| 【発明の名称】 |
原稿読取装置およびそれを備える画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】福留 正一
【氏名】田中 健二
【氏名】芳本 光晴
【氏名】岡田 知彦
【氏名】中西 健二
【氏名】山中 久志
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| 【要約】 |
【課題】原稿読取部の温度が変化しても、読取られる原稿画像の各色の均衡を保つことができ、画質の悪化を防止することのできる原稿読取装置およびそれを備える画像形成装置を提供する。
【構成】画像形成装置1に備わる原稿読取装置2は、光源と撮像素子と結像レンズとを含む原稿読取部11によって原稿を複数の色、たとえば赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3色毎に読取り、読取られた原稿画像を原稿画像処理部14によって処理する。原稿画像処理部14は、原稿読取部11によって読取られる複数の色に対する結像レンズの合焦位置と撮像素子の受光位置とのずれ量を評価する評価値が、前記複数の色のうちの1つに対する評価値を基準とする予め定める範囲内に含まれるように、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて、原稿画像を処理する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原稿を照明する光源と、光源によって照明される原稿からの光を受光する撮像素子と、原稿からの光を撮像素子に結像する結像レンズとを含み、原稿を複数の色毎に読取る原稿読取部と、 原稿読取部の温度を検出する温度検出手段と、 前記複数の色に対する結像レンズの合焦位置と撮像素子の受光位置とのずれ量を評価する評価値が、前記複数の色のうちの1つに対する前記評価値を基準とする予め定める範囲内に含まれるように、温度検出手段によって検出される原稿読取部の温度に基づいて、原稿読取部によって読取られる原稿の原稿画像を処理する原稿画像処理部とを備えることを特徴とする原稿読取装置。 【請求項2】 原稿画像処理部は、温度検出手段によって検出される原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いて、原稿画像をフィルタ処理することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。 【請求項3】 原稿画像処理部は、原稿読取部によって読取られる複数の色の原稿画像から前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像を、強調化するようにフィルタ処理することを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。 【請求項4】 原稿画像処理部は、原稿読取部によって読取られる複数の色の原稿画像から前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像を、平滑化するようにフィルタ処理することを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。 【請求項5】 原稿画像は、複数の画像領域を含み、 原稿画像処理部は、 前記複数の画像領域のうちの1つの画像領域を、その画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、 前記複数の画像領域のうちの残余の画像領域を、前記1つの画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の原稿読取装置。 【請求項6】 原稿読取部は、複数の原稿を含む原稿群を原稿毎に読取り、 原稿画像処理部は、 前記複数の原稿のうちの1つの原稿の原稿画像を、その原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、 前記複数の原稿のうちの残余の原稿の原稿画像を、前記1つの原稿の原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の原稿読取装置。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つに記載の原稿読取装置と、 原稿読取装置によって読取られる原稿の原稿画像に基づいて、出力画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、原稿を読取って、読取られた原稿の原稿画像を処理する原稿読取装置およびそれを備える画像形成装置に関する。 【背景技術】 【0002】 画像形成装置の1つである複写機は、原稿読取装置によって原稿を読取り、読取られた原稿の原稿画像に基づいて、画像形成部によって画像を形成する。原稿読取装置は、原稿載置面を有する原稿台と、原稿載置面に載置される原稿を照明する光源と、光源によって照明される原稿からの光を受光する撮像素子と、原稿からの光を撮像素子に結像する結像レンズとを備える原稿読取部を含む。原稿読取部は、原稿載置面に載置される原稿からの光を結像レンズによって撮像素子に結像させることによって原稿を読取る。 【0003】 画像形成装置の画像形成部は、像担持体に潜像を形成し、この潜像を現像してトナー像を形成し、このトナー像を被転写体に転写して定着することによって画像を形成する。トナー像を定着する定着部は、トナー像が転写された被転写体をたとえば加熱および加圧することによってトナー像を定着する。この定着部による定着に伴う発熱温度は160〜200℃程度と高いので、画像形成部だけでなく、原稿読取装置の原稿読取部に対しても定着部の発熱の影響が現れる。 【0004】 たとえば、結像レンズの焦点が合わなくなることがある。レンズの焦点を補正するための技術として、レンズに係る温度たとえばレンズの鏡体の温度に基づいて、レンズの焦点距離を補正する技術がある(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の技術では、温度毎に定められるレンズの合焦位置データに基づいて、その合焦位置と現在のレンズの位置との位置差を算出し、その位置差が所定の値以上である場合に、レンズを移動させてレンズの焦点距離を補正する。 【0005】 【特許文献1】特開2006−109319号公報(第5−7頁,第5図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 特許文献1に開示の技術では、レンズの合焦位置データに基づいてレンズの焦点距離を補正するが、後述する図14に示すように、レンズの合焦位置は、レンズを透過する光の色によって異なり、色収差がある。たとえば、原稿読取部によって赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光が読取られる場合、レンズの合焦位置は、赤色、緑色および青色の順でレンズに近づく。このようにレンズの合焦位置が各色毎に異なると、黒文字画像の縁に色が生じるといった画質の悪化が生じる。 【0007】 特許文献1に開示の技術では、色収差による焦点のずれについては考慮されていない。特許文献1に開示の技術のように焦点距離を補正しても、色収差による焦点のずれを補正することはできないので、温度の変化に伴って画質の悪化が生じる。 【0008】 本発明の目的は、原稿読取部の温度が変化しても、読取られる原稿画像の各色の均衡を保つことができ、画質の悪化を防止することのできる原稿読取装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、原稿を照明する光源と、光源によって照明される原稿からの光を受光する撮像素子と、原稿からの光を撮像素子に結像する結像レンズとを含み、原稿を複数の色毎に読取る原稿読取部と、 原稿読取部の温度を検出する温度検出手段と、 前記複数の色に対する結像レンズの合焦位置と撮像素子の受光位置とのずれ量を評価する評価値が、前記複数の色のうちの1つに対する前記評価値を基準とする予め定める範囲内に含まれるように、温度検出手段によって検出される原稿読取部の温度に基づいて、原稿読取部によって読取られる原稿の原稿画像を処理する原稿画像処理部とを備えることを特徴とする原稿読取装置である。 【0010】 本発明に従えば、原稿読取部の光源によって原稿が照明される。原稿からの光は、結像レンズによって撮像素子に結像され、撮像素子によって受光される。このようにして原稿読取部は、原稿に含まれる複数の色毎に原稿を読取る。この原稿読取部の温度が温度検出手段によって検出される。原稿画像処理部は、温度検出手段によって検出される原稿読取部の温度に基づいて、原稿読取部によって読取られる原稿の原稿画像を処理する。原稿画像は、原稿読取部によって読取られる複数の色に対する結像レンズの合焦位置と撮像素子の受光位置とのずれ量を評価する評価値が、前記複数の色のうちの1つに対する前記評価値を基準とする予め定める範囲内に含まれるように処理される。このように原稿画像は、複数の色に対する評価値が複数の色のうちの1つに対する評価値を基準とする予め定める範囲内に含まれるように、原稿読取部の温度に基づいて処理されるので、たとえば原稿読取部の温度が上昇して結像レンズと撮像素子との間隔が広くまたは狭くなったとき、各色に対する評価値を一定の範囲内に保持することができる。 【0011】 また本発明は、原稿画像処理部は、温度検出手段によって検出される原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いて、原稿画像をフィルタ処理することを特徴とする。 【0012】 本発明に従えば、原稿画像は、温度検出手段によって検出される原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いて、原稿画像処理部によってフィルタ処理される。 【0013】 また本発明は、原稿画像処理部は、原稿読取部によって読取られる複数の色の原稿画像から前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像を、強調化するようにフィルタ処理することを特徴とする。 【0014】 本発明に従えば、前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像がフィルタ処理されて強調化されることによって、各色に対する評価値が一定の範囲内に保持される。たとえば、評価値がコントラスト伝達関数(Contrast Transfer Function;略称CTF)値である場合、CTF値が相対的に小さい色の原稿画像がフィルタ処理されて強調化されることによって、各色に対するCTF値が一定の範囲内に保持される。 【0015】 また本発明は、原稿画像処理部は、原稿読取部によって読取られる複数の色の原稿画像から前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像を、平滑化するようにフィルタ処理することを特徴とする。 【0016】 本発明に従えば、前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像がフィルタ処理されて平滑化されることによって、各色に対する評価値が一定の範囲内に保持される。たとえば、評価値がCTF値である場合、CTF値が相対的に大きい色の原稿画像がフィルタ処理されて平滑化されることによって、各色に対するCTF値が一定の範囲内に保持される。 【0017】 また本発明は、原稿画像は、複数の画像領域を含み、 原稿画像処理部は、 前記複数の画像領域のうちの1つの画像領域を、その画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、 前記複数の画像領域のうちの残余の画像領域を、前記1つの画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理することを特徴とする。 【0018】 本発明に従えば、原稿画像処理部は、原稿画像の複数の画像領域のうちの1つの画像領域を、その画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、前記複数の画像領域のうちの残余の画像領域を、前記1つの画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理する。したがって、その原稿画像における画質の変化を防止し、原稿画像の品質を原稿画像全体にわたって均一化することができる。 【0019】 また本発明は、原稿読取部は、複数の原稿を含む原稿群を原稿毎に読取り、 原稿画像処理部は、 前記複数の原稿のうちの1つの原稿の原稿画像を、その原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、 前記複数の原稿のうちの残余の原稿の原稿画像を、前記1つの原稿の原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理することを特徴とする。 【0020】 本発明に従えば、原稿画像処理部は、原稿群に含まれる複数の原稿のうちの1つの原稿の原稿画像を、その原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、前記複数の原稿のうちの残余の原稿の原稿画像を、前記1つの原稿の原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理する。したがって、その原稿群における画質の変化を防止し、原稿画像の品質を原稿群全体にわたって均一化することができる。 【0021】 また本発明は、前記本発明の原稿読取装置と、 原稿読取装置によって読取られる原稿の原稿画像に基づいて、出力画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。 【0022】 本発明に従えば、原稿読取部の温度が上昇して結像レンズと撮像素子との間隔が広くまたは狭くなったときに、原稿読取部によって読取られる複数の色に対する評価値を一定の範囲内に保持し、前記複数の色の均衡を保持することのできる原稿読取装置によって原稿の原稿画像が読取られ、この原稿画像に基づいて画像形成手段によって出力画像が形成される。 【発明の効果】 【0023】 本発明によれば、原稿画像処理部は、原稿読取部によって読取られる複数の色に対する評価値が、前記複数の色のうちの1つに対する評価値を基準とする予め定める範囲内に含まれるように、原稿読取部の温度に基づいて原稿画像を処理するので、原稿読取部の温度が上昇して結像レンズと撮像素子との間隔が広くまたは狭くなったとき、前記複数の色に対する評価値を一定の範囲内に保持することができる。したがって、原稿読取部によって読取られる複数の色の均衡を保持することができるので、たとえば黒文字画像に色付の縁が生じるといった画質の悪化を防止することができる。 【0024】 また本発明によれば、原稿画像処理部は、温度検出手段によって検出される原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いて、原稿画像をフィルタ処理するので、フィルタを適宜に選択することによって原稿画像の各画像領域を適宜に処理することができる。たとえば、原稿画像のうち、強調化すべき部分は強調化し、それ以外の部分は強調化しないように処理することができる。したがって、原稿画像の各色の均衡を原稿画像の全体にわたって保持することができる。 【0025】 また本発明によれば、前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像がフィルタ処理されて強調化されることによって、各色に対する評価値が一定の範囲内に保持されるので、鮮明な原稿画像を得ることができる。 【0026】 また本発明によれば、前記評価値に応じて選ばれる色の原稿画像がフィルタ処理されて平滑化されることによって、各色に対する評価値が一定の範囲内に保持されるので、モアレの発生を防止し、滑らかな原稿画像を得ることができる。 【0027】 また本発明によれば、原稿画像の複数の画像領域のうちの1つの画像領域は、その画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いてフィルタ処理され、前記複数の画像領域のうちの残余の画像領域は、前記1つの画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いてフィルタ処理されるので、その原稿画像における画質の変化を防止し、原稿画像の品質を原稿画像全体にわたって均一化することができる。 【0028】 また本発明によれば、原稿群に含まれる複数の原稿のうちの1つの原稿の原稿画像は、その原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いてフィルタ処理され、前記複数の原稿のうちの残余の原稿の原稿画像は、前記1つの原稿の原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部の温度に基づいて選択されるフィルタを用いてフィルタ処理されるので、その原稿群における画質の変化を防止し、原稿画像の品質を原稿群全体にわたって均一化することができる。 【0029】 また本発明によれば、原稿読取部の温度が上昇したとき、原稿読取部によって読取られる複数の色の均衡を保持することのできる原稿読取装置によって原稿が読取られ、読取られた原稿の原稿画像に基づいて画像形成手段によって出力画像が形成されるので、たとえば黒文字画像に色付の縁が生じるといった画質の悪化を防止することのできる画像形成装置が実現される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0030】 図1は本発明の実施の一形態である原稿読取装置2を備える画像形成装置1の構成を示すブロック図であり、図2は画像形成装置1の構成を示す断面図である。図2では、理解を容易にするために、一部分の厚み寸法を省略して示す。本実施形態の画像形成装置1は、デジタル複写機である。 【0031】 画像形成装置1は、ADF7によって原稿台72に搬送される原稿または使用者によって原稿台72に載置される原稿を読取り、得られた原稿の原稿画像のデータに応じて、被転写体である記録用紙、本実施形態ではシート状の記録用紙に対して、画像を形成する。また画像形成装置1は、通信部6を介して画像形成装置1の外部から入力される画像データに応じて画像を形成する。 【0032】 画像形成装置1は、原稿読取装置2と、画像処理手段である出力画像処理部3と、画像形成手段である画像形成部4と、記憶手段である画像記憶部5と、通信部6と、原稿読取装置2に原稿を搬送する原稿搬送手段である自動原稿送り装置(Automatic Document Feeder;略称ADF)7と、操作入力手段である不図示の操作パネルと、制御部8とを含んで構成される。 【0033】 図3は、図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を模式的に示す断面図である。図3(1)は原稿読取部11によって第1チャート部17を読取っている状態を示し、図3(2)は原稿読取部11によって第2チャート部18を読取っている状態を示す。図3では、理解を容易にするために、一部分の厚み寸法を省略して示す。 【0034】 原稿読取装置2は、原稿読取部11と、A/D(アナログ/デジタル)変換部12と、一時記憶部13と、原稿画像処理部14と、温度検出手段である温度検出部15と、読取制御部16と、第1チャート部17と、第2チャート部18とを含んで構成される。本実施の形態の原稿読取装置2は、原稿、具体的には反射原稿を読取るために用いられる。 【0035】 原稿読取部11は、ADF7の下方に配置され、原稿台72の原稿載置面71に載置される原稿を読取る。原稿読取部11は、原稿が載置される原稿載置面71を有する原稿台72と、原稿載置面71に載置される原稿を照明する光源77と、光源77によって照明される原稿からの光を受光する撮像素子76と、原稿からの光を撮像素子76に結像する結像光学系81とを備える。原稿台72は、透明ガラスから成り、矩形板状に形成される。原稿載置面71は、原稿台72の厚み方向一表面を構成する。光源77、撮像素子76および結像光学系81は、原稿台72に対して、この原稿台72の原稿載置面71に載置される原稿とは反対側に配置される。 【0036】 結像光学系81は、結像レンズ75と、原稿からの光を結像レンズ75に導くミラー群82とを含む。ミラー群82は、第1〜第3ミラー78〜80を含む。原稿からの光は、第1〜第3ミラー78〜80によって順に反射されて、結像レンズ75に導かれる。第1ミラー78は、第1走査ユニット73に搭載され、第2および第3ミラー79,80は、第2走査ユニット74に搭載される。第1走査ユニット73には、前記光源77も搭載される。 【0037】 第1走査ユニット73は、原稿台72に沿って、原稿の読取方向(図3の紙面において左から右)A1に一定速度Vで移動される。以下、読取方向A1とこの読取方向A1の反対方向A2とを含んで、副走査方向Aという。第2走査ユニット74は、第1走査ユニット73の速度Vに対して2分の1の速度(V/2)で読取方向A1に移動される。このような第1および第2走査ユニット21,22の動作によって、ミラー群82が原稿台72に対して読取方向A1に移動される。これによって原稿読取部11では、原稿載置面71に載置される原稿を、主走査方向Bの1ライン毎に順次、撮像素子76に結像させて、原稿を読取ることができる。主走査方向Bは、原稿載置面71内で副走査方向Aに直交する。本実施の形態では、原稿台72の幅方向は、主走査方向Bに平行であり、原稿台72の長手方向は、副走査方向Aに平行である。 【0038】 結像レンズ75は、第2走査ユニット74の第3ミラー80によって偏向された原稿からの反射光像を縮小し、撮像素子76の予め定められる位置に結像させる。撮像素子76は、結像レンズ75によって結像された白黒原稿またはカラー原稿からの反射光像を、光電変換して電気信号として出力する。撮像素子76は、電荷結合素子(Charge Coupled Device、略称CCD)によって実現される。 【0039】 本実施形態において撮像素子76は、複数個が直線状に並んで設けられて撮像素子部を構成する。撮像素子部は3つが並んで設けられ、この3つの撮像素子部が、原稿からの反射光像を赤色(red;略称R)、緑色(green;略称G)および青色(blue;略称B)の各色の光としてそれぞれ受光し、光電変換して電気信号として出力する。原稿読取部11によって読取られる原稿の原稿画像、より詳細には撮像素子76から電気信号として出力される画像データは、図1に示すA/D変換部12に与えられる。 【0040】 原稿読取部11によれば、原稿台72に載置される原稿が光源77によって照明され、この原稿からの反射光像が、ミラー群82を介して結像レンズ75に入射し、結像レンズ75によって撮像素子76に結像されて、R(赤)成分のアナログ信号、G(緑)成分のアナログ信号およびB(青)成分のアナログ信号としてそれぞれ読取られる。原稿は、たとえば画像が記録された紙などの記録媒体によって構成される。以下、R成分のアナログ信号、G成分のアナログ信号およびB成分のアナログ信号を総称してRGBのアナログ信号と記載する場合がある。 【0041】 原稿読取部11は、図2に示すADF7によって原稿台72の予め定める位置に搬送される原稿を読取可能に構成される。ADF7によって搬送されている原稿を読取る場合、原稿読取部11は、第1走査ユニット73および第2走査ユニット74を静止させた状態で、原稿の画像を読取る。より詳細には、ADF7から原稿が搬送されてくると、第1走査ユニット73の光源77から原稿に光が照射され、原稿から反射された光がミラー群82を介して光路変換されて撮像素子76に結像され、電気信号に変換される。 【0042】 図4〜図9は、図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を示す斜視図である。図4〜図9では、図3に示す第1チャート部17および第2チャート部18は、図面が錯綜して理解が困難になるので、記載を省略する。また図4では、図5〜図9に示すカバー86を取外した状態を示す。 【0043】 原稿読取部11の結像光学系81を構成する結像レンズ75は、より詳細には、図4に示すようにレンズ組立体83に含まれる。レンズ組立体83および撮像素子76は、受光ユニット70を構成する。また受光ユニット70は、温度検出手段である温度検出部15を備える。温度検出部15は、温度検出素子によって構成される。 【0044】 図6に示すように、受光ユニット70は、受光ハウジング84を備え、この受光ハウジング84が支持フレーム体85に装着される。支持フレーム体85は、読取装置側筐体89に装着される。受光ハウジング84には、支持フレーム90が装着され、この支持フレーム90にレンズ組立体83、撮像素子76および温度検出素子15が取付けられている。 【0045】 受光ハウジング84は、矩形状の本体部を有し、この本体部の副走査方向Aの他端部には、主走査方向Bの幅寸法が本体部よりも大きくなるように拡開する取付部を有する。受光ハウジング84に支持される支持フレーム90は、プレート状部材から構成されている。支持フレーム90は、金属によって形成される。支持フレーム90は、矩形状の本体部87を有し、この本体部87の副走査方向Aの他端部には、主走査方向Bの幅寸法が本体部87よりも大きくなるように拡開する取付部88を有する。支持フレーム90の本体部87は、受光ハウジング84の本体部よりも幾分小さく、受光ハウジング84の本体部の上方に配置される。 【0046】 支持フレーム90の本体部87の副走査方向Aの一端部であって主走査方向Bの両端部には、レンズ組立体83の光軸に平行な方向である副走査方向Aに延びる長孔102がそれぞれ1個形成されている。また取付部88の副走査方向Aの他端部であって主走査方向Bの両端部には、副走査方向Aに延びる長孔106がそれぞれ1個形成されている。 【0047】 受光ハウジング84の副走査方向Aの一端部には不図示の一対のガイドピンが設けられ、このガイドピンが支持フレーム90の本体部87および取付部88の長孔102,106に受入れられ、支持フレーム90はガイドピンに案内されて副走査方向Aに移動自在に支持される。したがって、支持フレーム90は、副走査方向Aに移動させて所定位置に位置付けられ、このように位置付けた状態にて本体部87および取付部88の各長孔102,106を通して固定用ねじ104,105を受光ハウジング84に螺着することによって固定される。 【0048】 支持フレーム90の略中央部には副走査方向Aに長い矩形状の取付開口110が形成されている。この取付開口110には、レンズ組立体83の下部が収容され、このように収容されることによってレンズ組立体83は支持フレーム90の所定取付位置に位置付けられる。 【0049】 取付開口110の両側にはレンズ固定用ねじ孔111が形成されている。この2つのレンズ固定用ねじ孔111のうち、一方のレンズ固定用ねじ孔111には、レンズ組立体83を固定するための金属製の帯状部材112が挿通される。帯状部材112は、レンズ組立体83の外周面に形成される凹部に巻付けられ、その両端部を通して固定ねじ113を他方のレンズ固定用ねじ孔111に螺着することによって取付けられる。このように帯状部材112を取付けることによって、レンズ組立体83が支持フレーム90に固定される。 【0050】 支持フレーム90には補助支持フレーム184が取付けられ、この補助支持フレーム184に撮像素子76が取付けられている。補助支持フレーム184は略L字状であり、取付部186と、この取付部186から上方に延びる支持壁部188とを有している。取付部186には一対の長孔190が形成され、この長孔190を通して固定用ねじ192を支持フレーム90の不図示の雌ねじ孔に螺着することによって、補助支持フレーム184が支持フレーム90に装着されている。取付部186の長孔190は副走査方向Aに細長く形成されており、したがって補助支持フレーム184は支持フレーム90に対して副走査方向Aに位置調整自在であり、支持フレーム90に対する補助支持フレーム184の副走査方向Aの位置を調整することによって、レンズ組立体83と撮像素子76との距離を調整することができる。 【0051】 補助支持フレーム184の支持壁部188には撮像素子76の形状に対応した矩形状の開口194が形成されている。撮像素子76は回路基板196に設けられ、この回路基板196が固定用ねじ198によって支持壁部188に取付けられ、回路基板196上の撮像素子76は支持壁部188の開口194内に位置している。このように支持された撮像素子76は、その受光面がレンズ組立体83に対向して位置し、レンズ組立体83の結像レンズ75の光軸は、撮像素子76の受光面の実質上中心と一致するように配置される。 【0052】 支持フレーム90に設けられる温度検出部を構成する温度検出素子15は、たとえば熱電対によって実現される。温度検出部15は、原稿読取部11の温度、本実施の形態では支持フレーム90の温度を検出する。温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度は、図1に示す読取制御部16に与えられる。 【0053】 図3に戻って、第1チャート部17は、板状の長尺部材である。第1チャート部17は、予め定める基準チャートが形成されるチャート形成面19を有する。このチャート形成面19は、第1チャート部17の厚み方向一表面を構成する。第1チャート部17は、その長手方向が主走査方向Bに沿うようにして、かつ、そのチャート形成面19が原稿載置面71に当接するようにして、原稿台72に設けられる。第1チャート部17は、予め定める第1位置に配置される。本実施の形態では、第1チャート部17は、原稿台72の読取方向A1上流側の端部に設けられ、この状態で、第1チャート部17における読取方向A1下流側の端面の、副走査方向Aに関する位置が、原稿の読取りが開始される原稿読取開始位置P1となる。以下、「予め定める第1位置」を「上流側チャート位置」という。 【0054】 第2チャート部18は、板状の長尺部材である。第2チャート部18は、前記予め定める基準チャート(以下、単に「基準チャート」という)が形成されるチャート形成面20を有する。このチャート形成面20は、第2チャート部18の厚み方向一表面を構成する。第2チャート部18は、その長手方向が主走査方向Bに沿うようにして、かつ、そのチャート形成面20が原稿載置面71に当接するようにして、原稿台72に設けられる。第2チャート部18は、上流側チャート位置から読取方向A1下流に離間した予め定める第2位置に配置される。本実施の形態では、第2チャート部18は、原稿台72の読取方向A1下流側の端部に設けられ、この状態で、第2チャート部18における読取方向A1上流側の端面の、副走査方向Aに関する位置が、原稿の読取りが終了される原稿読取終了位置P2となる。以下、「予め定める第2位置」を、「下流側チャート位置」という。 【0055】 前述のような第1および第2チャート部17,18は原稿台72に着脱可能に設けられる。したがって製造時あるいは定期点検時にだけ、第1および第2チャート部17,18を原稿台72に装着することができ、利便性を向上させることができる。 【0056】 図1に戻って、A/D変換部12は、原稿読取部11から与えられる原稿の原稿画像、より詳細にはRGBのアナログ信号を、標本化および量子化することによってR成分のデジタル信号、G成分のデジタル信号およびB成分のデジタル信号にそれぞれ変換する。以下、R成分のデジタル信号、G成分のデジタル信号およびB成分のデジタル信号を総称してRGBのデジタル信号と記載する場合がある。A/D変換部12は、RGBのデジタル信号を一時記憶部13に与える。一時記憶部13は、A/D変換部12から与えられるRGBのデジタル信号を一時的に記憶し、予め定めるタイミングで原稿画像処理部14に与える。 【0057】 原稿画像処理部14は、原稿読取部11によって読取られる各色に対する結像レンズ75の合焦位置と撮像素子76の受光位置とのずれ量を評価する評価値に基づいて、原稿読取部11によって読取られる原稿の原稿画像を処理する。原稿画像処理部14による原稿画像の処理の詳細については後述する。原稿画像処理部14は、処理が施された原稿画像を出力画像処理部3に出力する。A/D変換部12、一時記憶部13および原稿画像処理部14は、マイクロコンピュータによって実現される。 【0058】 読取制御部16は、前述した原稿読取部11、A/D変換部12、一時記憶部13、原稿画像処理部14および温度検出部15を含む原稿読取装置2の各部の動作を制御する。読取制御部16は、中央処理装置(Central Processing Unit;略称CPU)、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、CPUにワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)、制御データを保持する不揮発性メモリ、原稿読取装置2の各部からの信号が入力される入力回路、原稿読取装置2の各部駆動機構を作動させるアクチュエータおよびモータを駆動させるドライバ回路を含んで構成される。 【0059】 原稿読取装置2によれば、原稿読取部11が、原稿画像が記録された紙などの記録媒体によって構成される原稿からの反射光像を、R(赤)成分のアナログ信号、G(緑)成分のアナログ信号およびB(青)成分のアナログ信号としてそれぞれ読取る。原稿読取装置2は、このR成分のアナログ信号、G成分のアナログ信号およびB成分のアナログ信号をそれぞれ、原稿画像処理部14のA/D変換部12によってデジタル信号に変換して一時記憶部13に与え、原稿画像処理部14によって処理、具体的にはフィルタ処理して図1に示す出力画像処理部3に与える。 【0060】 ADF7は、図2に示すように、原稿を搬送するための搬送ローラ131と、搬送ローラ131に対して原稿を押圧する押圧部材である押圧ローラ132と、原稿が重なって搬送された際に原稿の重送を検知する重送検知センサ137とを備える。搬送ローラ131は、押圧ローラ132との間で原稿を挟持しながら搬送するように設けられる。重送検知センサ137は、原稿の挟持箇所に隣接した用紙の振幅が抑制された領域で原稿の重送を検知するように設けられる。 【0061】 ADF7は、より詳細には、原稿束が載置される原稿トレイ127と、原稿束から原稿を原稿搬送路Q1へ送り出すピックアップローラ128と、原稿搬送路Q1へ送り出された原稿を1枚ずつ分離させながら原稿搬送路Q1の下流側へ搬送する給紙ローラ129および、さばきローラ130と、原稿を用紙搬送路Q1に沿って搬送するための複数対の搬送ローラ131および押圧ローラ132と、原稿読取装置2に所定のタイミングで原稿を送り出すレジストローラ133と、画像の読取を終えた原稿を原稿排紙トレイ136へ排出する排紙ローラ135とを含んで構成される。 【0062】 原稿トレイ127は、原稿台72に対して近接する方向および離反する方向、本実施形態では図2の紙面に向かって上下方向に移動可能に設けられる。原稿トレイ127に原稿束が載置されると図示しないセンサがそれを検知し、ユーザから印字要求がなされると原稿トレイ127が上方へ移動し原稿束のうち最も上に位置する原稿がピックアップローラ128によって用紙搬送路Q1へ送り出される。 【0063】 原稿が重なった状態で用紙搬送路Q1へ送り出された場合、さばきローラ130によって重送状態が解消され、上述のように給紙ローラ129によって用紙搬送路Q1の下流側へ1枚ずつ搬送される。本実施形態においてADF7は、高速印字処理に対応するべく原稿を高速で搬送するので、さばきローラ130を設けていても重送が生じるおそれがある。したがって本実施形態では、給紙ローラ129およびさばきローラ130の下流側に配置された搬送ローラ131と押圧ローラ132の近傍に重送検知センサ137を設けている。重送検知センサ137を設けることによって、原稿の重送を検知し、重送状態で原稿が原稿台72に搬送されることを防ぐことができる。重送検知センサ137は、超音波を発信する送波器138と、送波器138から発信された超音波を受信する受波器139とを含んで構成される。 【0064】 ADF7によれば、原稿トレイ127に載置される原稿束からピックアップローラ128によって原稿が送り出され、給紙ローラ129および、さばきローラ130によって各原稿が分離され、複数対の搬送ローラ131および押圧ローラ132によって用紙搬送路Q1に沿って搬送され、レジストローラ133によって所定のタイミングで原稿読取装置2に送り出される。また原稿読取装置2によって読取られた原稿が、排紙ローラ135によって原稿排紙トレイ136に排出される。原稿は、ADF7の側方に突出して設けられる補助原稿トレイ140から送給されてもよい。補助原稿トレイ140に載置される原稿は、ピックアップローラ141によって送り出され、搬送ローラ142によって用紙搬送路Q2に沿って搬送され、原稿読取装置2に送給される。重送検知センサ138,139は、搬送ローラ142の近傍にも設けられる。 【0065】 図10は、図1に示す出力画像処理部3の構成を示すブロック図である。図10では、原稿読取装置2および画像形成部4をあわせて示す。出力画像処理部3は、シェーディング補正部210、入力階調補正部211、色補正部212、黒生成下色除去部213、空間フィルタ処理部214および出力階調補正部215を含んで構成される。シェーディング補正部210は、原稿読取装置2から与えられるRGBのデジタル信号に、原稿読取装置2の照明系、結像系および撮像系で生じる出力ムラを取り除く処理を施す。シェーディング補正部210は、出力ムラを取り除いたRGBのデジタル信号を入力階調補正部211に与える。シェーディング補正部210から入力階調補正部211に与えられるRGBのデジタル信号は、原稿からの反射光の反射率を表す反射率信号である。 【0066】 入力階調補正部211は、シェーディング補正部210から与えられる反射率信号であるRGBのデジタル信号を、出力画像処理部3において扱い易い信号、本実施形態では濃度を表す濃度信号に変換し、色補正部212に与える。色補正部212は、入力階調補正部211から与えられるRGBのデジタル信号を、CMYのデジタル信号にそれぞれ変換して黒生成下色除去部213に与える。色補正部212では、入力されるRGBのデジタル信号と、出力するCMYのデジタル信号との対応関係をルックアップテーブル(Look Up Table;略称LUT)として保持し、このLUTを用いて、RGBのデジタル信号をCMYのデジタル信号に変換してもよく、また変換行列を用いるカラーマスキング法によって、RGBのデジタル信号をCMYのデジタル信号に変換してもよい。 【0067】 黒生成下色除去部213は、色補正部212から与えられる色補正後の3色のデジタル信号であるCMYのデジタル信号に基づいて黒色(K)のデジタル信号を生成する黒生成処理を行なう。また黒生成下色除去部213は、色補正部212から与えられるCMYのデジタル信号と、黒のデジタル信号とが重なる部分、すなわちCMYのデジタル信号のうちの黒成分を差し引いて、新たなCMYのデジタル信号を生成する処理を行なう。したがって黒生成下色除去部213は、色補正部212から与えられる色補正後のCMYの3色信号を、C(シアン)成分のデジタル信号、M(マゼンタ)成分のデジタル信号、Y(イエロー)成分のデジタル信号およびK(黒)成分のデジタル信号から成るCMYKの4色信号に変換して、空間フィルタ処理部214に与える。以下、C成分のデジタル信号、M成分のデジタル信号、Y成分のデジタル信号およびK成分のデジタル信号を総称してCMYKのデジタル信号と記載する場合がある。 【0068】 空間フィルタ処理部214は、黒生成下色除去部213から与えられるCMYKのデジタル信号によって表される入力画像データに対してデジタルフィルタを用いた空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって、出力画像データを、画像形成部4によって画像として出力したときに、この出力された画像の「ぼやけ」および「粒状性」の劣化を防ぐように処理する。 【0069】 出力階調補正部215は、画像形成部4の出力階調特性を調整するためにガンマ補正処理を行なう。また出力階調補正部215は、中間調を表す階調値を補正する中間調補正処理を行なう。また出力階調補正部215は、濃度信号によって表されるCMYKのデジタル信号を、画像形成部4の特性値である網点面積率を表すデジタル信号に変換する処理を行なう。出力階調補正部215は、前述の処理が施されたCMYKのデジタル信号を画像形成部4に出力する。 【0070】 出力画像処理部3によれば、原稿読取装置2から与えられる入力画像データは、シェーディング補正部210、入力階調補正部211、色補正部212、黒生成下色除去部213、空間フィルタ処理部214、出力階調補正部215の順に送られて前述の処理が行われた後、CMYKのデジタル信号として、画像形成部4にそれぞれ出力される。 【0071】 図1に戻って、画像形成部4は、出力画像処理部3から入力される出力画像の画像データに基づいて画像を形成し、出力画像データをたとえば紙などによって実現される記録媒体に画像として出力する。画像形成部4は、電子写真方式またはインクジェット方式のプリンタ装置によって実現される。本実施形態において画像形成部4は、電子写真方式のプリンタ装置によって実現される。 【0072】 画像記憶部5は、出力画像処理部3によって画像を処理するために必要な情報を記憶する。また画像記憶部5は、出力画像処理部3によって処理された原稿画像のデータを記憶する。出力画像処理部3によって所定の処理が施された出力画像データは、画像記憶部5に一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されて画像形成部4に入力される。通信部6は、出力画像処理部3からの画像を、外部機器に転送する。 【0073】 不図示の操作パネルは、たとえば、液晶ディスプレイなどによって実現される表示部と、設定ボタンなどによって実現される操作部とが一体化されたタッチパネルなどによって構成される。操作パネルによって入力された入力情報に基づいて、制御部8が、原稿読取装置2、出力画像処理部3および画像形成部4の動作を制御する。 【0074】 制御部8は、前述した原稿読取装置2、出力画像処理部3、画像形成部4、通信部6、画像記憶部5、ADF7および操作パネルを含む画像形成装置1の各部の動作を制御し、また画像形成装置1全体を統合制御する。制御部8は、CPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM、CPUにワークエリアを提供するRAM、制御データを保持する不揮発性メモリ、画像形成装置1の各部からの信号が入力される入力回路、画像形成装置1の各部駆動機構を作動させるアクチュエータおよびモータを駆動させるドライバ回路、後述する光書込ユニット26を駆動する出力回路を含んで構成される。制御部8は、マイクロコンピュータによって実現される。 【0075】 画像形成部4は、より詳細には、図2に示すように原稿読取装置2の下方に設けられ、光書込ユニット26と、画像形成ステーション27と、転写搬送ベルト機構28と、定着ユニット29と、給紙部30と、排紙トレイ66とを含む。排紙トレイ66は、画像形成部4が収容される筐体の側面部に外方に突出して設けられる。 【0076】 光書込ユニット26および画像形成ステーション27は、黒色、シアン色、マゼンタ色およびイエロー色の各色に対応して4組が設けられる。各光書込ユニット26および画像形成ステーション27は、現像に用いられるトナーの色が、黒色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色に異なること、および出力画像処理部3から入力される入力画像データのうち、黒色成分像に対応する画素信号、シアン色成分像に対応する画素信号、マゼンタ色成分像に対応する画素信号、イエロー色成分像に対応する画素信号が、それぞれ入力されること以外は構成を同じくするので、黒色に対応する光書込ユニット26および画像形成ステーション27を代表例として説明し、他については説明を省略する。以下において、各色に対応する光書込ユニット26および画像形成ステーション27を個々に示す場合には、アルファベットの添字:b(黒色)、c(シアン色)、m(マゼンタ色)、y(イエロー色)を付して表す。 【0077】 光書込ユニット26bは、帯電装置52によって帯電された感光体51に光を照射して感光体51を露光する露光手段である。光書込ユニット26は、レーザスキャニングユニット(Laser Scanning Unit;略称LSU)によって実現される。光書込ユニット26bは、画像形成ステーション27bの上方に設けられる。 【0078】 光書込ユニットであるLSU26bは、レーザ光を出射する不図示の半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を主走査方向である感光体51bの軸線方向に偏向させる偏向手段であるポリゴンミラー41bと、ポリゴンミラー41bによって偏向されたレーザ光を感光体51bの外周面に結像させるfθレンズ42b,43bおよび反射ミラー44b,45b,46bとを備える。半導体レーザ素子から出射されるレーザ光は、回転駆動される感光体51bの軸線方向である主走査方向に走査され、感光体51bの回転駆動によって感光体51bの周方向である副走査方向に走査される。 【0079】 光書込ユニット26bの動作によって、帯電された感光体51bの外周面に対して黒色成分像に対応する画素信号に応じた露光が施され、感光体51bの外周面上に黒色成分像に対応する静電潜像が形成される。同様に、各色の光書込ユニット26c,26m,26yの動作によって、各色の感光体51c,51m,51yの外周面上に、シアン色成分像、マゼンタ色成分像およびイエロー色成分像に対応する静電潜像がそれぞれ形成される。このようにして、出力画像処理部3から与えられる出力画像データに対応する静電潜像が各感光体51b,51c,51m,51yの外周面上にそれぞれ形成される。 【0080】 本実施形態において光書込ユニット26は、LSUによって実現されるが、これに限定されず、たとえばエレクトロルミネッセント(略称EL)素子または発光ダイオード(略称LED)などの発光素子をアレイ状に並べたEL書き込みヘッドまたはLED書込みヘッドによって実現されてもよい。 【0081】 画像形成ステーション27bは、転写搬送ベルト32の上方に近接して設けられ、像担持体である感光体51b、帯電装置52、現像装置53、転写ユニット54およびクリーナユニット55を含む。感光体51bは、軸線まわりに回転可能に支持され、矢符Fで示される時計まわり方向に回転駆動される。感光体51bの周囲には、帯電装置52b、現像装置53b、転写ユニット54bおよびクリーナユニット55bが、この順に感光体51bの回転方向Fの上流側から下流側に向かって感光体51bの周方向に並んで設けられる。 【0082】 帯電装置52は、感光体5の外周面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段である。本実施形態において帯電装置52は、非接触型のチャージャー型帯電装置によって実現される。帯電装置52は、これに限定されず、たとえば接触型のローラ型帯電装置またはブラシ型帯電装置によって実現されてもよい。 【0083】 現像装置53bは、現像手段であり、光書込ユニット26bによる露光によって感光体51bの外周面に形成された静電潜像をトナーで顕像化してトナー像を形成する。黒色用の現像装置53bは、光書込ユニット26bによる露光によって感光体51bの外周面上に形成される静電潜像を黒色のトナーで現像し、黒色成分像に対応する黒色のトナー像を形成する。同様に、各色の光書込ユニット26c,26m,26yによる露光によって感光体51c,51m,51yの外周面上にそれぞれ形成される静電潜像は、対応する各色のトナーによってそれぞれ現像され、各色のトナー像となる。このようにして、出力画像処理部3から与えられる出力画像データに対応する各色のトナー像がそれぞれ形成される。 【0084】 転写ユニット54bは、転写手段であり、転写搬送ベルト32を介して感光体51bに対向して設けられる。本実施形態において転写ユニット54bは、転写搬送ベルト32によって搬送されてくる記録用紙Pに対して、感光体51の外周面に形成されたトナー像が有する電荷と逆極性の電界を印加することによって、感光体51bの外周面に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写させる。たとえば、トナー像がマイナス(−)極性の電荷を有している場合、転写ユニット54の印加極性はプラス(+)極性となる。転写ユニット54bは感光体51bと転写搬送ベルト32との接触部に、導電性を有し転写電界を印加することが可能な弾性導電性ローラを有する。クリーナユニット55bは、転写ユニット54bによる転写動作後に感光体51bの外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段である。 【0085】 光書込ユニット26および画像形成ステーション27は、黒色用、シアン色用、マゼンタ色用、イエロー色用の順に、記録用紙Pの搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順序で並べて設けられる。 【0086】 転写搬送ベルト機構28は、画像形成部4の下部であって給紙部30よりも上方に配置され、駆動ローラ35と、従動ローラ31と、駆動ローラ35と従動ローラ31とによって略平行に延びるように張架される無端ベルト状の転写搬送ベルト32と、転写搬送ベルト32の表面を帯電させ、給紙部30から供給される記録用紙Pを静電吸着させるための用紙吸着用帯電装置33と、転写搬送ベルト32に静電吸着されている記録用紙Pを転写搬送ベルト32から分離するための除電器34とを備える。 【0087】 転写搬送ベルト32は、予め定められる電気抵抗率を有しており、本実施形態において転写搬送ベルト32の電気抵抗率は、1×109Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下に選ばれる。転写搬送ベルト32は、駆動ローラ35の軸線まわりの回転によって、感光体51の回転方向Fと反対の方向である矢符Z方向に摩擦駆動される。用紙吸着用帯電装置33は、記録用紙Pの搬送経路におけるレジストローラ25と画像形成ステーション27bとの間であって従動ローラ31の上方に設けられ、転写搬送ベルト32の表面を帯電させる。除電器34は、記録用紙Pの搬送経路における画像形成ステーション27yと定着ユニット29との間であって駆動ローラ35の上方に設けられる。除電器34には、転写搬送ベルト32に静電吸着されている記録用紙Pを転写搬送ベルト32から分離させるための交流電圧が印加されている。 【0088】 転写搬送ベルト32によって記録用紙Pが黒色の画像形成ステーション27bに供給されると、転写ユニット54bの動作によって、感光体51bの外周面上に形成された黒色のトナー像が記録用紙P上に転写される。黒色のトナー像が転写された記録用紙Pは、転写搬送ベルト32に静電吸着されたまま矢符Z方向に搬送され、搬送方向上流側から下流側に向かって以下の順に設けられるシアン色、マゼンタ色、イエロー色の光書込ユニット26c,26m,26yおよび画像形成ステーション27c,27m,27yを通過する際に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナー像が、前述の黒色のトナー像の場合と同様にして順次転写される。これによって、感光体51b,51c,51m,51yの外周面にそれぞれ形成されたトナー像が記録用紙P上において重ね合わされる。 【0089】 イエロー色画像形成用の画像形成ステーション27yにおいてイエロー色のトナー像が転写された記録用紙Pは、除電器34の下方を通過する際に、除電器34の動作によって先端部分から順次転写搬送ベルト32から剥離され、記録用紙Pの搬送経路において転写搬送ベルト32よりも記録用紙Pの搬送方向下流側に設けられる定着ユニット29へ送給される。 【0090】 以上の光書込ユニット26および画像形成ステーション27の動作制御は、操作パネルから使用者によってフルカラー画像出力モードが指定された場合のものである。使用者によって単色画像または多色画像出力モードが指定された場合には、画像形成に使用されない色に対応する光書込ユニット26および画像形成ステーション27は、非動作状態とされる。たとえば、白黒画像出力モードが指定された場合には、感光体51c,51m,51yは、図示しない接離機構によって転写搬送ベルト32から離間され、さらに回転駆動が停止される。また帯電装置52c,52m,52yによる帯電動作、光書込ユニット26c,26m,26yによる露光動作、現像装置53c,53m,53yによる現像動作および転写ユニット54c,54m,54yによる転写動作も停止される。 【0091】 定着ユニット29は、記録用紙P上に転写された未定着のトナー像を記録用紙Pに定着させる定着手段である。本実施形態において定着ユニット29は、円筒状の加熱ローラ61と、加熱ローラ61に対向して設けられる円筒状の加圧ローラ62とを備える。加熱ローラ61の半径方向内方には、加熱ローラ61の表面を所定温度とする不図示の熱源が内蔵されている。前記所定温度である定着温度は、たとえば160℃以上200℃以下に選ばれ、加熱ローラ61の表面温度は、熱源によって、この定着温度である160℃以上200℃以下に加熱される。 【0092】 加圧ローラ62の軸線方向両端部には、加圧ローラ62が加熱ローラ61に対して所定の圧力で圧接するように図示しない加圧部材が配置されている。このようにして加圧ローラ62が加熱ローラ61に圧接され、加熱ローラ61と加圧ローラ62との圧接部である定着ニップ部63が形成される。この定着ニップ部63において、搬送されてくる記録用紙上の未定着トナーを加熱ローラ61で加熱して溶融させ、圧接部での投鋲作用により記録用紙上に定着させる。これによって、記録用紙Pに転写されたトナー像を構成するトナーが溶融して記録用紙Pに定着され、堅牢な画像が形成される。 【0093】 定着ユニット29の定着ニップ部63を通過した後の記録用紙Pが搬送される方向には、搬送方向切換えゲート64が設けられる。搬送方向切換えゲート64は、定着ユニット29による定着動作後の記録用紙Pの搬送方向を、画像形成装置1の側面に設けられる排紙トレイ66に向かう方向と、再度画像形成ステーション27に向かう方向との間で選択的に切換える。 【0094】 定着ユニット29によって一方の表面にトナー像が定着された記録用紙Pは、さらに続けて他方の表面に画像を形成しない場合には、搬送方向切換えゲート64の動作によってその上方に送給され、さらに排出ローラ65によって図示しない用紙排出口から排紙トレイ66に排出される。続けて他方の表面に画像が形成される場合には、記録用紙Pは、搬送方向切換えゲート64の動作によってその下方に送給され、スイッチバック搬送経路67を経て表裏反転された後、再度画像形成ステーション27の手前まで搬送され、レジストローラ25によって給紙タイミングが制御されて画像形成ステーション27に再度供給される。その後、一方の表面に対する画像形成と同様にして、他方の表面に対する画像形成が行われる。 【0095】 給紙部30は、画像形成部4の下部に設けられ、画像形成に使用する記録用紙Pを蓄積しておくためのトレイである給紙トレイ21と、給紙トレイ21内の記録用紙Pを1枚ずつ分離送給する分離ローラ22および給紙ローラ23とを含み、画像形成ステーション27に対して記録用紙Pを供給する。本実施形態では、記録用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。給紙トレイ21から1枚ずつ送り出される記録用紙Pは、記録用紙Pの搬送経路各所に設けられる搬送ローラ24によって搬送され、図示しないガイド内を通過する際にその先端部分が図示しないセンサによって検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて、画像形成ステーション27の手前に設けられる一対のレジストローラ25によって送給が一旦停止される。送給が一旦停止された記録用紙Pは、レジストローラ25によって給紙タイミングが制御されて画像形成ステーション27に供給される。 【0096】 給紙部30のレジストローラ25によって一旦送給が停止された記録用紙Pは、各画像形成ステーション27b,27c,27m,27yとのタイミングが取られ、矢符Z方向に摩擦駆動されている転写搬送ベルト32に送給される。このとき、転写搬送ベルト32は前述のように用紙吸着用帯電装置33の動作によって予め定められる電位に帯電されているので、転写搬送ベルト32に送給された記録用紙Pは、転写搬送ベルト32に静電吸着され、転写搬送ベルト32の摩擦駆動によって画像形成ステーション27bから画像形成ステーション27yへと順次搬送供給される。 【0097】 画像形成装置1によれば、原稿読取装置2によって原稿の原稿画像が読取られ、出力画像処理部3によって各種の処理が施された後、この原稿画像に基づいて、画像形成部4によって出力画像が形成されて出力される。 【0098】 前述のように、原稿読取装置2の原稿画像処理部14は、原稿読取部11によって読取られる各色に対する結像レンズ75の合焦位置と撮像素子76の受光位置とのずれ量を評価する評価値に基づいて、原稿読取部11によって読取られる原稿の原稿画像を処理する。原稿画像処理部14による原稿画像の処理に用いられる評価値は、図3に示す原稿台72に設けられる第1および第2チャート部17,18の各チャートを用いて求められる。 【0099】 第1および第2チャート部17,18の各チャートは、原稿読取部11によって読取られる。原稿読取部11によって読取られる第1および第2チャート部17,18の各チャート画像は、図1に示すA/D変換部12および一時記憶部13を経て、原稿画像処理部14に与えられる。原稿画像処理部14は、各チャート画像に基づいて、原稿画像の主走査方向Bおよび副走査方向Aについて、原稿読取部11によって読取られる各色に対する結像レンズ75と撮像素子76の受光位置とのずれ量を評価する評価値をそれぞれ求め、この評価値に基づいて、原稿画像を処理する。 【0100】 図11は、基準チャートを示す正面図である。図11(1)は基準チャートの一例を示し、図11(2)は基準チャートの他の例を示す。第1チャート部17のチャート形成面19に形成される基準チャートと、第2チャート部18のチャート形成面20に形成される基準チャートとは、同一である。基準チャートは、濃度が異なる2つの領域から成る繰り返し模様である。ここでは、第1および第2チャート部17,18が原稿台72に装着された状態を想定して説明する。 【0101】 図11(1)に示す一例では、基準チャート151は、副走査方向Aに延びる濃度の異なる2つの線部分154,155が主走査方向Bに交互に並ぶ第1ラダーチャート152と、主走査方向Bに延びる濃度の異なる2つの線部分156,157が副走査方向Aに交互に並ぶ第2ラダーチャート153とを有する。この例では、第1ラダーチャート152は、副走査方向Aに延びる黒色の線部分154と副走査方向Aに延びる白色の線部分155とが主走査方向Bに交互に並ぶことによって構成され、第2ラダーチャート153は、主走査方向Bに延びる黒色の線部分156と主走査方向Bに延びる白色の線部分157とが副走査方向Aに交互に並ぶことによって構成される。 【0102】 第1ラダーチャート152は、主走査方向Bに関して、各色に対する結像レンズ75の合焦位置と撮像素子76の受光位置とのずれ量を評価する評価値(以下、単に「主走査方向Bに関する評価値」という)を求めるために用いられる。第2ラダーチャート153は、副走査方向Aに関して、各色に対応する結像レンズ75の合焦位置と撮像素子76の受光位置とのずれ量を評価する評価値(以下、単に「副走査方向Aに関する評価値」という)を求めるために用いられる。 【0103】 第1および第2ラダーチャート152,153は、たとえば5[lp/mm]である。換言すれば、第1ラダーチャート152では、主走査方向Bの1[mm]の間に、黒色および白色の線部分154,155の組が5組含まれ、第2ラダーチャート153では、副走査方向Aの1[mm]の間に、黒色および白色の線部分156,157の組が5組含まれる。 【0104】 図11(2)に示す他の例では、基準チャート161は、副走査方向Aに延びる濃度の異なる2つの線部分164,165が主走査方向Bに交互に並ぶ第1ラダーチャート162と、原稿載置面71内で主走査方向Bに交差する第1方向C1に延びる濃度の異なる2つの線部分166,167が、原稿載置面71内で前記第1方向C1に直交する第2方向C2に交互に並ぶ第2ラダーチャート163とを有する。この例では、第1ラダーチャート162は、副走査方向Aに延びる黒色の線部分164と副走査方向Aに延びる白色の線部分165とが主走査方向Bに交互に並ぶことによって構成され、第2ラダーチャート163は、第1方向C1に延びる黒色の線部分166と第1方向C1に延びる白色の線部分167とが第2方向C2に交互に並ぶことによって構成される。 【0105】 第1ラダーチャート162は、主走査方向Bに関する評価値を求めるために用いられる。第2ラダーチャート163は、副走査方向Aに関する評価値を求めるために用いられる。第1および第2ラダーチャート162,163は、たとえば5[lp/mm]である。換言すれば、第1ラダーチャート162では、主走査方向Bの1[mm]の間に、黒色および白色の線部分164,165の組が5組含まれ、第2ラダーチャート163では、第2方向C2の1[mm]の間に、黒色および白色の線部分166,167の組が5組含まれる。 【0106】 第1方向C1と主走査方向Bとの成す角度θは、0°を超え、かつ45°未満になるように選ばれる。これによって、副走査方向Aに関する評価値を、主走査方向Bの1ラインの読み取りで正確に求めることができる。第1方向C1と主走査方向Bとの成す角度θが0°であれば、副走査方向Aに関する評価値を、主走査方向Bの1ラインの読み取りでは求めることができない。第1方向C1と主走査方向Bとの成す角度θが45°以上であれば、主走査方向Bに関する原稿側合焦位置と原稿位置とのずれ量の影響によって、副走査方向Aに関する評価値を正確に求めることができない。 【0107】 「原稿側合焦位置」とは、結像レンズ75と撮像素子76との距離を一定としたとき、結像レンズ75によって原稿からの光を撮像素子76の受光位置に結像させることができる原稿の位置をいう。 【0108】 図12は、基準チャートの読取信号の波形を示す図である。図12において、横軸は主走査方向Bまたは副走査方向Aの位置を示し、縦軸は読取信号の出力値を示す。基準チャートを原稿読取部11によって読取ったときの撮像素子76からの読取信号の出力値は、図12に示すように、主走査方向Bまたは副走査方向Aの位置に応じて変化する。読取信号の出力値は、基準チャートの黒色の線部分に対応する位置では、基準チャートの白色の線部分に対応する位置よりも小さくなる。 【0109】 原稿画像処理部14は、原稿読取部11によって読取られる第1チャート部17のチャート画像に基づいて、上流側チャート位置における主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関する評価値および副走査方向Aに関する評価値を求める。本実施の形態において原稿画像処理部14は、上流側チャート位置および下流側チャート位置のいずれかの位置において、主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関する評価値および副走査方向Aに関する評価値を求めればよい。下流側チャート位置において前記評価値を求める場合、原稿画像処理部14は、原稿読取部11によって読取られる第2チャート部18のチャート画像に基づいて、下流側チャート位置における主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関する評価値および副走査方向Aに関する評価値を求める。 【0110】 本実施の形態では、原稿画像処理部14は、評価値として、コントラスト伝達関数( Contrast Transfer Function;略称CTF)値を求める。CTF値は、読取信号の出力値の最大値と読取信号の出力値の最小値との差を、読取信号の出力値の最大値と読取信号の出力値の最小値との和で、除した値である。換言すれば、読取信号の出力値の最大値をaとし、読取信号の出力値の最小値をbとしたとき、CTF値は、以下の式(1)によって求められる。このCTF値は、結像レンズ75の合焦位置と撮像素子76の受光位置とのずれ量が大きいほど、小さくなる。 CTF値=(a−b)/(a+b) …(1) 【0111】 以下、主走査方向Bに関する評価値となるCTF値を、主走査方向Bに関するCTF値といい、副走査方向Aに関する評価値となるCTF値を、副走査方向Aに関するCTF値という。また以下において「%」を付して記載するCTF値は、式(1)で規定されるCTF値が1になるときを100%としたときの値である。 【0112】 前述の図11(1)に示す基準チャート151が用いられる場合、第1ラダーチャート152が原稿読取部11によって1ライン読取られ、また第2ラダーチャート153が原稿読取部11によって予め定める数のライン読取られる。前記予め定める数は、副走査方向Aに関するCTF値を求めるために必要な数に選ばれる。 【0113】 原稿画像処理部14は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色について、第1ラダーチャート152を原稿読取部11によって読取ったときの撮像素子76からの読取信号の出力値に基づいて、主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関するCTF値を求め、これらの平均値をその色の主走査方向Bに関するCTF値として求める。詳しくは、原稿画像処理部14は、赤色、緑色および青色の各色に対して、主走査方向Bに関する各位置について、主走査方向Bの予め定める範囲内での読取信号の出力値の最大値および最小値を抽出し、前記式(1)によって、主走査方向Bに関するCTF値を求め、各位置での主走査方向Bに関するCTF値の平均値をその色の主走査方向Bに関するCTF値として求める。主走査方向Bの予め定める範囲は、量子化誤差を考慮して選ばれ、たとえば原稿上で10mm分に選ばれる。 【0114】 また原稿画像処理部14は、赤色、緑色および青色の各色について、第2ラダーチャート153を原稿読取部11によって読取ったときの撮像素子76からの読取信号の出力値に基づいて、主走査方向Bに関する複数の位置での副走査方向Aに関するCTF値を求め、これらの平均値をその色の副走査方向Aに関するCTF値として求める。詳しくは、原稿画像処理部14は、赤色、緑色および青色の各色に対して、主走査方向Bに関する各位置について、副走査方向Aの予め定める範囲内での読取信号の出力値の最大値および最小値を抽出し、前記式(1)によって、副走査方向Aに関するCTF値を求め、各位置での副走査方向Aに関するCTF値の平均値をその色の副走査方向Aに関するCTF値として求める。副走査方向Aの予め定める範囲は、量子化誤差を考慮して選ばれ、たとえば原稿上で10mm分に選ばれる。 【0115】 前述の図11(2)に示す基準チャート161が用いられる場合、第1ラダーチャート162が原稿読取部11によって1ライン読取られ、また第2ラダーチャート163が原稿読取部11によって主走査方向Bの1ライン読取られる。 【0116】 原稿画像処理部14は、赤色、緑色および青色の各色について、第1ラダーチャート162を原稿読取部11によって読取ったときの撮像素子76からの読取信号の出力値に基づいて、主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関するCTF値を求め、これらの平均値をその色の主走査方向Bに関するCTF値として求める。この主走査方向Bに関するCTF値の求め方は、図11(1)に示す基準チャート151が用いられる場合と同様である。 【0117】 また原稿画像処理部14は、赤色、緑色および青色の各色について、第2ラダーチャート163を原稿読取部11によって読取ったときの撮像素子76からの読取信号の出力値に基づいて、主走査方向Bに関する複数の位置での副走査方向Aに関するCTF値を求め、これらの平均値をその色の副走査方向Aに関するCTF値として求める。詳しくは、原稿画像処理部14は、赤色、緑色および青色の各色に対して、主走査方向Bに関する各位置について、主走査方向Bの予め定める範囲内での読取信号の出力値の最大値および最小値を抽出し、前記式(1)によって、副走査方向Aに関するCTF値を求め、各位置での副走査方向Aに関するCTF値の平均値をその色の副走査方向Aに関するCTF値として求める。主走査方向Bの予め定める範囲は、量子化誤差を考慮して選ばれ、たとえば原稿上で10mm分に選ばれる。 【0118】 このようにして求められるCTF値は、コルトマン(Coltman)の換算式を用いて、変調伝達関数(Modulation Transfer Function;略称MTF)値に換算することができる。コルトマンの換算式によれば、CTF値はMTF値に1対1に対応して換算されるので、変調伝達関数(MTF)は、CTF値によって評価することができる。 【0119】 図13(1)はRGBの読取信号の変調伝達関数が一致している場合の読取信号の波形を示す図であり、図13(2)はRGBの読取信号の変調伝達関数が一致している場合に形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。原稿読取部11によって読取られるRGBの各色の変調伝達関数(MTF)が一致している場合、主走査方向Bおよび副走査方向Aに関する各位置での読取信号の出力値は、ほぼ一致する。したがって図13(1)において一点鎖線で示される赤色(R)の読取信号の波形、実線で示される緑色(G)の読取信号の波形、および破線で示される青色(B)の読取信号の波形は、ほぼ一致する。 【0120】 このようにRGBのMTFが一致している場合に、矩形状の黒べた部によって構成される黒べた画像が形成された原稿を読取り、読取られたRGBの読取信号に基づいて黒べた画像170を形成すると、黒べた画像170は、図13(2)に示すように外周縁部171を含む全体にわたって黒べた部172によって構成される。 【0121】 図13に示す状態は理想的な状態であり、実際にはRGBの読取信号のMTFは、RGBの各色毎に異なる。これは、結像レンズ75の色収差が原因である。図14は、RGBの各色に対する結像レンズ75の合焦位置を模式的に示す図である。結像レンズ75の撮像素子76側の合焦位置173は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色毎に異なり、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の順で、結像レンズ75に近づく。したがって各色に対する結像レンズ75の合焦位置173は、赤色(R)に対する合焦位置173R、緑色(G)に対する合焦位置173G、青色(B)に対する合焦位置173Bの順に結像レンズ75に近くなる。 【0122】 このように原稿読取部11によって読取られる各色に対する結像レンズ75の合焦位置は各色毎に異なるので、前述の図4に示す結像レンズ75を含むレンズ組立体83および撮像素子76を支持フレーム90に組付けるとき、レンズ組立体83と撮像素子76との距離Dは、各色に対する結像レンズ75の合焦位置173R,173G,173Bと撮像素子76の受光位置76aとのずれ量d1,d2が許容範囲に収まるように調整される。結像レンズ75の合焦位置173と撮像素子76の受光位置76aとのずれ量はCTF値によって表されるので、RGBの各色に対するCTF値が許容範囲に収まるように、レンズ組立体83と撮像素子76との距離D、より詳細には結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが調整される。「結像レンズと撮像素子との距離」とは、結像レンズの主点と、撮像素子76の受光位置との間隔をいう。 【0123】 図15は、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dと、RGBの各色に対するCTF値との関係を表すグラフの一例を示す図である。図15において、横軸は結像レンズ75と撮像素子76との距離(以下、「レンズ−撮像素子間距離」ということがある)Dを示し、縦軸はCTF値を示す。図15に示すように、撮像素子76からの読取信号の出力値から求められるCTF値は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色毎に異なり、これら3色に対するCTF値が取る範囲(以下、「CTF範囲」ということがある)Wは、レンズ−撮像素子間距離によって異なる。CTF範囲Wは、RGBの各色に対するCTF値のばらつきを表し、CTF範囲Wが小さいほど、RGBの3色のCTF値の差が小さくなり、各色に対する結像レンズ75の合焦位置173のばらつきが小さくなる。したがってCTF範囲Wは小さいほど好ましく、レンズ組立体83および撮像素子76を支持フレーム90に組付けるときには、このCTF範囲Wが許容範囲に収まるように、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが調整される。本実施形態においてCTF範囲Wの許容範囲は、10%以下に選ばれる。 【0124】 本実施形態では、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dは、実線で示される緑色(G)に対するCTF値が最大値になる二点鎖線174で示される値に調整される。この場合、破線で示される青色(B)に対するCTF値は、参照符174で表される組付け時のレンズ−撮像素子間距離になるときの撮像素子76の受光位置76aよりも結像レンズ75寄りの位置で最大値を取り、一点鎖線で示される赤色(R)に対するCTF値は、組付け時のレンズ−撮像素子間距離174になるときの撮像素子76の受光位置76aよりも結像レンズ75から離反する位置で最大値を取る。したがって各色に対するCTF値は、図15に示すように緑色(G)、赤色(R)、青色(B)の順に小さくなる。図15では、撮像素子76からの読取信号の出力値から求められるCTF値のうち、緑色(G)に対するCTF値をCTF(G)と記載し、赤色(R)に対するCTF値をCTF(R)と記載し、青色(B)に対するCTF値をCTR(B)と記載する。 【0125】 図16(1)は組付け時におけるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図16(2)は組付け時の状態で形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。図16(1)では、赤色(R)の読取信号の波形を一点鎖線で示し、緑色(G)の読取信号の波形を実線で示し、青色(B)の読取信号の波形を破線で示す。結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが、図15に示すように緑色(G)に対するCTF値が最大値になる値に調整される場合、読取信号の出力値の最大値と最小値との差は、赤色、緑色および青色の各色毎に異なり、具体的には緑色(G)が最も大きく、赤色(R)、青色(B)の順に小さくなる。 【0126】 このように読取信号の出力値の最大値と最小値との差が各色毎に異なる場合、黒べた画像170の外周縁部171に色付の縁が生じることがある。本実施形態では、CTF値が前述の許容範囲内にあり、読取信号の出力値の最大値と最小値との差が各色毎に異なっても、その差は小さいので、図16(2)に示すように、外周縁部171を含む全体にわたって、右下がりの斜線で示される黒べた部172で構成される黒べた画像170が形成される。 【0127】 画像形成装置1によって画像を形成するとき、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが組付け時に調整された値に保持されていればよいが、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dは、画像形成部4の定着ユニット29からの発熱の影響などによって変化する。画像形成部4の定着ユニット29では、加熱ローラ61の表面温度が160℃以上200℃以下に調整されるので、この加熱ローラ61からの発熱によって、原稿読取装置2内部の温度、具体的には原稿読取部11の温度が上昇する。原稿読取部11の温度が上昇すると、たとえば、前述の図4に示す結像レンズ75を含むレンズ組立体83が支持される支持フレーム90が膨張して延び、結像レンズ75と撮像素子76との間隔が広がって、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが大きくなる。 【0128】 図17は、原稿読取部11の温度上昇の結像レンズ75と撮像素子76との距離Dへの影響を説明するための図である。図17では、前述の図15と同様に、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dと、RGBの各色に対するCTF値との関係を示す。図17において、横軸はレンズ−撮像素子間距離Dを示し、縦軸はCTF値を示す。原稿読取部11の温度が上昇して結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが大きくなり、参照符175で示される値になると、撮像素子76からの読取信号の出力値から求められるCTF値が変化する。たとえば図17に示す例では、原稿読取部11の温度が上昇したときの赤色、緑色および青色の各色に対するCTF値は、赤色(R)が最も大きく、緑色(G)、青色(B)の順に小さくなる。 【0129】 破線で示される青色(B)のCTF値は、組付け時において赤色、緑色および青色の3色のうちで最も小さく、また図17に示すように、レンズ−撮像素子間距離Dが、組付け時のレンズ−撮像素子間距離174よりも大きい範囲では、レンズ−撮像素子間距離Dが大きくなるほど、小さくなる。したがって原稿読取部11の温度が上昇してレンズ−撮像素子間距離Dが大きくなると、青色(B)のCTF値が、赤色(R)および緑色(G)のCTF値に比べて大きく低下する。これによって原稿読取部11の温度上昇時のCTF範囲W2は、組付け時のCTF範囲W1よりも大きくなる。 【0130】 図18(1)は原稿読取部11の温度上昇時におけるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図18(2)は原稿読取部11の温度上昇時に形成される黒べた画像180を模式的に示す図である。図18(1)では、赤色(R)の読取信号の波形を一点鎖線で示し、緑色(G)の読取信号の波形を実線で示し、青色(B)の読取信号の波形を破線で示す。前述のように原稿読取部11の温度上昇によってレンズ−撮像素子間距離Dが大きくなり、CTF範囲が大きくなると、読取信号の出力値の最大値と最小値との差についても、色同士間で大きな差が生じる。 【0131】 たとえば、図17に示すように青色(B)のCTF値が他の2色に比べて大きく低下すると、青色に対する読取信号の出力値の最大値と最小値との差が、他の2色である赤色(R)および緑色(G)に対する読取信号の出力値の最大値と最小値との差よりも過度に小さくなる。このように読取信号の出力値の最大値と最小値との差が色同士間において大きく異なると、図18(2)に示すように、形成される黒べた画像180の外周縁部181に、黒色以外の色によって、左下がりの斜線で示される色付の縁が生じ、この色付の外周縁部181と黒べた部182とによって黒べた画像180が構成される。このように原稿読取部11の温度が上昇すると、黒べた画像に色付の縁が生じるといった画質の悪化が生じる。 【0132】 本実施形態では、この画質の悪化を防ぐために、原稿読取部11の温度を温度検出部15によって検出し、検出される原稿読取部11の温度に基づいて、原稿画像処理部14によって赤色、緑色および青色の各色の原稿画像を処理する。原稿画像処理部14による原稿画像の処理に用いられる原稿読取部11の温度は、原稿読取部11によって原稿が読取られたときの温度であり、原稿画像処理部14によって原稿画像が処理されるときの温度ではない。 【0133】 原稿画像処理部14は、より詳細には、原稿読取部11によって読取られる複数の色に対する結像レンズ75の合焦位置173と撮像素子76の受光位置76aとのずれ量を評価する評価値が、前記複数の色のうちの1つに対する評価値を基準とする予め定める範囲内に含まれるように、原稿画像を処理する。 【0134】 本実施の形態では、原稿画像処理部14は、撮像素子76からの読取信号の出力値から求めた各色のCTF値が、いずれか1つの色に対するCTF値を基準とする予め定める範囲に含まれるように、原稿画像を処理する。原稿読取部11は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3色に色分解して原稿を読取るので、原稿画像処理部14は、赤色、緑色および青色の3色に対するCTF値が、これら3色のうちの1色に対するCTF値を基準とする予め定める範囲に含まれるように、原稿画像を処理する。前記予め定める範囲は、前述のCTF範囲Wの許容範囲に相当する。前記予め定める範囲の基準となるCTF値としては、たとえば赤色、緑色および青色の3色に対するCTF値のうちの最大値、図17に示す例では赤色(R)に対するCTF値が用いられる。基準となるCTF値として赤色に対するCTF値が用いられる場合、原稿画像は、緑色および青色に対するCTF値が、赤色に対するCTF値から10%を減算した値以上、赤色に対するCTF値以下になるように処理される。 【0135】 本実施形態において原稿画像処理部14は、フィルタを用いるフィルタ処理によって原稿画像を処理する。より詳細には、原稿画像処理部14は、前記評価値、本実施形態ではCTF値に応じて選ばれる色の原稿画像を強調化するように、原稿画像をフィルタ処理する。評価値がCTF値である場合、フィルタ処理によって強調化される色は、他の色に比べて、CTF値が相対的に小さい色に選ばれる。たとえば、前述の図17に示すように、青色(B)に対するCTF値が他の2色に比べて小さい場合、青色の原稿画像が、フィルタ処理によって強調化される。 【0136】 フィルタ処理に用いられる強調化フィルタは、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に応じて選ばれる。強調化フィルタと原稿読取部11の温度との関係は、CTF値から予め求められる。求められた強調化フィルタと原稿読取部11の温度との関係は、図示しない記憶部に記憶される。強調化フィルタと原稿読取部11の温度との関係は、具体的には以下のようにして求められる。 【0137】 原稿画像処理部14は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の各温度において、前述のようにして赤色、緑色および青色の各色に対するCTF値を求め、求めた各色に対するCTF値に基づいて、原稿画像を処理する色(以下、「処理対象色」ということがある)を選択し、その色に対するCTF値から補正量を求め、この補正量を、フィルタを構成するフィルタ係数として用いる。本実施形態において処理対象色は、注目している原稿読取部11の温度において、他の2色に比べて、CTF値が小さい色に選ばれる。原稿読取部11の温度と処理対象色との関係は、予め求められ、図示しない記憶部に記憶される。 【0138】 原稿画像がフィルタ処理によって強調化処理される場合、前記補正量として、強調化度が求められる。より詳細には、原稿画像処理部14は、主走査方向Bに関するCTF値から、補正量である主走査方向Bに関する強調化度を求め、また副走査方向Aに関するCTF値から、補正量である副走査方向Aに関する強調化度を求める。 【0139】 主走査方向Bに関する強調化度は、主走査方向Bに関するCTF値から求められる。副走査方向Aに関する強調化度は、副走査方向Aに関するCTF値から求められる。本実施の形態では、強調化度はCTF値の逆数である。したがって強調化度は、CTF値が小さいほど、高くなる。強調化度は、CTF値の逆数に限定されるものではなく、たとえばCTF値の逆数に比例する値であってもよい。 【0140】 図19は、原稿画像を強調化するために用いられる強調化フィルタを示す図である。図19(1)は主走査方向Bに関する強調化度に応じた強調化フィルタを一般的に示し、図19(2)〜図19(4)は図19(1)の強調化フィルタの一例を示し、図19(5)は副走査方向Aに関する強調化度に応じた強調化フィルタを一般的に示し、図19(6)〜図19(8)は図19(5)の強調化フィルタの一例を示す。本実施の形態では、主走査方向Bに関する強調化度に応じた強調化フィルタ(以下「主走査方向フィルタ」という場合がある)および副走査方向Aに関する強調化度に応じた強調化フィルタ(以下「副走査方向フィルタ」という場合がある)は、オペレータの大きさが3×3に選ばれる。各フィルタのオペレータの大きさは、3×3に限定されるものではない。 【0141】 図19(1)を参照して、主走査方向Bに関する強調化度をS1としたとき、主走査方向フィルタにおいて、注目画素のフィルタ係数a1は、以下の式(2)によって求められ、注目画素に対する周辺画素のうち副走査方向Aに関して注目画素と同一位置に配置される2つの画素のフィルタ係数b1は、以下の式(3)によって求められる。注目画素に対する周辺画素のうち前記2つの画素を除く残余の画素のフィルタ係数は0に選ばれる。 a1=−2・b1+1 …(2) b1=−0.1・S1 …(3) 【0142】 一例として述べると、主走査方向Bに関するCTF値が23%である場合、主走査方向Bに関する強調化度S1は4.35であり、主走査方向フィルタは、図19(2)に示すように、注目画素のフィルタ係数が1.87であり、前記2つの画素のフィルタ係数が−0.43である。主走査方向Bに関するCTF値が44%である場合、主走査方向Bに関する強調化度S1は2.27であり、主走査方向フィルタは、図19(3)に示すように、注目画素のフィルタ係数が1.45であり、前記2つの画素のフィルタ係数が−0.23である。主走査方向Bに関するCTF値が76%である場合、主走査方向Bに関する強調化度S1は1.32であり、主走査方向フィルタは、図19(4)に示すように、注目画素のフィルタ係数が1.26であり、前記2つの画素のフィルタ係数が−0.13である。 【0143】 原稿読取装置2は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の各温度において求められる主走査方向フィルタのすべてを記憶部に記憶させておくように構成されてもよいが、本実施形態では、求められる主走査方向フィルタのうちのいくつかを記憶部に記憶させておくように構成される。この場合、主走査方向フィルタは、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて選択される。原稿読取部11の温度が高いほど、結像レンズ75を含むレンズ組立体83を支持する支持フレーム90の膨張度合が大きく、結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが大きくなるので、前述の図17に示す温度上昇時のCTF範囲W2のように、CTF範囲Wは、原稿読取部11の温度が高いほど、大きくなる。CTF範囲Wが大きいほど、処理対象色に対する強調化度を大きくする必要があるので、注目画素のフィルタ係数は大きい値に選ばれる。 【0144】 たとえば、図19(2)〜(4)の3種類の主走査方向フィルタが準備されている場合、原稿読取部11の温度が高いとき、たとえば45℃を超えるときには、図19(2)に示される主走査方向フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が中程度であるとき、たとえば40℃以上45℃以下であるときには、図19(3)に示される主走査方向フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が低いとき、たとえば40℃未満であるときには、図19(4)に示される主走査方向フィルタが用いられる。 【0145】 図19(2)に示される主走査方向フィルタは、原稿読取部11の温度が45℃を超え50℃以下である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が50℃を超えることがある場合には、図19(2)に示される主走査方向フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が大きい主走査方向フィルタを準備しておき、原稿読取部11の温度が50℃を超える範囲においては、このフィルタを用いることが好ましい。また図19(4)に示される主走査方向フィルタは、原稿読取部11の温度が30℃以上40℃未満である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が30℃未満になることがある場合には、図19(4)に示される主走査方向フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が小さい主走査方向フィルタを準備しておき、原稿読取部11の温度が30℃未満である範囲においては、このフィルタを用いることが好ましい。 【0146】 図19(5)を参照して、副走査方向Aに関する強調化度をS2としたとき、副走査方向フィルタにおいて、注目画素のフィルタ係数a2は、式(4)によって求められ、注目画素に対する周辺画素のうち主走査方向Bに関して注目画素と同一位置に配置される2つの画素のフィルタ係数b2は、以下の式(5)によって求められる。注目画素に対する周辺画素のうち前記2つの画素を除く残余の画素のフィルタ係数は0に選ばれる。 a2=−2・b2+1 …(4) b2=−0.1・S2 …(5) 【0147】 一例として述べると、副走査方向Aに関するCTF値が23%である場合、副走査方向Aに関する強調化度S2は4.35であり、副走査方向フィルタは、図19(6)に示すように、注目画素のフィルタ係数が1.87であり、前記2つの画素のフィルタ係数が−0.43である。副走査方向Aに関するCTF値が44%である場合、副走査方向Aに関する強調化度S2は2.27であり、副走査方向フィルタは、図19(7)に示すように、注目画素のフィルタ係数が1.45であり、前記2つの画素のフィルタ係数が−0.23である。副走査方向Aに関するCTF値が76%である場合、副走査方向Aに関する強調化度S2は1.32であり、副走査方向フィルタは、図19(8)に示すように、注目画素のフィルタ係数が1.26であり、前記2つの画素のフィルタ係数が−0.13である。 【0148】 原稿読取装置2は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の各温度において求められる副走査方向フィルタのすべてを記憶部に記憶させておくように構成されてもよいが、本実施形態では、求められる副走査方向フィルタのうちのいくつかを記憶部に記憶させておくように構成される。この場合、副走査方向フィルタは、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に応じて選ばれる。前述のように、原稿読取部11の温度が高いほど、処理対象色に対する強調化度を大きくする必要があるので、注目画素のフィルタ係数は大きい値に選ばれる。 【0149】 たとえば、図19(6)〜(8)の3種類の副走査方向フィルタが準備されている場合、原稿読取部11の温度が高いとき、たとえば45℃を超えるときには、図19(6)に示される副走査方向フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が中程度であるとき、たとえば40℃以上45℃以下であるときには、図19(7)に示される副走査方向フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が低いとき、たとえば40℃未満であるときには、図19(8)に示される副走査方向フィルタが用いられる。 【0150】 図19(6)に示される副走査方向フィルタは、原稿読取部11の温度が45℃を超え50℃以下である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が50℃を超えることがある場合には、図19(6)に示される副走査方向フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が大きい副走査方向フィルタを準備しておき、原稿読取部11の温度が50℃を超える範囲においては、このフィルタを用いることが好ましい。また図19(8)に示される副走査方向フィルタは、原稿読取部11の温度が30℃以上40℃未満である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が30℃未満になることがある場合には、図19(8)に示される副走査方向フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が小さい副走査方向フィルタを準備しておき、原稿読取部11の温度が30℃未満である範囲においては、このフィルタを用いることが好ましい。 【0151】 原稿画像処理部14は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて処理対象色を決定し、処理対象色の原稿画像について、主走査方向フィルタによって各画像領域を強調化するとともに、副走査方向フィルタによって各画像領域を強調化する。このように原稿画像を処理することによって、原稿読取部11の温度が変化したときに、処理対象色の原稿画像を全体にわたって強調化し、原稿読取部11によって読取られる各色の均衡を保つことができる。具体的には、原稿読取部11の温度の変化に伴ってCTF値が予め定める範囲から外れる色の原稿画像を強調化し、これによって、原稿読取部11の温度が変化しても、全体的にカラーバランスのとれた原稿画像を得ることができる。 【0152】 たとえば、前述の図17に示すように、原稿読取部11の温度の上昇に伴って、青色(B)のCTF値が他の2色R,Gに比べて大きく低下する場合、青色が処理対象色に選ばれ、青色の原稿画像がフィルタ処理によって強調化される。図20(1)は青色(B)の読取信号をフィルタ処理によって強調化して得られるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図20(2)は青色の読取信号をフィルタ処理によって強調化して得られる原稿画像に基づいて形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。 【0153】 青色の原稿画像をフィルタ処理によって強調化することによって、図20(1)に示すように青色(B)の読取信号の出力値の最小値を小さくし、赤色(R)および緑色(G)の読取信号の出力値に近づける、具体的には赤色の読取信号の出力値の最小値と緑色の読取信号の出力値の最小値との間の値にすることができる。これによって、赤色、緑色および青色に対する撮像素子76からの読取信号の出力値の差を小さくし、CTF範囲Wを10%以下にすることができるので、図20(2)に示すように、黒べた画像170の外周縁部171に色付の縁が発生することを防ぎ、黒べた部172によって構成される黒べた画像170を形成することができる。 【0154】 図21は、読取制御部16の読取動作の処理手順を示すフローチャートである。画像形成装置1の操作パネルから使用者の操作によって複写動作の開始指令が入力され、制御部8から原稿読取装置2の読取制御部16に読取動作の開始指令が入力されると、読取動作が開始され、ステップs1に進む。 【0155】 ステップs1において、読取制御部16は、原稿読取部11の温度を検出するように、温度検出部15を制御する。温度検出部15は、読取制御部16からの指令に基づいて、原稿読取部11の温度、具体的には支持フレーム90の温度を検出する。検出された原稿読取部11の温度は、読取制御部16に与えられる。このようにして原稿読取部11の温度を検出し、ステップs2に進む。 【0156】 ステップs2において、読取制御部16は、温度検出部15によって検出された原稿読取部11の温度に基づいて、処理対象色を選択する。より詳細には、読取制御部16は、予め求められる、原稿読取部11の温度とその温度における処理対象色との関係に基づいて、処理対象色を選択する。本実施形態において処理対象色は、原稿の原稿読取開始位置P1に位置する主走査方向Bの1ラインが読取られるときに温度検出部15によって検出された原稿読取部11の温度に基づいて選択される。このようにして処理対象色を選択し、ステップs3に進む。 【0157】 ステップs3において、読取制御部16は、温度検出部15によって検出された原稿読取部11の温度に基づいて、処理対象色に対するフィルタ処理に用いられるフィルタを選択する。より詳細には、読取制御部16は、予め求められる、原稿読取部11の温度とその温度における処理対象色のフィルタとの関係に基づいて、処理対象色に対するフィルタ処理に用いられるフィルタを選択する。本実施形態においてフィルタ処理に用いられるフィルタは、原稿の原稿読取開始位置P1に位置する主走査方向Bの1ラインが読取られるときに温度検出部15によって検出された原稿読取部11の温度に基づいて選択される。このようにしてフィルタを選択すると、ステップs4に進む。 【0158】 ステップs4において、読取制御部16は、原稿台72に載置される原稿を読取るように、原稿読取部11を制御する。原稿読取部11は、読取制御部16からの指令に基づいて、原稿台72に載置される原稿を読取る。本実施の形態では、原稿読取部11は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3色について、原稿を色毎に読取る。このようにして原稿を読取ると、ステップs5に進む。 【0159】 ステップs5において、読取制御部16は、読取られた原稿の原稿画像を主走査方向Bおよび副走査方向Aに並ぶ複数の画像領域に分割するように、原稿画像処理部14を制御する。原稿画像処理部14は、読取制御部16からの指令に基づいて、原稿画像を複数の画像領域に分割する。このようにして原稿画像を複数の画像領域に分割すると、ステップs6に進む。 【0160】 ステップs6において、読取制御部16は、原稿画像の各画像領域を処理するように、原稿画像処理部14を制御する。より詳細には、読取制御部16は、ステップs3において選択された処理対象色のフィルタを原稿画像処理部14に与えるとともに、ステップs2において選択された処理対象色の原稿画像をフィルタ処理するように、原稿画像処理部14を制御する。原稿画像処理部14は、読取制御部16からの指令に基づいて、処理対象色の原稿画像の各画像領域をフィルタ処理する。このようにして処理対象色の原稿画像の各画像領域を処理し、ステップs7に進む。 【0161】 ステップs7において、読取制御部16は、原稿画像の全ての画像領域の処理が終了したか否かを判断する。原稿画像の全ての画像領域の処理が終了したと判断されると、ステップs8に進み、終了していないと判断されると、ステップs6に戻り、処理されていない画像領域を処理する。 【0162】 ステップs8において、読取制御部16は、前述の図2に示すADF7の原稿トレイ127に載置される原稿群中の全ての原稿の読取りが終了したか否かを判断する。原稿群の全ての原稿の読取りが終了したと判断されると、ステップs9に進み、終了していないと判断されると、ステップs4に戻り、原稿群中の読取られていない他の原稿を読取る。 【0163】 ステップs9において、読取制御部16は、原稿読取装置2に与えられる全ての原稿群の読取りが終了したか否かを判断する。より詳細には、読取制御部16は、制御部8から原稿の読取りが予約されているか否かを判断することによって、全ての原稿群の読取りが終了したか否かを判断する。原稿の読取りの予約は、画像形成装置1の操作パネルから使用者の操作によって複写動作の予約が入力されたときに、制御部8から読取制御部16に入力される。原稿の読取りが予約されていると判断され、全ての原稿群の読取りが終了していないと判断されると、ステップs1に戻り、原稿読取部11の温度の検出から始まる一連のステップが繰返される。原稿の読取りが予約されていないと判断され、全ての原稿群の読取りが終了したと判断されると、ステップs10に進み、読取動作を終了する。 【0164】 図22は、温度検出部15による原稿読取部11の温度検出のタイミングを説明するための図である。図22において、横軸は、画像形成装置1の電源が入れられた時点を起点としたときの時刻を示し、縦軸は、原稿読取部11の温度(℃)を示す。縦軸に示される原稿読取部11の温度は、温度検出部15が設けられる位置における温度に相当する。図22では、原稿読取部11による各原稿の読取り動作が開始される時点を黒丸「●」で示し、各黒丸に付記している数値は、その原稿が電源が入れられてから累計何枚目の原稿であるかを示す。 【0165】 時刻t0において、画像形成装置1の電源が入れられ、オン(ON)状態になると、画像形成装置1の制御部8は、画像形成装置1の各部を、複写動作を含む画像形成動作を開始可能な状態(以下、「待機状態」ということがある)になるように制御する。たとえば制御部8は、定着ユニット29の加熱ローラ61の表面温度が、予め定められる定着温度になるように、熱源によって加熱ローラ61を加熱する。この加熱による発熱によって、画像形成装置1の内部の温度が上昇し、それに伴って原稿読取部11の温度が上昇する。時刻t1において画像形成装置1が待機状態になり、さらに時間が経過して時刻t2になると、原稿読取部11の温度は一定になる。時刻t2における原稿読取部11の温度は、たとえば20℃である。 【0166】 時刻t3において、使用者によって操作パネルから複写動作の開始指令が入力されると、画像形成装置1の制御部8から、原稿読取装置2の読取制御部16に読取動作開始の指令が入力される。読取動作開始の指令が入力されると、読取制御部16は、予め定めるタイミングで原稿読取部11の温度を検出するように温度検出部15を制御するとともに、原稿を読取るように原稿読取部11を制御する。 【0167】 たとえば、5枚の原稿を含む第1原稿群がADF7の原稿トレイ127に与えられ、4枚の原稿を含む第2原稿群の複写動作が予約され、合計9枚の原稿が複写される場合、原稿読取装置2の読取制御部16は、第1原稿群の1枚目の原稿である第1原稿を読取るとき、および第2原稿群の1枚目の原稿である第6原稿を読取るときに、原稿読取部11の温度を検出するように温度検出部15を制御する。これによって、時刻t4において、第1原稿が読取られるときに原稿読取部11の温度が検出され、さらに時刻t5において、第6原稿が読取られるときに原稿読取部11の温度が検出される。より詳細には、時刻t4において、第1原稿の原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときに原稿読取部11の温度が検出され、さらに時刻t5において、第6原稿の原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときに原稿読取部11の温度が検出される。 【0168】 原稿読取部11の温度は、第1および第2原稿群の各原稿が読取られるのに伴って上昇し、第2原稿群の最後の原稿である第9原稿が読取られてから、さらに時間が経過して時刻t6になると一定になる。時刻t6における原稿読取部11の温度は、たとえば50℃である。時刻t7において、画像形成装置1による第1および第2原稿群の複写動作が完了すると、原稿読取部11の温度は低下し始める。 【0169】 複写動作の完了から時間が経過し、時刻t8において、使用者によって操作パネルから新たな複写動作の開始指令が入力されると、画像形成装置1の制御部8から、原稿読取装置2の読取制御部16に読取動作開始の指令が入力される。読取動作開始の指令が入力されると、読取制御部16は、予め定めるタイミングで原稿読取部11の温度を検出するように温度検出部15を制御するとともに、原稿を読取るように原稿読取部11を制御する。 【0170】 たとえば、4枚の原稿を含む第3原稿群がADF7の原稿トレイ127に与えられる場合、原稿読取部11の読取制御部16は、第3原稿群の1枚目の原稿である第10原稿を読取るときに、原稿読取部11の温度を検出するように温度検出部15を制御する。これによって、時刻t9において、原稿読取部11によって第10原稿が読取られるときに、温度検出部15によって原稿読取部11の温度が検出される。より詳細には、時刻t9において、第10原稿の原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときに原稿読取部11の温度が検出される。 【0171】 原稿読取部11の温度は、第3原稿群の各原稿が読取られるのに伴って上昇し、第3原稿群の最後の原稿である第13原稿が読取られてから、さらに時間が経過して時刻t10になると一定になる。時刻t10における原稿読取部11の温度は、たとえば50℃である。時刻t11において、画像形成装置1による第3原稿群の複写動作が完了すると、原稿読取部11の温度は低下し始める。 【0172】 このように本実施の形態では、各原稿群の1枚目の原稿を読取るときに、原稿読取部11の温度が温度検出部15によって検出され、各原稿群に含まれる他の原稿が読取られるときには、原稿読取部11の温度は検出されない。各原稿群に含まれる各原稿の原稿画像は、その原稿群の1枚目の原稿が読取られるときに検出される原稿読取部11の温度に基づいて選択されるフィルタを用いて処理される。原稿読取部11の温度が検出されるタイミングは、各原稿群の1枚目の原稿を読取るときに限定されない。 【0173】 また本実施の形態では、原稿の原稿画像に含まれる複数の画像領域は、同一のフィルタを用いてフィルタ処理される。より詳細には、読取制御部16は、1つの原稿が原稿読取部11によって読取られるとき、その原稿の原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときの温度を原稿読取部11の温度として検出するように温度検出部15を制御し、その温度に基づいて処理対象色を選択してフィルタを選択し、このフィルタを用いて処理対象色の原稿画像をフィルタ処理する。処理対象色およびフィルタを選択するための原稿読取部11の温度は、各原稿の原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときの温度に限定されず、たとえば原稿が読取られている間の平均値であってもよい。この原稿が読取られている間の平均値は、1つの原稿が読取られている間に実際に検出される原稿読取部11の温度から計算によって求められてもよいが、1つの原稿が読取られている間の原稿読取部11の温度は、読取位置が原稿読取開始位置P1から原稿読取終了位置P2に向かって副走査方向Aに移動するのに伴って上昇するので、原稿の副走査方向Aにおける両端部間の中央部に位置する画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度を平均値として用いてもよい。 【0174】 本実施の形態によれば、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて、原稿読取部11によって読取られる各色の原稿画像が原稿画像処理部14によって処理されるので、たとえば、原稿読取部11の温度の上昇によって支持フレーム90が膨張して結像レンズ75と撮像素子76との距離が変化しても、原稿読取部11によって読取られる各色の均衡を保つことができる。 【0175】 結像レンズ75と撮像素子76との距離が変化する原因は、支持フレーム90の膨張に限定されない。たとえば、原稿読取部11の温度の変化によって、レンズ組立体83の鏡銅または結像レンズ75の硝材が収縮または膨張し、結像レンズ75と撮像素子76との距離が変化することがある。本実施の形態では、このような原因によって結像レンズ75と撮像素子76との距離が変化した場合にも、結像レンズ75または撮像素子76を移動させることなく、各色に対するCTF値を調整することができ、各色の均衡を保つことができる。 【0176】 このように本実施の形態では、原稿読取部11の温度が変化しても、原稿読取部11によって読取られる各色の均衡を保つことができるので、たとえば黒文字画像の縁に色が生じるといった画質の悪化を防止することができる。 【0177】 前述のように、原稿読取部11の温度が変化して結像レンズ75と撮像素子76との距離Dが変化すると、結像レンズ75の撮像素子76側の合焦位置173が、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色毎に異なるという、結像レンズ75の色収差に起因して、黒べた画像に色付の縁が生じることがある。たとえば、黒文字画像の縁に色が生じることがある。 【0178】 本実施の形態では、原稿読取部11は、赤色、緑色および青色の各色毎に原稿を読取り、原稿画像処理部14は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて、原稿画像を処理する。このような本実施の形態によれば、原稿読取部11の温度が変化しても、原稿読取部11によって読取られる各色の均衡を保つことができるので、色収差の影響を抑えることができる。したがって、一定の品質の原稿画像を安定して得ることができるので、黒文字画像の縁に色が生じるといった、原稿読取部11の温度変化に伴う画質の悪化を防止することができる。 【0179】 このように本実施の形態の原稿読取装置2によれば、原稿読取部11の温度が変化しても、原稿読取部11によって読取られる各色の均衡を保つことができ、一定の品質の原稿画像を安定して得ることができるので、本実施形態の原稿読取装置2は、カラー原稿を読取るカラー原稿読取装置として好適である。 【0180】 また本実施の形態では、結像レンズ75を移動させることなく、原稿読取部11によって読取られる各色の原稿画像を処理することによって各色に対するCTF値を補正するので、温度の上昇に伴う画質の悪化をより容易に防止することができる。また結像レンズ75を移動させる必要がないので、各色に対するCTF値をより正確に補正することができ、画質の悪化をより確実に防止することができる。 【0181】 また本実施の形態では、原稿画像の複数の画像領域は、同一のフィルタを用いてフィルタ処理される。このフィルタ処理に用いられるフィルタは、原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときに温度検出部15によって検出された原稿読取部11の温度に基づいて選択される。原稿読取部11は、原稿載置面71に載置される原稿を、主走査方向Bの1ライン毎に読取るので、原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときに検出される原稿読取部11の温度は、原稿読取開始位置P1に位置する各画像領域が読取られるときに検出される原稿読取部11の温度に相当する。 【0182】 このように原稿読取開始位置P1に位置する画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度に基づいてフィルタが選択され、フィルタ処理に用いられる。換言すると、原稿画像処理部14は、原稿画像の複数の画像領域のうちの1つの画像領域、本実施形態では主走査方向Bに関するいずれかの位置において原稿読取開始位置P1に位置する画像領域を、その画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、前記複数の画像領域のうちの残余の画像領域を、前記1つの画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理する。したがって、読取られた原稿画像における画質の変化を防止し、原稿画像の品質を原稿画像全体にわたって均一化することができる。 【0183】 また本実施形態では原稿群に含まれる複数の原稿は、同一のフィルタを用いてフィルタ処理される。このフィルタ処理に用いられるフィルタは、各原稿群の1枚目の原稿が読取られるとき、より詳細には各原稿群の1枚目の原稿における原稿読取開始位置P1の主走査方向Bの1ラインが読取られるときに、温度検出部15によって検出された原稿読取部11の温度に基づいて選択される。換言すると、本実施の形態において原稿画像処理部14は、原稿群に含まれる複数の原稿のうちの1つの原稿の原稿画像、本実施形態では1枚目の原稿の原稿画像を、その原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理し、前記複数の原稿のうちの残余の原稿の原稿画像を、前記1つの原稿の原稿画像が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理する。したがって、読取られた原稿群における画質の変化を防止し、原稿画像の品質を原稿群全体にわたって均一化することができる。 【0184】 以上に述べたように本実施の形態では、原稿読取部11の温度は、図22に示すように、各原稿群の1つの原稿、具体的には1枚目の原稿が読取られるときに検出され、その検出される温度に基づいて1つのフィルタが選択され、そのフィルタを用いて原稿群に含まれる各原稿の原稿画像がフィルタ処理されるが、原稿読取部11の温度を検出するタイミングおよびフィルタ処理に用いられるフィルタの選択方法は、これに限定されない。たとえば、原稿群に含まれる各原稿を読取るときに原稿読取部11の温度をそれぞれ検出し、各原稿について、検出された原稿読取部11の温度に基づいてフィルタを選択し、そのフィルタを用いて原稿画像をフィルタ処理してもよい。 【0185】 このように原稿群に含まれる各原稿を読取るときに原稿読取部11の温度をそれぞれ検出する場合、読取制御部16は、前述の図21に示すフローチャートのステップs7において、原稿画像の全ての画像領域の処理が終了したと判断すると、ステップs1に戻り、原稿読取部11の温度の検出から始まる一連のステップを繰返す。 【0186】 このように原稿画像処理部14は、原稿群に含まれる複数の原稿の原稿画像を、その原稿が読取られるときの原稿読取部11の温度に基づいて選択されるフィルタを用いてフィルタ処理してもよいが、本実施形態のように1つの原稿群に含まれる複数の原稿については、複数の原稿のうちの1つの原稿の原稿画像が読取られるときの原稿読取部11の温度に基づいて処理する、具体的には前記温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理することが好ましい。これによって、原稿群に含まれる複数の原稿の原稿画像毎に画質が変化することを防止し、原稿画像の品質を原稿群全体にわたって均一化することができる。 【0187】 また原稿読取部11の温度は連続して検出されてもよい。原稿読取部11の温度が連続して検出される場合、原稿画像処理部14は、たとえば、検出される原稿読取部11の温度の変化量が予め定める値になったときに、その予め定める値になったときの原稿読取部11の温度に基づいてフィルタを選択し、そのフィルタを用いて原稿画像をフィルタ処理するように構成される。フィルタの選択に用いられる温度の変化量の予め定める値は、たとえば10℃である。 【0188】 また本実施の形態では、原稿画像処理部14は、主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関するCTF値の平均値を、赤色、緑色および青色の各色の主走査方向Bに関するCTF値として用い、原稿画像の主走査方向Bに並ぶ複数の画像領域部分に同一の処理、具体的には同一のフィルタを用いてフィルタ処理を施すが、原稿画像処理部14による処理はこれに限定されない。「画像領域部分」とは、原稿画像に含まれる複数の画像領域のうち、主走査方向Bに関する位置が同じ画像領域の集合を意味する。 【0189】 たとえば、原稿画像処理部14は、主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関するCTF値に基づいて、主走査方向Bに並ぶ各画像領域部分について、赤色、緑色および青色の3色に対するCTF値が、これら3色のうちの1つに対するCTF値を基準とする予め定める範囲に含まれるようにフィルタを選択し、そのフィルタを用いて原稿画像の各画像領域部分に含まれる各画像領域をフィルタ処理してもよい。このように原稿画像を処理することによって、原稿画像における各色の均衡を主走査方向B全体にわたってより確実に保つことができるので、原稿画像の品質を主走査方向B全体にわたって均一化することができる。 【0190】 また原稿画像処理部14は、上流側チャート位置における主走査方向Bに関する複数の位置での副走査方向Aに関するCTF値の平均値、たまは下流側チャート位置における主走査方向Bに関する複数の位置での副走査方向Aに関するCTF値の平均値を、赤色、緑色および青色の各色の副走査方向Aに関するCTF値として用い、主走査方向Bに関する各位置において原稿画像の副走査方向Aに並ぶ複数の画像領域に同一の処理を施すが、原稿画像処理部14による処理はこれに限定されない。 【0191】 たとえば、原稿画像処理部14は、上流側チャート位置における主走査方向Bに関する各位置での副走査方向Aに関するCTF値と、下流側チャート位置における主走査方向Bに関する各位置での副走査方向Aに関するCTF値とに基づいて、主走査方向Bに関する各位置において副走査方向Aに並ぶ各画像領域について、赤色、緑色および青色の3色に対するCTF値が、これら3色のうちの1つに対するCTF値を基準とする予め定める範囲に含まれるようにフィルタを選択し、そのフィルタを用いて原稿画像の各画像領域をフィルタ処理してもよい。このように原稿画像を処理することによって、原稿画像における各色の均衡を副走査方向A全体にわたってより確実に保つことができるので、原稿画像の品質を副走査方向A全体にわたって均一化することができる。 【0192】 また原稿画像処理部14は、主走査方向Bに関する複数の位置での主走査方向Bに関するCTF値に基づいて、原稿画像の主走査方向Bに並ぶ各画像領域部分を処理するとともに、上流側チャート位置における主走査方向Bに関する各位置での副走査方向Aに関するCTF値と、下流側チャート位置における主走査方向Bに関する各位置での副走査方向Aに関するCTF値とに基づいて、原稿画像の主走査方向Bに関する各位置において副走査方向Aに並ぶ各画像領域を処理してもよい。このように原稿画像を処理することによって、各色の均衡を原稿画像全体にわたってより確実に保つことができるので、原稿画像の品質を全体にわたって均一化することができる。 【0193】 このように主走査方向Bに並ぶ各画像領域部分および副走査方向Aに並ぶ各画像領域のうち、いずれか一方または両方について、それぞれフィルタを選択してフィルタ処理する場合、原稿画像に含まれる複数の画像領域のうちの1つの画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度に基づいて、その画像領域および残余の画像領域に応じたフィルタを選択する。このように複数の画像領域のすべてについて、複数の画像領域のうちの1つの画像領域が読取られるときに検出された原稿読取部11の温度に基づいてフィルタを選択してフィルタ処理することによって、同一の原稿画像における画質の変化を防止し、原稿画像の品質を原稿全体にわたって均一化することができる。 【0194】 図23は、本発明の他の実施の形態の原稿読取装置に備わる原稿画像処理部によるフィルタ処理に用いられる平滑化フィルタを示す図である。前述の実施の形態では、原稿画像処理部14は、評価値であるCTF値に応じて選ばれる色の原稿画像を強調化するように原稿画像をフィルタ処理するが、本実施の形態では、原稿画像処理部14は、評価値がCTF値に応じて選ばれる色の原稿画像を平滑化するように、原稿画像をフィルタ処理する。 【0195】 評価値がCTF値である場合、フィルタ処理によって平滑化される色は、他の色に比べて、CTF値が相対的に大きい色に選ばれる。たとえば、前述の図17に示すように、青色(B)に対するCTF値が他の2色に比べて小さく、したがって赤色(R)および緑色(G)に対するCTF値が青色に対するCTF値よりも大きい場合、赤色および緑色の原稿画像が、フィルタ処理によって平滑化される。 【0196】 原稿画像を平滑化するために用いられる平滑化フィルタは、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に応じて選ばれる。平滑化フィルタと原稿読取部11の温度との関係は、強調化フィルタと原稿読取部11の温度との関係と同様にして、CTF値から予め求められる。平滑化フィルタの場合、フィルタ係数として用いられる補正量として、平滑化度が求められる。平滑化度は、主走査方向Bおよび副走査方向Aに関して、それぞれ求められる。本実施の形態では、平滑化度はCTF値と一致する値、すなわちCTF値である。したがって平滑化度は、CTF値が大きいほど、高くなる。平滑化度は、CTF値に限定されるものではなく、たとえばCTF値に比例する値であってもよい。 【0197】 図23(1)は主走査方向Bに関する平滑化度に応じた平滑化フィルタを一般的に示し、図23(2)〜図23(4)は図23(1)の平滑化フィルタの一例を示し、図23(5)は副走査方向Aに関する平滑化度に応じた平滑化フィルタを一般的に示し、図23(6)〜図23(8)は図23(5)の平滑化フィルタの一例を示す。本実施の形態では、主走査方向Bに関する平滑化度に応じた平滑化フィルタ(以下「主走査方向平滑化フィルタ」という場合がある)および副走査方向Aに関する平滑化度に応じた平滑化フィルタ(以下「副走査方向平滑化フィルタ」という場合がある)は、オペレータの大きさが3×3に選ばれる。各平滑化フィルタのオペレータの大きさは、3×3に限定されるものではない。 【0198】 図23(1)を参照して、主走査方向Bに関する平滑化度をS3としたとき、主走査方向平滑化フィルタにおいて、注目画素のフィルタ係数c1は、以下の式(6)によって求められ、注目画素に対する周辺画素のうち副走査方向Aに関して注目画素と同一位置に配置される2つの画素のフィルタ係数d1は、以下の式(7)によって求められる。注目画素に対する周辺画素のうち前記2つの画素を除く残余の画素のフィルタ係数は0に選ばれる。 c1=0.49・S3+0.49 …(6) d1=(1−c1)÷2 …(7) 【0199】 一例として述べると、主走査方向Bに関するCTF値が76%すなわち0.76である場合、主走査方向Bに関する平滑化度S3は0.76であり、主走査方向平滑化フィルタは、図23(2)に示すように、注目画素のフィルタ係数が0.86であり、前記2つの画素のフィルタ係数が0.07である。主走査方向Bに関するCTF値が52%すなわち0.52である場合、主走査方向Bに関する平滑化度S3は0.52であり、主走査方向平滑化フィルタは、図23(3)に示すように、注目画素のフィルタ係数が0.74であり、前記2つの画素のフィルタ係数が0.13である。主走査方向Bに関するCTF値が23%すなわち0.23である場合、主走査方向Bに関する平滑化度S3は0.23であり、主走査方向平滑化フィルタは、図23(4)に示すように、注目画素のフィルタ係数が0.60であり、前記2つの画素のフィルタ係数が0.20である。 【0200】 本実施形態では、前述の実施形態と同様に、原稿読取装置2は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の各温度において求められる主走査方向平滑化フィルタのうちのいくつかを記憶部に記憶させておくように構成され、主走査方向平滑化フィルタは、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて選択される。前述のように、原稿読取部11の温度が高いほど、図17に示すCTF範囲Wが大きくなる。CTF範囲Wを小さくするためには処理対象色のCTF値を小さくすることが必要であり、CTF値は平滑化度S3が高いほど、大きくなるので、処理対象色に対する平滑化度S3を低くする必要がある。したがって注目画素のフィルタ係数は、原稿読取部11の温度が高いほど、小さい値に選ばれる。 【0201】 たとえば、図23(2)〜(4)の3種類の主走査方向平滑化フィルタが準備されている場合、原稿読取部11の温度が低いとき、たとえば40℃未満であるときには、図23(2)に示される主走査方向平滑化フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が中程度であるとき、たとえば40℃以上45℃以下であるときには、図23(3)に示される主走査方向平滑化フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が高いとき、たとえば45℃を超えるときには、図23(4)に示される主走査方向平滑化フィルタが用いられる。 【0202】 図23(2)に示される主走査方向平滑化フィルタは、原稿読取部11の温度が30℃以上40℃未満である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が30℃未満になる場合には、図23(2)に示される主走査方向平滑化フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が大きい主走査方向平滑化フィルタを準備しておき、このフィルタを用いることが好ましい。また図23(4)に示される主走査方向平滑化フィルタは、原稿読取部11の温度が45℃を超え50℃以下である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が50℃を超える場合には、図23(4)に示される主走査方向平滑化フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が小さい主走査方向フィルタを準備しておき、このフィルタを用いることが好ましい。 【0203】 図23(5)を参照して、副走査方向Aに関する平滑化度をS4としたとき、副走査方向平滑化フィルタにおいて、注目画素のフィルタ係数c2は、主走査方向平滑化フィルタにおける注目画素のフィルタ係数c1と同様に、以下の式(8)によって求められ、注目画素に対する周辺画素のうち主走査方向Bに関して注目画素と同一位置に配置される2つの画素のフィルタ係数b2は、主走査方向平滑化フィルタにおける前記2つの周辺画素のフィルタ係数d1と同様に、以下の式(9)によって求められる。注目画素に対する周辺画素のうち前記2つの画素を除く残余の画素のフィルタ係数は0に選ばれる。 c2=0.49・S4+0.49 …(8) d2=(1−c2)÷2 …(9) 【0204】 一例として述べると、副走査方向Aに関するCTF値が76%すなわち0.76である場合、副走査方向Aに関する平滑化度S4は0.76であり、副走査方向平滑化フィルタは、図23(6)に示すように、注目画素のフィルタ係数が0.86であり、前記2つの画素のフィルタ係数が0.07である。副走査方向Aに関するCTF値が52%すなわち0.52である場合、副走査方向Aに関する平滑化度S4は0.52であり、副走査方向平滑化フィルタは、図23(7)に示すように、注目画素のフィルタ係数が0.74であり、前記2つの画素のフィルタ係数が0.13である。副走査方向Aに関するCTF値が23%すなわち0.23である場合、副走査方向Aに関する平滑化度S4は0.23であり、副走査方向平滑化フィルタは、図23(8)に示すように、注目画素のフィルタ係数が0.60であり、前記2つの画素のフィルタ係数が0.20である。 【0205】 本実施形態では、前述の実施形態と同様に、原稿読取装置2は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の各温度において求められる副走査方向平滑化フィルタのうちのいくつかを記憶部に記憶させておくように構成され、副走査方向平滑化フィルタは、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて選択される。前述のように、原稿読取部11の温度が高いほど、処理対象色に対する平滑化度S4を低くする必要があるので、注目画素のフィルタ係数は、原稿読取部11の温度が高いほど、小さい値に選ばれる。 【0206】 たとえば、図23(6)〜(8)の3種類の副走査方向平滑化フィルタが準備されている場合、原稿読取部11の温度が低いとき、たとえば40℃未満であるときには、図23(6)に示される副走査方向平滑化フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が中程度であるとき、たとえば40℃以上45℃以下であるときには、図23(7)に示される副走査方向平滑化フィルタが用いられる。また原稿読取部11の温度が高いとき、たとえば45℃を超えるときには、図23(8)に示される副走査方向平滑化フィルタが用いられる。 【0207】 図23(6)に示される副走査方向平滑化フィルタは、原稿読取部11の温度が30℃以上40℃未満である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が30℃未満になる場合には、図23(6)に示される副走査方向平滑化フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が大きい副走査方向平滑化フィルタを準備しておき、このフィルタを用いることが好ましい。また図23(8)に示される副走査方向平滑化フィルタは、原稿読取部11の温度が45℃を超え50℃以下である範囲において用いられることが好ましく、原稿読取部11の温度が50℃を超える場合には、図23(8)に示される副走査方向平滑化フィルタよりも注目画素のフィルタ係数が小さい副走査方向フィルタを準備しておき、このフィルタを用いることが好ましい。 【0208】 原稿画像処理部14は、温度検出部15によって検出される原稿読取部11の温度に基づいて処理対象色を決定し、処理対象色の原稿画像について、主走査方向平滑化フィルタによって各画像領域を平滑化するとともに、副走査方向平滑化フィルタによって各画像領域を平滑化する。このように原稿画像を処理することによって、原稿読取部11の温度が変化したときに、処理対象色の原稿画像を全体にわたって平滑化し、原稿読取部11によって読取られる各色の均衡を保つことができる。具体的には、原稿読取部11の温度の変化に伴ってCTF値が予め定める範囲から外れる色を除く残余の色の原稿画像を平滑化し、これによって、原稿読取部11の温度が変化しても、全体的にカラーバランスのとれた原稿画像を得ることができる。 【0209】 たとえば、前述の図17に示すように、原稿読取部11の温度の上昇に伴って、青色(B)のCTF値が他の2色である赤色(R)および緑色(G)のCTF値に比べて大きく低下する場合、赤色および緑色が処理対象色に選ばれ、赤色および緑色の原稿画像がフィルタ処理によって平滑化される。図24(1)は赤色(R)および緑色(G)の読取信号をフィルタ処理によって平滑化して得られるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図24(2)は赤色および緑色の読取信号をフィルタ処理によって平滑化して得られる原稿画像に基づいて形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。 【0210】 赤色および緑色の原稿画像をフィルタ処理によって平滑化することによって、図24(1)に示すように赤色および緑色の読取信号の出力値の最小値を大きくし、青色の読取信号の出力値の最小値に近づけることができる。これによって赤色、緑色および青色に対する撮像素子76からの読取信号の出力値の差を小さくすることができるので、原稿読取部11の温度が変化しても、各色の均衡を保つことができる。したがって、黒べた画像170の外周縁部171に色付の縁が発生することを防ぎ、図24(2)に示すように、黒べた部172によって構成される黒べた画像170を形成することができる。 【0211】 このように本実施の形態では、処理対象色をフィルタ処理によって平滑化することによって、赤色、緑色および青色に対する撮像素子76からの読取信号の出力値の差を小さくし、各色の均衡を保持するので、モアレの発生を防止し、滑らかな原稿画像を得ることができる。 【0212】 以上に述べた実施の形態では、原稿画像処理部14は、原稿画像をフィルタ処理することによって各色の評価値を調整するが、原稿画像処理部14による原稿画像の処理は、フィルタ処理に限定されない。たとえば原稿画像処理部14は、評価値が前記予め定める範囲を外れる色の原稿画像に対して、その色の撮像素子76からの読取信号の出力値の最小値が、残余の色の読取信号の出力値の最小値に近づくように、またはその色の撮像素子76からの読取信号の出力値の最大値が、残余の色の読取信号の出力値の最大値に近づくように、読取信号の出力値を原稿画像全体にわたって増加または減少させるように処理してもよい。 【0213】 このように基準となる位置の出力信号の出力値に基づいて、原稿画像全体の読取信号の出力値を増加または減少させるように原稿画像が処理されると、基準となる位置から外れる部分において、処理された出力信号の出力値が他の色の出力信号の出力値からずれ、各色の均衡が保てないおそれがある。たとえば、前述の図18に示す読取信号の波形において、出力値が最小値になる位置200において各色の読取信号の波形が一致するように読取信号の出力値が増加または減少されると、読取信号の波形のへりの部分201において、各色の読取信号の波形がずれ、各色の均衡が保てなくなる。 【0214】 本実施形態のようにフィルタ処理によって原稿画像を処理すれば、このようなへりの部分201における読取信号の波形のずれを防ぐことができるので、原稿画像全体にわたって各色の均衡を保ち、原稿画像の品質を全体にわたって均一化することができる。 【図面の簡単な説明】 【0215】 【図1】本発明の実施の一形態である原稿読取装置2を備える画像形成装置1の構成を示すブロック図である。 【図2】画像形成装置1の構成を示す断面図である。 【図3】図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を模式的に示す断面図である。 【図4】図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を示す斜視図である。 【図5】図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を示す斜視図である。 【図6】図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を示す斜視図である。 【図7】図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を示す斜視図である。 【図8】図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を示す斜視図である。 【図9】図1および図2に示す原稿読取装置2の一部の構成を示す斜視図である。 【図10】図1に示す出力画像処理部3の構成を示すブロック図である。 【図11】基準チャートを示す正面図である。 【図12】基準チャートの読取信号の波形を示す図である。 【図13】図13(1)はRGBの読取信号の変調伝達関数が一致している場合の読取信号の波形を示す図であり、図13(2)はRGBの読取信号の変調伝達関数が一致している場合に形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。 【図14】RGBの各色に対する結像レンズ75の合焦位置を模式的に示す図である。 【図15】結像レンズ75と撮像素子76との距離Dと、RGBの各色に対するCTF値との関係を表すグラフの一例を示す図である。 【図16】図16(1)は組付け時におけるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図16(2)は組付け時の状態で形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。 【図17】原稿読取部11の温度上昇の結像レンズ75と撮像素子76との距離Dへの影響を説明するための図である。 【図18】図18(1)は原稿読取部11の温度上昇時におけるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図18(2)は原稿読取部11の温度上昇時に形成される黒べた画像180を模式的に示す図である。 【図19】原稿画像を強調化するために用いられる強調化フィルタを示す図である。 【図20】図20(1)は青色(B)の読取信号をフィルタ処理によって強調化して得られるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図20(2)は青色の読取信号をフィルタ処理によって強調化して得られる原稿画像に基づいて形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。 【0216】 【図21】読取制御部16の読取動作の処理手順を示すフローチャートである。 【図22】温度検出部15による原稿読取部11の温度検出のタイミングを説明するための図である。 【図23】本発明の他の実施の形態の原稿読取装置に備わる原稿画像処理部によるフィルタ処理に用いられる平滑化フィルタを示す図である。 【図24】図24(1)は赤色(R)および緑色(G)の読取信号をフィルタ処理によって平滑化して得られるRGBの読取信号の波形を示す図であり、図24(2)は赤色および緑色の読取信号をフィルタ処理によって平滑化して得られる原稿画像に基づいて形成される黒べた画像170を模式的に示す図である。 【符号の説明】 【0217】 1 画像形成装置 2 原稿読取装置 3 出力画像処理部 4 画像形成部 5 画像記憶部 6 通信部 7 自動原稿送り装置(ADF) 8 制御部 11 原稿読取部 12 A/D(アナログ/デジタル)変換部 13 一時記憶部 14 原稿画像処理部 15 温度検出部 16 読取制御部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月30日(2006.8.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075557 【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎
【識別番号】100072235 【弁理士】 【氏名又は名称】杉山 毅至
【識別番号】100135220 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 祥二
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| 【公開番号】 |
特開2008−60862(P2008−60862A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−234648(P2006−234648) |
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