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【発明の名称】 画像出力装置及び画像処理システム
【発明者】 【氏名】東方 良介

【氏名】山内 泰樹

【氏名】岸本 康成

【氏名】伊東 昭博

【要約】 【課題】画像出力装置が、複数の出力モードを備えているときに、サーバ等を設けることなく、所望の出力モードで適正な画像出力を可能とする。

【構成】プリンタ14は、色再現特性データ記憶部36に、デバイス色信号値とデバイス独立色信号値が対となっている色再現特性データを、出力モードごとに保持しており、画像処理装置12が要求送信部42から出力モードを指定して色再現特性データを要求することにより、対応する色再現特性データが選択されて要求データ送信部50から、要求元の画像処理装置へ送信される。画像処理部16では、この色再現特性データに基づいて画像データに対するデータ変換を行うことにより、所望のプリンタを用いて、所望のモードで、適正な出力画像となる画像データを生成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの出力モードを備え、画像データが入力されることにより、前記出力モードに基づいて前記画像データを画像として出力する画像出力装置であって、
前記出力モードに対応する色再現特性データが記憶される色再現特性データ記憶手段と、
前記出力モードに対応する色再現特性データの要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求受付手段によって受け付けた前記出力モードから前記色再現特性データ記憶手段に記憶する前記色再現特性データを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択した前記色再現特性データを前記出力モードに対応する色再現特性データの要求元へ送出する送出手段と、
を含むことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記色再現特性データが、デバイス色空間のデータであるデバイス色信号及びデバイス色信号を出力して得られるデバイス独立色信号を対で含むことを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記色再現性特性データが、所定のデバイス色信号値群と、該デバイス色信号値群の各デバイス色信号値に対するデバイス独立色信号値のデバイス色信号値群と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記色再現性特性データが、デバイス色信号値群と、デバイス色信号値群の各デバイス色信号値に対するデバイス独立色信号のデバイス独立色信号値群と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記要求受付手段が、前記出力モードと共に前記色再現特性データを受信したときに、前記色再現特性データ記憶手段に記憶される前記出力モードに対する色再現特性データを更新することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記色再現特性データ記憶手段に前記色再現特性データ及び更新日時が記憶され、前記要求受付手段が、前記出力モード及び色再現特性データと共に更新日時を受信したときに、前記選択手段が、受信された前記更新日時より、前記色再現特性データ記憶手段に記憶された前記色再現特性データの更新日時が新しいときにのみ、色再現特性データ記憶手段に記憶された色再現特性データを選択することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記請求項1から請求項6の何れか1項に記載の少なくとも1台の画像出力装置と、前記画像出力装置で画像出力を行う画像データを画像出力装置へ送信する画像処理装置と、を含む画像処理システムであって、
前記画像処理装置に、前記画像出力装置と双方向通信可能に接続する通信手段と、
前記通信手段を介して、前記画像出力装置に前記出力モードないし出力モードに対応する前記色再現特性データを要求する要求手段と、
前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードないし前記色再現特性データを受信したときに、受信した色再現特性データに基づいて、前記画像出力装置へ出力する前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、
を含むことを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
前記請求項1から請求項6の何れか1項に記載の少なくとも1台の画像出力装置と、前記画像出力装置で画像出力を行う画像データを画像出力装置へ送信する画像処理装置と、を含む画像処理システムであって、
前記画像処理装置に、前記画像出力装置と双方向通信可能に接続する通信手段と、
前記画像出力装置の出力モード及び出力モードに対応する前記色再現特性データを含む情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に前記出力モード及び出力モードに対応する前記色再現特性データが記憶されていない前記画像出力装置に対して、前記通信手段を介して、出力モードないし出力モードに対する色再現特性データを要求する要求手段と、
前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードないし前記色再現特性データを受信したときに、受信した色再現特性データに基づいて、前記画像出力装置へ出力する前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、
を含むことを特徴とする画像処理システム。
【請求項9】
前記請求項1から請求項6の何れか1項に記載の少なくとも1台の画像出力装置と、前記画像出力装置で画像出力を行う画像データを画像出力装置へ送信する画像処理装置と、を含む画像処理システムであって、
前記画像処理装置に、前記画像出力装置と双方向通信可能に接続する通信手段と、
前記画像出力装置の出力モード及び出力モードに対応する前記色再現特性データと色再現特性データの更新日時を含む情報を記憶する情報記憶手段と、
前記通信手段を介して、前記画像出力装置に対して出力モードに対する色再現特性データと色再現特性データの更新日時を要求する要求手段と、
前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードに対応する前記色再現特性データ及び前記更新日時を受信したときに、受信した更新日時と該当出力モードに対応して前記情報記憶手段に記憶されている前記色再現特性データの更新日時を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果から最新の前記色再現特性データに基づいて、前記画像出力装置へ出力する前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、
を含むことを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
前記画像処理装置が、前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードに対応する前記色再現特性データないし色再現特性データの前記更新日時を受信したときに、前記情報記憶手段に記憶される情報を更新する更新手段を含むことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記通信手段を介して送受信される情報を暗号化することを特徴とする請求項7から請求項10の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記画像出力装置の前記要求受付手段が、予め設定されている要求手段からの要求のみを受け付けることを特徴とする請求項7から請求項11の何れか1項に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに応じた画像を出力デバイスから出力する画像出力装置及び、画像出力装置を用いて画像データに応じた画像を出力する画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに応じた画像を形成する出力デバイスには、CRT、LCDなどのディスプレイ(画像表示装置)に加え、電子写真プロセスを適用して画像データに応じた画像を記録紙等の記録媒体に形成する印刷出力装置などがある。
【0003】
例えば、画像表示装置では、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色の発光素子を画像データに応じて発光するなどして画像データに応じた画像を表示する。また、印刷出力装置では、画像データに応じて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色の色材を用いて記録紙等にフルカラーの画像形成を行う。
【0004】
ところで、これらの出力デバイスにおける色再現特性は出力デバイスごとに異なっているが、例えば、ターゲットとなる出力デバイスの色再現特性と出力対象とする出力デバイスの色再現特性に基づいて色変換パラメータを作成し、作成した色変換パラメータを用いて画像データに色変換処理を施すことにより、ターゲットとなる出力デバイスの色再現を、出力対象とする出力デバイスでシミュレーションすることができる。
【0005】
このときの色再現特性としては、該当出力デバイスのメーカーから提供されるICCプロファイルなどのような色変換プロファイルを用いることもできるし、また、所定のパッチデータを用いてそれぞれの出力デバイスからパラーパッチを出力し、出力したカラーパッチを測色することによっても得ることができる。
【0006】
しかし、何れの場合においても、その都度、出力デバイスの色再現特性を取得するか、あるいは、出力デバイスごとの色再現特性を保管管理しなければならない。また、いずれにおいても、適切な色再現特性を明示的に指定する必要がある。
【0007】
ここから、特許文献1では、プロファイル管理サーバを設け、色変換プロファイルを必要に応じてプロファイル管理サーバへ要求することにより取得できるように提案している。
【0008】
また、特許文献2では、ホストコンピュータから印刷出力装置であるプリンタへパッチデータを送信することにより、プリンタでパッチデータに基づいたカラーパッチの印刷出力及び測色を行い、測色データをホストコンピュータへ送信するように提案しており、これにより、ホストコンピュータでは、受信した測色データを用いて、色補正処理などを実施することができる。
【0009】
さらに、特許文献3では、プリンタ側に色変換情報を記憶しておき、ホストコンピュータからの要求に応じて、色変換情報を送信するように提案しており、これにより、ホストコンピュータでは、受信した色変換情報を使用して、画像データに対する色変換処理を実行することができる。
【0010】
一方、印刷出力装置では、線数が異なるスクリーンや印刷速度などの組み合わせで色再現特性が異なる複数の出力モードが設けられるのが一般的となっており、これらの組み合わせには、それぞれ、写真モード、文字写真モードなどの固有の名称がついている場合もある。また、ディスプレイなどでは、色温度など、色再現性特性が異なるモードが設けられるのが一般的となっている。
【0011】
一つの出力デバイスにおいても、色再現特性の異なる出力モードでは、パッチデータに基づいたカラーパッチの測色値から得られる色再現特性データも異なる。
【0012】
しかしながら、特許文献1の提案では、プロファイル管理用にサーバを設置する必要があると共に、該当サーバの運用管理費用も発生してしまう。また、特許文献2に提案される方法では、測色データを取得するために、その都度、ホストコンピュータからプリンタへパッチデータを送信する必要がある。
【0013】
さらに、特許文献3の提案では、プリンタ側に保持される色変換情報が、RGB色空間値をCMYK色空間値に変換するものであり、このために、例えば、異なるプリンタの間でのシミュレーションや、ディスプレイに出力されている色をプリンタで再現するなどが困難となっている。すなわち、任意の出力デバイス間での色変換が可能とするものではない。
【0014】
また、色変換情報は、プリンタが有する複数の出力モードに対応するものではないため、プリンタの保持している色変換情報に基づいた色変換処理を行った場合、出力モードによっては、色再現精度の低下や、色かぶりなどの画像品質の低下を生じさせてしまうという問題がある。
【特許文献1】特開2003−303085号公報
【特許文献2】特開平7−288704号公報
【特許文献3】特開2002−91745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、複数の出力モードを備えているときに、出力モードに応じた色再現特性の適正な把握を可能とする画像出力装置及び、画像出力装置の出力モードに応じた適正なシミュレーションを可能とする画像処理システムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する本発明の画像出力装置は、少なくとも一つの出力モードを備え、画像データが入力されることにより、前記出力モードに基づいて前記画像データを画像として出力する画像出力装置であって、前記出力モードに対応する色再現特性データが記憶される色再現特性データ記憶手段と、前記出力モードに対応する色再現特性データの要求を受け付ける要求受付手段と、前記要求受付手段によって受け付けた前記出力モードから前記色再現特性データ記憶手段に記憶する前記色再現特性データを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択した前記色再現特性データを前記出力モードに対応する色再現特性データの要求元へ送出する送出手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、出力モードに対応する色再現特性データを保持し、要求受付手段が出力モードに対応する色再現特性データの要求を受け付けると、出力モードに基づいて色再現特性データを選択して、要求元に送信する。
【0018】
これにより、サーバ等の専用の配信手段を設けることなく、要求された出力モードに対応する色再現特性データを配信することができる。
【0019】
請求項2の発明は、前記色再現特性データが、デバイス色空間のデータであるデバイス色信号及びデバイス色信号を出力して得られるデバイス独立色信号を対で含み、請求項3の発明は、前記色再現性特性データが、所定のデバイス色信号値群と、該デバイス色信号値群の各デバイス色信号値に対するデバイス独立色信号値のデバイス色信号値群と、を含み、また、請求項4の発明は、前記色再現性特性データが、デバイス色信号値群と、デバイス色信号値群の各デバイス色信号値に対するデバイス独立色信号のデバイス独立色信号値群と、を含むことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、色再現特性データとして、少なくとも、デバイス色信号、デバイス色信号値又はデバイス色信号値群と、デバイス独立色信号、デバイス独立色信号値又はデバイス色信号値群が対となって含まれる。
【0021】
これにより、出力モードに応じた色再現特性を的確に把握可能となると共に、複数の画像出力装置との間の色変換パラメータの生成が可能となる。
【0022】
このような本発明の画像出力装置では、請求項5に記載するように、前記要求受付手段が、前記出力モードと共に前記色再現特性データを受信したときに、前記色再現特性データ記憶手段に記憶される前記出力モードに対する色再現特性データを更新することができる。
【0023】
また、本発明の画像出力装置は、請求項6に記載されるように、前記色再現特性データ記憶手段に前記色再現特性データ及び更新日時が記憶され、前記要求受付手段が、前記出力モード及び色再現特性データと共に更新日時を受信したときに、前記選択手段が、受信された前記更新日時より、前記色再現特性データ記憶手段に記憶された前記色再現特性データの更新日時が新しいときにのみ、色再現特性データ記憶手段に記憶された色再現特性データを選択することが好ましく、これにより、最新の色再現特性データの提供が可能となる。
【0024】
請求項7に記載の画像処理システムは、前記請求項1から請求項6の何れか1項に記載の少なくとも1台の画像出力装置と、前記画像出力装置で画像出力を行う画像データを画像出力装置へ送信する画像処理装置と、を含む画像処理システムであって、前記画像処理装置に、前記画像出力装置と双方向通信可能に接続する通信手段と、前記通信手段を介して、前記画像出力装置に前記出力モードないし出力モードに対応する前記色再現特性データを要求する要求手段と、前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードないし前記色再現特性データを受信したときに、受信した色再現特性データに基づいて、前記画像出力装置へ出力する前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、を含むことを特徴とする。
【0025】
また、請求項8に記載の画像処理システムは、前記請求項1から請求項6の何れか1項に記載の少なくとも1台の画像出力装置と、前記画像出力装置で画像出力を行う画像データを画像出力装置へ送信する画像処理装置と、を含む画像処理システムであって、前記画像処理装置に、前記画像出力装置と双方向通信可能に接続する通信手段と、前記画像出力装置の出力モード及び出力モードに対応する前記色再現特性データを含む情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に前記出力モード及び出力モードに対応する前記色再現特性データが記憶されていない前記画像出力装置に対して、前記通信手段を介して、出力モードないし出力モードに対する色再現特性データを要求する要求手段と、前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードないし前記色再現特性データを受信したときに、受信した色再現特性データに基づいて、前記画像出力装置へ出力する前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、を含むことを特徴とする。
【0026】
さらに、請求項9に記載の画像処理システムは、前記請求項1から請求項6の何れか1項に記載の少なくとも1台の画像出力装置と、前記画像出力装置で画像出力を行う画像データを画像出力装置へ送信する画像処理装置と、を含む画像処理システムであって、前記画像処理装置に、前記画像出力装置と双方向通信可能に接続する通信手段と、前記画像出力装置の出力モード及び出力モードに対応する前記色再現特性データと色再現特性データの更新日時を含む情報を記憶する情報記憶手段と、前記通信手段を介して、前記画像出力装置に対して出力モードに対する色再現特性データと色再現特性データの更新日時を要求する要求手段と、前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードに対応する前記色再現特性データ及び前記更新日時を受信したときに、受信した更新日時と該当出力モードに対応して前記情報記憶手段に記憶されている前記色再現特性データの更新日時を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果から最新の前記色再現特性データに基づいて、前記画像出力装置へ出力する前記画像データに対して画像処理を行う画像処理手段と、を含むことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、画像処理装置に設けている要求手段が、出力モードないし出力モードに対応する色再現特性データ又は色再現特性データと更新日時を要求したときに、画像出力装置が要求に応じて出力モード、色再現特性データなどを送信する。
【0028】
また、画像処理装置は、画像出力装置から取得した出力モードに対応する色再現特性データ又は情報記憶手段に記憶される色再現特性データに基づいて、画像データに対するデータ変換処理を行う。
【0029】
これにより、所望の出力モードで画像出力装置が最適な画像を出力可能となる画像データを生成することができる。
【0030】
このような本発明の画像処理システムにおいては、前記画像処理装置が、前記要求手段の要求に基づいて前記画像出力装置から送出される前記出力モードに対応する前記色再現特性データないし色再現特性データの前記更新日時を受信したときに、前記情報記憶手段に記憶される情報を更新する更新手段を含むことができる。
【0031】
これにより、最新の色再現特性データを用いた適正な画像処理を行うことができる。
【0032】
また、本発明の画像処理システムは、前記通信手段を介して送受信される情報を暗号化することが好ましく、また、前記画像出力装置の前記要求受付手段が、予め許可されている画像処理装置の要求手段からの要求のみを受け付けるものであっても良い。
【0033】
これにより、画像出力装置が保持している色再現特性データなどが不必要に送出されてしまったり、色再現特性データが誤って変更されてしまったりするのを確実に防止することができる。
【0034】
なお、要求受付手段が受け付ける要求は、画像処理装置に設ける予め設定されたアプリケーション、ドライバ、画像処理用のプラグインソフトなどを適用することができる。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように本発明によれば、画像出力装置に、例えば、デバイス色信号とデバイス独立色信号が対となる色再現特性データを、出力モードごとに保持し、要求されることにより保持している色再現特性データを送信することにより、サーバ等を設けることなく、要求された出力モードに対応する色再現特性データを配信することができる。
【0036】
また、本発明の画像処理システムでは、所望の画像処理装置及び出力モードに応じて適正な画像を出力可能とすることができると共に、所望の画像が出力可能となるように画像出力装置の選択、出力モードの選択及び画像データに対する処理が可能となるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用した画像処理システム10の概略構成を示している。この画像処理システム10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーションなどの複数の画像処理装置12が設けられ、画像処理装置12のそれぞれが、相互にデータ交換可能に接続されている。
【0038】
画像処理システム10には、出力デバイスである画像出力装置として複数のプリンタ14が設けられており、それぞれのプリンタ14が、画像処理装置12とデータ交換可能に接続され、画像処理装置12から送信される画像データに基づいた画像の出力(印刷出力)が可能となっている。
【0039】
なお、以下では、一例として、1台の画像処理装置12を図示すると共に、2台のプリンタ14A、14B(総称するときは、プリンタ14とする)を図示して説明するが、本発明は、これに限るものではなく、1台以上の画像処理装置及び画像出力装置を設けたものであれば良い。また、画像出力装置としては、プリンタ14に限らず、CRT、LCDなどのモニタに画像データに応じた画像を表示するディスプレイ装置(表示装置)など、画像データに応じた画像を表示、印刷等によって出力する任意の出力デバイスを適用することができる。
【0040】
また、画像処理システム10としては、画像出力装置に加えて、スキャナ装置(画像読み取り装置)などの各種の画像入力装置(入力デバイス)を含むことができる。すなわち、画像処理システム10としては、公知の一般的構成のネットワークシステムを適用することができる。
【0041】
本実施の形態に適用するプリンタ14としては、インク、トナーなどの各種の色材を用いて、画像データに応じた画像を記録紙などの各種の記録媒体に記録して出力するプリント機能を含むものであれば、任意の構成を適用することができる。また、プリンタ14としては、プリント機能に加えてスキャナ機能を含む複写機や、プリント機能、スキャナ機能に加えてファクシミリ機能などの各種の画像処理機能、通信機能を備えた複合機などの各種の構成を適用することができる。
【0042】
画像処理装置12には、画像処理部16が形成されており、ターゲットとなる出力デバイスと出力対象となる出力デバイスの双方の色再現特性データを用いて、ターゲットとなる出力デバイスの色再現を、出力対象となる出力デバイスでシミュレートする色変換パラメータを、所定の画像に適用する処理が可能となっている。
【0043】
また、画像処理装置12には、通信インターフェイス(通信I/F)22が設けられており、画像処理装置12では、画像データや色再現特性データなどの送受信が可能となっている。さらに、画像処理装置12には、画像処理部16と通信I/F22を介した外部との通信を制御する要求送信部42、画像データ送信部38、要求データ受信部44が設けられている。なお、これらの機能ブロックの動作についての詳細は後述する。また、このような画像処理装置12としては、図示しないCPU、RAM、ROM及びHDD、キーボード、モニタ、各種のインターフェイスなどを含む一般的構成を適用できる。
【0044】
プリンタ14(14A、14B)は、通信インターフェイス(通信I/F)24、データ受信部40、画像処理部26、及び、印刷処理を実行する画像出力部30を含んでいる。
【0045】
これにより、プリンタ14では、通信I/F24を介してデータ受信部40で画像データを受信すると、受信した画像データに対して画像処理部26で所定の画像処理を施し、画像出力部30へ出力する。
【0046】
この画像出力部30は、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(ブラック)の各色のトナーを用いて電子写真プロセスを適用して画像形成を行う。これにより、画像出力部30では、C、M、Y、Kの各色成分のデータが入力されることにより、各色のトナー像を生成し、生成したトナー像を重畳させて記録紙に転写することにより、フルカラーの画像が形成されるようにしている。
【0047】
プリンタ14の画像処理部26には、必要に応じてカラーマネージメントシステム(CMS)を設けることができ、一例として、デバイス色空間がCMYK色空間となっており、画像処理部26に入力される画像データを、CMYK色空間のデータ(以下、CMYK色信号とする)に変換する。例えば、画像処理装置12で生成されて出力される画像データがRGB色空間のデータ(RGB信号)である場合には、このRGB信号に対して、多次元ルックアップテーブル(多次元LUT)を適用するなどして、デバイス色空間のデータであるCMYK色信号に変換する。このCMYK色信号が、画像出力部30へ出力されることにより、画像データに応じた画像形成(印刷出力)がなされる。
【0048】
また、例えば、画像処理装置12で生成されて出力される画像データがCMYK色空間のデータ(CMYK色信号)である場合には、階調を整えるような1次元ルックアップテーブル(1次元LUT)を適用したり、目的に応じたCMYK−CMYK色変換を実現する多次元LUTを適用するなどしたりすることもできるし、これらの色変換が不要な場合には特に色変換をしない構成を採ることもできる。
【0049】
これにより、プリンタ14では、画像出力部30のデバイス色空間及び色再現特性に応じたデータ変換が行われて画像データに応じた画像が出力されるようにしている。
【0050】
ところで、各プリンタ14(14A、14B)には、画像データに応じた画像を印刷出力するときの出力モードとして複数の出力モードが設定されており、出力モードを指定することにより、指定された出力モードでの印刷出力が可能となっている。
【0051】
この出力モードとしては、階調再現性を重視する写真モード、彩度再現性を重視するグラフィックモード、解像度を重視するテキストモードなどがあり、その目的やユーザー要求に応じた種々の出力モードを含むことができる。これらの出力モードにおいては、それぞれ異なるスクリーン線数や出力速度、色変換パラメータを使用して受け取った画像を出力することで実現する場合が多い。また、前述した画像処理装置12で生成されて出力される画像データがRGB色信号なのか、CMYK色信号なのかを異なる出力モードで構成することもできる。
【0052】
したがって、プリンタ14では、出力モードが指定されることにより、指定された出力モードに基づいたデータ変換ないしスクリーン処理(スクリーン線数の変更)等の所定の処理を行うことにより、出力モードに基づいた画像出力が可能となっている。
【0053】
このようなプリンタ14では、出力モードが異なると、同一の画像データを用いて出力された画像も異なることがある。すなわち、プリンタ14では、出力モードによって色再現性が異なることがある。ここで、本実施の形態に適用したプリンタ14(プリンタ14A、14Bのそれぞれ)には、色再現性特性データ記憶部36が設けられている。この色再現特性データ記憶部36には、プリンタ14に設定されている出力モードごとの色再現特性データが記憶される。
【0054】
この出力モードごとの色再現特性データは、予め設定されているパッチデータに基づいてプリンタ14で出力モードごとに印刷処理を行ってカラーパッチを出力し、それぞれのカラーパッチを測色することにより得られる出力モードごとの測色データと対応するカラーパッチのデバイス色信号との対として構成することができる。
【0055】
なお、パッチデータは、プリンタ14に予め記憶されているものであっても良く、また、画像処理装置12から画像データとしてプリンタ14へ出力されるものであっても良い。また、カラーパッチの測色は、プリンタ14に濃度センサを設けて、カラーパッチの印刷出力に連続して測色が行われるものであっても良く、濃度センサを別に設けて、印刷出力されたカラーパッチの測色が手作業で行われるものであっても良い。
【0056】
このようなカラーパッチの測色データ(測色値)は、出力デバイスであるプリンタ14と独立した色空間のデータ(デバイス独立色信号値)となっている。したがって、RGB色信号による画像を出力するモードの場合はRGB色信号値と対応するカラーパッチの測色値の対を、また、CMYK色信号による画像を出力するモードの場合はCMYK色信号値と対応するカラーパッチの測色値との対を色再現特性データとして、色再現特性データ記憶部36に記憶する。
【0057】
これにより、色再現特性データ記憶部36には、出力モードごとに、デバイス色信号値とデバイス独立色信号値とが対となっているデバイス色信号値群とデバイス独立色信号値群が記憶される。
【0058】
また、プリンタ14では、色再現特性データ記憶部36に色再現特性データを記憶するときや、記憶されている色再現特性データの書き換え(更新)を行うときに、更新日時(日付及び時刻)が記憶される。
【0059】
一方、画像処理装置12の通信I/F22とプリンタ14の通信I/F24は、画像処理装置12とプリンタ14を双方向通信可能に接続しており、これにより、画像処理装置12とプリンタ14との間で、相互にデータ交換が可能となっている。
【0060】
前記した画像処理装置12の画像データ送信部は、画像処理部16で画像処理を行って生成した画像データを出力する。また、プリンタ14のデータ受信部は、この画像データを受信する。
【0061】
これにより、画像処理装置12から画像データを、プリンタ14A又はプリンタ14Bへ送信することにより、送信先のプリンタ14(プリンタ14A又はプリンタ14B)では、通信I/F24を介してデータ受信部40が、画像データを受信すると、受信した画像データを画像処理部26へ出力し、画像データに基づいた画像出力が実行される。
【0062】
本実施の形態に適用している画像処理装置12に設けている要求送信部42は、プリンタ14へ出力モードと出力モードに応じた色再現特性データを要求し、要求データ受信部44は、要求送信部42から送信した要求に基づいて、プリンタ14から出力される出力モード及び出力モードごとの色再現特性データ等を受信する。
【0063】
プリンタ14には、画像処理装置12の要求送信部42から送信される要求を受信して受け付ける要求受付部46と共に、選択更新部48及び要求データ送信部50が設けられている。
【0064】
画像処理装置12では、要求送信部42から、プリンタ14のそれぞれが備えている出力モード、出力モードごとの色再現特性データ等を要求する。プリンタ14の選択更新部48は、要求受付部46で出力モードに対する色再現特性データの出力要求を受信すると、色再現特性データ記憶部36から、該当出力モードに対する色再現特性データを選択して、要求データ送信部50へ出力する。
【0065】
これにより、要求データ送信部50が要求元の画像処理装置12へ色再現特性データを送信する。この色再現特性データが、要求元の画像処理装置12の要求データ受信部44で受信されることにより、該当画像処理装置12の画像処理部16が色再現特性データを取得することができる。
【0066】
また、要求データ送信部50では、画像処理装置12から、自機に設定されている出力モードの要求が要求受付部46で受信されたときには、自機に設定されている出力モードを、要求元の画像処理装置12へ出力する。
【0067】
これにより、画像処理装置12では、画像処理システム10に設けられている各プリンタ14のそれぞれが備えている出力モードの把握が可能となっており、プリンタ14の出力モードを指定して、色再現特性データの要求が可能となっている。
【0068】
さらに、画像処理装置12には、デバイス情報記憶部52が設けられている。このデバイス情報記憶部52には、要求データ受信部44で受信したプリンタ14が備えている出力モード及び、出力モードごとの色再現特性データを記憶する。
【0069】
また、デバイス情報記憶部52では、色再現特性データ記憶部36に色再現特性データと共に色再現特性データの更新日時が記憶され、この更新日時が、色再現特性データと共に要求データ送信部50から送信されたときには、該当更新日時を含めて記憶するようになっている。
【0070】
画像処理装置12に設けている画像処理部16では、デバイス情報記憶部52に保持している、もしくは、要求データ受信部44を介して取得したプリンタ14ごとの出力モード及び、出力モードに対するプリンタ14の色再現特性データを取得し、取得した色再現特性データを使用して色変換パラメータを算出し、この色変換パラメータに基づいた画像データに対するデータ変換処理を行うことにより、例えば、プリンタ14Aを用いて、プリンタ14Bの任意の出力モードでの出力画像のシミュレーションを行うことができるようになっている。
【0071】
もちろん、多次元LUTなどの色変換パラメータを算出せずに、2つの色再現特性データから直接対象となる画像データに対してデータ変換処理を行うように構成しても良いし、画像処理部16では2つの色再現特性データから色変換パラメータを算出するのみで、画像データと共に色変換パラメータをプリンタ14に送出することで、プリンタ14の画像処理部26でこの色変換パラメータを画像データに適用するように構成しても良い。
【0072】
ここで、本実施の形態の作用として、画像処理システム10での画像出力を説明する。
【0073】
画像処理システム10では、画像処理装置12の画像処理部16で作成、加工、編集等の処理をほどこした画像データを印刷処理するときには、プリンタ14及び出力モードを指定して、画像データ送信部38から、指定したプリンタ14へ画像データを送信する。
【0074】
プリンタ14では、この画像データを、データ受信部40で受信すると、受信した画像データを画像処理部26へ出力する。画像処理部26は、入力された画像データに対して所定の画像処理を施すと共に、必要に応じて、この画像データをデバイス色空間の信号であるCMYK色信号値に変換し、画像出力部30へ出力する。これにより、画像出力部30では、入力されたCMYK色信号値に基づいて印刷処理を行い、画像データに応じた画像を出力する。このとき、画像処理部26及び画像出力部30では、指定された出力モードに基づいた画像処理及び印刷処理を実行し、出力モードに基づいた画像出力を行う。
【0075】
一方、画像処理システム10に設けている画像処理装置12は、例えば、プリンタ14Aを用いて、プリンタ14Bで出力される画像のシミュレーションが可能となっている。このとき、画像処理装置12では、プリンタ14Bの出力モードを含めたシミュレーションが可能となっている。
【0076】
ここで、図2及び図3を参照しながら、画像処理システム10での何れかのプリンタ14を用いて、他のプリンタ14の出力画像のシミュレーションを行うときの画像出力処理の一例を説明する。
【0077】
プリンタ14(14A、14B)には、複数の出力モードが設定されており、シミュレーションを行うためには、各プリンタ14の出力モードを把握する必要があり、また、シミュレーションを行う出力モードでの色再現特性情報が必要となる。ここで、画像処理装置12では、プリンタ14に設定されている出力モード及び、出力モードに対する色再現特性情報となる色再現特性データを取得すると、取得した色再現特性データに基づいて画像データに対するデータ変換処理を行って、変換した画像データを、出力モードの指定と共にプリンタ14へ送信する。
【0078】
図2には、このときの画像処理装置12の処理の流れを示している。このフローチャートは、最初のステップ100でシミュレーションを行う画像データ及びシミュレーション対象となる出力デバイス、シミュレーションした画像を出力するデバイスを指定する。なお、これらの指定及び、画像処理装置12上での各種の設定操作は、画像処理装置12に設けられている図示しないUI(ユーザインターフェイス)を用いて行われる。また、この時のUIは、任意の構成を適用することができる。なお、出力デバイスを指定するIDとしては、プリンタ14ごとに設定されているIPアドレスなど、プリンタ14を的確に指定可能であれば、任意の情報を使用することができる。
【0079】
この後、ステップ102では、指定したプリンタ14に対して、設定されている出力モードを要求する。なお、以下では、プリンタ14Bで再現される出力画像を、プリンタ14Aを用いてシミュレーションするものとして説明する。このときには、プリンタ14A、14Bを指定して出力モードの送信を要求する。
【0080】
プリンタ14A、14Bでは、自機宛のIDが付加されて出力モードが要求されると、自機に設定されている出力モードを、要求元の画像処理装置12へ送出する。
【0081】
画像処理装置12では、指定したプリンタ14A、14Bから出力モードが送信されると、ステップ104では、プリンタ14A、14Bから送出された出力モードを読み込む。
【0082】
この後、ステップ106では、シミュレーションを実行するときの出力モードを設定する。なお、このときの出力モードは、例えば、プリンタ14A、14Bで略同じ画質となる出力モードであっても良く、また、プリンタ14Aとプリンタ14Bで出力モードが異なっていても良い。この際、設定する出力モードは、UIを介してユーザーが指定した出力モードを設定しても良いし、推奨する出力モードに強制的に設定するように構成しても良い。
【0083】
プリンタ14A、14Bに対して出力モードが指定されるとステップ108へ移行し、プリンタ14A、14Bのそれぞれへ指定された出力モードの色再現特性情報である色再現特性データの送信を要求する。
【0084】
ここで、画像処理装置12には、デバイス情報記憶部52が設けられ、このデバイス情報記憶部52に、各プリンタ14の出力モードに対する色再現特性データが記憶されるようになっており、画像処理装置12では、出力モードが指定されたときに、該当する出力モードの色再現特性データが、デバイス情報記憶部52に記憶されているときには、デバイス情報記憶部52に記憶されている色再現特性データを読み出して、該当するプリンタ14へ出力モードの指定と共に送信する。
【0085】
図3には、色再現特性データの送信要求に対するプリンタ14(14A、14B)の処理の概略を示している。
【0086】
プリンタ14では、最初のステップ140で自機を指定した色再現特性データの送信要求を受信したか否かを確認する。ここで、自機宛の色再現特性データの送信要求を受信すると、ステップ140で肯定判定してステップ142へ移行し、送信要求を受信する。
【0087】
この後、ステップ144では、先ず、受信した要求に色再現特性データが含まれているか否かを確認し、色再現特性データが含まれていないときには、ステップ144で否定判定してステップ146へ移行する。このステップ146では、受信した要求から出力モードの指定を読み出し、読み出した出力モードに対応する色再現特性データが、色再現特性データ記憶部36に記憶されているか否かを確認する(ステップ148)。
【0088】
これにより、指定された出力モードに対応する色再現特性データが色再現特性データ記憶部36に記憶されているときには、ステップ148で肯定判定してステップ150へ移行し、出力モードに対応する色再現特性データを選択して、色再現特性データ記憶部36から読み出す。
【0089】
この後に、ステップ152へ移行して、読み出した色再現特性データを、要求元の画像処理装置12へ送信する。
【0090】
これに対して、指定された出力モードに対応する色再現特性データが、色再現特性データ記憶部36に記憶されていないときには、ステップ148で否定判定してステップ154へ移行する。
【0091】
プリンタ14では、例えば、何れかの出力モードが予めデフォルトの出力モードに設定され、設定されている出力モード(デフォルトの出力モード)でパッチデータを用いて、カラーパッチを出力し、出力したカラーパッチを測色することにより、色変換プロファイルの更新等を行う。このときに、パッチデータと、該当パッチデータに対応する測色値を、デフォルトの出力モードに対する色再現特性データとして色再現特性データ記憶部36に記憶することができる。
【0092】
ここから、指定された出力モードの色再現特性データが、色再現特性データ記憶部36に記憶されていないときには、ステップ154で、このデフォルトの色再現特性データを読み出し、読み出したデフォルトの色再現特性データを、デフォルトのモードであることを示す情報又は、デフォルトの出力モードに対する色再現特性データであることを示す情報を付加して、要求元の画像処理装置12へ出力する(ステップ156)。
【0093】
本実施の形態に適用したプリンタ14では、シミュレーションを行うときに限らず、任意のタイミングの要求に基づいて色再現特性データの送出が可能となっており、このときに、出力モードの指定がないときには、デフォルトの出力モードに対する色再現特性データを出力する。
【0094】
一方、受信した要求に色再現特性データが含まれているときには、ステップ144で肯定判定してステップ160へ移行し、出力モード及び受信した色再現特性データに含まれる更新日時を読み込む。
【0095】
次のステップ162では、受信した色再現特性データの更新日時と、色再現特性データ記憶部36に記憶している色再現特性データの更新日時を比較し、色再現特性データ記憶部36に記憶されている色再現特性データが、受信した色再現特性データよりも新しければ、ステップ164で肯定判定してステップ150へ移行し、色再現特性データ記録部36から指定されている出力モードに対応する色再現特性データを選択して読み出す。
【0096】
これに対して、色再現特性データ記憶部36に記憶されているデータが古いときには、ステップ164で否定判定してステップ166へ移行し、受信した色再現特性データ及び更新日時に基づいて、色再現特性データ記憶部36の記録を更新する。
【0097】
この後、ステップ168へ移行し、新たな色再現特性データがないことを示す情報を、要求元の画像処理装置12へ出力する。
【0098】
図2のフローチャートでは、送信した要求に対するプリンタ14からの応答があると、ステップ110へ移行し、プリンタ14から送信された応答を受信する。
【0099】
次のステップ112では、指定した出力モードに対応する色再現特性データが含まれているか否かを確認し、該当色再現特性データが含まれているときには、ステップ112で肯定判定してステップ114へ移行し、受信した色再現特性データを、プリンタ14及び出力モードに対応させてデバイス情報記憶部52に格納し、画像処理装置12が保持するデバイス情報を更新する。
【0100】
ステップ116では、プリンタ14Aに対して指定した出力モードに対応する色再現特性データと、プリンタ14Bに対して指定した出力モードに対応する色再現特性データを、デバイス情報記憶部52から読み出し、プリンタ14Bの出力画像に対応する画像が、プリンタ14Aから出力されるように、画像データに対するデータ変換処理を行う。
【0101】
このデータ変換処理は、例えば、特開2002−152543号公報に記載の色変換係数作成装置、色変換係数作成方法、記憶媒体及び色変換システムを使用することができる。この他、両デバイスのデバイス色信号と測色値を使用して画像の色変換もしくは画像の色変換を行うための色変換係数を算出するどのような方法を使用しても良い。
【0102】
この後、ステップ118では、データ変換された画像データを指定した出力モードで印刷出力するようにプリンタ14(14A)へ送信する。
【0103】
なお、プリンタ14への要求に対する応答として、画像処理装置12のデバイス情報記憶部52に最新又はプリンタ14が保持しているのと同等の色再現特性データが記憶されているときには、ステップ120で肯定判定されてステップ116へ移行する。
【0104】
また、デフォルトの出力モードに対する色再現特性データが受信されているときには、ステップ122で肯定判定されてステップ124へ移行する。このステップ124では、出力モードに対応する色再現特性データが保持されていないことを図示しないモニタに所定のUIを用いて表示することにより報知し、ステップ126でシミュレーションを続行するか否かを確認し、シミュレーションを続行すると指示されたときには、ステップ126で肯定判定して、指定された出力モードに換えてデフォルトの出力モードを選択し、デフォルトの出力モードに対する色再現特性データを用いたデータ変換処理を行う(ステップ128)。
【0105】
また、プリンタ14によっては、色再現特性データが保持されていないときがあり、このときには、ステップ112、120、122のそれぞれで否定判定されてステップ130へ移行し、シミュレーションに適用する色再現特性データがないことを報知して、この処理を終了する。すなわち、プリンタ14では、出力モードに対応した色再現特性データが保持されていないときや、何れの出力モードの色再現特性データが保持されていないときがあり、このときには、色再現特性データなしを出力しても良く、これにより、画像処理装置12では、シミュレーション処理を中止する。
【0106】
本実施の形態でプリンタ14に記憶される色再現特性データは、デバイス色空間のCMYK色信号値と、デバイス独立色空間の測定値(例えばCILAB色空間のL*,a*,b*値)が対となっている。
【0107】
ここで、シミュレーションを行う画像データを信号値(C,M,Y,K)とすると、プリンタ14Aのデバイス色信号値が(Ca,Ma,Ya,Ka)で、対応する測色値が(La,Aa,Ba)となり、プリンタ14Bのデバイス色信号値が(Cb,Mb,Yb,Kb)で、対応する測色値が(Lb,Ab,Bb)となるとする。
【0108】
色再現特性データは、信号値(Ca,Ma,Ya,Ka)と測色値(La,Aa,Ba)及び、信号値(Cb,Mb,Yb,Kb)と測色値(Lb,Ab,Bb)の関係を示しており、この両デバイスの色再現特性データを使用して、前述した特開2002−152543号公報に記載の色変換係数作成方法を用いることで、プリンタ14Bの色再現をプリンタ14Aでシミュレートする色変換係数(多次元LUT)を算出することができ、この算出した色変換係数を適用した画像をプリンタ14Aで出力することにより、プリンタ14Bで出力した画像と略同等のプリントを得ることができる。本実施の形態においては、プリンタ14A、プリンタ14BともにCMYKプリンタとみなしており、この場合に算出される色変換係数(多次元LUT)は、CMYK−CMYK変換を行う4次元入力−4次元出力となる。したがって、この色変換係数を、対象となるCMYK画像に適用すると、プリンタ14Bをプリンタ14AでシミュレートするためのC'M'Y'K'画像を作成することができる。
【0109】
画像処理装置12に設けている画像処理部16では、デバイス情報記憶部52に記憶されるプリンタ14A、14Bの色再現特性データから前述したように色変換係数(多次元LUT)を算出し、この色変換係数を画像データに適用する処理を行う。なお、色変換係数を作成せずに、画像の各画素の色信号に対して直接データ変換を行うように構成することもできる。更には、作成した色変換係数(多次元LUT)を画像と共にプリンタ14Aに送出して、プリンタ14Aで画像に適用するように構成することもできる。
【0110】
このようにしてデータ変換された画像データを、プリンタ14Aへ出力することにより、元の画像データに対するプリンタ14Bの出力画像と略同等となる出力画像をプリンタ14Aでプリントすることができる。
【0111】
一方、図4には、画像処理装置12から送信された画像データに基づいたプリンタ14での処理の概略を示しており、このフローチャートでは、最初のステップ170で画像処理装置12から送信された画像データを受信すると、ステップ172では、出力モードの指定を読み出し、ステップ174では、出力モードの指定があるか否かを確認する。
【0112】
ここで、出力モードの指定があるときには、ステップ174で肯定判定してステップ176へ移行し、指定された出力モードを自機の出力モードのデフォルトに設定する。
【0113】
この後、ステップ178では、設定された出力モードに基づいて画像出力処理を行う。
【0114】
これに対して、プリンタ14では、受信した画像データに対して、出力モードの指定がないと、ステップ174で否定判定してステップ180へ移行する。このステップ180では、デフォルトに設定されている出力モードを、該当画像データに対する出力モードに設定し、設定した出力モードでの画像出力を実行する。
【0115】
このように、画像処理システム10では、プリンタ14のそれぞれに複数の出力モードが設定されているときに、出力モードごとの色再現特性データを記憶し、画像処理装置12から任意のタイミングで取得可能となるようにする。
【0116】
また、画像処理装置12では、出力モードを指定してプリンタ14から取得した色再現特性データに基づいて、画像データに対するデータ変換を行うことにより、任意の出力デバイス間での画像データに対する色変換を高精度で行うことができる。
【0117】
一方、ここでは、プリンタ14Aを用いたプリンタ14Bの画像出力のシミュレーションを例に説明したが、画像処理システム10では、プリンタ14のそれぞれが、複数の出力モードのそれぞれに対応する色再現特性データを保持し、画像処理装置12が任意のタイミングで、プリンタ14が保持している色再現特性データを取得することができる。
【0118】
これにより、任意のプリンタ14の間での色変換パラメータの生成が可能となるのみでなく、出力対象とする画像(画像データ)に適したプリンタ14及び出力モードを選択することが可能となる。
【0119】
すなわち、プリンタ14から取得した色再現特性データに基づいて、プリンタ14の出力モードに対応する色再現範囲を算出することができ、これにより、画像データに応じた画像を適正に出力することができるか否かを適切に判断することができると共に、適正な画像出力を行うのに最適なプリンタ14やプリンタ14の出力モードの選択を、画像処理装置12が自動的に行うこともできる。
【0120】
一方、プリンタ14では、画像処理装置12からの出力モードや色再現特性データの要求を無条件で受け付け、受け付けた要求に基づいて、出力モード、色再現特性データなどを、要求元の画像処理装置12へ送信するようにしているが、予め設定されているアプリケーションソフト、ドライバや、画像処理部16に付加する画像処理用のプラグインソフトなどを介した要求のみに対して、応答するものであっても良い。
【0121】
また、画像処理装置12からプリンタ14へのID、出力モード、色再現特性データなどの要求や、この要求に基づいてプリンタ14がID、出力モード、色再再現特性データ等を送信するときには、暗号化処理を行うものであっても良い。
【0122】
これにより、プリンタ14の情報が不用意に公開されてしまうのを確実に防止することができ、好ましい。
【0123】
なお、以上説明した本実施の形態では、画像出力装置(出力デバイス)として、デバイス色空間の信号値(デバイス色信号値)が、CMYK色信号値となるプリンタ14を例に説明したが、本発明が適用される画像出力装置及びデバイス色信号値はこれに限るものではない。
【0124】
例えば、プリンタとしては、デバイス色信号値が、CMYK色信号値に限らず、CMY色信号値、CM色信号値などのデバイス色空間内の任意の色信号値の組み合わせを適用することができる。
【0125】
また、本実施の形態では、画像出力装置として、プリンタを例に説明したが、これに限らず、ディスプレイに画像を表示するモニタ装置(表示装置)など、画像データに応じた画像を出力する任意の画像出力装置を適用することができる。このとき、例えば、モニタ装置であればデバイス色信号値は、RGB色信号値となるなど、デバイス色信号値は、画像出力装置に応じたデバイス色空間のデータを適用することができる。
【0126】
さらに、以上説明した本実施の形態では、画像処理システム10を例に説明したが、これに限らず、本発明は、画像データに応じた画像を出力するときのモードとして複数の出力モードを備えた画像出力装置であれば良く、また、少なくとも1台の画像出力装置を含む画像処理システムであれば、任意の構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明を適用した画像処理装置及びプリンタの要部の概略構成図である。
【図2】画像処理装置での処理の一例を示す流れ図である。
【図3】画像処理装置からの要求に基づいたプリンタでの処理の一例を示す流れ図である。
【図4】プリンタでの画像出力処理の概略を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0128】
10 画像処理システム
12 画像処理装置
14(14A、14B) プリンタ(画像出力装置)
16 画像処理部
22、24 通信I/F(通信手段)
30 画像出力部
36 色再現特性データ記憶部
42 要求送信部
44 要求データ受信部
46 要求受信部
48 選択更新部
50 要求データ送信部
52 デバイス情報記憶部
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−48192(P2008−48192A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222326(P2006−222326)