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【発明の名称】 動画処理装置、動画撮影装置および動画撮影プログラム
【発明者】 【氏名】奈良 和也

【要約】 【課題】特徴点が存在する可能性の高い小ブロックから動きベクトルを取得することでき、ブレ補正を有効的に機能させることができる。

【構成】アナログ信号処理部15は、撮像センサ16に結像された映像を取り込み、所定の信号処理を施した後、表示部25にスルー表示する。このとき、撮影対象物の場所(画面上での位置)を指定させるために、動きベクトル参照場所選択ユーザインターフェースを、スルー画面上に半透過で表示する。制御部20は、ユーザにより指定された撮影対象物の場所に対応して設けられている小ブロックを動きベクトルの参照ブロックとして決定し、該参照ブロックに基づいてフレーム間の動きベクトルを算出する。そして、該動きベクトルに基づいて切り取り位置を上下左右に移動させることでブレ補正を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を取得する映像取得手段と、
映像全体の中に部分的に設けられた小ブロックを対象として動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
前記動きベクトル算出手段により算出された動きベクトルに基づいて、前記映像の切り取り位置を変化させることでブレ補正を行うブレ補正手段と、
映像全体の中に部分的に設けられた小ブロックのうち、利用者の指示操作に基づいて、前記動きベクトル算出手段による動きベクトルの算出対象となる参照ブロックを決定する決定手段と
を備え、
前記動きベクトル算出手段は、前記決定手段により決定された参照ブロックを対象として動きベクトルを算出することを特徴とする動画処理装置。
【請求項2】
前記映像取得手段により逐次取得される映像をモニタ画面上に逐次表示する映像表示手段と、
前記映像表示手段により映像が表示されているモニタ画面上に、前記動きベクトルの算出対象として指定可能な小ブロックの位置を識別表示する識別表示手段と
を備え、
前記決定手段は、前記識別表示手段により小ブロックの位置が識別表示された状態での利用者の指示操作に基づいて、前記動きベクトルの算出対象となる参照ブロックを決定することを特徴とする請求項1記載の動画処理装置。
【請求項3】
手ブレ補正を行って撮像した映像を録画・表示する動画撮影装置であって、
映像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により逐次撮像される映像を逐次表示する映像表示手段と、
前記映像全体の中に配置された複数の小ブロックのうち、利用者によって指定された撮影対象物の位置に配置された小ブロックを参照ブロックとして決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された参照ブロック毎に動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
前記動きベクトル算出手段によって算出された動きベクトルに基づいて、映像全体の時間軸方向に対する動き量を検出する動き量検出手段と、
前記動き量検出手段により検出される動き量に基づいて、前記映像の切り取り位置を変化させることでブレ補正を行うブレ補正手段と
を具備することを特徴とする動画撮影装置。
【請求項4】
異なる撮影状況毎に少なくとも映像内の撮影対象物の位置を規定する定型フォームを記憶する定型フォーム記憶手段と、
前記定型フォーム記憶手段からいずれか1つの定型フォームを選択する選択手段とを具備し、
前記決定手段は、前記選択手段により選択された定型フォームで規定される撮影対象物の位置に配置された小ブロックを参照ブロックとして決定することを特徴とする請求項3記載の動画撮影装置。
【請求項5】
映像内の撮影対象物を検知し、該検知した撮影対象物の位置に対応して配置されている合焦領域を決定し、該合焦領域内で撮影対象物に合焦させる合焦手段を具備し、
前記決定手段は、前記合焦手段によって合焦された撮影対象物の位置に配置された小ブロックを参照ブロックとして決定することを特徴とする請求項3記載の動画撮影装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記撮影対象物の位置に配置された小ブロックを細分化した極小ブロックを参照ブロックとして決定することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の動画撮影装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記撮影対象物の位置に配置された小ブロックに加え、前記撮影対象物の位置での参照ブロック密度が高くなるように、前記撮影対象物以外の領域に配置された小ブロックを前記参照ブロックとして決定することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の動画撮影装置。
【請求項8】
手ブレ補正を行って撮像した映像を表示する動画撮影プログラムであって、
コンピュータに、
映像を撮像する撮像機能、
逐次撮像される映像を逐次表示する映像表示機能、
前記映像全体の中に配置された複数の小ブロックのうち、利用者によって指定された撮影対象物の位置に配置された小ブロックを参照ブロックとして決定する決定機能、
前記決定された参照ブロック毎に動きベクトルを算出する動きベクトル算出機能、
前記算出された動きベクトルに基づいて、映像全体の時間軸方向に対する動き量を検出する動き量検出機能、
前記検出された動き量に基づいて、前記映像の切り取り位置を変化させることでブレ補正を行うブレ補正機能
を実現させることを特徴とする動画撮影プログラム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手ブレ補正を行う動画処理装置、動画撮影装置および動画撮影プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラでは、静止画に加え、動画撮影する機能が備えられている。動画撮影における手ブレ補正には、大別して2種類がある。第1の手ブレ補正(機械式手ぶれ補正)は、手ブレによるデジタルカメラ筐体の振動を検出する加速度/ジャイロセンサからの出力信号に基づいて、撮像素子か、あるいはレンズを揺らして手ブレをキャンセルする技術である。しかしながら、上述した機械式手ブレ補正では、レンズが大型化してコストアップになるという問題がある。
【0003】
第2の手ブレ補正(電子式手ブレ補正)は、撮像素子から得られる映像全画角のうち、一部の画角を切り取りながら撮影を行い、手ブレに呼応して切り取り位置を揺らしながら記録する技術である(例えば、特許文献1参照)。該電子式手ブレ補正では、フレーム全体の動きを求めるために、フレーム全体を細分化した小さなブロック(以下、小ブロックという)毎に算出した複数の動きベクトルを用いる。複数の動きベクトルを用いることで、動被写体成分などのブレ成分以外の動き成分を排除したフレームに最適な補正成分だけを算出することができる。
【0004】
しかしながら、全ての小ブロックの動きベクトルを算出することは、演算処理の負荷が大きく困難である。そのため、動きベクトルを算出する小ブロックを選び出すことが必要であり、特徴量(ある領域における特徴点の量)を検出して特徴量の多い小ブロックを選択したり、小ブロックを固定位置に配置したりしている。
【0005】
動きベクトルを算出する小ブロック決定後、現フレームの画像データと1つ前のフレームの画像データとの2つの画像データから、ブロックマッチング(差分二乗和の最小位置を求める方法)や、KLT法(勾配法を用いた方法)などによって、小ブロックの動きベクトルを取得し、RANSAC(Random sample consensus)などによって、フレーム全体の動き量を算出する。
【0006】
そして、画像データ全体の何割か(80%とか、90%とか)を切り出し領域とし、前のフレームから動いた分を戻すべく、算出した動き量の分だけをオフセットを付けて、切り出し領域を拡大して、動画符号化回路や表示部に送り出す。
【0007】
【特許文献1】特開2004−248171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した電子式手ブレ補正において、特徴量の検出は、HARRISオペレータなどを用いるため、演算を行う専用のハードウェアが必要となる。しかしながら、演算を行う専用のハードウェアを搭載していない装置において、ソフトウェアで実現することは、演算処理の負荷が大きく困難であるという問題がある。
【0009】
そのため、そのような装置においては、固定位置に配置した小ブロックを用いることが一般的である。しかしながら、固定位置に配置した小ブロックを用いる場合には、特徴点が小ブロック内に存在するとは限らないため、ブレ補正が有効的に機能しない場合も多いという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、専用のハードウェアを搭載していなくても、特徴点が存在する可能性の高い領域から動きベクトルを取得することでき、ブレ補正を有効的に機能させることができる動画処理装置、動画撮影装置および動画撮影プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明は、映像を取得する映像取得手段と、映像全体の中に部分的に設けられた小ブロックを対象として動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、前記動きベクトル算出手段により算出された動きベクトルに基づいて、前記映像の切り取り位置を変化させることでブレ補正を行うブレ補正手段と、映像全体の中に部分的に設けられた小ブロックのうち、利用者の指示操作に基づいて、前記動きベクトル算出手段による動きベクトルの算出対象となる参照ブロックを決定する決定手段とを備え、前記動きベクトル算出手段は、前記決定手段により決定された参照ブロックを対象として動きベクトルを算出することを特徴とする。
【0012】
また、好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、請求項1記載の動画処理装置において、前記映像取得手段により逐次取得される映像をモニタ画面上に逐次表示する映像表示手段と、前記映像表示手段により映像が表示されているモニタ画面上に、前記動きベクトルの算出対象として指定可能な小ブロックの位置を識別表示する識別表示手段とを備え、前記決定手段は、前記識別表示手段により小ブロックの位置が識別表示された状態での利用者の指示操作に基づいて、前記動きベクトルの算出対象となる参照ブロックを決定するようにしてもよい。
【0013】
また、請求項3、8記載の発明は、逐次撮像される映像を逐次表示する際に、映像全体の中に配置された複数の小ブロックのうち、利用者によって指定された撮影対象物の位置に配置された小ブロックを参照ブロックとして決定し、該参照ブロック毎に動きベクトルを算出し、算出された動きベクトルに基づいて、映像全体の時間軸方向に対する動き量を検出し、該動き量に基づいて映像の切り取り位置を変化させることでブレ補正を行うことを特徴とする。
【0014】
また、好ましい態様として、例えば請求項4記載のように、請求項3記載の動画撮影装置において、異なる撮影状況毎に少なくとも映像内の撮影対象物の位置を規定する定型フォームを記憶する定型フォーム記憶手段と、前記定型フォーム記憶手段からいずれか1つの定型フォームを選択する選択手段とを具備し、前記決定手段は、前記選択手段により選択された定型フォームで規定される撮影対象物の位置に配置された小ブロックを参照ブロックとして決定するようにしてもよい。
【0015】
また、好ましい態様として、例えば請求項5記載のように、請求項3記載の動画撮影装置において、映像内の撮影対象物を検知し、該検知した撮影対象物の位置に対応して配置されている合焦領域を決定し、該合焦領域内で撮影対象物に合焦させる合焦手段を具備し、前記決定手段は、前記合焦手段によって合焦された撮影対象物の位置に配置された小ブロックを参照ブロックとして決定するようにしてもよい。
【0016】
また、好ましい態様として、例えば請求項6記載のように、請求項3ないし5のいずれかに記載の動画撮影装置において、前記決定手段は、前記撮影対象物の位置に配置された小ブロックを細分化した極小ブロックを参照ブロックとして決定するようにしてもよい。
【0017】
また、好ましい態様として、例えば請求項7記載のように、請求項3ないし5のいずれかに記載の動画撮影装置において、前記決定手段は、前記撮影対象物の位置に配置された小ブロックに加え、前記撮影対象物の位置での参照ブロック密度が高くなるように、前記撮影対象物以外の領域に配置された小ブロックを前記参照ブロックとして決定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、映像全体の中に部分的に設けられた小ブロックのうち、利用者の指示操作に基づいて、前記動きベクトル算出手段による動きベクトルの算出対象となる参照ブロックを決定し、決定された参照ブロックを対象として動きベクトルを算出し、該動きベクトルに基づいて、前記映像の切り取り位置を変化させることでブレ補正を行うようにしたので、専用のハードウェアを搭載していなくても、特徴点が存在する可能性の高い領域から動きベクトルを取得することでき、ブレ補正を有効的に機能させることができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
A.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図において、画像取得部10は、レンズ11、シャッタ12、LPF13からなる。レンズ11は、通常の光学レンズであり、非球面レンズを重ねたレンズ群からなる。シャッタ12は、シャッタボタンが操作されると、制御部20によって駆動されるドライバ14により動作する、所謂メカニカルシャッタである。なお、デジタルカメラによっては、メカニカルシャッタを備えない場合もあり、沈胴式のレンズ構造、メカニカルズームを搭載する機種の場合、これらの駆動制御もドライバ14で行う。LPF13は、水晶ローパスフィルタであり、モアレの発生を防ぐために搭載されている。
【0021】
次に、アナログ信号処理部15は、撮像センサ(CCD,CMOS)16、サンプリング/信号増幅処理部17、A/Dコンバータ18からなる。撮像センサ16は、被写体画像(イメージ)を結像し、RGBの各色の光の強さを、電流値に変換する。サンプリング/信号増幅処理部17は、ノイズや色むらを抑えるための相関二重サンプリング処理や信号増幅処理を行う。A/Dコンバータ18は、アナログフロントエンドとも呼ばれ、サンプリング・増幅したアナログ信号をデジタル信号に変換する(RGB,CMYG各色について12bitデータに変換してバスラインに出力する)。
【0022】
次に、制御部(CPU)20は、後述するプログラムメモリ格納されるプログラムに従ってデジタルカメラ1(撮像装置)の全体を制御する。特に、本第1実施形態では、被写体である撮影対象物の場所の指定、指定された場所を中心に小ブロックを細分化して配置、該小ブロックに基づいてフレーム間の動きベクトルの算出、該動きベクトルに基づく画像全体の動き量の算出、動き量に基づく切り抜きオフセットの算出、オフセットに基づく画像の切り抜き、切り出し領域の拡大などを行うようになっている。
【0023】
プレビューエンジン22は、録画モード(記録モード、撮影モードともいう)において、画像取得部10、アナログ信号処理部15を介して入力されたデジタルデータ、もしくはシャッタ操作検出直後、イメージバッファ26に格納されたデジタルデータ、および、画像メモリ31に格納されたデジタルデータを表示部25に表示させるために間引き処理を行う。D/Aコンバータ23は、プレビューエンジン22により間引き処理されたデジタルデータを変換し、後段のドライバ24に出力する。
【0024】
ドライバ24は、後段の表示部25に表示されるデジタルデータを一時記憶するバッファ領域を備え、キー操作部27、制御部20を介して入力された制御信号に基づいて表示部25を駆動させる。表示部25は、カラーTFT液晶や、STN液晶などからなり、プレビュー画像や、撮影後の画像データ、設定メニューなどを表示する。
【0025】
イメージバッファ26は、アナログ信号処理部15、もしくはデジタル信号処理部28を介して入力され、デジタル信号処理部28に渡すまで一時的に撮影直後のデジタルデータを格納する。キー操作部27は、シャッタボタンや、記録/再生モード選択スライドスイッチ、メニューボタン、十字キー(中央押しで決定)などからなる。特に、本第1実施形態では、十字キーにより、被写体である対象物の場所を指定するようになっている。
【0026】
デジタル信号処理部28は、アナログ信号処理部15を介して入力されたデジタルデータに対して、ホワイトバランス処理、色処理、階調処理、輸郭強調、RGB形式からYUV形式への変換、YUV形式からJPEG形式への変換を行う。画像圧縮/伸張処理部29は、デジタル信号処理部28を介して入力されたデジタルデータをJPEG方式に圧縮符号化したり、モーションJPEG形式の動画ファイルを生成したり、モーションJPEG形式の動画ファイルをMPEG形式の動画ファイルに変換したり、再生モードにおいては、JPEG形式、モーションJPEG形式、あるいはMPEG形式の動画ファイルを伸張したりする。
【0027】
プログラムメモリ30は、制御部20にロードされる各種プログラムや、ベストショット機能におけるEV値、色補正情報などを格納する。画像メモリ31は、イメージバッファ26に一時的に保持された画像データや、各種ファイル形式に変換されたデジタルデータ、動画データなどを格納する。カードI/F32は、外部記録媒体33とデジタルカメラ本体との間のデータ交換を制御する。
【0028】
外部記録媒体33は、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、SDカード等からなる着脱可能な記録媒体である。外部接続用I/F34は、USBコネクター用スロットなどからなり、パーソナルコンピュータなどと接続され、撮影した画像データの転送などに用いられる。RAM35は、制御部(CPU)20の制御に必要な各種パラメータや、夜景撮影時の各種パラメータ(ゲイン(ISO感度)、絞り、シャッタスピード、画像合成のための閾値、重みなど)などを記憶する。
【0029】
次に、上述した第1実施形態の動作について説明する。ここで、図2は、本第1実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。また、図3ないし図5は、本第1実施形態による、被写体である対象物の指定、小ブロックの配置、小ブロックの細分化を説明するための模式図である。
【0030】
動画撮影モードにすると、アナログ信号処理部15において、撮像センサ(CCD,CMOS)16に結像された映像を取り込み、所定の信号処理を施した後、表示部25にスルー表示する(ステップS10)。このとき、撮影対象物の場所(画面上での位置)を指定させるために、図3に示すように、動きベクトル参照場所選択ユーザインターフェースを、スルー画面上に半透過で表示する。図示の例では、画面を12のブロックに分割して指定させるようになっている。次に、十字キーにより撮影対象物がある場所をユーザに指定させる(ステップS12)。図示の例では、6番目の場所(ブロック)が指定されている。該場所(ブロック)における、動きベクトル参照の小ブロック(斜線部分)は、図4に示すように4つの小ブロックで構成されている。なお、指定可能な場所は、1箇所とは限らず、複数箇所指定できるようにしてもよい。そして、ユーザにより指定された1または複数の場所に対応して設けられている小ブロックを動きベクトルを算出する際の参照ブロックとして決定する(ステップS14)。
【0031】
なお、このステップS14では、予め画面全体に均等に配置された複数の小ブロックの中からユーザの選択した場所に対応して設けられている小ブロックを、動きベクトルを算出する際の参照ブロックとして決定しているが、図5(a)、(b)に示すように、ユーザにより指定された場所を中心に、小ブロックに比べてより小さなブロック(以下、極小ブロックという)に細分化し、該極小ブロックの各々を、動きベクトルを算出する際の参照ブロックとしてもよい(ステップS14a)。また、図5(a)、(c)に示すように、指定された場所における小ブロックの比重が他より大きくなるように、指定された場所以外に対応して設けられている小ブロックを、動きベクトルを算出する際の参照ブロックとして上記極小ブロックに加えてもよい(ステップS14b)。このように、撮影対象物がある場所をユーザに指定させることで、指定された場所に特徴点が存在する可能性が高くなる。
【0032】
次に、上記参照ブロック(小ブロックまたは極小ブロック)を用いて、複数フレームをバッファリングし、対象フレームと隣接フレームとの差分から動きベクトルを算出し(ステップS16)、該動きベクトルから画像全体の動き量を算出する(ステップS18)。次に、動きベクトルに従って、画像切り抜きオフセット(切り抜き位置の前後左右へ調整値)を算出し(ステップS20)、切り取り画角で画像を切り抜き(ステップS22)、該画像を表示部25の表示領域に拡大する(ステップS24)。以降、撮影停止指示があるまで、表示部25に表示するとともにエンコードした映像を記録する。
【0033】
上述した第1実施形態では、ユーザにより指定された場所に対応して設けられている小ブロックを動きベクトルを算出する際の参照ブロックとするか、指定された場所を中心に細分化した極小ブロックを参照ブロックとするか、あるいは、指定された場所における小ブロックの比重が他より大きくなるように、上記極小ブロックに加え、指定された場所以外に対応して設けられている小ブロックを参照ブロックとし、該参照ブロックに基づいてフレーム間の動きベクトルを算出し、該動きベクトルに基づいて画像全体の動き量の算出してブレ補正を行うようにしたので、専用のハードウェアを搭載していなくても、特徴点が存在する可能性の高い小ブロックまたは極小ブロックから動きベクトルを取得することでき、ブレ補正を適切に、かつ有効的に機能させることができる。
【0034】
また、撮影対象物の場所をユーザに指定させるようにしたので、動きベクトル算出時の参照ブロックとして、特徴点が存在する可能性の高い領域をより正確に選択することができ、ブレ補正を適切に、かつ有効的に機能させることができる。
また、小ブロックをより細分化した極小ブロックを、参照ブロックとしたので、より正確に動きベクトル、動き量を算出することができる。
また、指定された場所における小ブロックの比重が他より大きくなるように、上記極小ブロックに加え、指定された場所以外に対応して設けられている小ブロックを参照ブロックとしたので、より正確に動きベクトル、動き量を算出することができる。
【0035】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、撮影状況(屋外、屋内、スポーツ、スナップ、夜景、ツーショットなど)に応じて、被写体である撮影対象物の位置(画角内での位置)や、撮影パラメータ(シャッター速度、絞りなど)などが予め設定された定型フォームを、ユーザに選択させ、選択された定型フォームにおける被写体である撮影対象物の位置に対応する領域を、動きベクトル参照領域とすることを特徴としている。
【0036】
次に、本第2実施形態の動作について説明する。図6は、本第2実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。また、図7(a)〜(c)は、本第2実施形態による、動きベクトル参照領域である小ブロックの決定方法を説明するための模式図である。
【0037】
動画撮影モードにすると、アナログ信号処理部15において、撮像センサ(CCD,CMOS)16に結像された映像を取り込み、所定の信号処理を施した後、表示部25にスルー表示する(ステップS30)。次に、ユーザに定型フォームを選択させる(ステップS32)。なお、動画撮影モードにする前に定型フォームを選択しておいてもよい。次に、選択された定型フォームに対応して予め決められた小ブロックを動きベクトルを算出する際の参照ブロックとして決定する(ステップS34)。
【0038】
なお、この場合、各定型フォームは、該定型フォームに対応する各小ブロックの画面全体における絶対位置を規定し、定型フォームの選択だけで動きベクトルの参照ブロックが決定されるものとしてもよいし、各定型フォームは、各小ブロックの相対的な位置を規定し、ユーザが指定した画面上の位置に該定型フォームで規定される各小ブロックを配置することで動きベクトルの参照ブロックが決定されるようにしてもよい。
【0039】
定型フォームと小ブロックの配置との関係を図7(a)〜(c)に示す。なお、撮影対象物は、1箇所とは限らず、複数箇所あってもよい。このように、定型フォームにおける撮影対象物の位置に対応する小ブロックを用いることで、該小ブロックに特徴点が存在する可能性が高くなる。
【0040】
次に、決定した参照ブロックを用いて、複数フレームをバッファリングし、対象フレームと隣接フレームとの差分から動きベクトルを算出し(ステップS36)、該動きベクトルから画像全体の動き量を算出する(ステップS38)。次に、動きベクトルに従って、画像切り抜きオフセット(切り抜き位置の前後左右へ調整値)を算出し(ステップS40)、切り取り画角で画像を切り抜き(ステップS42)、該画像を表示部25の表示領域に拡大する(ステップS44)。以降、撮影停止指示があるまで、表示部25に表示するとともにエンコードした映像を記録する。
【0041】
上述した第2実施形態では、ユーザにより選択された、撮影状況毎に用意された定型フォームに対応して予め決められた小ブロックを動きベクトル算出時の参照ブロックとして決定し、該参照ブロックに基づいてフレーム間の動きベクトルを算出し、該動きベクトルに基づいて画像全体の動き量の算出してブレ補正を行うようにしたので、専用のハードウェアを搭載していなくても、特徴点が存在する可能性の高い領域から動きベクトルを取得することでき、ブレ補正を適切に、かつ有効的に機能させることができる。
【0042】
C.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態では、マルチエリアAF(オートフォーカス)によって取得した合焦領域を中心に小ブロックを細分化して配置するか、または合焦領域の小ブロックの比重を調整して配置し、これら小ブロックを用いて動きベクトルを算出し、フレーム全体の動き量を算出することを特徴としている。
【0043】
次に、上述した第3実施形態の動作について説明する。ここで、図8は、本第3実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。また、図9は、本第3実施形態による、小ブロックの配置を説明するための模式図である。
【0044】
動画撮影モードにすると、アナログ信号処理部15において、撮像センサ(CCD,CMOS)16に結像された映像を取り込み、所定の信号処理を施した後、表示部25にスルー表示する(ステップS50)。次に、撮影開始の操作が行われたか判断し(ステップS52)、撮影開始の操作が行われると、マルチエリアAF処理を行う(ステップS54)。マルチエリアAF処理では、図9(a)に示すように、撮影対象物を検知し、該検知した撮影対象物に合焦させるべく、撮影対象物がある場所に対応する位置に配置されている合焦領域を選択し、該合焦領域でコントラスト法などにより撮影対象物に合焦させる。
【0045】
次に、図9(b)に示すように、合焦領域を中心に小ブロック(斜線部分)を配置し、該小ブロックを動きベクトルを算出する際の参照ブロックとして決定する(ステップS56)。なお、前述した第1実施形態と同様に、図5(a)、(c)に示すように、合焦領域の小ブロックに加え、合焦領域の小ブロックの比重が大きくなるように、合焦領域以外の小ブロックを、動きベクトルを算出する際の参照ブロックとして決定してもよい(ステップS56b)。このように、合焦領域を中心に配置した小ブロックを参照ブロックとするか、または合焦領域の小ブロックの比重が大きくなるように、上記参照ブロックに加えた、合焦領域以外に配置した小ブロックを参照ブロックとし、これら参照ブロックを用いて動きベクトルを算出し、フレーム全体の動き量を算出することで、該参照ブロックに特徴点が存在する可能性が高くなる。
【0046】
次に、上記参照ブロックを用いて、複数フレームをバッファリングし、対象フレームと隣接フレームとの差分から動きベクトルを算出し(ステップS58)、該動きベクトルから画像全体の動き量を算出する(ステップS60)。次に、動きベクトルに従って、画像切り抜きオフセット(切り抜き位置の前後左右へ調整値)を算出し(ステップS62)、切り取り画角で画像を切り抜き(ステップS64)、該画像を表示部25の表示領域に拡大する(ステップS66)。以降、撮影停止指示があるまで、表示部25に表示するとともにエンコードした映像を記録する。
【0047】
上述した第3実施形態では、マルチエリアAF(オートフォーカス)によって取得した合焦領域を中心に配置した小ブロックを、動きベクトルの参照ブロックとするか、あるいは合焦領域の小ブロックの比重が大きくなるように、合焦領域における小ブロックに加え、合焦領域以外に配置した小ブロックを参照ブロックとし、これら参照ブロックを用いて動きベクトルを算出し、該動きベクトルに基づいてフレーム全体の動き量を算出してブレ補正を行うようにしたので、専用のハードウェアを搭載していなくても、特徴点が存在する可能性の高い領域から動きベクトルを取得することでき、ブレ補正を適切に、かつ有効的に機能させることができる。
また、合焦領域における小ブロックに加え、合焦領域における小ブロックの比重が他より大きくなるように、合焦領域以外に対応して設けられている小ブロックを参照ブロックとしたので、より正確に動きベクトル、動き量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本第1実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本第1実施形態による被写体である対象物の指定を説明するための模式図である。
【図4】本第1実施形態による細分化された小ブロックの配置を説明するための模式図である。
【図5】本第1実施形態による小ブロックの細分化を説明するための模式図である。
【図6】本第2実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本第2実施形態による、動きベクトル参照領域である小ブロックの決定方法を説明するための模式図である。
【図8】本第3実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本第3実施形態による、小ブロックの配置を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0049】
1 デジタルカメラ
10 画像取得部
11 レンズ
12 シャッタ
13 LPF
14 ドライバ
15 アナログ信号処理部
16 撮像センサ
17 サンプリング/信号増幅処理部
18 A/Dコンバータ
19 フラッシュ
20 制御部
22 プレビューエンジン
23 D/Aコンバータ
24 ドライバ
25 表示部
26 イメージバッファ
27 キー操作部
28 デジタル信号処理部
29 画像圧縮/伸張処理部
30 プログラムメモリ
31 画像メモリ
32 カードI/F
33 外部記録媒体
34 外部接続用I/F
35 RAM
【出願人】 【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【出願日】 平成18年8月16日(2006.8.16)
【代理人】 【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實


【公開番号】 特開2008−48152(P2008−48152A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221765(P2006−221765)