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【発明の名称】 撮像装置
【発明者】 【氏名】高野 裕志

【要約】 【課題】監視カメラなどの設置現場にピント状態確認用の中型モニタを持ち込む必要がなく、ピント変化の少ない被写体でも1人で容易にピント合わせを行う。

【構成】ピーク検出保持回路20で合焦時のピーク値を検出してホールドし、そのピーク値で電圧制御増幅器7の出力が最大電圧になるように電圧制御増幅器の利得を制御する。電圧制御増幅器で増幅されたフォーカス制御信号は、切り替えスイッチ8、LEDドライバ9を経てLED10に供給される。フォーカス制御信号は、ピントが合っていないときは低い電圧を示し、ピントが合致するに従い増大し、ピントが合致したときは最大電圧を示し、監視カメラ設置業者がレンズ1のフォーカスリングを手動で回してピント調整すると、LEDはピントが合っていないときは暗く発光し、ピントが合うに従い明るくなり、ピント合致時は最大に発光する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカス調整レンズを有した光学系と、
前記光学系に入射される被写体光を撮像して電気信号に変換する撮像手段と、
前記変換された電気信号を映像信号に変換する映像信号処理手段と、
前記変換された映像信号の所定域の高周波成分を抽出して電圧値に変換し、フォーカス制御信号を生成するフォーカス制御信号生成手段と、
前記生成されたフォーカス制御信号の電圧のピーク値を検出して保持するピーク値保持手段と、
前記フォーカス制御信号生成手段で生成されたフォーカス制御信号の電圧値を、前記ピーク値保持手段で保持されている電圧のピーク値で最大になるように増幅して出力する増幅手段と、
前記増幅して出力されたフォーカス制御信号に基づき、このフォーカス制御信号の電圧値が高いほど明るく発光する発光部を有したフォーカス状態報知手段とを、
備えた撮像装置。
【請求項2】
前記フォーカス状態報知手段は、前記増幅手段で増幅して出力されたフォーカス制御信号に基づき、このフォーカス制御信号の電圧値が高いほど大きな音量の音を発する音声信号出力部を有した請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記フォーカス状態報知手段は、前記増幅手段で増幅して出力されたフォーカス制御信号に基づき、このフォーカス制御信号の電圧値が高いほど高い周波数の音を発する音声信号出力部を有した請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラなどの撮像装置の設置現場において、設置業者が手動フォーカスレンズのピント調整を容易に行えるように支援する機能を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファインダを持たない監視カメラなどの撮像装置の設置現場で手動フォーカスレンズのフォーカシング(ピント合わせ)を行う場合は、カメラ出力の画像をモニタで確認しながらピント合わせを行うのが常であった。なお、他の従来技術としては、ファインダを有するスチルカメラなどにおいて手動でピント合わせをするために、ファインダにピントの合致状態を表示する方法が提案されている(下記の特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平6−113184号公報(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ファインダを持たない監視カメラの設置現場には、画角の確認やレンズのピント状態を確認するために、モニタを持ち込む必要があるので、画角確認には携帯型の小型液晶モニタでもよいが、ピント状態を確認するためには、ある程度の解像度がある中型以上のモニタが必要であるという問題点がある。また、カメラを高所に取り付ける場合などは、脚立などに登って片手でレンズ調整を行いながら離れたモニタで確認するか、若しくは2人がかりで1人がカメラ調整を行い、1人がモニタの確認をしなければならないなど、作業性が悪いことが課題であった。
【0004】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、監視カメラなどの撮像装置の設置現場にピント状態確認用のモニタを持ち込む必要がなく、ピント変化の少ない被写体でも1人で容易にピント合わせを行うことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、フォーカス調整レンズを有した光学系と、
前記光学系に入射される被写体光を撮像して電気信号に変換する撮像手段と、
前記変換された電気信号を映像信号に変換する映像信号処理手段と、
前記変換された映像信号の所定域の高周波成分を抽出して電圧値に変換し、フォーカス制御信号を生成するフォーカス制御信号生成手段と、
前記生成されたフォーカス制御信号の電圧のピーク値を検出して保持するピーク値保持手段と、
前記フォーカス制御信号生成手段で生成されたフォーカス制御信号の電圧値を、前記ピーク値保持手段で保持されている電圧のピーク値で最大になるように増幅して出力する増幅手段と、
前記増幅して出力されたフォーカス制御信号に基づき、このフォーカス制御信号の電圧値が高いほど明るく発光する発光部を有したフォーカス状態報知手段とを、
備えた。
【0006】
また、前記フォーカス状態報知手段は、前記増幅手段で増幅して出力されたフォーカス制御信号に基づき、このフォーカス制御信号の電圧値が高いほど大きな音量の音を発する音声信号出力部を有した。
【0007】
また、前記フォーカス状態報知手段は、前記増幅手段で増幅して出力されたフォーカス制御信号に基づき、このフォーカス制御信号の電圧値が高いほど高い周波数の音を発する音声信号出力部を有した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、監視カメラの設置業者はカメラに装備した発光手段の明るさが最大になるように、また、カメラに内蔵した発音体またはカメラにイヤホンを接続して、それらの音量が最大になるように、また、音色が最も高くなるように調整すればよいなど、監視カメラの設置現場でピント合わせのための機材を持ち込むことなく、ピント変化の少ない被写体でも、1人で容易にレンズのピント調整が行えるという作業性改善の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態として監視カメラを示すブロック図、図2はフォーカス状態とフォーカス制御信号の関係を示すグラフである。
【0010】
図1において、フォーカス調整レンズを有した撮像光学系であるレンズ1を通して入射した被写体光は撮像素子(撮像手段)2に結像して電気信号に変換されて、カメラ信号処理回路(映像信号処理手段)3で映像信号となり、映像信号出力回路4を通って出力される。ここで、映像信号は細かい絵柄ほど周波数成分が高くなる性質があり、ピントの合っていない映像に比べてピントの合っている映像では、映像信号に含まれる周波数成分が高くなるので、カメラ信号処理回路3から得られる信号を、バンドパスフィルタ(BPF)5を通し、積分回路6で積分すると、ピントの変化を積分回路6の出力電圧の変化として得ることができ、この信号を自動フォーカス制御用の信号として利用することは、広く知られている。ここで、BPF5と積分回路6はフォーカス制御信号生成手段を構成する。積分回路6から出力されたフォーカス制御信号は電圧制御増幅器7で増幅される。
【0011】
このとき、ピーク検出保持回路(ピーク値保持手段)20がフォーカス制御信号のピーク値を検出してホールドし、電圧制御増幅器(増幅手段)7はその出力レベルがこのピーク値で最大になるように積分回路6の出力電圧を増幅する。ここで、図2(A)は積分回路6から出力されたフォーカス制御信号(電圧)を示す。レンズ1の不図示のフォーカスリングが至近位置から無限遠位置∞の方向に回転していくと、フォーカス制御電圧はピントが合うに従って増加し、合焦位置を過ぎると減少していく。合焦位置での電圧レベルは被写体の空間解像度、いわゆる絵柄の細かさで変化し、細かい絵柄ほど電圧レベルは高くなる。被写体の絵柄が粗いほどフォーカス調整したときのピント変化も少なく、電圧変化も少なくなる。そこで、図2(B)に示すように、ピーク検出保持回路20で合焦時のピーク値を検出してホールドし、そのピーク値で電圧制御増幅器7の出力が最大電圧になるように電圧制御増幅器7の利得を制御する。
【0012】
電圧制御増幅器7で増幅されたフォーカス制御信号は、切り替えスイッチ8、LEDドライバ9を経て、フォーカス状態報知手段の発光部であるLED10に供給される。フォーカス制御信号は、ピントが合っていないときは低い電圧を示し、ピントが合致するに従い増大し、ピントが合致したときは最大電圧を示す。監視カメラ設置業者がレンズ1のフォーカスリングを手動で回してピント調整すると、LED10はピントが合っていないときは暗く発光し、ピントが合うに従い明るくなり、ピント合致時は最大に発光する。LED10はカメラ本体の電源表示LEDを兼ねており、通常モードでは切り替えスイッチ8により常に点灯する。カメラ本体のメニュー設定ボタンと兼用した操作ボタン11を長押しすることによって、マイコン12が通常モードからフォーカス調整モードに変わり、切り替えスイッチ8が電圧制御増幅器7の出力をLEDドライバ9、LED10に供給する。
なお、LEDドライバ9とLED10は、その組み合わせでフォーカス状態報知手段を構成する。
【0013】
ここで、図2(C)(D)は実際にピント調整を行う場合の波形を示す。図2(C)はレンズ1のフォーカスリングが至近位置(1)(図2中は丸囲み数字で表す(以下同様))から合焦位置(2)を通過して無限遠位置∞に回転し、さらに無限遠位置∞から合焦位置(3)(合焦位置(2)と同じ)を通過して至近位置(4)(至近位置(1)と同じ)へと逆回転したときの積分回路6から出力されたフォーカス制御信号(電圧)を示す。図2(D)は実際の電圧制御増幅器7の出力を示し、フォーカス調整モードにしたとき、至近位置(1)から合焦位置(2)までは電圧制御増幅器7の出力は、ピーク検出保持回路20の動作上、最大電圧を出力するが、合焦位置(2)を過ぎるとピーク検出保持回路20が合焦位置(2)においてピーク値をホールドする。合焦位置(2)を過ぎると、積分回路6から出力されたフォーカス制御信号は減少するが、電圧制御増幅器7はその出力レベルがこのピーク値で最大になるように積分回路6の出力電圧を増幅するので、電圧制御増幅器7の出力レベルは、無限遠位置∞で極小値となった後、合焦位置(3)で再び最大電圧となる。
【0014】
図1の変形例として、積分回路6から出力されたフォーカス制御信号を、図示しないADコンバータでマイクロコンピュータ(マイコン)12に入力して、マイコン12の中でピーク検出、ピークホールド、増幅処理、出力切り替え処理を行い、マイコン12の図示しない出力ポートからLEDドライバ9を介して直接、LED10を点灯させることもできる。また、カメラ信号処理回路3にバンドパスフィルタ5及び積分回路6の機能が備わっていれば、マイコン12はカメラ信号処理回路3から通信回線13を通してフォーカス制御情報を受け取ることもできる。もちろん、LED10は他の発光素子でもよいし、カメラ本体の電源表示LEDを兼用せず独立させてもよいし、他の機能のLEDと兼用させてもよい。
【0015】
<第2の実施の形態>
図3を参照して第2の実施の形態について説明する。図3において、図1と同一部分には同一符号を付与する。電圧制御増幅器7から出力されたフォーカス制御信号は、低周波発振器14の音声周波数帯域の信号(いわゆるピー音)の増幅率を電圧制御増幅器15で変化させ、この信号を切り替えスイッチ16を経て増幅器17で増幅し、フォーカス状態報知手段の音声信号出力部である発音体18に供給する。電圧制御増幅器15は制御電圧が低いときは増幅率が低く、制御電圧が高くなると増幅率が高くなる。監視カメラ設置業者がレンズ1のフォーカスリングを手動で回してピント調整すると、発音体18はピントが合っていないときは小さく発音し、ピントが合うに従い音が大きくなり、ピント合致時は最大に発音する。発音体18は通常モードでは切り替えスイッチ16により消音状態にあり、カメラ本体のメニュー設定ボタンと兼用した操作ボタン11を長押しすることによって、マイコン12が通常モードからフォーカス調整モードに切り替わって発音する。
【0016】
図3の変形例として、積分回路6から出力されたフォーカス制御信号を、図示しないADコンバータでマイコン12に入力して、マイコン12の中でピーク検出、ピークホールド、増幅処理、発音信号発生、増幅率制御処理、出力切り替え処理を行い、マイコン12の図示しない出力ポートから増幅器17を介して直接、発音体18を発音させることもできる。
また、カメラ信号処理回路3にバンドパスフィルタ5及び前記積分回路6の機能が備わっていれば、マイコン12はカメラ信号処理回路3から通信回線13を通してフォーカス制御情報を受け取ることもできる。もちろん、発音体を本体に搭載せずに出力ジャックを備えることにより、ジャックに接続したイヤホンで音量を確認することもできる。
【0017】
<第3の実施の形態>
図4を参照して第3の実施の形態について説明する。図4において、図3と同一部分には同一符号を付与する。電圧制御増幅器7から出力されたフォーカス制御信号は、電圧周波数変換器19(VFコンバータ)において、電圧レベルの変化が発振周波数の変化に変換された音声周波数帯域の信号(いわゆるピー音)となり、切り替えスイッチ16を経て、増幅器17で増幅され、フォーカス状態報知手段の音声信号出力部である発音体18に供給される。電圧周波数変換器19は入力電圧レベルが低いときは発振周波数が低く、入力電圧レベルが高くなると発振周波数も高くなる。監視カメラ設置業者がレンズ1のフォーカスリングを手動で回してピント調整すると、発音体18はピントが合っていないときは低い周波数で発音し、ピントが合うに従い音の周波数が高くなり、ピント合致時は最も高い周波数で発音する。発音体18は通常モードでは切り替えスイッチ16により消音状態にあり、カメラ本体のメニュー設定ボタンと兼用した操作ボタン11を長押しすることによって、マイコン12が通常モードからフォーカス調整モードに切り替わって発音する。
【0018】
図4の変形例として、積分回路6から出力されたフォーカス制御信号を、図示しないADコンバータでマイコン12に入力して、マイコン12の中でピーク検出、ピークホールド、増幅処理、発音信号発生、発振周波数制御処理、出力切り替え処理を行い、マイコン12の図示しない出力ポートから増幅器17を介して、直接発音体18を発音させることも出来る。また、カメラ信号処理回路3にバンドパスフィルタ5及び積分回路6の機能が備わっていれば、マイコン12はカメラ信号処理回路3から通信回線13を通してフォーカス制御情報を受け取ることもできる。もちろん、発音体を本体に搭載せずに出力ジャックを備えることにより、ジャックに接続したイヤホンで音色を確認することもできる。
【0019】
ここで、図5、図6、図7はそれぞれ、図1、図3、図4の変形例として、ピーク検出保持回路20を省略した構成を示す。この構成では、レンズ1のフォーカスリングを端から端まで回してもピント変化が少ない被写体の場合、発光量の強弱の変化や、発生音量の強弱、発生音質の高低などの変化が少なくなる場合があるので、ピント調整が困難となる。これに対し、図1、図3、図4では、ピーク検出保持回路20で合焦時のピーク値を検出してホールドし、そのピーク値で電圧制御増幅器7の出力が最大電圧になるように電圧制御増幅器7の利得を制御するので、ピント変化が少ない被写体であってもピントを容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態として監視カメラを示すブロック図である。
【図2】フォーカス状態とフォーカス制御信号の関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る撮像装置の第2の実施の形態として監視カメラを示すブロック図である。
【図4】本発明に係る撮像装置の第3の実施の形態として監視カメラを示すブロック図である。
【図5】図1の監視カメラの変形例を示すブロック図である。
【図6】図3の監視カメラの変形例を示すブロック図である。
【図7】図4の監視カメラの変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0021】
1 レンズ
2 撮像素子(撮像手段)
3 カメラ信号処理回路(映像信号処理手段)
4 映像信号出力回路
5 バンドパスフィルタ(BPF)
6 積分回路(フォーカス制御信号生成手段)
7、15 電圧制御増幅器(増幅手段)
8、16 切り替えスイッチ
9 LEDドライバ
10 LED
11 操作ボタン
12 マイクロコンピュータ(マイコン)
13 通信回線
14 低周波発振器
17 増幅器
18 発音体
19 電圧周波数変換器
20 ピーク検出保持回路(ピーク値保持手段)
【出願人】 【識別番号】000004329
【氏名又は名称】日本ビクター株式会社
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】100093067
【弁理士】
【氏名又は名称】二瓶 正敬


【公開番号】 特開2008−48217(P2008−48217A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222678(P2006−222678)