| 【発明の名称】 |
受信装置および受信方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】深野 雅章
|
| 【要約】 |
【課題】選局されてから映像を表示するまでの時間を短縮する。
【構成】ユーザが操作部を操作して選局動作を行うと、CPU16は、ステップS1において、番組情報データベースの中から選局された番組に関する番組情報が保持されているかどうかを検索する。検索の結果、対象となる番組の番組情報が保持されている場合には、処理がステップS2およびステップS4に移行し、ステップS2およびS3における画像処理と、ステップS4における通常の選局処理とが並列的に実行される。このように、番組情報データベースに記載された映像信号種別に関する情報を用いた画像処理と選局処理とを並列的に行うことにより、ユーザの選局動作から安定した映像の表示までの時間を短縮することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 デジタルテレビジョン放送の電波から所定の周波数の変調信号を選局し、該変調信号を復調してトランスポートストリームを出力するデジタルチューナ部と、 上記トランスポートストリームをビデオストリームおよび付加データに分離する分離部と、 上記ビデオストリームを復号し、映像信号を出力するデコーダと、 上記映像信号に対して所定の画像処理を施す映像処理部と、 上記付加データから、放送される番組の映像信号種別に関する情報を含む番組情報を取得し、該番組情報に基づき番組情報データベースを生成する制御部と、 上記番組情報データベースを記憶する記憶部と を有し、 上記制御部は、 上記デジタルチューナ部および上記分離部による処理と並行して、上記番組情報データベースを参照して取得した映像信号種別に基づく画像処理を行うように制御する ことを特徴とする受信装置。 【請求項2】 請求項1に記載の受信装置において、 上記制御部は、 番組の選局操作に基づき上記番組情報データベースを参照して、上記選局された番組に対応する番組情報が存在するかどうかを検索する ことを特徴とする受信装置。 【請求項3】 請求項1に記載の受信装置において、 上記ビデオストリームのヘッダに格納された該ビデオストリームの映像信号種別と、上記番組情報データベースに記載された上記ビデオストリームに対応する番組情報の映像信号種別とが比較され、比較の結果、それぞれの映像信号種別が互いに異なる場合には、上記映像処理部は、上記ビデオストリームのヘッダに格納されている映像信号種別に基づき画像処理を行う ことを特徴とする受信装置。 【請求項4】 請求項1に記載の受信装置において、 上記映像信号種別は、対応する映像信号の解像度およびアスペクト比を含む ことを特徴とする受信装置。 【請求項5】 デジタルテレビジョン放送の電波から所定の周波数の変調信号を選局し、該変調信号を復調してトランスポートストリームを出力するチューニングステップと、 上記トランスポートストリームをビデオストリームおよび付加データに分離する分離ステップと、 上記ビデオストリームを復号し、映像信号を出力するデコードステップと、 上記映像信号に対して所定の画像処理を施す映像処理ステップと、 上記付加データから、放送される番組の映像信号種別に関する情報を含む番組情報を取得し、該番組情報に基づき番組情報データベースを生成する制御ステップと、 上記番組情報データベースを記憶する記憶ステップと を有し、 上記制御ステップは、 上記チューニングステップおよび上記分離ステップによる処理と並行して、上記番組情報データベースを参照して取得した映像信号種別に基づく画像処理を行うように制御する ことを特徴とする受信方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、例えばデジタルテレビジョン放送を受信可能な受信装置および受信方法に関する。 【背景技術】 【0002】 全国で地上デジタルテレビジョン放送が開始され、地上デジタルテレビジョン放送のユーザが急速に増加している。それに伴い、地上デジタルテレビジョン放送対応のテレビジョン受像機や受信装置が急速に普及している。 【0003】 地上デジタルテレビジョン放送の受信装置では、一般に、外部に接続されたアンテナから受信した地上デジタルテレビジョン放送の電波から所定の周波数の変調信号が選局され、復調処理などの所定の信号処理が施され、トランスポートストリーム(TS;Transport Stream)が得られる。そして、このTSに対して、必要に応じてスクランブルを解除するための処理が施され、フィルタリングが行われて映像や音声、必要なデータなどに分離され、映像や音声が復号されてユーザに提示されるようになっている。 【0004】 このような地上デジタルテレビジョン放送に対応した受信装置が下記の非特許文献1に記載されている。 【0005】 【非特許文献1】「デジタル放送受信装置 標準規格 ARIB STD−B21」 社団法人 電波産業会発行 【0006】 地上デジタルテレビジョン放送では、アナログテレビジョン放送と異なり、放送局やチャンネル、視聴時間帯に応じて解像度やアスペクト比などの映像信号種別を柔軟に変更することができる。そのため、地上デジタルテレビジョン放送に対応するテレビジョン受像機や受信装置は、放送される映像信号種別の変更に動的に追従できることが要求される。 【0007】 そこで、従来の受信装置は、送信設備から送出されたTSを受信して、デコードすることによって得られたMPEG−2(Moving Picture Experts Group-2)方式によるビデオストリームのシーケンスヘッダに含まれている映像信号種別に関する情報に基づき、解像度やアスペクト比などを変更するようにしている。 【0008】 また、地上デジタルテレビジョン放送に対応するテレビジョン受像機や受信装置には、画質改善を目的とした画像処理回路が搭載され、映像信号に対して高度な画像処理を施すことにより、映像の画質向上が図られている。この画像処理回路は、一般に、上述したシーケンスヘッダに含まれる、映像信号毎や種別毎に予め設定された情報に基づき、ノイズ除去や解像度変換、フレーム補間などのそれぞれの映像信号に適応する画像処理を施している。 【0009】 このように、デコードされたビデオストリームに対して所定の画像処理を施し、画質の向上を図る技術が、下記の特許文献1に記載されている。 【0010】 【特許文献1】特開2005−184563号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 ところで、上述した受信装置において、受信したTSに対するデコードや画像処理を行っている間は、映像が不安定となり、この映像を表示部などに表示させた場合には、映像が乱れた状態となってしまう。そこで、デコードや画像処理中の乱れた映像をユーザに対して見せないようにするため、一般に、受信装置は、デコードや画像処理中の映像を非表示とするミュート処理を行い、これらの処理が終了した時点で映像を表示するミュート解除処理を行うようにしている。 【0012】 具体的には、例えば図7に示すように、時点Aにおいて、ユーザが受信装置に設けられた操作部を操作して選局を行うと、受信装置では、デジタルチューナ部によるチューニングおよび復調、デスクランブラによるデスクランブル、ならびにデコーダによるデコードといった通常の選局処理が、斜線部で示す時点Aから時点Bまでの区間で行われる。 【0013】 この時点Aから時点Bまでの区間では、ビデオストリームのデコードが完了しておらず、映像が出力されないため、表示部には乱れた映像が表示されてしまうことになる。そこで、表示部に乱れた映像が表示されることを防ぐため、時点Aから時点Bまでの区間では、ミュート処理が施される。 【0014】 そして、時点Bにおいてデコードが完了し、デコーダから映像信号が出力できるようになると、時点Cにおいて、ビデオストリームのシーケンスヘッダから映像信号種別を取得し、斜線部で示す時点Cから時点Dまでの区間では、この映像信号種別に基づき、映像処理部において映像信号に対する画像処理が行われる。 【0015】 この時点Cから時点Dまでの区間においても、映像が乱れてしまい、安定した映像を出力することができないので、表示部に乱れた映像が表示されてしまうことになる。そこで、表示部に乱れた映像が表示されることを防ぐため、時点Cから時点Dまでの区間では、再度ミュート処理を行うようにする。 【0016】 時点Dにおいて画像処理が完了し、安定した映像の表示ができるようになると、ミュート解除処理が行われ、表示部には、選局後の安定した映像が表示される。 【0017】 このように、従来、映像信号種別が変化するような選局を行った場合には、選局動作からデコードが完了する時点までの区間と、映像信号に対する画像処理が行われる区間とにおいては、映像が乱れてしまうため、ミュート処理を施すことにより、表示部には何も表示されないようにしている。そのため、ユーザが選局してから安定して映像を表示できるまでの時間がアナログテレビジョン放送に比べて長くなってしまうという問題点があった。 【0018】 この問題は、多くのユーザに対して地上デジタルテレビジョン放送の視聴を不快にさせるものであり、地上デジタルテレビジョン放送に対応するテレビジョン受像機や受信装置の普及の障害ともなりつつある。 【0019】 したがって、この発明の目的は、選局されてから映像を表示するまでの時間を短縮することができる受信装置および受信方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0020】 上述した課題を解決するために、第1の発明は、デジタルテレビジョン放送の電波から所定の周波数の変調信号を選局し、変調信号を復調してトランスポートストリームを出力するデジタルチューナ部と、トランスポートストリームをビデオストリームおよび付加データに分離する分離部と、ビデオストリームを復号し、映像信号を出力するデコーダと、映像信号に対して所定の画像処理を施す映像処理部と、付加データから、放送される番組の映像信号種別に関する情報を含む番組情報を取得し、番組情報に基づき番組情報データベースを生成する制御部と、番組情報データベースを記憶する記憶部とを有し、制御部は、デジタルチューナ部および分離部による処理と並行して、番組情報データベースを参照して取得した映像信号種別に基づく画像処理を行うように制御することを特徴とする受信装置である。 【0021】 また、第2の発明は、デジタルテレビジョン放送の電波から所定の周波数の変調信号を選局し、変調信号を復調してトランスポートストリームを出力するチューニングステップと、トランスポートストリームをビデオストリームおよび付加データに分離する分離ステップと、ビデオストリームを復号し、映像信号を出力するデコードステップと、映像信号に対して所定の画像処理を施す映像処理ステップと、付加データから、放送される番組の映像信号種別に関する情報を含む番組情報を取得し、番組情報に基づき番組情報データベースを生成する制御ステップと、番組情報データベースを記憶する記憶ステップとを有し、制御ステップは、チューニングステップおよび分離ステップによる処理と並行して、番組情報データベースを参照して取得した映像信号種別に基づく画像処理を行うように制御することを特徴とする受信方法である。 【0022】 上述したように、第1および第2の発明では、記憶部に予め記憶された番組情報データベースに記載された映像信号種別に基づいて画像処理を行うようにしているため、チューニングステップおよび分離ステップによる処理と並行して、映像処理ステップによる画像処理が行われる。 【発明の効果】 【0023】 この発明は、デジタルテレビジョン放送の電波からビデオストリームや付加データといったデータを取得する選局処理と、映像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理とを並列的に行うようにしているため、選局から映像の表示までに要する時間を短縮させることができるという効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、この発明の実施の一形態について説明する。この発明の実施の一形態では、解像度やアスペクト比などの映像信号種別を受信装置に予め記憶させておき、選局処理を行う際に、この映像信号種別に関する情報に基づいて画像処理を並列的に行い、映像の表示に要する時間を短縮するようにしている。なお、以下では、地上デジタルテレビジョン放送を受信可能な受信装置を例にとって説明する。 【0025】 先ず、この発明の実施の一形態による受信装置1の一例の構成について、図1を参照して説明する。受信装置1は、デジタルチューナ部12、デスクランブラ13、分離部としてのDeMUX(デマルチプレクサ:De-MUltipleXer)部14、デコーダ15、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)16、ROM(Read Only Memory)17、RAM(Random Access Memory)18、操作部19、記憶部20、映像処理部21、音声処理部22、画面生成部23および合成部24がバス10を介して接続されている。 【0026】 受信装置1は、外部に接続されたアンテナ11により、図示されない放送設備から送信された地上デジタルテレビジョン放送の電波を受信する。そして、受信した地上デジタルテレビジョンの電波をデジタルチューナ部12に供給する。 【0027】 デジタルチューナ部12は、アンテナ11を介して供給される地上デジタルテレビジョン放送の電波から所定の周波数の変調信号を選局する。そして、選局された変調信号に対して復調処理や誤り訂正処理などの所定の信号処理を施しトランスポートストリーム(TS;Transport Stream)を出力する。デスクランブラ13は、供給されたTSに対して、必要に応じてスクランブルを解除するための処理を施し、スクランブルが解除されたTSを出力する。 【0028】 DeMUX部14は、供給されたTSについて、TSパケットのヘッダ部に格納された、それぞれのパケットを識別するためのPID(Packet IDentification)の値に基づきフィルタリングを行い、多重されたTSの中からビデオストリームやオーディオストリームなどの必要なストリームを取り出し、デコーダ15に供給する。また、DeMUX部14は、TSから抽出された、EIT(Event Information Table)と呼ばれる番組情報が記述されたテーブルをCPU16に供給する。なお、EITの詳細については、後述する。 【0029】 デコーダ15は、ビデオストリーム、オーディオストリームおよび付加データに対してそれぞれ復号処理を施し、映像信号、音声信号および付加データを出力する。復号された映像信号は、映像処理部21に供給される。また、復号された音声信号は、音声処理部22に供給される。さらに、復号された付加データは、画面生成部21に供給される。 【0030】 映像処理部21は、供給された映像信号に対してノイズ除去や解像度変換、フレーム補間などの所定の画像処理を施し、合成部24に供給する。なお、この例において画像処理とは、例えば、復号するビデオストリームの解像度やアスペクト比等のパラメータ設定や、設定されたパラメータに基づく処理、LCDなどの表示部25の解像度にあわせた処理等を含むものとする。また、音声処理部22は、供給された音声信号に対して所定の音声処理を施し、音声出力部24に供給し、供給された音声信号が音声出力部24から出力される。 【0031】 操作部19は、例えばリモートコントロールコマンダーからなり、所定の日時の番組表の表示を指示する情報やチャンネル選局時における選局情報などが出力される。操作部19から出力された情報は、CPU16に供給される。 【0032】 CPU16は、ROM17に予め格納されたプログラムに従い、RAM18をワークメモリとしてバス10に接続された各部を制御する。また、CPU16は、操作部19からの選局情報に基づき、所定の周波数の信号を選択するようデジタルチューナ部12やDeMUX部14を制御する。さらに、CPU16は、DeMUX部14から供給されたEITに基づき番組情報データベースを作成し、記憶部20に供給する。番組情報データベースの詳細については、後述する。なお、CPU16は、DeMUX部14から供給されたEITをそのまま記憶部20に供給し、記憶させるようにしてもよい。 【0033】 記憶部20は、CPU16から供給されたEITや番組情報データベースなどの各種情報を記憶する。記憶部20としては、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの不揮発性メモリを用いることができる。 【0034】 画面生成部23は、デコーダ15から供給される付加データや記憶部20に記憶されたEITに基づき、OSD(On Screen Display)表示画面を生成する。また、ユーザによる操作部19への操作に基づき、メニュー画面や番組表の表示画面などの設定画面を生成する。生成されたOSD表示画面や設定画面は、合成部24に供給される。 【0035】 合成部24は、例えばOSD処理により、映像処理部21からから供給される映像信号と画面生成部23から供給されるOSD表示画面や設定画面とを合成し、表示部25に供給する。なお、画面生成部23からOSD表示画面や設定画面が供給されない場合、合成部24は、映像処理部21から供給された映像信号をそのまま表示部25に供給する。表示部25としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)を用いることができる。 【0036】 次に、この発明の実施の一形態に適用可能な番組情報データベースについて説明する。番組情報データベースは、TSに含まれるEITと呼ばれる番組に関する情報が記述されたテーブルに基づき作成される。 【0037】 先ず、番組情報データベースに用いられるEITについて説明する。MPEG−2システムズ(MPEG-2 Systems)に規定されるTSには、例えばEPG(Electronic Program Guide)情報を表示する場合に用いられるSI(Service Information)と呼ばれる番組配列情報がある。SIは、番組やサービスの情報を記述したセクション形式のデータで構成され、このSIには、番組に関する情報が記載されたEITが設けられている。 【0038】 EITは、各サービスに含まれる番組のタイトルや放送日時、内容の説明など、番組に関する情報が記述されたテーブルである。このEITは、EIT[p/f]およびEIT[schedule]に分類される。EIT[p/f]は、現在放送中の番組とその次に放送される番組との番組情報が記載されたものである。EIT[schedule]は、所定の期間、例えば1週間先までの番組情報が記載されたものである。なお、以下では、EIT[p/f]およびEIT[schedule]を総称したものをEITと称して説明する。 【0039】 図2に示すように、EITは、番組のタイトルや放送日時、内容の説明などの番組に関する情報を指示する構造となっている。ここでは、関係の深い部分について説明する。「table_id」は、セクションが属するテーブルを識別するために割り当てられたテーブル識別を示す。「service_id」は、サービス毎にそれぞれのサービスを識別するために割り当てられたサービス識別を示す。「event_id」は、service_id内で一意的に割り当てられた対象イベントのID(IDentification)を示す。「start_time」は、番組の開始時刻を示す。「duration」は、番組の継続時間を示す。 【0040】 また、EITには、映像や音声などを構成する要素を示すコンポーネントに関するコンポーネント記述子が配置されており、このコンポーネント記述子に映像の解像度やアスペクト比、音声モードなどに関する情報が記載されている。コンポーネント記述子には、例えばストリームの種別を示すコンポーネント内容と、映像や音声、データといったコンポーネントの種別を規定するコンポーネント種別とが記述されている。これら2つの記述により、コンポーネントの符号化の形式を判断することができる。 【0041】 図3に示すように、映像信号の解像度やアスペクト比は、このコンポーネント内容およびコンポーネント種別の値に応じて決定される。例えば、コンポーネント内容が「0x01」である場合には、ビデオストリームであることを示し、「0x02」である場合には、オーディオストリームであることを示す。そして、それぞれのコンポーネント内容に対応してコンポーネント種別が規定されている。 【0042】 例えば、コンポーネント内容が「0x01」であり、コンポーネント種別が「0xB1」である場合、このストリームがビデオストリームであり、解像度が「1080i(iはインターレース)」、アスペクト比が「4:3」であることを示す。なお、図3では、一例として、地上デジタルテレビジョン放送で指定可能な記述のみを示している。また、それぞれの値の前に示された「0x」は、その値が16進数で表記されていることを示す。 【0043】 番組情報データベースは、例えば図4に示すように、番組のサービス識別(service_id)および時間(start_timeおよびduration)に対して解像度やアスペクト比などの映像信号種別が関連付けられており、サービス識別および時間を指定することにより、その番組の映像信号種別が検索できるようになっている。 【0044】 項目「サービス識別」には、上述したEITに含まれる「service_id」の値が記載されている。項目「時間」には、EITに含まれる「start_time」および「duration」の記述に基づき、番組の日付、開始時刻および継続時間が記載されている。項目「映像信号種別」には、画像処理の際に用いられる映像信号種別が記載されている。この項目には、例えば、EITにおいてコンポーネント記述子で記載されている解像度やアスペクト比といった情報が記載される。例えば、この番組情報データベースから、サービス識別が「0x0400」であり「2006年8月1日21:00」に開始する番組は、解像度が「1080i」であり、アスペクト比が「16:9」であるということが判断できる。 【0045】 このように、取得したEITに基づき番組情報データベースを作成し、記憶させておくことにより、現在放送されている番組の映像信号種別だけでなく、将来放送される予定の番組の映像信号種別を予め取得しておくことができる。 【0046】 なお、例えば、1つの番組が複数の映像コンポーネントで構成されている場合などは、EITに複数のコンポーネント記述子が配置されている。このような場合には、最初に提示する予定の映像コンポーネントに対するコンポーネント記述子を取得すると好ましい。 【0047】 また、上述では、EITに基づき番組情報データベースを作成するようにしたが、これはこの例に限られない。例えば、EITをそのまま記憶部20に記憶させて番組情報データベースとしてもよい。すなわち、番組情報データベースとしては、サービス識別と番組の日時を指定することによって映像信号種別を検索することが可能であれば、どのような形式でもよい。 【0048】 次に、この発明の実施の一形態による受信装置1における受信方法について説明する。図5は、この発明の実施の一形態による受信装置1における受信方法の処理の流れを示すフローチャートである。 【0049】 先ず、ユーザが操作部19を操作して、選局動作を行うと、ステップS1において、CPU16は、サービス識別および番組の日時に基づき、記憶部20に記憶されている番組情報データベースの中から選局された番組に関する番組情報が保持されているかどうかを検索する。検索の結果、対象となる番組の番組情報が保持されている場合には、処理がステップS2およびステップS5に移行する。 【0050】 ステップS2において、CPU16は、記憶部20に記憶されている番組情報データベースの中から、検索によって適合した番組の解像度およびアスペクト比といった映像信号種別を抽出する。ステップS3において、CPU16は、ステップS2で抽出された映像信号種別に記載されている解像度およびアスペクト比に基づき、デコーダ15の出力である映像信号の解像度およびアスペクト比を設定して、デコーダ15の出力のフォーマットを変更する。このとき、表示部25には、乱れた映像が表示されてしまうため、画像処理の実行前には、映像を非表示とするミュート処理を施し、画像処理が完了した後には、ミュート解除処理を施す。 【0051】 また、ステップS4では、上述のステップS2およびステップS3の処理と並行して、通常の選局処理を行う。デジタルチューナ部12は、アンテナ11を介して供給された電波からユーザの選局動作に対応した周波数の変調信号を選局し、変調信号に対して復調処理などの所定の信号処理を施し、TSを出力する。そして、デスクランブラ13は、TSに対してスクランブルを解除するための処理を施し、DeMUX部14は、フィルタリングを行い、ビデオストリームやオーディオストリームなどの必要なストリームを取り出す。なお、このとき、表示部25には、乱れた映像が表示されてしまうため、選局処理の実行前には、ミュート処理を施す。 【0052】 一方、ステップS1において、対象となる番組の番組情報が保持されていない場合には、処理がステップS5に移行する。ステップS5では、ステップS4に示す処理と同様の選局処理を行う。また、選局処理の実行前には、ミュート処理を施す。 【0053】 ステップS6において、デコーダ15は、ステップS4またはステップS5の選局処理によって得られたビデオストリームに対して復号処理を施し、映像信号を出力する。なお、ステップS3において、デコーダ15の出力のフォーマットを変更している場合には、変更されたフォーマットに従って復号処理を施す。また、CPU16は、ビデオストリームのシーケンスヘッダから映像信号種別に関する情報を取得する。 【0054】 ステップS7において、CPU16は、シーケンスヘッダに記載された映像信号種別と、番組情報データベースに記載された対象となる番組の映像信号種別とを比較する。比較の結果、シーケンスヘッダに記載された映像信号種別と対象番組の映像信号種別とが一致した場合には、処理がステップS8に移行する。 【0055】 ステップS8において、映像処理部21は、変更されたフォーマットに従い、映像信号種別に基づく画像処理を行う。そして、映像処理部21から画像処理が施された映像信号が出力されると、ミュート解除処理が行われ、表示部25に映像が表示され、処理が終了する。 【0056】 一方、ステップS7において、シーケンスヘッダに記載された映像信号種別と対象番組の映像信号種別とが異なる場合には、処理がステップS9に移行する。ステップS9において、映像処理部21は、シーケンスヘッダに記載された映像信号種別に基づき画像処理を行う。また、ステップS4と同様に、画像処理の実行前に映像を非表示とするミュート処理を行い、画像処理が完了した後にミュート解除処理を行う。そして、表示部25に映像が表示され、処理が終了する。 【0057】 なお、ステップS3で行われるフォーマットの変更は、番組情報データベースに記載されている映像信号種別に基づくものであり、あくまでも予定されていた番組に変更がないと仮定している。また、番組情報データベースに記載されている映像信号種別に関する情報は、対象となる番組が放送される以前に送出されたEITに基づくものであるため、例えば、このEITの送出後で、放送前に番組に対して変更があった場合は、反映されていない。そのため、このEITに基づく番組情報データベースを用いてフォーマットの変更を行うと、記載されている映像信号種別と、変更後の番組の映像信号種別とが異なってしまう場合が考えられる。したがって、番組に変更などがあった場合には、その番組のビデオストリームのシーケンスヘッダに記載されている映像信号種別が正確であるので、このシーケンスヘッダの映像信号種別に基づき画像処理を施す。 【0058】 このように、この発明の実施の一形態では、予め記憶部20に記憶された番組情報データベースに記載された映像信号種別に関する情報を用いた画像処理と、選局処理とを並列的に行うようにしている。こうすることにより、ユーザの選局動作から安定した映像の表示までの時間を短縮することができる。 【0059】 図6Aは、この発明の実施の一形態による受信方法を適用した場合における、選局から映像の表示までのミュート処理のタイミングの一例を示す。なお、この発明の実施の一形態に対する理解を深めるため、従来の受信装置による受信方法を適用した場合における、選局から映像の表示までのミュート処理のタイミングの一例を参考として図6Bに示す。 【0060】 上述の受信方法を適用した場合の動作をより具体的に説明すると、例えば、図6Aに示すように、時点Aにおいて、ユーザが受信装置1に設けられた操作部19を操作して選局を行うと、受信装置1では、デジタルチューナ部12によるチューニングおよび復調、デスクランブラ13によるデスクランブル、DeMUX部14によるデマルチプレックス、といった通常の選局処理と、デコーダ15によるデコードとが、斜線部で示す時点Aから時点Bまでの区間で行われる。 【0061】 この時点Aから時点Bまでの区間では、ビデオストリームのデコードが完了しておらず、映像が出力されないため、表示部には乱れた映像が表示されてしまうことになる。そこで、表示部に乱れた映像が表示されることを防ぐため、時点Aから時点Bまでの区間では、ミュート処理が施される。 【0062】 また、上述の選局処理と並行して、時点Cにおいて番組情報データベースから対象番組の解像度やアスペクト比といった映像信号種別に関する情報を取得する。そして、斜線部で示す時点Cから時点Dまでの区間では、この映像信号種別に関する情報に基づき、映像処理部21による画像処理が行われる。 【0063】 この時点Cから時点Dまでの区間においても、映像が乱れてしまい、安定した映像を出力することができないので、表示部に乱れた映像が表示されてしまうことになる。そこで、表示部に乱れた映像が表示されることを防ぐため、時点Cから時点Dまでの区間では、ミュート処理を行うようにする。そして、時点Dにおいてデコードが完了し、安定した映像の表示ができるようになると、ミュート解除処理が行われ、表示部25には、選局後の安定した映像が表示される。 【0064】 なお、映像処理部21による画像処理は、並列的に処理が行われている選局処理に比べて、短時間で完了する場合が多いと考えられるので、選局処理中に画像処理が完了する。そのため、ミュート処理を施す時間は、実質的に時点Aから時点Bまでの区間のみとなり、時点Bにおいて、表示部25に映像が表示される。 【0065】 一方、従来の受信装置では、図6Bに示すように、選局処理と画像処理とが並列的に行われないため、選局処理中である時点Aから時点Bまでの区間と、画像処理中である時点C’から時点D’までの区間とにおいて、それぞれミュート処理が必要となってしまい、時点D’で映像を表示できるようになる。 【0066】 したがって、この発明の実施の一形態による受信装置を用いることにより、従来の受信装置における時点C’から時点D’までの区間のミュート処理による時間を短縮することができるため、従来の受信装置に比べて、ユーザによる選局動作から安定した映像を表示する時間を短縮することができる。 【0067】 以上、この発明の実施の一形態について説明したが、この発明は、上述したこの発明の実施の一形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。この発明の実施の一形態では、画像処理を実行する際に使用した番組情報データベースは、EITに含まれている映像信号種別に関する情報を利用して作成したが、これはこの例に限られない。例えば、サービス(編成チャンネル)毎に、前回の選局時にシーケンスヘッダから取得した内容を記憶部20に記憶させ、次回以降それを利用するようにしてもよい。こうすることにより、EITが送出されないような放送形式にも適用することができる。 【0068】 また、この場合、放送に限らず、例えば外部から入力された映像データに対しても適用できる。具体的には、例えば、受信装置1に対して、新たにコンポーネント入力端子やHDMI(High Definition Multimedia Interface)入力端子などの外部入力端子を設け、解像度などの映像種別が変わるような映像データをこの外部入力から入力した場合にも、この実施の一形態を適用することができる。 【0069】 さらに、例えば、番組情報データベースと前回選局時のシーケンスヘッダの内容とをあわせて利用することもできる。例えば、番組情報データベースに記載された映像信号種別およびシーケンスヘッダに記載された映像信号種別を記憶部20に記憶させ、番組情報データベースの映像信号種別およびシーケンスヘッダの映像信号種別のうち、一方の映像信号種別が記憶されていない場合には、他方の映像信号種別を利用して、選局処理と並列的に画像処理を実行するようにしてもよい。また、両方の映像信号種別が存在しているが、その内容が異なる場合には、選局処理と並列的に画像処理を実行しないようにするようにしてもよい。 【0070】 また、例えば、上述で説明した地上デジタルテレビジョン放送方式に限らず、BS(Broadcasting Satellite)デジタルテレビジョン放送やCS(Communication Satellite)デジタルテレビジョン放送などの衛星デジタルテレビジョン放送方式にも適用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0071】 【図1】この発明の実施の一形態による受信装置の一例の構成を示すブロック図である。 【図2】EITのデータ構造を示す略線図である。 【図3】EITに配置されるコンポーネント記述子による記述内容を示す略線図である。 【図4】この発明の実施の一形態に適用可能な番組情報データベースの一例を示す略線図である。 【図5】この発明の実施の一形態による受信装置における受信方法の処理の流れを示すフローチャートである。 【図6】この発明の実施の一形態による受信方法を適用した場合における、選局から映像の表示までのミュート処理のタイミングの一例を示す略線図である。 【図7】従来の受信装置の受信方法を適用した場合における、選局から映像の表示までのミュート処理のタイミングの一例を示す略線図である。 【符号の説明】 【0072】 11 アンテナ 12 デジタルチューナ部 13 デスクランブラ 14 DeMUX部 15 デコーダ 16 CPU 19 操作部 20 記憶部 21 映像処理部 22 音声処理部 25 表示部 26 音声出力部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年8月18日(2006.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082762 【弁理士】 【氏名又は名称】杉浦 正知
|
| 【公開番号】 |
特開2008−48250(P2008−48250A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−223083(P2006−223083) |
|