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【発明の名称】 ダイバーシチ受信装置
【発明者】 【氏名】新井 康晴

【氏名】城杉 孝敏

【要約】 【課題】地上デジタル放送に対するダイバーシチ受信において、12セグ放送から1セグ放送に切替えた場合に最適な受信ができるようにする。

【構成】アンテナ2bで受信されたOFDM信号の位相を移相器14で移相してアンテナ2aの受信信号と混合し、ミキサ13によりIF信号に変換する。このIF信号は、バンドパスフィルタ16、A/D変換器17、FFT部20を介して復調部21へ出力する。受信状態監視部18は、バンドパスフィルタ16の出力信号を監視し、受信状態に応じて12セグ/1セグ切替制御部26により切替器22a、22bを切替え、A/D変換器17の出力を12セグ用デジタルフィルタ23又は1セグ用デジタルフィルタ24を介して取り出す。位相制御部25は、フィルタ23又はフィルタ24から出力される信号の電力を測定すると共に位相を算出し、上記測定電力が高くなるように移相器14を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のOFDM信号の位相を移相する移相器と、
前記複数のアンテナで受信された信号を前記移相器で移相された信号を含んで合成する合成器と、
前記合成器で合成された受信信号の状態を監視する受信状態監視部と、
前記合成器で合成された受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器の出力信号から12セグメント放送信号を選択する12セグメント用デジタルフィルタと、
前記A/D変換器の出力信号から1セグメント放送信号を選択する1セグメント受信用のデジタルフィルタと、
前記受信状態監視部の監視結果に基づき、12セグメント放送が受信可能な状態では前記12セグメント用デジタルフィルタを選択し、12セグメント放送が受信不可能な状態では前記1セグメント用デジタルフィルタを選択する切替手段と、
前記切替手段により選択された12セグメント用デジタルフィルタあるいは1セグメント用デジタルフィルタから出力される信号の電力を測定すると共に位相を算出し、前記測定電力が高くなるように前記移相器を制御する位相制御部とを具備することを特徴とするダイバーシチ受信装置。
【請求項2】
複数のアンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のOFDM信号の位相を移相する移相器と、
前記複数のアンテナで受信された信号を前記移相器で移相された信号を含んで合成する合成器と、
前記合成器で合成された受信信号の状態を監視する受信状態監視部と、
前記合成器で合成された受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器で変換されたデジタル信号を高速フーリエ変換するFFT部と、
前記FFT部の出力信号から12セグメント受信信号の電力を測定する12セグメント用電力測定部と、
前記FFT部の出力信号から1セグメント受信信号の電力を測定する1セグメント用電力測定部と、
前記受信状態監視部の監視結果に基づき、12セグメント放送が受信可能な状態では前記12セグメント用電力測定部を選択し、12セグメント放送が受信不可能な状態では前記1セグメント用電力測定部を選択する切替手段と、
前記切替手段により選択された12セグメント用電力測定部あるいは1セグメント用電力測定部で測定された信号の位相を算出し、前記電力測定部における測定電力が高くなるように前記移相器を制御する位相算出部とを具備することを特徴とするダイバーシチ受信装置。
【請求項3】
複数のアンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のOFDM信号の位相を移相する移相器と、
前記複数のアンテナで受信された信号を前記移相器で移相された信号を含んで合成する合成器と、
前記合成器で合成された受信信号の状態を監視する受信状態監視部と、
前記合成器に接続され、1チャンネル分の通過帯域を有するバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタの出力信号から12セグメント放送信号を選択する12セグメント用フィルタと、
前記バンドパスフィルタの出力信号から1セグメント放送信号を選択する1セグメント用フィルタと、
前記受信状態監視部の監視結果に基づき、12セグメント放送が受信可能な状態では前記12セグメント用フィルタを選択し、12セグメント放送が受信不可能な状態では前記1セグメント用フィルタを選択する切替手段と、
前記切替手段により選択された12セグメント用フィルタあるいは1セグメント用フィルタから出力される信号の電力を測定すると共に位相を算出し、前記測定電力が高くなるように前記移相器を制御する位相制御部とを具備することを特徴とするダイバーシチ受信装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フェージングの影響を軽減して最適な等利得合成を行うダイバーシチ受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
変調方式に直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いたシステム、例えば地上デジタル放送といったシステムの車載用のダイバーシチ受信装置(移動体通信)においては、受信地点が移動することによるフェージングが問題となることから、通信品質を高めるために複数のアンテナを用いたダイバーシチ受信が行われる。
【0003】
一般的には、複数のアンテナのうち1つ以上について受信されるOFDM信号の位相を移相器により移相して、これら複数のアンテナにより受信されるOFDM信号を合成し、前記合成されたOFDM信号のレベル検出結果に基づいて前記移相器により移相する位相の量を切替て合成電力が高くなるように移相器の位相を制御する等利得合成が行われる。
【0004】
図5は地上デジタル放送に対するダイバーシチ受信において、車両に複数のアンテナを装着した状態を示す斜視図、図6は等利得合成機能を備えた従来の車載用ダイバーシチ受信装置の構成図である。
【0005】
図5に示すように車両1には、後部ウインドウ等に複数例えば2つのダイバーシチ受信用のアンテナ2a、2bが装着される。
【0006】
そして、図6の車載用ダイバーシチ受信装置に示すように、上記アンテナ2a、2bで受信された信号は合成器3で合成されてミキサ4に入力される。この場合、一方のアンテナ例えばアンテナ2bと合成器3との間に移相器5が設けられる。
【0007】
また、上記ミキサ4には、局部発振器6から局部発振信号が与えられる。ミキサ4は、合成器3で合成された信号と局部発振器6から与えられる局部発振信号とを混合して例えば中心周波数37MHzのIF信号(中間周波信号)に変換する。このIF信号は、約6MHzの通過帯域幅を有するバンドパスフィルタ(BPF)7を介して取り出され、位相制御部8及び復調部9に入力される。上記バンドパスフィルタ(BPF)7は、IF信号の中心周波数に対して1チャンネルの帯域幅である±3MHzのみを通過させる特性を有する
上記位相制御部8は、バンドパスフィルタ7の出力信号に基づいて移相器5を制御する。復調部9は、チャンネル操作により選択されたチャンネルの信号に対する復調処理を行う上記復調部9で復調された信号は、後段の処理部(図示せず)へ送られて画像及び音声として出力される。上記局部発振器6は、選局制御部(図示せず)からのチャンネル情報に従って局部発振周波数を切替え、選択されたチャンネルの信号がミキサ4で所定のIF信号に変換されるように動作する。
【0008】
上記の構成において、アンテナ2aで受信されたOFDM信号は、アンテナ2bで受信されて移相器5で位相制御されたOFDM信号と合成器3により合成される。ミキサ4は、上記合成器3で合成された信号と局部発振器6から与えられる局部発振信号とを混合してIF信号に変換する。
【0009】
上記ミキサ4から出力されるIF信号は、バンドパスフィルタ7により帯域外の不要な信号成分が除去されて位相制御部8及び復調部9へ送られる。
【0010】
位相制御部8は、バンドパスフィルタ7を通過した信号を利用し、アンテナ2a、2bでそれぞれ受信された信号に対して合成電力が高くなるように移相器5を制御し、等利得合成を行う。この場合、位相制御部8は、例えば位相を切替える直前、直後の短時間に受信信号の電力を測定し、位相の変化分と電力の変化分から例えば最急降下法を用いて逐次的に位相を制御する。
【0011】
そして、上記バンドパスフィルタ7から出力される信号を復調部9に入力することで画像及び音声を得ている。
【0012】
上記のように従来の車載用ダイバーシチ受信装置は、IF信号をバンドパスフィルタ7を介して位相制御部8に入力し、アンテナ2a、2bで受信された信号に対して合成電力が高くなるように移相器5の移相量を制御し、等利得合成を行っている。
【0013】
また、近年、車載向けの地上デジタル放送用受信機に対して、受信状態の劣化により通常の12セグメント放送(以下、12セグ放送と略称する)が受信不可となった場合に、自動的にフェージングに強い方式で変調された1セグメント放送(以下、1セグ放送と略称する)の受信に切替える技術が検討されている(例えば、非特許文献1参照。)。日本の地上デジタル放送規格ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式では、1チャンネル6MHzの帯域を固定受信向けの12セグと、携帯受信向けの1セグとに分けて伝送することができるようになっている。
【非特許文献1】佐藤義人、他、“H.264対応階層伝送方式を応用した12セグ1セグ切替え端末の開発”、2005映像情報メディア学会年次大会、5-2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
一般的なダイバーシチ受信機では、通常状態では12セグ放送を受信可能とするために図6に示したように約6MHzの通過帯域を持つバンドパスフィルタ7が使用される。このように6MHzの通過帯域を持つバンドパスフィルタ7が使用された構成において、非特許文献1に示したような切替制御を行う機能を追加した場合、以下のような問題が発生する。
【0015】
12セグ放送を受信している状態で受信状態が劣化し、12セグ放送から1セグ放送に切替えた場合を考える。
【0016】
図7(a)は12セグ放送の帯域、同図(b)は1セグ放送の帯域を示している。12セグ放送では、1チャンネルの帯域である6MHz(5.6MHz)を13セグメントに分け、そのうちの12セグメントを使用している。この場合、1セグメントの帯域は約429kHzである。1セグ放送では、上記13セグメントのうち、中央の1セグメントS1を使用している。
【0017】
従って、1セグ放送は、1チャンネルの帯域内が13個に分割されたセグメントのうち中央のセグメントのみを受信すればよいため、位相制御部8はこの中央のセグメントの電力が最大になるように制御する必要がある。
【0018】
しかし、6MHzの通過帯域を持つバンドパスフィルタ7を通過した信号に対して電力が最大になるように位相を制御した場合、図8の特性a、bに示すように6MHz全体の電力は高くなるが、伝搬路が周波数選択性フェージングの場合、所望帯域である中央のセグメントS1の電力が最大になるように制御されるとは限らない。図8において、aは位相制御前の特性、bは位相制御後の特性、Wは1セグ放送帯域を示している。
【0019】
上記のように6MHzの通過帯域を持つバンドパスフィルタ7を使用し、かつセグメント切替制御を行う機能を追加した場合、位相制御によって1セグ放送の帯域の電力が逆に減少する可能性があるという問題がある。
【0020】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、地上デジタル放送に対するダイバーシチ受信において、受信状態に応じて12セグ放送から1セグ放送に切替えた場合においても、1セグ放送の帯域の電力が高くなるように制御することができる地上デジタル放送受信用のダイバーシチ受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の発明は、複数のアンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のOFDM信号の位相を移相する移相器と、前記複数のアンテナで受信された信号を前記移相器で移相された信号を含んで合成する合成器と、前記合成器で合成された受信信号の状態を監視する受信状態監視部と、前記合成器で合成された受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器の出力信号から12セグメント放送信号を選択する12セグメント用デジタルフィルタと、前記A/D変換器の出力信号から1セグメント放送信号を選択する1セグメント受信用のデジタルフィルタと、前記受信状態監視部の監視結果に基づき、12セグメント放送が受信可能な状態では前記12セグメント用デジタルフィルタを選択し、12セグメント放送が受信不可能な状態では前記1セグメント用デジタルフィルタを選択する切替手段と、前記切替手段により選択された12セグメント用デジタルフィルタあるいは1セグメント用デジタルフィルタから出力される信号の電力を測定すると共に位相を算出し、前記測定電力が高くなるように前記移相器を制御する位相制御部とを具備することを特徴とする。
【0022】
第2の発明は、複数のアンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のOFDM信号の位相を移相する移相器と、前記複数のアンテナで受信された信号を前記移相器で移相された信号を含んで合成する合成器と、前記合成器で合成された受信信号の状態を監視する受信状態監視部と、前記合成器で合成された受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器で変換されたデジタル信号を高速フーリエ変換するFFT部と、前記FFT部の出力信号から12セグメント受信信号の電力を測定する12セグメント用電力測定部と、前記FFT部の出力信号から1セグメント受信信号の電力を測定する1セグメント用電力測定部と、前記受信状態監視部の監視結果に基づき、12セグメント放送が受信可能な状態では前記12セグメント用電力測定部を選択し、12セグメント放送が受信不可能な状態では前記1セグメント用電力測定部を選択する切替手段と、前記切替手段により選択された12セグメント用電力測定部あるいは1セグメント用電力測定部で測定された信号の位相を算出し、前記電力測定部における測定電力が高くなるように前記移相器を制御する位相算出部とを具備することを特徴とする。
【0023】
第3の発明は、複数のアンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のOFDM信号の位相を移相する移相器と、前記複数のアンテナで受信された信号を前記移相器で移相された信号を含んで合成する合成器と、前記合成器で合成された受信信号の状態を監視する受信状態監視部と、前記合成器に接続され、1チャンネル分の通過帯域を有するバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタの出力信号から12セグメント放送信号を選択する12セグメント用フィルタと、前記バンドパスフィルタの出力信号から1セグメント放送信号を選択する1セグメント用フィルタと、前記受信状態監視部の監視結果に基づき、12セグメント放送が受信可能な状態では前記12セグメント用フィルタを選択し、12セグメント放送が受信不可能な状態では前記1セグメント用フィルタを選択する切替手段と、前記切替手段により選択された12セグメント用フィルタあるいは1セグメント用フィルタから出力される信号の電力を測定すると共に位相を算出し、前記測定電力が高くなるように前記移相器を制御する位相制御部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、地上デジタル放送に対するダイバーシチ受信において、受信状態監視部でデジタル放送の受信状態を常時監視し、受信状態に応じて12セグメント放送あるいは1セグメント放送に適した回路構成に切替えることにより、受信状態が悪化して12セグメント放送から1セグメント放送に切替えた場合においても、1セグメント放送に対する帯域内の受信電力が高くなるように位相制御して最適な等利得合成を行うことができ、安定した受信画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る地上デジタル放送受信用のダイバーシチ受信装置の構成図である。このダイバーシチ受信装置は、移動体例えば車両に搭載して使用される。移動体には複数例えば2つのダイバーシチ受信用アンテナ2a、2bが設けられ、その受信信号、すなわちOFDM受信信号はダイバーシチ受信装置の入力端子11a、11bに入力される。この入力端子11a、11bに入力されたアンテナ受信信号は、合成器12で合成された後、ミキサ13に入力される。この場合、一方の入力端子例えば入力端子11bと合成器12との間に移相器14が設けられる。すなわち、複数のアンテナで地上デジタル放送を受信する際、各アンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のOFDM信号の位相を移相器により制御する。
【0027】
また、上記ミキサ13には、局部発振器15から局部発振信号が与えられる。ミキサ13は、上記合成器12で合成された受信信号と局部発振器15から与えられる局部発振信号とを混合して例えば中心周波数37MHzのIF信号(中間周波信号)に変換する。このIF信号は、中心周波数に対して約±3MHzの通過帯域幅を有するバンドパスフィルタ(BPF)16を介して取り出され、A/D(アナログ/デジタル)変換器17及び受信状態監視部18へ送られる。
【0028】
上記A/D変換器17から出力されるデジタル信号は、高速フーリエ変換を行うFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部20を介して復調部21へ送られる。復調部21は、チャンネル操作により選択されたチャンネルの信号に対する復調処理を行う。局部発振器15は、選局制御部(図示せず)からのチャンネル情報に従って局部発振周波数を切替え、選択指定されたチャンネルの信号がミキサ13で所定のIF信号に変換されるように動作する。
【0029】
また、上記A/D変換器17から出力されるデジタル信号は、切替器22aを介して12セグ(12セグメント)用デジタルフィルタ23あるいは1セグ(1セグメント)用デジタルフィルタ24に入力される。上記12セグ用デジタルフィルタ23は、12セグの帯域幅が約6MHzであるので、IF信号の中心周波数に対して約±3MHzの通過帯域を有するものが使用される。また、1セグ用デジタルフィルタ24は、1セグの帯域幅が約429kHzであるので、IF信号の中心周波数に対して約±250kHzの通過帯域を有するものが使用される。
【0030】
上記12セグ用デジタルフィルタ23と1セグ用デジタルフィルタ24の出力信号は、切替器22bにより切替えられて位相制御部25へ送られる。上記切替器22a、22bは、12セグ/1セグ切替制御部26により連動して切替えられる。
【0031】
一方、上記受信状態監視部18は、バンドパスフィルタ16から出力される受信信号を監視し、通常の受信状態、すなわち12セグ放送が受信可能な場合は、12セグ/1セグ切替制御部26に12セグ放送受信を行うように指示し、受信状態が劣化して12セグ放送の受信が不可能となった場合は12セグ/1セグ切替制御部26に1セグ放送受信を行うように指示する。
【0032】
12セグ/1セグ切替制御部26は、受信状態監視部18からの指示に従って切替器22a、22bを切替え制御すると共に、復調部21に12セグ放送の復調処理あるいは1セグ放送の復調処理を指示する。
【0033】
そして、上記位相制御部25は、切替器22a、22bにより切替えられた12セグ用デジタルフィルタ23あるいは1セグ用デジタルフィルタ24から出力される信号の電力を測定すると共に位相を算出し、12セグ用デジタルフィルタ23あるいは1セグ用デジタルフィルタ24で選択される信号の電力が高くなるように移相器14を制御する。上記位相制御部25は、例えば位相を切替える直前、直後の短時間に電力を測定し、位相の変化分と電力の変化分から例えば最急降下法等を用いて逐次的に位相を制御する。
【0034】
また、上記位相制御部25における位相制御動作は、従来から一般に知られている技術であり、例えば特開2003−243959号公報等に記載されている技術を用いて行うことができる。
【0035】
上記の構成において、アンテナ2aで受信されたOFDM信号は、アンテナ2bで受信されて移相器14で位相制御されたOFDM信号と合成器12で合成される。この合成された受信信号は、ミキサ13に入力され、局部発振器15から出力される局部発振信号と混合されて例えば中心周波数37MHzのIF信号に変換される。このIF信号は、バンドパスフィルタ16を介して取り出され、受信状態監視部18へ送られると共に、A/D変換器17によりアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0036】
上記受信状態監視部18は、バンドパスフィルタ16から出力される受信信号を監視し、通常の受信状態、すなわち12セグ放送が受信可能な場合は、12セグ/1セグ切替制御部26に12セグ放送受信を行うように指示する。12セグ/1セグ切替制御部26は、受信状態監視部18からの指示に従って切替器22a、22bを12セグ用デジタルフィルタ23側に切替えると共に、復調部21に12セグ放送の復調処理を指示する。
【0037】
この結果、A/D変換器17でデジタル信号に変換された信号は、12セグ用デジタルフィルタ23を介して取り出され、位相制御部25へ送られる。位相制御部25は、上記12セグ用デジタルフィルタ23から出力される信号の電力を測定すると共にその位相を算出し、この12セグ用デジタルフィルタ23から出力される信号の電力が高くなるように移相器14を制御する。
【0038】
また、上記A/D変換器17から出力されるデジタル信号は、FFT部20でFFTされると共に復調部21で復調され、後段の処理部(図示せず)へ送られて画像及び音声として出力される。
【0039】
上記デジタル放送を受信している間、受信状態監視部18は受信状態を常に監視している。そして、上記12セグ放送を受信している状態において、受信状態が悪化し、12セグ放送の受信が不可能となった場合、受信状態監視部18は12セグ/1セグ切替制御部26に対して12セグ放送の受信から1セグ放送の受信に切替えるように指示する。
【0040】
12セグ/1セグ切替制御部26は、受信状態監視部18からの指示に従って切替器22a、22bを12セグ用デジタルフィルタ23から1セグ用デジタルフィルタ24に切替えると共に、復調部21に1セグ放送の復調処理を指示する。
【0041】
上記切替器22a、22bの切替えによって、A/D変換器17から出力される受信信号(デジタル)は、1セグ用デジタルフィルタ24を介して位相制御部25へ送られる。
【0042】
位相制御部25は、上記1セグ用デジタルフィルタ24から出力される受信信号の電力を測定すると共に位相を算出し、1セグ用デジタルフィルタ24で選択される信号の電力が高くなるように移相器14を制御する。
【0043】
一方、復調部21は、12セグ/1セグ切替制御部26からの指示に従って1セグ放送に対する復調処理を行って後段の処理部へ出力する。
【0044】
上記のように受信状態監視部18でデジタル放送の受信状態を常時監視し、受信状態に応じて12セグ放送あるいは1セグ放送に適した回路構成に切替えることにより、受信状態が悪化して1セグ放送に切替えた場合においても、1セグ放送に対する帯域内の受信電力が高くなるように位相制御して最適な等利得合成を行うことができ、安定した受信画像を得ることができる。
【0045】
なお、上記第1実施形態では、受信状態に応じて12セグ用デジタルフィルタ23と1セグ用デジタルフィルタ24とを切替えるブロックで説明したが、デジタルフィルタの帯域の切替は、デジタルフィルタのタップ係数を変更することで実質的に上記説明と等価なフィルタの帯域切替が可能である。その他、固定タップのデジタルフィルタを使用する場合は、例えば通常の受信状態では12セグ用デジタルフィルタ23を使用してダイバーシチ受信制御を行い、受信状態が悪化して12セグ放送を受信できなくなった場合に12セグ用デジタルフィルタ23に対して1セグ用デジタルフィルタ24を直列に接続してダイバーシチ受信制御を行うようにしても良い。12セグ用デジタルフィルタ23に対して1セグ用デジタルフィルタ24を直列に接続しても、1セグ用デジタルフィルタ24を単独に使用した場合と同じ通過帯域となるので、12セグ用デジタルフィルタ23と1セグ用デジタルフィルタ24とを切替えて使用する場合と同じ理動作を行わせることができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係るダイバーシチ受信装置の構成を示すブロック図である。この第2実施形態に係るダイバーシチ受信装置は、図2に示すようにFFT部20の出力信号を利用して受信信号の位相制御を行うようにしたもので、その他の構成は第1実施形態と同様の構成であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
第2実施形態に係るダイバーシチ受信装置は、FFT部20の出力信号を位相制御部25Aに入力している。この位相制御部25Aは、切替器31a、31b、12セグ用電力測定部32、1セグ用電力測定部33、位相算出部34により構成される。上記FFT部20の出力信号は、切替器31aにより切替えられて12セグ用電力測定部32あるいは1セグ用電力測定部33に入力される。上記12セグ用電力測定部32と1セグ用電力測定部33の出力信号は、切替器31bにより切替えられて位相算出部34に入力される。
【0048】
上記切替器31a、31bは、12セグ/1セグ切替制御部26により連動して切替えられる。そして、上記切替器31a、31bにより選択された12セグ用電力測定部32あるいは1セグ用電力測定部33の出力信号が位相算出部34へ送られる。位相算出部34は、上記12セグ用電力測定部32あるいは1セグ用電力測定部33で測定された信号の位相を算出し、その算出結果に基づいて移相器14を制御する。
【0049】
上記の構成において、アンテナ2a、2bで受信された信号は、合成器12で合成されてミキサ13に入力され、局部発振器15から出力される局部発振信号と混合されてIF信号に変換される。このIF信号は、バンドパスフィルタ16を介して取り出され、A/D変換器17によりデジタル信号に変換される。このA/D変換器17から出力されるデジタル信号は、FFT部20によりFFT処理されて時間信号から周波数信号に変換される。
【0050】
図3はOFDM信号において、キャリア数5,617本の信号を8,192ポイントでFFT処理した場合の周波数信号の絶対値を示したものである。
【0051】
上記FFT部20から出力される周波数信号は、位相制御部25Aへ送られ、切替器31a、31bにより切替えられて12セグ用電力測定部32あるいは1セグ用電力測定部33に入力される。
【0052】
1セグ放送に対応するキャリア番号は図3からも分かるように±216のため、1セグ用電力測定部33では、例えば以下に示す(1)式により電力を算出する。
【数1】


【0053】
また、12セグ放送に対応するキャリア番号は±2808のため、12セグ用電力測定部32では、例えば以下に示す(2)式により電力を算出する。
【数2】


【0054】
なお、上記(1)式、(2)式ではそれぞれ該当するキャリア番号範囲内の全てのデータの絶対値の2乗を加算処理しているが、必ずしも2乗でなくても良く、信号レベルに比例した値を加算処理すれば良い。また、加算処理ではなく平均化処理でも良い。更に、全てのデータを使わずに適当に間引いても良い。
【0055】
上記位相制御部25Aは、受信状態監視部18の監視結果に基づいて12セグ/1セグ切替制御部26により切替器31a、31bが切替えられ、12セグ用電力測定部32あるいは1セグ用電力測定部33によって電力測定が行われる。
【0056】
すなわち、受信状態監視部18の監視によって受信状態が良好で12セグ放送の受信が可能であると判断された場合は、切替器31a、31bにより12セグ用電力測定部32側が選択され、12セグ放送に対する受信電力が測定されて位相算出部34へ送られる。位相算出部34は、12セグ放送の受信信号の位相を算出し、12セグ用電力測定部32で測定される信号の電力が高くなるように移相器14を制御する。
【0057】
また、受信状態が悪化して12セグ放送の受信が不可能となった場合は、切替器31a、31bにより1セグ用電力測定部33が選択され、1セグ放送に対する受信電力が測定されて位相算出部34へ送られる。位相算出部34は、1セグ放送の受信信号の位相を算出し、1セグ用電力測定部33で測定される信号の電力が高くなるように移相器14を制御する。
【0058】
そして、上記FFT部20でFFTされた信号は、復調部21で復調処理されて後段の処理部へ送られ、画像及び音声として出力される。
【0059】
上記のように受信状態監視部18でデジタル放送の受信状態を常時監視し、受信状態に応じて切替器31a、31bにより12セグ用電力測定部32あるいは1セグ用電力測定部33を選択して電力測定を行う共に位相算出部34で信号の位相を算出し、受信信号の電力が高くなるように移相器14を制御することにより、受信状態が悪化して1セグ放送に切替えた場合においても、1セグ放送に対する帯域内の受信電力が高くなるように位相制御して最適な等利得合成を行うことができ、安定した受信画像を得ることができる。
【0060】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係るダイバーシチ受信装置の構成を示すブロック図である。この第3実施形態に係るダイバーシチ受信装置は、バンドパスフィルタ16の出力信号を利用して受信信号の位相制御を行うようにしたもので、その他の構成は第1実施形態と同様の構成であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
第3実施形態に係るダイバーシチ受信装置は、バンドパスフィルタ16の出力信号を切替器22aにより切替えて12セグ用バンドパスフィルタ(BPF)41あるいは1セグ用バンドパスフィルタ(BPF)42に入力している。上記12セグ用バンドパスフィルタ41は、IF信号の中心周波数に対して約±3MHzの通過帯域を持つアナログフィルタであり、1セグ用バンドパスフィルタ42は、IF信号の中心周波数に対して約±250kHzの通過帯域を持つアナログフィルタである。
【0062】
上記12セグ用バンドパスフィルタ41と1セグ用バンドパスフィルタ42の出力信号は、切替器22bにより切替えられて位相制御部25Bへ送られる。この位相制御部25Bは、切替器22a、22bにより切替えられた12セグ用バンドパスフィルタ41あるいは1セグ用バンドパスフィルタ42から出力される信号の電力を測定すると共に位相を算出し、12セグ用バンドパスフィルタ41あるいは1セグ用バンドパスフィルタ42で選択される信号の電力が高くなるように移相器14を制御する。
【0063】
上記第3実施形態で示したように、バンドパスフィルタ16から出力されるアナログのIF信号を切替器22a、22bで切替えて12セグ用バンドパスフィルタ41あるいは1セグ用バンドパスフィルタ42で処理することにより、第1実施形態に示したようにデジタルフィルタ23、24を用いたダイバーシチ受信装置と同様の処理を行わせることができる。
【0064】
従って、上記第3実施形態においても、受信状態が悪化して12セグ放送から1セグ放送に切替えた場合に、1セグ放送に対する帯域内の受信電力が高くなるように位相制御して最適な等利得合成を行うことができ、安定した受信画像を得ることができる。
【0065】
なお、上記第3実施形態では、受信状態に応じて12セグ用バンドパスフィルタ41と1セグ用バンドパスフィルタ42とを切替えて使用する場合について説明したが、その他、例えば通常の受信状態では12セグ用バンドパスフィルタ41を使用してダイバーシチ受信制御を行い、受信状態が悪化して12セグ放送を受信できなくなった場合に12セグ用バンドパスフィルタ41に対して1セグ用バンドパスフィルタ42を直列に接続してダイバーシチ受信制御を行うようにしても良い。
【0066】
また、12セグ用バンドパスフィルタ41は、単に同軸ケーブル等で置き換えても良い。
【0067】
また、上記各実施形態では、2つのアンテナを使用してダイバーシチ受信を行う場合について示したが、更に多数のアンテナを使用してダイバーシチ受信を行う場合においても、同様にして実施し得るものである。この場合には、複数のアンテナで受信されるOFDM信号のうち、1つ以上のアンテナに対して移相器を設け、受信信号の電力が高くなるように各移相器を制御する。
【0068】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態に係るダイバーシチ受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るダイバーシチ受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態において、OFDM信号におけるキャリア数5,617本の信号を8,192ポイントでFFTした場合の周波数信号の絶対値を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るダイバーシチ受信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】ダイバーシチ受信において、車両に複数のアンテナを装着した状態を示す斜視図である。
【図6】等利得合成機能を備えた従来の車載用ダイバーシチ受信装置の構成図である。
【図7】(a)は地上デジタル放送における12セグ放送の帯域を示す図、(b)は1セグ放送の帯域を示す図である。
【図8】従来の等利得合成機能を備えた車載用ダイバーシチ受信装置において、受信信号の電力が最大になるように位相制御した場合の特性図である。
【符号の説明】
【0070】
11a、11b…入力端子、12…合成器、13…ミキサ、14…移相器、15…局部発振器、16…バンドパスフィルタ(BPF)、17…A/D変換器、18…受信状態監視部、20…FFT部、21…復調部、22a、22b…切替器、23…12セグ用デジタルフィルタ、24…1セグ用デジタルフィルタ、25、25A、25B…位相制御部、26…12セグ/1セグ切替制御部、31a、31b…切替器、32…12セグ用電力測定部、33…1セグ用電力測定部、34…位相算出部、41…12セグ用バンドパスフィルタ(BPF)、42…1セグ用バンドパスフィルタ(BPF)
【出願人】 【識別番号】504378814
【氏名又は名称】八木アンテナ株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−60913(P2008−60913A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−235463(P2006−235463)