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【発明の名称】 画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、画像処理プログラムおよび記録媒体
【発明者】 【氏名】安岡 紀英

【氏名】田中 達哉

【氏名】奥山 真寛

【氏名】藤原 美智子

【要約】 【課題】原稿種別に応じた適切な下地処理を行う。

【構成】注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別する原稿種別自動判別部13と、上記画像データから下地色を除去する入力階調補正部14とを備え、入力階調補正部14は、原稿種別自動判別部13の判別した原稿種別に応じて下地色の濃度成分の除去量を調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から読み取った画像データに対して、上記原稿の原稿種別に応じた画像処理を施す画像処理装置であって、
注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別する原稿種別判別手段と、
上記画像データから下地色の濃度成分を除去する下地色除去手段とを備え、
上記下地色除去手段は、上記原稿種別判別手段の判別した原稿種別に応じて上記下地色の濃度成分の除去量を調整することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記下地色除去手段は、
上記原稿の下地の階調に応じて上記画像データを複数の階調レベルのいずれかに分類する階調判別手段と、
上記階調レベルにそれぞれ対応して設けられた、上記下地色除去の前後の画像データを対応付けた複数の下地色除去用テーブルとを備え、
上記階調判別手段の分類した階調レベルに対応する下地色除去用テーブルを用いて上記下地色の除去を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記原稿種別判別手段は、少なくとも上記原稿が文字原稿であるか文字原稿以外の原稿であるかを判別し、
上記下地色除去手段は、文字原稿に対する下地色の濃度成分の除去量を、文字原稿以外の原稿に対する下地色の濃度成分の除去量よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記原稿の下地色に応じて上記画像データを複数のグループのいずれかに分類する下地色判別手段と、
上記各グループに対応する下地色にそれぞれ対応して設けられた、色補正の前後の画像データを対応付けた複数の色補正テーブルと、
上記下地色判別手段の分類したグループに対応する上記色補正テーブルを用いて上記画像データを色補正する色補正処理手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記各色補正テーブルは、上記下地色除去に伴う下地色以外の色の変化が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記色補正テーブルは、第1の表色系からなる画像データを、第2の表色系からなる画像データに変換するように設定されていることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
上記原稿種別判別手段は、注目画素を含む複数の画素からなるブロックが下地領域に属するかどうかを判定し、
上記下地色除去手段は、上記原稿種別判別手段によって下地領域であると判定されたブロックについて上記下地色の除去を行い、
上記色補正手段は、上記原稿種別判別手段によって下地領域であると判定されたブロックについて上記色補正を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
原稿から読み取った画像データに対して、上記原稿の原稿種別に応じた画像処理を施す画像処理方法であって、
注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別する原稿種別判別工程と、
上記画像データから下地色の濃度成分を除去する下地色除去工程とを含み、
上記下地色除去工程では、上記原稿種別判別工程で判別した原稿種別に応じて下地色の濃度成分の除去量を調整することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
上記原稿の下地色に応じて上記画像データを複数のグループのいずれかに分類する下地色判別工程と、
上記各グループに対応する下地色にそれぞれ対応して設けられた、色補正の前後の画像データを対応付けた複数の色補正テーブルのうち、上記下地色判別工程で分類したグループに対応する色補正テーブルを用いて上記画像データを色補正する色補正処理工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置を動作させる画像処理プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項12】
請求項10に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿から読み取った画像データに対して下地色の除去処理および色補正処理を行う画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、画像処理プログラムおよびその記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、OA機器のデジタル化が進展し、さらにカラー画像出力に対する需要が増してきたことにより、例えば、電子写真方式のデジタルカラー複写機・複合機、インクジェット方式あるいは熱転写方式のカラープリンタ等の画像形成装置が広く普及している。例えば、スキャナ等の画像入力装置より入力された画像データ等がこれらの画像形成装置を用いて出力されている。
【0003】
これらの画像形成装置においては、画像入力装置等から入力された画像データを適切に色再現した画像を出力することが必要とされている。それゆえ、画像形成装置に備えられている画像処理装置においては、デジタル画像処理技術を用いた色補正処理が重要な役割を果たしている。
【0004】
しかしながら、操作者が各原稿に対して色補正処理のパラメータを設定することは、非常に煩わしい作業である。また、不適切なパラメータを選択した場合などには、パラメータを再設定してから再び画像形成を行う必要があり、無駄な複写が行われることにもなる。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、色補正処理を自動的に行う構成が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、色補正データを格納したルックアップテーブルを予め備えておき、このルックアップテーブルを参照して第1の表色系からなる画像データを第2の表色系からなる画像データに変換する技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、画像データを読み取る原稿の下地色と、読み取った画像データに基づく画像形成を行う記録用紙の下地色とに基づいて補正テーブルを生成し、生成した補正テーブルに基づいて色補正処理を行う技術が開示されている。具体的には、特許文献2では、原稿の下地色が無彩色として視認されるような方向への色補正と、記録用紙の下地色が無彩色として視認されるような方向への色補正とを合成した色補正を行うように、補正テーブルが生成される。
【特許文献1】特開2003−153022号公報(公開日:2003年5月23日)
【特許文献2】特開2004−23771号公報(公開日:2004年1月22日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術では、下地除去処理(下地色除去処理;入力画像データから下地色の濃度成分(下地濃度)を除去する処理)を、原稿種別とは無関係に行っている。このため、適切な下地除去処理が行われない場合があった。
【0009】
例えば、文字原稿に対する下地除去処理で下地除去量(下地色の濃度成分の除去量)が不十分になって下地色が残留してしまったり、写真原稿に対する下地除去処理で下地除去を行うべきでない箇所の下地除去を行ってしまったりする場合があった。
【0010】
また、原稿種別に応じて下地除去量を変更したい場合、オペレータが下地除去量あるいは原稿種別を指定する必要があり、オペレータは非常に煩わしい作業を行う必要があった。
【0011】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、原稿種別に応じた適切な下地処理を行うことのできる画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、画像処理プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の画像処理装置は、上記の課題を解決するために、原稿から読み取った画像データに対して、上記原稿の原稿種別に応じた画像処理を施す画像処理装置であって、
注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別する原稿種別判別手段と、
上記画像データから下地色の濃度成分を除去する下地色除去手段とを備え、
上記下地色除去手段は、上記原稿種別判別手段の判別した原稿種別に応じて上記下地色の濃度成分の除去量を調整することを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、原稿種別判別手段が、注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別する。そして、下地色除去手段が、原稿種別判別手段の判別した原稿種別に応じて下地色の濃度成分の除去量(下地除去量)を調整する。これにより、原稿種別に応じて下地除去量を調整することができ、原稿種別に応じて適切な下地除去を行うことができる。例えば、高コントラストが要求される文字原稿や、階調性の適切な再現が要求される写真原稿などについて、それぞれの原稿種別に応じて下地除去量を適切に設定できるので、原稿に応じた適切な下地除去を行うことができる。
【0014】
また、上記下地色除去手段は、上記原稿の下地の階調に応じて上記画像データを複数の階調レベルのいずれかに分類する階調判別手段と、上記階調レベルにそれぞれ対応して設けられた、上記下地色除去の前後の画像データを対応付けた複数の下地色除去用テーブルとを備え、上記階調判別手段の分類した階調レベルに対応する下地色除去用テーブルを用いて上記下地色の除去を行う構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、各下地色除去用テーブルのデータを、下地色の各階調レベルに応じて設定できる。したがって、階調判別手段が原稿の下地の階調に応じて複数の階調レベルのいずれかに分類し、下地色除去手段が分類された階調レベルに対応する下地色除去用テーブルを用いて下地色の除去を行うことで、下地色除去処理を下地の階調レベルに応じて適切に行うことができる。
【0016】
また、上記原稿種別判別手段は、少なくとも上記原稿が文字原稿であるか文字原稿以外の原稿であるかを判別し、上記下地色除去手段は、文字原稿に対する下地色の濃度成分の除去量を、文字原稿以外の原稿に対する下地色の濃度成分の除去量よりも大きくする構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、文字原稿に対して十分な下地除去を行い、下地色成分が残留してしまうことを防止するとともに、文字原稿以外の原稿に対して下地除去を行うべきでない箇所の下地除去を行ってしまうことを防止できる。
【0018】
また、上記の構成に加えて、上記原稿の下地色に応じて上記画像データを複数のグループのいずれかに分類する下地色判別手段と、上記各グループに対応する下地色にそれぞれ対応して設けられた、色補正の前後の画像データを対応付けた複数の色補正テーブルと、上記下地色判別手段の分類したグループに対応する上記色補正テーブルを用いて上記画像データを色補正する色補正処理手段とを備えている構成としてもよい。
【0019】
上記特許文献1の技術では、原稿の下地色によらず単一のルックアップテーブルを用いて色補正処理を行っている。このため、下地色を除去処理した場合に、残したい色の色味が大きく変化してしまい、適切な色再現ができなくなってしまうという問題があった。特に、濃い色の下地上に薄い色の画像が形成された画像を処理する場合に、下地色の除去処理の影響によって色再現性が低下しやすい。具体的には、例えば、濃いイエローの下地上に形成されている薄いピンクの画像が、オレンジ色に再現されたりしていた。
【0020】
また、上記特許文献2の技術では、原稿の下地色が無彩色として視認されるような方向への色補正と、記録用紙の下地色が無彩色として視認されるような方向への色補正とを合成した色補正を行うので、原稿の下地色と記録用紙の下地色との組み合わせによっては、特許文献1と同様、適切な色再現ができない場合があった。また、特許文献2の技術では、画像形成を行う毎に原稿および記録用紙の画像読取動作を行い、それぞれの下地色を判別して補正テーブルを生成する必要があるので、装置構成の複雑化および大型化、処理時間の増大、消費電力の増大などの問題を招いていた。
【0021】
これに対して、上記の構成によれば、各グループに対応する下地色にそれぞれ対応して設けられた複数の色補正テーブルを備えている。これにより、下地色除去処理が下地色以外の色に及ぼす影響を、原稿の下地色のグループ毎に考慮して各色補正テーブルを設定できる。したがって、下地色判別手段が原稿の下地色に応じて画像データを複数のグループのいずれかに分類し、色補正処理手段が分類されたグループに対応する色補正テーブルを用いて色補正を行うことで、下地色の除去に伴う下地色以外の色の変化を抑制し、色再現性を向上させることができる。また、記録用紙の画像読取動作、および補正テーブルの生成を画像形成を行う毎に行う必要がないので、上記特許文献2の技術に比べて装置構成を簡略化、処理時間の削減、消費電力の低減を図ることができる。
【0022】
また、上記各色補正テーブルは、上記下地色除去に伴う下地色以外の色の変化が小さくなるように設定されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、上記各色補正テーブルに格納されるデータは、上記下地色除去に伴う下地色以外の色の変化が小さくなるように設定されている。すなわち、各色補正テーブルは、除去される下地色に応じて、下地色除去に伴う下地色以外の色の変化が小さくなるように設定されている。これにより、下地色の除去に伴う下地色以外の色の変化を確実に抑制することができ、色補正処理を下地色に応じてより適切に行うことができる。
【0024】
また、上記色補正テーブルは、第1の表色系からなる画像データを、第2の表色系からなる画像データに変換するように設定されていてもよい。すなわち、上記色補正テーブルは、色補正処理と、第1の表色系(例えばRGB)からなる画像データを第2の表色系(例えばCMY)からなる画像データに変換する色変換処理とを同時に行うためのものであってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、色補正処理と色変換処理とを共通のテーブルを用いて行えるので、画像処理装置の構成を簡略化することができる。
【0026】
また、上記原稿種別判別手段は、注目画素を含む複数の画素からなるブロックが下地領域に属するかどうかを判定し、上記下地色除去手段は、上記原稿種別判別手段によって下地領域であると判定されたブロックについて上記下地色の除去を行い、上記色補正手段は、上記原稿種別判別手段によって下地領域であると判定されたブロックについて上記色補正を行う構成としてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、原稿種別判別手段によって画像データの各ブロックが下地領域に属するかどうかを判定し、下地領域のブロックに対して上記の下地色除去および色補正を行うことができる。したがって、下地領域の各ブロックに対して下地色除去処理および色補正処理を適切に施すことができ、その他の領域のブロックに対しては、各領域の種別に応じた処理を施すことができる。
【0028】
本発明の画像処理方法は、上記の課題を解決するために、原稿から読み取った画像データに対して、上記原稿の原稿種別に応じた画像処理を施す画像処理方法であって、注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別する原稿種別判別工程と、上記画像データから下地色の濃度成分を除去する下地色除去工程とを含み、上記下地色除去工程では、上記原稿種別判別工程で判別した原稿種別に応じて下地色の濃度成分の除去量を調整することを特徴としている。
【0029】
上記の方法によれば、原稿種別判別工程で、注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別する。そして、下地色除去工程で、原稿種別判別手段の判別した原稿種別に応じて下地色の濃度成分の除去量を調整する。これにより、原稿種別に応じて下地除去量を調整することができ、原稿種別に応じて適切な下地除去を行うことができる。
【0030】
また、上記の方法に加えて、上記原稿の下地色に応じて上記画像データを複数のグループのいずれかに分類する下地色判別工程と、上記各グループに対応する下地色にそれぞれ対応して設けられた、色補正の前後の画像データを対応付けた複数の色補正テーブルのうち、上記下地色判別工程で分類したグループに対応する色補正テーブルを用いて上記画像データを色補正する色補正処理工程とを含めてもよい。
【0031】
上記の方法によれば、各グループに対応する下地色にそれぞれ対応して設けられた複数の色補正テーブルのうち、下地色判別工程で分類したグループに対応する色補正テーブルを用いて画像データを色補正する。したがって、下地色除去処理が下地色以外の色に及ぼす影響を、原稿の下地色のグループ毎に考慮して各色補正テーブルのデータを設定できるので、下地色の除去に伴う下地色以外の色の変化を抑制し、色再現性を向上させることができる。
【0032】
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの画像処理装置を備えていることを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、原稿種別に応じて下地除去量を調整することができ、原稿種別に応じて適切な下地除去を行うことができる。
【0034】
なお、上記画像処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより、上記画像処理装置をコンピュータにて実現させる画像処理プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明の画像処理装置では、下地色除去手段が、原稿種別判別手段の判別した原稿種別に応じて下地色の濃度成分の除去量を調整する。また、本発明の画像処理方法では、下地色除去工程において、原稿種別判別工程で判別した原稿種別に応じて下地色の濃度成分の除去量を調整する。
【0036】
これにより、原稿種別に応じて下地除去量を調整することができ、原稿種別に応じて適切な下地除去を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明の画像処理装置をデジタルカラー複写機(画像形成装置)に適用した場合について説明する。
【0038】
(1−1.カラー画像処理装置2)
図2は、本発明のカラー画像処理装置(画像処理装置)2を適用したデジタルカラー複写機の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、本実施形態にかかるデジタルカラー複写機は、カラー画像入力装置1、カラー画像処理装置2、カラー画像出力装置3および操作パネル4を備えている。カラー画像処理装置2は、A/D変換部11、シェーディング補正部12、原稿種別自動判別部(原稿種別判別手段)13、入力階調補正部(下地色除去手段)14、領域分離処理部15、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、出力階調補正部19および階調再現処理部20を備えている。
【0039】
カラー画像入力装置(画像読取手段)1は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部(図示せず)より構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置2に入力するものである。
【0040】
カラー画像入力装置1にて読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置2内を、A/D変換部11、シェーディング補正部12、原稿種別自動判別部13、入力階調補正部14、領域分離処理部15、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、出力階調補正部19および階調再現処理部20の順に送られ、CMYKのデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置3へ出力される。
【0041】
A/D(アナログ/デジタル)変換部11は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換するもので、シェーディング補正部12は、A/D変換部11より送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置1の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施すものである。また、シェーディング補正部12ではカラーバランスの調整を行う。
【0042】
原稿種別自動判別部13では、シェーディング補正部12にて各種の歪みが取り除かれカラーバランスの調整がなされたRGB信号(RGBの反射率信号)を濃度信号などカラー画像処理装置2に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換するとともに、原稿種別の判別を行う。この原稿種別自動判別部13で生成された原稿種別判定信号は、入力階調補正部14、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、階調再現処理部20に出力される。なお、原稿種別自動判別部13の詳細については後述する。
【0043】
入力階調補正部14は、下地色(下地色の濃度成分)の除去やコントラストなどの画質調整処理を施すものである。なお、入力階調補正部14の詳細については後述するが、入力階調補正部14は、原稿種別自動判別部13の判別した原稿種別等に応じて下地色の濃度成分の除去量を調整するようになっている。また、入力階調補正部14は、複数の下地色除去用テーブルを有しており、下地色の階調レベルに応じた下地色除去用テーブルを選択して下地色の除去を行うようになっている。
【0044】
領域分離処理部15は、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真(印画紙写真)領域のいずれかに分離するものである。領域分離処理部15は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、および階調再現処理部20へと出力するとともに、入力階調補正部14より出力された入力信号をそのまま後段の色補正部16に出力する。
【0045】
色補正部16は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。なお、色補正部16の詳細については後述するが、色補正部16は、下地色除去後に残る色の色味が下地色除去処理の影響によって極端に変化しないように調整した色補正テーブルを下地色に応じて複数備えている。これにより、本実施形態では、入力階調補正によって下地色の濃度成分の除去を行った画像データの色補正を行う場合であっても、色補正後の色味が極端に変化することを抑制し、原稿の色を適切に再現できるようになっている。
【0046】
黒生成下色除去部17は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行うものであって、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
【0047】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式(1)で表される。
【0048】
K’=f{min(C,M,Y)}
C’=C−αK’
M’=M−αK’
Y’=Y−αK’ (1)
空間フィルタ処理部18は、黒生成下色除去部17より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理するものである。階調再現処理部20も、空間フィルタ処理部18と同様に、CMYK信号の画像データに対して領域識別信号を基に所定の処理を施すものである。
【0049】
例えば、領域分離処理部15にて文字に分離された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部18による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部20においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が選択される。
【0050】
また、領域分離処理部15にて網点領域に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部18において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部19では、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置3の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部20で、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。領域分離処理部15にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
【0051】
操作パネル4は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部(図示せず)と設定ボタンなどより構成され、操作パネル4より入力された情報に基づいてカラー画像入力装置1、カラー画像処理装置2、カラー画像出力装置3の動作が制御される。
【0052】
上述した各処理が施された画像データは、一旦記憶手段に記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置3に入力される。このカラー画像出力装置3は、画像データを記録媒体(例えば紙等)上に出力するもので、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができるが特に限定されるものではない。なお、以上の処理は図示しないCPU(Central Processing Unit)により制御される。
【0053】
(1−2.原稿種別自動判別部13)
次に、原稿種別自動判別部13の構成について説明する。なお、ここでは、原稿種別自動判別部13の一構成例について具体的に説明するが、原稿種別自動判別部13はこの構成に限るものではなく、少なくとも文字原稿と文字原稿以外の原稿とを判別できるものであればよい。
【0054】
図3は、図2に示した原稿種別自動判別部13の構成を示すブロック図である。この原稿種別自動判別部13は、図3に示すように、最小濃度値算出部21(特徴量抽出部)、最大濃度値算出部22(特徴量抽出部)、最大濃度差算出部23(特徴量抽出部)、総和濃度繁雑度算出部24(特徴量抽出部)、判定領域設定部(第1面積階調画素検出部、第2面積階調画素検出部)25、最大濃度差閾値設定部(判定基準設定部)26、総和濃度繁雑度閾値設定部(判定基準設定部)27、文字・網点判定部(第1面積階調画素検出部)28、下地・印画紙判定部29、文字・網点判定閾値設定部(判定基準設定部)30、下地・印画紙判定閾値設定部31、第2面積階調画素抽出部32、文字画素計数部33、第1面積階調画素計数部34、下地画素計数部35、印画紙画素計数部36、面積階調画素判定部(種別決定部)37、面積階調画素判定閾値設定部(種別決定部)38および原稿判定部(種別決定部)39を備えている。
【0055】
最小濃度値算出部21は、複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロックの最小濃度値を算出する。最大濃度値算出部22は、上記ブロックの最大濃度値を算出する。最大濃度差算出部23は、最小濃度値算出部21および最大濃度値算出部22にて算出された最小濃度値および最大濃度値を用いて上記ブロックの最大濃度差を算出する。総和濃度繁雑度算出部24は、上記ブロックの隣接する画素同士の濃度差の絶対値の総和を算出する。
【0056】
判定領域設定部25は、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と最大濃度差閾値設定部26から与えられる第1最大濃度差閾値THd1とを比較し、また総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値設定部27から与えられる第1総和濃度繁雑度閾値THb1とを比較することにより、上記ブロックの注目画素が下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定する。
【0057】
さらに、判定領域設定部25は、最大濃度差算出部23にて算出された上記最大濃度差と最大濃度差閾値設定部26から与えられる第2最大濃度差閾値THd2(THd1>THd2)とを比較し、また総和濃度繁雑度算出部24にて算出された上記総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値設定部27から与えられる第2総和濃度繁雑度閾値THb2(THb1>THb2)とを比較する。これにより、上記ブロックについて、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2以上であり、かつ総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2以上の条件を満たすか否かを判定する。
【0058】
上記第1最大濃度差閾値THd1および第1総和濃度繁雑度閾値THb1を用いた判定処理、並びに第2最大濃度差閾値THd2および第2総和濃度繁雑度閾値THb2を用いた判定処理は、注目画素に対して順次行われる。すなわち、原稿種別自動判別部13では、1つの注目画素がいずれの領域に属するかの判定処理を最大濃度差閾値と総和濃度繁雑度閾値という2種類の閾値を用いて判定している。また、注目画素を順次シフトするのに伴い、その注目画素を含むブロックの領域も順次シフトする。これら判定処理に伴う種々の制御はCPUにより行われる。
【0059】
最大濃度差閾値設定部26は、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差に基づいて注目画素が下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定するための第1最大濃度差閾値THd1、および注目画素が第2面積階調画素であるか否かを判定するための第2最大濃度差閾値THd2(THd1>THd2)を設定する。これら第1最大濃度差閾値THd1および第2最大濃度差閾値THd2は判定領域設定部25において使用される。
【0060】
総和濃度繁雑度閾値設定部27は、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度に基づいて注目画素が下地領域・印画紙領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定するための第1総和濃度繁雑度閾値THb1、および注目画素が第2面積階調画素であるか否かを判定するための第2総和濃度繁雑度閾値THb2(THb1>THbを設定する。これら第1総和濃度繁雑度閾値THb1および第2総和濃度繁雑度閾値THb2は、判定領域設定部25において使用される。
【0061】
なお、第2最大濃度差閾値THd2、第2総和濃度繁雑度閾値THb2としては、例えば印画紙写真領域に属する画素を検出するための閾値を参考に、面積階調画素領域としての特徴を有していると判断される画素、すなわち、網点印刷で使用されている網点(第1面積階調画素)だけでなく、誤差拡散、ディザ処理、万線等により階調再現がなされている画素(第2面積階調画素)も含めて広い範囲で面積階調画画素領域の画素を抽出できるように設定される。
【0062】
文字・網点判定部28は、上記判定領域設定部25において文字・網点領域に属すると判別された画素について、その画素が文字領域と網点領域(第1面積階調画素)とのいずれに属するかを判定する。文字・網点判定閾値設定部30は、文字・網点判定部28において上記判定を行うための文字・網点判定閾値を設定する。
【0063】
下地・印画紙判定部29は、上記判定領域設定部25において下地領域・印画紙領域に属すると判別された画素について、その画素が下地領域と印画紙領域(印画紙写真領域。連続階調領域)とのいずれに属するかを判定する。下地・印画紙判定閾値設定部31は、下地・印画紙判定部29において前記判定を行うための下地・印画紙判定閾値を設定する。
【0064】
第2面積階調画素抽出部32は、画素抽出部(第2面積階調画素検出部)41、補正部42および画素計数部43を備えている。
【0065】
画素抽出部41は、判定領域設定部25において、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2以上であり、かつ総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2以上であると判定されたブロックの注目画素について、上記最大濃度差に上記文字・網点判定閾値を掛けた値と上記総和濃度繁雑度とを比較し、総和濃度繁雑度が最大濃度差×文字・網点判定閾値以上であるという条件を満たすブロックの注目画素を第2面積階調画素として抽出する。
【0066】
補正部42は、判定領域設定部25において、第2最大濃度差閾値THd2および第2総和濃度繁雑度閾値THb2を用いた判定処理で文字領域・網点領域のいずれにも属さないものと判定された画素、あるいは、画素抽出部41おいて第2面積階調画素として抽出されなかった画素(対象画素)のうちから、第2面積階調画素と見なし得るものを第2階調画素として扱うように補正する。この補正の可否は上記対象画素を注目画素として、その周辺画素の判定結果を参照して判断する。
【0067】
画素計数部43は、画素抽出部41および補正部42において第2面積階調画素であると判定された画素数(見なされた画素の数を含む)を計数する。
【0068】
文字画素計数部33は、文字・網点判定部28において文字領域に属すると判定された画素数を計数する。第1面積階調画素計数部34は、文字・網点判定部28において網点領域(第1面積階調画素)に属すると判定された画素数を計数する。下地画素計数部35は、下地・印画紙判定部29において下地領域に属すると判定された画素数を計数する。印画紙画素計数部36は、下地・印画紙判定部29において印画紙写真領域に属すると判定された画素数を計数する。なお、これら計数値は原稿画像全体についての合計値である。
【0069】
面積階調画素判定部37は、第1面積階調画素計数部34での網点領域(第1面積階調画素)に属する画素の計数結果および第2面積階調画素抽出部32の画素計数部43での第2面積階調画素の計数結果と面積階調画素判定閾値設定部38から与えられる面積階調画素判定閾値とを比較し、原稿画像に網点(第1面積階調画素)が含まれているか否かを判定する。面積階調画素判定閾値設定部38は、面積階調画素判定部37において使用される面積階調画素判定閾値を設定する。
【0070】
原稿判定部39は、文字画素計数部33、下地画素計数部35、印画紙画素計数部36および面積階調画素判定部37からの各画素数の計数結果および判定結果に基づいて原稿種別を判定する。
【0071】
ここで、文字、網点、印画紙写真および下地の各領域における画素濃度の分布の例を図4(a)〜図4(d)に基づいて説明する。また、上記の各領域の最大濃度差と総和濃度繁雑度とを指標とした分布を図5に基づいて説明する。なお、総和濃度繁雑度と最大濃度差との関係において総和濃度繁雑度が最大濃度差以下となることはなく、図5における最大濃度差=総和濃度繁雑度以下の領域は、画素が存在しない領域を示している。
【0072】
下地領域は、図4(a)に示すように、通常、濃度変化が少ないため、最大濃度差および総和濃度繁雑度ともに非常に小さくなり、図5に示す領域Aに分布している。したがって、下地・印画紙領域に属すると判別された画素であって下地・印画紙判定閾値よりも最大濃度差が小さい画素は、下地画素であると判別することが可能である。
【0073】
印画紙写真領域は、図4(b)に示すように、通常、滑らかな濃度変化をしており、最大濃度差および総和濃度繁雑度がともに小さく、かつ、下地領域よりも多少大きくなるため、図5に示す領域Bに分布している。したがって、下地領域・印画紙領域に属すると判別された画素であって下地・印画紙判定閾値よりも最大濃度差が大きいブロックの画素(注目画素)は、印画紙領域に属するものであると判別することが可能である。
【0074】
網点領域は、図4(c)に示すように、最大濃度差が網点によりさまざまであるものの、網点の数だけ濃度変化が存在するので、最大濃度差に対する総和濃度繁雑度の割合が大きくなる。このため、図5に示す領域Dのような分布になる。したがって、文字・網点領域に属すると判別された画素であって最大濃度差と文字・網点判定閾値との積よりも総和濃度繁雑度が大きいブロックの画素(注目画素)は、網点領域に属するものであると判別することが可能である。
【0075】
文字領域は、図4(d)に示すように、最大濃度差が大きく、それに伴い総和濃度繁雑度も大きくなるものの、網点領域よりも濃度変化が少ないため、網点領域よりも総和濃度繁雑度が小さくなる。特に、最大濃度差に対する総和濃度繁雑度の割合が小さくなるため、図5に示す領域Cのような分布になる。したがって、文字・網点領域に属すると判別された画素であって最大濃度差と文字・網点判定閾値との積よりも総和濃度繁雑度が小さいブロックの画素(注目画素)は、文字領域に属するものであると判別することが可能である。
【0076】
上述したように、下地領域および印画紙写真領域は、最大濃度差および総和濃度繁雑度が文字領域および網点領域に比べて小さくなる。したがって、最大濃度差を最大濃度差閾値(第1最大濃度差閾値THd1)と比較するとともに、総和濃度繁雑度を総和濃度繁雑度閾値(第1総和濃度繁雑度閾値THb1)と比較することにより、判定領域設定部25では、注目画素が下地・印画紙領域と文字・網点領域とのいずれに属するかを判別することが可能となる。
【0077】
次に、第1面積階調画素と第2面積階調画素について説明する。図6(a)は第1面積階調画素(網点)を含む領域における1網点(1ドット)付近の画素の濃度値を示す説明図であり、図6(b)は第1面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。同様に、図7(a)は第2面積階調画素を含む領域における1ドット付近の画素の濃度値を示す説明図であり、図7(b)は第2面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。なお、図6(a)および図7(a)では、ドットの濃度を6値で表しており、「0」は最低濃度(白:地肌)であり、「5」は最大濃度である。
【0078】
網点印刷で用いられる網点(第1面積階調画素)は濃淡が明確であり、印刷物に適した線数が用いられる。したがって、網点印刷原稿において網点の濃度が高く網点の間隔はほぼ一定である(図6(a)、図6(b)参照)。
【0079】
上記の構成において、原稿種別自動判別部13による原稿種別判別処理の動作を図8から図11に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下では、複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロックがn×m(例えば、15×15)画素からなるものとする。
【0080】
まず、注目画素を含むn×m画素のブロックについて、最小濃度値算出部21では最小濃度値を算出し(S1)、最大濃度値算出部22では最大濃度値を算出する(S2)。次に、最大濃度差算出部23では、算出された最小濃度値および最大濃度値を用いて上記ブロックにおける最大濃度差を算出する(S3)。一方、総和濃度繁雑度算出部24では、上記ブロックにおける、隣接する画素の濃度差の絶対値の総和、つまり総和濃度繁雑度を算出する(S4)。これら最大濃度差の算出処理と総和濃度繁雑度の算出処理とは順次行われてもよく、並行して行われてもよい。
【0081】
次に、判定領域設定部25では、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と第1最大濃度差閾値THd1および第2最大濃度差閾値THd2とを比較し、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と第1総和濃度繁雑度閾値THb1および第2総和濃度繁雑度閾値THb2とを比較する(S5およびS6、S151およびS152(図9参照))。
【0082】
そして、判定領域設定部25では、最大濃度差が第1最大濃度差閾値THd1よりも小さく、かつ総和濃度繁雑度が第1総和濃度繁雑度閾値THb1よりも小さい場合に(S6)、そのブロックに含まれる注目画素を下地・印画紙領域のものと判定する(S7)。一方、S6において上記条件を満たさない場合に、上記注目画素を文字・網点領域のものと判定する(S9)。
【0083】
この判定において注目画素が下地・印画紙領域のものと判定された場合に、下地・印画紙判定部29では、その注目画素を含むブロックの上記最大濃度差と下地・印画紙判定閾値とを比較する(S8)。この比較の結果、最大濃度差の方が小さければその注目画素を下地領域のものと判定し(S11)、最大濃度差の方が大きければその注目画素を印画紙領域のものと判定する(S12)。
【0084】
一方、S9の判定において注目画素が文字・網点領域のものと判定された場合に、文字・網点判定部28では、その注目画素を含むブロックの上記最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値と上記総和濃度繁雑度とを比較する(S10)。この比較の結果、総和濃度繁雑度の方が小さければその注目画素を文字領域のものと判定し(S13)、総和濃度繁雑度の方が大きければ、その注目画素を網点領域のものと判定する(S14)。
【0085】
次に、原稿種別自動判別部13では、原稿画像の全ての画素について以上の判定が終了しているか否かを判定し(S16:図11)、終了していなければS1に戻ってそれ以下の処理を繰り返す。一方、終了していれば、S17〜S19の処理を経た後、原稿判定部39において原稿種別の判定を行う(S20)。
【0086】
原稿種別自動判別部13では、上記S5〜S14の処理と並行して、第2面積階調画素抽出部32による第2面積階調画素抽出処理(S15)を行う。この処理の詳細を図9のフローチャートに示す。
【0087】
判定領域設定部25では、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と第2最大濃度差閾値THd2とを比較し、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と第2総和濃度繁雑度閾値THb2とを比較する(S151およびS152)。
【0088】
第2面積階調画素抽出部32の画素抽出部41では、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2以上であり、かつ総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2以上であると判定されたブロックについて、最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値と総和濃度繁雑度とを比較する(S153)。この比較の結果、総和濃度繁雑度の方が大きければ、そのブロックに含まれる注目画素を第2面積階調画素領域のものと判定する(S155)。
【0089】
一方、S152において、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2よりも小さい、あるいは総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2よりも小さいと判定されたブロックの注目画素、およびS153において、総和濃度繁雑度が最大濃度差×文字・網点判定閾値よりも小さいと判定されたブロックの注目画素については、補正部42が補正処理の候補画素とし、適宜補正処理を行う(S154)。この補正処理について、図10のフローチャートおよび図12を用いて以下に説明する。
【0090】
まず、図12に示すように、注目画素の左側に隣接する画素が第2面積階調画素と判定されているか否かを判定する(S161)。なお、図12においては、左側の画素から右側の画素に処理が進行し、注目画素の左側の画素については既に処理が終了しているものとする。処理が右側の画素から左側の画素に進行する場合はその逆となる。また、処理は上側のラインから下側のラインへ進行するものとする。
【0091】
次に、注目画素に隣接する1つ前のラインの所定領域内に存在する第2面積階調画素と判定された画素の数を計数し(S162)、その計数値と予め定めされる閾値THsとを比較する(S163)。この比較の結果、第2面積階調画素の数が閾値THs以上であれば、注目画素についての判定結果を第2面積階調画素に変更する(S164)。一方、第2面積階調画素の数が閾値THbsよりも少なければ、注目画素の判定結果の変更は行わない(S165)。
【0092】
上記1つ前のラインの所定領域は、注目画素に隣接する画素を含むように選択され、例えば、10画素程度の領域として設定される。この所定領域は注目画素とする画素を順次シフトして行くのに応じて同方向にシフトする。なお、所定領域を10画素程度の領域とした場合、閾値THsは例えば3に設定する。
【0093】
上記のように、第2面積階調画素抽出部32では、最大濃度差と第2最大濃度差閾値とを比較し、さらに総和濃度繁雑度と第2総和濃度繁雑度閾値および最大濃度差×文字・網点判定閾値とを比較し、面積階調画素としての特徴量を有する画素を第2面積階調画素として抽出している。さらに、面積階調画素としての特徴量を有していないと判定された画素のうちから、所定領域の情報(注目画素に対する周辺画素の判定結果)に基づいて第2面積階調画素と見なし得る画素を第2面積階調画素として加算している。
【0094】
なお、第2面積階調画素抽出部32でのS153の判定では、S10での最大濃度差×文字・網点判定閾値をそのまま用いているが、これに限定されず、異なる値を設定してもよい。例えば、S10で用いる値よりも小さい値に設定してもよい。具体的には、S10で用いる値を6とした場合、S153では4に設定してもよい。
【0095】
次に、面積階調画素判定部37での判定動作について図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0096】
面積階調画素判定部37では、第1面積階調画素計数部34による第1面積階調画素の計数値をCs1、画素計数部43による第2面積階調画素の計数値をCs2、面積階調画素判定閾値設定部38における面積階調画素判定閾値をTHsとすると、
Cs1/Cs2>THs
を満たす場合に、その原稿画像に印刷網点が含まれていると判定し(S17、S18)、第1面積階調画素の計数値を網点の計数値とする。一方、上式を充たさない場合に、その原稿画像に印刷網点が含まれていないと判定する(S17、S19)。この判定において、面積階調画素判定閾値THsは例えば0.15とする。面積階調画素判定閾値THsは、種々の画像サンプルを基に、適切な値を設定すれば良い。
【0097】
次に、原稿判定部39における原稿種別判別動作について詳細に説明する。原稿判定部39での原稿種別の判別は、面積階調画素判定部37において上記のように原稿画像に印刷網点が含まれていると判定された場合(図11のS18)に、例えば、その原稿についてプレスキャンを行って得た画像データを用いて画素の判別を行い、判別された画素数を計数し、予め用意されている下地領域、印画紙領域、網点領域および文字領域に対する閾値と比較することにより原稿全体の種別の判定を行う。
【0098】
具体的には、例えば、文字領域の比率と網点領域の比率とが、それぞれ閾値以上の場合は、文字/網点印刷原稿(文字印刷写真原稿)であると判定する。また、文字、網点、印画紙写真の順に検出精度が高くなっている場合において、文字領域の比率が全画素数の30%の場合には文字原稿、網点領域の比率が全画素数の20%の場合には網点印刷原稿(印刷写真原稿)、印画紙写真領域の比率が全画素数の10%の場合には印画紙写真原稿であると判定する。
【0099】
なお、以上の説明では、面積階調画素判定部37において、第1面積階調画素の計数結果と第2面積階調画素の計数結果との比を用いて原稿画像に印刷網点が含まれるか否かの判定を行っているが、上記比に代えて、両者を加算した結果や両者の差など、第1面積階調画素と第2面積階調画素の計数結果に対して演算処理を行った結果を用いることが可能である。
【0100】
また、上記では、S154として補正処理を行っているが、この補正処理は必須のものではない。補正処理を行わない場合には、上記のように算出された最大濃度差、総和濃度繁雑度に対して、第2最大濃度差閾値、第2総和濃度繁雑度閾値および最大濃度差×文字・網点判定閾値を用いて第2面積階調画素を判定する場合、第2面積階調画素を面積階調画素としての特徴量を有している画素とし、上記網点判定処理で用いる面積階調画素判定閾値設定部38の面積階調画素判定閾値を例えば0.30と高く設定すれば良い。
【0101】
また、原稿種別自動判別部13が特徴量として最大濃度差、総和濃度繁雑度を用いて処理を行う方法について説明を行ったが、特徴量はこれらに限定されるのもではなく、ランレングスや反転回数であっても構わない。また、上記では、注目画素を下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域に判別し、再度、下地領域と印画紙領域に判別する例について示したが、文字領域、網点領域、印画紙領域、下地領域に含まれるか否かをそれぞれ並列に判別処理する方法であっても構わない。また、文字領域と網点領域をまとめてその他領域としても良い。
【0102】
なお、原稿種別自動判別部13は、原稿1ページを走査したのちに判別結果を後段各処理へとフィードフォローするために、少なくとも原稿1ページ分のデータをバッファリング(一時保管)するバッファ部(図示せず)を有している。
【0103】
次に、原稿種別の判別がなされた場合、原稿種別自動判別部13の判別結果に基づく、後段の各処理部での処理の例について説明する。
【0104】
複数の領域が混在しないと判別された場合は上述した領域分離処理と同様である。一方、複数の領域が混在すると判別された場合はそれぞれの領域処理の中間パラメータを使用し、原稿種別判別処理で判別されなかった領域処理のパラメータは使用しないようにすればよい。
【0105】
例えば、詳細は後述するが、入力画像(原稿)が文字原稿であると判別された場合には、入力階調補正処理において、ハイライト(高輝度部分)の下地除去量を多めに設定したり、コントラストを大きくしたりするような補正曲線を用いる。
【0106】
また、色文字に対しては彩度を重視した色補正処理を行う一方、黒文字に対しては黒生成下色除去処理(CMY3色の重なりからなるグレー成分を減らしてK(黒)成分で置き換える処理)において黒生成量が多めに設定される。また、文字に対しては、空間フィルタ処理でエッジを強調し、平滑化処理を弱くするようにフィルタ係数を設定する等のパラメータの切り替え等が行われる。
【0107】
入力画像が文字印画紙写真原稿であると判別された場合は、各処理において、文字原稿処理と印画紙写真原稿処理の中間パラメータを用いた処理が行われる。文字原稿又は印画紙写真原稿のいずれを重視するかにより、入力階調補正処理では、印画紙写真原稿処理と文字原稿処理との中間のパラメータを用いてハイライトの除去やコントラストの調整を行い、また、彩度の強弱や階調性のバランスが極端にならないような色補正処理を行う。また、黒生成下色除去処理では、印画紙写真画像に影響が出ない程度に黒生成量の調整を行うようにすればよい。
【0108】
次に、入力階調補正部14および色補正部16の構成、ならびに下地領域に対する色補正処理について説明する。まず、入力階調補正部14の構成について説明する。
【0109】
(1−3.入力階調補正部14)
図13は、入力階調補正部14の構成を示すブロック図である。この図に示すように、入力階調補正部14は、階調レベル判定部(階調判別手段)51、階調補正処理部52、階調補正テーブル記憶部53を備えている。
【0110】
階調レベル判定部51には、原稿種別自動判別部13の判別結果を示す原稿種別判定信号が入力される。階調レベル判定部51は、この原稿種別判定信号に基づいて、下地領域に属すると判定されたブロック(複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロック)の階調レベルを複数段階(本実施形態ではTS16〜TS32の17段階)に分類し、この分類結果を階調補正処理部52に出力する。
【0111】
ここで、階調レベル判定部51における階調レベルの分類方法について説明する。表1〜表3は、入力階調補正部14に入力された下地領域の画像データにおけるR,G,B成分の各階調と分類される段階との関係を示している。
【0112】
【表1】


【0113】
【表2】


【0114】
【表3】


【0115】
表1に示すように、上記ブロックの各画素におけるR,G,Bの信号が、R≧230かつR−G≧20かつR−B≧20の関係を満たす場合にはTS16に分類する。同様に、R≧230かつR−G≧16かつR−B≧16の場合にはTS17に分類し、R≧230かつR−G≧12かつR−B≧12の場合にはTS18に分類し、R≧230かつR−G≧8かつR−B≧8の場合にはTS19に分類する。なお、TS16〜TS19に分類される下地色は、ピンク系の色である。
【0116】
また、表2に示すように、上記ブロックの各画素におけるR,G,Bの信号が、Rmax≧235かつGmin≧231かつR−G<4かつR−B<4の関係を満たす場合にはTS20に分類し、Rmax≧243かつGmin≧236かつR−G<4かつR−B<4の関係を満たす場合にはTS21に分類し、Rmax≧247かつGmin≧244かつR−G<4かつR−B<4の関係を満たす場合にはTS22に分類する。なお、TS20〜TS22に分類される下地色は、グレー系の色である。
【0117】
また、表3に示すように、上記ブロックの各画素におけるR,G,Bの信号が、B≧230かつR−B≧20かつG−B≧20の関係を満たす場合にはTS23に分類し、B≧230かつR−B≧16かつG−B≧16の関係を満たす場合にはTS24に分類し、B≧230かつR−B≧12かつG−B≧12の関係を満たす場合にはTS25に分類し、B≧230かつR−B≧8かつG−B≧8の関係を満たす場合にはTS26に分類する。なお、TS23〜26に分類される下地色は、イエロー系の色である。
【0118】
TS16〜TS27のいずれにも該当しない下地色は白系の色であり、これら白系の下地色からなる画像データは、R,G、Bの階調レベルに応じてTS28〜TS32のいずれかのレベルに分類される。TS28〜TS32の分類方法については任意に設定すればよい。
【0119】
階調補正テーブル記憶部53には、複数の原稿種別(あるいは原稿種別のグループ)のそれぞれについて、上記のように分類される下地色の階調レベル(TS16〜TS32)に対応して設けられた複数の下地色除去用テーブル(入力階調−出力階調の変換テーブル)が対応して格納されている。つまり、TS16〜TS32の17段階の下地色除去テーブルが複数セット(17段階×原稿種別数(あるいは原稿種別のグループ数))格納されている。これらの各下地色除去用テーブルは、それぞれの階調レベルに応じて、入力画像データと下地色の除去を行った後の出力画像データとを対応付けたデータからなる。
【0120】
図18は、文字原稿,印画紙写真原稿,文字印画紙写真原稿(文字と写真の混じった原稿)における1ページ分の濃度出現頻度の一例を表したグラフである。図19は、文字原稿に対する下地色除去テーブル(γカーブ)の一例、および写真原稿に対する下地色除去テーブルの一例を示すグラフである。この図に示すように、文字原稿では下地部と文字部の区別が付きやすいので、階調レベルの判定結果が同じ場合、文字原稿用の下地色除去テーブルは写真原稿用の下地色除去テーブルよりもハイライトの下地除去量が多く設定する。これにより、文字原稿に対する下地除去量が不足して下地色の成分が残ってしまうことを防止できる。一方、写真原稿用の下地色除去テーブルは、文字原稿用の下地色除去テーブルよりも下地除去量を抑えている。これにより、写真原稿の場合に、例えば下地除去を行うべきでない箇所の下地除去が行われるといった不具合が生じることを防止できる。
【0121】
なお、本実施形態では、網点印刷原稿および印画紙原稿における濃度出現頻度は、マクロ視点(原稿全体)で見た場合にはほとんど差異がないので(ただし、ミクロ視点(数画素程度の範囲)での濃度出現頻度や画像平面上の出現パターンは異なる)、下地除去用テーブルについては網点印刷原稿と印画紙原稿とで同じテーブルを用いている。
【0122】
また、本実施形態では、印刷写真原稿(網点などの面積階調(階調をON/OFFの面積で表現する方法)による中間調表現がされている原稿)および印画紙写真原稿(面積階調によらず、染料や顔料自体を変えることによって中間調表現がされている原稿)に対して同じ下地除去用テーブルを用いている。ただし、機器の特性(例えば画像読取装置の解像力等)に応じて、それぞれ専用の下地除去用テーブルを用いてもよい。
【0123】
また、本実施形態では、文字印画紙写真原稿に対する下地色除去用テーブルとして、文字原稿用の下地色除去テーブルと印画紙写真原稿用の下地色除去用テーブルとの中間の下地除去量を有するテーブルを用いている。ただし、これに限らず、文字印画紙写真原稿に対する下地色除去用テーブルとして、印画紙写真原稿用の下地色除去用テーブルを用いてもよい。したがって、文字と写真とが混在する原稿の場合、下地除去と階調再現のどちらを優先すべきかに応じて下地除去量を適宜設定(あるいは下地色除去用テーブルを適宜選択)すればよい。
【0124】
図14は、下地色除去用テーブル(γカーブ)の一例を示すグラフである。なお、本実施形態では、R,G,Bの各データに対して原稿種別(あるいは原稿種別のグループ)および階調レベル毎に共通のテーブルを用いているが、これに限らず、R,G,Bのそれぞれについて個別のテーブルを用意してもよい。
【0125】
階調補正処理部52は、原稿種別自動判別部13の判別した原稿種別および階調レベル判定部51の分類結果に基づいて、階調補正テーブル記憶部53に格納されている下地色除去用テーブルの中から原稿種別および下地色の階調レベルに応じたテーブルを選択し、選択したテーブルを参照して原稿種別自動判別部13から入力された画像データ(R,G,B)を出力画像データ(R’,G’,B’)に変換して領域分離処理部15に出力する。なお、階調レベル判定部51に下地領域以外の原稿種別判定信号が入力された場合、例えば、階調レベル判定部51が原稿種別判定信号をそのまま階調補正処理部52に出力し、階調補正処理部52が原稿種別に応じた階調補正テーブルを選択して階調補正処理を行うようにしてもよい。
【0126】
(1−4.色補正部16)
図15は、色補正部16の構成を示すブロック図である。この図に示すように、色補正部16は、下地色判定部(下地色判別手段)61、色補正処理部(色補正処理手段)62、色補正テーブル記憶部63を備えている。
【0127】
下地色判定部61は、原稿種別自動判別部13の判別結果を示す原稿種別判定信号が入力され、この原稿種別判定信号に基づいて、下地領域に属すると判定されたブロック(複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロック)を下地色の色系統に応じて複数のグループに分類する。本実施形態では、上記した入力階調補正部14に備えられる階調レベル判定部51と同様の方法で上記ブロックの階調レベルをTS16〜TS32の17段階に分類し、さらにTS23〜TS26(イエロー系の下地色)に分類されたブロックをグループA、TS20〜TS22(グレー系の下地色)に分類されたブロックをグループB、TS16〜TS19(ピンク系の下地色)に分類されたブロックをグループC、TS27〜TS32(白系の下地色)に分類されたブロックをグループDに分類する。そして、この分類結果を色補正処理部62に出力する。
【0128】
色補正テーブル記憶部63には、上記の各グループにそれぞれ対応して設けられた複数の色補正テーブル(色補正・色変換テーブル)が格納されている。図16は、色補正テーブル記憶部63に記憶される各色補正テーブルの概念を示す説明図である。この図に示すように、各色補正テーブルは、R’,G’,B’をそれぞれ軸とする3次元空間として表現でき、R’,G’,B’の値によって特定されるアドレスには、変換後の色データであるC,M,Yの値が格納されている。つまり、これらの色補正テーブルを用いることで、RGBからなる第1の表色系の画像データを、CMYからなる第2の表色系の画像データに変換できるようになっている。
【0129】
また、各色補正テーブルのデータは、下地色除去後に残る色の色味が極端に変化しないように、すなわち、下地色除去に伴う下地色以外の色の変化を小さくするように、それぞれの色補正テーブルに対応するグループ毎に設定されている。例えば、濃い色の下地上に薄い色の画像が形成された原稿から読み取った画像データに対して入力階調処理によって下地色の濃度成分の除去を施した画像データの色補正を行う場合であっても、原稿における薄い色の画像が忠実に色再現されるように、各色補正テーブルのデータが各テーブルに対応する下地色に応じて設定されている。
【0130】
(1−5.下地色除去処理および色補正処理)
次に、入力階調補正部14における下地色除去処理および色補正部16における色補正処理について、図17に基づいて説明する。図17は下地色除去処理および色補正処理の流れを示すフロー図である。
【0131】
原稿種別自動判別部13から入力階調補正部14に画像データ(R,G,B)および原稿種別判定信号が入力されると、図17に示すように、階調レベル判定部51が下地領域に属するブロックについて、TS16〜TS32のうちのどの階調レベルに該当するかを判定する(S201)。また、階調レベル判定部51は、判定結果を示す信号、すなわち注目しているブロックがTS16〜TS32のうちのどの階調レベルに該当するかを示す信号を階調補正処理部52に出力する。
【0132】
次に、階調補正処理部52は、原稿種別判別信号が示す原稿種別および階調レベル判定部51の判定結果が示す階調レベルに応じて下地色除去用テーブルを選択し(S202)、上記ブロックについての入力画像データ(R,G,B)を、選択した下地色除去用テーブルに基づいて出力画像データ(R’,G’,B’)に補正し、下地色の除去を行う(S203)。そして、出力画像データ(R’,G’,B’)を領域分離処理部15に出力する。なお、ここでは領域分離処理部15の処理については説明を省略する。
【0133】
領域分離処理部15から画像データ(R’,G’,B’)を入力された色補正部16では、下地色判定部61が、そのブロックがグループA〜Dのいずれに属するかを判定し、判定結果を色補正処理部62に出力する(S204)。
【0134】
色補正処理部62は、下地色判定部61の判定結果が示すグループに対応する色補正テーブルを選択し(S205)、入力画像データ(R’,G’,B’)を、選択した色補正テーブルに基づいて出力画像データ(C,M,Y)に補正する(S206)。
【0135】
図1は、入力階調補正部14における下地色除去処理、および色補正部16における色補正処理におけるルックアップテーブル(下地色除去用テーブルおよび色補正テーブル)の選択方法を示す説明図である。この図に示すように、階調レベル判定部51の判定結果が示す階調レベル(TS16〜TS32)に対応する下地色除去用テーブル(LUT16〜LUT32)を用いて下地色除去処理が行われ、下地色判定部61の判定結果が示すグループ(グループA〜D)に対応する色補正テーブル(LUT−A〜LUTD)を用いて色補正が行われる。
【0136】
以上のように、本実施形態にかかるカラー画像処理装置2では、原稿種別自動判別部13が、注目画素を含む複数の画素からなるブロックが属する領域の種別を判別し、この領域種別の判別結果に基づいて原稿種別を判別し、入力階調補正部14が原稿種別判別手段の判別した原稿種別に応じて下地色除去用テーブルを選択することで下地除去量を調整している。
【0137】
つまり、入力階調補正部14は、下地色の階調レベルに対応して設けられた複数の下地色除去用テーブルを、原稿種別(あるいは原稿種別のグループ)に対応して複数セット記憶した階調補正テーブル記憶部53と、原稿種別自動判別部13の判別した原稿種別に基づいて、階調補正テーブル記憶部53に格納されている下地色除去用テーブルの中からその原稿種別に応じたテーブルを選択し、選択したテーブルを用いて下地色除去処理を行う階調補正処理部52とを備えている。
【0138】
これにより、原稿種別に応じて下地除去量を調整することができ、原稿種別に応じて適切な下地除去を行うことができる。例えば、高コントラストが要求される文字原稿や、階調性の適切な再現が要求される写真原稿などについて、それぞれの原稿種別に応じて下地除去量を適切に設定できるので、原稿に応じた適切な下地除去を行うことができる。
【0139】
また、本実施形態では、階調補正テーブル記憶部53に、複数の原稿種別(あるいは原稿種別のグループ)のそれぞれについて、下地色の階調レベルに応じた複数の下地色除去テーブルが記憶されている。そして、入力階調補正部14には、原稿種別自動判別部13で下地領域に属すると判定されたブロック(複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロック)の階調レベルを複数段階に分類する階調レベル判定部51を備えており、階調補正処理部52が、原稿種別と階調レベル判定部51の分類した階調レベルとに応じて下地色除去用テーブルを選択し、選択したテーブルを用いて下地色除去処理を行うようになっている。
【0140】
これにより、原稿種別および下地色の階調レベルに応じて下地除去量を調節でき、より適切な下地除去処理を行うことができる。ただし、これに限らず、複数の原稿種別(あるいは原稿種別のグループ)のそれぞれについて下地色除去用テーブルを1つづつ備えた構成としてもよい。
【0141】
また、本実施形態では、下地色の階調レベルが同じ場合、文字原稿用の下地色除去テーブルは写真原稿用の下地色除去テーブルよりもハイライトの下地除去量が多くなっている。これにより、文字原稿における下地除去量を十分にするとともに、その他の原稿(例えば写真原稿)において下地除去を行うべきでない箇所の下地除去を行ってしまう不具合が生じることを防止できる。
【0142】
また、本実施形態にかかるカラー画像処理装置2では、複数の色補正用テーブルを記憶した色補正テーブル記憶部63と、画像データに基づいて下地色を判定する下地色判定部61とを備えており、下地色判定部61の判定結果に基づいて色補正処理に用いる色補正テーブルを選択するようになっている。また、各色補正テーブルは、下地色除去後に残る色に対する下地色除去に伴う色味の変化が小さくなるように、下地色の色系統に応じて設定されている。これにより、下地色の除去に伴う下地色以外の色の変化を抑制し、色再現性を向上させることができる。
【0143】
なお、本実施形態では、入力階調補正部14に備えられる階調レベル判定部51において下地領域に属するブロックの階調レベルを判別し、色補正部16に備えられる下地色判定部61において下地領域に属するブロックの色系統(グループ)を判定しているが、これに限らず、例えばこれらの各処理を階調レベル判定部51において行うようにしてもよい。
【0144】
また、本実施形態では、グループA〜Dにそれぞれ対応する4つの色補正テーブルを備えた構成について説明したが、これに限らず、少なくとも2つ以上の色補正テーブルを備えていればよい。色補正テーブルの数を増やすほど色再現性を向上させることができる一方で、色補正テーブル記憶部63に要求される記憶容量は大きくなる。したがって、色補正テーブルの数は、必要とする色再現性能と色補正テーブル記憶部63として使用するメモリのコスト等を考慮して適宜設定すればよい。
【0145】
また、色補正テーブルとして、全ての入力画像データの組み合わせに対応する出力画像データを格納したものを用いてもよく(直接変換法)、選択された一部の入力画像データの組み合わせに対応する出力画像データを格納しておき、格納されていない入力画像データの色補正を行うときには補間演算によって出力画像データを得るようにしてもよい(テーブル補間法)。テーブル補間法を採用する場合、色補正テーブル記憶部63として使用するメモリの容量を小さくし、コストの低減を図ることができる。
【0146】
また、本実施形態では、色補正テーブルとして、色補正および色変換を同時に行うためのテーブルを用いているが、これに限らず、色補正と色変換とを別々のテーブルを用いて行ってもよい。
【0147】
また、本実施形態におけるカラー画像処理装置2の各ブロックは、上記したように、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現される。
【0148】
すなわち、カラー画像処理装置2は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるカラー画像処理装置2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記カラー画像処理装置2に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0149】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0150】
また、カラー画像処理装置2を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0151】
また、本実施形態におけるカラー画像処理装置2の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよい。
【0152】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、原稿種別を判別する必要のある機器、例えばカラーコピー機、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラ等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像処理装置における、下地色除去処理および色補正処理に用いるルックアップテーブルの選択方法を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる画像処理装置を備えた画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の一形態における画像処理装置が備える原稿種別自動判別部の構成を示すブロック図である。
【図4】図4(a)は下地領域の最大濃度差と濃度を有する領域の分布とを示す説明図、図4(b)は印画紙領域における同説明図、図4(c)は網点領域における同説明図、図4(d)は文字領域における同説明図である。
【図5】図4(a)〜図4(d)に示した各領域についての最大濃度差と総和濃度繁雑度との関係を示すグラフである。
【図6】図6(a)は第1面積階調画素(網点)を含む領域における1網点(1ドット)付近の画素の濃度値を示す説明図、図6(b)は第1面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。
【図7】図7(a)は第2面積階調画素を含む領域における1ドット付近の画素の濃度値を示す説明図、図7(b)は第2面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。
【図8】図3に示した原稿種別自動判別部における原稿種別判別処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図8のS15に示した第2面積階調画素抽出部による第2面積階調画素抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図9のS154に示した補正部による補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図8のフローチャートに続く、原稿種別自動判別部における原稿種別判別処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図3に示した補正部における補正処理の説明図である。
【図13】図2に示した画像処理装置に備えられる入力階調補正部の構成を示すブロック図である。
【図14】図13示した入力階調補正部で用いられる下地色除去用テーブルの一例を示すグラフである。
【図15】図2に示した画像処理装置に備えられる色補正部の構成を示すブロック図である。
【図16】図15に示した色補正部に記憶される色補正テーブルを示す説明図である。
【図17】図2に示した画像処理装置における下地色除去処理および色補正処理の流れを示すフロー図である。
【図18】文字原稿,印画紙写真原稿,文字印画紙写真原稿における濃度出現頻度の一例を表したグラフである。
【図19】図13示した入力階調補正部で用いられる、文字原稿に対する下地色除去テーブルおよび写真原稿に対する下地色除去テーブルの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0155】
2 カラー画像処理装置(画像処理装置)
13 原稿種別自動判別部(原稿種別判別手段)
14 入力階調補正部(下地色除去手段)
16 色補正部
51 階調レベル判定部(階調判別手段)
52 階調補正処理部
53 階調補正テーブル記憶部(下地色除去用テーブル記憶部)
61 下地色判定部(下地色判別手段)
62 色補正処理部(色補正処理手段)
63 色補正テーブル記憶部
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−48189(P2008−48189A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222313(P2006−222313)