメラ) 7a,7b,7c カメラモジュール(第三カメラ) 8 局所カメラ 10,11 イメージセンサ 12 絞り
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005430 【氏名又は名称】フジノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月31日(2006.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075281 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 和憲
【識別番号】100095234 【弁理士】 【氏名又は名称】飯嶋 茂
【識別番号】100117536 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 英了
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| 【公開番号】 |
特開2008−60947(P2008−60947A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−235885(P2006−235885) |
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