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【発明の名称】 画像処理装置
【発明者】 【氏名】小澤 昌裕

【要約】 【課題】各領域データに施す圧縮処理の方式をユーザが任意に指定し得る画像処理装置を提供する。

【構成】画像処理装置は、領域種別の各々について、当該領域種別に指定された複数の圧縮方式の何れかを選択可能にユーザに表示し、ユーザによる圧縮方式の指定がなされた場合は(S101:YES)、ユーザ指定された圧縮方式を選択し(S102)、ユーザによる指定がなされていない場合はデフォルト指定された圧縮方式を選択する。画像処理装置は、入力画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離して抽出し(S106)、選択された圧縮方式を用いて、それぞれの領域データの圧縮処理を行う(S107〜S109)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離して抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段により抽出された各領域データに文字領域、図形領域および写真領域の各領域種別に応じた圧縮処理を施す領域圧縮手段と、
前記領域圧縮手段により圧縮処理された各領域データを合成する領域合成手段と、
前記領域種別の各々について、当該領域種別に指定された複数の圧縮方式の何れかを選択可能にユーザに表示する操作手段と、
前記領域抽出手段により抽出された各領域データに施す圧縮処理の圧縮方式を前記領域種別ごとに指定された複数の圧縮方式の中からそれぞれ選択する圧縮方式選択手段とを有し、
前記圧縮方式選択手段は、各領域種別について、前記操作手段を介してユーザによる圧縮方式の指定がなされた場合は当該ユーザ指定された圧縮方式を選択し、前記操作手段を介してユーザによる指定がなされていない場合はデフォルト指定された圧縮方式を選択し、
前記領域圧縮手段は、前記圧縮方式選択手段により選択された圧縮方式によりそれぞれの領域データの圧縮処理を行うことを特徴とする、
画像処理装置。
【請求項2】
画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離して抽出する段階(1)と、
段階(1)で抽出された各領域データに文字領域、図形領域および写真領域の各領域種別に応じた圧縮処理を施す段階(2)と、
段階(2)で圧縮処理された各領域データを合成する段階(3)と、
前記領域種別の各々について、当該領域種別に指定された複数の圧縮方式の何れかを選択可能にユーザに表示する段階(4)と、
段階(1)で抽出された各領域データに施す圧縮処理の圧縮方式を前記領域種別ごとに指定された複数の圧縮方式の中からそれぞれ選択する段階(5)とを有し、
段階(5)は、各領域種別について、段階(4)でユーザによる圧縮方式の指定がなされた場合は当該ユーザ指定された圧縮方式を選択し、段階(4)でユーザによる指定がなされていない場合はデフォルト指定された圧縮方式を選択するものであり、
段階(2)は、段階(5)で選択された圧縮方式によりそれぞれの領域データの圧縮処理を行うものであることを特徴とする、
画像処理方法。
【請求項3】
画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離して抽出する手順(1)と、
手順(1)で抽出された各領域データに文字領域、図形領域および写真領域の各領域種別に応じた圧縮処理を施す手順(2)と、
手順(2)で圧縮処理された各領域データを合成する手順(3)と、
前記領域種別の各々について、当該領域種別に指定された複数の圧縮方式の何れかを選択可能にユーザに表示する手順(4)と、
手順(1)で抽出された各領域データに施す圧縮処理の圧縮方式を前記領域種別ごとに指定された複数の圧縮方式の中からそれぞれ選択する手順(5)とを画像処理装置に実行させる画像処理プログラムであって、
手順(5)は、各領域種別について、手順(4)でユーザによる圧縮方式の指定がなされた場合は当該ユーザ指定された圧縮方式を選択し、手順(4)でユーザによる指定がなされていない場合はデフォルト指定された圧縮方式を選択するものであり、
手順(2)は、手順(5)で選択された圧縮方式によりそれぞれの領域データの圧縮処理を行うものであることを特徴とする、
画像処理プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置に関し、特に、文書原稿を読み取って得られた画像データから文字、図形および写真領域をそれぞれ抽出して画像処理を施した後、再合成して文書画像ファイルを作成する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等で読み取った画像データは容量が大きく、そのままでの保存や送受信には適さないため、画像の種類に応じて適切な圧縮等の画像処理が施される。ところが、文書原稿を読み取って得られた画像データの場合、文字画像からなる文字領域、図形画像からなる図形領域および写真画像からなる写真領域が混在するため、写真領域に適した圧縮を行うと容量は小さくなるが文字が読みにくくなり、文字領域に適した圧縮を行うと圧縮率が低くなるという問題がある。そこで、文書原稿にかかる画像データから文字、図形および写真領域をそれぞれ分離して抽出し、各領域に適した圧縮を施した後再度合成して文書画像ファイルを作成する画像処理装置が知られており、かかる画像処理装置によれば画像品質を保持したまま画像ファイルの容量を小さくすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、上記画像処理装置の使用目的によっては、出力する画像ファイルの容量や画質を犠牲にしても処理速度を優先したい場合や、容量や処理速度を犠牲にしても画質を優先したい場合、または画質や処理速度を犠牲にしても容量を小さくしたい場合等があり、抽出した各領域に施す圧縮処理の方式を、ユーザが任意に指定し得る画像処理装置は存在しなかった。
【特許文献1】特開2001−169120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、文書原稿を読み取って得られた画像データの文字、図形および写真領域をそれぞれ抽出して画像処理を施した後再合成して文書画像ファイルを作成する画像処理装置において、各領域データに施す圧縮処理の方式をユーザが任意に指定し得る画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0006】
(1) 画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離して抽出する領域抽出手段と、前記領域抽出手段により抽出された各領域データに文字領域、図形領域および写真領域の各領域種別に応じた圧縮処理を施す領域圧縮手段と、前記領域圧縮手段により圧縮処理された各領域データを合成する領域合成手段と、前記領域種別の各々について、当該領域種別に指定された複数の圧縮方式の何れかを選択可能にユーザに表示する操作手段と、前記領域抽出手段により抽出された各領域データに施す圧縮処理の圧縮方式を前記領域種別ごとに指定された複数の圧縮方式の中からそれぞれ選択する圧縮方式選択手段とを有し、前記圧縮方式選択手段は、各領域種別について、前記操作手段を介してユーザによる圧縮方式の指定がなされた場合は当該ユーザ指定された圧縮方式を選択し、前記操作手段を介してユーザによる指定がなされていない場合はデフォルト指定された圧縮方式を選択し、前記領域圧縮手段は、前記圧縮方式選択手段により選択された圧縮方式によりそれぞれの領域データの圧縮処理を行うことを特徴とする、画像処理装置。
【0007】
(2) 画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離して抽出する段階(1)と、段階(1)で抽出された各領域データに文字領域、図形領域および写真領域の各領域種別に応じた圧縮処理を施す段階(2)と、段階(2)で圧縮処理された各領域データを合成する段階(3)と、前記領域種別の各々について、当該領域種別に指定された複数の圧縮方式の何れかを選択可能にユーザに表示する段階(4)と、段階(1)で抽出された各領域データに施す圧縮処理の圧縮方式を前記領域種別ごとに指定された複数の圧縮方式の中からそれぞれ選択する段階(5)とを有し、段階(5)は、各領域種別について、段階(4)でユーザによる圧縮方式の指定がなされた場合は当該ユーザ指定された圧縮方式を選択し、段階(4)でユーザによる指定がなされていない場合はデフォルト指定された圧縮方式を選択するものであり、段階(2)は、段階(5)で選択された圧縮方式によりそれぞれの領域データの圧縮処理を行うものであることを特徴とする、画像処理方法。
【0008】
(3) 画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離して抽出する手順(1)と、手順(1)で抽出された各領域データに文字領域、図形領域および写真領域の各領域種別に応じた圧縮処理を施す手順(2)と、手順(2)で圧縮処理された各領域データを合成する手順(3)と、前記領域種別の各々について、当該領域種別に指定された複数の圧縮方式の何れかを選択可能にユーザに表示する手順(4)と、手順(1)で抽出された各領域データに施す圧縮処理の圧縮方式を前記領域種別ごとに指定された複数の圧縮方式の中からそれぞれ選択する手順(5)とを画像処理装置に実行させる画像処理プログラムであって、手順(5)は、各領域種別について、手順(4)でユーザによる圧縮方式の指定がなされた場合は当該ユーザ指定された圧縮方式を選択し、手順(4)でユーザによる指定がなされていない場合はデフォルト指定された圧縮方式を選択するものであり、手順(2)は、手順(5)で選択された圧縮方式によりそれぞれの領域データの圧縮処理を行うものであることを特徴とする、画像処理プログラム。
【0009】
(4) 上記(3)に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、文書原稿を読み取って得られた画像データの文字、図形および写真領域をそれぞれ抽出して画像処理を施した後再合成して文書画像ファイルを作成する画像処理装置において、各領域データに対して所望の圧縮方式を指定することができるので、入力データから抽出された各領域データに対して任意の圧縮処理を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置を含む画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。本画像処理システムは、画像処理装置1aと、画像入力元装置としてのスキャナ2と、画像出力先装置としてのファイルサーバ3とを備え、これらはコンピュータネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。なお、コンピュータネットワーク4に接続される機器の種類および台数は、図1に示す例に限定されない。
【0013】
図2は、本実施形態にかかる画像処理装置1aの構成を示すブロック図である。図2において、画像処理装置1aは、制御部101、記憶部102、操作部103、入力インタフェース部104、出力インタフェース部105、領域抽出部106、画像処理部107、領域合成部108およびファイル形式変換部109を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス110を介して相互に接続されている。
【0014】
制御部101はCPUであり、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。記憶部102は、予め各種プログラムやパラメータを格納しておくROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、各種プログラムやパラメータを格納し、または画像処理により得られた画像データ等を一時的に保存するために使用されるハードディスク等からなる。
【0015】
操作部103は、出力領域、画像処理の種別、カラーモード、出力ファイル形式、送信先等の設定を行い、または動作開始等の指示を行うためのキーや操作パネル等から構成される。ここで、出力領域の設定は、抽出した文字、図形または写真領域のいずれをまたはすべてを出力するかを選択することにより行う。画像処理の種別の設定は、抽出領域に対する画像処理の種別として、2値化、減色、解像度変換、スムージング、圧縮処理等の有無を選択する。この際、圧縮処理については、後述するように、領域データごとに施す圧縮方式を選択する。カラーモードの設定は、出力ファイルのカラー、モノクロ、グレースケールの別を選択する。出力ファイル形式の設定は、出力ファイルのファイル形式を選択することにより行う。なお、出力ファイル形式としては、各種文書作成ソフトの文書形式や、ポストスクリプト(登録商標)、PDF等の汎用フォーマットが挙げられる。送信先の設定は、画像出力先装置のIPアドレス、ホスト名、メールアドレス等を入力して行う。
【0016】
入力インタフェース部104は、外部の画像入力元装置から画像データの入力を受けるためのインタフェースであり、出力インタフェース105は、外部の画像出力先装置に出力ファイルを送信するためのインタフェースである。
【0017】
領域抽出部106は、入力画像データから文字領域、図形領域および写真領域を分離抽出する処理を行う。画像処理部107は、文字領域処理部107a、図形領域処理部107bおよび写真領域処理部107cからなり、それぞれ抽出された文字、図形および写真領域にかかる各領域データに適切な画像処理を施す。領域合成部108は、前記画像処理後の文字、図形および写真領域データを合成して内部ファイル形式により合成画像データを作成する。ファイル形式変換部109は、内部ファイル形式により作成した合成画像データを設定された出力ファイル形式に変換する。
【0018】
スキャナ2は、文書原稿を読み取って画像データを取得し、得られた画像データを画像処理装置に送信する。
【0019】
ファイルサーバ3はコンピュータであり、コンピュータネットワークを介して受信したファイルを格納し、また転送要求に応じて格納したファイルをコンピュータネットワーク上の他の機器に転送する。
【0020】
コンピュータネットワーク4は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格により、コンピュータや周辺機器、ネットワーク機器等を接続したLANや、LAN同士を専用線で接続したWAN等からなる。
【0021】
つぎに、本実施形態にかかる画像処理装置1aが行う画像処理の概要について説明する。図3は、画像処理装置1aによる画像処理の一例を示した概念図である。図3(a)に示すように、スキャナ2から文書原稿を読み込んで得られた入力画像データには、文字画像からなる文字領域、図形画像からなる図形領域および写真画像からなる写真領域が含まれている。このような高容量の画像データを圧縮して低容量化しファイルサーバ3に保存しようとする場合、画像データ全体にそのまま一律に圧縮処理を施したのでは、写真領域等に適した圧縮を行うと容量は小さくなるが画像の劣化により文字が読みにくくなり、文字領域に適した圧縮を行うと圧縮率が低くなってしまう。そこで、画像処理装置1aは、スキャナ2から受信した入力画像データから、文字領域、図形領域および写真領域を分離・抽出し(図3(b))、抽出した各領域データに領域種別に応じた適切な圧縮処理を施した後再度合成して合成画像データを作成し(図3(c))、所定のファイル形式に変換してファイルサーバ3に送信するものである。
【0022】
つぎに、本実施形態における画像処理システム全体の動作の概要を説明する。図4は、本実施形態における画像処理装置1aの画像処理の手順を示すフローチャートである。図4において、画像処理装置1aは、抽出する文字領域、図形領域および写真領域の各領域データに施す圧縮処理について圧縮方式の指定入力があると(S101のYES)、当該入力に従って各領域データに施す圧縮方式を設定し(S102)、画像処理の開始命令があるまで待機する(S103のNO)。図5は、画像処理装置1aの操作部103の操作パネルに表示される圧縮処理の設定画面の一例を示す図である。図5において、圧縮処理設定画面103aには、「圧縮方式指定」、「MMR」、「JBIG」、「Flate」、「JPEG」、「デフォルト」等のタッチキーが表示されている。ユーザは、各領域データに施す圧縮処理の圧縮方式を指定したい場合には、「圧縮方式指定」キーを押し、さらに、文字、図形および写真のそれぞれについて所望の圧縮方式キーを押すことにより、各領域データに対し個別に圧縮方式を指定する。
【0023】
ここで、圧縮方式とは、各領域データの圧縮処理に用いる圧縮形式(圧縮フォーマット)の種別であって、本実施形態においては、文字領域データに対してはMMR圧縮またはJBIG圧縮を、図形領域データおよび写真領域データに対してはFlate圧縮またはJPEG圧縮をそれぞれ指定することができる。MMR圧縮およびJBIG圧縮は、文字画像のような変化点の多い画像に適した圧縮方式(いずれも可逆圧縮)であり、MMR圧縮はJBIG圧縮に比べて圧縮速度が速く、JBIG圧縮はMMR圧縮に比べて画質および圧縮率がよいという特徴を有する。また、Flate圧縮およびJPEG圧縮は図形および写真画像に適した圧縮方式であり、JPEG圧縮は不可逆圧縮であるため、可逆圧縮であるFlate圧縮に比べて圧縮率が高く、またFlate圧縮に比べて圧縮速度も速いが、不可逆圧縮なのでFlate圧縮に比べて画質が劣り、写真画像のような自然画像に対しては画質劣化は目立たないが、図形画像のような線画に対しては画質劣化が目立つという特徴を有する。ユーザは、これらの圧縮方式の特徴を踏まえて、予め各領域データに対して所望の圧縮方式を指定しておくことにより、入力データから抽出された各領域データに対して任意の圧縮処理を施すことができるものである。なお、ステップS101でユーザからの圧縮方式の指定入力がない場合は(S101のNO)、後述するようにデフォルトの圧縮方式により各領域データの圧縮処理が行われる。
【0024】
つぎに、図4において、画像処理装置1aはユーザから操作部103を介して開始命令の入力を受け付けると(S103のYES)、入力インタフェース部104を介してスキャナ2に原稿読み取り命令を送信し(S104)、スキャナ2から画像データを受信するまで待機する(S105のNO)。スキャナ2は、画像処理装置1aから原稿読み取り命令を受信すると、所定の位置にセットされた文書原稿を読み取って画像データを取得し、得られた画像データを画像処理装置1aに送信する。
【0025】
画像処理装置1aは、入力インタフェース部104を介してスキャナ2から画像データを受信すると(S105のYES)、受信した画像データを記憶部102に保存する。なお、上述した圧縮処理方式の指定は、スキャナからの画像データの受信後に行うものであってもよく、この場合上記ステップS101〜S103はステップS104〜S106の後に処理される。また、画像処理の開始命令は通信ネットワーク4上の他の機器から、またはスキャナ2から直接入力されてもよく、この場合上記ステップS104およびS105は省略される。
【0026】
ついで、画像処理装置1は、領域抽出部106により入力画像データから文字領域、図形領域および写真領域をそれぞれ分離して各領域データを抽出する(S106)。入力画像データからの各領域データの抽出方法は特に限定されるものではなく既知の方法を用いることができるが、例を挙げれば次のとおりである。
【0027】
すなわち、まず、領域抽出部106により、入力画像データから文字領域を判別して文字領域データを抽出して、その位置情報とともに記憶部102に保存する。文字領域の判別方法としては、例えば、画像データから得られたエッジ画像データのエッジ画素の間隔が所定画素数以下であるエッジ画素群の外接矩形内領域を抽出し、文字領域は小エリア内に斜め方向エッジ成分を多く含んでいるという特徴に基づいて、前記外接矩形内領域に含まれる周波数成分のうち斜め方向エッジ成分を特徴量として算出して、斜め方向エッジ成分の含有率により判断する方法等を用いることができる。
【0028】
ついで、領域抽出部106により、抽出した文字領域を周辺画素で補完することにより、入力画像データから非文字画像データを作成して記憶部102に保存する。そして、領域抽出部106により、非文字画像データから図形領域を判別して図形領域データを抽出して、その位置情報とともに記憶部102に保存する。非文字画像データからの図形領域の判別方法としては、図形領域の明度分布はある程度均一であり、写真領域の明度分布は分散しているという特徴に基づいて、明度画像データからえられたエッジ画像データに対し、エッジ画像で分割された領域内の全画素に対し、主走査、副走査2方向でラインごとに明度ヒストグラムを作成して明度分散度を特徴量として算出し、図形領域と写真領域の別を判別する方法等を用いることができる。
【0029】
そして、領域抽出部106により、非文字画像データの抽出した図形領域を周辺画素で補完して、非文字画像データから写真領域データを抽出して、その位置情報とともに記憶部102に保存する。
【0030】
つぎに、画像処理装置1aは、画像処理部107により、ステップS104で抽出した各領域データに対し領域種別に応じた画像処理を行う(S108〜S110)。
【0031】
図6は、本実施形態における画像処理装置1aの文字領域処理の手順を示すフローチャートである。図6において、画像処理装置1aは、記憶部102から文字領域データを読み出し、文字領域処理部107aにより文字領域データに対して前処理を施す(S201)。具体的には、文字領域処理部107aにより、抽出した文字領域データごとに文字色を検出し、文字領域データを二値化して1ビットデータに変換する。そして、ステップS101で指定された文字領域データの圧縮方式に従って、文字領域データに圧縮処理を施す(S202〜S205)。すなわち、ステップS101で文字領域データに対してMMR圧縮が指定されている場合は(S202のYESおよびS203のYES)、文字領域データに対してMMR圧縮を施し(S204)、JBIG圧縮が指定されている場合には(S202のYESおよびS203のNO)、JBIG圧縮を施す(S205)。また、ステップS101で圧縮方式が指定されていない場合には(S202のNO)、文字領域データに対してデフォルトのMMR圧縮を施す(S204)。圧縮処理を施した各文字領域データは、色情報、位置情報等とともに記憶部102に保存される。
【0032】
図7は、本実施形態における画像処理装置1aの図形領域処理の手順を示すフローチャートである。図7において、画像処理装置1aは、記憶部102から図形領域データを読み出し、図形領域処理部107bにより、図形領域データに対して解像度変換処理、スムージング処理、原色処理等の前処理を施す(S301)。そして、ステップS101で図形領域データに対してFlate圧縮が指定されている場合は(S302のYESおよびS303のYES)、図形領域データに対してFlate圧縮を施し(S304)、JPEG圧縮が指定されている場合には(S302のYESおよびS303のNO)、図形領域データに対してJPEG圧縮を施す(S305)。また、ステップS101で圧縮方式が指定されていない場合には(S302のNO)、図形領域データに対してデフォルトのFlate圧縮を施す(S304)。圧縮処理を施した各図形領域データは、位置情報等とともに記憶部102に保存される。
【0033】
図8は、本実施形態における画像処理装置1aの写真領域処理の手順を示すフローチャートである。図8において、画像処理装置1aは、記憶部102から写真領域データを読み出し、写真領域処理部107cにより、写真領域データに対して解像度変換処理、スムージング処理等の前処理を施す(S401)。そして、ステップS101で写真領域データに対してJPEG圧縮が指定されている場合は(S402のYESおよびS403のYES)、写真領域データに対してJPEG圧縮を施し(S404)、Flate圧縮が指定されている場合には(S402のYESおよびS403のNO)、写真領域データに対してFlate圧縮を施す(S405)。また、ステップS101で圧縮方式が指定されていない場合には(S402のNO)、写真領域データに対してデフォルトのJPEG圧縮を施す(S404)。圧縮処理を施した各写真領域データは、位置情報等とともに記憶部102に保存される。
【0034】
なお、図4において、画像処理装置1aは、上記文字領域処理(S107)、図形領域処理(S108)および写真領域処理(S109)の各画像処理を、いずれの順序で実行するものであっても構わない。
【0035】
ついで、画像処理装置1aは、領域合成部108により上記画像処理で得られた各領域データをそれぞれの位置情報をもとに合成して合成画像データを取得し、記憶部102に保存する(S110)。さらに、ファイル形式変換部109により、合成画像データを設定された出力ファイル形式に変換し(S111)、得られた出力ファイル(文書画像ファイル)を出力インタフェース部105およびコンピュータネットワーク4を介してファイルサーバ3に送信する(S112)。
【0036】
ファイルサーバ3は、コンピュータネットワーク4を介して画像処理装置1aから出力ファイルを受信すると、受信したファイルをハードディスク等の記憶装置の所定のディレクトリに格納する。そして、コンピュータネットワーク4上の他の機器から当該ファイルの転送要求があると、格納した前記ファイルをコンピュータネットワーク4を介して前記他の機器に転送する。
【0037】
つぎに、本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置1bの画像処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、画像処理装置1bは、前記第1の実施形態にかかる画像処理装置1aと同様の構成を有し、画像処理装置1aと同様に、スキャナ2およびファイルサーバ3とコンピュータネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0038】
図9において、画像処理装置1bは、各領域データに施す圧縮処理の圧縮処理モードの指定入力があると(S501のYES)、当該入力に従って圧縮処理モードを設定し(S502)、画像処理の開始命令があるまで待機する(S505のNO)。図10は、画像処理装置1bの操作部103の操作パネルに表示される圧縮処理の設定画面の一例を示す図である。図10において、圧縮処理設定画面103bには、前記第1の実施形態の画像処理装置1aにかかる圧縮処理設定画面103aと比べて、さらに「圧縮処理モード指定」ならびに「速度優先」、「画質優先」および「サイズ優先」の各キーが追加して表示されている。ユーザは、各領域データに施す圧縮処理の圧縮処理モードを指定したい場合には、「圧縮処理モード指定」キーを押し、さらに所望の圧縮処理モードキーを押して指定する。
【0039】
ここで、圧縮処理モードとは、モードを指定することにより各領域データを圧縮処理する際に優先したい要素を指定できるようにしたものであり、本実施形態においては、圧縮処理モードとして、速度優先モード、画質優先モードおよびサイズ優先モードを指定することができる。速度優先モードとは、圧縮処理の処理速度が最短となるモードであり、各領域データに対してそれぞれ処理速度が最大の圧縮方式を適用して圧縮処理を行うものである。また、画質優先モードとは、圧縮処理により得られる画像データの画質が最良となるモードであり、各領域データに対してそれぞれ画質劣化が最小となる圧縮方式を適用して圧縮処理を行うものである。さらに、サイズ優先モードとは、圧縮処理により得られる画像データのサイズが最小となるモードであり、各領域データに対してそれぞれ圧縮率が最大となる圧縮方式を適用して圧縮処理を行うものである。これにより、ユーザは、各領域データに施す圧縮方式についての詳細な知識を有していなくても、圧縮処理モードを指定するだけで所望の圧縮処理を実行することができるものである。
【0040】
図9において、画像処理装置1bは、画像処理の圧縮処理モードの指定入力の代わりに各領域データに施す圧縮方式の指定入力があった場合には(S501のNOおよびS503のYES)、当該入力に従って各領域データに施す圧縮方式を設定し(S504)、画像処理の開始命令があるまで待機する(S505のNO)。
【0041】
そして、画像処理の開始命令の入力を受け付けると(S505のYES)、スキャナ2に原稿読み取り命令を送信し(S506)、スキャナ2から画像データを受信するのを待って(S507)、受信した入力画像データから各領域データを抽出し(S508)、抽出した各領域データに対して領域種別に応じた画像処理を行う(S509〜S511)。
【0042】
図11は、本実施形態における画像処理装置1bの文字領域処理の手順を示すフローチャートである。図11において、画像処理装置1bは、文字領域データに対して前処理を施した後(S601)、ステップS501で指定された圧縮処理モードに従って、文字領域データに適切な圧縮処理を施す(S602〜S607)。すなわち、ステップS501で速度優先モードが指定されている場合は(S602のYES)、文字領域データに対してMMR圧縮およびJBIG圧縮のうち、JBIG圧縮より圧縮速度の速いMMR圧縮を施す(S603)。また、ステップS501で画質優先モードが指定されている場合には(S602のNOおよびS604のYES)、MMR圧縮より画質劣化の少ないJBIG圧縮を施し(S605)、サイズ優先モードが指定されている場合には(S602のNO、S604のNOおよびS606のYES)、MMR圧縮より圧縮率の高いJBIG圧縮を施す(S607)。
【0043】
また、ステップS501で圧縮処理モードが指定されておらずステップS503で圧縮方式が指定されている場合には(S602のNO、S604のNO、S606のNOおよびS608のYES)、ステップS503で指定された文字領域データの圧縮方式に従って、文字領域データに圧縮処理を施し(S609〜S611)、ステップS501およびS503で圧縮処理モードも圧縮方式も指定されていない場合には(S602のNO、S604のNO、S606のNOおよびS608のNO)、文字領域データに対してデフォルトのMMR圧縮を施す(S610)。
【0044】
図12および図13は、それぞれ本実施形態における画像処理装置1bの図形領域処理および写真領域処理の手順を示すフローチャートである。図12および図13において、画像処理装置1bは、図形および写真領域データに対して前処理を施した後(S701およびS801)、ステップS501で速度優先モードが指定されている場合は(S702のYESおよびS802のYES)、図形および写真領域データに対してFlate圧縮およびJPEG圧縮のうち、Flate圧縮より圧縮速度の速いJPEG圧縮を施す(S703およびS803)。また、ステップS501で画質優先モードが指定されている場合には(S702のNOおよびS704のYES、ならびにS802のNOおよびS804のYES)、JPEG圧縮より画質劣化の少ないFlate圧縮を施し(S705およびS805)、サイズ優先モードが指定されている場合には(S702のNO、S704のNOおよびS706のYES、ならびにS802のNO、S804のNOおよびS806のYES)、Flate圧縮より圧縮率の高いJPEG圧縮を施す(S707およびS807)。
【0045】
また、ステップS501で圧縮処理モードが指定されておらずステップS503で圧縮方式が指定されている場合には(S702のNO、S704のNO、S706のNOおよびS708のYES、ならびにS802のNO、S804のNO、S806のNOおよびS808のYES)、ステップS503で指定された図形および写真領域データの圧縮方式に従って、図形および写真領域データに圧縮処理を施し(S709〜S711およびS809〜S811)、ステップS501およびS503で圧縮処理モードも圧縮方式も指定されていない場合には(S702のNO、S704のNO、S706のNOおよびS708のNO、ならびにS802のNO、S804のNO、S806のNOおよびS808のNO)、図形および写真領域データに対してそれぞれデフォルトのFlate圧縮およびJPEG圧縮を施す(S710およびS810)。
【0046】
ついで、図9において、画像処理装置1bは、上記画像処理で得られた各領域データをそれぞれの位置情報をもとに合成して合成画像データを取得し(S512)、設定された出力ファイル形式に変換して(S513)、得られた出力ファイルをファイルサーバ3に送信する(S514)。
【0047】
上記第2の実施形態では、画像処理の全体に対して1つの圧縮処理モードを指定するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば文字領域データは速度優先モード、図形および写真領域データは画質優先モードをそれぞれ指定する等のように、各領域データごとに圧縮処理モードを指定できる構成としてもよい。
【0048】
上記実施形態では、文字領域データに対してはMMR圧縮またはJBIG圧縮を、図形領域データおよび写真領域データに対してはFlate圧縮またはJPEG圧縮を施す場合を例にして説明したが、本発明において各領域データに適用する圧縮方式はこれに限定されるものではなく、各領域データにいかなる圧縮方式をいかなる組み合わせで適用するものであっても構わない。
【0049】
上記実施形態では、本発明の画像処理システムにかかる画像入力元装置をスキャナ、および画像出力先装置をファイルサーバとして説明したが、画像入力元装置は、本発明の画像処理装置が画像データを取得できる機器であれば特に限定されるものではなく、画像読取手段、画像データ作成手段、画像データ受信手段、画像処理手段、画像データ記憶手段等を有する機器、例えば、ファクシミリ装置、デジタル複写機等の多機能周辺機器(MFP)、デジタルカメラ、パソコン、ワークステーション、サーバ等であってもよい。また、画像出力先装置は、本発明の画像処理装置から取得した画像データを利用する装置であれば特に限定されるものではなく、画像形成手段、画像データ送信手段、画像処理手段、画像データ記憶手段等を有する機器、例えば、ファクシミリ装置、デジタル複写機、パソコン、ワークステーション、サーバ等であってもよい。さらに、本発明の画像処理装置は、上記各手段を有する専用装置の他、画像読取手段、画像データ作成手段、画像データ受信手段、画像データ送信手段、画像形成手段、画像データ記憶手段等と組み合わせて、スキャナ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の多機能周辺機器(MFP)、パソコン、ワークステーション、サーバ等のコンピュータ等として構成されてもよい。
【0050】
本発明による画像処理装置は、上記各手順を実行するための専用のハードウエア回路によっても、また、上記各手順を記述した所定のプログラムをCPUが実行することによっても実現することができる。後者により本発明を実現する場合、画像処理装置を動作させる上記所定のプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等のコンピュータ読取可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやハードディスク等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像処理装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置を含む画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1における画像処理装置1aの構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置1aによる画像処理の一例を示した概念図である。
【図4】画像処理装置1aの画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】画像処理装置1aの操作部103の操作パネルに表示される圧縮処理の設定画面の一例を示す図である。
【図6】画像処理装置1aの文字領域処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】画像処理装置1aの図形領域処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】画像処理装置1aの写真領域処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置1bの画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】画像処理装置1bの操作部103の操作パネルに表示される圧縮処理の設定画面の一例を示す図である。
【図11】画像処理装置1bの文字領域処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】画像処理装置1bの図形領域処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】画像処理装置1bの写真領域処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1a、1b…画像処理装置、
101…制御部、
102…記憶部、
103…操作部、
104…入力インタフェース部、
105…出力インタフェース部、
106…領域抽出部、
107…画像処理部、
107a…文字領域処理部、
107b…図形領域処理部、
107c…写真領域処理部、
108…領域合成部、
109…ファイル形式変換部、
110…バス、
2…スキャナ、
3…ファイルサーバ、
4…コンピュータネットワーク。
【出願人】 【識別番号】303000372
【氏名又は名称】コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社
【出願日】 平成19年9月14日(2007.9.14)
【代理人】 【識別番号】100072349
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 幹雄

【識別番号】100110995
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰男

【識別番号】100114649
【弁理士】
【氏名又は名称】宇谷 勝幸

【識別番号】100129126
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 健

【識別番号】100130971
【弁理士】
【氏名又は名称】都祭 正則

【識別番号】100134348
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 俊弘


【公開番号】 特開2008−48434(P2008−48434A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−240209(P2007−240209)