| 【発明の名称】 |
固体撮像装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】豊田 圭司
【氏名】藤田 幸男
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| 【要約】 |
【課題】黒レベル補正のための光漏れの判定性能を向上し、安定した撮像ができる固体撮像装置を提供する。
【構成】固体撮像素子2は、有効画素部、光電変換素子が遮光された通常OB画素部に加え、撮影光の影響を受けずに通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素部を有する。マイコン12は、通常OB画素部の信号レベルの平均値とダミーOB画素部の信号レベルの平均値の差分が所定のしきい値以上だった場合に光漏れと判定する。そして、マイコン12は、光漏れと判定された場合に、黒レベルの基準となる信号を通常OB画素部の信号からダミーOB画素部の信号に切り替え、ダミーOB画素部の信号を基準として黒レベルの補正信号を加算器6および減算器13へ送り、黒レベル補正を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体の撮像光を光電変換する有効画素部、光電変換素子が遮光された通常OB画素部および撮影光の影響を受けずに通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素部を有した固体撮像素子と、 前記通常OB画素部の信号レベルの平均値を算出する通常OB平均値算出手段と、 前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値を算出するダミーOB平均値算出手段と、 前記通常OB平均値算出手段とダミーOB平均値算出手段で算出された平均値の差分が所定のしきい値以上だった場合に光漏れと判定する光漏れ判定手段と、 前記光漏れ判定手段により光漏れと判定された場合に、黒レベルの基準となる信号を前記通常OB画素部の信号から前記ダミーOB画素部の信号に切り替える黒レベル基準切替手段と、 前記黒レベル基準切替手段の切替に従い、光漏れと判定されない場合に前記通常OB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行い、光漏れと判定された場合に前記ダミーOB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行う黒レベル補正手段と、 を備えたことを特徴とする固体撮像装置。 【請求項2】 被写体の撮像光を光電変換する有効画素部、光電変換素子が遮光された通常OB画素部および撮影光の影響を受けずに通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素部を有した固体撮像素子で生成される撮像信号の黒レベルを補正する撮像信号処理方法であって、 前記通常OB画素部の信号レベルの平均値を算出し、 前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値を算出し、 前記通常OB画素部の信号レベルと前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値の差分が所定のしきい値以上だった場合に光漏れと判定し、 光漏れと判定された場合に、黒レベルの基準となる信号を前記通常OB画素部の信号から前記ダミーOB画素部の信号に切り替え、 黒レベルの基準の切替に従い、光漏れと判定されない場合に前記通常OB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行い、光漏れと判定された場合に前記ダミーOB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行う、 ことを特徴とする撮像信号処理方法。 【請求項3】 被写体の撮像光を光電変換する有効画素部、光電変換素子が遮光された通常OB画素部および撮影光の影響を受けずに通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素部を有した固体撮像素子で生成される撮像信号の黒レベルを補正する撮像信号処理をコンピュータに実行させる撮像信号処理プログラムであって、 前記通常OB画素部の信号レベルと前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値の差分が所定のしきい値以上だった場合に光漏れと判定し、 光漏れと判定された場合に、黒レベルの基準となる信号を前記通常OB画素部の信号から前記ダミーOB画素部の信号に切り替え、 黒レベルの基準の切替に従い、光漏れと判定されない場合に前記通常OB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行い、光漏れと判定された場合に前記ダミーOB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行う、 処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする撮像信号処理プログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、主にデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等に使用される固体撮像装置に関し、特に、黒レベル補正技術に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、デジタルカメラ等に使用される固体撮像装置が普及している。固体撮像装置には、CCDやCMOS等の固体撮像素子が備えられており、一般に固体撮像素子は、温度変化等による撮像素子の特性変化を補正するために、撮像面の端の領域に、光電変換素子が遮光された遮光光電変換部である光学的黒領域(オプティカルブラック(OB)領域)を設け、このOB領域の画素から得られる出力信号を黒基準レベルとして有効画素部の撮像信号を補正している。 【0003】 ところがこのOB領域に近い撮像エリア付近に太陽等の極めて強烈な高輝度被写体が存在する場合、OB領域に光が漏れ込むことがある。このような場合にはOB領域の画素から得られる出力信号レベルが実際の黒レベルよりも大きくなってしまい、そのため、光が漏れ込まない正常状態よりも撮像信号が大きく補正されて、黒い部分がつぶれて沈んだ画像になってしまう。 【0004】 このような現象に対する対策として、OB領域に光が漏れ込んでいるかいないかを判定することで光漏れの影響を受けないようにする固体撮像装置が提案されている。 【0005】 従来より提案されている固体撮像装置は、例えば、通常のOB領域の他にダミーOB領域を有している。従来例では、通常OB領域が遮光された画素領域であるのに対して、ダミーOB領域は垂直CCDが接続されない画素領域であり、ダミーOB領域においては入射光および暗電流の影響を実質的に無視し得る。そして、従来装置は、有効画素部への入射光量を検知し、入射光量が所定量以上である場合に光漏れと判断し、黒レベルの基準となる信号を通常のOB領域の信号からダミーOB領域の信号に切り替えるように構成されている。これにより撮影光の光漏れの影響を受けないで安定した撮像が可能になる。(例えば特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2003−304453号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、従来の固体撮像装置においては、有効画素部への入射光量から光漏れの有無を判断しているために、光漏れの誤判定が生じ得る。誤判定が生じるのは、例えばOB領域に近い撮像エリア付近だけがスポット的に明るくその他の領域が暗いシーンである。この場合、光漏れが発生しているにもかかわらず、入射光量の平均値が所定量以下であり、そのため、光漏れが生じてないと誤って判定されてしまう可能性がある。このような誤判定が生じると、光漏れが生じているのに通常のOB画素の信号が補正に用いられ、その結果、撮影画像は黒い部分がつぶれて沈んだ画像へ補正されてしまう可能性がある。 【0007】 本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、黒レベル補正のための光漏れの判定性能を向上して安定した撮像ができる固体撮像装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の固体撮像装置は、被写体の撮像光を光電変換する有効画素部、光電変換素子が遮光された通常OB画素部および撮影光の影響を受けずに通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素部を有した固体撮像素子と、前記通常OB画素部の信号レベルの平均値を算出する通常OB平均値算出手段と、前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値を算出するダミーOB平均値算出手段と、前記通常OB平均値算出手段とダミーOB平均値算出手段で算出された平均値の差分が所定のしきい値以上だった場合に光漏れと判定する光漏れ判定手段と、前記光漏れ判定手段により光漏れと判定された場合に、黒レベルの基準となる信号を前記通常OB画素部の信号から前記ダミーOB画素部の信号に切り替える黒レベル基準切替手段と、前記黒レベル基準切替手段の切替に従い、光漏れと判定されない場合に前記通常OB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行い、光漏れと判定された場合に前記ダミーOB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行う黒レベル補正手段と、を備えている。 【0009】 この構成により、通常OB画素部の信号レベルの平均値とダミーOB画素部の信号レベルの平均値との差分を所定のしきい値と比較して光漏れを判定しているので、光漏れの誤判定を低減できる。例えば、従来技術では誤った光漏れ検出をしてしまうようなOB領域に近い撮像エリア付近だけがスポット的に明るくその他の領域が暗いシーンにおいても、正確に光漏れを判定することができる。光漏れの判定性能の向上により、黒い部分がつぶれずに安定した撮像ができる。 【0010】 本発明の別の態様は、被写体の撮像光を光電変換する有効画素部、光電変換素子が遮光された通常OB画素部および撮影光の影響を受けずに通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素部を有した固体撮像素子で生成される撮像信号の黒レベルを補正する撮像信号処理方法であって、前記通常OB画素部の信号レベルの平均値を算出し、前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値を算出し、前記通常OB画素部の信号レベルと前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値の差分が所定のしきい値以上だった場合に光漏れと判定し、光漏れと判定された場合に、黒レベルの基準となる信号を前記通常OB画素部の信号から前記ダミーOB画素部の信号に切り替え、黒レベルの基準の切替に従い、光漏れと判定されない場合に前記通常OB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行い、光漏れと判定された場合に前記ダミーOB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行う。この態様によっても上述した本発明の利点が得られる。 【0011】 本発明の別の態様は、被写体の撮像光を光電変換する有効画素部、光電変換素子が遮光された通常OB画素部および撮影光の影響を受けずに通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素部を有した固体撮像素子で生成される撮像信号の黒レベルを補正する撮像信号処理をコンピュータに実行させる撮像信号処理プログラムであって、前記通常OB画素部の信号レベルと前記ダミーOB画素部の信号レベルの平均値の差分が所定のしきい値以上だった場合に光漏れと判定し、光漏れと判定された場合に、黒レベルの基準となる信号を前記通常OB画素部の信号から前記ダミーOB画素部の信号に切り替え、黒レベルの基準の切替に従い、光漏れと判定されない場合に前記通常OB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行い、光漏れと判定された場合に前記ダミーOB画素部の信号を黒レベルの基準として黒レベルの補正を行う処理を前記コンピュータに実行させる。この態様では、撮像信号処理プログラムが、通常OB画素部の信号レベルの平均値の算出とダミーOB画素部の信号レベルの平均値を算出をコンピュータに実行させてもよい。また、これらの平均値は別の回路構成で算出されてもよい。この態様によっても上述した本発明の利点が得られる。 【発明の効果】 【0012】 本発明は、通常OB画素部の信号レベルの平均値とダミーOB画素部の信号レベルの平均値との差分を用いて光漏れを判定する構成を設けることにより、黒レベル補正のための光漏れの判定性能を向上し、安定した撮像ができるという効果を有する固体撮像装置を提供できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の実施の形態の固体撮像装置について、図面を用いて説明する。 【0014】 本発明の実施の形態に係る固体撮像装置を図1に示す。 【0015】 図1において、固体撮像装置100は、まず、被写体を結像するレンズ1と、結像した画像を光電変換する固体撮像素子2と、固体撮像素子2の出力信号からノイズを除去するCDS(相関2重サンプリング)回路3と、固体撮像素子2のダミーOB領域からの信号レベルを基準レベルとしてクランプ処理を行うクランプ回路4と、マイクロコンピュータ(マイコン)12により被写体の明るさに応じて出力を一定に利得制御するAGC回路5とを備える。 【0016】 固体撮像装置100は、さらに、黒レベル補正に関連して、加算器6、AD変換器7、DA変換器8、パルス発生器9、通常OB平均値算出回路10、ダミーOB平均値算出回路11、マイコン12および減算器13を有している。 【0017】 加算器6は、AGC回路5の出力に、マイコン12によりフィードバックされる黒レベル補正用のアナログ信号を加算する。加算器6では、黒レベル補正用の信号の加算によって黒レベルが補正される。DA変換器8は、加算器6とマイコン12の間に設けられており、マイコン12から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換して加算器6に出力する。AD変換器7は、加算器6から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。 【0018】 パルス発生回路9は、定められたタイミングでパルスを発生し、通常OB平均値算出部10、ダミーOB平均値算出部11およびクランプ回路4に出力する。パルス発生器9は、各部構成へと、各部構成におけるクランプ処理のタイミングを示す信号を供給する。 【0019】 通常OB平均値算出回路10は、AD変換器7から入力されるデジタル信号から、後述する固体撮像素子2の通常OB画素部の信号レベルの平均値を算出する。また、ダミーOB平均値算出回路11は、AD変換器7から入力されるデジタル信号から、ダミーOB画素部の信号レベルの平均値を算出する。 【0020】 マイコン12は、固体撮像装置100の全体を制御すると共に、本発明の光漏れ判定手段、黒レベル基準切替手段として機能し、さらに、加算器6および減算器13と共に黒レベル補正手段として機能して黒レベルの補正を行う。マイコン12には、通常OB平均値算出回路10およびダミーOB平均値算出回路11から、通常OB画素部の信号レベルの平均値と、ダミーOB画素部の信号レベルの平均値が入力される。マイコン12は、これら平均値に基づき光漏れの判定を行い、判定結果に応じて黒レベル補正用の信号を生成する。黒レベル補正用の信号は、DA変換器8を介して加算器6にフィードバックされる。 【0021】 上記の加算器6は、アナログ信号に対して黒レベル補正を行うための構成である。これに対して、減算器13は、デジタル信号に対して黒レベル補正を行うための構成であり、AD変換器7の出力側に備えられている。マイコン12は、黒レベル補正用の信号を減算器13にフィードフォワードし、減算器13は、AD変換器7の出力から黒レベル補正用の信号を減算することで黒レベル補正を行う。後述するように、加算器6にてアナログ信号を対象として粗い補正が行われ、さらに、減算器13にてデジタル信号を対象として黒レベルの微調整が行われ、これらの補正によって全体として高品質な画像が得られる。 【0022】 固体撮像装置100は、さらに、映像信号処理回路14を備えている。映像信号処理回路14には、減算器13から黒レベル補正後の映像信号が入力される。映像信号処理回路14は、得られた映像信号から輝度信号と色信号を生成する。 【0023】 図2は、固体撮像素子2の構成を、その出力信号およびクランプパルスのタイミングと共に示している。図2の上部にて(A)で示されるように、固体撮像素子2は、有効画素部2a、通常OB画素部2bおよびダミーOB画素部2cの3つの領域から構成されている。通常OB画素部2bは、有効画素部2aを取り囲むように配置されている。ダミーOB画素部2cは、垂直方向に延びる縦長の領域であり、有効画素部2aの左端に隣接して、有効画素部2aと通常OB画素部2bの間に配置されている。 【0024】 有効画素部2aは、被写体の撮像光を光電変換する画素の領域であり、被写体の信号を生成する。通常OB画素部2bは、光電変換素子がAL等で遮光された通常OB画素の領域である。 【0025】 これに対して、ダミーOB画素部2cは、撮影光の影響を受けない通常OB画素部相当の信号が出力されるダミーOB画素の領域であり、より詳細には、ダミーOB画素部2cは、撮影光に無関係に黒色に相当する一定レベルの固定された信号を出力する。本実施の形態の場合、ダミーOB画素は光電変換素子が接続されない画素であり、内部的に一定電位に固定された信号を出力する。したがって、光漏れの有無に拘わらず、ダミーOB画素部2cは、撮影光の影響を受けることなく通常OB画素部相当の一定の信号を出力する。 【0026】 また、図2において、固体撮像素子2の下側の(B)には、固体撮像素子2の水平方向の出力信号が示されている。この出力信号は、上側の(A)にて矢印Xで示された一水平期間における出力信号である。VOBおよびVDMは、各々、通常OB画素部2bからの通常OB信号およびダミーOB画素部2cからのダミーOB信号である。図示のように、矢印Xのライン上では、出力信号は、通常OB信号VOB、ダミーOB信号VDM、通常OB信号VOBの順になる。 【0027】 図2は、さらに、下方の(C)(D)(E)にて、アナログクランプパルス、ダミーOBクランプパルスおよび通常OBクランプパルスを示している。これらのパルスは、パルス発生器9によって発生され、それぞれ、クランプ回路4、ダミーOB平均値算出回路11および通常OB平均値算出回路10におけるクランプ時期を制御する信号である。アナログクランプパルスは、クランプ回路4で使われるパルスであり、ダミーOB画素部2cのうちのアナログクランプ部2dに対応する期間でハイ(H)になる。ダミーOBクランプパルスは、ダミーOB平均値算出回路11で使われるパルスであり、ダミーOB画素部2cのうちのダミーOBサンプリング部2eに対応する期間でハイ(H)になる。通常OBクランプパルスは、通常OB平均値算出回路10で使われるパルスであり、通常OB画素部2bのうちの通常OBサンプリング部2fに対応する期間でハイ(H)になる。 【0028】 以上に、図1および図2を参照して、本実施の形態の固体撮像装置100の各部構成について説明した。次に、固体撮像装置100の動作を説明する。ここでは、まず、固体撮像装置100の全体的な動作の概略を説明し、それから、黒レベル補正に関する動作を説明する。 【0029】 固体撮像装置100の動作の概要としては、被写体の像がレンズ1により結像されて、固体撮像素子2によりアナログ信号に変換される。このアナログ信号は、CDS回路3、クランプ回路4およびAGC回路5で処理され、さらに、マイコン12の制御下で加算器6にてアナログ段階の黒レベル補正を受け、そして、AD変換器7にてデジタル信号に変換される。AD変換器7の出力信号は、減算器13にてデジタル段階で細かい黒レベル補正を受ける。そして、補正後の映像信号が映像信号処理回路14の処理を受け、映像信号処理回路14から輝度信号と色差信号が出力される。 【0030】 上記の過程で、クランプ回路4は、図2に示されるように、ダミーOB画素部2cのうちで、アナログクランプパルスがH期間であるアナログクランプ部2dのダミーOB信号VDMをクランプする。そして、クランプ回路4は、アナログクランプ部2dから得たダミーOB信号VDMを基準レベルとしてクランプ処理を行う。ここでは、ダミーOB信号VDMが一定になるように、固体撮像素子2のフレーム全体(有効画素部2a、通常OB画素部2bおよびダミーOB画素部2c)の信号が処理される。こうしてクランプ回路4でクランプされた信号のクランプレベルが、以下の黒レベル補正処理にてマイコン12等によって補正される。つまり、クランプ回路4を経た信号が以下に説明する黒レベル補正の対象になる。 【0031】 次に、黒レベル補正に関する動作を説明する。通常OB平均値算出回路10は、図2に示されるように、通常OB画素部2bのうちで、通常OBクランプパルスがH期間である通常OBサンプリング部2fの信号の平均値を算出する。また、ダミーOB平均値算出回路11は、ダミーOB画素部2cのうちで、ダミーOBクランプパルスがH期間であるダミーOBサンプリング部2eの信号の平均値を算出する。以下、これら2つの平均値を、通常OB信号平均値およびダミーOB信号平均値という。 【0032】 マイコン12は、これら2つの平均値を毎フレーム読み出し、黒レベル補正用のアナログ信号を加算するための加算器6と、黒レベル補正用のデジタル信号を減算するための減算器13への値をコントロールして、黒の基準レベルを一定にする。以下にマイコン12の処理を説明する。 【0033】 マイコン12は、光漏れ判定手段として機能し、通常OB信号平均値およびダミーOB信号平均値に基づいて光漏れの有無を判定する。ここでは、マイコン12は、通常OB信号平均値とダミーOB信号平均の差分を求め、差分の値を所定のしきい値と比較する。しきい値は予め設定され、マイコン12に記憶されている。マイコン12は、両平均値の差分がしきい値以上であれば、光漏れと判定し、平均値の差分がしきい値未満であれば光漏れが発生していないと判定する。 【0034】 マイコン12は、さらに、黒レベル基準切替手段として機能し、光漏れの判定結果に応じて、黒レベルの基準となる信号を切り替える。光漏れが無い状態であれば、マイコン12は、通常OB画素の信号を黒レベルの基準とする。光漏れが検出されると、マイコン12は、黒レベルの基準となる信号を通常OB画素部の信号からダミーOB画素部の信号に切り替える。より具体的には、光漏れが無い状態では、通常OB信号平均値が黒レベルの基準に設定され、光漏れが検出されると、ダミーOBサンプリング部2eのダミーOB信号平均値が黒レベルの基準に設定される。 【0035】 マイコン12は、さらに、黒レベル補正手段として機能し、上記のようにして設定された黒レベルの基準を用いて黒レベル補正を行う。 【0036】 光漏れが無い状態では、上述したように通常OBサンプリング部2f(図2)の通常OB信号平均値が黒レベルの基準になる。そこで、マイコン12は、通常OB信号平均値のレベルが所定の一定のレベルになるように、加算器6へ補正用の値をフィードバックする。このフィードバック信号がDA変換器8にてアナログ信号に変換されて、加算器6にて映像信号に加算され、これにより黒レベル補正が行われる。 【0037】 上記のように、フィードバックの補正処理は、アナログ信号に対して行われる。マイコン12は、さらに、AD変換後のデジタル信号に対して、フィードフォワードにより、黒レベル補正が行われる。具体的には、マイコン12は、通常OB信号平均値のレベルが所定の一定のレベルになるように、減算器13へ補正用の値をフィードフォワードすることで、デジタル段階の補正を行う。 【0038】 ここで、フィードバックによるアナログ信号の補正は、粗い補正に相当する。このフィードバックでは吸収しきれない基準レベルに対する誤差が、デジタル段階の微調整でさらに補正され、これにより、後段の映像信号処理回路14には黒の基準レベルが一定となった信号が入力される。 【0039】 なお、図2に示される固体撮像素子2の出力信号(通常OB信号VOBおよびダミーOB信号VDM)は、上述した通常の撮影状態、すなわち、光漏れが生じてない状態での信号である。光漏れが無い状態では、図示の如く、OB画素信号VOBとダミーOB画素信号VDMのレベルはほぼ同じである。 【0040】 上記のように、光漏れが無い状態では、通常OB画素の信号を基準にして黒レベルの補正が行われる。これに対して、光漏れが検出された場合は、下記のように、黒レベルの基準がダミーOB画素の信号に切り替えられ、ダミーOB画素の信号を基準にして黒レベルの補正が行われる。 【0041】 図3は、固体撮像素子2に過大光15が入射し通常OB画素部2bへの光漏れが起こっている場合の出力信号を示したものである。通常OB信号VOB(通常OB画素部2bからの出力信号レベル)は、図3に示すように光漏れによって上昇している。これに対して、ダミーOB信号VDM(ダミーOB画素部2cからの出力信号レベル)は、入射光の影響を受けないので、上昇しておらず、図2と同じレベルを維持している。そのため、通常OB信号平均値とダミーOB信号平均値との差分が大きくなり、光漏れ判定のしきい値以上になる。 【0042】 マイコン12は、両平均値の差分をしきい値と比較し、差分がしきい値以上なので、光漏れが発生したと判定する。そして、マイコン12は、光漏れが起きていると判定された場合には、黒レベル補正の基準を、通常OB信号平均値からダミーOB信号平均値に切り替える。そして、マイコン12は、ダミーOB信号平均値を基準として黒レベルの補正を行う。 【0043】 ダミーOB信号を基準とした補正処理は、基準信号の相違を除いて、上述の通常OB信号を基準とした補正処理と同じであり、詳細な説明は省略するが、マイコン12は、上述した通り、ダミーOB信号平均値のレベルが所定の一定のレベルになるように、加算器5へ補正用の値をフィードバックし、また、減算器13へ補正用の値をフィードフォワードする。 【0044】 ここで、図3の例は、OB領域に近い撮像エリア付近だけがスポット的に明るく、その他の領域が暗いシーンを示している。このようなシーンは、従来技術の光漏れ判定においては誤判定が生じ得る。より詳細には、従来技術の光漏れ判定は、入射光量が所定量以上である場合に光漏れが発生したと判断する。ところが、図3の例では、極狭い領域が過度に明るいので、フレーム全体の入射光量の平均値は高くない。そのため、従来の判定方法では、光漏れが検出されない可能性がある。したがって、従来の判定方法を用いると、光漏れが生じているのに、通常OB信号平均値(通常OBサンプリング部2fの平均値)が基準として使われてしまい、光漏れの分だけ大きく信号が補正されて、映像信号が黒くつぶれてしまう可能性がある。 【0045】 これに対して、本実施の形態では、通常OB信号平均値とダミーOB信号平均値の差分を用いて光漏れを検出している。図3の例のようなシーンでも、光漏れが発生すれば、通常OB信号平均値とダミーOB信号平均値の差分は、光漏れに応じて増大する。したがって、図3の例のようなシーンでも光漏れを確実に検出することができ、黒レベルの基準を適切に切り替えて、黒い部分のつぶれを回避でき、安定した撮像ができる。 【0046】 以上に本発明の実施の形態に係る固体撮像装置100について説明した。本実施の形態によれば、通常OB画素部の信号レベルの平均値とダミーOB画素部の信号レベルの平均値との差分を所定のしきい値と比較して光漏れを判定し、光漏れが判定されると黒レベルの基準を通常OB画素の信号からダミーOB画素の信号に切り替える。上記のような平均値の差分を用いて光漏れを判定しているので、光漏れの誤判定を低減できる。例えば、従来技術では誤った光漏れ検出をしてしまうようなOB領域に近い撮像エリア付近だけがスポット的に明るくその他の領域が暗いシーンにおいても、正確に光漏れを判定することができる(図3)。そして、光漏れの判定性能の向上により、黒い部分がつぶれずに安定した撮像ができる。 【0047】 なお、図2の例に示されるように、通常OB画素部の平均値は、通常OB画素部の全領域の平均値でなく、一部領域の平均値でもよい。同様に、ダミーOB画素部の平均値は、ダミーOB画素部の全領域の平均値でなく、一部領域の平均値でもよい。その他にも、平均値は、OB画素(通常OB画素またはダミーOB画素)の出力信号を代表する値であればよく、上記の実施の形態の例に限定されない。例えば、OB画素部の複数の領域からサンプリングが行われてもよい。また、必要に応じて加重等の統計的処理が施されてもよい。 【0048】 また、上記の実施の形態では、本発明の黒レベル補正が、回路構成とマイコン12によって実現された。しかし、本発明の範囲内で、黒レベル補正の構成は、マイコン12またはその他の演算装置とそこで実行されるプログラムによってソフトウエア的に実現されてもよい。 【0049】 以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。 【産業上の利用可能性】 【0050】 以上のように、本発明にかかる固体撮像装置は、黒レベル補正のための光漏れの判定性能を向上し、安定した撮像ができるという効果を有し、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等に使用される固体撮像装置として有用である。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】本発明の実施の形態における固体撮像装置の全体構成図 【図2】固体撮像素子の構成とその出力信号およびクランプパルスのタイミングを示す図 【図3】固体撮像素子に過大光が入射しOB画素部への光漏れが起こっている場合の出力信号を示す図 【符号の説明】 【0052】 1 レンズ 2 固体撮像素子 2a 有効画素部 2b 通常OB画素部 2c ダミーOB画素部 2d アナログクランプ部 2e ダミーOBサンプリング部 2f 通常OBサンプリング部 3 CDS回路 4 クランプ回路 5 AGC回路 6 加算器 7 AD変換器 8 DA変換器 9 パルス発生器 10 通常OB平均値算出回路 11 ダミーOB平均値算出回路 12 マイコン 13 減算器 14 映像信号処理回路 100 固体撮像装置
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月18日(2006.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】230104019 【弁護士】 【氏名又は名称】大野 聖二
【識別番号】100106840 【弁理士】 【氏名又は名称】森田 耕司
【識別番号】100113549 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 守
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| 【公開番号】 |
特開2008−48244(P2008−48244A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−223009(P2006−223009) |
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