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【発明の名称】 画像処理装置及び画像処理プログラム
【発明者】 【氏名】川崎 智広

【要約】 【課題】簡易な入力操作により、容易にキーカラーとその範囲を指定できるとともに、キーカラーの判定が容易にでき、キーカラー指定により高い画質を確保しつつ、処理速度の高速化を図る。

【構成】対象となる画像データにもとづき、画像を表示する手段と、入力操作に応じて表示された画像の中から一部の画像範囲を指定する手段と、入力操作に応じて表示された画像の中から任意の色値情報を指定する手段と、指定された範囲の色値情報を指定された色値情報に変更し画像データを更新する手段と、変更された色値情報に対して所定のフラグ情報を割り当てる手段と、色値情報が更新された後の画像データとともに前記フラグ情報を出力する手段と、を備えた構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となる画像データにもとづき、画像を表示する画像表示手段と、
入力操作に応じて、表示された画像の中から一部の画像範囲を指定する画像範囲指定手段と、
入力操作に応じて、表示された画像の中から任意の色値情報を指定する色値指定手段と、
前記画像範囲指定手段により指定された範囲の色値情報を、前記色値指定手段により指定された色値情報に変更し、画像データを更新する色値情報更新手段と、
前記色値情報更新手段により変更された色値情報に対して所定のフラグ情報を割り当てる指定データフラグ更新手段と、
前記色値情報更新手段により色値情報が更新された後の画像データとともに、前記フラグ情報を出力する画像データ出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記指定データフラグ更新手段で所定のフラグ情報が割り当てられる色値情報が、所定のキーカラーを示す色値情報である請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像表示手段は、
前記画像範囲指定手段により又は前記色値情報更新手段により、画像範囲が指定され又は色値情報が更新された後の画像データにもとづき、画像を表示する請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記色値指定手段は、
入力操作に応じて、表示されたカラーパレットの中から任意の色値情報を指定する請求項1乃至3のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像範囲指定手段及び前記色値指定手段が、
前記入力操作を行うポインティングデバイスを備える請求項1乃至4のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力した色値情報を所定の出力色値情報に色変換を行う色変換手段と、該色変換手段により直前に色変換した入力色値情報と出力色値情報を格納するキャッシュテーブルと、入力色値情報における前記フラグ情報の有無によってキーカラーを判別するキーカラー判別手段と、入力色値情報の上位所定桁までのデータを取り出す減色処理手段と、を備え、
前記フラグ情報を有する入力色値情報についてはそのままの入力色値情報を、前記フラグ情報を有しない入力色値情報については前記減色処理手段で減色処理を行った後の色値情報を、
前記キャッシュテーブルの入力色値情報と比較して、両者が一致したらキャッシュテーブルの出力色値情報を出力色値情報とし、両者が一致しなかったら前記色変換手段で色変換した色値情報を出力色値情報とする
請求項1乃至5のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置を構成するコンピュータを、
対象となる画像データにもとづき、画像を表示する画像表示手段、入力操作に応じて、表示された画像の中から一部の画像範囲を指定する画像範囲指定手段、入力操作に応じて、表示された画像の中から任意の色値情報を指定する色値指定手段、前記画像範囲指定手段により指定された範囲の色値情報を、前記色値指定手段により指定された色値情報に変更し、画像データを更新する色値情報更新手段、前記色値情報更新手段により変更された色値情報に対して所定のフラグ情報を割り当てる指定データフラグ更新手段、前記色値情報更新手段により色値情報が更新された後の画像データとともに、前記フラグ情報を出力する画像データ出力手段、として機能させるための画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタやコピー機、複合機等を構成する画像処理装置及び画像処理プログラムに関し、より詳しくは、対象となる画像データに対して容易にキーカラー指定とその判別ができ、かつ、高速処理を可能とする画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ装置やスキャナ等で読み取られたり、コンピュータ画面上で表示されたりするRGB色値データは、RGB(Red Green Blue)各色の画素毎の階調データであり、その画像をプリンタなどの画像処理装置で印刷する際には、印刷エンジンに対応したCMYK(Cyan
Magenta Yellow black)の画像に色変換する必要がある。
色変換処理は、RGBの三次元データをCMYKの四次元データに変換する。その色変換は、RGBの階調データと、CMYKの階調データとの関係を示す色変換テーブル(LUT)を使って行われる。
【0003】
その際、RGBデータの色値データがそれぞれ256階調を有する場合、全てのRGBの階調データの組み合わせである256色、すなわち、約1677万色に対応するCMYKの階調データの組み合わせを色変換テーブルに持たせることは膨大になりすぎる。
このため、1677万色のうち、数百から数万色の格子点に対する変換値を色変換テーブルに持たせ、それら格子点の中間部分は、補間処理によりCMYKの値を求める画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1記載の技術では、RGB色空間の入力階調データをCMYK色空間の階調データに色変換し、ハーフトーン処理によりCMYKの色空間の階調データを画像再生データに変換する画像処理装置において、RGBの色空間の階調に対する出力濃度のガンマ特性Aと、ハーフトーン処理におけるCMYKの色空間の階調に対する出力濃度のガンマ特性Bとを、同等にするようにしたものである。
この画像再生データを使用して印刷すれば、デザインされた画像の色を忠実に再現することができ、高画質の画像印刷が可能となる。
【0005】
【特許文献1】特許第3603766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上のような従来提案されている画像処理装置においては、上述のように、格子点に対する変換値を持たせた色変換テーブルを用いても、格子点の中間部分の補間処理が複雑で時間がかかり、高い処理速度が得られない。
また、キーカラー、コーポレートカラーと呼ばれる、特定の企業が自社の製品や宣伝広告等に使用する特定の色については、画像出力に時間がかかってもキーカラーについては高画質、高精細な画質が求めることがあるが、特許文献1で提案されているような、色変換の補間処理やハーフトーン処理等を使用すると、キーカラーについても階調が粗く画質が低下してしまい、却ってユーザの要求等を満たせない場合が生ずる。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、印刷出力の際に、簡易な操作によるキーカラー指定ができ、キーカラー指定部分については高い画質を確保しながら、キーカラー指定以外の部分については高速出力を実現させる画像処理装置及び画像処理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、請求項1に記載するように、対象となる画像データにもとづき、画像を表示する画像表示手段と、入力操作に応じて、表示された画像の中から一部の画像範囲を指定する画像範囲指定手段と、入力操作に応じて、表示された画像の中から任意の色値情報を指定する色値指定手段と、前記画像範囲指定手段により指定された範囲の色値情報を、前記色値指定手段により指定された色値情報に変更し、画像データを更新する色値情報更新手段と、前記色値情報更新手段により変更された色値情報に対して所定のフラグ情報を割り当てる指定データフラグ更新手段と、前記色値情報更新手段により色値情報が更新された後の画像データとともに、前記フラグ情報を出力する画像データ出力手段と、を備える構成としてある。
特に、請求項2に記載するように、前記指定データフラグ更新手段で所定のフラグ情報が割り当てられる色値情報が、所定のキーカラーを示す色値情報である構成とすることが好ましい。
【0009】
このような構成からなる本発明の画像処理装置によれば、ユーザは、画面上に表示されている色値情報をキーカラーとして指定し、また、その適用範囲を指定することができる。
また、キーカラーを指定した部分については、所定のフラグ情報を付加するようにしているため、印刷出力の際に、キーカラー指定の判別が容易にできるようになる。
従って、キーカラー指定部分については対応する高画質の出力処理を行い、また、キーカラー指定以外の部分については減色処理等を施して高速化を図ることができるようになる。
これにより、特に、コーポレートロゴのように、使用される色値が厳密に求められる場合には、予め該当するキーカラーを容易に指定でき、その指定に応じた高画質の出力が特別な処理を施すことなくできるようになる。
【0010】
また、本発明の画像処理装置は、請求項3に記載するように、前記画像表示手段は、前記画像範囲指定手段により又は前記色値情報更新手段により、画像範囲が指定され又は色値情報が更新された後の画像データにもとづき、画像を表示する構成としてある。
また、本発明の画像処理装置は、請求項4に記載するように、前記色値指定手段は、入力操作に応じて、表示されたカラーパレットの中から任意の色値情報を指定する構成とすることもできる。
さらに、本発明の画像処理装置は、請求項5に記載するように、前記画像範囲指定手段及び前記色値指定手段は、前記入力操作をポインティングデバイスにより行う構成としてある。
【0011】
このような構成からなる本発明の画像処理装置によれば、キーカラーとして指定する色、画像範囲、キーカラー指定後の画像等を視覚的に確認することができだけでなく、マウス等のポインティングデバイスによってその画像を見ながら容易に各操作を行うことができるため、利便性や操作性のよい画像処理装置を実現することができるようになる。
【0012】
また、本発明の画像処理装置は、請求項6に記載するように、色変換テーブルに基づいて入力色値情報であるRGBデータから出力色値情報であるCMYKデータに色変換を行う色変換手段と、該色変換手段により直前に色変換した入力色値情報と出力色値情報を格納するキャッシュテーブルと、入力色値情報におけるフラグ情報の有無によってキーカラーを判別するキーカラー判別手段と、入力色値情報の上位所定桁までのデータを取り出す減色処理手段と、を備え、所定のフラグ情報を有する入力色値情報についてはそのままの入力色値情報を、前記フラグ情報を有しない入力色値情報については前記減色処理手段で減色処理を行った後の色値情報を、前記キャッシュテーブルの入力色値情報と比較して、両者が一致したらキャッシュテーブルの出力色値情報を出力色値情報とし、両者が一致しなかったら前記色変換手段で色変換した色値情報を出力色値情報とする構成としてある。
【0013】
このような構成からなる本発明の画像処理装置によれば、入力した画像データの中からフラグを検出し、フラグの有無に応じてキーカラー指定の有無を判断することができるようになる。例えば、フラグが立っている画像の部分については、指定された色値情報にもとづき出力処理を行い、フラグが立っていない画像の部分については、色値指定を行わず通常の印刷出力を行うように制御することが可能となる。
このように、キーカラー指定部分に付加されたフラグ情報を検出することによって、出力装置側では、キーカラー指定範囲を容易に特定することができ、簡易なアルゴリズムにより画像処理が可能となる。
【0014】
従って、キーカラー判別に係る特別な技術的措置を出力装置側で採る必要がないため、装置の低コスト化や小型化を図ることができる。
また、フラグが立っていない画像の部分についても、減色処理等を施し高速化を図ることも可能であり、取り扱う画像によって最適な画像処理を施すこともできるようになる。
さらに、キーカラー指定の有無に関わらず、一定の場合には、キャッシュテーブルを利用することで色変換処理等を行う必要がなくなるため、装置全体として高速化を図ることも可能である。
【0015】
また、本発明の画像処理プログラムは、請求項7に記載するように、画像処理装置を構成するコンピュータを、対象となる画像データにもとづき、画像を表示する画像表示手段、入力操作に応じて、表示された画像の中から一部の画像範囲を指定する画像範囲指定手段、入力操作に応じて、表示された画像の中から任意の色値情報を指定する色値指定手段、前記色値指定手段により指定された色値情報を、前記画像範囲指定手段により指定された範囲の色値情報として割り当てる色値情報更新手段、前記色値情報更新手段により色値情報が割り当てられた部分に所定のフラグ情報を割り当てる指定データフラグ更新手段、前記色値情報更新手段により色値情報が割り当てられた画像データとともに、前記フラグ情報を出力する画像データ出力手段、として機能させるためのプログラムとしてある。
【0016】
このように、本発明はプログラムとしても実現化することができる。
すなわち、本発明は、情報処理装置や画像形成装置などのハードウェアにプログラムをインストールすることによっても実現することができ、汎用性、拡張性に優れた画像処理プログラムとして提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、任意の画像を印刷処理する場合に、出力前の画像データについて、マウス等のポインティングデバイスによる簡易操作によって、画像を見ながらキーカラーを指定したり、また、その対象範囲を指定することができる。
また、予めキーカラー指定を行うことにより、キーカラー指定部分については指定に応じた高画質の出力ができるだけでなく、キーカラー指定以外の部分についても一定の画質を確保しつつ、高速印刷ができるようになる。
さらに、キーカラー指定部分についてはフラグ情報を付加することにより、出力側の装置では、キーカラー指定の判別も容易になるため、簡易なアルゴリズムによって画像処理ができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の画像処理装置及び画像処理プログラムの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、以下に示す本実施形態の画像処理装置は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理・機能を行わせる。すなわち、本実施形態の画像処理装置における各処理・手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置(画像処理システム)の構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置の情報処理装置側の詳細構成を示すブロック図である。
図1に示すとおり、本実施形態の画像処理装置(画像処理システム)1は、プリンタドライバ30がインストールされるパーソナルコンピュータ等の情報処理装置10と、この情報処理装置10と接続されるプリンタやコピー機、複合機等からなる画像形成装置20によって構成されている。
【0020】
また、図2に示すように、情報処理装置10は、装置全体の動作を制御するCPU11、CPU11の動作を記述するプログラムを内蔵するプログラムROM12、画像データを含む所定の制御コードを送信するデータ送受信部13及びデータを一時的に保持させておくPCメモリ14から構成されている。
情報処理装置10には所定のプリンタドライバ30がインストールされたうえで、指定データフラグ更新部121と表示データ更新部122とが構成され、各画像処理制御を行ってしている。また、これに連携するように、PCメモリ12では、オリジナル画像データバッファ121、指定データフラグバッファ122、表示画像データバッファ123及びユーザ指定データバッファ124を備え、各画像処理に必要な領域を確保するようにしている。
【0021】
指定データフラグ更新部121は、キーカラー指定を行ったところの画像データの部分に所定のフラグを付加する。フラグを付加することにより、出力側装置(本実施形態では画像形成装置20)におけるキーカラー指定の判別が容易にでき、判別結果に応じた最適な画像処理を容易にするものである。
表示データ更新部122は、キーカラー更新後の画像全体を表示させるものであり、操作性の向上を図ったものである。
オリジナル画像データバッファ121は、キーカラーによって色値を更新する前のオリジナル画像のRGBデータを保持させておくための領域である。
指定データフラグバッファ122は、キーカラー指定を行い、フラグ情報が付加された画像データを保持させておくための領域である。
表示画像データバッファ123は、情報処理装置30の画面に表示させる(画像表示手段)ためにオリジナル又は色値更新後の画像データを保持させておくための領域である。
ユーザ指定データバッファ124は、キーカラー指定部分のピクセル情報を保持させておくための領域である。
【0022】
画像形成装置20は、印刷出力を行うプリンタ等で構成されており、入力データを受け取る入力バッファ21、装置全体の動作を制御するCPU23、CPU23の動作を記述するプログラムが内蔵されているプログラムROM22、制御コードから取り出された画像データや計算用のデータを格納するデータRAM24、出力用に変換された画像データを最終工程のデータに変換してプリンタエンジン26に転送するプリント画像転送部25等から構成されている。
なお、処理領域用の追加オプションとしてHDD40を採用することもできる。
【0023】
プログラムROM22は、入力画像データ中におけるフラグの検出及びフラグが検出された場合における対象ピクセルを特定するキーカラー判別部(キーカラー判別手段)221、対象となるピクセルとキャッシュテーブル241のピクセルの入力色値が一致しているかどうかを判定する入力色値解析部222、入力色値(RGB)に対して出力色値(CMYK)を色変換テーブル243を使って求める色変換部(色変換手段)223、直前に出力された出力色値と対応する実際の入力色値とによってキャッシュテーブル241の情報を更新するキャッシュテーブル情報更新部224及び入力色値データの上位所定桁までのデータを取り出す減色処理部(減色処理手段)225等から構成されている。
【0024】
ここで、減色処理部225による減色処理について、図3を使って説明する。
図3は、減色処理を説明する説明図である。
なお、入力色値はR、G、Bの3色があるが、図3では、その内の1色分のみを示している。入力色値は、8ビットで階調が定められる。そして、減色レベル値として、例えば、6ビット(64階調)が設定されている場合、8ビットの入力色値の内、上位の6ビットを抜き出す。そして、その6ビットとキャッシュテーブルに保持されている入力色値の上位の6ビットとを比較する。
【0025】
このように、8ビットの入力色値の内、上位の数ビットだけを抜き出して比較するようにすれば、下位のビットの如何に関わらず、上位ビットが一致さえすればキャッシュテーブル241の入力色値と一致したと判定されるため、キャッシュテーブル241の出力色値を採用する確立が高くなる。その結果、色変換テーブル243を使っての色変換処理の回数が減って、処理の高速化が可能になる。
【0026】
データRAM24は、色変換した入力色値情報と出力色値情報を格納するキャッシュテーブル241、制御コードから得られた入力画像データと後に求められる出力画像データ用の画像データバッファ242、入力色値から出力色値を求めるための参照テーブルである色変換テーブル243、ユーザ指定の減色レベル値を格納する減色レベルバッファ244及びキーカラーの色値を格納するキーカラーバッファ245等で構成されている。
【0027】
キャッシュテーブル241は、図4に示すように、キーカラー用とそれ以外の非キーカラー用とに分けられており、高速処理ができるように直前に色変換した入力色値情報と出力色値情報を格納する。
色変換テーブル243は、図5に示すように、256色、すなわち、約1677万色のうち、数百から数万色の格子点における入力RGB値対出力CMYK値の変換値を保持している。
キーカラーバッファ245には、図6に示すように、キーカラーの色値、及び、その範囲値を格納しており、それらの値はユーザにより設定される。範囲値としては、部分指定としてRGBの各色毎に設定してもよいし、全体指定としてRGB各色のずれの合計値で設定してもよい。
【0028】
なお、キーカラーの色値、及び、その範囲値の設定は、画像が表示されている画面上で、マウス等のポインティングデバイスでエリアを指定し、その部分に表示されている色の色値をキーカラー色値として引用してもよく、指定できるキーカラーを画面上にパレット形式等で表示させ選択させる方法でも良い。また、キーカラーの色値として、1種類だけでなく複数種類の色をキーカラーとして設定してもよい。
【0029】
次に、本実施形態に係る画像処理装置の処理動作を説明する。
図7及び図8は、本実施形態に係る画像処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
図9は、本実施形態に係る画像処理装置における画面表示及び入力操作を説明する説明図である。
また、図10は、本実施形態に係る画像処理装置において、キーカラー指定後に画像データに付加されるフラグ情報を説明する説明図である。
【0030】
まず、図9(a)のように、情報処理装置10では、印刷出力の対象となる画像を画像表示手段によってディスプレイ等に表示させる(S1)。
次に、表示された画像のうち、キーカラーを指定する部分(範囲)の画像を画像範囲指定手段によって指定する(S2)。
指定の方法としては、マウス等による操作により容易に行うことができ、指定後の画像は、図9(b)のように表示され、ユーザは指定された部分を認識することができる。なお、同図(b)においては、「LOGO」の部分(範囲)を、キーカラーを指定する部分(範囲)としている。
【0031】
次に、指定された部分に割り当てるキーカラーを色値指定手段によって指定する(S3)。
キーカラーの指定方法としては、例えば、同一画像中に希望する色が使われている場合には、その部分にマウスポインタを移動しマウスをクリック等することにより選択することができる(図9(c)参照)。また、カラーパレット等を表示させて、その中から希望する色を選択するようにしてもよい。
【0032】
S3でキーカラーが指定されると、図9(d)のように、S2で指定した画像範囲の部分の色がキーカラーに変更され(色値情報更新手段)、画像表示手段によって画面上に表示される(S4)。なお、同図(d)においては、「LOGO」の部分(範囲)の色がキーカラーに変更されている。
ユーザはこの画像を確認した上で、そのキーカラーで良ければ(S5 YES)所定操作により決定を行い(S6)、他のキーカラーに変更する場合には、S3に戻り、あらためてキーカラーの指定を行う(S5 NO)。
このとき、図10のように、画像データ上では、キーカラー指定したところのピクセルに所定のフラグ(本実施形態では「1」)が指定データフラグ更新手段により割り当てられる(S7)。
そして、画像データ出力手段によって、前記フラグ情報が付加された画像データを画像処置装置20に送信する(S8)。
【0033】
画像形成装置20では、所定の印刷命令とともに画像データを受信すると、一旦これらのデータを入力バッファ21に格納する(S9)。
具体的には、CPU23がプログラムROM22の命令に応じ、入力バッファ21に格納されている印刷命令から画像データを取り出して、データRAM24の画像データバッファ242に格納することとなる。
【0034】
画像データバッファ242に画像データが格納されると、画像データバッファ242から、ピクセルごとの画像データを順次取得する(S10)。
そして、取得した画像データに、キーカラー指定部分が含まれているか否かをキーカラー判別手段により判別する(S11)。
具体的には、取得した画像データにフラグが立っているピクセルの有無によって判別し、フラグが立っている部分はキーカラー対象であり、フラグが立っていない部分はキーカラーの対象とはならない。また、フラグの有無に関わらず、キーカラーバッファ245に保持されているキーカラーの色値及びその値から設定された範囲内にあるか否かによってキーカラー対象か否かを判定しても良い。
【0035】
S11の結果、キーカラー対象でないピクセルについては、減色処理(減色処理手段)を施す(S12)。
そして、減色処理した入力色値をキャッシュテーブル241に格納されている入力色値と比較して、一致するか否かを判別し(S13)、一致したら、キャッシュテーブル241から出力色値を取り出す(S14)。
S13において、キャッシュテーブル241の入力色値と一致しなかったら、色変換テーブル243を参照し(色変換手段)、必要であれば補間演算をして出力色値を求める(S15)。
そして、その時の入力色値と出力色値によりキャッシュテーブル241の値を更新する(S16)。
【0036】
S14、S15で得られた出力色値は、画像データバッファ242に格納し(S17)、処理済みピクセル数を一つカウントアップする(S18)。
S11の結果、キーカラー対象のピクセルについては、次に、その入力色値を読み取る(S19)。
そして、読み取った入力色値をキーカラー用キャッシュテーブル241に格納されている入力色値と比較して、一致するか否かを判別する(S20)。
S20の結果、一致したら、キーカラー用キャッシュテーブル241から出力色値を取り出し(S21)、一致しなかったら、色変換テーブル243を参照し(色変換手段)、必要であれば補間演算をして出力色値を求める(S15)。そして、その時の入力色値と出力色値によりキーカラー用キャッシュテーブル241の値を更新する(S22)。
【0037】
なお、S21で得られた出力色値は、画像データバッファ242に格納し、S17)、処理済みピクセル数を一つカウントアップする(S18)。
そして、処理済みピクセルの画像データ数をチェックして、処理対象画像の全てのピクセルの色変換処理が完了したか否かを判別し(S23)、完了していなければ、つぎのピクセルの色変換処理を行い、完了していれば、一連の色変換処理は終了し、プリンタエンジンによって印刷出力が行われる(終了)。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置1によれば、情報処理装置10から出力される画像データを、簡易な操作にもとづき、高画質かつ高速に印刷出力することができる。
具体的には、マウス等を使い、画面を見ながら入力操作を行うことにより、容易にキーカラーを指定し、またその範囲指定することができる。
また、予めキーカラーを指定することにより、キーカラー指定部分についてはユーザの求めに応じた高画質の印刷を実現し、キーカラー指定以外の部分についても一定の画質を保ちつつ、高速印刷処理をできる。
【0039】
さらに、本実施形態の画像処理装置1によれば、キーカラー指定した部分の画像データについては、フラグ情報を付加するようにしているため、画像形成装置20においてキーカラー指定部分か否かを容易に判別することが可能となる。
従って、画像形成装置20において特別な技術的手段を設けることなく、容易に本実施形態に係る画像処理装置1を実現することができる。
このように、本実施形態の画像処理装置1によれば、ユーザの要求を最大限に満たすべく、品質、操作性、及び利便性に優れた画像処理装置を容易に実現し、提供することができるようになる。
【0040】
以上、本発明の画像処理装置及び画像処理プログラムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかる画像処理装置及び画像処理プログラムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態における画像形成装置は、プリンタ等に限らず、ファクシミリ装置やスキャナ等の他、画像を印刷出力可能な任意の画像形成装置に適用することが可能である。
【0041】
また、本発明は、画像形成装置と情報処理装置との双方(又は、画像形成装置の有する機能と情報処理装置の有する機能との双方)を内包する単一の装置(画像編集機能つきのプリンタやスキャナなど)によって実現できる。
【0042】
さらに、本発明は、装置発明としてだけでなく、システム発明としても実現化できる。すなわち、画像形成装置や情報処理装置をそれぞれ独立の装置として備え、これらをネットワーク等で接続する構成とすることもできる。
このように、所定の技術的手段を備えた情報処理装置と、これとは別個独立に設置された画像形成装置とを組み合わせることによっても本発明を容易に構成できるので、汎用性・拡張性に高い画像処理システムを提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、プリンタやコピー機、複合機等の画像形成装置やネットワークプリンタ等の画像形成システムに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置(画像処理システム)の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示したブロック図である。
【図3】減色処理の説明図である。
【図4】キャッシュテーブルの内容を示す図である。
【図5】色変換テーブルの内容を示す図である。
【図6】キーカラー設定データの一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の処理動作を示す前半部のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の処理動作を示す後半部のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る画像処理装置における画面表示及び入力操作を説明する説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る画像処理装置において、キーカラー指定後に画像データに付加されるフラグ情報を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 画像処理装置(画像処理システム)
10 情報処理装置
20 画像形成装置
30 プリンタドライバ
【出願人】 【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 喜平


【公開番号】 特開2008−48308(P2008−48308A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223838(P2006−223838)