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【発明の名称】 デジタルカメラ群によるリモート撮影システム
【発明者】 【氏名】海藻 敬之

【要約】 【課題】簡便かつ低コストで複数の静止画がリモート撮影されうるシステム2の提供。

【構成】リモート撮影システム2は、多数の装置M1からM10を備えている。各装置は、無線通信機、センサ及びデジタルカメラを備えている。第一装置M1のセンサがイベント情報を取得すると、この第一装置M1のデジタルカメラが撮影を実行する。この第一装置M1の無線通信機は、第一信号を発信する。この第一装置M1の通信エリアA1の内にある第二装置M2の無線通信機が第一信号を受信すると、この第二装置M2のデジタルカメラが撮影を実行する。この第二装置M2の無線通信機は、第二信号を発信する。この第二装置M2の通信エリアA2の内であってかつ第一装置M1の通信エリアA1の外にある第三装置M3の無線通信機が第二信号を受信すると、この第三装置M3のデジタルカメラが撮影を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の装置からなり、
これら装置がそれぞれ無線通信機、センサ及びカメラを備えており、
これら無線通信機がアドホックネットワークを形成しており、
いずれかの装置において、センサがイベント情報を検出し、かつ無線通信機がこのイベント情報を発信し、
他の複数の装置において、アドホックネットワークを介してイベント情報が受信され、かつデジタルカメラによって撮影が実行されるように構成された、デジタルカメラ群によるリモート撮影システム。
【請求項2】
第一装置と、この第一装置の通信エリア内に位置する第二装置と、第一装置の通信エリア外に位置する第三装置を備えており、
この第一装置、第二装置及び第三装置のそれぞれが、アドホックネットワークを形成する無線通信機を備えており、
少なくとも第一装置が、センサを備えており、
少なくとも第三装置が、デジタルカメラを備えており、
この第一装置のセンサがイベント情報を取得し、この第一装置の無線通信機がこのイベント情報を発信し、この第一装置の通信エリア内にある第二装置の無線通信機がこのイベント情報を受信しかつ発信し、この第一装置の通信エリア外にある第三装置の無線通信機がこのイベント情報を受信し、この第三装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるように構成されたリモート撮影システム。
【請求項3】
上記第一装置及び第二装置がそれぞれデジタルカメラを備えており、
第一装置のセンサがイベント情報を取得することでこの第一装置のデジタルカメラによって撮影が実行され、
第二装置の無線通信機がイベント情報を受信することでこの第二装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるように構成された請求項1に記載のリモート撮影システム。
【請求項4】
上記第二装置及び第三装置がそれぞれセンサを備えており、
この第二装置のセンサがイベント情報を取得することでこの第二装置の無線通信機がこのイベント情報を発信し、
この第三装置のセンサがイベント情報を取得することでこの第三装置の無線通信機がこのイベント情報を発信するように構成された請求項2又は3に記載のリモート撮影システム。
【請求項5】
第一装置のセンサがイベント情報を取得するステップ、
この第一装置の無線通信機がこのイベント情報を発信するステップ、
この第一装置の通信エリア内に位置する第二装置の無線通信機がこのイベント情報を受信するステップ、
この第二装置の無線通信機がこのイベント情報を発信するステップ、
この第一装置の通信エリア外に位置する第三装置の無線通信機が、第二装置を介してこのイベント情報を受信するステップ
及び
この第三装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるステップ
を含むリモート撮影方法。
【請求項6】
上記第一装置のセンサがイベント情報を取得するステップの後に、第一装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるステップをさらに含み、
かつ
上記第二装置の無線通信機がこのイベント情報を受信するステップの後に、第二装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるステップ
をさらに含む請求項5に記載のリモート撮影方法。
【請求項7】
上記第一装置のデジタルカメラによって得られたイメージデータ、第二装置のデジタルカメラによって得られたイメージデータ及び第三装置のデジタルカメラによって得られたイメージデータが、アドホックネットワークを介してサーバに送られるステップをさらに含む請求項6に記載のリモート撮影方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラによるリモート撮影がなされうるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラによる典型的な撮影方法では、撮影者がこのデジタルカメラを直接に操作する。この撮影方法では、撮影者が被写体の近くにいることが必要である。デジタルカメラによるリモート撮影システムも、提案されている。リモート撮影システムでは、デジタルカメラがパーソナルコンピュータに接続される。このパーソナルコンピュータは、インターネット等の通信回線に接続される。オペレータは、通信回線及びパーソナルコンピュータを介してカメラを操作する。カメラで得られたイメージデータは、パーソナルコンピュータ及び通信回線を介して、オペレータが所有する通信機器に送信される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
デジタルカメラで得られる静止画は、動画に比べて鮮明である。この静止画を、ホームセキュリティの情報収集手段や、都市における災害時の情報収集手段として活用できれば、便利である。これら情報収集手段としてデジタルカメラが活用される場合、撮影者が被写体の近くに待機することは現実的ではない。リモート撮影が必須である。
【0004】
ホームセキュリティにおいて、家屋の内外の複数箇所の静止画が必要とされることがある。この場合、複数のデジタルカメラが設置される。災害時にも、都市の多数箇所の静止画が必要とされることがある。この場合も、複数のデジタルカメラが設置される。複数のデジタルカメラを含むシステムにおいてリモート撮影がなされるには、各カメラが遠距離通信のための回線に接続される必要がある。このシステムは大がかりであり、かつ高コストである。さらに、このシステムでも、リモート撮影のトリガーは人的行為である。このシステムの稼働には、オペレータの常駐が必要である。
【0005】
本発明の目的は、散在する複数箇所における静止画が、簡便かつ低コストでリモート撮影されうるシステムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るリモート撮影システムは、多数の装置からなる。これら装置は、それぞれ無線通信機、センサ及びカメラを備える。これら無線通信機は、アドホックネットワークを形成する。いずれかの装置において、センサがイベント情報を検出し、かつ無線通信機がこのイベント情報を発信する。他の複数の装置において、アドホックネットワークを介してイベント情報が受信され、かつデジタルカメラによって撮影が実行される。
【0007】
本発明に係る他のリモート撮影システムは、第一装置と、この第一装置の通信エリア内に位置する第二装置と、第一装置の通信エリア外に位置する第三装置を備える。この第一装置、第二装置及び第三装置のそれぞれは、アドホックネットワークを形成する無線通信機を備える。少なくとも第一装置は、センサを備える。少なくとも第三装置は、デジタルカメラを備える。このシステムでは、この第一装置のセンサがイベント情報を取得し、この第一装置の無線通信機がこのイベント情報を発信し、この第一装置の通信エリア内にある第二装置の無線通信機がこのイベント情報を受信しかつ発信し、この第一装置の通信エリア外にある第三装置の無線通信機がこのイベント情報を受信し、この第三装置のデジタルカメラによって撮影が実行される。
【0008】
好ましくは、第一装置及び第二装置は、それぞれデジタルカメラを備える。このシステムでは、第一装置のセンサがイベント情報を取得することで、この第一装置のデジタルカメラによって撮影が実行さる。このシステムでは、第二装置の無線通信機がイベント情報を受信することで、この第二装置のデジタルカメラによって撮影が実行される。
【0009】
好ましくは、第二装置及び第三装置は、それぞれセンサを備える。このシステムでは、第二装置のセンサがイベント情報を取得することで、この第二装置の無線通信機がこのイベント情報を発信する。このシステムでは、第三装置のセンサがイベント情報を取得することで、この第三装置の無線通信機がこのイベント情報を発信する。
【0010】
本発明に係るリモート撮影方法は、
(a)第一装置のセンサがイベント情報を取得するステップ、
(b)この第一装置の無線通信機がこのイベント情報を発信するステップ、
(c)この第一装置の通信エリア内に位置する第二装置の無線通信機がこのイベント情報 を受信するステップ、
(d)この第二装置の無線通信機がこのイベント情報を発信するステップ、
(e)この第一装置の通信エリア外に位置する第三装置の無線通信機が、第二装置を介し てこのイベント情報を受信するステップ
及び
(f)この第三装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるステップ
を含む。
【0011】
好ましくは、この撮影方法は、
(g)第一装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるステップ
及び
(h)第二装置のデジタルカメラによって撮影が実行されるステップ
を含む。このステップ(g)は、ステップ(a)の後に実行される。このステップ(h)は、ステップ(c)の後に実行される。
【0012】
好ましくは、この撮影方法は、
(i)第一装置のデジタルカメラによって得られたイメージデータ、第二装置のデジタルカメラによって得られたイメージデータ及び第三装置のデジタルカメラによって得られたイメージデータが、アドホックネットワークを介してサーバに送られるステップ
をさらに含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るリモート撮影システムでは、多数の無線通信機がアドホックネットワークによって接続される。従って、デジタルカメラが遠距離通信用の回線に接続される必要がない。このシステムでは、1つのセンサがイベント情報を得ることで、複数のデジタルカメラにおける撮影が実行されうる。従って、オペレータによるリモート操作は不要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るリモート撮影システム2が示された概念図である。このシステム2は、多数の装置M1からM10を備えている。これら装置M1からM10は、固定タイプであってもよく、可搬タイプであってもよい。装置M1からM10が自力移動しうるタイプであってもよい。装置M1からM10が、災害時の救助に用いられるロボットに搭載されてもよい。
【0016】
これら装置M1からM10は、アドホックネットワーク4を構成している。各装置M1からM10は、アドホックネットワーク4のノードに相当する。装置M1の通信エリアA1の内には、装置M2が位置している。装置M1と装置M2との間において、直接の近距離無線通信が可能である。装置M2の通信エリアA2の内には、装置M3が位置している。装置M2と装置M3との間において、直接の近距離無線通信が可能である。装置M3は装置M1の通信エリアA1の外に位置している。装置M1と装置M3との間において、直接の近距離無線通信は不可能である。しかし、装置M3は、装置M2を介して装置M1と間接的に通信しうる。アドホックネットワーク4では、2つの装置が他の装置を中継して接続される。この中継は、ホップと称される。中継の回数は、ホップ回数と称される。図1に示される通り、アドホックネットワーク4は、インターネット6等の回線を介して、サーバ8と接続されている。アドホックネットワーク4の一例が、特開2005−260299公報に開示されている。
【0017】
図2は、図1のシステム2の装置M1が示されたブロック図である。この装置M1は、無線通信機10と、センサ12と、デジタルカメラ14とを備えている。このシステム2が防犯システムとして用いられる場合、センサ12として人感センサが用いられうる。センサ12は、USBケーブル、シリアルケーブル等を介して通信機10と接続されている。デジタルカメラ14は、USBケーブル、シリアルケーブル等を介して通信機10と接続されている。図示されていないが、他の装置M2からM10の構成も、装置M1の構成と同等である。
【0018】
典型的な無線通信機10は、アドホックネットワーク対応タイプの無線ルーターである。無線ルーターの具体例としては、シンクチューブ社の商品名「Rokkoメッシュルーター(RMR)シリーズ」が挙げられる。この通信機10により、装置M1と他の装置との間のアドホック無線通信(近距離無線通信)がなされうる。この無線通信の媒体としては、無線LANが挙げられる。この媒体においては、経路探索機能を有するミドルウェアが稼働する。このミドルウェアにより、マルチホップ通信機能が達成される。このミドルウェアの一例が、前述の特開2005−260299公報に開示されている。ミドルウェアの具体例としては、シンクチューブ社の「MeshCruzer(登録商標)」が挙げられる。近距離無線通信の媒体として、ブルートゥース(登録商標)が用いられてもよい。
【0019】
通信機10は、演算部16、送受信部18、RAM20及び記憶部22を備えている。典型的な演算部16は、CPUである。典型的な記憶部22は、フラッシュメモリ又はハードディスクである。記憶部22には、OS、アプリケーションソフト及び固有のアドレスが記憶されている。
【0020】
図3から5は、図1のシステム2が用いられたリモート撮影方法の一例が示されたフローチャートである。トリガーとなる装置では、図3及び4に示されたフローが実行される。他の装置では、図3及び5に示されたフローが実行される。以下、装置M1がトリガーとなる場合を例として、フローが説明される。
【0021】
装置M1は、通常はウエイティング状態にある(STEP1)。例えばセンサ12のビームを物体が横切ることにより、このセンサ12が検出したイベント情報を演算部16が取得する(STEP2)。演算部16は、このイベント情報の由来の特定を行う(STEP3)。後に詳説されるように、演算部16は、ネットワーク経由のイベント情報も取得しうる。由来の特定(STEP3)では、装置M1のセンサ12(すなわちローカルセンサ)由来のイベント情報であるか否か、そしてネットワーク経由のイベント情報であるか否かが特定される。この段階では、ローカルセンサに由来のイベント情報が取得されているので、フローは図4の(II)へとジャンプする。
【0022】
装置M1の演算部16は、このイベント情報が正常か否かについて、判定を行う(STEP4)。正常である場合は、センサ12がウエイティング状態(STEP1)に戻る。イベント情報が異常である場合、演算部16が送受信部18を介して第一信号をブロードキャストする(STEP5)。この第一信号は、イベント情報である。この第一信号には、イベント特定データが含まれる。このイベント特定データには、トリガーとなる装置M1のアドレスが含まれる。このアドレスは、以下「トリガーアドレス」と称される。イベント特定データには、イベント情報のシーケンスナンバーも含まれる。例えば、この装置M1のセンサ12が取得した5番目のイベント情報に基づいて第一信号がブロードキャストされる場合、シーケンスナンバーは「5」である。このイベント特定データにはさらに、ホップ回数も含まれる。第一信号の場合、ホップ回数はゼロである。
【0023】
演算部16はさらに、デジタルカメラ14に向けてコマンドを送信する(STEP6)。デジタルカメラ14は、コマンドに従い、撮影を実行する(STEP7)。演算部16は、撮影によって得られたイメージデータを、RAM20に記憶する(STEP8)。演算部16はさらに、このイメージデータを、送受信部18、アドホックネットワーク4及びインターネット6を介してサーバ8に送信する(STEP9)。
【0024】
装置M2は、通常はウエイティング状態にある(STEP1)。前述のように、装置M2は装置M1の通信エリアA1の内に位置する。装置M1からブロードキャストされた第一信号は、装置M2の無線通信機10によって受信される。換言すれば、装置M2の演算部16がイベント情報を取得する(STEP2)。演算部16は、このイベント情報の由来の特定を行う(STEP3)。この段階では、ネットワーク経由のイベント情報が取得されているので、フローは図5の(III)へとジャンプする。
【0025】
装置M2が受信した第一信号には、前述のようにイベント特定データが含まれている。装置M2の演算部16は、イベント特定データのホップ回数が3以上であるか否かを判定する(STEP10)。ホップ回数が3以上である場合、装置M2はウエイティング状態(STEP1)に戻る。この段階では、第一信号のホップ回数は前述の通りゼロなので、演算部16はさらにアドレス判定(STEP11)及び処理済み判定(STEP12)を行う。アドレス判定(STEP11)及び処理済み判定(STEP12)の詳細は、後述される。
【0026】
演算部16は、ホップ回数に「1」を加算する(STEP13)。第一信号のホップ回数はゼロなので、加算後のホップ回数は1である。演算部16は、送受信部18を介して第二信号をブロードキャストする(STEP14)。この第二信号には、イベント特定データが含まれる。このイベント特定データには、トリガーアドレス、シーケンスナンバー及びホップ回数が含まれる。第二信号に含まれるトリガーアドレスは、第一信号のそれと同一である。第二信号に含まれるシーケンスナンバーは、第一信号のそれと同一である。第二信号に含まれるホップ回数は、第一信号のそれとは異なる。第二信号の場合、ホップ回数は1である。演算部16はさらに、このイベント特定データをRAM20に記憶する(STEP15)。
【0027】
装置M2の演算部16はさらに、デジタルカメラ14に向けてコマンドを送信する(STEP16)。デジタルカメラ14は、コマンドに従い、撮影を実行する(STEP17)。演算部16は、撮影によって得られたイメージデータを、RAM20に記憶する(STEP18)。演算部16はさらに、このイメージデータを、送受信部18、アドホックネットワーク4及びインターネット6を介してサーバ8に送信する(STEP19)。
【0028】
図1から明らかなとおり、装置M2と同様、装置M7も装置M1の通信エリアA1の内に位置する。装置M7の無線通信機10は、装置M1からブロードキャストされた第一信号を受信する。この装置M7においても、図5に示されたフローが実行される。
【0029】
前述のように、装置M3は装置M2の通信エリアA2の内に位置する。装置M2からブロードキャストされた第二信号は、装置M3の無線通信機10によって受信される。換言すれば、装置M3の演算部16がイベント情報を取得する(STEP2)。演算部16は、このイベント情報の由来の特定を行う(STEP3)。この段階では、ネットワーク経由のイベント情報が取得されているので、フローは図5の(III)へとジャンプする。
【0030】
装置M3が受信した第二信号には、前述のようにイベント特定データが含まれている。装置M3の演算部16は、イベント特定データのホップ回数が3以上であるか否かを判定する(STEP10)。ホップ回数が3以上である場合、装置M3はウエイティング状態(STEP1)に戻る。この段階では、第二信号のホップ回数は前述の通り1なので、演算部16はさらにアドレス判定(STEP11)及び処理済み判定(STEP12)を行う。
【0031】
演算部16は、ホップ回数に「1」を加算する(STEP13)。第二信号のホップ回数は1なので、加算後のホップ回数は2である。演算部16は、送受信部18を介して第三信号をブロードキャストする(STEP14)。この第三信号には、イベント特定データが含まれる。このイベント特定データには、トリガーアドレス、シーケンスナンバー及びホップ回数が含まれる。第三信号の場合、ホップ回数は2である。装置M3ではさらに、このイベント特定データの記憶(STEP15)、コマンドの送信(STEP16)、撮影の実行(STEP17)、イメージデータの記憶(STEP18)及びイメージデータの送信(STEP19)がなされる。装置M8においても、装置M3と同様のフローが実行される。
【0032】
図1から明らかなとおり、装置M4は装置M3の通信エリアA3の内に位置する。装置M3からブロードキャストされた第三信号は、装置M4の無線通信機10によって受信される。換言すれば、装置M4の演算部16がイベント情報を取得する(STEP2)。演算部16は、このイベント情報の由来の特定を行う(STEP3)。この段階では、ネットワーク経由のイベント情報が取得されているので、フローは図5の(III)へとジャンプする。
【0033】
装置M4が受信した第三信号には、前述のようにイベント特定データが含まれている。装置M4の演算部16は、イベント特定データのホップ回数が3以上であるか否かを判定する(STEP10)。ホップ回数が3以上である場合、装置M4はウエイティング状態(STEP1)に戻る。第三信号のホップ回数は前述の通り2なので、演算部16はさらにアドレス判定(STEP11)及び処理済み判定(STEP12)を行う。
【0034】
演算部16は、ホップ回数に「1」を加算する(STEP13)。第三信号のホップ回数は2なので、加算後のホップ回数は3である。演算部16は、送受信部18を介して第四信号をブロードキャストする(STEP14)。この第四信号には、イベント特定データが含まれる。このイベント特定データには、トリガーアドレス、シーケンスナンバー及びホップ回数が含まれる。第四信号の場合、ホップ回数は3である。装置M4ではさらに、このイベント特定データの記憶(STEP15)、コマンドの送信(STEP16)、撮影の実行(STEP17)、イメージデータの記憶(STEP18)及びイメージデータの送信(STEP19)がなされる。装置M9においても、装置M4と同様のフローが実行される。
【0035】
図1から明らかなとおり、装置M5は装置M4の通信エリアA4の内に位置する。装置M4からブロードキャストされた第四信号は、装置M5の無線通信機10によって受信される。換言すれば、装置M5の演算部16がイベント情報を取得する(STEP2)。演算部16は、このイベント情報の由来の特定を行う(STEP3)。この段階では、ネットワーク経由のイベント情報が取得されているので、フローは図5の(III)へとジャンプする。
【0036】
装置M5が受信した第四信号には、前述の通りイベント特定データが含まれている。装置M5の演算部16は、イベント特定データのホップ回数が3以上であるか否かを判定する(STEP10)。第四信号のホップ回数は前述の通り3なので、装置M5はウエイティング状態(STEP1)に戻る。装置M5では、さらなるブロードキャスト(STEP14)は行われない。装置M5では、デジタルカメラ14による撮影(STEP17)も行われない。装置M10においても、装置M5と同様のフローが実行される。
【0037】
装置M1は装置M2の通信エリアA2の内に位置するので、装置M2がブロードキャストした第二信号が装置M1によって受信されうる。換言すれば、装置M1の演算部16がイベント情報を取得する(STEP2)。演算部16は、このイベント情報の由来の特定を行う(STEP3)。この段階では、ネットワーク経由のイベント情報が取得されているので、フローは図5の(III)へとジャンプする。
【0038】
装置M1の演算部16は、アドレス判定(STEP11)を行う。具体的には、自らのアドレスとイベント特定データに含まれるトリガーアドレスとの一致を判定する。装置M1はトリガーとなった装置でもあるから、両者は一致する。装置M1は、ウエイティング状態(STEP1)に戻る。装置M1では、再度のブロードキャスト(STEP14)は行われない。換言すれば、アドレス判定(STEP11)により、信号の洪水化が阻止される。装置M1では、デジタルカメラ14による再度の撮影(STEP17)は実行されない。換言すれば、アドレス判定(STEP11)により、重複撮影が阻止される。
【0039】
装置M2は装置M3の通信エリアA3の内に位置するので、装置M3がブロードキャストした第三信号が装置M2によって受信されうる。換言すれば、装置M2の演算部16がイベント情報を取得する(STEP2)。演算部16は、このイベント情報の由来の特定を行う(STEP3)。この段階では、ネットワーク経由のイベント情報が取得されているので、フローは図5の(III)へとジャンプする。
【0040】
装置M2の演算部16は、処理済み判定(STEP12)を行う。具体的には、自らのRAM20に記憶されているトリガーアドレス及びシーケンスナンバーと、第三信号に含まれているトリガーアドレス及びシーケンスナンバーとを対比する。この例では、両者は一致する。装置M2は、ウエイティング状態(STEP1)に戻る。装置M2では、再度のブロードキャスト(STEP14)は行われない。換言すれば、処理済み判定(STEP12)により、信号の洪水化が阻止される。装置M2では、デジタルカメラ14による再度の撮影(STEP17)は実行されない。換言すれば、処理済み判定(STEP12)により、重複撮影が阻止される。
【0041】
このリモート撮影方法では、STEP10において、ホップ回数が3以上であるか否かが判定される。従って、装置M1、M2、M3、M4、M7、M8及びM9において、デジタルカメラ14による撮影が実行される。これらの撮影で得られたイメージデータは、サーバ8に集約される。他の装置M5、M6及びM10では、撮影は行われない。換言すれば、異常が生じた箇所の近傍に位置する装置においてのみ、撮影が実行される。
【0042】
この例では、ホップ回数の上限は3に設定されている。上限は、任意に設定されうる。例えば、上限が2である場合、STEP10においてホップ回数が2以上であるか否かが判定される。この場合は、撮影を実行する装置の数は少ない。上限が4である場合、STEP10においてホップ回数が4以上であるか否かが判定される。この場合は、撮影を実行する装置の数は多い。
【0043】
この撮影方法では、装置M1がトリガー装置である。しかし、他の装置M2からM10もセンサを備えているので、これら他の装置M2からM10もトリガー装置となりうる。
【0044】
このシステム2では、遠距離の通信が可能な回線が各装置M1からM10に接続される必要がない。このシステム2は、コンパクトである。このシステム2により、散在する多数のデジタルカメラ群による複数の静止画が、低コストで得られる。このシステム2では、撮影のトリガーに人的行為は不要である。この撮影方法では、オペレータの常駐は不要である。
【0045】
このシステムでは、全ての装置M1からM10が、それぞれセンサ12及びデジタルカメラ14を備えている。しかし、一部の装置がセンサ12を備えなくてもよい。センサ12を備えていない装置は、トリガー装置にはなりえない。一部の装置が、デジタルカメラ14を備えなくてもよい。デジタルカメラ14を備えていない装置では、撮影は実行されない。センサ12を備えず、かつデジタルカメラ14を備えない装置がシステムに含まれてもよい。この装置は、中継の機能のみを果たす。
【0046】
このシステムでは、トリガーとなる装置M1において、イベント情報が正常か否かについての判定(STEP4)が行われる。しかし、この判定が、ネットワーク経由でイベント情報を取得した他の装置でなされてもよい。判定が異常な場合に、他の装置において撮影が実行されうる。
【0047】
本発明に係るシステム2は、ホームセキュリティ、商業ビル内の機械警備システムのような、種々の防犯システムに適している。このシステム2により、不法侵入を容易に発見できる。不法侵入が発生した時点で、警告音の発生、警告灯の点灯等をリモート操作で行うことも可能である。サーバ8に保存されたイメージデータは、不法侵入者の特定に寄与しうる。
【0048】
このシステム2はさらに、地震、火災、風水害等が発生したときの状況把握にも適している。このシステム2により、広範な領域において、自動的な状況把握がなされうる。このシステム2は、防災・レスキューシステムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るシステムが示された概念図である。
【図2】図2は、図1のシステムの装置が示されたブロック図である。
【図3】図3は、図1のシステムが用いられたリモート撮影方法の一例が示されたフローチャートである。
【図4】図4は、図1のシステムが用いられたリモート撮影方法の一例が示されたフローチャートである。
【図5】図5は、図1のシステムが用いられたリモート撮影方法の一例が示されたフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
2・・・リモート撮影システム
4・・・アドホックネットワーク
6・・・インターネット
8・・・サーバ
10・・・無線通信機
12・・・センサ
14・・・デジタルカメラ
16・・・演算部
18・・・送受信部
20・・・RAM
22・・・記憶部
M1からM10・・・装置
【出願人】 【識別番号】506279779
【氏名又は名称】株式会社シンクチューブ
【出願日】 平成18年8月16日(2006.8.16)
【代理人】 【識別番号】100107940
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 憲吾

【識別番号】100120938
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 教郎


【公開番号】 特開2008−48157(P2008−48157A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221808(P2006−221808)