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【発明の名称】 斜行検知手段を備えた画像形成装置及び斜行検知方法
【発明者】 【氏名】大矢 一幸

【要約】 【課題】原稿の斜行検知を簡単に精度良く行うことができる斜行検知手段を備えた画像形成装置及び斜行検知方法を提供する。

【構成】原稿の斜行を検知する斜行検知手段を備えた画像形成装置において、斜行検知手段は、搬送方向に沿った直線状の画像であるテストパターンが印刷された斜行検知用原稿を搬送しながら該テストパターンを読み取って記録する際に、先の読取ライン上で読み取った画像データを、後の読取ライン上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録する。これにより、搬送される斜行検知用原稿に斜行がある場合は、テストパターンを読み取って記録した画像データが、原稿の斜行量に応じた幅寸法Dの底辺を備える三角形状の画像Sとして出力されるので、この出力された三角形状の画像Sの底辺の幅寸法Dを目視で測定することで、原稿の斜行量を知ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の斜行を検知する斜行検知手段を備えた画像形成装置において、
前記斜行検知手段は、所定のテストパターンが印刷された斜行検知用原稿を搬送しながら前記テストパターンを読み取って記録する際に、先の読取ライン上で読み取った画像データを後の読取ライン上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録する斜行検知用記録手段を有していることを特徴とする斜行検知手段を備えた画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の斜行検知手段を備えた画像形成装置において、
前記斜行検知手段は、前記テストパターンとして、原稿にその搬送方向に沿った直線状の画像を印刷して出力する斜行検知用原稿出力手段を有することを特徴とする斜行検知手段を備えた画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の斜行検知手段を備えた画像形成装置において、
前記斜行検知用記録手段は、搬送される前記斜行検知用原稿に斜行がある場合に、前記直線状の画像を読み取って記録した画像データを、原稿の斜行量に応じた幅寸法の底辺を備える三角形状の画像として出力することを特徴とする斜行検知手段を備えた画像形成装置。
【請求項4】
原稿の斜行を検知する斜行検知方法において、
所定のテストパターンが印刷された斜行検知用原稿を搬送しながら読み取った画像データを記録する際に、先の読取ライン上で読み取った画像データを後の読取ライン上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録し、この記録した画像データの結果を出力することを特徴とする斜行検知方法。
【請求項5】
請求項4に記載の斜行検知方法において、
前記斜行検知用原稿に印刷されたテストパターンは、原稿の搬送方向に沿った直線状の画像であり、
搬送される前記斜行検知用原稿に斜行がある場合に、前記直線状の画像を読み取って記録した画像データを、原稿の斜行量に応じた幅寸法の底辺を備える三角形状の画像として出力することを特徴とする斜行検知方法。
【請求項6】
請求項5に記載の斜行検知方法において、
前記出力された三角形状の画像の底辺の幅寸法の計測値に基づいて、前記原稿の斜行量を算出することを特徴とする斜行検知方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の斜行を検知する斜行検知手段を備えた画像形成装置及び斜行検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コピー機やファクシミリ装置やプリンタなどの画像形成装置においては、原稿を搬送する自動原稿搬送装置(ADF装置)と、このADF装置で搬送される原稿の画像を読み取る読取装置とを備えたものがある。この種の画像形成装置では、原稿トレイ上に載置された複数枚の原稿をADF装置によって読取装置の読取位置へ1枚ずつ搬送し、この読取位置を搬送されて移動する原稿を、固定された読取手段で読み取るようになっている。
【0003】
ところで、上記の画像形成装置では、ADF装置による原稿の搬送の際に原稿の斜行が生じると、原稿の読み取りが正常に行なえないという問題がある。すなわちADF装置では、原稿の両サイドに配置された搬送ローラの回転によって原稿が搬送されるが、両サイドの搬送ローラの搬送バランスにずれがあると、搬送される原稿に回転力が作用し、原稿が搬送方向に対して傾いて搬送されてしまう。これによって原稿の斜行が生じる。読取位置の手前で原稿が傾くと、読み取られた画像が傾いた画像になってしまう。また、読取位置での搬送バランスにズレがあると、原稿の搬送に伴って傾き量が増大し、読み取りの最初と最後で原稿の傾き量が異なるため、各読取ラインのデータを展開して得られる原稿の画像データに歪みが生じてしまう。そのため従来の画像形成装置では、特許文献1に示すように、原稿の斜行を補正するためのレジスト機構を備えたものがある。
【特許文献1】特開2005−167724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなレジスト機構を備えた画像形成装置で原稿の斜行補正を行なうには、搬送される原稿の斜行の有無及びその斜行量を検知する斜行検知手段を備えることが必要である。特に、画像形成装置の設置後のメンテナンスの際に、設置現場において原稿の斜行補正を行なうためには、原稿の斜行量を簡単に精度良く検知できる斜行検知手段が必要とされている。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、原稿の斜行検知を簡単に精度良く行うことができる斜行検知手段を備えた画像形成装置及び斜行検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本願の請求項1に記載の発明は、原稿の斜行を検知する斜行検知手段を備えた画像形成装置において、前記斜行検知手段は、所定のテストパターンが印刷された斜行検知用原稿を搬送しながら前記テストパターンを読み取って記録する際に、先の読取ライン上で読み取った画像データを後の読取ライン上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録する斜行検知用記録手段を有していることを特徴とする。
【0007】
本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の斜行検知手段を備えた画像形成装置において、前記斜行検知手段は、前記テストパターンとして、原稿にその搬送方向に沿った直線状の画像を印刷して出力する斜行検知用原稿出力手段を有することを特徴とする。
【0008】
本願の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の斜行検知手段を備えた画像形成装置において、前記斜行検知用記録手段は、搬送される前記斜行検知用原稿に斜行がある場合に、前記直線状の画像を読み取って記録した画像データを、原稿の斜行量に応じた幅寸法の底辺を備える三角形状の画像として出力することを特徴とする。
【0009】
本願の請求項4に記載の発明は、原稿の斜行を検知する斜行検知方法において、所定のテストパターンが印刷された斜行検知用原稿を搬送しながら読み取った画像データを記録する際に、先の読取ライン上で読み取った画像データを後の読取ライン上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録し、この記録した画像データの結果を出力することを特徴とする。
【0010】
本願の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の斜行検知方法において、前記斜行検知用原稿に印刷されたテストパターンは、原稿の搬送方向に沿った直線状の画像であり、搬送される前記斜行検知用原稿に斜行がある場合に、前記直線状の画像を読み取って記録した画像データを、原稿の斜行量に応じた幅寸法の底辺を備える三角形状の画像として出力することを特徴とする。
【0011】
本願の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の斜行検知方法において、前記出力された三角形状の画像の底辺の幅寸法の計測値に基づいて、前記原稿の斜行量を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の請求項1に記載の発明によれば、斜行検知手段は、所定のテストパターンが印刷された斜行検知用原稿を搬送しながらテストパターンを読み取って記録する際に、先の読取ライン上で読み取った画像データを後の読取ライン上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録する斜行検知用記録手段を有しているので、搬送される斜行検知用原稿に斜行がある場合、記録された画像が元のテストパターンの画像と異なる形状になるため、原稿の斜行検知を簡単に行うことができる。また、記録された画像データを参照することで原稿の斜行の有無及び斜行量を確認できるので、画像形成装置の設置現場におけるメンテナンスの際に斜行補正が簡単に行なえるようになる。
【0013】
本願の請求項2に記載の発明によれば、斜行検知手段は、テストパターンとして原稿にその搬送方向に沿った直線状の画像を印刷して出力する斜行検知用原稿出力手段を有するので、画像形成装置の設置現場において、テストパターンが印刷された斜行検知用原稿を用意することができ、画像形成装置のメンテナンスの際の斜行補正が簡単に行なえるようになる。
【0014】
本願の請求項3に記載の発明によれば、斜行検知用記録手段は、搬送される斜行検知用原稿に斜行がある場合に、直線状の画像を読み取って記録した画像データを、原稿の斜行量に応じた幅寸法の底辺を備える三角形状の画像として出力するので、斜行検知用記録手段で記録された画像の形状を目視で確認することによって、原稿の斜行の有無や斜行量の測定が簡単に行えるようになる。
【0015】
本願の請求項4に記載の発明によれば、原稿の斜行を検知する斜行検知方法において、所定のテストパターンが印刷された斜行検知用原稿を搬送しながら読み取った画像データを記録する際に、先の読取ライン上で読み取った画像データを後の読取ライン上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録し、この記録した画像データの結果を出力するので、搬送される斜行検知用原稿に斜行がある場合は、記録された画像が元のテストパターンの画像と異なる形状になるため、原稿の斜行検知を簡単に行うことができる。また、記録された画像データを参照することで原稿の斜行の有無及び斜行量を確認できるので、画像形成装置などの設置現場におけるメンテナンスの際に斜行補正が簡単に行なえるようになる。
【0016】
本願の請求項5に記載の発明によれば、斜行検知用原稿に印刷されたテストパターンは、原稿の搬送方向に沿った直線状の画像であり、搬送される斜行検知用原稿に斜行がある場合に、直線状の画像を読み取って記録した画像データを、原稿の斜行量に応じた幅寸法の底辺を備える三角形状の画像として出力するので、記録された画像データの出力を目視で確認することによって、原稿の斜行の有無及び斜行量の測定が簡単に行える斜行検知方法となる。
【0017】
本願の請求項6に記載の発明によれば、出力された三角形状の画像の底辺の幅寸法の計測値に基づいて原稿の斜行量を算出するので、原稿の斜行量の算出が簡単に精度良く行える斜行検知方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる斜行検知手段を備えた画像形成装置を示す斜視図である。まず、同図を用いて画像形成装置の概略全体構成について説明する。本発明を適用する画像形成装置としては、斜行検知手段を備えた画像形成装置であれば、コピー機やファクシミリ装置やプリンタあるいはこれらの機能を兼ね備えたいわゆる複合機のうちのいずれであっても良い。同図に示す画像形成装置1は、下段側に設置された記録部2と、上段側に設置された読取部3とを備えている。記録部2には、記録装置4と給紙カセット5及び記録紙排出トレイ6が内装され、給紙カセット5内に収容されている用紙を記録装置4へ給紙し、該記録装置4で用紙への記録を行った後、用紙を記録紙排出トレイ6へ排出するように構成されている。
【0019】
一方、読取部3は、原稿の画像を読み取る読取装置7と、該読取装置7の前面側に取り付けられた操作パネル8と、読取装置7の上部にその一辺が図示しないヒンジ機構で開閉可能に取り付けられた原稿押えカバー9とを備えている。原稿押えカバー9の一端部には、読取装置7へ原稿を搬送する自動原稿搬送装置(ADF装置)10が設置されている。
【0020】
図2は、読取装置7とADF装置10の詳細構成を示す側断面図である。同図に示すように、読取装置7のコンタクトガラス18とプラテンガラス19の下面側には読取ユニット11が設置されている。この読取ユニット11は、画像読取位置の原稿へ光を照射する光源12と、原稿からの反射光Rを所定の方向へ導く反射ミラー13が搭載されたキャリッジ17と、反射光Rを収束する集光レンズ14と、該収束光を電気信号に変換して出力する電荷結合素子(Charge Coupled Device,以下「CCD」という)15を備えたいわゆる縮小光学系のCCD読取ユニットで、原稿からの反射光RをCCD15へ導いて結像するようになっている。CCD15は、光源12からの光で照明された原稿の一読取ライン上の画像を読み取り、所定間隔をおいて次の読取ライン上の画像を順次に読み取るように構成されている。
【0021】
一方、ADF装置10は、原稿搬送路22と、原稿搬送路22の入口22aに取り付けられた複数枚の原稿用紙を積載する原稿供給トレイ21と、原稿搬送路22の出口22bの下部に設置された搬送後の原稿用紙を積載保持する原稿排出トレイ23を備えている。原稿搬送路22は、その入口22aから奥へ向かう上側搬送路22−1と、上側搬送路22−1の最奥部から横向き略U字状に形成された折返搬送路22−2と、折返搬送路22−2の下端から出口22bに連通する下側搬送路22−3とを備えている。また、折返搬送路22−2の内側には搬送ローラ28が設置され、該搬送ローラ28の外周面に対向する位置にはレジスト用プレスローラ29と排出用プレスローラ30が設置されている。また、原稿搬送路22の入口22aには、原稿用紙を繰り込むピックアップローラ24や複数枚の原稿用紙を分離するセパレートローラ25が設置され、原稿搬送路22の出口22bには、原稿用紙を排紙する排紙ローラ26とプレスローラ27が設置されている。
【0022】
上記の読取装置7で、フラットベッドスキャナ(FBS)として原稿画像の読み取りを行う場合は、原稿押えカバー9を閉じてプラテンガラス19上に載置した原稿を固定する。その状態で反射ミラー13を取り付けている各キャリッジ17を走査して原稿画像の読み取りを行なう。一方、ADF装置10を用いて原稿画像の読み取りを行う場合は、原稿供給トレイ21からピックアップローラ24で原稿搬送路22へ繰り込まれた原稿が、原稿搬送路22に沿って上方から下方へUターンするように反転して、搬送ローラ28の下端側に配置された画像読取位置P1に至り、画像読取位置P1を通過する際に、コンタクトガラス18の下側に反射ミラー13が位置合わせされている読取ユニット11で原稿の画像が読み取られる。その後、原稿用紙が原稿排出トレイ23へ排出される。
【0023】
次に、図3はこの画像形成装置1が備える回路構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、主制御部としてのCPU(中央処理装置)31と、NCU(網制御回路: Network Control Unit)32と、モデム33と、ROM34と、RAM35と、画像メモリ36と、表示部37と、操作部38と、画像読取部39と、画像記録部40と、CODEC(符号化・復号器:Coder and Decoder)41とを備え、これら各部がバス42を介して接続されている。
【0024】
CPU31は、ROM34に記憶されたプログラムに従い、画像形成装置1の各部を統括制御する。NCU32は、CPU31により制御されて、通信回線である公衆電話回線網(PSTN)43との接続を制御するとともに、通信相手先の電話番号(FAX番号を含む)に応じたダイヤルパルスを送出する機能、及び着信を検出する機能を有する。
【0025】
モデム33は、ITU(国際電気通信連合)−T勧告T.30、T.4に従ったファクシミリ伝送制御手順(ファクシミリ通信手順)に基づいて、V.17、V.27ter、V.29等に従った送信データの変調及び受信データの復調を行う。また、モデム33は、NCU32を介して公衆電話回線網43に送出するために、デジタル信号である送信データをアナログの音声信号に変調する機能や、公衆電話回線網43からNCU32を介して受信したアナログの音声信号をデジタル信号に復調する機能を有する。
【0026】
ROM34は、画像形成装置1の全体の動作を制御するためのプログラム等を記憶する。RAM35は、CPU31による制御に必要なデータ及び制御動作時に一時記憶が必要なデータ等を記憶する。画像メモリ36は、画像読取部39で読み取った画像データを符号化し、圧縮状態で記憶する。この画像メモリ36は、符号化圧縮データを記憶する記憶エリアと、この記憶エリアに記憶された画像データを復号して得たイメージデータを記憶する記憶エリアとを有する。
【0027】
表示部37は、具体的には操作パネル8上に設けたLCD(液晶表示装置)であり、データの送受信に必要なメッセージ内容や操作部38で入力された電話番号やFAX番号などの情報が表示される。操作部38は、具体的には操作パネル8上の各種操作キーであり、テンキー、ワンタッチキー、短縮キー、登録キー、スタートキー、ストップキーなどの各種操作キーのほか、画像形成装置1の動作モードを下記する斜行検知モードに切り替えるモード切替キーなどを有する。なお各種操作キーは、LCDに設けたタッチパネル式の操作キーでもよい。
【0028】
画像読取部39は、読取手段としてのCCD15と、AFE(アナログフロントエンド)回路44と、A/D変換部45と、画像処理回路46を備えている。AFE回路44は、CCD15の出力をアナログ増幅する。A/D変換部45は、AFE回路44のアナログ出力をデジタル信号に変換する。画像処理回路46は、入力されたデジタル画像信号に対して所定の画像処理を実行する。
【0029】
画像記録部40は、具体的には記録装置4などで構成され、受信した画像データや画像読取部39で読み取った原稿の画像データを記録紙上に記録する。CODEC41は、読み取った画像データを送信又は記憶するために、MH、MR、MMR方式等により符号化(エンコード)する。またCODEC41は、圧縮符号化された状態で受信した画像データを、画像記録部40で記録するために復号(デコード)する。
【0030】
この画像形成装置1では、下記する斜行検知用原稿50に印刷するためのテストパターンTのデータが記録されているROM34と、テストパターンTの印刷を行なう画像記録部40とで、斜行検知用原稿出力手段が構成されている。また画像読取部39は、下記する斜行検知モードで、斜行検知用原稿50を搬送しながらテストパターンTの画像を読み取って記録する際に、先の読取ラインL上で読み取った画像データを後の読取ラインL上で読み取った画像データに順次重ね合わせて記録する斜行検知用記録手段として機能するようになっている。
【0031】
次に、この画像形成装置1で原稿の斜行検知を行う手順を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。まず、操作者が操作パネル8に設けた図示しない斜行検知モードキーを押すことで、斜行検知モードに切り替わる(ステップST1)。この斜行検知モードでは、記録装置4において、図5に示すような直線形状の画像からなるテストパターンTが印刷された斜行検知用原稿50が出力される(ステップST2)。なお、テストパターンTの画像データは、あらかじめROM34に内蔵しておけば、画像形成装置1の設置現場におけるメンテナンスの際などに、テストパターンTの印刷が簡単に行なえて便利である。
【0032】
次に、このテストパターンTが印刷された斜行検知用原稿50が、操作者によってADF装置10の原稿供給トレイ21にセットされる(ステップST3)。その際、テストパターンTの直線方向が、斜行検知用原稿50の搬送方向と一致するようにセットされる。次にADF装置10を動作させて、セットされた斜行検知用原稿50を原稿搬送路22へ搬送し、読取位置P1でその画像を読み取る(ステップST4)。ここで、ADF装置10で原稿を搬送しながら画像を読み取るには、図示しないステップモータの駆動によって、搬送ローラ28を一読取ライン分ずつ回転させて原稿を搬送しながら読み取りを行う。すなわち、搬送ローラ28を図5に示す一読取ラインL分だけ回転させて原稿を搬送したら、CCD15で読取ラインL上の画像データを読み取り、この読み取った画像データを画像メモリ36に格納する。続いて、ステップモータの駆動によって搬送ローラ28をさらに一読取ラインL分だけ回転させて原稿を送る。そして、再度CCD15で読取ラインL上の原稿の画像データを読み取り、読み取った画像データを画像メモリ36に格納する。これを繰り返すことで、原稿全体の画像データを順次に読み取って画像メモリ36に格納する。
【0033】
さらにこの斜行検知モードでは、上記手順で斜行検知用原稿50の画像を読み取った画像データを画像処理回路46で処理する際に、先の読取ラインLで読み取った画像データを、後の読取ラインLで読み取った画像データの上に順次重ね書きして記録する。具体的には、読み取った画像データを白又は黒の二値化(0又は1)で認識し、先の読取ラインLで黒として読み取った部分のデータを後の読取ラインLにそのまま加算していくようにする。
【0034】
こうすると、図5(a)に示すように搬送される斜行検知用原稿50に斜行がない場合は、元の斜行検知用原稿50のテストパターンTと同形状の一本の直線からなる画像データが得られるが、図5(b)に示すように搬送される斜行検知用原稿50に斜行があると、図6に示すような、斜行検知用原稿50の搬送下流側に、原稿の斜行量に応じた所定の幅寸法の底辺を備える三角形状の画像データSが得られることになる。
【0035】
この得られた画像データSを、図7に示すように記録紙上に印刷して出力する(ステップST5)。操作者は、この印刷された三角形状の画像データSを目視で確認する(ステップST6)。すなわち、三角形の底辺の幅寸法Dを測定することで原稿の斜行量を算出する。この斜行量の算出は、幅寸法Dと原稿の斜行量との換算表を用意しておき、当該換算表の値に基づいて原稿の斜行量を求めるようにする。あるいは、記録紙に印刷された三角形状の画像データSの底辺の幅寸法Dを目視で測定し、原稿の斜行量を概算で求めるようにしてもよい。
【0036】
出力された画像データSの形状の測定によって原稿の斜行の有無及び斜行量を確認した結果(ステップST7)、原稿の斜行がある場合は、操作者は、ADF装置10の搬送ローラ28に圧接されているレジスト用プレスローラ29の回転軸の位置の微調整などにより、レジスト用プレスローラ29の接触圧力や回転速度を調節する斜行調整を行う(ステップST8)。斜行調整が終わったら、再度ステップST3の手順から実行することで、斜行検知を行う。以降、出力した画像データSの形状が、斜行検知用原稿50のテストパターンTと同じ直線状になるまで、レジスト用プレスローラ29の微調整による斜行調整を繰り返すことで、原稿の斜行を矯正する。
【0037】
以上説明したように、本発明の斜行検知手段を備えた画像形成装置1によれば、ADF装置10で搬送される原稿の斜行検知を簡単に精度良く行うことができる。また、出力された画像データSを参照することで原稿の斜行の有無及び斜行量を確認でき、特別な斜行測定用の器具が無くても斜行検知が行えるので、画像形成装置1の設置現場におけるメンテナンスの際に、斜行補正が簡単に行なえるようになる。
【0038】
またこの斜行検知手段は、テストパターンTとして直線状の画像を印刷して出力する斜行検知用原稿出力手段を有するので、画像形成装置1の設置現場でテストパターンTが印刷された斜行検知用原稿を簡単に用意でき、画像形成装置1のメンテナンスの際の斜行補正が簡単に行なえる。また、搬送される斜行検知用原稿50に斜行がある場合に、直線状の画像Tを読み取って記録した画像データを、三角形状の画像データSとして出力する斜行検知用記録手段を有するので、出力された画像データの形状を確認するだけで、原稿の斜行の有無の確認や斜行量の算出が簡単に行える。
【0039】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書、図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、画像形成装置1が備えるADF装置10や読取装置7の具体的な構成は、上記実施形態に示すものには限定されない。また、画像形成装置1が備える回路構成も上記実施形態に示すものには限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態にかかる斜行検知手段を備えた画像形成装置の全体構成例を示す斜視図である。
【図2】自動原稿搬送装置と読取装置の構成例を示す側断面図である。
【図3】画像形成装置が備える回路構成例を示すブロック図である。
【図4】斜行検知の手順を示すフローチャートである。
【図5】テストパターンが印刷された斜行検知用原稿の読取手順を説明するための図である。
【図6】斜行検知モードにおける画像データの記録手順を説明するための図である。
【図7】記録紙に印刷された画像データを示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 画像形成装置
2 記録部
3 読取部
4 記録装置
5 給紙カセット
6 記録紙排出トレイ
7 読取装置
8 操作パネル
9 原稿押えカバー
10 自動原稿搬送装置(ADF装置)
11 読取ユニット
12 光源
13 反射ミラー
14 集光レンズ
15 CCD
17 キャリッジ
18 コンタクトガラス
19 プラテンガラス
21 原稿供給トレイ
22 原稿搬送路
23 原稿排出トレイ
24 ピックアップローラ
25 セパレートローラ
26 排紙ローラ
27 プレスローラ
28 搬送ローラ
29 レジスト用プレスローラ
30 排出用プレスローラ
31 CPU(中央処理装置)
32 NCU(網制御回路)
33 モデム
34 ROM
35 RAM
36 画像メモリ
37 表示部
38 操作部
39 画像読取部
40 画像記録部
41 CODEC
42 バス
43 公衆電話回線網
44 AFE回路
45 A/D変換部
46 画像処理回路
50 斜行検知用原稿
【出願人】 【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆

【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕

【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平


【公開番号】 特開2008−48223(P2008−48223A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222744(P2006−222744)