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【発明の名称】 情報処理装置、情報処理システム、及び制御プログラム
【発明者】 【氏名】益井 隆徳

【要約】 【課題】情報処理の記録を通じて、秘密保持すべき情報が漏れ出すことを防止する。

【構成】情報処理装置においては、あるユーザが所有する個人アドレス帳を用いて、送信電子文書の送信設定を行い(S18,S20)、この送信電子文書の送信を行う(S32)。そして、アドレス帳から設定された送信先をログに記載することなく、送信ログを作成する(S34,S36)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信電子文書の送信設定を受け付ける送信設定受付手段と、
前記送信電子文書の送信を行う送信手段と、
前記送信において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した送信記録を作成する作成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
隠蔽された情報を出力することなく、前記送信記録の画面表示出力または印刷出力を行う出力手段を備える情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、送信電子文書の送信先の情報である情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、送信電子文書の送信元の情報である情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、送信電子文書を特定する情報である情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記送信手段による前記送信電子文書の送信はファクシミリで行われ、
当該情報処理装置は、送信設定を指示した使用者に対し、ファクシミリ送信した旨を報告する電子メールを送信する報告電子メール送信手段を備え、
前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、前記電子メールの送信についての情報である情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置において、
送信設定の受け付け前に、送信記録において情報の隠蔽が行われる旨を当該情報処理装置の使用者に通知する通知手段を備える情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置において、
送信設定の受け付け前に、送信設定に使用可能な情報が隠蔽対象となるか否かを明示的に表示する表示手段を備える情報処理装置。
【請求項9】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記送信設定受付手段は、
送信設定を指示した使用者が所有する連絡先帳に格納された連絡先情報の中から、送信先として設定可能な条件を満たす連絡先情報を前記使用者に提示する提示手段と、
提示された前記連絡先情報から前記使用者によって選択された連絡先情報を送信先として受け付ける受付手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置において、
送信先として設定可能な条件は、連絡先情報が当該情報処理装置により送信許可対象として設定されているとの条件、または、連絡先情報が送信制限対象として設定されていないとの条件である情報処理装置。
【請求項11】
請求項9に記載の情報処理装置において、
送信先として設定可能な条件は、連絡先情報の形式が送信設定される通信規約に対応しているとの条件である情報処理装置。
【請求項12】
請求項9に記載の情報処理装置において、
送信先として設定可能な条件は、連絡先情報が当該情報処理装置において実施可能ないずれかの通信で利用できるとの条件である情報処理装置。
【請求項13】
請求項9に記載の情報処理装置において、
提示手段は、送信先として設定可能な条件を取得先に送信し、取得先で抽出された連絡先情報を取得する情報処理装置。
【請求項14】
請求項9に記載の情報処理装置において、
提示手段は、送信先として設定可能な条件に基づいて取得先を検索し、検出した連絡先情報を取得する情報処理装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項の情報処理装置において、
紙文書を読み取って電子文書を生成する読取装置を備え、
前記送信電子文書は、前記読取装置により生成された電子文書である情報処理装置。
【請求項16】
請求項9に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能に接続され、前記連絡先帳を記憶する連絡先帳記憶装置と、
を備え、
前記提示手段は、前記連絡先帳記憶装置から、送信先として設定可能な連絡先情報を取得する情報処理システム。
【請求項17】
送信電子文書の送信設定を受け付ける送信設定受付手段と、
前記送信電子文書の送信を行う送信手段と、
前記送信において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した送信記録を作成する作成手段、
として情報処理装置を機能させる制御プログラム。
【請求項18】
送信電子文書の送信に用いられる情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された情報を参照して、前記送信電子文書の送信設定を受け付ける送信設定受付手段と、
前記送信電子文書の送信を行う送信手段と、
前記送信において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した送信記録を作成する作成手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項19】
認証された使用者から複写の指示を受け付ける受付手段と、
受け付けた指示に基づいて、複写を行う複写手段と、
前記複写において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した複写記録を作成する作成手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項20】
請求項19に記載の画像処理装置において、
隠蔽された情報を出力することなく、前記複写記録の画面表示出力または印刷出力を行う出力手段を備える画像処理装置。
【請求項21】
認証された使用者から複写の指示を受け付ける受付手段と、
受け付けた指示に基づいて、複写を行う複写手段と、
前記複写において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した複写記録を作成する作成手段、
として画像処理装置を機能させる制御プログラム。
【請求項22】
認証された使用者から複写の指示を受け付ける受付手段と、
受け付けた指示に基づいて、複写を行う複写手段と、
前記複写において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した複写記録を作成する作成手段と、
を備える画像処理システム。
【請求項23】
電子文書または紙文書に対する処理設定を受け付ける処理設定受付手段と、
前記処理設定受付手段によって受け付けられた処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段によって用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した処理記録を作成する作成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項24】
請求項23に記載の情報処理装置において、
隠蔽された情報を出力することなく、前記処理記録の画面表示出力または印刷出力を行う出力手段を備える情報処理装置。
【請求項25】
電子文書または紙文書に対する処理設定を受け付ける処理設定受付手段と、
前記処理設定受付手段によって受け付けられた処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段によって用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した処理記録を作成する作成手段、
として情報処理装置を機能させる制御プログラム。
【請求項26】
電子文書または紙文書に対する処理設定を受け付ける処理設定受付手段と、
前記処理設定受付手段によって受け付けられた処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段によって用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した処理記録を作成する作成手段と、
を備える情報処理システム。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、制御プログラム、画像処理装置、及び画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、通信機能を備えた情報処理装置に対し、通信路上に置かれた個人アドレス帳をダウンロード(サーバ等に置かれているデータを端末に転送すること)する技術が開示されている。ダウンロードされた個人アドレス帳は、送信先アドレスの設定のために用いられ、使用後には情報処理装置から削除される。
【0003】
【特許文献1】特開2002−41250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、処理について記録した履歴を通じて、秘匿すべき情報が漏れ出すことを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置の一態様においては、送信電子文書の送信設定を受け付ける送信設定受付手段と、前記送信電子文書の送信を行う送信手段と、前記送信において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した送信記録を作成する作成手段と、を備える。
【0006】
本発明の情報処理装置の一態様においては、隠蔽された情報を出力することなく、前記送信記録の画面表示出力または印刷出力を行う出力手段を備える。
【0007】
本発明の情報処理装置の一態様においては、前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、送信電子文書の送信先の情報である。
【0008】
本発明の情報処理装置の一態様においては、前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、送信電子文書の送信元の情報である。
【0009】
本発明の情報処理装置の一態様においては、前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、送信電子文書を特定する情報である。
【0010】
本発明の情報処理装置の一態様においては、前記送信手段による前記送信電子文書の送信はファクシミリで行われ、当該情報処理装置は、送信設定を指示した使用者に対し、ファクシミリ送信した旨を報告する電子メールを送信する報告電子メール送信手段を備え、前記設定手段が設定する隠蔽すべき情報は、前記電子メールの送信についての情報である。
【0011】
本発明の情報処理装置の一態様においては、送信設定の受け付け前に、送信記録において情報の隠蔽が行われる旨を当該情報処理装置の使用者に通知する通知手段を備える。
【0012】
本発明の情報処理装置の一態様においては、送信設定の受け付け前に、送信設定に使用可能な情報が隠蔽対象となるか否かを明示的に表示する表示手段を備える。
【0013】
本発明の情報処理装置の一態様においては、前記送信設定受付手段は、送信設定を指示した使用者が所有する連絡先帳に格納された連絡先情報の中から、送信先として設定可能な条件を満たす連絡先情報を前記使用者に提示する提示手段と、提示された前記連絡先情報から前記使用者によって選択された連絡先情報を送信先として受け付ける受付手段と、を備える。
【0014】
本発明の情報処理装置の一態様においては、送信先として設定可能な条件は、連絡先情報が当該情報処理装置により送信許可対象として設定されているとの条件、または、連絡先情報が送信制限対象として設定されていないとの条件である。
【0015】
本発明の情報処理装置の一態様においては、送信先として設定可能な条件は、連絡先情報の形式が送信設定される通信規約に対応しているとの条件である。
【0016】
本発明の情報処理装置の一態様においては、送信先として設定可能な条件は、連絡先情報が当該情報処理装置において実施可能ないずれかの通信で利用できるとの条件である。
【0017】
本発明の情報処理装置の一態様においては、提示手段は、送信先として設定可能な条件を取得先に送信し、取得先で抽出された連絡先情報を取得する。
【0018】
本発明の情報処理装置の一態様においては、提示手段は、送信先として設定可能な条件に基づいて取得先を検索し、検出した連絡先情報を取得する。
【0019】
本発明の情報処理装置の一態様においては、紙文書を読み取って電子文書を生成する読取装置を備え、前記送信電子文書は、前記読取装置により生成された電子文書である。
【0020】
本発明の情報処理システムの一態様においては、前記情報処理装置と通信可能に接続され、前記連絡先帳を記憶する連絡先帳記憶装置と、を備え、前記提示手段は、前記連絡先帳記憶装置から、送信先として設定可能な連絡先情報を取得する。
【0021】
本発明の制御プログラムの一態様においては、送信電子文書の送信設定を受け付ける送信設定受付手段と、前記送信電子文書の送信を行う送信手段と、前記送信において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した送信記録を作成する作成手段と、を備える情報処理装置として機能させる。
【0022】
本発明の情報処理システムの一態様においては、送信電子文書の送信に用いられる情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された情報を参照して、前記送信電子文書の送信設定を受け付ける送信設定受付手段と、前記送信電子文書の送信を行う送信手段と、前記送信において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した送信記録を作成する作成手段と、を備える。
【0023】
本発明の画像処理装置の一態様においては、認証された使用者から複写の指示を受け付ける受付手段と、受け付けた指示に基づいて、複写を行う複写手段と、前記複写において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した複写記録を作成する作成手段と、を備える。
【0024】
本発明の画像処理装置の一態様においては、隠蔽された情報を出力することなく、前記複写記録の画面表示出力または印刷出力を行う出力手段を備える。
【0025】
本発明の制御プログラムの一態様においては、認証された使用者から複写の指示を受け付ける受付手段と、受け付けた指示に基づいて、複写を行う複写手段と、前記複写において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した複写記録を作成する作成手段、として画像処理装置を機能させる。
【0026】
本発明の画像処理システムの一態様においては、認証された使用者から複写の指示を受け付ける受付手段と、受け付けた指示に基づいて、複写を行う複写手段と、前記複写において用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した複写記録を作成する作成手段と、を備える。
【0027】
本発明の情報処理装置の一態様においては、電子文書または紙文書に対する処理設定を受け付ける処理設定受付手段と、前記処理設定受付手段によって受け付けられた処理を実行する処理実行手段と、前記処理実行手段によって用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した処理記録を作成する作成手段と、を備える。
【0028】
本発明の情報処理装置の一態様においては、隠蔽された情報を出力することなく、前記処理記録の画面表示出力または印刷出力を行う出力手段を備える。
【0029】
本発明の制御プログラムの一態様においては、電子文書または紙文書に対する処理設定を受け付ける処理設定受付手段と、前記処理設定受付手段によって受け付けられた処理を実行する処理実行手段と、前記処理実行手段によって用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した処理記録を作成する作成手段、として情報処理装置を機能させる。
【0030】
本発明の情報処理システムの一態様においては、電子文書または紙文書に対する処理設定を受け付ける処理設定受付手段と、前記処理設定受付手段によって受け付けられた処理を実行する処理実行手段と、前記処理実行手段によって用いられた情報の中で隠蔽すべき情報を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された情報を隠蔽した処理記録を作成する作成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0031】
請求項1の本発明によれば、送信記録を通じた情報漏れを防止することができる。
【0032】
請求項2の本発明によれば、隠蔽すべき情報の出力を防止できる。
【0033】
請求項3の本発明によれば、送信先の秘匿化が図られる。
【0034】
請求項4の本発明によれば、送信元の秘匿化が図られる。
【0035】
請求項5の本発明によれば、送信電子文書の秘匿化が図られる。
【0036】
請求項6の本発明によれば、ファクシミリ送信を確認する場合にも情報の隠蔽が可能となる。
【0037】
請求項7の本発明によれば、使用者は、送信設定前に、使用者に関する情報の保護可能性を認識することが可能となる。
【0038】
請求項8の本発明によれば、使用者に対し、保護対象となる情報に基づいて送信設定を行うか否かを選択させることができる。
【0039】
請求項9を本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、使用者は容易に連絡先情報を取得することができる。
【0040】
請求項10の本発明によれば、送信できない連絡先情報が使用者に提示されないようになる。
【0041】
請求項11の本発明によれば、異なる通信規約で使用する連絡先情報が使用者に提示されることを防止できる。
【0042】
請求項12の本発明によれば、当該情報処理装置の送信能力の下で実現不可能な送信に使用される連絡先情報を、使用者への提示対象から外すことができる。
【0043】
請求項13の本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、データ転送量やメモリ使用量が削減される。
【0044】
請求項14の本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、データ転送量やメモリ使用量が削減される。
【0045】
請求項15の本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、送信電子文書の取得が容易化される。
【0046】
請求項16の本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、情報処理装置外に記憶された連絡先帳から必要な連絡先情報を取得することが容易化される。
【0047】
請求項17の本発明によれば、送信記録を通じた情報漏れを防止する制御を行うことができる。
【0048】
請求項18の本発明によれば、送信記録を通じた情報漏れを防止するシステムを構築することができる。
【0049】
請求項19の本発明によれば、複写記録を通じて、秘匿すべき情報が漏れることを防止することができる。
【0050】
請求項20の本発明によれば、隠蔽すべき情報の出力を防止できる。
【0051】
請求項21の本発明によれば、複写記録を通じた情報漏れを防止する制御を行うことができる。
【0052】
請求項22の本発明によれば、複写記録を通じた情報漏れを防止するシステムを構築することができる。
【0053】
請求項23の本発明によれば、電子文書または紙文書に対する処理の記録を通じた情報漏れを防止することができる。
【0054】
請求項24の本発明によれば、隠蔽すべき情報の出力を防止できる。
【0055】
請求項25の本発明によれば、電子文書または紙文書に対する処理の記録を通じた情報漏れを防止する制御が可能となる。
【0056】
請求項26の本発明によれば、電子文書または紙文書に対する処理の記録を通じた情報漏れを防止するシステム構築が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下に、本発明の実施の形態を例示する。
【0058】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システム10のハードウエア構成の概略を説明するブロック図である。情報処理システム10は、画像処理装置20と、ユーザ(使用者)認証サーバ50と、個人アドレス帳サーバ70とを含んでいる。
【0059】
画像処理装置20は、プリンタ機能、スキャン機能、及びこれらを利用した複写機能を備える他、FAX回線やインターネット回線を通じた送信機能も備えた情報処理装置である。この情報処理装置には、複合機と呼ばれる装置も含まれる。画像処理装置20は、一人のユーザによって個人使用されることもあるが、典型的にはオフィスやコンビニエンスストアなどに設置されて複数の特定あるいは不特定のユーザによって使用される。
【0060】
画像処理装置20には、具体的には、スキャナ22、プリンタ24、液晶ディスプレイ26、入力ボタン28、CPU30、メモリ32、通信路インタフェース34、FAXインタフェース36、及びこれら各部を繋ぐバス38が含まれている。
【0061】
スキャナ22は、用紙の光学的読み取り(スキャン)を行って、電子文書を生成する装置である。また、プリンタ24は、電子文書に基づいて用紙に印刷を行う装置である。スキャナ22で生成した電子文書に基づいて、プリンタ24で印刷を行うことにより、複写(コピー)を行うこともできる。液晶ディスプレイ26は、画像処理装置20のユーザインタフェース(UI)を担う表示装置であり、指示可能な命令や、動作状況などを表示する。入力ボタン28は、画像処理装置20のUIにおける入力装置を構成するものであり、機械式ボタンや、液晶ディスプレイ26上のタッチパネルボタンとして設けられている。
【0062】
CPU30は、画像処理装置20の各ハードウエアの動作を制御する装置である。また、メモリ32は、半導体メモリやハードディスクなどから構成され、プログラムやデータを記憶する。通信路インタフェース34は、インターネット40を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。画像処理装置20では、通信路インタフェース34を通じて、電子メールによる通信やhttpによる通信など、様々な種類の通信を行うことができる。FAXインタフェース36は、電話回線網42を通じてFAX通信を行うためのインタフェースである。
【0063】
ユーザ認証サーバ50は、画像処理装置20や個人アドレス帳サーバ70などを使用するユーザに対し、パスワード認証、カード認証、生体認証などを行って、真のユーザであるか否かを検証する装置である。ユーザ認証サーバ50は、PC(パーソナルコンピュータ)などにより構築される。ユーザ認証サーバ50には、液晶ディスプレイ52、キーボード54、CPU56、メモリ58、通信路インタフェース60、及びこれらの各構成部を接続するバス62が含まれている。液晶ディスプレイ52とキーボード54は、それぞれ表示及び入力に用いられる装置であり、ユーザ認証サーバ50のUIを構成している。また、CPU56は、ユーザ認証サーバ50の各構成部の動作を制御する装置である。メモリ58は、半導体メモリやハードディスクなどから構成され、プログラムやデータの他、ユーザ認証用のデータを保持する。通信路インタフェース60は、インターネット40に接続されており、画像処理装置20や個人アドレス帳サーバ70との通信を制御している。
【0064】
個人アドレス帳サーバ70は、連絡先帳記憶装置としての装置であり、個人アドレス帳を管理している。個人アドレス帳サーバ70は、ユーザ認証サーバ50と同様のハードウエアにより構成されており、液晶ディスプレイ72、キーボード74、CPU76、メモリ78、通信路インタフェース80、及びこれらの各構成部を接続するバス82を含んでいる。個人アドレス帳サーバ70における特徴的な事項としては、メモリ78に個人アドレス帳を記憶している点が挙げられる。個人アドレス帳は、通信路インタフェース80及びインターネット40を通じて、画像処理装置20から参照される。なお、個人アドレス帳サーバ70は、複数のユーザの個人アドレス帳を記憶するものであってもよいし、一人のユーザの個人アドレス帳を記憶するものであってもよい。また、個人アドレス帳サーバ70は、ユーザ認証サーバ50と同一のハードウエアを利用して構築されてもよい。
【0065】
図2は、情報処理システム10の概略的な機能構成を示すブロック図である。図示した各機能は、図1に示したハードウエアをプログラム制御することで実現されている。プログラム制御は、典型的には、各メモリ32,58,78にインストールされた制御プログラムが、対応する各CPU30,56,76の動作を規定することで行われる。これらの制御プログラムは、工場出荷時に内蔵されていてもよいし、記憶媒体あるいは通信路からインストールされてもよい。
【0066】
画像処理装置20においては、スキャン文書生成部100、共通アドレス帳102、UI104、個人アドレス帳取得部106、ログ作成部110、アドレス設定部114、セキュリティポリシ監査部116、暗号化部118、メール送信部120、及びFAX送信部122が構築されている。
【0067】
スキャン文書生成部100は、スキャナ22を利用して、紙文書のスキャンを行い、電子文書(スキャン文書)を生成する。スキャン文書は、プリンタ24における印刷に使用される他、外部送信の対象である送信電子文書としても利用される。
【0068】
共通アドレス帳102は、画像処理装置20を利用する各ユーザから参照可能な連絡先帳であり、メモリ32に記憶されている。共通アドレス帳102には、電子メールアドレス、FAX番号、URL(Uniform Resource Locator)など、各種通信におけるアドレス(連絡先)が記載されている。
【0069】
UI104は、液晶ディスプレイ26や入力ボタン28を用いて構築されており、ユーザが、画像処理装置20に操作命令を行ったり、画像処理装置20から情報を取得したりするために使用される。ユーザは、UI104を通じて、送信電子文書の指定を行うことができる。また、ユーザは、UI104を操作して、共通アドレス帳102や個人アドレス帳を参照して送信先(宛先)の設定を行ったり、直接入力により送信先の設定を行ったりすることもできる。なお、画像処理装置20の操作は、例えば、インターネット40に接続された外部装置(例えばPC)から行われてもよい。
【0070】
個人アドレス帳取得部106は、画像処理装置20のユーザが個人的に所有するアドレス帳を取得する。個人アドレス帳は、メモリ32(自装置内)に記憶されたローカルアドレス帳でもよいし、個人アドレス帳サーバ70など外部装置に記憶されたリモートアドレス帳でもよい。
【0071】
個人アドレス帳取得部106には、条件提示部108が設けられている。条件提示部108は、個人アドレス帳の取得先となる個人アドレス帳サーバ70に対し、送信アドレスとして設定可能となるアドレスの条件を提示する。条件の提示は、例えば、ユーザが送信態様を指定した段階で行うことができる。
【0072】
送信アドレスとして設定可能となるアドレスの条件は、設定に従って客観的に決定される。例えば、電子メール送信が行われる場合には、電子メールアドレスであることが条件となり、これによりFAX番号などの他の通信規約(プロトコル)用のアドレスは条件外のものとなる。また、暗号電子メール送信が行われる場合には、暗号化に必要な公開鍵証明書を取得できることが条件となる。さらに、画像処理装置20において、送信制限(例えば、送信許可対象の設定や、送信禁止対象の設定)を行うセキュリティポリシが設定されている場合には、セキュリティポリシを充足する条件が提示される。個人アドレス帳サーバ70との間で合意が形成されている場合には、セキュリティポリシ自体を送信することで、この条件の提示に代えることも可能である。なお、FAX通信における送信制限は、具体的なFAX番号で指定できる他、市外局番や国番号などで指定することもできる。また、電子メール送信における送信制限は、具体的な電子メールアドレスで指定できる他、ドメイン名などでも指定できる。
【0073】
ログ作成部110は、電子文書の送信記録を累積的に記載した履歴(ログ)を作成する。またログ作成部110は、複写の記録を累積的に記録したログを作成することもできる。ログは、通常は、全ユーザが参照できるように作成される。ログには、一般的には、送信や複写の概略事項が記憶されるが、例えば、送信電子文書や複写対象の電子文書をはじめとする全データが含まれても(コピーされても)よい。
【0074】
ログ作成部110には、隠蔽部112が設けられている。隠蔽部112は、作成するログを通じて、ユーザに関する情報が他のユーザに漏れ出さないように保護処理を行う。ここで、ユーザに関する情報は、ユーザの私的情報ともいうべき情報であり、具体的には、ユーザを識別する情報、または、ユーザが所有する情報をいう。ユーザを識別する情報とは、ユーザ名やユーザのメールアドレスなど、ユーザを特定するための情報である。また、ユーザが所有する情報とは、ユーザがオーナーとなって管理している情報である。ユーザの私的情報は、個人性の強い情報であるため、他のユーザから読めないように設定されることが多い。また、ユーザの私的情報が他のユーザから読み込み可能であっても、他のユーザが所有者と同じ処理を実施できないといった利用制限を受けることもある。例えば、あるユーザが所有する電子メールアドレスに対しては、通常、真のオーナー以外は電子メールの送信元として設定することが禁じられる。
【0075】
例えば、ユーザの私的情報がそのユーザの所有する個人アドレス帳であり、この個人アドレス帳に記載されたアドレスが送信先として設定された場合には、隠蔽部112は、ログにおいてそのアドレスを保護する処理を行う。保護の例としては、保護対象となるアドレスをログに記載しない態様や、暗号化して記載する態様を挙げることができる。暗号化は、一般ユーザは復号化できず、送信したユーザは復号化できるように行われてもよい。また、特権ユーザ(管理者権限をもつユーザ)が存在する場合には、この特権ユーザが復号化できる暗号化が行われてもよい。なお、情報の保護は、送信したユーザや特権ユーザなど隠蔽対象外のユーザのみが参照可能な送信記録を別途作成することも実施可能である。具体例としては、別途作成される送信記録では項目の隠蔽(削除や暗号化など)は行わずに、送信記録の隠蔽(例えば読み込み権限を隠蔽対象外のユーザのみに与える)を行い、一般ユーザが参照可能な送信記録では項目の隠蔽を行うが、送信記録自体は隠蔽しない態様を挙げることができる。
【0076】
アドレス設定部114は、送信先や送信元のアドレスを設定し、送信電子文書の送信設定を行う。典型的には送信先は、UI104を通じたユーザ指示に基づいて設定される。また、送信元としては、そのユーザに応じてあらかじめ設定された連絡先が設定される。
【0077】
セキュリティポリシ監査部116は、セキュリティポリシに従って、画像処理装置20の動作を監査する。セキュリティポリシは、画像処理装置20のセキュリティ関連のルールが設定されたデータである。通信に関する設定事項の具体例としては、外部装置からのログイン制限や、通信相手となる外部装置の制限、通信プロトコルの制限などを挙げることができる。セキュリティポリシ監査部116は、このセキュリティポリシに従った動作を制限(禁止や条件付禁止など)して、画像処理装置20におけるセキュリティを確保する。
【0078】
暗号化部118は、外部装置との通信において、公開鍵暗号方式を用いた暗号化や電子署名などを行う。公開鍵暗号方式では、典型的には、認証局が発行する公開鍵証明書が使用される。そして、公開鍵証明書が取得できないアドレスは、公開鍵暗号方式による通信先としては不適当であると判定される。
【0079】
メール送信部120は、アドレス設定部114で電子メール送信の設定がなされた電子文書を、送信先に向けてメール送信する。また、FAX送信部122は、アドレス設定部114でFAX送信の設定がなされた電子文書を、送信先に向けてFAX送信する。なお、FAX送信部122が電子文書をFAX送信した場合に、FAX送信が完了した旨の確認用の電子メールを、FAX送信を指示したユーザに送信するようにしてもよい。この場合に、確認用の電子メールも、ログ作成部110が作成するログの記録対象とすることが可能であり、さらに、隠蔽部112による隠蔽の対象とすることもできる。
【0080】
ユーザ認証サーバ50には、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)を利用したユーザ認証部130が構築されている。ユーザ認証部130は、画像処理装置20や個人アドレス帳サーバ70からの問い合わせに応じて、これらの装置にアクセス(ログイン)しようとするユーザが真のユーザであるか否かを検証する。検証においては、ユーザ認証部130は、メモリ58にあらかじめ登録された認証用のデータと、入力データとを照合する。そして、真のユーザに対しては、そのユーザの個人アドレス帳にアクセスするためのURL(個人アドレス帳サーバ70の通信路アドレスと、その内部のバス)を送信する。
【0081】
個人アドレス帳サーバ70には、条件検索部140とアドレス帳記憶部142が設けられている。条件検索部140は、メモリ78に記憶されたプログラムによりCPU76の動作を制御することで構築されている。条件検索部140は、画像処理装置20の条件提示部108から提示された検索条件に適合する個人アドレス群の抽出処理を行う。アドレス帳記憶部142は、メモリ78を用いて構成されており、メモリ78には複数の個人アドレス帳144,146,148,...が記憶されている。個人アドレス帳144,146,148,...に対しては、通常、ユーザ認証を経た真の所有者は読み込み(あるいは読み込み指示)をすることができるが、他のユーザは参照することができない。各個人アドレス帳144,146,148,...には、一つまたは複数の個人アドレスが格納されている。
【0082】
ここで、図3のフローチャートを参照しながら、情報処理システム10の動作について説明する。
【0083】
図3は、画像処理装置20における処理の流れを説明するフローチャートである。画像処理装置20では、まず、ユーザが、UI104からログインネームとパスワードを入力し、ユーザ認証サーバ50でのユーザ認証を受けて(S10)、ログインを行う。送信電子文書の送信を行う場合には、ユーザは、UI104を操作して、送信プロトコルを選択し(S12)、さらに、送信先入力をどのように行うか選択する(S14)。画像処理装置20では、送信先入力がどのように行われるかを評価する(S16)。
【0084】
個人アドレス帳から行われる場合には、個人アドレス帳取得部106は、選択された送信プロトコルに対応し、かつ、セキュリティポリシにも適合するアドレス群を提供するように、条件提示部108を通じて個人アドレス帳サーバ70に依頼する。個人アドレス帳サーバ70では、条件検索部140が、アドレス帳記憶部142に記憶された個人アドレス帳から、この条件を満たすアドレス群を抽出する。そして、個人アドレス帳取得部106では、抽出されたアドレス群を取得してUI104に表示する(S18)。ユーザは、表示されたアドレス群の中から所望のアドレスを送信先として選択する(S20)。アドレス設定部114では、このアドレスを送信先として設定するとともに、送信先に対し秘匿フラグを設定する(S22)。
【0085】
他方、送信先入力が共通アドレス帳から行われる場合には、共通アドレス帳102に格納されたアドレスの中から、設定可能なアドレス群が抽出されてUI104に表示される(S24)。そして、ユーザがこのアドレス群の中から送信先を選択すると、アドレス設定部114ではこのアドレスを送信先として設定する(S26)。ただし、共通アドレス帳102に格納された各アドレスは、本来的に、各ユーザから参照できるものであるため、送信先には秘匿フラグは設定されない。
【0086】
また、送信入力が直接入力により行われる場合には、アドレス設定部114は、ユーザが入力するアドレスを送信先として設定し(S28)、この送信先に秘匿フラグを設定する(S30)。
【0087】
送信先の設定が行われると、画像処理装置20では、スキャン送信処理の実行が行われる。すなわち、スキャン文書生成部100が、スキャンを実施して送信電子文書を生成し、メール送信部120またはFAX送信部122は、設定された送信先に送信電子文書を送信する。送信にあたっては、セキュリティポリシ監査部116が、セキュリティポリシに適合した送信先であるか否かを監査する。なお、スキャン文書の生成は、送信先の設定に先立ってあらかじめ行われてもよい。
【0088】
ログ作成部110では、送信時刻、送信元、送信先などを記載した送信ログを作成する。ただし、送信先の記録にあたっては、秘匿フラグが設定されていない送信先アドレスのみが記録対象として設定される(S34)。すなわち、秘匿フラグが設定された送信先アドレスは送信ログには記録されず、秘匿フラグが設定されていない送信先アドレスや送信元アドレスその他の情報が、送信ログとして記録される(S36)。
【0089】
図4乃至図7を用いて、具体的な事例に則した説明を行う。
【0090】
図4は、図2に示した個人アドレス帳144を例示する図である。個人アドレス帳144には、氏名150、電話番号152、FAX番号154、メールアドレス156、及び公開鍵証明書158の各項目が設けられている。そして、図示した例では、符号160,162,164,166を付した4人が登録されている。
【0091】
具体的には、氏名がAAAである者に対しては、「012-345-6789」なる電話番号と、「012-345-6790」なるFAX番号と、「aaa@abc.jp」なるメールアドレスとが登録され、さらに、このメールアドレスに対応した公開鍵証明書が取得可能である旨が「有」によって明示されている。氏名がBBBである者に対しては、電話番号、FAX番号、及びメールアドレスが登録されているが、公開鍵証明書は取得可能とはなっていない。また、氏名がCCCである者に対しては、電話番号とFAX番号は登録されていないが、メールアドレスは登録され、公開鍵証明書も取得可能に設定されている。そして、氏名がDDDである者については、BBBと同様に、電話番号、FAX番号、及びメールアドレスが登録されているが、公開鍵証明書は取得不可となっている。
【0092】
このように、個人アドレス帳144には、各ユーザに対し、通信プロトコルが異なる複数のアドレスを設定することができる。また、個人アドレス帳144には、公開鍵証明書の有無のように、暗号通信に用いられるデータ、あるいは暗号通信の可否の判断材料となるデータを登録することができる。この他にも、例えば、ある組織(会社やユーザグループなど)に属すか否かの所属情報や、ある地域(国や都道府県など)に属すか否かの地域情報などを、個人アドレス帳に登録することが可能である。
【0093】
図5と図6は、画像処理装置20のUI104における表示例を示す図である。
【0094】
図5は、ユーザが送信電子文書の送信を開始する前に表示されるUI画面170を示している。このUI画面170には、タッチパネル入力により選択可能な複数のアイコンが表示されている。アイコン172,174,176は、送信電子文書に対し、それぞれ、FAX送信、非暗号電子メール送信、暗号電子メール送信の設定を行うためのものである。すなわち、各アイコン172,174,176を選択した場合には、それぞれ、FAX送信、非暗号電子メール送信、暗号電子メール送信の設定画面に切り替わる。
【0095】
また、UI画面170に表示されたアイコン178,180,184は、共通アドレス帳の参照、個人アドレス帳の参照、直接入力のいずれを用いて送信先の設定を行うか選択するために用いられる。すなわち、各アイコン178,180,184を選択した場合には、それぞれ、共通アドレス帳、個人アドレス帳、直接入力画面に切り替わる。なお、個人アドレス帳を示すアイコン180には、「ログに残しません」とのアノテーション(注釈)182が表示されている。これは、宛先として設定されたアドレスが、ログとして記録されないことをユーザに通知するものである。
【0096】
図6は、図5に示したUI画面170において、FAX送信を示すアイコン172と、個人アドレス帳を示すアイコン180が選択された場合に、切り替え表示される画面を示している。ここでは、図4に示した個人アドレス帳144に基づいて、個人アドレス帳190が表示されている。ただし、個人アドレス帳190は、氏名192の欄とFAX番号194の欄のみから形成されている。つまり、氏名192に対応する各アドレスのうち、FAX送信で設定可能なアドレスであるFAX番号194だけを表示しており、図4の個人アドレス帳144に含まれていた電話番号152、メールアドレス156、公開鍵証明書158は表示していない。
【0097】
また、個人アドレス帳190では、図4の個人アドレス帳144に含まれていた4人のうち、3人のみが表示されている。具体的には、FAX番号を有するAAA,BBB,DDDはFAX番号とともに表示されているが、FAX番号を有さないCCCは表示対象外となっている。
【0098】
また、仮に、暗号メール送信を示すアイコン176と個人アドレス帳を示すアイコン180を選択した場合には、図4に示した個人アドレス帳144に基づいて、暗号メール送信に必要な公開鍵証明書が登録されている符号160と164のアドレスのみが表示されることになる。
【0099】
UI画面188においては、さらに、共通アドレス帳を選択するためのアイコン178と、直接入力を選択するためのアイコン184も表示されている。ユーザは、個人アドレス帳190からの選択を中止した場合や、個人アドレス帳190からの選択を終えた後に、さらにアイコン178またはアイコン184を選択することで、共通アドレス帳または直接入力による送信先の設定が可能となる。
【0100】
図7は、ログ作成部110によって生成されるログ210を例示した図である。図示したログ210では、符号212,214,216,218で示した4つの送信についての記録が示されている。
【0101】
ログ210の各送信の記録は、日時230、送信プロトコル232、送信元234、送信先236、送信電子文書238の各項目からなる。例えば、符号212で示した送信については、日時「2006年7月10日10時32分22秒」に、送信プロトコル「e-mail(電子メール)」によって、送信元「uuu@abc.jp」から、送信先「aaa@abc.jp」に、「scan23」というIDが与えられたスキャン文書を送信電子文書として送信実行した旨が記録されている。同様にして、符号214で示した送信については、送信プロトコル「fax」を含む各項目の記録がなされている。
【0102】
しかし、符号216で示した送信については、送信先の項目には、実在しない「XXXXXXXXXX」が記録されている。これは、この送信において送信先が個人アドレス帳から選択され、選択されたアドレスを隠蔽していることを意味している。
【0103】
また、符号218で示した送信については、送信先のみならず、送信元と送信電子文書ファイル名についても、実在しない「XXXXXXXXXX」が記録されている。つまり、送信元と送信電子文書ファイル名の隠蔽も行われている。
【0104】
送信元としては、特に電子メール送信の場合には、一般に、ユーザ毎に固有のアドレスが設定される。また、送信電子文書としては、単なるスキャン文書の代わりに、ユーザが所有する電子文書を採用することもできる。
【0105】
このような様々な私的情報の保護要請を有する状況としては、例えば、画像処理装置20がコンビニエンスストアに置かれた場合を挙げることができる。この場合には、正確なログ表示(ログ記録)よりも、私的情報の匿名性が重視される傾向が強いと考えられるからである。私的情報の保護をどの程度行うかの設定は、特権ユーザの指示により切り替えられるようにしてもよい。切り替えるモードの例としては、私的情報を保護しないモード、送信先のみを保護するモード、送信先に加え送信元あるいは送信電子文書情報を保護するモードなどを挙げることができる。
【0106】
なお、図7では、実際の値を、実在しない「XXXXXXXXXX」の文字列で置き換える記録の例を示したが、代替文字列を記載しない態様や、実際の値を暗号化して記載する態様を採用することもできる。暗号化は、例えば、送信を行ったユーザあるいは特権ユーザのみが復号化可能であり、他の一般ユーザは復号化不可能な態様で行われる。
【0107】
以上においては、送信電子文書についてのログに対して、情報を隠蔽する例を説明した。しかし、ログは、様々な処理に対して作成可能であり、また、隠蔽対象とする情報も様々に設定することが可能である。例えば、FAX送信を完了した旨を、FAX送信を指示したユーザのPCなどに電子メールで報告する場合に、この電子メールもログへの記録対象とすることができる。そして、電子メールの送信元、送信先、あるいは送信の事実自体をログにおける隠蔽対象とする態様が挙げられる。電子文書の送信以外の処理をログの対象とする態様としては、例えば、電子文書や紙文書に対する処理を挙げることができる。具体的には、スキャン、印刷、複写(スキャンと印刷の連続処理)のような電子文書と紙文書間の変換を伴う処理を例示することができる。また、電子文書に対する処理として、文字認識処理(画像データから文字コードへの変換処理であり、紙文書からの読み取りを含めてOCR処理と呼ばれることもある)、電子文書の編集・加工処理、電子文書を格納場所へ格納する処理、電子文書を格納場所から世読み込む処理などを例示することができる。
【0108】
また、隠蔽する情報を設定する例としては、認証を受けてログインしたユーザが行った処理についてのログから、このユーザに関する情報を隠蔽する態様を挙げることができる。例えば、複写機能を備えた画像処理にログインしたユーザが複写指示を行った場合に、ユーザ名や複写枚数などを隠蔽対象とする態様が挙げられる。
【0109】
以上に示した実施形態は、様々に変更可能である。
【0110】
ここでは、図8と図9を用いて、個人アドレス帳の取得にあたり、送信先として設定可能なアドレスを抽出するための変形例を説明する。図8と図9は、ともに図2に対応する図であり、同一若しくは対応する構成には、同一の番号を付して説明を省略乃至は簡略化する。
【0111】
図8に示した情報処理システム250では、図2の情報処理システム10における画像処理装置20の代わりに、画像処理装置260が設けられている。この画像処理装置260においては、個人アドレス帳取得部106に、条件提示部108の代わりに通信能力提示部262が設けられている。通信能力提示部262は、画像処理装置260において実施可能な送信態様の情報を個人アドレス帳サーバ70に送信する。つまり、どの送信プロトコルが選択されたか、暗号化通信が指示されたか、セキュリティポリシにいかなる設定が行われているか等の設定に依存した条件情報に代えて、画像処理装置260自体に与えられた送信能力についての情報を個人アドレス帳サーバ70に送信する。送信能力の例としては、FAX送信や電子メール送信などの各種プロトコルがハードウエア的あるいはソフトウエア的にサポートされているか否かの情報や、公開鍵暗号化方式を採用した通信がソフトウエア的にサポートされているか否かの情報などを挙げることができる。
【0112】
送信能力の情報は、画像処理装置260の工場出荷時や、ソフトウエア(プログラム)インストール時、あるいは起動時などに確定する。したがって、通信能力提示部262は、個人アドレス帳サーバ70が特定された後、あるいは、抽出対象となる個人アドレス帳が特定された後に、その個人アドレス帳サーバ70に対し、速やかに送信能力を提示することができる。また、個人アドレス帳サーバ70においても、送信能力の提示があった後、速やかにこの送信能力の下で送信先として設定可能なアドレス群を抽出することが可能となる。
【0113】
他方、図9に示した情報処理システム300における画像処理装置310では、個人アドレス帳取得部106に対し、条件提示部108に代えて条件検索部312が設けられている。また、個人アドレス帳サーバ320には、図2の個人アドレス帳サーバ70とは異なり、条件検索部140は設けられていない。代わりに、ここでは、条件検索部312自体が、送信先として設定可能な条件を基に検索式を作成し、個人アドレス帳サーバ320に記憶されたアドレス帳記憶部142の検索を行っている。送信先として設定可能な条件としては、図2の例で示したユーザ選択された送信プロトコルに適合するとの条件、暗号化通信が可能かとの条件、セキュリティポリシを充足するとの条件などを挙げることができる。また、図8を用いて説明した送信能力の情報を条件として検索を行ってもよい。
【0114】
これらの実施形態は、さらに変形可能である。例えば、上記説明においては、主としてスキャン文書を送信電子文書とする例を示したが、スキャン文書以外の電子文書を送信電子文書として用いることも可能である。この電子文書の例としては、インターネット40を通じて取得された各種ファイル(例えば、テキストファイル、ワープロソフトウエアファイル、数値計算ソフトウエアファイル、画像ファイルなど)や、画像処理装置20に直接入力された文字列からなるテキストファイルなどを例示することができる。なお、電子文書とは、表示対象あるいは印刷対象となりうる電子データをいい、そのデータ形式(ファイル形式)の種類、文字の含有の有無、図画の含有の有無などは特に問わない。電子文書に基づいて用紙に印刷出力を行うことで、電子文書に対応した紙文書を形成することができる。逆に、紙文書を読み取ることで紙文書に対応した電子文書を形成することができる。
【0115】
また、上記実施形態では、送信プロトコルの例として、FAXと電子メール(暗号化電子メールを含む)を示したが、送信プロトコルは、これ以外のものであってもよい。具体的には、iFAX通信(中継サーバまでは電子メールで送信し、その後FAXへと切り替える通信)、http(HyperText Transfer Protocol)通信やftp(File Transfer Protocol)通信などを例示することができる。
【0116】
さらに、上記実施形態においては、情報処理装置の例として画像処理装置20を例に挙げたが、情報処理装置は、PCなどの汎用的な計算機であってもよい。また、情報処理装置は、単体のハードウエアによって構築することも可能であるし、通信可能に接続された複数のハードウエアによって構築することも可能である。
【0117】
以下には、さらに別の実施態様について記す。ただし、この実施態様の中には、上述した実施態様に含まれるものもある。
【0118】
実施形態の一態様においては、情報処理装置は、ある使用者に関する情報に基づいて、送信電子文書の送信設定を行う送信設定手段と、前記送信電子文書の送信を行う送信手段と、前記送信について、前記ある使用者に関する情報の一部または全部を他の一部または全部の使用者に隠蔽した送信記録を作成する作成手段と、を備えることができる。
実施形態の一態様においては、連絡先情報は、ユーザが所有する連絡先帳(個人アドレス帳)に格納されている。これにより、連絡先帳に格納された連絡先情報の保護を向上させることができる。
【0119】
実施形態の一態様においては、個人アドレス帳は、自装置内に記憶されたローカルアドレス帳、または、外部装置に記憶されたリモートアドレス帳である。後者の場合には、複数の画像処理装置を使う場合であっても、同じ個人アドレス帳を取得することが可能となる。
【0120】
実施形態の一態様においては、連絡先情報が、前記ユーザにより直接入力される。これにより、直接入力された連絡先情報の保護レベルを向上させることが可能となる。
【0121】
実施形態の一態様においては、連絡先情報以外の私的情報も保護される。図7に符号218で示した送信のように、送信元と送信電子文書ファイル名について秘匿化を行うことはその一例である。また、別の例としては、送信電子文書の一部または全部を記録する場合や、送信に要する料金の支払い窓口情報を記録する場合に、こうした記録を秘匿する態様が挙げられる。
【0122】
実施形態の一態様においては、ユーザは、送信記録をUIに表示させることができる。これにより、送信状況を確認することが可能となる。
【0123】
実施形態の一態様においては、送信先として設定可能な条件として、連絡先情報に対応した公開鍵証明書が取得できるとの条件を設定する例を示した。これにより、公開鍵暗号化方式による暗号化が困難な連絡先情報をユーザへの提示対象から外すことができる。
【0124】
実施形態の一態様においては、ある使用者に所有され、複数の連絡先情報が格納された連絡先帳を記憶する記憶手段と、電子文書の送信機能を備えた情報処理装置から、電子文書の送信先として設定可能な連絡先情報を抽出する条件を取得する取得手段と、前記条件を満たす連絡先情報を前記連絡先帳から抽出して、前記情報処理装置に出力する出力手段と、を備える連絡先帳記憶装置を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】情報処理システムのハードウエア構成例の概略を示すブロック図である。
【図2】情報処理システムの概略的な機能構成例を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図4】個人アドレス帳の例を示す図である。
【図5】UI画面の表示例を示す図である。
【図6】UI画面の表示例を示す図である。
【図7】ログの例を示す図である。
【図8】情報処理システムの機能構成の変形例を説明するブロック図である。
【図9】情報処理システムの機能構成の別の変形例を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0126】
10 情報処理システム、20 画像処理装置、22 スキャナ、24 プリンタ、26,52,72 液晶ディスプレイ、28 入力ボタン、30,56,76 CPU、32,58,78 メモリ、34,60,80 通信路インタフェース、36 FAXインタフェース、38,62,82 バス、40 インターネット、42 電話回線網、50 ユーザ認証サーバ、54,74 キーボード、70 個人アドレス帳サーバ、100 スキャン文書生成部、102 共通アドレス帳、104 UI、106 個人アドレス帳取得部、108 条件提示部、110 ログ作成部、112 隠蔽部、114 アドレス設定部、116 セキュリティポリシ監査部、118 暗号化部、120 メール送信部、122 FAX送信部、130 ユーザ認証部、140 条件検索部、142 アドレス帳記憶部、144,146,148 個人アドレス帳。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年8月16日(2006.8.16)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二

【識別番号】100096976
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 純


【公開番号】 特開2008−48167(P2008−48167A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221950(P2006−221950)